JP2001295050A - 気化器、気化器の使用方法および液体原料の気化方法 - Google Patents
気化器、気化器の使用方法および液体原料の気化方法Info
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- JP2001295050A JP2001295050A JP2000108977A JP2000108977A JP2001295050A JP 2001295050 A JP2001295050 A JP 2001295050A JP 2000108977 A JP2000108977 A JP 2000108977A JP 2000108977 A JP2000108977 A JP 2000108977A JP 2001295050 A JP2001295050 A JP 2001295050A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 目詰まりや気化された液体原料の組成ずれを
解消して精密な組成制御が可能な気化器を提供する。 【解決手段】 一端側にキャリアガス供給部11aを設
け、他端側にシャワーノズル12を配置した筒状の筐体
11と、筐体11内のシャワーノズル12側に充填した
多数の粒状体14からなる気化部15と、気化部15へ
液体原料を供給するもので気化部15よりキャリアガス
供給部11a側に放出端を配置した原料供給ノズル16
と、筐体11の外側に設置したヒータ17とを備えた気
化器であり、粒状体は直径が0.5mm以上5mm以下
の小球からなり、気化部15の厚さは2mm以上50m
m以下としたものである。
解消して精密な組成制御が可能な気化器を提供する。 【解決手段】 一端側にキャリアガス供給部11aを設
け、他端側にシャワーノズル12を配置した筒状の筐体
11と、筐体11内のシャワーノズル12側に充填した
多数の粒状体14からなる気化部15と、気化部15へ
液体原料を供給するもので気化部15よりキャリアガス
供給部11a側に放出端を配置した原料供給ノズル16
と、筐体11の外側に設置したヒータ17とを備えた気
化器であり、粒状体は直径が0.5mm以上5mm以下
の小球からなり、気化部15の厚さは2mm以上50m
m以下としたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化器に関し、詳
しくは有機金属化学的気相成長(MOCVD)装置の液
体原料を気化する気化器に関する。
しくは有機金属化学的気相成長(MOCVD)装置の液
体原料を気化する気化器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のMOCVD装置の液体原料を気化
するための気化器は、図3に示すように、筒状の筐体2
11の内部には、数十μm程度の径を有する多数の孔を
内部に設けた金属製の円盤221が、上記筐体211内
部通路212を塞ぐ状態に設置されている。図面では、
円盤221より下部側の筐体211内径を上部側の筐体
211内径より小さく形成して、円盤221がずり落ち
ないようにしてある。さらに円盤221の上部側には液
体原料を円盤221表面に供給する液体原料供給ノズル
231が設置されている。また、筐体211の外側には
円盤221に供給された液体原料を加熱気化させるため
のヒータ241が備えられている。上記構成は米国特許
第5711816号明細書に開示されている。
するための気化器は、図3に示すように、筒状の筐体2
11の内部には、数十μm程度の径を有する多数の孔を
内部に設けた金属製の円盤221が、上記筐体211内
部通路212を塞ぐ状態に設置されている。図面では、
円盤221より下部側の筐体211内径を上部側の筐体
211内径より小さく形成して、円盤221がずり落ち
ないようにしてある。さらに円盤221の上部側には液
体原料を円盤221表面に供給する液体原料供給ノズル
231が設置されている。また、筐体211の外側には
円盤221に供給された液体原料を加熱気化させるため
のヒータ241が備えられている。上記構成は米国特許
第5711816号明細書に開示されている。
【0003】上記構成の気化器201では、液体原料供
給ノズル231より円盤221表面に液体原料を滴下す
る。滴下された液体原料は表面張力によって円盤221
全体に広がり、効率よく気化される。
給ノズル231より円盤221表面に液体原料を滴下す
る。滴下された液体原料は表面張力によって円盤221
全体に広がり、効率よく気化される。
【0004】また、特開平5−337357号には図4
に示す気化器301が開示されている。図1bに示すよ
うに、円筒状の金属カラム311を備え、その金属カラ
ム311の両端側内部には金属メッシュ321、322
が設けられている。上記金属メッシュ321、322間
の金属カラム311内には、直径が100μm〜200
μmの金属製の粉体331が充填されている。また、金
属カラム311の一端にはキャリアガス導入口352を
設けたキャップ351が設けられていて、金属カラム3
11の他端にはキャリアガス導出口354を設けたキャ
ップ353が設けられている。さらに金属カラム311
には、金属カラム311内部に排出口を配置した液体原
料供給ノズル361が設置されている。また、金属カラ
