JP2001300454A - 基板の表面処理方法 - Google Patents

基板の表面処理方法

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JP2001300454A
JP2001300454A JP2000129194A JP2000129194A JP2001300454A JP 2001300454 A JP2001300454 A JP 2001300454A JP 2000129194 A JP2000129194 A JP 2000129194A JP 2000129194 A JP2000129194 A JP 2000129194A JP 2001300454 A JP2001300454 A JP 2001300454A
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film
substrate surface
cleaning
liquid
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JP2000129194A
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Yukio Nomura
幸生 野村
Tadashi Otake
忠 大竹
Naoko Takebe
尚子 武部
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】清浄化処理された基板面を再汚染されることな
く保管し、基板面の清浄状態を保持して膜形成が可能な
基板の表面処理方法を提供する。 【解決手段】本発明の基板の表面処理方法は、基板上に
存在する汚染物質を除去することにより、該基板表面を
清浄にする清浄化工程S1と、前記基板を保管用液体中
に浸漬して当該基板を保管する基板保管工程S2と、前
記基板表面に膜を形成する膜形成工程S4とを含む。こ
れにより、清浄化された基板面が再汚染されるのを防止
して保管することができ、更に清浄状態を維持して膜形
成を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板や液晶
表示基板等に好適に利用可能な、基板の表面処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板表面に薄膜等を形成して
表面処理を行う場合には、膜形成工程の前に予め基板面
を洗浄し、清浄な状態にしてから表面処理を行ってい
た。ここで、洗浄後の基板は、その表面に膜形成が行わ
れるまでの間、通常雰囲気下で保管されていた。この
為、洗浄により清浄状態にされた基板表面は、空気中を
浮遊している汚染物質等に再汚染されることとなり、そ
の結果良好な膜質の薄膜が基板に形成されない場合が発
生するなど歩留まりが低かった。
【0003】そこで、この問題点を解決すべく、従来に
於いては、洗浄後の基板をクリーンルーム又は窒素パー
ジ中で保管する方法が採用されていた。当該方法による
と、洗浄後の基板を通常雰囲気と遮断することにより、
空気中を浮遊する汚染物質による再汚染の防止を図って
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たクリーンルーム及び窒素パージ中での保管方法では、
空気中又は窒素中に含まれている汚染物質の完全な除去
は困難な上に、窒素等は汚染物質による再汚染の防止作
用を発揮するものではない。更に、基板を収納し保管す
る保管室自体から排出される汚染物質が新たな汚染源と
なって、当該基板を再汚染するという問題もあった。
【0005】これにより、洗浄直後のクリーンな基板表
面状態を維持して膜形成に移行できない為、基板の塗布
性(塗料のはじき、均一塗布)が低下し、更に形成され
た薄膜も密着性に劣るという問題点を有している。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解消するも
のであり、清浄化処理された基板面を再汚染されること
なく保管し、清浄状態を保持して膜形成が可能な、基板
の表面処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成と
することにより上述の課題を解決している。
【0008】即ち、本発明に係る基板の表面処理方法
は、基板上に存在する汚染物質を除去することにより、
該基板表面を清浄にする清浄化工程と、前記基板を保管
用液体中に浸漬して当該基板を保管する基板保管工程
と、前記基板表面に膜を形成する膜形成工程と、を少な
くとも含むことを特徴としている。
【0009】上記清浄化工程は、膜形成工程に於いて膜
を形成する際に膜の密着性等を向上させることにより、
成膜の歩留まりを向上させるべく行う工程である。ここ
で、従来の方法の様に空気中に放置又は保管すると、そ
の空気中に浮遊する汚染物質によって基板表面が再汚染
され、その再汚染された表面状態のままで膜形成工程を
行うこととなる。即ち、基板面を清浄状態にしたにもか
かわらず再汚染される結果、清浄化処理直後の清浄度を
維持できずに膜形成を行うこととなり、成膜の歩留まり
が低かった。しかし、上記方法の様に、清浄化工程後の
基板を保管用液体中に浸漬して保管することにより、汚
染物質から基板表面を防護することができ、これにより
清浄化工程直後の清浄度をほぼ維持しつつ保管できるこ
ととなる。よって、極めて清浄度の高い表面状態を維持
して膜形成を行うことが可能となるので、膜の密着性等
に優れ成膜の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0010】前記清浄化工程は、前記基板表面に紫外線
を照射することにより当該基板表面を清浄にする工程を
含む構成とすることができる。
【0011】清浄化工程が紫外線を照射する工程を含む
