JP2001300344A - 湿式分級装置及び湿式分級方法 - Google Patents
湿式分級装置及び湿式分級方法Info
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- JP2001300344A JP2001300344A JP2000130293A JP2000130293A JP2001300344A JP 2001300344 A JP2001300344 A JP 2001300344A JP 2000130293 A JP2000130293 A JP 2000130293A JP 2000130293 A JP2000130293 A JP 2000130293A JP 2001300344 A JP2001300344 A JP 2001300344A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 一度形成した層状構造の粒子を極めてシャー
プな粒子径分布で、かつ、短時間で回収することができ
る湿式分級装置及び湿式分級方法を提供する。 【解決手段】 分級の対象となる粒子が収納される直立
する筒状の分級筒と、この分級筒の下端に設けられた分
級液を流入させる流入手段と、分級筒の上端に設けられ
た流出口と、先端部が分級筒の内部に挿入されていると
ともに分級筒の内部において上下に移動できるように設
けられた粒子回収管とを備えた重力による沈降を利用し
た湿式分級装置であって、前記分級筒内の分級液上昇速
度によらず、前記回収管内の分級液上昇速度を変更する
ことができる湿式分級装置。
プな粒子径分布で、かつ、短時間で回収することができ
る湿式分級装置及び湿式分級方法を提供する。 【解決手段】 分級の対象となる粒子が収納される直立
する筒状の分級筒と、この分級筒の下端に設けられた分
級液を流入させる流入手段と、分級筒の上端に設けられ
た流出口と、先端部が分級筒の内部に挿入されていると
ともに分級筒の内部において上下に移動できるように設
けられた粒子回収管とを備えた重力による沈降を利用し
た湿式分級装置であって、前記分級筒内の分級液上昇速
度によらず、前記回収管内の分級液上昇速度を変更する
ことができる湿式分級装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重力による沈降を
利用して液体中で固体粒子を分ける、いわゆる湿式分級
のための装置及び方法に係り、より詳細には、回収作業
を大幅に軽減した湿式分級装置及び湿式分級方法に関す
る。具体的には、質的には一様であるが大きさの異なる
粒子を、その大きさについて分ける為の装置及び方法で
あり、例えばガラス製や合成樹脂製で、直径が数マイク
ロメートル前後のある値に正確に揃った球形ビーズを生
産する工程等に利用される。また、このように分級され
たビーズは、液晶表示パネルのギャッブ制御材、標準粒
子、分析用充填材、診断薬の担体、各種標識材等に用い
られる。
利用して液体中で固体粒子を分ける、いわゆる湿式分級
のための装置及び方法に係り、より詳細には、回収作業
を大幅に軽減した湿式分級装置及び湿式分級方法に関す
る。具体的には、質的には一様であるが大きさの異なる
粒子を、その大きさについて分ける為の装置及び方法で
あり、例えばガラス製や合成樹脂製で、直径が数マイク
ロメートル前後のある値に正確に揃った球形ビーズを生
産する工程等に利用される。また、このように分級され
たビーズは、液晶表示パネルのギャッブ制御材、標準粒
子、分析用充填材、診断薬の担体、各種標識材等に用い
られる。
【0002】
【従来の技術】湿式分級のプロセスには、上昇流を利用
するもの、水平流を利用するもの、単なる静置によるも
の等があり、特に分離の精度において優れているのは上
昇流を利用するものである。
するもの、水平流を利用するもの、単なる静置によるも
の等があり、特に分離の精度において優れているのは上
昇流を利用するものである。
【0003】また、上昇流を利用する分級法は、バッチ
式操作(一度に仕込んだ粒子を逐次取り出すもの)によ
るものと、連続式操作(連続的に供給される粒子を連続
的に取り出すもの)によるものとに大別される。
式操作(一度に仕込んだ粒子を逐次取り出すもの)によ