ム311の外側にはヒータ371が設置されている。
に示す気化器301が開示されている。図1bに示すよ
うに、円筒状の金属カラム311を備え、その金属カラ
ム311の両端側内部には金属メッシュ321、322
が設けられている。上記金属メッシュ321、322間
の金属カラム311内には、直径が100μm〜200
μmの金属製の粉体331が充填されている。また、金
属カラム311の一端にはキャリアガス導入口352を
設けたキャップ351が設けられていて、金属カラム3
11の他端にはキャリアガス導出口354を設けたキャ
ップ353が設けられている。さらに金属カラム311
には、金属カラム311内部に排出口を配置した液体原
料供給ノズル361が設置されている。また、金属カラ
ム311の外側にはヒータ371が設置されている。
【0005】上記気化器301は、ヒータ371によっ
て加熱された金属製の粉体331に液体原料供給ノズル
361より液体原料を供給して気化させ、気化した液体
原料を金属カラム311内に導入されたキャリアガス
(図面では矢印で示す)とともに搬送する方式である。
て加熱された金属製の粉体331に液体原料供給ノズル
361より液体原料を供給して気化させ、気化した液体
原料を金属カラム311内に導入されたキャリアガス
(図面では矢印で示す)とともに搬送する方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術で説明した気化器では、蒸気圧の低い有機金属
原料を気化すると、数十μm程度の径を有する多数の孔
を内部に設けた金属製の円盤を用いた気化器では、円盤
の表面に気化されずに残った残査が次第に円盤に設けた
多数の孔を塞いで行き、やがて目詰まりによって液体原
料を気化することができなくなっていた。また、金属製
の粉体を用いた気化器では、金属製の粉体中に気化され
ずに残った残査が次第に金属製の粉体全体に広がって、
金属製の粉体間の隙間を塞いで行き、やがて目詰まりに
よって液体原料を気化することができなくなっていた。
また、金属製の粉体に特定の有機金属原料だけがトラッ
プされやすくなるために、気化された液体原料には組成
ずれが発生して、精密な組成制御を行うことを困難にし
ていた。
来の技術で説明した気化器では、蒸気圧の低い有機金属
原料を気化すると、数十μm程度の径を有する多数の孔
を内部に設けた金属製の円盤を用いた気化器では、円盤
の表面に気化されずに残った残査が次第に円盤に設けた
多数の孔を塞いで行き、やがて目詰まりによって液体原
料を気化することができなくなっていた。また、金属製
の粉体を用いた気化器では、金属製の粉体中に気化され
ずに残った残査が次第に金属製の粉体全体に広がって、
金属製の粉体間の隙間を塞いで行き、やがて目詰まりに
よって液体原料を気化することができなくなっていた。
また、金属製の粉体に特定の有機金属原料だけがトラッ
プされやすくなるために、気化された液体原料には組成
ずれが発生して、精密な組成制御を行うことを困難にし
ていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた気化器、気化器の使用方法および
液体原料の気化方法である。
決するためになされた気化器、気化器の使用方法および
液体原料の気化方法である。
【0008】本発明の気化器は、一端側にキャリアガス
供給部を設け、他端側に原料ガス排出部を配置した筒状
の筐体と、筐体内の原料ガス排出部側に充填した多数の
粒状体からなる気化部と、気化部へ液体原料を供給する
もので気化部より前記キャリアガス供給部側に放出端を
配置した原料供給ノズルと、筐体の外側に設置したヒー
タとを備えたものである。粒状体は小球からなり、小球
の直径は0.5mm以上5mm以下である。気化部の厚
さは2mm以上50mm以下である。
供給部を設け、他端側に原料ガス排出部を配置した筒状
の筐体と、筐体内の原料ガス排出部側に充填した多数の
粒状体からなる気化部と、気化部へ液体原料を供給する
もので気化部より前記キャリアガス供給部側に放出端を
配置した原料供給ノズルと、筐体の外側に設置したヒー
タとを備えたものである。粒状体は小球からなり、小球
の直径は0.5mm以上5mm以下である。気化部の厚
さは2mm以上50mm以下である。
【0009】上記気化器では、ヒータによって気化部が
加熱され、その気化部は筐体内の原料ガス排出部側に充
填した多数の粒状体からなることから、粒状体間に十分
な隙間が確保されるとともに、液体原料を気化させるの
に必要な表面積が確保される。そのため、原料供給ノズ
ルより気化部へ供給された液体原料は、粒状体表面で気
化され、筐体上端側のキャリアガス供給部より供給され
るキャリアガスとともに原料ガス排出部より筐体外に放
出される。
加熱され、その気化部は筐体内の原料ガス排出部側に充
填した多数の粒状体からなることから、粒状体間に十分
な隙間が確保されるとともに、液体原料を気化させるの
に必要な表面積が確保される。そのため、原料供給ノズ
ルより気化部へ供給された液体原料は、粒状体表面で気
化され、筐体上端側のキャリアガス供給部より供給され
るキャリアガスとともに原料ガス排出部より筐体外に放
出される。
【0010】また、粒状体が直径0.5mm以上5mm
以下の小球で形成されていることから、気化部は液体原
