JP2001302648A - ピペラジン誘導体の製造法 - Google Patents

ピペラジン誘導体の製造法

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JP2001302648A JP2000128775A JP2000128775A JP2001302648A JP 2001302648 A JP2001302648 A JP 2001302648A JP 2000128775 A JP2000128775 A JP 2000128775A JP 2000128775 A JP2000128775 A JP 2000128775A JP 2001302648 A JP2001302648 A JP 2001302648A
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恭一郎 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、アデノシンA2A受容体の機
能亢進に由来する各種疾患に有効であるピリミジン誘導
体の合成中間体として有用なピペラジン誘導体等の製造
法を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、以下の一般式(III)で表
されるピペラジン誘導体の製造法を提供する。 (式中、R1は水素原子または低級アルキルを表し、R2
よびR3は同一または異なって低級アルキル、置換もしく
は非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族
複素環基を表し、Xはハロゲン等を表し、Yはアミノ基
の保護基を表し、naは1〜8の整数を表し、nbは1または2
を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アデノシンA2A
容体の機能亢進に由来する各種疾患(例えばパーキンソ
ン病、老人性痴呆症またはうつ病等)に有効である[1,
2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン誘導体の合成中間体
として有用なピペラジン誘導体およびピペラジニルカル
ビノール誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】後述する一般式(IV)で表されるピペ
ラジニルカルビノール誘導体[以下、化合物(IV)と
表現することもある。他の式番号の化合物についても同
様である]のうち、na=1、nb=1、R1=H、R2およびR3=メ
チルである化合物は、5-リポキシゲナーゼおよびシクロ
オキシゲナーゼ阻害作用を有するインドメタシン誘導体
の合成中間体として知られている[ケミカル・アンド・
ファーマシューティカル・ブリテン(Chem. Pharm. Bul
l.), 42(4), 963(1994)]。また、na=2、nb=1、R1=H、
R2およびR3=メチルである化合物はブラジキニン拮抗作
用を有する1,4-ジヒドロピリジン誘導体の合成中間体と
して知られている[特開平11-106375号公報]。これら
の化合物の製造は、公知の方法[例えば、ジャーナル・
オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.),
8, 338(1943)、特開平11-106375号公報等]により行う
ことができる。
【0003】また、特開平6-247943号公報は化合物(I
V)のうちna=5、nb=1、R1=H、R2およびR3=メチルであ
る化合物を以下のように製造する方法を開示している。
【0004】
【化16】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アデ
ノシンA2A受容体の機能亢進に由来する各種疾患(例え
ばパーキンソン病、老人性痴呆症またはうつ病等)に有
効である一般式(V)
【0006】
【化17】
【0007】(式中、R1、R2、R3、naおよびnbはそれぞ
れ前記と同義であり、R5は水素原子、ハロゲン、置換も
しくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のア
リール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を表
し、R6は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは
非置換の芳香族複素環基等を表し、Qは、水素原子また
は3,4−ジメトキシベンジルを表す)で表される化合
物(V)の合成中間体として有用なピペラジン誘導体お
よびピペラジニルカルビノール誘導体の汎用的な製造法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の(1)
〜(3)、(5)の製造法および(4)の化合物を提供
する。 (1)一般式(I)
【0009】
【化18】
【0010】[式中、Xはハロゲン、低級アルキルスル
ホニルオキシまたは置換もしくは非置換のアリールスル
ホニルオキシを表し、naは1〜8の整数を表し、Raは、
式(a)
【0011】
【化19】
【0012】(式中、R1は水素原子または低級アルキル
を表し、R2およびR3は同一または異なって低級アルキ
ル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは
非置換の芳香族複素環基を表す)で表される基、また
は、式(b)
【0013】
【化20】
【0014】(式中、R4は低級アルキルを表す) で表
される基を表す]で表される化合物と一般式(II)
【0015】
【化21】
【0016】(式中、Yはアミノ基の保護基を表し、nb
は1または2を表す)で表される化合物を縮合させるこ
とを特徴とする一般式(III)
【0017】
【化22】
【0018】(式中、Ra、na、nbおよびYはそれぞれ前
記と同義である)で表されるピペラジン誘導体の製造法
[ただし、Raが式(a)で表される基であり、R1が水素
原子であり、R2およびR3がともにメチルであり、nbが1
であり、かつYがエトキシカルボニルの場合、naは5で
ない]。 (2)一般式(IIIa)
【0019】
【化23】
【0020】(式中、R1、R2、R3、na、nbおよびYはそ
れぞれ前記と同義である)で表される化合物におけるア
ミノ基の保護基を脱保護することを特徴とする一般式
(IV)
【0021】
【化24】
【0022】(式中、R1、R2、R3、naおよびnbはそれぞ
れ前記と同義である)で表されるピペラジニルカルビノ
ール誘導体の製造法。 (3)一般式(IIIb)
【0023】
【化25】
【0024】(式中、R4、Y、naおよびnbはそれぞれ前
記と同義である)で表される化合物を有機金属試薬と反
応させ、一般式(IIIc)
【0025】
【化26】
【0026】(式中、R2bおよびR3bは、同一で低級アル
キル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしく
は非置換の芳香族複素環基を表し、Y、naおよびnbはそ
れぞれ前記と同義である)で表される化合物を製造し、
さらにこの化合物におけるアミノ基の保護基を脱保護す
ることを特徴とする一般式(IVa)
【0027】
【化27】
【0028】(式中、R2b、R3b、naおよびnbはそれぞれ
前記と同義である)で表されるピペラジニルカルビノー
ル誘導体の製造法。 (4)一般式(IVb)
【0029】
【化28】
【0030】(式中、R2aおよびR3aは、同一または異な
って低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまた
は置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、naaは
1〜8の整数を表し、nbaは1または2を表す。ただ
し、R2aおよびR3aがともにメチルであり、nbaが1であ
る場合、naaは、1、2または5でない)で表されるピ
ペラジニルカルビノール誘導体またはその塩。 (5)一般式(IV)
【0031】
【化29】
【0032】(式中、R1、R2、R3、naおよびnbはそれぞ
れ前記と同義である)で表されるピペラジニルカルビノ
ール誘導体の製造法において、一般式(I)
【0033】
【化30】
【0034】(式中、X、naおよびRaはそれぞれ前記と
同義である)で表される化合物と一般式(II)
【0035】
【化31】
【0036】(式中、Yおよびnbはそれぞれ前記と同義
である)で表される化合物を縮合させ、一般式(II
I)
【0037】
【化32】
【0038】(式中、Ra、na、nbおよびYはそれぞれ前
記と同義である)で表される化合物を製造する工程を含
むことを特徴とする製造法。
【0039】
【発明の実施の形態】化合物(I)〜(IV)の各基の
定義において、低級アルキルおよび低級アルキルスルホ
ニルオキシの低級アルキル部分としては、直鎖または分
岐状の炭素数1〜6の、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が
あげられる。
【0040】アリールおよびアリールスルホニルオキシ
のアリール部分としてはフェニル、ナフチル、インデニ
ル、アントリル等があげられる。芳香族複素環基として