るものと、連続式操作(連続的に供給される粒子を連続
的に取り出すもの)によるものとに大別される。
【0004】このうち、上昇流を利用し、バッチ式操作
を用いる分級装置の基本形を図3に示す。即ち、図3に
示す湿式分級装置は、分級液の流入口32が分級筒31
の下部に、細粒子を含むスラリーの流出口33が分級筒
31の上部に、スラリーの供給口34が分級筒31の中
程に、それぞれ設けられた構造のものである。
を用いる分級装置の基本形を図3に示す。即ち、図3に
示す湿式分級装置は、分級液の流入口32が分級筒31
の下部に、細粒子を含むスラリーの流出口33が分級筒
31の上部に、スラリーの供給口34が分級筒31の中
程に、それぞれ設けられた構造のものである。
【0005】供給口34から供給されるスラリーは、装
置の滞留スラリーよりも高密度の場合が多い。そのた
め、供給されるスラリーを分級筒31内の分級液に良好
に分散させるために、供給口34は分級筒31の上端近
傍に設けられていることが多い。
置の滞留スラリーよりも高密度の場合が多い。そのた
め、供給されるスラリーを分級筒31内の分級液に良好
に分散させるために、供給口34は分級筒31の上端近
傍に設けられていることが多い。
【0006】分級液としては、通常、被分級粒子よりも
密度の低い液体が用いられる。そのため、被分級粒子は
分級液の中にあって、重力の作用で沈降する。従って、
被分級粒子は、分級液に対して相対的に下に移動する
が、分級液は、分級筒31下部の流入口32から継続的
に供給され、分級筒31内を上に移動しているので、こ
の分級液の上昇と粒子の沈降とが相殺され、スラリー状
の粒子は、比較的長く分級筒31内に留まる。
密度の低い液体が用いられる。そのため、被分級粒子は
分級液の中にあって、重力の作用で沈降する。従って、
被分級粒子は、分級液に対して相対的に下に移動する
が、分級液は、分級筒31下部の流入口32から継続的
に供給され、分級筒31内を上に移動しているので、こ
の分級液の上昇と粒子の沈降とが相殺され、スラリー状
の粒子は、比較的長く分級筒31内に留まる。
【0007】この場合、分扱筒31内に供給されたスラ
リー状の粒子の沈降速度は、それらの粒径に依存し、粗
い粒子ほど速く沈降する。つまり、分級液の上昇速度と
の比較において、より速く沈降する成分(粗い粒子)は
下へ、そうでない粒子(細かい粒子)は上へ移動する。
リー状の粒子の沈降速度は、それらの粒径に依存し、粗
い粒子ほど速く沈降する。つまり、分級液の上昇速度と
の比較において、より速く沈降する成分(粗い粒子)は
下へ、そうでない粒子(細かい粒子)は上へ移動する。
【0008】その桔果、分級筒31内には、粒径に対応
して、粒径の大きい粒子ほど下方に位置する層状構造が
できる。この種の分級装置は、このときに、分級液の供
給及び排出に影響されて層状構造が乱されないような条
件を維持することができる構成を有するものであること
が要求される。
して、粒径の大きい粒子ほど下方に位置する層状構造が
できる。この種の分級装置は、このときに、分級液の供
給及び排出に影響されて層状構造が乱されないような条
件を維持することができる構成を有するものであること
が要求される。
【0009】このような要求を満たす分級装置として、
例えば、特公昭54−20028号公報に記載されたも
のがある。この分級装置は、本体の下部に、多数の小径
の孔を有するプレート状の部材を装着し、この部材の下
部に、開口総面積が本体の流路断面積より小さい複数個
の縦通孔部を有するブロックを設け、かつ、このブロッ
クの下部に多数の小径の孔を有するプレート状の部材を
装着し、更に前記ブロックの各縦通孔部に、プレート状
の部材に設けた孔より多少大きい粒度の支持部材を流動
可能に収納した構造となっている。
例えば、特公昭54−20028号公報に記載されたも
のがある。この分級装置は、本体の下部に、多数の小径
の孔を有するプレート状の部材を装着し、この部材の下
部に、開口総面積が本体の流路断面積より小さい複数個
の縦通孔部を有するブロックを設け、かつ、このブロッ
クの下部に多数の小径の孔を有するプレート状の部材を
装着し、更に前記ブロックの各縦通孔部に、プレート状
の部材に設けた孔より多少大きい粒度の支持部材を流動
