JP2001296317A - 電流センサ - Google Patents

電流センサ

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JP2001296317A
JP2001296317A JP2000116582A JP2000116582A JP2001296317A JP 2001296317 A JP2001296317 A JP 2001296317A JP 2000116582 A JP2000116582 A JP 2000116582A JP 2000116582 A JP2000116582 A JP 2000116582A JP 2001296317 A JP2001296317 A JP 2001296317A
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Hiroyuki Hiramoto
廣幸 平本
Kazuhiko Ueno
一彦 上野
Toru Tanabe
徹 田辺
Masaaki Hatsumi
正明 初見
Chihiro Funaoka
千洋 船岡
Katsura Tsukada
桂 塚田
Hiroyuki Sano
寛幸 佐野
Hiroo Yokoyama
博夫 横山
Kimihiro Iritono
公浩 入戸野
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Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高感度で広範囲に渡って磁界が検出でき、更に
車両用等も適するように過渡電流、地磁気等による外乱
磁界の影響、素子特有の温度特性の影響等を受けない小
型で低コスト電流センサを提供する。 【解決手段】被検出電流による磁界の方向に関して一方
が逆方向となるように互いに第一及び第二の磁気インピ
ーダンス素子1,1′(以下MI素子)を設ける手段
と、該第一及び第二のMI素子に夫々DCバイアスコイ
ル2,2′と負帰還バイアスコイル3,3′を巻線し、
該第一及び第二のMI素子の両端から夫々検波回路4,
4′を介して、該夫々負帰還バイアスコイルに接続し、
該負帰還バイアスコイルの終端を夫々の出力検出用素子
5,5′の一端に接続し、該夫々の出力検出用素子の両
端で出力を検出し、該夫々の検出出力を一つの電流出力
とすることを特徴とする電流センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電流センサに関す
るもので、特に高感度で且つ広範囲に渡って検出磁界を
感知できるMI素子を利用した電流センサに関するもの
で、特に地磁気などの外乱磁界の影響も受けず、MI素
子の温度特性も関係なくなる電流センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年小型・低コストで高感度・高速応答
の磁気センサの要求がますます大きくなっている。それ
にともない、微弱な外部磁界を感度良く検出できるMI
素子が必要となってきている。また、非破壊検査や紙幣
検査に用いることができる高感度センサの需要も大きく
なっている。更に、自動車用の電流センサとして高感度
でかつ広範囲の検出磁界に渡って感知できる電流センサ
の需要が多くなっている。
【0003】ここで、簡単にMI効果について説明す
る。MI効果とは、高透磁性磁性体に表皮効果を生じさ
せるような数MHzの高周波電流または、パルス電流を
通電すると、そのインピ−ダンスの大きさが外部磁界に
よって大きく変化する電磁気現象である。この現象を利
用した高感度のMI素子は、1993年に名古屋大学の
毛利教授により提案されている。このMI効果を利用し
たMI素子は、下記に示すアモルファス磁性ワイヤ型で
あり、FeCoSiBのアモルファス磁性ワイヤに、M
Hzオ−ダ−の高周波電流を通電した場合、誘起電圧の
振幅だけでなくワイヤ両端間の振幅がワイヤ長さ方向の
外部磁界Hexによって著しい変化を示す。これは、H
exによってワイヤ内部のインダクタンスの他に表皮効
果によるオ−ミック抵抗も同時に変化するためである。
このMI効果も零磁歪または負磁歪のアモルファスワイ
ヤを用いると数十μm 径、1〜2mm長の微少寸法の
試料でも顕著に現われ、しかも励磁用や検出用のコイル
は、全く不要である。また、MI効果ではオ−ミック電
圧を相殺するための回路を必要としない為センサ構成が
簡素化でき、励磁周波数も数百MHzまで可能であるた
め高周波デバイスが構成できる。
【0004】その特徴として 通電により円周方向(閉磁路)磁束変化を用いるの
で励磁による反磁界がなく、ヘッドがマイクロ寸法とな
るばかりでなく、励磁による磁束を外部に発生させるこ
とがない。 励磁および検出のためのコイルが不要であり、高周
波励磁における浮遊容量の問題がない。 磁性線の温度変化による特性変化を抑制することが
できる。 などの利点があり、検出感度が高いので、磁気ヘッドあ
るいはHDDやFDDのスピンドルモ−タ−のロ−タリ
エンコ−ダ−用高精度磁気ヘッドへの応用が期待されて
いる。
【0005】また、MI素子の薄膜化が、スパッタリン
グ法等を用いて磁性薄膜を形成し、磁性体薄膜によるM
I特性を生じさせるMI素子が提案されている。このM
I素子は、磁場中アニールや磁場中成膜により膜の磁気
特性の制御が可能であり、積層化、パターン化により構
造面でのフレキシビリティが高くなり、オンチップデバ
イス化が可能となり装着性の点でワイヤ素子と比較して
有利となる。この薄膜型MI素子は磁性ワイヤ型に比べ
磁界検出感度がやや低い。このMI素子で磁界センサを
構成するためには、MI効果が外部磁界の正負に対して
対称であるため、コイルや永久磁石による直流バイアス
磁界を使って特性を非対称にする必要があった。特に磁
性体薄膜MI素子は、一般的にアモルファスワイヤに比
べて磁界検出感度が1/3〜1/4と低いため直流バイ
アス磁界をコイル電流で発生させる場合は消費電力が増
大してしまう。更にコイルを巻いたり、永久磁石を配置
することで素子が大きくなる問題があった。更に、前記
のMI素子を改良したCoFeB膜等の軟磁性体薄膜を
二層積層した積層タイプの交差磁気異方性膜MI素子も
提案されている。
【0006】後者の交差型磁性体薄膜MI素子は、軟磁
性体薄膜の磁化容易軸を利用して、交差するような磁気
異方性をもたせた交差型磁気異方性膜MI素子であり、
外部磁界の正負に対して非対称なMI効果を得ることが
