JP2001300954A - 導光板の製造方法 - Google Patents

導光板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光特性の向上、製品の自動化による安定生
産、量産化が課題。 【解決手段】 透明なプラスチック部材よりなるフープ
材30の導光板成形領域を予備加熱装置に供給するフー
プ材供給工程(A)と、予備加熱装置(ヒータ32)で
所定の温度で加熱して軟化する予備加熱工程(B)と、
樹脂成形機内の金型24に供給した後、キャビティ25
内で所定時間圧縮成形し、冷却・固化し、成形品がツナ
ギ部でフープ材30に連結された状態で成形される成形
工程(C)と、樹脂成形機内から排出し、抜き型33内
に供給してツナギ部を切断して単個の製品1A(導光
板)に分離するツナギ部切断工程(D)と、製品分離後
のフープ材を巻き取る巻取り工程(E)とよりなる。ま
た、金型に配置された製品キャビティを複数列、複数個
設けることにより多数個同時に成形できる。自動化、量
産化、コストダウンが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型又は、半透
過型パネルを背面より照射するバックライト機構を有す
る表示装置の面状光源ユニットを構成する導光板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラップトップ型又は、ブック型の
ワードプロセッサーやコンピュータ等の表示装置とし
て、薄型でしかも見易いバックライト機構を有する液晶
表示装置が用いられている。 図1は従来及び本発明に
係わる導光板で、図1(a)は平面図、図1(b)は図
1(a)の正面図である。導光板について説明する。
【0003】図1において、符号6は面状光源ユニット
であり、 導光板1と光源であるLED2とで構成され
ている。導光板1は、透明な板状のプラスチック部材等
よりなり、導光板1には光屈折及び光反射する機能を有
する略逆台形形状の穴3がLED2の略直上に配設され
ている。該穴3の形状はLED2に面する2辺は略斜面
3aの形状をしている。斜面3aの焦点から出た光は平
行光線となる。従って、LED2を斜面3aの焦点に配
置することにより斜面3aを反射した光を殆ど平行光線
とすることができる。前記導光板1の光の入射部形状4
は略矩形形状又は略半円形状(図1は矩形形状)でその
両サイドの側面に略半円形状の反射部5が形成されてい
る。前記導光板1の一方の広い面を出光面1bとし、そ
の出光面1bと対向する面にはLED2からの光を対向
する上面に反射させるための放射手段として、その表面
に複数の微小なシボ又は複数個の点状ドット等の光拡散
面1aを形成する。図1(a)に示す二点鎖線L内がシ
ボ形成の範囲を示すものである。更に、前記光拡散面1
aに接近して図示しない反射板を配設する。尚、上記し
た逆台形形状の穴3以外に、その左右の所望の位置に図
示しない複数個の穴(又は溝)を形成し、自由に光の放
射方向を調整することができる。
【0004】以上の構成によりその作用について説明す
る。前記LED2から放射する光は導光板1に入り、逆
台形形状の穴3の斜面3a及び略半円形状の反射部5で
出射光を屈折・反射し、上面では正反射、下面では正反
射又はシボ又は点状ドット等の光拡散面1aによる散乱
反射又は透過して下部の図示しない反射板で散乱し、出
光面1bより面状方向の光照射量を調節し出光する。L
ED2の直上も明るくすることが出来る。最終的には液
晶パネルを透過し輝度ムラのない照明となる。照明する
面内の輝度の均一性を確保するために面内のシボの粗さ
を調整したり点状ドットの形状、密度を場所により変え
たりする。
【0005】上記した導光板の製造方法は、一般的に射
出成形で行っている。従来の構成の射出成形機におい
て、成形樹脂材料として、例えば、PC(ポリカ)、P
MMA(アクリル)、PS(ポリスチレン)等の粒子を
成形機のノズルより供給し、加熱溶融した流動樹脂を金
型内に充填・注入した後、冷却及び固化し、EJピンで
成形品及びランナーを突き出して成形する。この状態で
は、製品となる成形品(導光板)に湯道(ゲート)とラ
ンナーとが一体になって成形される。
【0006】しかしながら、前述した射出成形による導
光板の製造方法には次のような問題点がある。即ち、製
品の肉厚が例えば、0.6mm以下に薄くなればなる
程、充填不足やヒケが発生する。また、金型と同一形状
を製品に写し出すのが困難になり光特性不良が発生す
る。更に、ゲートを切断する2次加工の工程が必要にな
る。また、ランナー部を切除するため成形樹脂材料がム
ダになる。また更に、射出成形では多数個取りは成形技
術的に難しく数個程度(例えば、4個乃至8個程度)が
限界と考えられる。
【0007】そこで、本出願人は先に出願した特願20
00−5102(出願日、平成12年1月13日)「導
光板の製造方法」にて、従来の射出成形機に代わり樹脂
成形機内の金型に配設された製品キャビティ内に予備加
熱した樹脂シートを挿入し、所定時間圧縮成形し、冷却
・固化し、所望の形状の導光板を作成した。図2に基づ
いてその概要を説明する。
【0008】図2(a)は樹脂成形機の金型の要部説明
図、図2(b)は成形品(導光板)の平面図である。樹
脂成形機の金型24の構造は、符号10は、ロケートリ
ング、11は、固定側取付板、12は、固定側型板、1
3は、可動側型板、14は、可動側受板、15は、スペ