可能に収納した構造となっている。
【0010】ところで、図3に示す分級装置において、
分級液の流量を次第に増せば.層状構造は全体として上
昇し、上部のスラリーから順に流出口33から流出する
ので、これを凝縮して粒子を回収することが可能であ
る。
分級液の流量を次第に増せば.層状構造は全体として上
昇し、上部のスラリーから順に流出口33から流出する
ので、これを凝縮して粒子を回収することが可能であ
る。
【0011】しかしながら、分級液の流量を増すと、分
級筒内部の秩序が乱されるので、流量を増す速度(時間
当たりの流量増加分)は、ごくごくゆっくりでなけれは
ならない。一般的には、流量を増しつつ大方の粒子を回
収するために要する時間は、スラリーの層状構造ができ
上がる為の周期を上回るのが普通である。そのため、流
量を増すことなく、層になった粒子を回収することがで
きれば、回収時間を大幅に短縮することができる。
級筒内部の秩序が乱されるので、流量を増す速度(時間
当たりの流量増加分)は、ごくごくゆっくりでなけれは
ならない。一般的には、流量を増しつつ大方の粒子を回
収するために要する時間は、スラリーの層状構造ができ
上がる為の周期を上回るのが普通である。そのため、流
量を増すことなく、層になった粒子を回収することがで
きれば、回収時間を大幅に短縮することができる。
【0012】このような要求を満たすものとして、特開
平10−15429号に記載された分級装置がある。こ
の分級装置は、重力による沈降を利用した湿式の分級装
置であって、直立する筒状の分級筒と、この分級筒の下
端に設けられた分級液を流入させる流入手段と、先端部
が分級筒の内部に挿入されているとともに分級筒の内部
において上下に移動できるように設けられた粒子の回収
管とを備えた構成となっている。
平10−15429号に記載された分級装置がある。こ
の分級装置は、重力による沈降を利用した湿式の分級装
置であって、直立する筒状の分級筒と、この分級筒の下
端に設けられた分級液を流入させる流入手段と、先端部
が分級筒の内部に挿入されているとともに分級筒の内部
において上下に移動できるように設けられた粒子の回収
管とを備えた構成となっている。
【0013】しかしながら、回収管を用いて層になった
粒子を回収する場合、回収管の口径が小さすぎると分級
筒内部の分級液上昇速度に比べて回収管先端部の分級液
上昇速度が非常に大きくなる。そのため、生成した層状
構造が乱され、回収した粒子の粒子径分布を広くしてし
まうという問題があった。
粒子を回収する場合、回収管の口径が小さすぎると分級
筒内部の分級液上昇速度に比べて回収管先端部の分級液
上昇速度が非常に大きくなる。そのため、生成した層状
構造が乱され、回収した粒子の粒子径分布を広くしてし
まうという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、一度生成した層状構造の粒子を極めてシャープな粒
子径分布で、かつ、短時間で回収することができる湿式
分級装置及び湿式分級方法を提供することを目的とす
る。
み、一度生成した層状構造の粒子を極めてシャープな粒
子径分布で、かつ、短時間で回収することができる湿式
分級装置及び湿式分級方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、分級の対象と
なる粒子が収納される直立する筒状の分級筒と、この分
級筒の下端に設けられた分級液を流入させる流入手段
と、分級筒の上端に設けられた流出口と、先端部が分級
筒の内部に挿入されているとともに分級筒の内部におい
て上下に移動できるように設けられた粒子回収管とを備
えた重力による沈降を利用した湿式分級装置であって、
上記分級筒内の分級液上昇速度によらず、上記回収管内
の分級液上昇速度を変更することができる湿式分級装置
である。以下、本発明について詳述する。
なる粒子が収納される直立する筒状の分級筒と、この分
級筒の下端に設けられた分級液を流入させる流入手段
と、分級筒の上端に設けられた流出口と、先端部が分級
筒の内部に挿入されているとともに分級筒の内部におい
て上下に移動できるように設けられた粒子回収管とを備
えた重力による沈降を利用した湿式分級装置であって、
上記分級筒内の分級液上昇速度によらず、上記回収管内