ことにより、従来洗浄剤を用いたウェット洗浄では除去
できなかった、基板表面に吸着している汚染物質を容易
に分解除去することができ、基板の表面状態を清浄なも
のにすることができる。しかも本発明に於いては、前記
した様に、表面の清浄度を高い状態に維持して膜形成を
行うことができるので、この結果成膜の歩留まりを向上
させることができる。
【0012】前記清浄化工程は、前記基板表面に紫外線
を照射することにより当該基板表面を清浄にする紫外線
照射工程を含んだ構成とすることができる。
【0013】これにより、紫外線照射を行うことによっ
て基板面に存在する汚染物質を分解除去することがで
き、基板面を清浄状態にすることができる。
【0014】又、前記清浄化工程は、酸素雰囲気下で紫
外線を照射することにより当該基板表面を清浄にする工
程を含み、かつ、前記紫外線として、少なくとも172
nm付近の波長域を有する光を使用することができる。
【0015】酸素雰囲気下で紫外線を照射することによ
り、酸素は分解されてオゾンが生成する。このO3は紫
外線照射により分解されて、励起酸素原子が生成する。
この励起酸素原子と汚染物質とを反応させることによ
り、汚染物質を酸化分解除去することができる。しか
も、172nm付近に波長域を有する紫外線を使用する
ので、酸素から直接励起酸素原子も生成できる。この結
果、洗浄効果を高めることができ、表面清浄度を一層向
上させることができる。
【0016】その一方、前記清浄化工程は、反応ガスを
励起させたプラズマ雰囲気に前記基板を接触させること
により当該基板表面を清浄にする工程を含んだ構成とす
ることができる。
【0017】上記の方法によれば、基板表面に吸着した
汚染物質等を、反応ガスを励起させたプラズマ雰囲気に
接触させることにより、分解除去することができ、基板
の表面状態を清浄なものにすることができる。
【0018】又、前記基板保管工程の後、前記保管用液
体中から基板を取り出し、該基板表面に付着した前記保
管用液体を除去する液体除去工程を行うことができる。
【0019】上記の方法によれば、基板上に保管用液体
が残存することが、前記膜形成工程に於ける膜形成に於
いて塗布性及び成膜性等の阻害要因と成りうる場合にお
いても、前記液体除去工程を行うことにより塗布性及び
成膜性を良好なものにできる。
【0020】更に、前記液体除去工程は、液切り乾燥に
より、前記基板表面に残存する前記保管用液体を除去す
る工程とすることもできる。
【0021】基板保管工程直後の基板表面には、保管用
液体が吸着している。よって、液体除去工程として液切
り乾燥を行うと、余分な保管用液体は基板上から除去さ
れるものの、当該基板表面上に吸着した保管用液体まで
除去することがない。これにより、膜形成工程に於いて
は不必要な余分の保管用液体を基板表面から除去でき
る。加えて、吸着した保管用液体がその表面を被覆して
いるので、空気中に浮遊している汚染物質に対してブロ
ッキング作用を発揮し、この結果再汚染も防止できる。
【0022】又、前記保管用液体を流動状態にして使用
すれば、基板表面に於いては流動応力が発生する結果、
保管用液体中に汚染物質等が存在していた場合であって
も、基板表面に汚染物質が付着するのを防止できる。こ
の結果、清浄化工程に於いて清浄化された基板の表面状
態を一層良好に維持して保管することができ、長期間の
保管が可能となる。
【0023】前記膜形成工程は、前記基板表面に、化学
吸着物質及び有機溶媒を含む膜形成用溶液を乾燥雰囲気
中で接触させ、塗布膜を形成する接触工程と、前記有機
溶媒を乾燥により蒸発させた後、前記塗布膜を水分子に
接触させて該基板表面に化学吸着膜を形成する膜形成工
程とを有するものとできる。
【0024】前述の様に、基板はその表面を高清浄度に
保持されつつ保管されているので、前記方法の様に膜形
成用溶液を基板面に接触させると高密度に化学吸着物質
を吸着させることができる。この結果、膜構成分子が基
板面に化学結合し、耐剥離性に優れ強固な化学吸着膜を
形成できる。
【0025】又、前記膜形成工程は、ポリイミド膜、イ
ンジウム錫酸化物(ITO)膜、二酸化スズ(Sn
2)膜、窒化ケイ素(SiNx)膜及び二酸化ケイ素
(SiO2)膜からなる群より選ばれる何れか1種の膜
を形成する工程とすることにより、基板面との密着性に
優れ、強固な膜を形成することができる。
【0026】前記保管用液体として、水を使用すること
ができる。
【0027】水は、空気中又は窒素中に含まれる汚染物
質に対するブロッキング作用に優れている為、清浄化処
理後の基板を水中に保管すれば再汚染を防止できる。水
のこのブロッキング作用は、例えば空気や窒素、或いは
他の保管用液体と比較しても格段に優れている為、再汚
染は確実に防止できる。よって、極めて清浄度の高い表
面状態を維持しつつ膜形成を行うことが可能となる。
【0028】又、前記清浄化工程に於いて紫外線照射に
よる基板表面の清浄化処理を行う場合、汚染物質の除去
と共に基板表面も疎水性化される為、膜形成工程に於い
て親水性面である方が膜形成の観点から好ましい場合に
は、塗布性及び膜の密着性低下の原因となり得る。しか
し上記の様に、保管用液体として水を使用すれば、疎水
性化された表面にOH基を吸着させるので、基板面を再
び親水性面にできる。この結果、膜形成工程に於ける塗
布性及び膜の密着性等を改善することができる。
【0029】又、前記基板保管工程に於ける前記保管用
液体として、オゾンを含有する水を使用することができ
る。
【0030】オゾンを含む水(以下、オゾン水と称す
る)は基板表面の再汚染を防止すると共に、オゾン水の
持つ酸化力によりその表面に残存している汚染物質をも
除去できる。又、オゾン水は外部から溶解しようとする
汚染物質も防除できる効果があり、よってオゾン水を用
いた基板の保管は、その表面の高清浄度の維持及び向上
が可能となり、保管期間の長期化も図れる。