出来きた。これにより直流バイアス磁界を全く使わない
で磁界センサを構成できるようになった。直流バイアス
磁界を発生させるコイルが必要ないことで低消費電力
化、超小型化が可能となった。また、インピ−ダンスの
大きさが最大となる磁界の大きさが磁性体薄膜MI素子
に比べて1/5になった為、より高感度なセンサを作製
することが期待できる。
【0007】しかしながら、前述したMI素子は高感度
であるが広範囲の検出磁界に渡って、リニアリティを得
ることが困難であり、その制御装置を改良する必要があ
った。図17に従来のMI素子31の制御装置40をブ
ロック図で示す。DCバイアスコイル32によりバイア
ス磁界を印加し、検波回路34を介して増幅器35によ
り増幅し負帰還抵抗37、巻線した負帰還バイアスコイ
ル33を介して負帰還をかけて出力36を得ている。そ
の外部磁界Hex[Oe]−出力電圧VOUT[V]は、図18
に示すようなリニアリティを得ている。
【0008】このように電流センサにおいて従来のMI
素子の制御装置40をもってしても図18に示すような
±3[Oe]の範囲でしかリニアリティを得ることが出来
なかった。MI素子は、高感度であるが外部磁界Hex−
インピ-ダンスの変化率[%]といったMI特性をみて
もそのインピ−ダンス変化率[%]のピ−クが±数[O
e]であり特性が対称となっているためバイアス磁界Hb
を印加することで特性をシフトさせ非対称とした線形領
域でしか出力検出をすることができなかった。例えば、
図18に示されるように、±3[Oe]の範囲でしか線形
領域を得ることが出来なかった。±4[Oe]、±5[O
e]では、出力飽差領域であり出力検出が不可能であっ
た。また、従来のMI素子の制御装置で、車両用の電流
センサを考慮するにあたり、被検出電流による磁界の方
向に関して互いに逆方向のバイアス磁界を印加するよう
に第一及び第二のMI素子を配置しても車両用に使用す
る為には、過渡電流による磁界、地磁気による磁界など
の外乱磁界の影響、MI素子の温度特性を考慮する必要
があり、広範囲に渡って電流を検出しつつ外乱磁界及び
MI素子の温度特性の影響を受けない電流センサが必要
とされている。
【0009】現在、車両用の電流センサには、ホ−ル素
子を用いたものが使用されている。何故なら、ホ−ル素
子を使った電流センサは、外乱磁界や温度特性にあまり
左右されず広範囲に渡って電流検出が可能であるといっ
た利点があるためである。また、車両用の電流センサで
は、高感度の必要性よりも過渡電流、地磁気による外乱
磁界、温度特性が重要になっているためである。図19
は、従来のホ−ル素子を使った電流センサを簡略化して
示す図である。このような、ホ−ル素子を使った電流セ
ンサでは、フェライト等の部材を使用した磁気コアを使
用し被検出電流用の導電性基板に流れる電流を測定する
といった方式であり、磁気コアは、コストが高いばかり
か、電流センサの小型化には適していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、電流セン
サにおいて、新たなMI素子の制御装置を用いることで
どのようなMI特性をもつMI素子であってもその出力
が飽差することがなく高感度でホ−ル素子同様に広範囲
(無限)に渡って磁界が検出でき、更に車両用等にも適
するように過渡電流、地磁気等による外乱磁界の影響、
MI素子のもつ温度特性の影響等を受けることのなく且
つ、磁気コアを用いないでも被検出電流を広範囲に渡り
電流出力としつつ図19同様に被検出電流用の導電性基
板に流れる電流を検出できる小型で低コストで且つ外乱
磁界の影響を受けない電流センサを提供することを可能
とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するための電流センサであり、請求項1では、被
検出電流による磁界の方向に関し一方が逆方向となるよ
うに互いに第一及び第二の磁気インピ−ダンス素子(以
下MI素子)を設ける手段、該第一及び第二のMI素子
に夫々のDCバイアスコイルと負帰還バイアスコイルを
巻線し、該第一及び第二のMI素子の両端から夫々検波
回路を介して、該夫々負帰還バイアスコイルに接続し、
該負帰還バイアスコイルの終端を夫々出力検出用素子の
一端に接続し、該出力検出用素子の両端で出力を検出
し、該夫々の検出出力を一つの電流出力とし、請求項2
は、被検出電流による磁界の方向に関し一方が逆方向と
なるように互いに第一及び第二の磁気インピ−ダンス素
子(以下MI素子)を設ける手段と、該第一及び第二の
MI素子に夫々磁束キャンセル用の負帰還バイアスコイ
ルを巻線し、該第一及び第二のMI素子の両端から夫々
の検波回路、イニシャルオフセット回路を介し、該第一
及び第二のMI素子に巻かれた夫々の負帰還バイアスコ
イルに接続し、該負帰還バイアスコイルの終端を夫々出
力検出用素子の一端に接続し、該出力検出用素子の両端
で出力を検出し、該夫々の検出出力を一つの電流出力と
し、請求項3は、被検出電流による磁界の方向に関し一
方が逆方向となるように互いに第一及び第二の磁気イン
ピ−ダンス素子(以下MI素子)を設ける手段と、該第
一及び第二のMI素子の両端から夫々の検波回路を介
し、該第一及び第二のMI素子に巻かれた夫々の負帰還
バイアスコイルに接続し、それぞれの該負帰還バイアス
の終端を夫々出力検出用素子の一端に接続し、該出力検
出用素子の両端で出力を検出し、該夫々の検出出力を一
つの電流出力としている電流センサであり、請求項4
は、前記一つの電流出力は、該夫々の出力検出用素子の
両端で検出された該夫々の検出出力の差をとることを特
徴とすることで課題を解決する電流センサを提供してい
る。
【0012】請求項5は、前記第一及び第二のMI素子
は、外部磁界によって変化する該MI素子両端の電圧を
前記検波回路で読み取り電流を発生させ前記負帰還バイ
アスコイルに供給し、ト−タル磁界がゼロとなる磁界を
発生させ該電流を平衡させることを特徴とする電流セン
サを提供している。請求項6は、前記被検出電流は、導
電性基板で形成される被検出電流用基板に流され、第一
及び第二のMI素子が、該被検出電流用の導電性基板の
両面に夫々設けられていることで課題を解決している。
【0013】請求項7は、前記第一及び第二のMI素子
は、MI特性が対称であることを特徴とする請求項1、
2記載の電流センサであり、請求項8は、前記第一及び
第二のMI素子は、MI特性が非対称であることを特徴