の分級液上昇速度を変更することができる湿式分級装置
である。以下、本発明について詳述する。
【0016】以下、本発明の湿式分級装置の実施の形態
について、図面を参照しながら説明する。
について、図面を参照しながら説明する。
【0017】図2は、本発明の湿式分級装置の基本的構
成を示す断面図である。図2に示すように、本発明の湿
式分級装置20は、直立する分級筒21の下端側開口縁
21aから連続して逆円錐形状の鏡板部22が形成さ
れ、この鏡板部22の底部22aに、流入手段23cを
備えた流入管23が設けられ、分級筒21の上端21b
側に流出管24が設けられている。また、分級筒21の
内部であって、流入管23の上方位置に、分級液と粉粒
体とを混合する混合部25が設けられている。
成を示す断面図である。図2に示すように、本発明の湿
式分級装置20は、直立する分級筒21の下端側開口縁
21aから連続して逆円錐形状の鏡板部22が形成さ
れ、この鏡板部22の底部22aに、流入手段23cを
備えた流入管23が設けられ、分級筒21の上端21b
側に流出管24が設けられている。また、分級筒21の
内部であって、流入管23の上方位置に、分級液と粉粒
体とを混合する混合部25が設けられている。
【0018】この湿式分級装置の一実施形態を図1にお
いて示すが、本発明の湿式分級装置の構成はこれに限定
されるものではない。図1に示す本発明の湿式分級装置
は、図2に示す分級装置において、流出管14の他に、
分級筒11の上端11bに、先端部が分級筒の内部に挿
入された回収管15を設けたものである。分級筒11の
上端部11bに形成された回収管15の挿入口は、シー
ル部材19によって密封されている。また、回収管16
は、このシール部材19に対して摺動できるように設け
られており、従って、分級筒11の内部において上下移
動が可能である。また、流出管14と回収管16の流出
側にはそれぞれコントロールバルブ18を設け、回収管
からの流出量を制御できる構成となっている。
いて示すが、本発明の湿式分級装置の構成はこれに限定
されるものではない。図1に示す本発明の湿式分級装置
は、図2に示す分級装置において、流出管14の他に、
分級筒11の上端11bに、先端部が分級筒の内部に挿
入された回収管15を設けたものである。分級筒11の
上端部11bに形成された回収管15の挿入口は、シー
ル部材19によって密封されている。また、回収管16
は、このシール部材19に対して摺動できるように設け
られており、従って、分級筒11の内部において上下移
動が可能である。また、流出管14と回収管16の流出
側にはそれぞれコントロールバルブ18を設け、回収管
からの流出量を制御できる構成となっている。
【0019】ここで、回収管先端部での分級液上昇速度
(A)は、上記分級筒の内部での分級液上昇速度(B)
に対して、B≦A≦B×100の関係となるようにコン
トロールバルブ18により流量を調整される。上記回収
管の先端部での分級液上昇速度が上記分級筒の内部での
分級液上昇速度の100倍を超えると、分級液の乱れが
生じ、一度生成した層状構造の粒子が乱れるため、回収
する粒子の粒子径分布が広くなる。シャープな粒子径分
布の状態で粒子を回収するためには、回収管先端部での
分級液上昇速度の増加率が小さいことが必要であり、好
ましくは11倍以下である。
(A)は、上記分級筒の内部での分級液上昇速度(B)
に対して、B≦A≦B×100の関係となるようにコン
トロールバルブ18により流量を調整される。上記回収
管の先端部での分級液上昇速度が上記分級筒の内部での
分級液上昇速度の100倍を超えると、分級液の乱れが
生じ、一度生成した層状構造の粒子が乱れるため、回収
する粒子の粒子径分布が広くなる。シャープな粒子径分
布の状態で粒子を回収するためには、回収管先端部での
分級液上昇速度の増加率が小さいことが必要であり、好
ましくは11倍以下である。
【0020】この湿式分級装置10を用いて粒子を分級
する際に、まず、被分級粒子をスラリーとして湿式分級
装置に仕込み、次に、あまり速すぎない一定流速で流入
管13より分級液を流入し続けると、分級筒11におい
て暖やかな粒子の層状構造を形成することができる。こ
こでいう層状構造とは、直径の大きい粒子ほど下の方