【0031】又、前記膜形成工程に於いて前記基板表面
に化学吸着膜を形成する場合には、前記基板保管工程に
於いて使用する保管用液体として、前記膜形成用溶液に
含まれる有機溶媒を使用することもできる。
【0032】保管用液体と、膜形成工程に於いて使用す
る膜形成用溶液に含まれる有機溶媒とが同じ化合物であ
れば、保管用液体の除去を行わずに膜形成工程に移行す
ることができる。よって、工程数の簡素化が図れる。し
かも、保管用液体を基板表面に付着したままの状態にし
ているので、当該保管用液体のブロッキング作用により
清浄状態にある基板表面を汚染物質から防護できる。即
ち、前記有機溶媒を保管用液体として使用すれば、液体
除去工程を行わずに連続的に膜形成工程に移行すること
ができ、生産効率の向上が図れると共に、膜形成工程に
移行する際の再汚染も防止できる。
【0033】前記基板保管工程から前記膜形成工程に移
行するまでの移行時間は、24時間以内とするのが好ま
しい。
【0034】又、前記液体除去工程から前記膜形成工程
に移行するまでの移行時間は、24時間以内とするのが
好ましい。
【0035】基板保管工程又は液体除去工程から膜形成
工程に移行するまでの移行時間が24時間以内である
と、基板表面に保管用液体が蒸発せずに吸着して残存し
ている為、基板表面を汚染物質から保護して再汚染を防
ぎ、表面がクリーンな状態で膜形成ができるからであ
る。
【0036】ここで、前記基板として半導体基板、又は
液晶表示用基板を使用することができる。これにより、
半導体基板又は液晶表示用基板の場合に於いても、膜の
密着性等に優れた膜を形成でき、歩留まりの向上が可能
となる。
【0037】前記基板として、その表面にインジウム錫
酸化物(ITO)膜、二酸化スズ(SnO2)膜、窒化
ケイ素(SiNx)膜又は二酸化ケイ素(SiO2)膜の
何れか1つが設けられたものを使用することができる。
【0038】前記した各種の膜はその表面が疎な状態に
あるので、本来的に汚染物質等を容易に吸着又は付着さ
せる性質を有しており、たとえ清浄化処理を施しても再
汚染の可能性が高く、かつ汚染度も他の膜と比較して高
い場合が多かった。しかしながら、本発明に於いては、
この様な膜が形成された基板であっても、清浄度を高い
状態で維持しつつ保管すると共に、その状態で膜形成を
行うことができるので、歩留まりを向上させて膜形成を
行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る基板の表面
処理方法の製造工程を説明する為のフローチャートであ
る。同図に示すように、本発明の基板の表面処理方法
は、その主要工程として、基板表面を清浄にする清浄化
工程(S1)と、前記基板表面を保管用液体中に浸漬し
て当該基板を保管する基板保管工程(S2)と、前記基
板表面に膜を形成する膜形成工程(S4)とを少なくと
も含む方法である。
【0040】前記清浄化工程に於いては、従来公知のウ
ェット洗浄による清浄化処理、ドライ洗浄による清浄化
処理又はこれらを組み合わせた清浄化処理を行うことが
できる。
【0041】前記ウェット洗浄による清浄化処理は、基
板表面に付着している汚染物質を、洗浄剤により溶解さ
せて除去する処理である。洗浄剤としては、特に限定さ
れるものではなく、例えば界面活性剤、ケイ酸塩等が例
示できる。又、当該ウェット洗浄処理の具体的な洗浄方
法としては、例えば洗浄剤が満たされた洗浄槽に基板を
浸漬させる方法の他に、該洗浄剤中に基板を浸漬させた
状態で超音波を照射する等機械力を付与する方法、該洗
浄剤自体の洗浄力を向上させる為に洗浄剤を加熱する方
法等が挙げられる。又、上記洗浄工程に於ける洗浄条件
としては特に限定されるものではなく、汚染物質の基板
に対する付着の程度、被洗浄物の材質、形状、後工程へ
の影響等を考慮して、適宜必要に応じて設定すればよ
い。更に、洗浄剤の濃度や洗浄時間、洗浄回数等を変え
ることにより、基板表面の表面清浄度を制御可能とな
る。又、当該ウェット洗浄処理に於いては、例えば洗浄
剤が高沸点溶剤であるなど常温にて乾燥蒸発が困難な場
合は、該高沸点溶剤を低沸点のリンス剤でリンスするこ
とにより該低沸点のリンス剤に置換させる為のリンス工
程を行ってもよい。更に、前記リンス工程後にリンス剤
を除去する為の乾燥工程を行ってもよい。
【0042】前記ドライ洗浄による清浄化処理として
は、以下に述べる方法が挙げられる。
【0043】先ず、第1に、反応ガスに紫外線を照射し
て励起ガスを生成させ、該励起ガスを前記基板表面に接
触させることにより基板表面を清浄にする方法が挙げら
れる。この方法では、基板表面に励起ガスを接触させる
ことにより、基板表面に付着している汚染物質と励起ガ
スとを反応させ、その汚染物質を揮発させるものであ
る。この方法に於いて使用できる反応ガスとしては、酸
素や水蒸気等が例示できる。
【0044】ここで、例えば反応ガスとして酸素を使用
した場合について述べると、酸素雰囲気下で紫外線を照
射することにより、酸素が分解されてオゾン(O3)が
生成する。このO3は、更に紫外線の照射により分解さ
れ、励起酸素原子が生成する。この様にして生成した励
起酸素原子は酸化性の強い酸素原子である為、汚染物質
と接触すると反応し、当該汚染物質を有機酸化物や、一
酸化炭素・水等に酸化分解除去する。この結果、基板表
面は清浄状態になる。尚、この紫外線照射法に於ける照
射条件としては特に限定されるものではなく、汚染物質
の基板に対する付着の程度、被洗浄物の材質、後工程へ
の影響等を考慮して、適宜必要に応じて設定すればよ
い。例えば、172nm付近に波長領域を有する紫外線
を照射した場合、通常の紫外線と比較して短波長である
為、酸素に吸収され、励起酸素原子を直接生成する。そ
の一方、172nmの紫外線照射はO3も生成し、この
オゾンから励起酸素原子を生成する経路も辿る。この2
つの経路により、172nmの紫外線照射は通常の波長