とする請求項3記載の電流センサであり、請求項9で
は、前記第一及び第二のMI素子を設ける手段は、絶縁
性の樹脂成形部材によってコの字型に成形されているこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の電流セン
サを提供することで課題を解決するものとしている。
【0014】
【発明の実施の形態】ここでは、本発明の電流センサに
ついて、磁性体薄膜を使用したMI素子で実施形態を説
明するが、どのようなMI素子においても同様な効果が
得られる。第一の実施形態として図1は、本発明に係る
第一及び第二のMI素子として磁性体薄膜MI素子1、
の構成を示した図である。図2aは、プラス側から
外部磁界Hex[Oe]を印加したとき及びマイナス側から外
部磁界Hex[Oe]を印加したときの第一及び第二のMI素
子のMI特性を示す図である。図2bは、それぞれ異な
るMI特性をもつ第一及び第二のMI素子のMI特性を
示す図である。図2bでは、説明を簡単にするためにプ
ラス側から外部磁界Hex[Oe]を印加したときのインピ−
ダンス変化率だけでMI特性を表している。図3は、バ
イアス磁界Hb[Oe]を印加したときの磁性体薄膜MI
素子1、1の構成図を示す。図4aは、バイアス磁界
b[Oe]を印加したときの磁性体薄膜MI素子の特性
図である。図4bは、それぞれ異なるMI特性をもつ第
一及び第二の磁性体薄膜MI素子にバイアス磁界Hb[O
e]を印加したときの磁性体薄膜MI素子の特性図であ
る。図5は、本発明に係わる第一の実施形態として第一
及び第二の磁性体薄膜MI素子1、1の制御装置10
を応用した電流センサを模式的に示した図である。図6
a、図6bは、本発明に係わる電流センサの電子回路を
ブロックで模式化した一例を示す図である。図7aは、
本発明に係わる第一の実施形態として第一及び第二の磁
性体薄膜MI素子1、1の制御装置10を応用した電
流センサの外部磁界Hex[Oe]−出力電圧VOUT[V]の
関係を示すグラフである。図7bは、本発明に係わる第
一の実施形態として第一及び第二の磁性体薄膜MI素子
の制御装置を応用した電流センサの被検出電流値I
ex[A]−出力電圧VOUT[V]の関係を示すグラフで
ある。
【0015】図1において磁性体薄膜MI素子(以下薄
膜MI素子1、1)が記されており、図では、基板を
省略しているが、薄膜MI素子1は、Al23 セラミ
ックウェハ、Siウェーハ、ガラスウェーハ等の表面平
滑性を高めた非磁性基板上に軟磁性体薄膜であるCoF
eNi,NiFe等のめっき膜、あるいはFeCoSi
B、CoZrNb、FeSiB、CoSiB等のアモル
ファススパッタ膜、NiFeスパッタ膜などの軟磁性体
薄膜を成膜し、その後、回転磁場中、および静止磁場中
で熱処理を行うと磁気特性の向上がはかれる。
【0016】時間的に変化する電流を印加し表皮効果を
得る第一及び第二の薄膜MI素子1、1の両端に夫々
アルミのワイヤボンディング、Auワイヤ等からなる電
極又は直接半田によりリ−ド線に接続し、数[MHz]
以上(好ましくは10〜40[MHz])の高周波電流
を両端に通電している。この時の、外部磁界Hex[Oe]
とインピ−ダンス変化率(%)の関係(MI特性)を図
2aに示している。図3では、DCバイアスコイル2、
をN回巻き最大感度となる動作点をシフトさせるた
めに夫々バイアス磁界Hb[Oe]を印加している。このと
きのMI特性を図4aに示す。図5に沿って説明する。
このとき、被検出電流によって発生する磁界(以下外部
磁界)に対して逆方向に設けられた薄膜MI素子1、1
に巻いたDCバイアスコイル2、2の上に絶縁被覆
するか、コイルの外周部を絶縁被覆し、負帰還バイアス
コイル3、3をDCバイアスコイルと同じだけN回巻
いている。次に、銅板等の導電体からなる被検出電流用
の導電性基板(以下被検出電流バ−)8に流れる電流I
exを流すと、それによって外部磁界が発生する。その外
部磁界Hex[Oe]によって薄膜MI素子1、1の電圧が
変化する。それぞれの薄膜MI素子1、1は、印加さ
れるバイアス磁界Hb[Oe]が逆方向であり、地磁気、過
渡電流による外乱磁界が打ち消される。そして、その被
検出出力6を一つの電流値の差として出力しており車両
用などの電流センサとして好適である。
【0017】前述した被検出電流によって発生する外部
磁界に対して互いに逆方向のバイアス磁界Hbが印加さ
れるように配置されたMI素子1、1の両端から夫々
の検波回路4、4により電圧V、V2を読み取り、
及びIとなる電流を発生させ、薄膜MI素子1、
に巻いた夫々の負帰還バイアスコイル3及び3
夫々供給し、夫々の薄膜MI素子1、1のト−タル磁
界がゼロとなるH及びHを発生させることで、夫々
及びIを常に平衡にさせる。(この夫々のト−タ
ル磁界をゼロにする原理は、以下に第一及び第二の薄膜
MI素子1、1 ごとに説明する。)夫々のH及びH
を夫々の検出用素子5、5(抵抗R 1、抵抗R
を介して一つの電流出力の差として出力している。夫々
のDCバイアスコイル2、2、夫々の負帰還バイアス
コイル3、3は、この図のMI素子1、1の要部で
開示している。また、このときの電子回路の一例を図6
a、図6bにブロックで模式化して示している。
【0018】夫々のト−タル磁界をゼロにする原理につ
いて、第一及び第二の薄膜MI素子1、1に分けて説
明する。発生する外部磁界Hex[Oe]が印加される方
向に対し逆方向に第一及び第二のMI素子1、1を設
けることで、被検出電流バ−8に流れる電流Iexによっ
て発生する外部磁界Hex[Oe]とH[Oe]のト−タ
ル磁界が常にゼロとなることで薄膜MI素子1の外部磁
界Hex[Oe]に対する電圧変化が飽差する領域の磁界
でもリニアに検出でる。一方、被検出電流バ−8に流れ
る電流Iex[A]によって発生する外部磁界Hex[O
e]とH[Oe]のト−タル磁界が常にゼロとなること
で薄膜MI素子1の外部磁界Hex[Oe]に対する電
圧変化が飽差する領域の磁界でもリニアに検出できる。
この二つの検出された出力を一つの電流出力の差として
出力している。従って、従来は図18に示すような±数
[Oe]の狭い磁界の範囲でしか検出が出来なかったが、図
7aに示すように広範囲(物理的には無限大)の外部磁
界Hex[Oe]に渡ってリニアな出力を得る磁界平衡型
の制御装置10を得ることができる。また、これにより
図7bに示すような出力電圧VOUT[V]−被検出電流
値[A]の関係を得ることが可能になった。次に、図2