に、より高い体積分率で、小さい粒子ほど上の方に、よ
り低い体積分率で、秩序だって配置した状態を意味して
いる。
する際に、まず、被分級粒子をスラリーとして湿式分級
装置に仕込み、次に、あまり速すぎない一定流速で流入
管13より分級液を流入し続けると、分級筒11におい
て暖やかな粒子の層状構造を形成することができる。こ
こでいう層状構造とは、直径の大きい粒子ほど下の方
に、より高い体積分率で、小さい粒子ほど上の方に、よ
り低い体積分率で、秩序だって配置した状態を意味して
いる。
【0021】このとき、コントロールバルブ18により
回収管16から流出する流量を調節し、上記回収管の先
端部での分級液上昇速度(A)が上記分級筒の内部での
分級液上昇速度(B)に対して、B≦A≦B×100の
関係となるようにする。また、残りの分級液については
流出管14より流出するように設定する。上記層状構造
ができあがった後に、回収管16を下方に移動させて、
できあがった層状構造の上位の層から順に粒子を回収す
る。回収管16を通じてスラリーの回収を続けると、回
収管16の先端より上に存在していた、ある域値(これ
を第1の域値とする)より粒径の小さい成分すべてが吸
い出される。この後、口収管16の位置を少し下げて回
収を行うと、分級筒11内に残っていたスラリーのうち
で、回収管16の先端の新たな位置(高さ)に相当する
域値(これを第2の域値とする)より粒径の小さい成
分、即ち、先ほどの第1の域値から第2の域値までの間
の成分が吸い出される。このようにして、回収管16を
少しずつ下げながら回収を行い、一定の域値幅で少しず
つ粒径の大きくなる成分を次々に吸い出していくことが
できる。尚、回収管16の1回の下げ幅を小さくすれ
ば、より狭い粒径範囲の粒子を回収できることになる。
また、回収管内の流出量は、コントロールバルブ18に
より、常に、回収管の先端部での分級液上昇速度(A)
が上記分級筒の内部での分級液上昇速度(B)に対し
て、B≦A≦B×100の関係となるよう調整する必要
がある。
回収管16から流出する流量を調節し、上記回収管の先
端部での分級液上昇速度(A)が上記分級筒の内部での
分級液上昇速度(B)に対して、B≦A≦B×100の
関係となるようにする。また、残りの分級液については
流出管14より流出するように設定する。上記層状構造
ができあがった後に、回収管16を下方に移動させて、
できあがった層状構造の上位の層から順に粒子を回収す
る。回収管16を通じてスラリーの回収を続けると、回
収管16の先端より上に存在していた、ある域値(これ
を第1の域値とする)より粒径の小さい成分すべてが吸
い出される。この後、口収管16の位置を少し下げて回
収を行うと、分級筒11内に残っていたスラリーのうち
で、回収管16の先端の新たな位置(高さ)に相当する
域値(これを第2の域値とする)より粒径の小さい成
分、即ち、先ほどの第1の域値から第2の域値までの間
の成分が吸い出される。このようにして、回収管16を
少しずつ下げながら回収を行い、一定の域値幅で少しず
つ粒径の大きくなる成分を次々に吸い出していくことが
できる。尚、回収管16の1回の下げ幅を小さくすれ
ば、より狭い粒径範囲の粒子を回収できることになる。
また、回収管内の流出量は、コントロールバルブ18に
より、常に、回収管の先端部での分級液上昇速度(A)
が上記分級筒の内部での分級液上昇速度(B)に対し
て、B≦A≦B×100の関係となるよう調整する必要
がある。
【0022】本発明の湿式分級装置において使用する分
級液としては特に限定されず、無機や有機の液体であ
り、例えば、水、n−ペンタン、n―ヘキサン、アセト
ン、酢酸エチル、メタノール、テトラヒドロフラン、ト
ルエン、シリコーン油、ポリエチレンオキサイドモノエ
ーテル水溶液等が挙げられる。これらの液体の中から、
主に粉粒体を分散させたときの沈降速度と分散性の観点
から、好適な分級液を選択する。沈降速度の点からは、
密度、粘度ともに低く、粉粒体を速やかに沈降させ得る
液体が分級液としては好ましいことが多い。また、分散
性の点からは、分級液が粉粒体表面をよく濡れさせるこ
とが必要である。実際の選択にあたっては、このような
要求を満たすよう考慮する必要があり、分散性改良のた