は、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選
ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単
環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環また
は三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ば
れる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基
等があげられ、より具体的にはピリジル、ピラジニル、
ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリ
ニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、
ナフチリジニル、シンノリニル、ピロリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエ
ニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、インドリ
ル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリア
ゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリ
ニル、トリアジニル等があげられる。
【0041】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素の各原子があげられる。アミノ基の保護基として
は、有機合成上、一般にアミノ基等に用いられる保護基
[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガ
ニック・シンセシス(Protective Groups in Organic S
ynthesis)、グリーン(T. W. Greene)著、ジョン・ワ
イリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John
Wiley & Sons, Inc.)(1981年)、ペプチド合成の基
礎と実験 第6刷、泉屋信夫他著、丸善株式会社出版
(平成9年10月5日 発行)等参照]等があげられ、
例えば、置換もしくは非置換のベンジル、トリフェニル
メチル、tert-ブトキシカルボニル、置換もしくは非置
換のベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチ
ルオキシカルボニル、イソニコチノイルオキシカルボニ
ル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、p-トルエンスル
ホニル等があげられる。中でも、置換もしくは非置換の
ベンジル、置換もしくは非置換のベンジルオキシカルボ
ニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、イソ
ニコチノイルオキシカルボニル等の接触還元により除去
できる保護基が好ましい。また、ここで、置換もしくは
非置換のベンジルあるいは置換もしくは非置換のベンジ
ルオキシカルボニルの置換基としては、低級アルキル、
低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、Phe-N=N-(式中、
Pheは、フェニルを表す)等があげられ、その置換数は
1〜3である。また前記の低級アルキルまたは低級アル
コキシの低級アルキル部分、ハロゲンとしては前記と同
様のものがあげられる。
【0042】置換アリール、置換芳香族複素環基、置換
アリールスルホニルオキシの置換基としては、同一また
は異なって置換数1〜3の、例えば、低級アルキル、ヒド
ロキシ、ヒドロキシ置換低級アルキル、ハロゲノ低級ア
ルキル、ハロゲノ低級アルコキシ、低級アルコキシ、低
級アルコキシカルボニル、低級アルキルチオ、低級アル
キルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリー
ル、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、
芳香族複素環基、ハロゲノアリールオキシ、ハロゲノア
ラルキルオキシ、カルボキシ、カルバモイル、ホルミ
ル、低級アルカノイル、アロイル、ハロゲン、ニトロ、
アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキ
シ、エチレンジオキシ等があげられる。低級アルキルお
よびヒドロキシ置換低級アルキル、ハロゲノ低級アルキ
ル、ハロゲノ低級アルコキシ、低級アルコキシ、低級ア
ルコキシカルボニル、低級アルキルチオ、低級アルキル
スルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルカノ
イルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義で
ある。アリールおよびアリールオキシ、ハロゲノアリー
ルオキシ、アロイル、アラルキル、アラルキルオキシ、
ハロゲノアラルキルオキシのアリール部分は、前記アリ
ールと同義である。アラルキルおよびアラルキルオキ
シ、ハロゲノアラルキルオキシのアルキレン部分として
は前記低級アルキルから水素原子1つを除いた基があげ
られる。ハロゲンおよびハロゲノ低級アルキル、ハロゲ
ノ低級アルコキシ、ハロゲノアリールオキシ、ハロゲノ
アラルキルオキシのハロゲン部分は、前記ハロゲンと同
義であり、ハロゲノ低級アルキル、ハロゲノ低級アルコ
キシ、ハロゲノアリールオキシ、ハロゲノアラルキルオ
キシにおけるハロゲンの置換数は、好ましくは1〜3で
ある。芳香族複素環基は前記と同義である。ヒドロキシ
置換低級アルキルのヒドロキシの置換数は、好ましくは
1〜3である。
【0043】化合物(IVb)の塩としては、塩酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩等
があげられる。以下、本発明の製造法について説明す
る。
【0044】
【化33】
【0045】(式中、R1、R2、R2b、R3、R3b、R4、Ra
X、Y、naおよびnbはそれぞれ前記と同義である) 化合物(IV)は、工程1、工程2−1を行うことによ
り得ることができる。また、化合物(IVa)[化合物
(IV)において、R1が水素原子である化合物]は、工
程1、工程3、工程2−2を行うことによっても得るこ
とができる。
【0046】以下に各工程について詳細に説明する。 工程1 化合物(I)は市販品として、または市販品として入手
可能な対応するアルコールから有機合成上の一般的な手
法により得ることができる。化合物(II)を反応に不
活性な溶媒中、0.01当量〜大過剰、好ましくは1.0〜2.0
当量の塩基の存在下、好ましくは1〜5当量、より好まし
くは2〜4当量の化合物(I)と、室温〜200℃で、好ま
しくは60〜90℃で、好ましくは1分〜48時間反応させる
ことにより化合物(III)を得ることができる。反応
に不活性な溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、
ジオキサン、ジエチレングリコール、N,N-ジメチルホル
ムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ベンゼン、トルエン、キシレン、
アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等を単独もしくは混合して用いること
ができ、中でもDMFまたはエタノールが好ましく使用さ
れる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデ
セン(DBU)、ピリジン、N-メチルモルホリン、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等を用いることができ、中でもト
リエチルアミンまたは炭酸カリウムが好ましく使用され
る。 工程2−1 化合物(IIIa)の保護基Yを脱保護することによ
り、化合物(IV)を得ることができる。脱保護は、公
知の有機化学的手法[例えば、プロテクティブ・グルー
プス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective G
roups in OrganicSynthesis)、グリーン(T. W. Green
e)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコー
ポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)(1981
年)、ペプチド合成の基礎と実験 第6刷、泉屋信夫他
著、丸善株式会社出版 (平成9年10月5日 発行)
等参照]を用いて行うことができる。
【0047】例えば、Yがベンジルの場合には化合物
(IIIa)を反応に不活性な溶媒に溶解もしくは懸濁
し、0.01当量〜大過剰、好ましくは2.5〜3.5当量の酸性
水溶液を添加し、好ましくは1〜100重量%、より好まし
くは10〜20重量%のパラジウム−炭素等を用いて、水素