bに示される異なるMI特性aをもつMI素子1、1
と、MI特性bをもつMI素子1、1で制御装置10
及びそれを用いる電流センサを検証してみた。MI素子
1、1のMI特性は素子によって多少バラついている
ためあえてこのように異なる特性をもつMI素子を使用
し実験した。図4bは、図2bのそれぞれのMI特性
a、bにバイアス磁界Hb[Oe]を印加し、シフトさせた
図である。詳細な説明は前述したので述べないが、実線
で示すMI特性a、点線で示すMI特性bともに図7a
に示すように全く同様な広範囲(物理的には無限大)の
外部磁界Hexに渡ってリニアな出力を得る磁界平衡型
の制御装置10であることが検証された。図7bにおい
ても同様であった。このように、広範囲(物理的に無限
大)の電流測定に渡ってリニアな出力を検出できる磁界
平衡型のMI素子の制御装置を応用した電流センサであ
ることが検証された。また、図5に示すように電流セン
サを構成するにあたり、MI素子1、1 は、被検出電
流バ−8の通電によって発生する磁界(外部磁界)と逆
方向に設けられるMI素子1、1は、夫々のMI素子
1、1の最も感度の良い方向と外部磁界とが一致する
ように配置されているほうが好ましい。何故なら、通電
電流によって発生する磁界がMI素子1、1の外部磁
界となる為であり、より良好な感度が得られる。更に、
図ではMI素子1、1は、被検出電流バ−8の上方と
下方に設けられていたが、被検出電流バ−8によって発
生する磁界を検出できる範囲の位置におかれていればよ
い。しかし、外乱磁界や温度特性の影響を受けないよう
に被検出電流バ−8から夫々同距離に設けられている方
が好ましい。このような、MI素子1、1と被検出電
流バ−8に流れる電流によって発生する外部磁界に対
し、第一及び第二のMI素子1、1を逆方向に設け、
更に被検出電流バ−8から同距離とする為に耐熱性且つ
絶縁性の樹脂成形部材やセラミックによって、一体的に
コの字型に設けられた部品を被検出電流バ−8に嵌め込
む形状とすることで、より工程を簡略化でき低コスト化
を図ることを可能としている。
【0019】次に本発明に係わる第二の実施形態とし
て、第一及び第二の薄膜MI素子11、11の制御装
置20を応用した電流センサを説明する。図8は、本発
明に係るMI効果を用いた第一及び第二の薄膜MI素子
11、11の構成を示した図である。図9aは、プラ
ス側から外部磁界Hex[Oe]を印加したとき及びマイナス
側から外部磁界Hex[Oe]を印加したときの第一及び第二
のMI素子11、11のMI特性を示す図である。図
9bは、それぞれ異なるMI特性をもつ第一及び第二の
MI素子11、11のMI特性c、dを示す図であ
る。図9bでは、説明を簡単にするためにプラス側から
外部磁界Hex[Oe]を印加したときのインピ−ダンス変化
率だけでMI特性をあらわしている。図10aは、イニ
シャルオフセット回路17、17にてあらかじめ負帰
還バイアスコイル13、13に電流を流してΔH[Oe]
シフトさせMI特性を非対称にした特性図を示す。図1
0bは、それぞれ異なるMI特性c、dをもつ第一及び
第二のMI素子11、11にイニシャルオフセット回
路17、17にてあらかじめ負帰還バイアスコイル1
3、13に電流を流してMI特性を非対称にした特性
図を示す。図11は、本発明に係わる、その薄膜MI素
子11、11の制御装置20を応用した電流センサを
模式的に示した図である。図12a、図12bは、本発
明に係わる電流センサにおいて、その電子回路の一例を
ブロックで模式化した図である。また、本発明に係わる
MI素子11、11の制御装置20を応用した電流セ
ンサの外部磁界Hex[Oe]−出力電圧VOUT[V]の関係
及び被検出電流値Iex[A]−出力電圧VOUT[V]の
関係を示すグラフは、第一の実施形態と同様であったの
で、図7a及び図7bのグラフをつかって説明する。
【0020】図11は、本発明に係る第二の実施形態に
おいて、被検出電流によって発生する磁界が互いに異な
る方向となるようにバイアス磁界ΔH[Oe]が印加された
薄膜MI素子11、11の制御装置20を応用した電
流センサであり、時間的に変化する電流を印加し表皮効
果を得るMI素子を用いた薄膜MI素子11、11
制御装置20を応用した電流センサの構造を模式的に示
した図である。詳細には第一及び第二のMI素子11、
11による電流検出の原理図である。図9aに示すよ
うに磁界の向きに対して対称的に電圧が変化する第一及
び第二のMI素子11、11を利用する場合は夫々の
イニシャルオフセット回路17、17にて発生させた
電流をあらかじめ夫々の負帰還バイアスコイル13、1
に流して図10aのようにMI特性をΔH[Oe]だ
けシフトさせ非対称にしておく。被検出電流バ−18に
流れる電流Iex[A]によって発生する外部磁界をH
ex[Oe]によって第一及び第二のMI素子11、11
の電圧が変化する。前記したMI素子11、11の両
端から検波回路14、14により夫々の電圧V1及び
2を読み取り、夫々I1及びIとなる電流を発生さ
せ、夫々第一及び第二のMI素子11、11に巻いた
負帰還バイアスコイル13、13に供給し、夫々の薄
膜MI素子11、11のト−タル磁界がゼロとなるH
及びHを発生させることで、夫々I及びIを常
に平衡にさせる。(この夫々のト−タル磁界をゼロにす
る原理は、第一の実施形態で第一及び第二の薄膜MI素
子1、1ごとに説明したので省略する。)夫々のH
及びHを夫々の検出用素子15、15(抵抗R1
抵抗R)を介して一つの電流出力の差として出力して
いる。夫々の負帰還バイアスコイル13、13は、こ
の図のMI素子11、11の要部で開示している。ま
た、このときの電子回路の一例を図12a、図12bにブ
ロックで模式化して示している。
【0021】従って、従来は図18に示すような±数[O
e]の狭い磁界の範囲でしか磁界検出が出来なかったが、
図7aに示すように広範囲の外部磁界Hex[Oe]に渡っ
てリニアな出力電圧を得る磁界平衡型の制御装置20を
得ることができた。これによって図7bに示すように被
検出電流値Iex[A]−出力電圧VOUT[V]のように
ホ−ル素子より高感度で、ホ−ル素子同様に広範囲(物
理的に無限大)の出力を検出でき、更に磁気コアを使用
しないで低コストで且つ超小型な電流センサを得ること
ができ、工程の煩雑化を招くこともない。また、夫々D
Cバイアスコイルを必要としないで図10aに示すよう
な非対称な特性を得ることができ、夫々の負帰還バイア