料の残査によって目詰まりを起こすことがない。なお、
小球の径が0.5mmよりも小さい場合には、小球間に
生じる隙間が小さくなり、目詰まりを起こしやすくな
る。一方、小球の径が5mmよりも大きい場合には液体
原料と接触する小球の総表面積が小さくなるために気化
効率が低下することになる。そこで、小球の径は上記
0.5mm以上5mm以下の範囲に設定される。
以下の小球で形成されていることから、気化部は液体原
料の残査によって目詰まりを起こすことがない。なお、
小球の径が0.5mmよりも小さい場合には、小球間に
生じる隙間が小さくなり、目詰まりを起こしやすくな
る。一方、小球の径が5mmよりも大きい場合には液体
原料と接触する小球の総表面積が小さくなるために気化
効率が低下することになる。そこで、小球の径は上記
0.5mm以上5mm以下の範囲に設定される。
【0011】また、上記気化部は2mm以上50mm以
下の厚さに形成されていることから、液体原料中で比較
的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体(小球)表面に再付
着することなく、効率よく液体原料が気化される。な
お、上記気化部の厚さHが2mmよりも薄くなると、滴
下された液体原料が粒状体(小球)表面で気化されるこ
となく通過してしまう割合が増加するため、気化効率が
低下することになる。一方、上記気化部の厚さが50m
mよりも厚くなると、滴下された液体原料は粒状体(小
球)表面で気化されるが、気化された気体が気化部を通
過する間に、液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金
属が粒状体(小球)表面に再付着するため、成膜組成が
経時変化を起こすという問題を発生する。よって、気化
部の厚さは2mm以上50mm以下の範囲に設定され
る。
下の厚さに形成されていることから、液体原料中で比較
的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体(小球)表面に再付
着することなく、効率よく液体原料が気化される。な
お、上記気化部の厚さHが2mmよりも薄くなると、滴
下された液体原料が粒状体(小球)表面で気化されるこ
となく通過してしまう割合が増加するため、気化効率が
低下することになる。一方、上記気化部の厚さが50m
mよりも厚くなると、滴下された液体原料は粒状体(小
球)表面で気化されるが、気化された気体が気化部を通
過する間に、液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金
属が粒状体(小球)表面に再付着するため、成膜組成が
経時変化を起こすという問題を発生する。よって、気化
部の厚さは2mm以上50mm以下の範囲に設定され
る。
【0012】本発明の気化器の使用方法は、一端側にキ
ャリアガス供給部を設け、他端側に原料ガス排出部を配
置した筒状の筐体と、筐体内の前記原料ガス排出部側に
充填した多数の粒状体からなる気化部と、気化部へ液体
原料を供給するもので気化部より前記キャリアガス供給
部側に放出端を配置した原料供給ノズルと、筐体の外側
に設置したヒータとを備えた気化器の内部圧力を1気圧
以下の減圧下として使用する方法である。
ャリアガス供給部を設け、他端側に原料ガス排出部を配
置した筒状の筐体と、筐体内の前記原料ガス排出部側に
充填した多数の粒状体からなる気化部と、気化部へ液体
原料を供給するもので気化部より前記キャリアガス供給
部側に放出端を配置した原料供給ノズルと、筐体の外側
に設置したヒータとを備えた気化器の内部圧力を1気圧
以下の減圧下として使用する方法である。
【0013】上記気化器の使用方法では、気化器の内部
圧力を1気圧以下の減圧下とすることから、液体原料の
沸点を下げることが可能になり、ヒータの加熱温度を低
く抑えることが可能になる。
圧力を1気圧以下の減圧下とすることから、液体原料の
沸点を下げることが可能になり、ヒータの加熱温度を低
く抑えることが可能になる。
【0014】本発明の液体原料の気化方法は、筒状の筐
体内に充填した多数の粒状体からなる気化部を加熱し、
加熱した気化部の一端側より液体原料を供給して気化さ
せて、気化部の一端側より導入されたキャリアガスとと
もに気化させた液体原料を気化部の多端側より放出する
気化方法である。粒状体には、直径が0.5mm以上5
mm以下の小球を用いる。気化部には、粒状体を2mm
以上50mm以下の厚さに堆積したものを用いる。
体内に充填した多数の粒状体からなる気化部を加熱し、
加熱した気化部の一端側より液体原料を供給して気化さ
せて、気化部の一端側より導入されたキャリアガスとと
もに気化させた液体原料を気化部の多端側より放出する
気化方法である。粒状体には、直径が0.5mm以上5
mm以下の小球を用いる。気化部には、粒状体を2mm
以上50mm以下の厚さに堆積したものを用いる。
【0015】上記液体原料の気化方法では、多数の粒状
体からなる気化部を用いていることから、粒状体間に十
分な隙間が確保されるとともに、液体原料を気化させる
のに必要な表面積が確保される。そのため、多数の粒状
体からなる気化部を加熱して、その加熱された気化部に
液体原料を供給して気化させても、液体原料の残査によ
って目詰まりを起こすことなく、液体原料は粒状体表面