めに界面活性剤等を使用してもよい。これらの他にも、
分級液が粉粒体を溶かしたり、著しく膨潤させることが
ないことも、必要な条件である。
級液としては特に限定されず、無機や有機の液体であ
り、例えば、水、n−ペンタン、n―ヘキサン、アセト
ン、酢酸エチル、メタノール、テトラヒドロフラン、ト
ルエン、シリコーン油、ポリエチレンオキサイドモノエ
ーテル水溶液等が挙げられる。これらの液体の中から、
主に粉粒体を分散させたときの沈降速度と分散性の観点
から、好適な分級液を選択する。沈降速度の点からは、
密度、粘度ともに低く、粉粒体を速やかに沈降させ得る
液体が分級液としては好ましいことが多い。また、分散
性の点からは、分級液が粉粒体表面をよく濡れさせるこ
とが必要である。実際の選択にあたっては、このような
要求を満たすよう考慮する必要があり、分散性改良のた
めに界面活性剤等を使用してもよい。これらの他にも、
分級液が粉粒体を溶かしたり、著しく膨潤させることが
ないことも、必要な条件である。
【0023】このように、本発明の湿式分級装置を用
い、流入手段から流入する分級液の流量を略一定に保つ
ことにより粉粒体の沈降速度と同速度の上昇流を作り、
分級筒内部に粒子径に従う層状構造を形成せしめた後、
分級液の流量を略一定に保ちつつ、粒子回収管を上方位
置から下方位置へ順次移動させることにより回収管を通
じて層状構造の上層にある粒子から順に回収する湿式分
級方法であって、分級筒内における分級液の上昇速度に
よらず、回収管における分級液の上昇速度を変更するこ
とができる湿式分級方法により、一度形成された層状の
粒子スラリーを極めてシャープな粒径分布で、かつ、短
時間で回収することができることになる。
い、流入手段から流入する分級液の流量を略一定に保つ
ことにより粉粒体の沈降速度と同速度の上昇流を作り、
分級筒内部に粒子径に従う層状構造を形成せしめた後、
分級液の流量を略一定に保ちつつ、粒子回収管を上方位
置から下方位置へ順次移動させることにより回収管を通
じて層状構造の上層にある粒子から順に回収する湿式分
級方法であって、分級筒内における分級液の上昇速度に
よらず、回収管における分級液の上昇速度を変更するこ
とができる湿式分級方法により、一度形成された層状の
粒子スラリーを極めてシャープな粒径分布で、かつ、短
時間で回収することができることになる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0025】実施例1 本発明の湿式分級装置及び湿式分級方法を用いて、以下
の分級操作を行った。図1に従い、それぞれの寸法は、
D1=480mm、H1=320mm、H2=480m
mで、容量は106.2リットルであった。分級液の供
給は、定量ポンプによって行い、混合部15として用い
たスタティックミキサーのエレメント数は22であっ
た。また回収管16は、内径D2=25mmであり、シ
ール部材を通じて、上から鉛直に挿入した。分級液とし
て水(η=1.0×10-3Pas・sec、ρ=100
0kg/m3)を用い、常温下において、ρ=1130
kg/m3 (Δρ=130kg/m3)の熱硬化性樹脂
ビーズを分級した。粒径は、d=9.7μmを平均値と
し、d=8.0μmないしd=11.9μmの範囲に重
量換算で全ビーズの90%が入る、略正規分布のものを
用いた。ビーズの仕込量は、見掛けで19.3リット
ル、実体積では13.5リットルであった。
の分級操作を行った。図1に従い、それぞれの寸法は、
D1=480mm、H1=320mm、H2=480m
mで、容量は106.2リットルであった。分級液の供
給は、定量ポンプによって行い、混合部15として用い
たスタティックミキサーのエレメント数は22であっ
た。また回収管16は、内径D2=25mmであり、シ
ール部材を通じて、上から鉛直に挿入した。分級液とし
て水(η=1.0×10-3Pas・sec、ρ=100
0kg/m3)を用い、常温下において、ρ=1130
kg/m3 (Δρ=130kg/m3)の熱硬化性樹脂
ビーズを分級した。粒径は、d=9.7μmを平均値と
し、d=8.0μmないしd=11.9μmの範囲に重
量換算で全ビーズの90%が入る、略正規分布のものを
用いた。ビーズの仕込量は、見掛けで19.3リット