スコイル13、13のみで薄膜MI素子11、11
の両端から検波回路14、14により変化した電圧V
1、V2を読み取り、I1、Iとなる電流を発生させ、
薄膜MI素子11、11に巻いた夫々の負帰還バイア
スコイル13、13に供給し、ト−タル磁界がゼロと
なるH1、Hを発生させ、I1、Iを常に平衡とさせ
ている。次に、図9bに示される異なるMI特性c、d
をもつMI素子11、11で制御装置20を検証して
みた。詳細な説明は前述したので述べないが、実線で示
すMI特性c、点線で示すMI特性dともにあらかじめイ
ニシャルオフセット回路17、17にて電流を流し図
10bに示すようにΔH[Oe]だけシフトさせ非対称な特
性としている。異なるMI特性c、dにおいても電流セ
ンサに用いる第一及び第二のMI素子11、11の制
御装置20の外部磁界Hex[Oe]−出力電圧VOUT[V]
の関係及び被検出電流値Iex[A]−出力電圧V
OUT[V]の関係を示すグラフは、第一の実施形態と同
様であることが検証された。また、図11に示すように
電流センサを構成するにあたり、第一及び第二のMI素
子11、11は、被検出電流バ−18の通電電流Iex
[A]によって発生する磁界を互いに逆方向となるよう
にバイアス磁界が印加されるMI素子11、11の最
良感度の方位と外部磁界方向と一致させて配置するほう
が好ましい。何故なら、通電電流によって発生する磁界
が第一及び第二のMI素子11、11の外部磁界であ
るためであり、より最良感度で検出できる為である。ま
た、図ではMI素子11、11は、被検出電流バ−1
8の上方と下方に設けられているが、被検出電流バ−1
8によって発生する磁界を検出できる範囲の位置におか
れていればよい。しかし、外乱磁界や温度特性の影響を
受けないように被検出電流バ−18から夫々同距離に設
けられている方が好ましい。このような、MI素子1
1、11と被検出電流バ−18に流れる電流によって
発生する外部磁界に対し、第一及び第二のMI素子1
1、11を逆方向に設け、更に被検出電流バ−18か
ら同距離とする為に耐熱性且つ絶縁性の樹脂成形部材や
セラミックによって、一体的にコの字型に設けられた部
品を被検出電流バ−18に嵌め込む形状とすることで、
より工程を簡略化でき低コスト化を図ることを可能とし
ている。外部磁界をHex[Oe]とすることによって薄膜M
I素子11、11の電圧が変化する。それぞれの薄膜
MI素子11、11は、印加される外部磁界Hex[Oe]
が互いに逆方向であり、地磁気、過渡電流による外乱磁
界が打ち消される。また、その電流出力の差を一つの電
流出力として検出しており車両用などの電流センサとし
て好適である。
【0022】次に本発明に係わる第三の実施形態を図に
て説明する。図13は、本発明に係る軟磁性体薄膜の磁
気異方性の方向を交差するよう積層した交差型磁気異方
性薄膜MI素子21、21の構成を示した図である。
図14aは、プラス側から外部磁界Hex[Oe]を印加した
とき及びマイナス側から外部磁界Hex[Oe]を印加したと
きの交差型磁気異方性薄膜MI素子21、21のMI
特性を示す図である。図14bは、あえてばらつきの異
なる交差型磁気異方性薄膜MI素子21、21 のMI
特性e、fを示している。図14bは、説明を簡単にす
るためプラス側から外部磁界Hex[Oe]を印加したとき
のMI特性を示す図である。図15は、交差型磁気異方
性薄膜MI素子21、21の制御装置30を応用した
電流センサの構造を模式的に示した図である。図16
a、図16bは、本発明に係わる交差型磁気異方性薄膜
MI素子21、21の制御装置30を応用した電流セ
ンサの電子回路の一例をブロックで模式化して示した図
である。また、本発明に係わる電流センサに用いる交差
型磁気異方性薄膜MI素子21、21の制御装置30
の外部磁界Hex[Oe]−出力電圧VOUT[V]の関係及び
被検出電流値Iex[A]−出力電圧VOUT[V]の関係
を示すグラフは、第一の実施形態と同様であったので、
図7a及び図7bのグラフをつかって説明する。
【0023】図13に示すように軟磁性体薄膜の磁気異
方性の方向を交差させる構造の薄膜MI素子21、21
は、特に図示しないがAl23 セラミックウェハ、
Siウェーハ、ガラスウェーハ等の基板上に軟磁性体薄
膜であるCoFeNi,NiFe等のめっき膜、あるい
はFeCoSiB、CoZrNb、FeSiB、CoSi
B等のアモルファススパッタ膜、NiFeスパッタ膜な
どの軟磁性体薄膜の磁気異方性の方向を交差させるよう
に積層している。
【0024】時間的に変化する電流を印加し表皮効果を
得る交差型の薄膜MI素子21、21では、図14a
に示すようにそのMI特性が非対称となっているためD
Cバイアスやイニシャルオフセット回路を使用する必要
がないと言う利点があるばかりでなくその検出感度が非
常によい。図15は、本発明に係る交差型磁気異方性薄
膜MI素子21、21の制御装置30を応用した電流
センサの構造を模式的に示した電流検出の原理図であ
る。
【0025】軟磁性体薄膜の磁化容易軸を利用した交差
型MI素子21、21は、特に図示しないが、両端に
アルミのワイヤボンディング、Auワイヤ等からなる電
極又は直接半田によりリ−ド線に接続し、10[MH
z]以上で好ましくは、10〜40[MHz]の高周波
電流を両端に通電している。このときの外部磁界Hex[O
e]とインピ−ダンス変化率[%]の関係を図14aに示
している。図14aに示すように磁界の向きに対して非
対称的に電圧が変化する交差型磁気異方性薄膜MI素子
21を利用する場合は、DCバイアスやイニシャルオフ
セット回路にてMI特性を非対称にしておく必要がな
い。
【0026】図15に沿って説明すると被検出電流バ−
28に流れる電流Iex[A]によって発生する外部磁界
をHex[Oe]によって交差型磁気異方性薄膜MI素子2
1、21の電圧が変化する。前記したMI素子1、1
の両端から検波回路24、24によりそれぞれ電圧
1[V]、V2[V]を読み取り、夫々I1[A]、I
[A]となる電流を発生させ、交差型磁気異方性薄膜
MI素子21、21に巻いた負帰還バイアスコイル2
3、23に供給し、夫々のト−タル磁界がゼロとなる
1[Oe]、H[Oe]を発生させ、夫々I1[A]、I
[A]を常に平衡とさせる。このI1[A]、I
[A]を出力検出用素子25、25(抵抗R1、抵
抗R)を介して夫々の被検出出力を一つの電流値の差
として出力する。被検出電流バ−28によって発生する