ーサブロック、16は、可動側取付板、17は、エジェ
クトプレート(上)、18は、エジェクトプレート
(下)である。20は成形品(導光板1)を突き出すエ
ジェクト(EJ)ピンである。
【0009】上記した樹脂成形機の金型24を構成する
固定側型板12と可動側型板13とが開いた状態におい
て予備加熱して軟化した樹脂シートを製品用キャビティ
25内に挿入し所定時間圧縮成形する。その後、冷却・
固化した成形品(導光板1)をEJピン20の作動によ
り製品を突き出し排出することにより、図2(b)に示
す様な完成製品である所望の形状の導光板1を成形する
ことができる。成形品(導光板1)は、金型と同一の形
状に写し出すことができるので2次加工を行う必要はな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に、金型と
同一形状を製品に写し出すのが容易にできるので転写率
は良く、光特性の向上を図ることはできるが、金型内の
キャビティに樹脂シートを1枚づつ挿入しているので生
産性が悪い。そのため製造工程の自動化による安定生産
及び量産化が課題になる。
【0011】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、製品の薄肉化に対応でき、製造
工程の自動化による安定生産及び量産化が可能で、安価
な導光板の製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における導光板の製造方法は、面状光源ユニ
ットを構成する透明なプラスチック部材よりなる板状の
導光板の製造方法において、前記透明なプラスチック部
材よりなるフープ材を予備加熱装置に供給するフープ材
供給工程と、予備加熱装置で前記フープ材の導光板形成
領域を所定の温度で加熱して軟化させる予備加熱工程
と、前記フープ材の導光板成形領域が軟化された状態で
樹脂成形機に供給された後、所定時間圧縮成形し、冷却
・固化し、成形品が製品ツナギ部でフープ材に連結され
た状態で成形される成形工程と、前記樹脂成形機内から
排出し、抜き型内に供給して製品ツナギ部を切断して単
個の製品に分離するツナギ部切断工程と、製品分離後の
フープ材を巻き取る巻取り工程と、よりなることを特徴
とするものである。
【0013】また、前記成形工程は、前記樹脂成形機内
の金型に配設された製品キャビティを一つの金型内に複
数列、複数個分配置して所望の形状の導光板を多数個同
時に成形することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の導光
板の製造方法について説明する。図3は、本発明の第1
の実施の形態に係わり、図3(a)は導光板の製造工程
を説明する説明図である。図3において(A)はフープ
材供給工程で、透明なプラスチック部材、例えば、P
C、PMMA等よりなるフープ材30の厚みは製品(導
光板1)の厚みより僅かに厚い、例えば、略1mm程
度、幅は製品の形状とフープ材30の長手方向の両側に
配設された後述するパイロット孔を考慮して、例えば、
単列で略45mm程度、2列で略75mm程度であり、
フープ材30はリール31に巻かれている。前記フープ
材30の厚み及び幅寸法は製品の厚み及び形状等により
適宜設定するものである。前記フープ材30は所定の送
り速度で予備加熱装置に送り出される。
【0015】(B)は予備加熱工程で、前記フープ材3
0の導光板成形領域を所定の温度に加熱する。加熱手段
とて、例えば、ヒーター32で加熱温度は樹脂のガラス
転移点領域(固化状態から溶融状態に変化する点)より
若干低い温度で加熱する。ガラス転移点はフープ材30
の材質がPSでは約160°C、PMMAでは約180
°C、PCでは約240°Cより低い温度である。
【0016】(C)は成形工程で、予備加熱して軟化し
たフープ材30の導光板形成領域を前述した樹脂成形機
(図2)の金型24に挿入し、所定時間圧縮成形した
後、冷却・固化する。図4に示す様に、成形された製品
1Aがツナギ部1Bでフープ材30に連結された状態で
成形される。
【0017】図5は、樹脂成形機の型内での成形状態を
示す要部断面図である。前記金型24の製品用キャビテ
ィ25内でフープ材30の導光板領域が圧縮成形され
て、製品1Aとフープ材30とは薄いツナギ部1Bにて
連結されている。図中、Aは後述する抜きカスとなる。
【0018】図6は、成形工程後に樹脂成形機から排出
された製品とフープ材の状態を説明する要部断面図であ
る。上記した様に、製品1Aはツナギ部1Bにてフープ
材30に連結されている。
【0019】図4は、図6の平面図である。フープ材3
0は、前述した様に、長手方向の両側に所定の間隔でパ
イロット孔30aが形成されている。パイロット孔30
aは、後述する切断工程の際に製品の位置決めとして使
用するもので、一般的には、フープ材作成時に事前に形
成しておくが、フープ材の板厚みによっては型内で抜く
場合もある。パイロット孔30aの孔径は、例えば、略
2mm程度の大きさで、孔位置は強度面から製品外形よ
り、例えば、略5mm程度離れた位置に配設する。図
中、斜線部は製品1Aとなる部分である。製品1Aの外
形部1C及び製品1A内の逆台形形状の穴3は、成形工
程でフープ材30とは切り離されている。従って、1個
の製品1Aが繋がっているツナギ部1Bは1個の製品当
たり数箇所(図4では、4箇所)である。