雰囲気下、0〜100℃、好ましくは室温で好ましくは1分
〜48時間、接触還元することにより、化合物(IV)を
得ることができる。反応に不活性な溶媒としては、水、
メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノ
ール、酢酸エチル、蟻酸、酢酸、ジエチルエーテル、TH
F、ベンゼン、トルエン、DMF、ジオキサン等を単独また
は混合して用いることができ、中でも、メタノール、エ
タノールが好ましく使用できる。酸性水溶液の酸として
は、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸等があげられ、中でも塩酸
が好ましく使用される。 工程3 化合物(IIIb)を反応に不活性な溶媒中、2〜10当
量、好ましくは2.5〜3.5当量の対応する有機金属試薬と
−100〜50℃、好ましくは−78〜0℃で1分〜48時間、反
応させることにより化合物(IIIc)を得ることがで
きる。反応に不活性な溶媒としてはTHF、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等を
単独もしくは混合して用いることができ、中でもTHFま
たはジエチルエーテルが好ましく使用される。有機金属
試薬としては、以下の一般式
【0048】
【化34】
【0049】(式中、R2は、前記と同義であり、Zはハ
ロゲンを表す)で表されるグリニャール試薬、リチウム
試薬等があげられる。ここでハロゲンは前記と同義であ
る。 工程2−2 化合物(IVa)は、工程2−1と同様に操作をして、
化合物(IIIc)の保護基Yを脱保護することにより
得ることができる。
【0050】上記の各製造法における中間体および目的
化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例え
ば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロ
マトグラフィー等に付して単離精製することができる。
また、中間体においては、特に精製することなく次の反
応に供することもできる。化合物(IVb)の塩を取得
したいとき、化合物(IVb)が塩の形で得られる場合
は、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られ
る場合は、化合物(IVb)を適当な溶媒に溶解または
懸濁させ、酸または塩基を加えて塩を形成させ単離、精
製すればよい。また、化合物(IVb)およびその塩
は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在すること
もある。また化合物(IVb)の中には光学活性体が存
在することもある。
【0051】さらに、化合物(IV)を例えば、 以下
の工程4のように処理することにより、アデノシンA2A
受容体の機能亢進に由来する各種疾患(例えばパーキン
ソン病、老人性痴呆症またはうつ病等)に有効である化
合物(V)を製造することができる。 工程4
【0052】
【化35】
【0053】(式中、R1、R2、R3、R5、R6、na、nbおよ
びQはそれぞれ前記と同義である) 化合物(VI)は、公知の方法、例えば、WO98/42711号
に記載の方法等に準じて、製造することができる。化合
物(VI)を、無溶媒または反応に不活性な溶媒中、必
要であれば、1〜5当量、好ましくは1〜2当量塩基の存在
下、1〜5当量、好ましくは1〜3当量の化合物(IV)
と、10〜200℃で、好ましくは1分〜48時間反応させるこ
とにより化合物(V)を得ることができる。反応に不活
性な溶媒としてはTHF、ジオキサン、ジエチレングリコ
ール、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSO、ベンゼン、
トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピ
リジン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等を単独もしくは
混合して用いることができ、中でもDMFまたはエタノー
ルが好ましく使用される。塩基としては、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、N
-メチルモルホリン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸セシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を
用いることができ、中でもDBUが好ましく使用される。
【0054】以下に化合物(IV)から合成される化合
物(V)の薬理作用について具体例を挙げて説明する。 試験例1 アデノシン受容体結合作用(アデノシンA2A
受容体結合試験) Brunsらの方法[モレキュラー・ファーマコロジー (Mol
ecular Pharmacology), 29, 331(1986)]に準じて行っ
た。
【0055】ラット線条体を、氷冷した50 mmol/Lトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン・塩酸塩(Tris H
Cl)緩衝液(pH 7.7)中で、ポリトロンホモジナイザー
(Kinematica社製)を用いて懸濁した。懸濁液を遠心分
離し(50,000×g, 10分間)、得られた沈殿物に再び同
量の 50 mmol/L Tris HCl 緩衝液を加えて再懸濁し、同
様の遠心分離を行った。得られた最終沈殿物に、5 mg
(湿重量)/mLの組織濃度になるように 50 mmol/L Tri
s HCl 緩衝液[10 mmol/L塩化マグネシウム、アデノシ
ンデアミナーゼ0.02ユニット/mg組織(Sigma社製)を
含む]を加え懸濁した。
【0056】上記の精製した細胞懸濁液、1 mLにトリチ
ウムで標識したCGS 21680 {3H-2-[p-(2-カルボキシエ
チル)フェネチルアミノ]-5'-(N-エチルカルボキサミド)
アデノシン:40キューリー/mmol;ニュー・イングラン
ド・ニュークリア(New England Nuclear)社製[ザ・
ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクス
ペリメンタル・セラピュウティックス(The Journal of
Pharmacology and Experimental Therapeutics), 25
1, 888(1981)]}50μL(最終濃度4.0 nmol/L)および
試験化合物50μLを加えた。混合液を25℃で120分間静置
後、ガラス繊維濾紙(GF/C; Whatman 社製)上で急速吸
引濾過し、直ちに氷冷した5μLの50 mmol/L Tris HCl緩
衝液で3回洗浄した。ガラス繊維濾紙をバイアルびんに
移し、シンチレーター(EX-H;和光純薬工業社製)を加
え、放射能量を液体シンチレーションカウンター(Pack
ard社製)で測定した。
【0057】試験化合物のA2A受容体結合(3H-CGS 2168
0結合)に対する阻害率の算出は次式により行った。
【0058】
【数1】
【0059】(注)全結合量とは、試験化合物非存在下
での3H-CGS 21680結合放射能量である。非特異的結合量
とは、100 mmol/Lシクロペンチルアデノシン(CPA;Sig
ma 社製)存在下での3H-CGS 21680結合放射能量であ
る。薬物存在下での結合量とは、各種濃度の試験化合物
存在下での3H-CGS 21680結合放射能量である。結果を第
1表に示す。
【0060】
【表1】
【0061】第1表より、化合物(V)は強力なアデノ
シンA2A受容体拮抗作用を示し、化合物(V)を有効成
分とする薬剤はアデノシンA2A受容体の機能亢進に由来
する各種疾患(例えばパーキンソン病、老人性痴呆症ま
たはうつ病等)に有効であることが示唆された。 試験例2 CGS 21680誘発カタレプシー(強硬症)に対
する作用 パーキンソン病は黒質−線条体ドパミン神経の変性・細
胞死に基づく運動機能障害である。CGS 21680(アデノ
シンA2A受容体作働薬)を脳室内に投与すると、アデノ
シンA2A受容体を介して直接線条体の中型棘状神経(med
ium sized spinyneuron)におけるギャバ(GABA)作働
性抑制性シナプス伝達が抑制される。[ジャーナル・オ
ブ・ニューロサイエンス (Journal of Neuroscience),
16, 605(1996)]。このことから、アデノシンA2A受容体
作働薬は線条体から淡蒼球外節へのGABA作働性神経の出
力に促進的に機能し、その結果、CGS 21680投与でカタレ
プシーが惹起されるものと考えられている。
【0062】5週齢の雄性ddYマウス(体重22〜25 g、日
本SLC)を1群10匹用いて実験を行った。CGS 21680(RBI
社製)を生理食塩液(大塚製薬社製)に溶解し、10μg/
20μLの濃度でマウス脳室内に注入した。試験化合物は
0.5%メチルセルロース(以後、MCと略す)含有蒸留水
(大塚製薬社製)で懸濁して用いた。CGS 21680を脳室
内に注入する30分前に、試験化合物を含む懸濁液または
試験化合物を含まない溶液(0.5% MC含有蒸留水:対
照)をそれぞれ経口投与した(マウス体重10 gあたり0.