領域を有する光と比較して多くの励起酸素原子を生成す
ることになり、清浄化速度を高める。よって、洗浄効果
を高めることができ、表面清浄度の一層の向上が可能と
なる。
【0045】又、清浄化工程に於けるドライ洗浄法とし
て、第2に、反応ガスを励起させたプラズマ雰囲気に前
記基板を接触させることにより基板表面から汚染物質を
除去して当該基板表面を清浄にする方法も行うことがで
きる。この方法の場合に使用できる反応ガスとしては酸
素、アルゴン等が例示できる。更に、その他のドライ洗
浄法としては、ドライエッチング方法等も行うことがで
きる。
【0046】尚、上述のウェット洗浄とドライ洗浄とを
組み合わせた清浄化処理を行う場合には、ドライ洗浄を
最終工程として行うのが好ましい。ウェット洗浄による
清浄化処理を行うと、当該処理で使用する洗浄剤の残査
によって基板面が再汚染される場合があり、この様な場
合にドライ洗浄を行えば洗浄剤の残査も除去できるから
である。又、汚染量の多い基板に対しては、予め大部分
の汚れをウェット洗浄により除去し、その後ドライ洗浄
を行う方が有利な場合が有るからである。即ち、ある一
定程度以上の清浄度を得る為に、予備的洗浄が必要な場
合も有るからである。
【0047】前記基板保管工程は保管用液体中に基板を
浸漬することにより、清浄化工程に於いて清浄化された
基板表面を汚染物質から保護して再汚染を防止しつつ保
管する工程である。従来の方法に於いては、洗浄後の基
板は空気中で放置又は保管していたことから、空気中に
浮遊している汚染物質等により再汚染され、洗浄直後の
清浄度と比較して成膜直前の清浄度は低下していた。こ
の為、塗布性及び膜の密着性等に関し不十分な場合もあ
り、成膜の歩留まりに於いても改善の余地があった。し
かしながら本発明に於いては、基板を保管用液体中に浸
漬することにより、空気中に浮遊する汚染物質をブロッ
キングし再汚染を防止して、清浄化工程直後の清浄度を
維持するものである。よって、塗布性及び膜の密着性等
に優れ、成膜の歩留まりを向上させることができる。
【0048】前記基板保管工程に於ける浸漬方法として
は、基板を保管用液体中に静置してもよく、或いは流動
状態にある保管用液体中に置いて保管してもよい。更
に、新しい保管用液体の常時又は適時的な供給を行え
ば、保管用液体も清浄な状態に維持できる為、基板の保
管状態を一層向上させると共に、保管期間も一層長期な
ものにできる。
【0049】本工程で使用する前記保管用液体として
は、水が極めて有効である。水による保管は、例えば清
浄化工程に於いて紫外線照射をする場合であって、後記
する膜形成工程に於いて基板面が親水性面であることが
要求される場合に特に有効である。紫外線照射による清
浄化処理は、基板表面に吸着したOH基を消失させ、そ
の基板表面を疎水性化させる為、塗布性及び膜の密着性
が低下するなど良好な膜形成の阻害要因となり得るから
である。しかし、保管用液体として水を使用すれば、紫
外線照射により消失したOH基を再び基板面に吸着さ
せ、基板面を親水性面に復原させる役割を果たすことも
できる。尚、膜形成工程に於いて基板面が親水性面であ
ることが要求される場合については、膜形成工程の説明
の際に詳述する。
【0050】又、保管用液体としての水は純水であるこ
とが好ましく、更に比抵抗値15MΩcm以上の純水で
あることがより好ましい。又、オゾンを含む水を使用す
ることにより、清浄化工程で除去されずに残存している
基板表面の汚染物質を除去できると共に、元々含まれ或
いは外部から侵入した水中の汚染物質を除去できる効果
がある。オゾンの含有量としては、10ppm以上とす
ることが好ましく、更に10〜20ppmの範囲内とす
ることがより好ましい。当該範囲とすることにより、前
記の効果を一層発揮させることができる。更に、前記保
管用液体としては、酸性又はアルカリ性水溶液も好適に
使用できる。特に塩酸又はアンモニア水は、基板に塩化
水素やアンモニアが残留しにくいので有効である。但
し、清浄状態に維持して基板を保管するという本発明の
効果を有効に発揮させる為には、酸性又はアルカリ性水
溶液の濃度は基板をエッチングしない程度とする必要が
ある。その他に保管用液体として、無極性の炭化水素又
はハロゲン化炭化水素の溶媒も好適に使用できる。
【0051】ここで、本発明に係る基板の表面処理方法
に於いては、清浄化工程の直後に前記保管用液体を除去
する為の液体除去工程(S3)を行うことも可能であ
る。本工程に於ける具体的方法としては、例えば熱処理
による乾燥や、液切りによる乾燥等が挙げられる。但
し、基板表面を親水性に維持した状態で次の膜形成工程
に移行したい場合には、液切りによる乾燥を行うのが好
ましい。熱処理による乾燥であると、例えば保管用液体
が水の場合、基板表面に付着した水に加えて、基板表面
に吸着した吸着水(OH基)も除去して疎水性化する
為、表面の塗布性及び膜の密着性の低下を招来するから
である。これに対して、液切り乾燥であると、物理的作
用により基板表面に付着した保管用液体を除去するの
で、基板表面に吸着した前記吸着水まで除去することが
ない。よって、塗布性及び膜の密着性の低下を抑制する
ことができる。ここで、液切り乾燥を行う為の具体的手
段としては、エアナイフ等が挙げられる。
【0052】前記膜形成工程は、保管用液体中に浸漬し
て保管しておいた基板を当該保管用液体から取り出し
て、基板上にアクリル、シリコーン又はフルオロカーボ
ン等からなるポリマーの有機薄膜、又はITO、SnO
2、SiNx、SiO2等の無機薄膜を基板上に形成する
工程である。前述の様に、保管用液体中に浸漬して基板
を保管することにより、極めて清浄な状態にある基板表
面に膜形成が可能となる為、塗布性及び膜の密着性を向
上させることができる。
【0053】例えば、シリカ系被膜等からなる化学吸着
膜の成膜の場合には、シラン系化合物等の化学吸着物質
を高密度に基板表面に化学吸着させることができる。こ