ル、実体積では13.5リットルであった。
【0026】流量条件は、一貫して30ml/分とした
が、コントロールバルブ22により、流出管4の流量を
26ml/分、回収管20の流量を4ml/分となるよ
うに調整した。これにより、回収管の先端部での分級液
上昇速度(A)は8.15mm/分、分級筒の内部での
分級液上昇速度(B)は0.166mm/分となり、上
記上昇速度(A)は上昇速度(B)の49倍となる。そ
の後、上記流量条件を保ち、14日かけて層状構造の生
成を待った。この間、回収管20の先端は、分級筒1の
内壁上端から60mmだけ下ろされた位置に留めた。次
に、回収管20の先端を、分級筒1の内壁上端から16
0mmの位置まで下げて、15時間放置した。続いて、
これを10mm下げては1時間待つ操作を繰り返した。
この1時間毎の期間の流出スラリーを1つの分画とし、
24時間で24分画のサンプルを得た。サンプルはスラ
リー状であったが、容器(試薬ビン)に溜めたまま1昼
夜放置することにより、容器の底に溜まったケーキ状の
ものとして得られた。ケーキの総量(見かけ体積)は、
9.1リットルであった。各サンプルの平均粒径の範囲
は8.4から9.9μmであり、各分画の分布幅を示す
CV値(変動係数)としては、2.3%から2.5%ま
でに入る良好な値を得た。尚、上記CV値は、下記計算
式(1)を用いて算出した。 CV値=粒径の標準偏差/粒径の平均値・・・(1)
が、コントロールバルブ22により、流出管4の流量を
26ml/分、回収管20の流量を4ml/分となるよ
うに調整した。これにより、回収管の先端部での分級液
上昇速度(A)は8.15mm/分、分級筒の内部での
分級液上昇速度(B)は0.166mm/分となり、上
記上昇速度(A)は上昇速度(B)の49倍となる。そ
の後、上記流量条件を保ち、14日かけて層状構造の生
成を待った。この間、回収管20の先端は、分級筒1の
内壁上端から60mmだけ下ろされた位置に留めた。次
に、回収管20の先端を、分級筒1の内壁上端から16
0mmの位置まで下げて、15時間放置した。続いて、
これを10mm下げては1時間待つ操作を繰り返した。
この1時間毎の期間の流出スラリーを1つの分画とし、
24時間で24分画のサンプルを得た。サンプルはスラ
リー状であったが、容器(試薬ビン)に溜めたまま1昼
夜放置することにより、容器の底に溜まったケーキ状の
ものとして得られた。ケーキの総量(見かけ体積)は、
9.1リットルであった。各サンプルの平均粒径の範囲
は8.4から9.9μmであり、各分画の分布幅を示す
CV値(変動係数)としては、2.3%から2.5%ま
でに入る良好な値を得た。尚、上記CV値は、下記計算
式(1)を用いて算出した。 CV値=粒径の標準偏差/粒径の平均値・・・(1)
【0027】比較例1 流出管4側のバルプを全閉とし、全ての分級液が回収管
20内を流れるようにした以外は、全て実施例1と同様
にして分級を行った。従って、回収管の先端部での分級
液上昇速度(A)は61.1mm/分となり、分級筒の
内部での分級液上昇速度(B)(0.166mm/分)
の369倍となる。得られた各サンプルの平均粒径の範
囲は8.4から10.2μmであり、各分画の分布幅を
ホすCV値(変動係数)としては、2.3%から2.7
%までに入る値であった。
20内を流れるようにした以外は、全て実施例1と同様
にして分級を行った。従って、回収管の先端部での分級
液上昇速度(A)は61.1mm/分となり、分級筒の
内部での分級液上昇速度(B)(0.166mm/分)
の369倍となる。得られた各サンプルの平均粒径の範
囲は8.4から10.2μmであり、各分画の分布幅を
ホすCV値(変動係数)としては、2.3%から2.7
%までに入る値であった。
【0028】
【効果】本発明の湿式分級装置は、上述の構成からなる
ので、これにより、一度生成した層状構造の粒子を極め
てシャープな粒子径分布で回収することができるととも
に、液体中での固体粒子の回収作業を大幅に軽減するこ
とができ、回収作業を短縮することができる。
ので、これにより、一度生成した層状構造の粒子を極め
てシャープな粒子径分布で回収することができるととも
に、液体中での固体粒子の回収作業を大幅に軽減するこ