1 mL)。試験化合物投与1時間後に1匹ずつ高さ4.5 cm、
幅1.0 cmの垂直に立てたアクリル製の台にマウスの両前
肢のみ、両後肢のみを順次懸け、カタレプシー症状を測
定した。試験化合物は全て10 mg/kg 経口投与した。第
2表にカタレプシースコアの判定基準を示す。
【0063】
【表2】
【0064】効果の判定は1群10匹のカタレプシースコ
アを合計し行った(満点50点)。合計スコアが40点以下
になった場合を作用ありと判定した。カタレプシー緩解
反応動物数は10例中のカタレプシースコアが4点以下と
なった例数を示した。カタレプシー緩解率は対照群の合
計スコアに対する試験化合物投与群の合計スコアの減少
度を百分率として示した。
【0065】結果を第3表に示す。
【0066】
【表3】
【0067】以上、試験例2により、化合物(V)の抗
パーキンソン病作用が示された。 試験例3 強制水泳法(不動時間の測定) 試験動物としては、雄性ddYマウス(体重21〜26g、日本
SLC)を1群8もしくは10匹で使用した。予備飼育期間中
は、室温23±1℃、湿度55±5 %の動物室で飼育し餌、
水は自由に摂取させた。使用動物からは、あらかじめ自
発性、筋緊張性、視認性等で異常反応を示す個体は除外
した。試験化合物は、0.5% MC含有蒸留水に懸濁して、
試験開始1時間前に経口投与した。陰性対照群には、0.
5% MC含有蒸留水のみを10mL/kg経口投与した。不動時間
の測定はPorsoltの方法[Arch. int Pharmacodyn., 22
9, 327(1977)]に準じて行った。すなわち、透明アクリ
ル製の円筒形水槽(直径10cm、高さ25cm)に、水温23±
1℃の水を深さ9cmに張ってマウスを6 分間泳がせた。水
槽中の入水直後のマウスは、水槽から逃れようと泳ぎ回
るが1〜2分間経過するとその動きは徐々に減少する。不
動時間の測定は2分間放置して、その後の4分間(240
秒)における逃避行動を示さなかった時間(不動時間:
行動的絶望)を秒単位で計測した。日内リズムの影響を
少なくするため、1群8もしくは10匹をそれぞれ午前、午
後の4もしくは5匹ずつに分けて実験を行った。なお、不
動時間測定は、2匹を同時に観察して行い、観察者には
溶媒単独投与、試験化合物の投与量の区別はブラインド
で行った。結果の統計解析については、溶媒単独投与対
照群と各試験化合物投与群の多重比較検定をSteel-test
法を用いて行った。
【0068】結果を第4表−1、第4表−2に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】試験例3により、化合物(V)の抗うつ病
作用が示された。以下に本発明の実施例を示す。
【0072】
【実施例】実施例1 1-(トリフェニルメチル)-4-(エトキシカルボニルメチ
ル)ピペラジン (化合物1) 1-(トリフェニルメチル)ピペラジン 1.64 g (5.00 mm
ol) をDMF 25 mL およびトリエチルアミン 2.5 mLに溶
解し、氷冷下ブロモ酢酸エチル0.83 mL (7.50 mmol)を
加えて室温で約2時間攪拌した。反応終了後、反応溶液
に水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を飽和食塩水
で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(40% 酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、標記化合物1.