れにより、膜密度が高く耐剥離性等に優れた薄膜の形成
が可能となる。化学吸着膜の成膜方法については特に限
定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用す
ることができる。例えば、シラン系化合物の場合、次の
様に行う。先ず、有機溶媒と、化学吸着物質としてのシ
ラン系化合物とを含む膜形成溶液を基板上に塗布する等
して接触させ塗布膜を形成する。次に、塗布膜を所定の
温度にて所定時間熱処理するなどして乾燥させ、塗布膜
中に存在する有機溶媒を除去する。更に、基板を焼成す
ることにより、前記塗布膜を固化しシリカ系被膜を形成
する。
【0054】又、ポリイミド膜の場合、基板表面が清浄
状態である為、ポリイミド樹脂、又はそのコポリマーか
らなる高分子材料を基板上に塗布した場合に、いわゆる
塗料はじきがなく、均一に塗布することができる。これ
により、基板表面との密着性が一層強くなり、強固な膜
を形成できる。ポリイミド膜の成膜方法については特に
限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用
することができる。具体的には、材料物質としてのポリ
イミド樹脂を基板上に塗布した後、この塗布膜を焼成す
ることによりポリイミド膜を形成できる。更に、ITO
膜、SnO2膜、SiNx膜、SiO2膜の場合に於いて
も、ポリイミド膜と同様に強固に密着した薄膜の形成が
可能となる。又、これら各種の膜の成膜方法としては特
に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法が採
用できる。
【0055】ここで、前記基板保管工程に於いて使用す
る保管用液体を、本工程に於いて形成する薄膜の材料等
に応じて適宜設定すれば一層良好な膜質の薄膜が形成で
きる。例えば、本工程に於いてシリカ系被膜等の化学吸
着膜を形成する場合には、保管用液体として水を使用す
るのが好ましい。シリカ系被膜の形成には、先ずシラン
系化合物等の化学吸着物質と有機溶媒とを含む膜形成用
溶液を基板面に塗布し、シラン系化合物を基板表面に存
在するOH基と反応させて化学吸着させることにより行
う。そして、吸着サイトとしてのOH基の分布密度が高
ければ膜密度の高い化学吸着膜の形成が可能となる。よ
って、基板を水中に浸漬した保管は吸着サイトとしての
OH基の分布密度を高めることとなる。特に、前記清浄
化工程に於いて紫外線照射を行う場合には基板表面に存
在するOH基が消失して疎水性化される為、そのような
疎水性面を有する基板を水中に保管すれば再び親水性面
とできる。以上のことから、化学吸着膜の形成に於いて
は保管用液体として水の使用が好ましい。
【0056】又、保管用液体として、前記膜形成用溶液
に含まれる有機溶媒も使用可能である。この場合、保管
用液体から基板を取り出した直後に基板表面に付着した
保管用液体を除去せずに、そのまま膜形成用溶液を塗布
できる。しかも、保管用液体が付着したままであるの
で、当該保管用液体のブロッキング作用により、清浄状
態にある基板表面を汚染物質から防護し、これにより基
板面の再汚染を防止できる。即ち、前記有機溶媒を保管
用液体として使用すれば、液体除去工程を介さずに連続
的に膜形成工程に移行することができ、生産効率の向上
が図れると共に、膜形成工程に移行する際の再汚染も防
止できる。
【0057】膜形成工程に於ける成膜方法としては特に
限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を採用
することができる。例えば、有機薄膜の成膜の場合、膜
形成用溶液をディップ法、スプレー法又はスピンコータ
ー法等により塗布して塗布膜を形成した後、その塗布膜
を焼成する等して形成すればよい。その一方、無機薄膜
の成膜の場合には、前記塗布方法に加え、スパッタ法、
蒸着法、メッキ法等を採用できる。
【0058】尚、基板保管工程から当該膜形成工程に移
行するまでの期間は、24時間以内とするのが好まし
く、更には可能な限り短時間であることがより好まし
い。各工程間に於ける移行時間が余りに長期間である
と、基板表面が再汚染され良好な膜質を有する薄膜の形
成が困難になるからである。換言すれば、24時間以内
であれば、基板表面に保管用液体が蒸発せずに吸着して
残存している為、基板表面を汚染物質から保護して再汚
染を防ぎ、表面がクリーンな状態で膜形成ができるから
である。
【0059】又、基板保管工程の直後に液体除去工程を
行う場合には、当該液体除去工程から膜形成工程に移行
するまでの期間は、24時間以内とするのが好ましい。
移行時間が長いと、基板表面が再汚染されるからであ
る。
【0060】尚、本発明に係る基板として、ガラス、金
属、プラスチック、セラミックス等からなるものを使用
できる等、あらゆる材質の基板に対する表面処理に適用
でき、その効果は絶大である。特に、本発明の基板表面
処理方法は微細加工の表面処理に適している為に、半導
体基板及び液晶表示基板などの表面処理に特に効果を発
揮する。又、最表面に膜が設けられた基板に対しても適
用できる。基板上に設けられている膜として、例えばI
TO膜、SnO2膜、SiNx膜又はSiO2膜が形成さ
れている場合、これらの膜表面は疎面であるので、吸着
媒としての機能を果たす結果、汚染物質が膜表面に吸着
し、基板保管中に於いて再汚染されやすい。しかし、本
発明に係る基板の表面処理方法を適用することにより、
基板の保管中に於いても再汚染されることなく基板面の
清浄状態を維持できる為、極めて良好な薄膜の形成が可
能となる。
【0061】
【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を例示的に
詳しく説明する。但し、実施例中の記載は、特に限定的
な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限