で気化され、キャリアガスとともに気化部の他端側より
放出される。
体からなる気化部を用いていることから、粒状体間に十
分な隙間が確保されるとともに、液体原料を気化させる
のに必要な表面積が確保される。そのため、多数の粒状
体からなる気化部を加熱して、その加熱された気化部に
液体原料を供給して気化させても、液体原料の残査によ
って目詰まりを起こすことなく、液体原料は粒状体表面
で気化され、キャリアガスとともに気化部の他端側より
放出される。
【0016】また、粒状体に直径0.5mm以上5mm
以下の小球を用いることから、気化部は液体原料の残査
によって目詰まりを起こすことがない。なお、小球の径
が0.5mmよりも小さい場合には、小球間に生じる隙
間が小さくなり、目詰まりを起こしやすくなる。一方、
小球の径が5mmよりも大きい場合には液体原料と接触
する小球の総表面積が小さくなるために気化効率が低下
することになる。そこで、小球には径が0.5mm以上
5mm以下の範囲のものを用いる。
以下の小球を用いることから、気化部は液体原料の残査
によって目詰まりを起こすことがない。なお、小球の径
が0.5mmよりも小さい場合には、小球間に生じる隙
間が小さくなり、目詰まりを起こしやすくなる。一方、
小球の径が5mmよりも大きい場合には液体原料と接触
する小球の総表面積が小さくなるために気化効率が低下
することになる。そこで、小球には径が0.5mm以上
5mm以下の範囲のものを用いる。
【0017】また、上記気化部には粒状体を2mm以上
50mm以下の厚さに堆積したものを用いることから、
液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体
(小球)表面に再付着することなく、効率よく液体原料
が気化される。なお、上記気化部の厚さが2mmよりも
薄くなると、滴下された液体原料が粒状体(小球)表面
で気化されることなく通過してしまう割合が増加するた
め、気化効率が低下することになる。一方、上記気化部
の厚さが50mmよりも厚くなると、滴下された液体原
料は粒状体(小球)表面で気化されるが、気化された気
体が気化部を通過する間に、液体原料中で比較的に蒸気
圧が低い有機金属が粒状体(小球)表面に再付着するた
め、成膜組成が経時変化を起こすという問題を発生す
る。よって、気化部には粒状体を2mm以上50mm以
下の厚さに堆積したものを用いる。
50mm以下の厚さに堆積したものを用いることから、
液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体
(小球)表面に再付着することなく、効率よく液体原料
が気化される。なお、上記気化部の厚さが2mmよりも
薄くなると、滴下された液体原料が粒状体(小球)表面
で気化されることなく通過してしまう割合が増加するた
め、気化効率が低下することになる。一方、上記気化部
の厚さが50mmよりも厚くなると、滴下された液体原
料は粒状体(小球)表面で気化されるが、気化された気
体が気化部を通過する間に、液体原料中で比較的に蒸気
圧が低い有機金属が粒状体(小球)表面に再付着するた
め、成膜組成が経時変化を起こすという問題を発生す
る。よって、気化部には粒状体を2mm以上50mm以
下の厚さに堆積したものを用いる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の気化器に係わる実施の形
態を、図1の概略構成断面図によって説明する。
態を、図1の概略構成断面図によって説明する。
【0019】図1に示すように、気化器1には、筒状の
筐体11が備えられている。この筐体11の一端(上
端)側にはキャリアガス供給部(例えばキャリアガス供
給口)11aが設けられている。また、筐体11の他端
(下端)側には原料ガス排出部としてシャワーノズル1
2が設置されている。このシャワーノズル12には後に
説明する粒状体よりも小さい径の複数の孔12aが形成
されている。さらに上記筐体11の内壁には上記シャワ
ーノズル12に接続した内部筐体13が設置されてい
る。
筐体11が備えられている。この筐体11の一端(上
端)側にはキャリアガス供給部(例えばキャリアガス供
給口)11aが設けられている。また、筐体11の他端
(下端)側には原料ガス排出部としてシャワーノズル1
2が設置されている。このシャワーノズル12には後に
説明する粒状体よりも小さい径の複数の孔12aが形成
されている。さらに上記筐体11の内壁には上記シャワ
ーノズル12に接続した内部筐体13が設置されてい
る。
【0020】上記内部筐体13のシャワーノズル12側
内部には多数の粒状体14からなる気化部15が充填さ
れている。上記粒状体14は、例えば小球からなり、小
球の直径は0.5mm以上5mm以下に形成されてい
る。小球の径が0.5mmよりも小さい場合には、小球
間に生じる隙間が小さくなり、目詰まりを起こしやすく
なる。一方、小球の径が5mmよりも大きい場合には液
体原料と接触する小球の総表面積が小さくなるために気
化効率が低下することになる。そこで、小球の径は上記
0.5mm以上5mm以下の範囲に設定される。
内部には多数の粒状体14からなる気化部15が充填さ
れている。上記粒状体14は、例えば小球からなり、小
球の直径は0.5mm以上5mm以下に形成されてい
る。小球の径が0.5mmよりも小さい場合には、小球