87gを白色固体として得た(収率:90.3%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.10-7.46 (m, 15H), 4.16
(q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.04-2.75 (brs,
8H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H)
【0073】実施例2 1-ベンジル-4-[2-(メトキシカルボニル)エチル]ピペラ
ジン (化合物2) 1-ベンジルピペラジン 40.7 g (230 mmol) をDMF 450 m
Lおよびトリエチルアミン 50 mLに溶解し、氷冷下3-ブ
ロモプロピオン酸メチル 35.1 g (210 mmol)を加え、60
℃で約2時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に水、酢
酸エチルを加えて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して得ら
れる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%
メタノール−酢酸エチル)で精製し、標記化合物57.4 g
をタール状物として得た(収率:定量的)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.31 (m, 5H), 3.66 (s,
3H), 3.49 (s, 2H), 2.69 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.42
-2.72 (m, 10H)
【0074】実施例3 1-ベンジル-4-[3-(エトキシカルボニル)プロピル]ピペ
ラジン (化合物3) 1-ベンジルピペラジン 7.05 g (40.0 mmol) をエタノー
ル 80 mLに溶解し、氷冷下4-ブロモ酪酸エチル 7.80 g
(48.0 mmol)を加え、約4時間加熱還流した。反応終了
後、反応溶液に2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え
て水層をアルカリ性に調整した後、酢酸エチルを加えて
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(5% メタノール−酢酸
エチル)で精製し、標記化合物13.5gを褐色タール状物と
して得た(収率:定量的)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.31 (m, 5H), 4.11 (q,
J = 7.3 Hz, 2H), 3.50(s, 2H), 2.29-2.46 (m, 12H),
1.80 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.24 (t, J= 7.3 H
z, 3H)
【0075】実施例4 1-ベンジル-4-[4-(エトキシカルボニル)ブチル]ピペラ
ジン (化合物4) 1-ベンジルピペラジン 7.05 g (40.0 mmol) をエタノー
ル100 mLに溶解し、氷冷下5-ブロモ吉草酸エチル10.5 g
(50.0 mmol)および炭酸カリウム5.50 g (40.0mmol)を
加え、約2時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液か
ら不溶物を濾別した後、溶媒を留去して得られる残渣
に、水、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(5% メタノール−酢酸エチル)で精製し、標記化
合物10.1 gを褐色タール状物として得た(収率:82.5
%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.31 (m, 5H), 4.11 (q,
J = 7.3 Hz, 2H), 3.50(s, 2H), 2.28-2.47 (m, 12H),
1.48-1.66 (m, 4H), 1.24 (t, J = 7.3 Hz, 3H)
【0076】実施例5 1-ベンジル-4-[5-(エトキシカルボニル)ペンチル]ピペ
ラジン (化合物5) 1-ベンジルピペラジン 7.05 g (40.0 mmol) および6-ブ
ロモヘキサン酸エチル11.2 g (50 mmol)を用いて、実施
例4とほぼ同様の手法により、標記化合物11.5gを褐色タ
ール状物として得た(収率:89.9%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.22-7.31 (m, 5H), 4.11 (q,
J = 7.3 Hz, 2H), 3.50(s, 2H), 2.24-2.47 (m, 12H),
1.22-1.69 (m, 6H), 1.24 (t, J = 7.3 Hz, 3H)
【0077】参考例1 1-メシロキシ-3-メチル-3-ブタノール (化合物6) 3-メチル-1,3-ブタンジオール37.4 g (360 mmol)を塩化
メチレン500 mLおよびトリエチルアミン57.8 mL (450 m
mol)に溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリド23.2 m
L (300 mmol) を加え、室温で約2時間撹拌した。反応終
了後、溶媒を留去して得られる残渣に1 mol/L塩酸およ
び酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を飽和重曹水およ
び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を留去して標記化合物56.0 gを無色透明液
体として得た(収率:定量的)。この生成物はさらに精製
することなく、次の反応に用いた。1 H NMR (d ppm, CDCl3):4.42 (t, J = 6.9 Hz, 2H),
3.03 (s, 3H), 1.96 (t,J = 6.9 Hz, 2H), 1.29 (s, 6
H)
【0078】実施例6 1-ベンジル-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)ピペラジ
ン (化合物7) A法:実施例2で得られる化合物2 13.1 g (50.0 mmol)
をTHF 200 mLに溶解し、-78℃に冷却してから1.14 mol/
Lメチルリチウム−ジエチルエーテル溶液100 mL (114 m
mol) を加え、室温まで1時間かけて昇温した。反応終了
後、反応溶液に、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機
層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を留去して得られる残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(15% メタノール−酢酸エチル)で精
製し、標記化合物11.8 gをうす褐色タール状物として得
た(収率:90.1%)。 B法:参考例1で得られた化合物6 56.0 g (正味300 mmo
l)をエタノール400 mLに溶解し、これに1-ベンジルピペ
ラジン35.3 g (200 mmol)および炭酸カリウム41.5 g (3
00 mmol)を加えて約2時間加熱還流した。反応終了後、
不溶物を濾別した後、溶媒を留去して得られる残渣を1
mol/L塩酸 1000 mLに溶解し、酢酸エチルで2回洗浄し
た。氷冷下水層に炭酸水素ナトリウムを加えて飽和溶液
とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して
標記化合物64.0 gを褐色油状物として得た(収率:定量
的)。得られた生成物はさらに精製することなく次の反
応に用いた。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.30 (m, 5H), 3.48 (s,
2H), 2.63 (t, J = 5.9Hz, 2H), 2.28-2.80 (m, 8H),
1.59 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 1.21 (s, 6H) 実施例7 1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)ピペラジ
ン (化合物14) 実施例3で得られる化合物3 13.5 g (正味40.0 mmol)を
用いて、実施例6のA法とほぼ同様の手法により1-ベンジ
ル-4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)ピペラジン (化
合物8) 12.4 gをうす茶色油状物として得た(収率:定量的)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.30 (m, 5H), 3.49 (s,
2H), 2.31-2.47 (m, 10H), 1.62-1.64 (m, 4H), 1.20
(s, 6H) 前記で得られる化合物8 12.4 g (45.0 mmol)を用いて、
後述する実施例12とほぼ同様の手法により標記化合物8.