とができ、回収作業を短縮することができる。
【図1】本発明の湿式分級装置の一実施形態を模式的に
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】湿式分級装置の基本的構成を示す断面図であ
る。
る。
【図3】上昇流を利用しかつバッチ操作により行う分級
装置の基本形を模式的に示す断面図である。
装置の基本形を模式的に示す断面図である。
10、20、30 湿式分級装置 11、21、31 分級筒 11a、21a 下端側開口縁 11b、21b 上端 12、22 鏡板部 13、23 流入管 13c、23c 流入手段 14、24 流出管 15、25 混合部 16 回収管 17 流量計 18 コントロールバルブ 19 シール部材 32 流入口 33 流出口 34 供給口
Claims (2)
- 【請求項1】 分級の対象となる粒子が収納される直立
する筒状の分級筒と、この分級筒の下端に設けられた分
級液を流入させる流入手段と、分級筒の上端に設けられ
た流出口と、先端部が分級筒の内部に挿入されていると
ともに分級筒の内部において上下に移動できるように設
けられた粒子回収管とを備えた重力による沈降を利用し
た湿式分級装置であって、前記分級筒内の分級液上昇速
度によらず、前記回収管内の分級液上昇速度を変更する
ことができることを特徴とする湿式分級装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の湿式分級装置を用い、流
入手段から流入する分級液の流量を略一定に保つことに
より粉粒体の沈降速度と同速度の上昇流を作り、分級筒
内部に粒子径に従う層状構造を形成せしめた後、分級液
の流量を略一定に保ちつつ、粒子回収管を上方位置から
下方位置へ順次移動させることにより回収管を通じて前
記層状構造の上層にある粒子から順に回収する湿式分級
方法であって、前記分級筒内における分級液の上昇速度
によらず、前記回収管内における分級液の上昇速度を変
更することができることを特徴とする湿式分級方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000130293A JP2001300344A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 湿式分級装置及び湿式分級方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000130293A JP2001300344A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 湿式分級装置及び湿式分級方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001300344A true JP2001300344A (ja) | 2001-10-30 |
JP2001300344A5 JP2001300344A5 (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=18639428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000130293A Withdrawn JP2001300344A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 湿式分級装置及び湿式分級方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001300344A (ja) |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000130293A patent/JP2001300344A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070124 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070124 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080125 |