定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0062】(実施例1)先ず、ガラス基板を、エキス
トランMA−1(商品名、メルクジャパン製)の2%洗
浄液に50℃で15分間浸漬して洗浄した後、オーバフ
ローした水に室温で30分間浸漬して水リンスを行っ
た。更に、加熱温度110℃で30分間乾燥処理を行
い、水を除去した(清浄化工程)。
【0063】次に、洗浄後のガラス基板を室温でヘキサ
メチルジシロキサン中に浸漬し、所定時間保管した(基
板保管工程)。更に、ヘキサメチルジシロキサンからガ
ラス基板を取り出し、当該ヘキサメチルジシロキサンが
その表面に付着したままの状態で、前記ガラス基板表面
に化学吸着物質としてのC81724SiCl3が溶解
した薄膜形成用溶液を乾燥雰囲気中で接触させた(膜形
成工程)。ここで、薄膜形成用溶液に於けるC8172
4SiCl3の濃度は10-3mol/Lとした。これに
より、下記に示す化学反応式(1)が起こり、C817
24SiCl3をガラス基板表面に化学吸着させるこ
とができた。
【化1】
【0064】続いて、ガラス基板を通常雰囲気中に曝す
ことにより、下記化学反応式(2)が生じ、ガラス基板
表面に吸着した化学吸着物質に於けるクロロシリル基と
水酸基とが反応してOH基が導入された。
【化2】
【0065】更に、当該ガラス基板を室温で乾燥させる
ことにより、下記化学式(3)に示すように、化学吸着
物質に導入されたOH基同士を脱水反応させ、本実施例
1に係る化学吸着膜を形成した。
【化3】
【0066】以上の様にして前記化学吸着膜を形成した
ガラス基板を撥水ガラスAと称する。
【0067】(実施例2)本実施例2に於いては、基板
保管工程の後、熱処理にて液体除去工程を行い、ガラス
基板表面に残存するヘキサメチルジシロキサンを取り除
いた以外は、前記実施例1と同様の工程を行って、該ガ
ラス基板上に化学吸着膜を形成した。
【0068】前記液体除去工程に於ける熱処理の条件と
しては、加熱温度110℃、処理時間30分間とした。
【0069】以上の様にして、本実施例2に係る化学吸
着膜を形成したガラス基板を撥水ガラスBと称する。
【0070】(処理条件と撥水ガラスの耐久性)上述の
各実施例で作製した撥水ガラスA及びBについて、それ
らの耐久性を調べた。耐久性は所定の時間撥水ガラスA
及びBを熱処理することにより評価した。
【0071】先ず熱処理の前に、撥水ガラスA及びB
の、水に対する初期接触角を測定した。続いて、撥水ガ
ラスA及びBを、加熱温度300℃で処理時間を30、
60、100分と変化させながら熱処理した。そして、
各々の処理時間に於ける水の接触角を測定した。その結
果を表1に併記する。
【表1】
【0072】これらの結果から、撥水ガラスA及びBの
耐久性はほぼ同様に優れていることが分かった。換言す
れば、液体保管工程に於いて使用する保管用液体とし
て、その後膜形成工程に於いて使用する膜形成用溶液に
於ける有機溶媒を用いた場合、液体除去工程を行わずに
膜形成を行っても同様の性能を有する撥水ガラスが得ら
れることが分かった。よって、実施例1に係る基板の表
面処理方法の場合、液体除去工程を省略しても良好な化
学吸着膜の成膜が可能と言える。
【0073】(実施例3)先ず、最表面にITO膜を有
するガラス基板を、エキストランMA−1(商品名、メ
ルクジャパン製)の2%洗浄液に50℃で15分間浸漬
後、オーバフローした水に室温で30分浸漬した(清浄
化工程)。
【0074】次に、洗浄後のガラス基板を室温で水中に
所定の時間保管した後(基板保管工程)、当該ガラス基
板を120℃で15分間加熱乾燥してガラス基板表面に
存在する水を除去した(液体除去工程)。
【0075】続いてガラス基板上に、膜形成用溶液とし
てのサンエバー7992(商品名、日産化学社製)をス
ピナーで塗布し、220℃で2時間焼成して、ポリイミ
ド膜を作製した(膜形成工程)。
【0076】以上の様にして、ガラス基板上にポリイミ
ド膜を形成する一連の製造プロセスをプロセスCと称す
る。
【0077】(実施例4)本実施例4に係る基板の表面
処理方法は、基板保管工程に於いて、水を常時供給する
ことによりオーバーフローさせて水中にガラス基板を保
管した以外は、前記実施例1と同様の工程を行って、該
ガラス基板上にポリイミド膜を形成した。
【0078】以上の様にして、ガラス基板上にポリイミ
ド膜を形成する一連の製造プロセスをプロセスDと称す
る。
【0079】(実施例5)本実施例5に係る基板の表面
処理方法は、基板保管工程に於いて使用する保管用液体
としての水をオゾン水に替えた以外は、前記実施例1と
同様の工程を行って、該ガラス基板上にポリイミド膜を
形成した。尚、オゾン水は水にオゾンを10〜20pp
m含有させて調製した。
【0080】以上の様にして、ガラス基板上にポリイミ
ド膜を形成する一連の製造プロセスをプロセスEと称す
る。
【0081】(比較例1)本比較例1に係る基板の表面
処理方法は、ガラス基板の保管を空気中で行い、かつこ
れに伴い不要となった液体除去工程を行わなかった以外
は、前記実施例1と同様の工程を行って、該ガラス基板
上にポリイミド膜を形成した。
【0082】以上の様にして、ガラス基板上にポリイミ
ド膜を形成する一連の製造プロセスをプロセスFと称す
る。
【0083】(処理条件と表面清浄性、塗布性)以上に
述べた各プロセスC〜Fについて、表面清浄性及び塗布
性を調べた。先ず、表面清浄性は、ITOが設けられた
ガラス基板表面の、水に対する接触角を測定して評価し
た。即ち、基板保管工程に於ける保管時間を0、1、
5、10、24時間と変化させ、各々の保管時間に於け
る水の接触角を測定した。その結果を表1に併記する。
【表2】 次に、ポリイミド膜の膜形成工程に於いて膜形成用溶液
を塗布する際の塗料の塗布均一性を調べた。その結果を