間に生じる隙間が小さくなり、目詰まりを起こしやすく
なる。一方、小球の径が5mmよりも大きい場合には液
体原料と接触する小球の総表面積が小さくなるために気
化効率が低下することになる。そこで、小球の径は上記
0.5mm以上5mm以下の範囲に設定される。
【0021】上記気化部15の厚さHは2mm以上50
mm以下に設定してある。上記気化部15の厚さHが2
mmよりも薄くなると、滴下された液体原料が粒状体
(小球)表面で気化されることなく通過してしまう割合
が増加するため、気化効率が低下することになる。一
方、上記気化部15の厚さHが50mmよりも厚くなる
と、滴下された液体原料は粒状体(小球)表面で気化さ
れるが、気化された気体が気化部15を通過する間に、
液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体
(小球)表面に再付着するため、成膜組成が経時変化を
起こすという問題を発生する。よって、気化部15の厚
さHは2mm以上50mm以下の範囲に設定される。
mm以下に設定してある。上記気化部15の厚さHが2
mmよりも薄くなると、滴下された液体原料が粒状体
(小球)表面で気化されることなく通過してしまう割合
が増加するため、気化効率が低下することになる。一
方、上記気化部15の厚さHが50mmよりも厚くなる
と、滴下された液体原料は粒状体(小球)表面で気化さ
れるが、気化された気体が気化部15を通過する間に、
液体原料中で比較的に蒸気圧が低い有機金属が粒状体
(小球)表面に再付着するため、成膜組成が経時変化を
起こすという問題を発生する。よって、気化部15の厚
さHは2mm以上50mm以下の範囲に設定される。
【0022】上記小球の材質は、小球によって加熱され
る液体原料によって腐食されることなく、またキャリア
ガスに反応することのない材料であればよく、酸化ジル
コニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化シリコ
ンのようなセラミックス、もしくは白金、金、銀、ニッ
ケル、銅、アルミニウム等の金属であってもよい。な
お、熱伝導性のよい材料であればより好ましい。
る液体原料によって腐食されることなく、またキャリア
ガスに反応することのない材料であればよく、酸化ジル
コニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化シリコ
ンのようなセラミックス、もしくは白金、金、銀、ニッ
ケル、銅、アルミニウム等の金属であってもよい。な
お、熱伝導性のよい材料であればより好ましい。
【0023】上記気化部15の上方には、液体原料を供
給するためのもので、気化部15上方に放出端を配置し
た原料供給ノズル16が配置されている。さらに上記筐
体11の外側には、上位機気化部15を加熱するための
ヒータ17が形成されている。
給するためのもので、気化部15上方に放出端を配置し
た原料供給ノズル16が配置されている。さらに上記筐
体11の外側には、上位機気化部15を加熱するための
ヒータ17が形成されている。
【0024】上記気化器1では、ヒータ17によって気
化部15が加熱され、その気化部15は筐体11内のシ
ャワーノズル12側に充填した多数の粒状体14からな
ることから、原料供給ノズル16より気化部15へ供給
された液体原料(図示せず)は、粒状体14表面で気化
され、筐体11一端側のキャリアガス供給部11aより
供給されるキャリアガス(矢印で示す)とともにシャワ
ーノズル12の複数の孔12aより筐体11外に放出さ
れる。
化部15が加熱され、その気化部15は筐体11内のシ
ャワーノズル12側に充填した多数の粒状体14からな
ることから、原料供給ノズル16より気化部15へ供給
された液体原料(図示せず)は、粒状体14表面で気化
され、筐体11一端側のキャリアガス供給部11aより
供給されるキャリアガス(矢印で示す)とともにシャワ
ーノズル12の複数の孔12aより筐体11外に放出さ
れる。
【0025】次に、本発明の気化器1の使用方法を、以
下に説明する。上記図1によって説明した気化器1は、
筐体11の内部圧力を1気圧以下の減圧下として使用す
ることにより、液体原料の沸点を下げることができる。
そのため、ヒータの加熱温度を低く抑えることが可能に
なる。
下に説明する。上記図1によって説明した気化器1は、
筐体11の内部圧力を1気圧以下の減圧下として使用す
ることにより、液体原料の沸点を下げることができる。
そのため、ヒータの加熱温度を低く抑えることが可能に
なる。
【0026】次に、上記気化器1を用いた液体原料の気
化方法を、前記図1を用いて説明する。
化方法を、前記図1を用いて説明する。
【0027】図1に示すように、他端側に原料ガス排出
部としてシャワーノズル12を配置した筒状の筐体11
内のシャワーノズル12側に充填した多数の粒状体14
からなる気化部15をヒータ17によって加熱する。そ
して、液体原料供給ノズル16より加熱した気化部15
へ液体原料(図示せず)を供給して気化する。それと同
時に、筐体11の一端側よりキャリアガス(矢印で示
す)を気化部15方向に導入し、その導入したキャリア
ガスとともに上記気化した液体原料(原料ガス)をシャ
ワーノズル12に形成された複数の孔12aより筐体1
1の外部へ放出する。