40 gを黄色油状物として得た(収率:定量的)。得られた
生成物はトルエン共沸操作を行わずに次の反応に用い
た。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.86 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.10-2.45 (m, 6H), 1.56-1.58 (m, 4H), 1.15 (s, 6H)
【0079】実施例8 1-(5-ヒドロキシ-5-メチルヘキ
シル)ピペラジン (化合物15) 実施例4で得られる化合物4 10.1 g (33.0 mmol)を用い
て、実施例6のA法とほぼ同様の手法により1-ベンジル-4
-(5-ヒドロキシ-5-メチルヘキシル)ピペラジン(化合物
9)8.55 gをうす黄色固体として得た(収率:89.2%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.23-7.30 (m, 5H), 3.50 (s,
2H), 2.25-2.60 (m, 10H), 1.30-1.66 (m, 6H), 1.20
(s, 6H) 前記で得られる化合物9 8.55 g (29.4 mmol)を用いて、
後述する実施例12とほぼ同様の手法により標記化合物を
黄色油状物として得た。さらに得られた生成物をトルエ
ン共沸操作に付し、5.56 gを白色固体として得た(収
率:94.4%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.87 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.26-2.50 (m, 6H), 1.92(brs, 1H), 1.30-1.55 (m, 6
H), 1.15 (s, 6H)
【0080】実施例9 1-(6-ヒドロキシ-6-メチルヘプ
チル)ピペラジン (化合物16) 実施例5で得られる化合物5 9.55 g (30.0 mmol)を用い
て、実施例6のA法とほぼ同様の手法により1-ベンジル-4
-(6-ヒドロキシ-6-メチルヘプチル)ピペラジン(化合物1
0)9.56 gをうす褐色液体として得た(収率:定量的)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.16-7.32 (m, 5H), 3.51 (s,
2H), 2.28-2.48 (m, 10H), 1.24-1.58 (m, 8H), 1.20
(s, 6H) 前記で得られる化合物10 6.09 g (20.0 mmol)を用い
て、後述する実施例12とほぼ同様の手法により標記化合
物を黄色油状物として得た。さらに得られた生成物をト
ルエン共沸操作に付し、4.45 gを白色固体として得た
(収率:84.8%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.89 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.26-2.45 (m, 6H), 1.70(brs, 2H(overlapped)), 1.30
-1.56 (m, 8H), 1.20 (s, 6H)
【0081】実施例10 1-(3-エチル-3-ヒドロキシペン
チル)ピペラジン (化合物18) 実施例2で得られる化合物2 6.55 g (25.0 mmol)をTHF 8
5 mLに溶解し、-78℃に冷却してから1.01 mol/Lエチル
マグネシウムブロミド−THF溶液75 mL (75.8 mmol) を
加え、室温まで1時間かけて昇温した。反応終了後、反
応溶液に、飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを
加えて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3% メタノール
−クロロホルム)で精製し、1-ベンジル-4-(3-ヒドロキ
シ-3-エチルペンチル)ピペラジン (化合物11) 5.90 gを
うす黄色油状物として得た(収率:81.3%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.20-7.36 (m, 5H), 3.48 (s,
2H), 2.58 (t, J = 5.0Hz, 4H), 2.46 (brt, 4H), 1.3
6-1.60 (m, 4H), 0.84 (t, J = 7.6 Hz, 6H)前記で得ら
れる化合物11 5.90 g (20.3 mmol)を用いて、後述する
実施例12とほぼ同様の手法により標記化合物4.24 gを黄
色油状物として得た(収率:定量的)。得られた生成物は
トルエン共沸操作を行わずに次の反応に用いた。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.88 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.44-2.59 (m, 6H), 1.38-1.59 (m, 6H), 0.85 (t, J =
7.6 Hz, 6H)
【0082】実施例11 1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペラジン (化合
物12) 実施例1で得られる化合物1 8.09 g (19.5 mmol)をTHF 6
0 mLに溶解し、-78℃に冷却してから1.06 mol/Lメチル
リチウム−ジエチルエーテル溶液55.2 mL (58.5 mmol)
を加え、室温まで1時間かけて昇温した。反応終了後、
反応溶液に、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を
飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られる残渣を続いてアセトン20 m
Lに溶解し、これに濃塩酸4.0 mLを加えて室温で約1.5時
間撹拌した。反応終了後、反応溶液に水を加えて水層を
酢酸エチルで洗浄した後、2 mol/L水酸化ナトリウム水
溶液を加えて水層を強アルカリ性に調整した。水層をク
ロロホルム−イソプロパノール混合溶媒で抽出し、有機
層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(飽和アン
モニア水−メタノール−クロロホルム(1:10:90))で精製
し、標記化合物2.32 gを黄色油状物として得た(収率:7
5.3%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.90 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.60 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.23 (s, 2H), 1.16 (s, 6
H)
【0083】実施例12 1-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)ピペラジン (化合物1
3) 実施例6で得られる化合物7 64.0 g(正味200 mmol)をメ
タノール800 mLおよび2mol/L塩酸200 mLに溶解し、これ
に10%(wt/wt)パラジウム−炭素(50%wt/wt含水) 9.60 g
を加えて水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。反応終了
後、不溶物をセライト濾過し、溶媒を留去して得られる
残渣に2 mol/L塩酸を加えて液性を酸性とした。水層を
酢酸エチルで2回洗浄した後、水酸化ナトリウム(固体)
を加えて液性を強アルカリ性とし、水層をクロロホルム
−イソプロパノール混合溶媒で抽出した。有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して標記化合物を黄
色油状物として得た。得られた油状生成物からさらにト
ルエンで溶媒を共沸留去して、標記化合物30.3 gをうす
黄色固体として得た(収率:87.8%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.90 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.63 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.35-2.65 (m, 4H), 1.62
(t, J = 5.9 Hz, 2H), 1.22 (s, 6H) なお、本化合物は参考例1、実施例6のB法、実施例12の
手法に準じて、その単離精製法を一部変更することによ
り、1塩酸塩として単離することができる。その一連の
操作を以下に示す。
【0084】3-メチル-1,3-ブタンジオール37.5 g (360
mmol)を塩化メチレン 600 mLおよびトリエチルアミン
58.4 mL (450 mmol)に溶解し、氷冷下メタンスルホニル
クロライド 23.2 mL (300 mmol)を加えて室温で約2時
間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下濃縮し、残
渣に酢酸エチル 400 mLを加えると白色結晶が析出し
た。結晶を濾別、さらに酢酸エチルで洗浄後、濾液と洗
液を集めて溶媒を留去して化合物6(粗生成品)65.7 gを
淡黄色油状物として得た。こうして得られた化合物6(粗
生成品)65.7 gをエタノール 400 mLに溶解し、これに1-
ベンジルピペラジン 35.3 g (200 mmol)および炭酸カリ
ウム 41.4 g (300 mmol)を加えて約2時間還流した。反
応終了後、不溶物を濾別・洗浄し、濾液に飽和アンモニ
アエタノール溶液350 mLを加えたところ白色結晶が析出
した。この結晶を濾取し、さらに、これにエタノールを
加えて再結晶し、化合物7 62.0 g (2塩酸塩として185 m
mol、収率:92.4%)を綿状白色結晶として得た。続いて
化合物7 (2塩酸塩) 62.0 g(185 mmol)を蒸留水300 mLお
よびエタノール1000 mLに溶解し、10%(wt/wt)パラジウ