磁界(以下外部磁界)に対して逆方向に設けられた交差
型磁気異方性薄膜MI素子21、21は、銅板等の導
電体からなる被検出電流バ−28に流れる電流I
ex[A]を流すと、それによって外部磁界が発生する。
その外部磁界Hex[Oe]によって交差型磁気異方性薄膜M
I素子21、21のそれぞれの電圧が変化する。それ
ぞれの交差型磁気異方性薄膜MI素子21、21は、
印加される外部磁界Hex[Oe]が逆方向であり、地磁気、
過渡電流による外乱磁界が打ち消される。また、このと
きの電子回路の一例をブロックで模式化して示したのが
図16a、図16bである。
【0027】従って、従来品では、図18に示すような
±数[Oe]の狭い磁界の範囲でしか磁界検出が出来なかっ
たが、図7aに示すように被検出電流バ−に流れる電流
exによって発生する外部磁界Hexを広範囲の検出磁界
exに渡ってリニアな出力電圧を得る磁界平衡型の制御
装置30を得ることができ電流センサとして応用でき
た。また、DCバイアスコイル、イニシャルオフセット
回路を必要としないで図14aに示すような非対称な特
性を得ることができ、負帰還バイアスコイル23、23
のみで交差型磁気異方性薄膜MI素子21、21
両端から検波回路24、24によりそれぞれの電圧V
1[V]、V2[V]を読み取り、夫々I1[A]、I
[A]となる電流を発生させる。次にそれぞれのMI素
子21、21に巻いた負帰還バイアスコイル23、2
に夫々の電流が供給され、それぞれのト−タル磁界
がゼロとなるH1[Oe]、H[Oe]を発生さる。この
ように、夫々I1[A]、I[A]を流すことで常に
磁界を平衡とさせている磁界平衡型の電流センサとする
ことで磁界が飽差する領域でも出力が検出できる。更
に、DCバイアスコイル、イニシャルオフセット回路を
必要としないことで工程を削減できコストを低減でき
る。次に、図14bに示されるそれぞれ異なるMI特性
e、fをもつ交差型磁気異方性薄膜MI素子でMI素子
の制御装置30を電流センサとして応用して検証してみ
た。詳細な説明は前述したので述べないが、実線で示す
MI特性e、点線で示すMI特性fとも非対称な特性と
なっている。この場合でも、図7a、図7bに示すよう
に、異なるMI特性e、fにおいても電流センサに用い
るMI素子21、21の制御装置30の外部磁界Hex
[Oe]−出力電圧VOUT[V]の関係及び被検出電流値I
ex[A]−出力電圧VOUT[V]の関係を示すグラフ
は、第一の実施形態と全く同様に広範囲(物理的には無
限大)の外部磁界Hexに渡ってリニアな出力を得る磁
界平衡型の制御装置30でり、電流センサに応用しても
被検出電流値Iex[A]−出力電圧VOUT[V]も同様
であることが検証できたた。また、図15に示すように
電流センサを構成するにあたり、MI素子21、21
は、被検出電流バ−28の通電電流によって発生する磁
界方向とMI素子21、21の最大感度の方向とを一
致するように配置されるほうが好ましい。何故なら、通
電電流によって発生する磁界がMI素子21、21
外部磁界となるため、感度がより良好であるためであ
る。また、図ではMI素子21、21は、被検出電流
バ−28の上方と下方に設けられているが、被検出電流
バ−28によって発生する磁界を検出できる範囲の位置
におかれていればよい。しかし、外乱磁界や温度特性の
影響を受けないように被検出電流バ−28から夫々同距
離に設けられている方が好ましい。
【0028】このような、MI素子21、21と被検
出電流バ−28に流れる電流によって発生する外部磁界
に対し、第一及び第二のMI素子21、21を逆方向
に設け、更に被検出電流バ−28から同距離とする為に
耐熱性且つ絶縁性の樹脂成形部材又はセラミックによっ
て、一体的にコの字型に設けられた部品を被検出電流バ
−28に嵌め込む形状とすることで、より工程を簡略化
でき低コスト化を図ることを可能としている。外部磁界
をHex[Oe]とすると、Hex[Oe]によって薄膜MI素子2
1、21の電圧が変化する。それぞれの薄膜MI素子
21、21は、印加される外部磁界Hex[Oe]が互いに
逆方向であり、地磁気、過渡電流による外乱磁界が打ち
消される。また、その電流出力の差を一つの電流出力と
して検出しており車両用などの電流センサとして最適で
ある。コイルは絶縁被覆されているものを使うか、素子
を絶縁被覆してコイルを巻いていることは自明の理であ
る。特に図示しないが、交差型磁気異方性薄膜MI素子
21、21にイニシャルオフセット回路を用いて特性
を安定させることも本出願に含まれる。この場合、イニ
シャルオフセットによって予め電流を流し最大感度の位
置までシフトさせておくのが好ましい。
【0029】従って、以上の被検出電流によって発生す
る外部磁界が印加される方向と逆方向に第一及び第二の
MI素子を設けた制御装置を応用した電流センサについ
て、検証してきたが本発明における前述の電流センサに
用いる第一及び第二のMI素子の制御装置は、夫々常に
ト−タル磁界がゼロとなる磁界を発生させることで、被
検出電流バ−によって発生する外部磁界Hexに対する
電圧変化が飽差する領域の磁界でもリニアに検出でき
る。それによってホ−ル素子よりも超高感度でホ−ル素
子同様に広範囲の検出磁界(物理的に無限大)に渡って
リニアリティを得ることができる電流センサであり、ま
たバイアス磁界を印加しなくても達成できる。更に、M
I素子のMI特性のばらつきに左右されないで出力検出
が可能である。また、これらのMI素子を被検出電流に
よって発生する外部磁界が印加される方向と逆方向に夫
々第一及び第二のMI素子を設けることで地磁気、過渡
電流などによる外乱磁界及びMI素子の温度特性の影響
を受けず車両用に適した電流センサを提供できることが
可能となった。更にここで付け加えておくが被検出電流
バ−の上下に前述したような第一及び第二のMI素子を
設けるには、被検出電流バ−にコの字型で嵌め込める形
状が組立てに適しており、これにより第一及び第二のM
I素子が設けられている。例えば、耐熱性で且つ絶縁性
のプラスチックで一体成形したコの字型の成形品や、セ
ラミックなどの絶縁物を一体的に形成した成形品に第一
及び第二のMI素子を設けて被検出電流バ−に組み込む
ことで、工程の煩雑化を防ぎ一層の低コスト化を期待で
きる。
【0030】
【発明の効果】このように本発明では、電流センサにお
いてどのようなMI特性をもったMI素子でもその制御
装置を利用することによって被検出電流による磁界の方
向に対して逆方向の外部磁界が印加された第一及び第二