【0020】(D)はツナギ部の切断工程で、前記樹脂
成形機の金型24内から排出され抜き型33内に供給さ
れて、製品1Aとフープ材30とを連結しているツナギ
部1Bを切断して単個の製品に分離する。
【0021】図7に示す様に、抜き型33内に組み込ま
れた図示しないガイドピンで前述したフープ材30に設
けられたパイロット孔30aで位置決めし、製品1Aを
上下型33A、33Bで押さえた状態でパンチ34でツ
ナギ部1Bを切断する。その際、抜きカスAを同時に排
出し、図7(b)に示す様に単個の製品1A(導光板
1)に分離される。分離された製品1Aは図3に示す様
に、製品収納容器35内に収納される。
【0022】(E)はフープ材巻取り工程で、製品を分
離した後のフープ材30で、巻取り装置のリール36に
巻き取られる。巻き取られたフープ材30は再生材とし
て有効活用する。
【0023】以上述べた様に、樹脂成形する材料をフー
プ材で連続的に供給して所望の製品(導光板)を成形す
るものである。本実施の形態においては単列で行い、フ
ープ材供給工程(A)→予備加熱工程(B)→成形工程
(C)→ツナギ部切断工程(D)→フープ材巻取り工程
(E)の1サイクルは導光板の仕様、取り個数等により
異なるが、例えば、略20秒〜30秒程度である。
【0024】図8は、本発明の第2の実施の形態に係わ
り、フープ材に成形品を2列配列した場合の樹脂成形工
程後の平面図である。フープ材30の幅寸法は前述した
様に、2列で例えば、略75mm程度である。樹脂成形
機(図2)の金型24の製品用キャビティ25が複数個
(2個)配設されており、同時に2個の製品1Aが製品
ツナギ部1Bで連結された状態で成形される。製造工程
は前述した第1の実施の形態と同様であるので説明は省
略する。
【0025】上記した構成により、1サイクルでの取り
個数が多くなる。上記した第2の実施の形態では樹脂成
形機内の型内のキャビティの数は、2列、2個の場合で
あるが、更に列数と個数を増し、複数列、複数個にする
ことにより更なる量産化が可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の射出成形で問題になった薄肉製品の生産が安定的
に行うことができ、光特性不良がなく製品の歩留りが向
上する。フープ材の使用により製品の自動化による安定
生産と、複数列、複数個を同時成形により、更に多数個
生産が容易になり量産化が可能となる。より製品コスト
を低減することができ、製品の薄型化に対応できる導光
板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来に共通な導光板で、図1(a)
は平面図、図1(b)は図1(a)の正面図である。
【図2】図2(a)は樹脂成形機の金型の構造を示す要
部説明図、図2(b)は成形品(導光板)の平面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる導光板の製
造工程を示す説明図である。
【図4】図3の樹脂成形後の製品とツナギ部の状態を示
す平面図である。
【図5】図3の樹脂成形状態を示す説明図である。
【図6】図3の成形工程後に製品とツナギ部の状態を示
す要部断面図である。
【図7】図7(a)は図3の切断工程を示す要部断面
図、図7(b)は分離された製品の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わり、樹脂成形
後の製品とツナギ部の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 導光板 1A 製品 1B ツナギ部 1C 製品外形部 24 金型 25 製品キャビティ 30 フープ材 30a パイロット孔 31、36 リール 32 ヒーター 33 抜き型 34 パンチ 35 製品収納容器 A 抜きカス (A) フープ材供給工程 (B) 予備加熱工程 (C) 成形工程 (D) ツナギ部切断工程 (E) フープ材巻取り工程

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面状光源ユニットを構成する透明なプラ
    スチック部材よりなる板状の導光板の製造方法におい
    て、前記透明なプラスチック部材よりなるフープ材を予
    備加熱装置に供給するフープ材供給工程と、予備加熱装
    置で前記フープ材の導光板形成領域を所定の温度で加熱
    して軟化させる予備加熱工程と、前記フープ材の導光板
    成形領域が軟化された状態で樹脂成形機に供給された
    後、所定時間圧縮成形し、冷却・固化し、成形品が製品
    ツナギ部でフープ材に連結された状態で成形される成形
    工程と、前記樹脂成形機内から排出し、抜き型内に供給
    して製品ツナギ部を切断して単個の製品に分離するツナ
    ギ部切断工程と、製品分離後のフープ材を巻き取る巻取
    り工程と、よりなることを特徴とする導光板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記成形工程は、前記樹脂成形機内の金
    型に配設された製品キャビティを一つの金型内に複数
    列、複数個分配置して所望の形状の導光板を多数個同時
    に成形することを特徴とする請求項1記載の導光板の製
    造方法。
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