ム−炭素(50%wt/wt含水) 8.0 gを蒸留水100 mLに懸濁
させながら加え、水素ガスをバブリングしながら室温で
約5時間攪拌した。反応終了後、パラジウム−炭素を濾
別し、濾液および洗液(蒸留水)から、減圧下溶媒を留
去して、化合物13の塩酸塩(粗生成物)を白色粉末として
得た。得られた化合物13の塩酸塩(粗生成物) にエタノ
ール400 mLを加え、氷冷下、飽和アンモニアエタノール
溶液400 mLを加えて溶液を塩基性にした。室温で20分間
攪拌した後、不溶物を濾別・洗浄(エタノール)し、濾液
から溶媒を減圧留去した。得られた残渣をさらに精製す
るため、クロロホルム700 mLを加えて攪拌し、不溶物を
濾別し濾液を減圧濃縮して化合物13の塩酸塩 32.6 gを
白色結晶として得た(1塩酸塩として156 mmol、収率:7
8.0%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):3.22 (m, 4H), 2.85 (m, 4H),
2.71 (t, J = 6.1 Hz,2H), 1.64 (t, J = 6.1 Hz, 2
H), 1.21 (s, 6H)
【0085】実施例13 1-(2-エチル-2-ヒドロキシブチル)ピペラジン (化合物1
7) 実施例1で得られる化合物1 8.30 g(20.0 mmol)と1.01 m
ol/Lエチルマグネシウムブロミド−THF溶液60 mL (60.6
mmol)を用いて、実施例6のA法とほぼ同様の手法によ
り、黄色油状物6.78 gを得た。得られた油状物にアセト
ン30.0 mL、濃塩酸4.0 mLを加え、室温で約2時間撹拌し
た。反応終了後、反応溶液に水を加え、水層をクロロホ
ルムで洗浄した。水層に水酸化ナトリウムを加えて強ア
ルカリ性にした後、クロロホルム−イソプロパノール混
合溶媒(混合比5:1)で抽出した。有機層から減圧下で溶
媒留去して標記化合物3.00 gを黄色油状物として得た
(収率:80.6%)。得られた生成物はトルエン共沸操作を
行わずに次の反応に用いた。1 H NMR (d ppm, CDCl3):2.87 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.57 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.30 (s, 1H), 1.29-1.54
(m, 4H), 0.85 (t, J = 7.6 Hz, 6H) 実施例で得られる化合物(IV)を公知の方法[WO98/4
2711号公報等]で得られる5-アミノ-7-クロロ [1, 2,
4] トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン誘導体と反応させるこ
とにより、アデノシンA2A受容体の機能亢進に由来する
各種疾患(例えばパーキンソン病、老人性痴呆症または
うつ病等)に有効である化合物(V)を合成することが
できる。以下、参考例にてその具体例を例示する。以
下、参考例2〜8で合成した化合物A〜Gの構造式を表5に
示す。
【0086】
【表6】
【0087】参考例2 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル
プロピル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン(化合物A) 5-アミノ-7-クロロ-2-(2-フリル)[1, 2, 4] トリアゾロ
[1,5-c]ピリミジン 500 mg(2.12 mmol)をDMSO 7 mLに
溶解し、DBU 0.95 mL (6.36 mmol)、実施例12で得られ
る化合物12 1.50 g(9.50 mmol)を加え、140℃で約2時間
撹拌した。反応終了後、反応物に水、クロロホルムを加
えて抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%メタノ
ール-クロロホルム)で精製した後、ヘキサン-酢酸エチ
ル混合溶媒で再結晶して、標記化合物 250 mgを白色粉
末として得た(収率33%)。1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.02 (s, 1H), 5.71 (brs,2H), 3.
55 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.96 (brs, 1H), 2.73 (t, J
= 5.0 Hz, 4H),2.39 (s, 2H), 1.21 (s, 6H) Mass (m/z):357 (M+) IR (KBr):3853, 1678, 1608, 1558, 1471, 1331 cm-1 融点:235-236℃ 元素分析:C17H23N7O2として 計算値(%):C = 57.13, H = 6.49, N = 27.43 実測値(%):C = 57.28, H = 6.58, N = 27.48 参考例2の方法に準じ、対応するピペラジン誘導体(化合
物13-18)を用いて以下参考例3〜8を行い、化合物B〜化
合物Gを得た。
【0088】参考例3 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル
ブチル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミ
ジン(化合物B) 収率:59%(トルエン-ヘキサンで再結晶;うす茶色粉末)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.02 (s, 1H), 5.87 (brs,2H), 3.
54 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.68 (t, J = 5.9 Hz, 2H),
2.60 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 1.67 (t, J = 5.9 Hz, 2
H), 1.25 (s, 6H) Mass (m/z):371 (M+) IR (KBr):3389, 3107, 2966, 2937, 2837, 1670, 166
0, 1639, 1622, 1597, 1549, 1439, 1225 cm-1 融点:194-195℃ 元素分析:C18H25N7O2として 計算値(%):C = 58.21, H = 6.78, N = 26.40 実測値(%):C = 58.26, H = 7.00, N = 26.49
【0089】参考例4 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(4-ヒドロキシ-4-メチル
ペンチル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン(化合物C) 収率:68%(酢酸エチルで再結晶;白色粉末)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.01 (s, 1H), 5.78 (brs,2H), 3.
57 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.59 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.45 (t, J = 5.3Hz, 2H), 1.58-1.74 (m, 4H), 1.22
(s, 6H) Mass (m/z):385 (M+) IR (KBr):3417, 3153, 2958, 2819, 2364, 1647, 161
0, 1560, 1514, 1444, 1417, 1381, 1335, 1236, 1126,
984, 770 cm-1 融点:178℃ 元素分析:C19H27N7O2 0.5H2Oとして 計算値(%):C = 57.13, H = 6.49, N = 27.43 実測値(%):C = 57.28, H = 6.58, N = 27.48
【0090】参考例5 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(5-ヒドロキシ-5-メチル
ヘキシル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン(化合物D) 収率:49%(酢酸エチルで再結晶;白色粉末)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.01 (s, 1H), 5.90 (brs,2H), 3.
55 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.51 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.39 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.26-1.56 (m, 6H), 1.22
(s, 6H) Mass (m/z):399 (M+) IR (KBr):3417, 3389, 3278, 3167, 2958, 2847, 235
9, 1662, 1614, 1564, 1513, 1444, 1417, 1378, 1336,
1234, 773 cm-1 融点:148℃ 元素分析:C20H29N7O2 1.2H2Oとして 計算値(%):C = 57.04, H = 7.51, N = 23.28 実測値(%):C = 57.07, H = 7.55, N = 23.21
【0091】参考例6 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(6-ヒドロキシ-6-メチル
ヘプチル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン(化合物E) 収率:44%(酢酸エチルで再結晶;白色粉末)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.15 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.01 (s, 1H), 5.79 (brs,2H), 3.