の磁気インピ−ダンス素子(以下MI素子)を設けて、
常にト−タル磁界がゼロとなる磁界を発生させており、
常に平衡状態を保つことで超高感度でホ−ル素子と同様
に広範囲の検出磁界(物理的に無限大)に渡ってリニア
リティをえることができる。更に、バイアス磁界を印加
しなくても同様な効果を達成できるものである。また、
磁気コアを使わないのでホ−ル素子を利用した電流セン
サに比べ超小型で低コストな電流センサを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態に
おけるMI効果を用いた第一及び第二の磁性体薄膜MI
素子の構成を示した図である。
【図2a】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
における第一及び第二の磁性体薄膜MI素子にプラス側
から外部磁界を印加したとき及びマイナス側から外部磁
界を印加したときのMI特性を示す図である。
【図2b】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
における夫々異なる特性をもつ第一及び第二の磁性体薄
膜MI素子にプラス側から外部磁界を印加したときのM
I特性を示す図である。
【図3】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態に
おけるバイアス磁界Hを印加したときの第一及び第二
の磁性体薄膜MI素子の構成図を示す。
【図4a】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
における第一及び第二の磁性体薄膜MI素子にバイアス
磁界Hを印加したときの磁性体薄膜MI素子の特性図
である。
【図4b】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
における夫々異なるMI特性をもつ磁性体薄膜MI素子
にバイアス磁界Hを印加したときの第一及び第二の磁
性体薄膜MI素子の特性図である。
【図5】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態と
して軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性体薄膜
MI素子の制御装置を応用した電流センサを模式化して
示した図である。
【図6a】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
として軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性体薄
膜MI素子の制御装置を応用した電流センサの電子回路
の一例をブロックで模式化して示した図である。
【図6b】本発明に係わる電流センサの第一の実施形態
として軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性体薄
膜MI素子の制御装置を応用した電流センサの電子回路
の一例をブロックで模式化して示した図である。
【図7a】本発明に係わる電流センサにおける第一及び
第二のMI素子の制御装置の外部磁界Hex[Oe]−出力電
圧VOUT[V]の関係を示すグラフである。
【図7b】本発明に係わる電流センサにおける第一及び
第二のMI素子の制御装置の被検出電流値Iex[A]−
出力電圧VOUT[V]の関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係わる電流センサの第二の実施形態に
おけるMI効果を用いた第一及び第二の磁性体薄膜MI
素子の構成を示した図である。
【図9a】本発明に係わる電流センサの第二の実施形態
における第一及び第二の磁性体薄膜MI素子にプラス側
から外部磁界印加したとき及びマイナス側から外部磁界
を印加したときのMI特性を示す図である。
【図9b】本発明にに係わる電流センサの第二の実施形
態における夫々異なる特性をもつ第一及び第二の磁性体
薄膜MI素子のMI特性を示す図である。
【図10a】本発明に係わる電流センサの第二の実施形
態における磁性体薄膜MI素子にイニシャルオフセット
回路にてバイアス磁界ΔH[Oe]を印加したときの第一
及び第二の薄膜MI素子の特性図である。
【図10b】本発明に係わる電流センサの第二の実施形
態における夫々異なるMI特性をもつ磁性体薄膜MI素
子にイニシャルオフセットにてバイアス磁界ΔH[Oe]を
印加したときの第一及び第二の薄膜MI素子の特性図で
ある。
【図11】本発明に係わる電流センサの第二の実施形態
における軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性体
薄膜MI素子の制御装置を応用した電流センサを模式化
して示した図である。
【図12a】本発明に係わる電流センサの第二の実施形
態における軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性
体薄膜MI素子の制御装置を応用した電流センサの電子
回路の一例を示した図である。
【図12b】本発明に係わる電流センサの第二の実施形
態における軟磁性体薄膜を利用した第一及び第二の磁性
体薄膜MI素子の制御装置を応用した電流センサの電子
回路の一例を示した図である。
【図13】本発明に係わる電流センサの第三の実施形態
における軟磁性体薄膜の磁気異方性の方向を交差するよ
うに積層した第一及び第二の交差型磁性体薄膜MI素子
の構成を示す図である。
【図14a】本発明に係わる電流センサの第三の実施形
態における軟磁性体薄膜の磁気異方性の方向を交差する
ように積層した第一及び第二の交差型磁性体薄膜MI素
子にプラス側から外部磁界を印加したとき及びマイナス
側から外部磁界を印加したときのMI特性を示す図であ
る。
【図14b】本発明に係わる電流センサの第三の実施形
態における夫々異なるMI特性を持つ第一及び第二の交
差型磁性体薄膜MI素子にプラス側から外部磁界を印加
したときの特性を示す図である。
【図15】本発明に係わる電流センサの第三の実施形態
における軟磁性体薄膜の磁気異方性を交差して積層した
第一及び第二の交差型磁性体薄膜MI素子の制御装置を
応用した電流センサを模式化した図である。
【図16a】本発明に係わる電流センサの第三の実施形
態における第一及び第二の交差型磁性体薄膜MI素子の
制御装置を応用した電流センサの電子回路をブロックで