部としてシャワーノズル12を配置した筒状の筐体11
内のシャワーノズル12側に充填した多数の粒状体14
からなる気化部15をヒータ17によって加熱する。そ
して、液体原料供給ノズル16より加熱した気化部15
へ液体原料(図示せず)を供給して気化する。それと同
時に、筐体11の一端側よりキャリアガス(矢印で示
す)を気化部15方向に導入し、その導入したキャリア
ガスとともに上記気化した液体原料(原料ガス)をシャ
ワーノズル12に形成された複数の孔12aより筐体1
1の外部へ放出する。
【0028】上記液体原料の気化方法では、ヒータ17
によって多数の粒状体14からなる気化部15を加熱し
て、その加熱された気化部15に液体原料を供給して気
化させることから、液体原料の残査によって目詰まりを
起こすことなく、液体原料は粒状体14表面で気化さ
れ、筐体11一端側のキャリアガス供給部11aより供
給されるキャリアガスとともにシャワーノズル12の複
数の孔12aより筐体11外に放出される。
によって多数の粒状体14からなる気化部15を加熱し
て、その加熱された気化部15に液体原料を供給して気
化させることから、液体原料の残査によって目詰まりを
起こすことなく、液体原料は粒状体14表面で気化さ
れ、筐体11一端側のキャリアガス供給部11aより供
給されるキャリアガスとともにシャワーノズル12の複
数の孔12aより筐体11外に放出される。
【0029】次に、本発明の気化器1を用いた薄膜製造
装置(例えば有機金属CVD装置)の一例を、図2のブ
ロック図によって説明する。図2では、主として薄膜製
造装置のガスラインについて説明する。
装置(例えば有機金属CVD装置)の一例を、図2のブ
ロック図によって説明する。図2では、主として薄膜製
造装置のガスラインについて説明する。
【0030】図2に示すように、まず、薄膜製造装置1
01の反応室111へのガス供給系150を以下に説明
する。
01の反応室111へのガス供給系150を以下に説明
する。
【0031】反応室111には、気化器1より原料ガス
を供給する配管151が反応室111に設けたノズル
(図示せず)に接続されている。この配管151には、
気化器1側に、反応室111を通さず反応室111の排
気系170に直接接続する配管161を分岐する三方向
バルブ152が設置されている。上記気化器1には原料
ガスを供給する液体供給ポンプ153が接続されてい
る。またキャリアガスを導入するための配管154が接
続されている。この配管154には開閉バルブ155が
設置されている。さらに三方向バルブ152と反応室1
11との間の配管151には供給されるガスを混合する
混合器156が設置され、この混合器156には反応室
111に酸素を供給するための配管157が接続されて
いる。この配管157には開閉バルブ158が設置され
ている。
を供給する配管151が反応室111に設けたノズル
(図示せず)に接続されている。この配管151には、
気化器1側に、反応室111を通さず反応室111の排
気系170に直接接続する配管161を分岐する三方向
バルブ152が設置されている。上記気化器1には原料
ガスを供給する液体供給ポンプ153が接続されてい
る。またキャリアガスを導入するための配管154が接
続されている。この配管154には開閉バルブ155が
設置されている。さらに三方向バルブ152と反応室1
11との間の配管151には供給されるガスを混合する
混合器156が設置され、この混合器156には反応室
111に酸素を供給するための配管157が接続されて
いる。この配管157には開閉バルブ158が設置され
ている。
【0032】次に反応室111の排気系170を以下に
説明する。反応室111に設けた排気口(図示せず)に
は、第1の排気管171が接続されている。この第1の
排気管171には、反応室111側より、コンダクタン
スバルブ172、トラップ173、開閉バルブ174、
ロータリーポンプもしくはブースターポンプからなる排
気ポンプ175が直列にかつ順に設けられている。
説明する。反応室111に設けた排気口(図示せず)に
は、第1の排気管171が接続されている。この第1の
排気管171には、反応室111側より、コンダクタン
スバルブ172、トラップ173、開閉バルブ174、
ロータリーポンプもしくはブースターポンプからなる排
気ポンプ175が直列にかつ順に設けられている。
【0033】前記配管161は、反応室111とコンダ
クタンスバルブ172との間の第1の排気管171に接
続されている。また開閉バルブ174と排気ポンプ17
5との間の第1の排気管171には、配管176が接続
されている。この配管176の端部にはリークバルブ1
77が設置されている。また第1の排気管171とリー
クバルブ177との間の配管176には、排気ポンプ1
75の排気側に接続された第1の排気管171に接続さ
れる配管178が接続されている。
クタンスバルブ172との間の第1の排気管171に接
続されている。また開閉バルブ174と排気ポンプ17
5との間の第1の排気管171には、配管176が接続
されている。この配管176の端部にはリークバルブ1
77が設置されている。また第1の排気管171とリー
クバルブ177との間の配管176には、排気ポンプ1
75の排気側に接続された第1の排気管171に接続さ
れる配管178が接続されている。