表2に示す。塗布均一性は、均一塗布の場合を◎とし、
やや均一の場合を○とし、不均一の場合を△とし、塗料
がはじかれ塗布不可の場合を×として評価した。
【表3】 これらの結果より、本実施例1〜3に係るプロセスC〜
Eに於いては、比較例1に係るプロセスFと比較して、
保管時間を長くしても接触角は大幅に増加せず、長時間
保管を続けてもガラス基板表面の親水性が保たれている
ことが分かった。よって、プロセスC〜Eに於いてはガ
ラス基板表面の再汚染が防止又は抑制され、清浄な状態
で保持されていることが確認された。特に、ITO膜は
その表面形状が凹凸で表面粗さが大きいので、いわゆる
触媒に於ける吸着媒として作用する為、汚染物質に汚染
されやすい性質を有する。しかし、本実施例に於いては
当該ITO膜に対しても極めて良好に保管できることが
確認された。
【0084】(実施例6)本実施例6に於いては、本発
明に係る基板の表面処理方法を、液晶配向膜の成膜に適
用した場合について示す。
【0085】先ず、最表面にITO膜を有するガラス基
板を、エキストランMA−1(商品名、メルクジャパン
製)の2%洗浄液に50℃で15分間浸漬後、オーバフ
ローした水に室温で30分間浸漬した。更に、エキシマ
UV光(波長域172nm)をガラス基板面に照射し
た。照射強度は1J/cm2とした(清浄化工程)。
【0086】次に、洗浄後のガラス基板を、室温で水中
に所定の時間保管した(基板保管工程)。更に、当該ガ
ラス基板を加熱温度120℃で15分間加熱・乾燥して
ガラス基板表面に存在する水を除去した(液体除去工
程)。
【0087】続いて、化学吸着物質としてC65−CH
=CH−CO−C64−O−(CH 26−O−SiCl
3を用いた以外は、前記実施例1と同様の操作を繰り返
すことにより、前記化学吸着物質をガラス基板表面に化
学吸着させた(下記、化学反応式(4)参照)。
【化4】
【0088】続いて、ガラス基板を通常雰囲気中に曝す
ことにより、下記化学反応式(5)に示すように、化学
吸着物質に於けるクロロシリル基と水酸基とを反応させ
OH基を導入した。
【化5】
【0089】更に、当該ガラス基板を室温で乾燥させる
ことにより、下記化学式(6)に示すように、化学吸着
物質に導入されたOH基同士で脱水反応を生じさせ、化
学吸着膜を形成した。
【化6】
【0090】続いて、前記化学吸着膜に偏光UV光(波
長域:300〜350nm)を照射することにより、偏
光方向に感光性基を架橋反応させて前記化学吸着膜に表
面異方性を持たせ、偏光方向に平行な方向(配向処理方
向)に光配向処理された液晶配向膜を形成した。
【0091】更に、前記液晶配向膜が設けられたガラス
基板と対をなす対向基板上にも、前記したのと同様の工
程を繰り返すことにより、所定の方向に表面異方性を付
与した液晶配向膜を形成した。
【0092】次に、ガラス基板と対向基板とを、液晶配
向膜同士が対向する様にして貼り合わせ、空セルを作製
した。このとき、対向する液晶配向膜の配向処理方向が
相互に平行となる様にし、かつ、セルギャップは約20
μmになる様にした。
【0093】続いて、空セル内部にGH液晶(商品名:
LA103/ZLI4792、三菱化学(株)製)を注
入して本発明の液晶セルGを作製した。
【0094】(実施例7)本実施例に於いては、液体除
去工程に於いてエアナイフを使用した以外は、前記実施
例6と同様の工程を行うことにより、本発明の液晶セル
Hを作製した。
【0095】(比較例2)本比較例に於いては、基板保
管工程を行う替わりに、空気中で約45分間放置した以
外は、前記実施例7と同様の工程を行って、本比較例2
に係る比較用液晶セルIを作製した。
【0096】(処理条件と液晶配向をプローブとしたシ
ラン化合物の化学吸着膜の成膜性)以上の各実施例で作
製した本発明の液晶セルG及びHと、比較用液晶セルI
とについて、液晶の配向性観察により液晶配向性を調べ
た。結果を下記表4に示す。
【表4】
【0097】上記表4に示すように、比較用液晶セルI
に於いては、液晶は配向しないのに対して、本発明液晶
セルGは、その液晶配向性に於いて多少配向欠陥(ディ
スクリネーション)が視認されたものの、概ね液晶配向
性はやや良好であった。又、本発明の液晶セルHの液晶
配向性は良好であった。これらの結果から、水中に基板
を浸漬して保管すれば、再汚染が防止できることが確認
された。
【0098】又、本発明の液晶セルGと液晶セルHとの
比較から、液体除去工程に於いては熱処理による水の乾
燥処理よりもエアブロー等の物理的作用による除去の方
が、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜の成膜が可能
なことが分かった。これは、ガラス基板上のITO膜表
面に於ける吸着水が熱処理により一部消失した結果、当
該ITO膜表面に於ける化学吸着物質の化学吸着量が少
なくなり膜密度の低い液晶配向膜が形成されたことに起
因する。よって、清浄化工程の最終過程に於いてUV光
の照射を行うと、ガラス基板の表面を極めて清浄な面に
できるものの、前記実施例6及び実施例7の様に液晶配
向膜として化学吸着膜からなる膜を用いる場合には、保
管用液体として水の使用が好ましいことも分かった。
【0099】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0100】即ち、本発明に係る基板の表面処理方法に
よれば、清浄化工程後の基材を保管用液体中に浸漬して
保管するので、清浄状態にある基板表面を汚染物質から
防護することができ、再汚染が防止できる。これによ
り、極めて清浄度の高い表面状態を維持して膜形成を行
うことができ、膜の密着性等に優れ成膜の歩留まりを向
上させることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板の表面処理方法