55 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.51 (t, J = 5.0 Hz, 4H),
2.37 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.22-1.56 (m, 8H), 1.22
(s, 6H) Mass (m/z): 414(M++1) IR (KBr):3458, 3336, 2940, 1654, 1610, 1554, 151
2, 1444, 1333, 1228, 985, 906, 770 cm-1 融点: 144-145℃ 元素分析:C21H31N7O2 0.2AcOEt(酢酸エチル)として 計算値(%):C = 60.73, H = 7.62, N = 22.74 実測値(%):C = 60.67, H = 7.48, N = 22.94
【0092】参考例7 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(2-エチル-2-ヒドロキシ
ブチル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミ
ジン(化合物F) 収率:71%(トルエン-ヘキサンで再結晶;うす茶色針状
晶)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.02 (s, 1H), 5.68 (brs,2H), 3.
54 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.91 (brs, 1H), 2.71 (t, J
= 5.0 Hz, 4H),1.48 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 0.88 (t,
J = 7.6 Hz, 6H) Mass (m/z):385 (M+) IR (KBr):3410, 3107, 2966, 2951, 2361, 1655, 161
6, 1605, 1558, 1446, 1236 cm-1 融点:212-213℃ 元素分析:C19H27N7O2として 計算値(%):C = 59.20, H = 7.06, N = 25.44 実測値(%):C = 59.52, H = 7.20, N = 25.61
【0093】参考例8 5-アミノ-2-(2-フリル)-7-[4-(3-エチル-3-ヒドロキシ
ペンチル)ピペラジニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン(化合物G) 収率:42%(エタノール-酢酸エチルで再結晶;うす黄色
粉末)1 H NMR (d ppm, CDCl3):7.58 (dd, J = 0.7, 1.7 Hz,
1H), 7.16 (dd, J = 0.7, 3.3 Hz, 1H), 6.55 (dd, J =
1.7, 3.3 Hz, 1H), 6.02 (s, 1H), 5.65 (brs,2H), 3.
55 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 2.59-2.65 (m, 6H), 1.40-1.
69 (m, 6H), 0.87 (t, J = 7.6 Hz, 6H) Mass (m/z):399 (M+) IR (KBr):3278, 2968, 2833, 2808, 2361, 1659, 165
1, 1605, 1441, 1417, 1336, 1236, 1201 cm-1 融点:183℃ 元素分析:C20H29N7O2として 計算値(%):C = 60.13, H = 7.32, N = 24.54 実測値(%):C = 60.17, H = 7.49, N = 24.63
【0094】
【発明の効果】本発明によりパーキンソン氏病治療作
用、抗うつ作用を有する[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリ
ミジン誘導体の合成中間体として有用なピペラジン誘導
体およびピペラジニルカルビノール誘導体の汎用的な合
成法を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、Xはハロゲン、低級アルキルスルホニルオキシ
    または置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ
    を表し、naは1〜8の整数を表し、Raは、式(a) 【化2】 (式中、R1は水素原子または低級アルキルを表し、R2
    よびR3は同一または異なって低級アルキル、置換もしく
    は非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族
    複素環基を表す)で表される基、または、式(b) 【化3】 (式中、R4は低級アルキルを表す) で表される基を表
    す]で表される化合物と一般式(II) 【化4】 (式中、Yはアミノ基の保護基を表し、nbは1または2
    を表す)で表される化合物を縮合させることを特徴とす
    る一般式(III) 【化5】 (式中、Ra、na、nbおよびYはそれぞれ前記と同義であ
    る)で表されるピペラジン誘導体の製造法[ただし、Ra
    が式(a)で表される基であり、R1が水素原子であり、
    R2およびR3がともにメチルであり、nbが1であり、かつ
    Yがエトキシカルボニルの場合、naは5でない]。
  2. 【請求項2】 Raが式(a)で表される基である請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(IIIa) 【化6】 (式中、R1、R2、R3、na、nbおよびYはそれぞれ前記と
    同義である)で表される化合物におけるアミノ基の保護
    基を脱保護することを特徴とする一般式(IV) 【化7】 (式中、R1、R2、R3、naおよびnbはそれぞれ前記と同義
    である)で表されるピペラジニルカルビノール誘導体の
    製造法。
  4. 【請求項4】 一般式(IIIb) 【化8】 (式中、R4、Y、naおよびnbはそれぞれ前記と同義であ
    る)で表される化合物を有機金属試薬と反応させ、一般
    式(IIIc) 【化9】 (式中、R2bおよびR3bは、同一で低級アルキル、置換も
    しくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳
    香族複素環基を表し、Y、naおよびnbはそれぞれ前記と
    同義である)で表される化合物を製造し、さらにこの化
    合物におけるアミノ基の保護基を脱保護することを特徴
    とする一般式(IVa) 【化10】 (式中、R2b、R3b、naおよびnbはそれぞれ前記と同義で
    ある)で表されるピペラジニルカルビノール誘導体の製
    造法。
  5. 【請求項5】 Yが接触還元で除去することができるア
    ミノ基の保護基である請求項1〜4のいずれかに記載の
    製造法。
  6. 【請求項6】 一般式(IVb) 【化11】 (式中、R2aおよびR3aは、同一または異なって低級アル
    キル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしく
    は非置換の芳香族複素環基を表し、naaは1〜8の整数
    を表し、nbaは1または2を表す。ただし、R2aおよびR
    3aがともにメチルであり、nbaが1である場合、naaは、
    1、2または5でない)で表されるピペラジニルカルビ
    ノール誘導体またはその塩。
  7. 【請求項7】 R2aおよびR3aがともにメチルであり、na
    aが3または4であるか、R2aおよびR3aがともにエチル
    であり、naaが1〜8の整数である請求項6記載のピペ
    ラジニルカルビノール誘導体またはその塩。
  8. 【請求項8】 一般式(IV) 【化12】 (式中、R1、R2、R3、naおよびnbはそれぞれ前記と同義
    である)で表されるピペラジニルカルビノール誘導体の
    製造法において、一般式(I) 【化13】 (式中、X、naおよびRaはそれぞれ前記と同義である)
    で表される化合物と一般式(II) 【化14】 (式中、Yおよびnbはそれぞれ前記と同義である)で表
    される化合物を縮合させ、一般式(III) 【化15】 (式中、Ra、na、nbおよびYはそれぞれ前記と同義であ
    る)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴
    とする製造法。
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