【0034】さらに、反応室111には、上記開閉バル
ブ174と排気ポンプ175との間の第1の排気管17
1に接続する第2の排気管181が設けられている。こ
の第2の排気管181には開閉バルブ182が設置さ
れ、その開閉バルブ182と反応室111との間の第2
の排気管181より配管183が分岐されていて、その
配管183端部にはリークバルブ184が設置されてい
る。
ブ174と排気ポンプ175との間の第1の排気管17
1に接続する第2の排気管181が設けられている。こ
の第2の排気管181には開閉バルブ182が設置さ
れ、その開閉バルブ182と反応室111との間の第2
の排気管181より配管183が分岐されていて、その
配管183端部にはリークバルブ184が設置されてい
る。
【0035】次に、気化器1の排気系190について説
明する。気化器1には第3の排気管191が接続されて
いる。この第3の排気管191には、気化器1側より順
に、バルブ192、トラップ193、排気装置となる排
気ポンプ(例えばドライポンプ)194が直列に設置さ
れている。
明する。気化器1には第3の排気管191が接続されて
いる。この第3の排気管191には、気化器1側より順
に、バルブ192、トラップ193、排気装置となる排
気ポンプ(例えばドライポンプ)194が直列に設置さ
れている。
【0036】上記説明したガスラインは、一例であっ
て、その他の構成のガスラインであっても、上記薄膜製
造装置の反応室111に接続することは可能である。
て、その他の構成のガスラインであっても、上記薄膜製
造装置の反応室111に接続することは可能である。
【0037】次に、上記ガスラインの標準的な操作手順
例を以下に説明する。
例を以下に説明する。
【0038】まず、全ての開閉バルブは閉じた状態にし
ておき、成膜を行う基板(図示せず)を反応室111内
の所定位置に載置する。なお、必要に応じて基板は加熱
される。
ておき、成膜を行う基板(図示せず)を反応室111内
の所定位置に載置する。なお、必要に応じて基板は加熱
される。
【0039】その状態で開閉バルブ158を開いて反応
室111の内部に酸素ガスを導入し、それとともに、開
閉バルブ174を開いて排気ポンプ175を動作させ、
さらにコンダクタンスバルブ172を調整することによ
り反応室111内を所定の圧力に保持する。そして、反
応室内にプラズマ放電を発生させる。
室111の内部に酸素ガスを導入し、それとともに、開
閉バルブ174を開いて排気ポンプ175を動作させ、
さらにコンダクタンスバルブ172を調整することによ
り反応室111内を所定の圧力に保持する。そして、反
応室内にプラズマ放電を発生させる。
【0040】それと同時に、液体供給ポンプ153を動
作させて有機金属を溶解した液体原料を100℃〜24
0℃に保持された気化器1に供給し、それを気化器1で
気化させる。そして開閉バルブ154を開いて気化器1
にキャリアガスを供給し、同時にバルブ192を開き、
そのキャリアガスとともに原料ガスを排気する。
作させて有機金属を溶解した液体原料を100℃〜24
0℃に保持された気化器1に供給し、それを気化器1で
気化させる。そして開閉バルブ154を開いて気化器1
にキャリアガスを供給し、同時にバルブ192を開き、
そのキャリアガスとともに原料ガスを排気する。
【0041】その後、プラズマ放電が安定してから、三
方向バルブ152を気化器1と反応室111とが連通す
る状態に開き、キャリアガスとともに液体原料を気化さ
せて得た原料ガスを反応室111方向に搬送し、反応室
111の直前の混合器156で配管157により供給さ
れる酸素ガスを混合して、その混合ガスを反応室111
内に導入する。そして、原料ガスと酸素はプラズマ放電
により分解され、その分解物が基板上に堆積して薄膜を
形成する。
方向バルブ152を気化器1と反応室111とが連通す
る状態に開き、キャリアガスとともに液体原料を気化さ
せて得た原料ガスを反応室111方向に搬送し、反応室
111の直前の混合器156で配管157により供給さ
れる酸素ガスを混合して、その混合ガスを反応室111
内に導入する。そして、原料ガスと酸素はプラズマ放電
により分解され、その分解物が基板上に堆積して薄膜を
形成する。
【0042】基板上に薄膜が所定の膜厚に成膜されたと
きに、三方向バルブ152を操作して、反応室111内
への原料ガスの供給を停止することにより成膜を終了す
る。それとともにプラズマ放電を停止させ、さらに液体
供給ポンプ153の動作を停止して、また開閉バルブ1
55、158を閉じてキャリアガスおよび酸素ガスの供
給を停止する。
きに、三方向バルブ152を操作して、反応室111内
への原料ガスの供給を停止することにより成膜を終了す
る。それとともにプラズマ放電を停止させ、さらに液体
供給ポンプ153の動作を停止して、また開閉バルブ1
55、158を閉じてキャリアガスおよび酸素ガスの供
給を停止する。
【0043】その後、反応室111内のガスを排気した
後、開閉バルブ174を閉じて、排気装置を停止する。
そしてリークバルブ184を開いて反応室111内に例
えば窒素をパージし、リークバルブ184を閉じる。そ
の後、反応室111より基板を取り出す。
後、開閉バルブ174を閉じて、排気装置を停止する。
そしてリークバルブ184を開いて反応室111内に例