の製造工程を説明する為のフローチャートである。
【符号の説明】
S1 清浄化工程 S2 基板保管工程 S3 液体除去工程 S4 膜形成工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3B116 AA03 BB03 BB82 BB88 BB89 BC01 CC01 CC03 CC05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に存在する汚染物質を除去するこ
    とにより、該基板表面を清浄にする清浄化工程と、 前記基板を保管用液体中に浸漬して当該基板を保管する
    基板保管工程と、 前記基板表面に膜を形成する膜形成工程と、 を少なくとも含むことを特徴とする基板の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記清浄化工程は、前記基板表面に紫外
    線を照射することにより当該基板表面を清浄にする紫外
    線照射工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の基
    板の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記紫外線照射工程は、酸素雰囲気下で
    前記紫外線を照射することにより当該基板表面を清浄に
    する工程であり、 かつ、前記紫外線として、少なくとも172nm付近の
    波長域を有する光を使用することを特徴とする請求項2
    に記載の基板の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記清浄化工程は、反応ガスを励起させ
    たプラズマ雰囲気に前記基板を接触させることにより当
    該基板表面を清浄にする工程を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の基板の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記基板保管工程の後、前記保管用液体
    中から基板を取り出し、該基板表面に付着した前記保管
    用液体を除去する液体除去工程を行うことを特徴とする
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の基板の表面処
    理方法。
  6. 【請求項6】 前記液体除去工程は、液切り乾燥によ
    り、前記基板表面に残存する前記保管用液体を除去する
    工程であることを特徴とする請求項5に記載の基板の表
    面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記保管用液体を流動状態にして使用す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に
    記載の基板の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記膜形成工程は、 前記基板表面に、化学吸着物質及び有機溶媒を含む膜形
    成用溶液を乾燥雰囲気中で接触させ、塗布膜を形成する
    接触工程と、 前記有機溶媒を乾燥により蒸発させた後、前記塗布膜を
    水分子に接触させて該基板表面に化学吸着膜を形成する
    膜形成工程とを有することを特徴とする請求項1〜請求
    項7の何れか1項に記載の基板の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 前記膜形成工程は、ポリイミド膜、イン
    ジウム錫酸化物(ITO)膜、二酸化スズ(SnO2
    膜、窒化ケイ素(SiNx)膜及び二酸化ケイ素(Si
    2)膜からなる群より選ばれる何れか1種の膜を形成
    する工程であることを特徴とする請求項1〜請求項7の
    何れか1項に記載の基板の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 前記保管用液体として、水を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記
    載の基板の表面処理方法。
  11. 【請求項11】 前記保管用液体として、オゾンを含有
    する水を使用することを特徴とする請求項1〜請求項9
    の何れか1項に記載の基板の表面処理方法。
  12. 【請求項12】 前記保管用液体として、前記膜形成用
    溶液に含まれる有機溶媒を使用することを特徴とする請
    求項8に記載の基板の表面処理方法。
  13. 【請求項13】 前記基板保管工程から前記膜形成工程
    に移行するまでの移行時間を24時間以内とすることを
    特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の
    基板の表面処理方法。
  14. 【請求項14】 前記液体除去工程から前記膜形成工程
    に移行するまでの移行時間を24時間以内とすることを
    特徴とする請求項5又は請求項6に記載の基板の表面処
    理方法。
  15. 【請求項15】 前記基板として半導体基板、又は液晶
    表示用基板を使用することを特徴とする請求項1〜請求
    項14の何れか1項に記載の基板の表面処理方法。
  16. 【請求項16】 前記基板として、その表面にインジウ
    ム錫酸化物(ITO)膜、二酸化スズ(SnO2)膜、
    窒化ケイ素(SiNx)膜又は二酸化ケイ素(SiO2
    膜の何れか1つが設けられたものを使用することを特徴
    とする請求項1〜請求項15の何れか1項に記載の基板
    の表面処理方法。
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