模式化して示した図の一例である。
【図16b】本発明に係わる電流センサの第三の実施形
態における第一及び第二の交差型磁性体薄膜MI素子の
制御装置を応用した電流センサの電子回路をブロックで
模式化して示した図の一例である。
【図17】従来のMI素子の制御装置の電子回路をブロ
ックで示した図である。
【図18】従来のMI素子の制御装置による外部磁界H
ex−出力(電圧)VOUT特性を示す図である。
【図19】従来のホ−ル素子を使った電流センサの構造
を簡略化して示した図である。
【符号の説明】
1、11、21、…第一のMI素子 1、11、21、…第二のMI素子 2、2、…DCバイアスコイル 3、3、13、13、23、23…負帰還バイア
スコイル 4、4、14、14、24、24…検波回路 5、5、15、15、25、25…出力検出用素
子(抵抗R1、抵抗R) 6、6、16、16、26、26…出力 8、18、28・・・被検出電流用の導電性基板(被検出
電流バ−) 10、20、30…MI素子の制御装置 17、17…イニシャルオフセット回路 Hb…バイアス磁界 Hex…外部磁界 I1、I…負帰還電流(平衡電流) Iex・・・被検出電流バ−の通電電流 H1、H…外部磁界とのト−タル磁界がゼロとなる平
衡磁界(負帰還磁界)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 初見 正明 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社横浜技術センタ− 内 (72)発明者 船岡 千洋 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社技術研究所内 (72)発明者 塚田 桂 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐野 寛幸 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社技術研究所内 (72)発明者 横山 博夫 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社技術研究所内 (72)発明者 入戸野 公浩 神奈川県横浜市青葉区荏田西1−3−1 スタンレー電気株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA02 AA14 AB02 AB05 AC09 AD54 AD65 BA08 2G025 AA05 AA11 AB01 2G035 AA10 AA17 AB01 AC08 AD00 AD20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検出電流による磁界の方向に関して一方
    が逆方向となるように互いに第一及び第二の磁気インピ
    −ダンス素子(以下MI素子)を設ける手段と、該第一
    及び第二のMI素子に夫々DCバイアスコイルと負帰還
    バイアスコイルを巻線し、該第一及び第二のMI素子の
    両端から夫々検波回路を介して、該夫々負帰還バイアス
    コイルに接続し、該負帰還バイアスコイルの終端を夫々
    の出力検出用素子の一端に接続し、該夫々の出力検出用
    素子の両端で出力を検出し、該夫々の検出出力を一つの
    電流出力とすることを特徴とする電流センサ。
  2. 【請求項2】被検出電流による磁界の方向に関して一方
    が逆方向となるように互いに第一及び第二の磁気インピ
    −ダンス素子(以下MI素子)を設ける手段と、該第一
    及び第二のMI素子に夫々負帰還バイアスコイルを巻線
    し、該第一及び第二のMI素子の両端から夫々の検波回
    路、イニシャルオフセット回路を介し、該第一及び第二
    のMI素子に巻かれた夫々の負帰還バイアスコイルに接
    続し、該負帰還バイアスコイルの終端を夫々出力検出用
    素子の一端に接続し、該夫々の出力検出用素子の両端で
    出力を検出し、該夫々の検出出力を一つの電流出力とす
    ることを特徴とする電流センサ。
  3. 【請求項3】被検出電流による磁界の方向に関して一方
    が逆方向となるように互いに第一及び第二の磁気インピ
    −ダンス素子(以下MI素子)を設ける手段と、該第一
    及び第二のMI素子の両端から夫々の検波回路を介し、
    該第一及び第二のMI素子に巻かれた夫々の負帰還バイ
    アスコイルに接続し、それぞれの該負帰還バイアスの終
    端を夫々出力検出用素子の一端に接続し、該出力検出用
    素子の両端で出力を検出し、該夫々の検出出力を一つの
    電流出力とすることを特徴とする電流センサ。
  4. 【請求項4】前記一つの電流出力は、該夫々の出力検出
    用素子の両端で検出された該夫々の検出出力の差をとる
    ことを特徴とする請求項1〜3記載の電流センサ。
  5. 【請求項5】前記第一及び第二のMI素子は、外部磁界
    によって変化する該MI素子両端の電圧を前記検波回路
    で読み取り電流を発生させ前記負帰還バイアスコイルに
    供給し、ト−タル磁界がゼロとなる磁界を発生させ該電
    流を平衡させることを特徴とする請求項1〜4記載の電
    流センサ。
  6. 【請求項6】前記被検出電流は、導電体で形成される被
    検出電流用基板に流され、第一及び第二のMI素子が、
    該被検出電流用の導電性基板の両面に夫々設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜5記載の電流センサ。
  7. 【請求項7】前記第一及び第二のMI素子は、MI特性
    が対称であることを特徴とする請求項1、2記載の電流
    センサ。
  8. 【請求項8】前記第一及び第二のMI素子は、MI特性
    が非対称であることを特徴とする請求項3記載の電流セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】前記第一及び第二のMI素子を設ける手段
    は、絶縁性の樹脂成形部材によってコの字型に成形され
    ていることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかの
    電流センサ。
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