えば窒素をパージし、リークバルブ184を閉じる。そ
の後、反応室111より基板を取り出す。
【0044】反応室111より基板を取り出した後、開
閉バルブ174、182を開き、排気装置を稼働させて
反応室111内を排気する。そして、上記説明した手順
を繰り返すことにより、成膜を行う。
閉バルブ174、182を開き、排気装置を稼働させて
反応室111内を排気する。そして、上記説明した手順
を繰り返すことにより、成膜を行う。
【0045】また、気化器1内のガスを排気するとき
は、バルブ192を開き、排気ポンプ(ドライポンプ)
194を稼働することにより、気化器1内のガスを排出
することができる。さらに、定期的に気化器1を溶媒ガ
スにより洗浄する場合には、気化器1に洗浄用の溶媒ガ
スを供給するとともに気化器の排気系190に接続され
た排気ポンプ(ドライポンプ)194により気化器1内
を排気すればよい。
は、バルブ192を開き、排気ポンプ(ドライポンプ)
194を稼働することにより、気化器1内のガスを排出
することができる。さらに、定期的に気化器1を溶媒ガ
スにより洗浄する場合には、気化器1に洗浄用の溶媒ガ
スを供給するとともに気化器の排気系190に接続され
た排気ポンプ(ドライポンプ)194により気化器1内
を排気すればよい。
【0046】次に、図2によって説明したMOCVD装
置を用いて、強誘電体のSrBi2Ta2 O9 薄膜を成
膜する一例を以下に説明する。
置を用いて、強誘電体のSrBi2Ta2 O9 薄膜を成
膜する一例を以下に説明する。
【0047】シリコン基板上に熱酸化膜の酸化シリコン
膜を例えば300nmの厚さに形成した後、スパッタリ
ングによって、チタン(Ti)膜を例えば30nmの厚
さに形成し、さらにその上に白金膜を例えば200nm
の厚さに成膜する。上記構成の基板をMOCVD装置内
の基板加熱用ヒータが備えられたステージ上に載置し、
基板を350℃〜650℃に加熱する。そしてMOCV
D装置の反応室内を一旦真空引きした後、Bi(C6 H
5 )3 、Sr(THD)2 ・teraglyme、Ta
(i−OC3 H7 )4 THDの各有機金属を所定の濃度
でTHF溶液中に溶解した液体ソースを所定の割合で混
合した混合溶液を200℃に保持された気化器に液体ポ
ンプで0.05ml/minの割合で滴下して気化器内
に設置された小球の表面で気化させる。この成膜では、
ZrO2 製の直径2mmの小球を用いた。気化した混合
ガスをアルゴン(Ar)キャリアガス(流量:例えば2
00cm3 /min)とともに搬送して、反応室の前段
で酸素(O2 )ガス(流量:例えば200cm3 /mi
n)と混合した後、成膜室内に導入して、反応ガス圧を
例えば13.3Pa〜2.67kPaに設定して成膜を
行う。
膜を例えば300nmの厚さに形成した後、スパッタリ
ングによって、チタン(Ti)膜を例えば30nmの厚
さに形成し、さらにその上に白金膜を例えば200nm
の厚さに成膜する。上記構成の基板をMOCVD装置内
の基板加熱用ヒータが備えられたステージ上に載置し、
基板を350℃〜650℃に加熱する。そしてMOCV
D装置の反応室内を一旦真空引きした後、Bi(C6 H
5 )3 、Sr(THD)2 ・teraglyme、Ta
(i−OC3 H7 )4 THDの各有機金属を所定の濃度
でTHF溶液中に溶解した液体ソースを所定の割合で混
合した混合溶液を200℃に保持された気化器に液体ポ
ンプで0.05ml/minの割合で滴下して気化器内
に設置された小球の表面で気化させる。この成膜では、
ZrO2 製の直径2mmの小球を用いた。気化した混合
ガスをアルゴン(Ar)キャリアガス(流量:例えば2
00cm3 /min)とともに搬送して、反応室の前段
で酸素(O2 )ガス(流量:例えば200cm3 /mi
n)と混合した後、成膜室内に導入して、反応ガス圧を
例えば13.3Pa〜2.67kPaに設定して成膜を
行う。
【0048】次いで、上記プロセスによって得られた膜
を、例えば700℃の常圧酸素雰囲気中で例えば20分
間の熱処理を行う。そして得られたSrx Biy Ta
2.0O9 +d膜(0.6≦x≦1.2、1.7≦y≦2.
5、0≦d≦1.0)(厚さが100nm)上に、スパ
ッタリングによって上部電極を100nmの厚さの白金
膜で形成する。その後、725℃で1時間の酸素雰囲気
中の熱処理を行った後、P−Vヒステリシスを測定し
た。その結果、2Prが10μC/cm3 〜22μC/
cm3 、2Ecが100kV/cm〜150kV/cm
という良好な値が得られた。
を、例えば700℃の常圧酸素雰囲気中で例えば20分
間の熱処理を行う。そして得られたSrx Biy Ta
2.0O9 +d膜(0.6≦x≦1.2、1.7≦y≦2.
5、0≦d≦1.0)(厚さが100nm)上に、スパ
ッタリングによって上部電極を100nmの厚さの白金
膜で形成する。その後、725℃で1時間の酸素雰囲気
中の熱処理を行った後、P−Vヒステリシスを測定し
た。その結果、2Prが10μC/cm3 〜22μC/
cm3 、2Ecが100kV/cm〜150kV/cm
という良好な値が得られた。
【0049】上記成膜工程を連続して50時間行うと、
従来の気化器を使用した場合には、目詰まりによって、
強誘電体膜を用いたキャパシタに動作不良が発生するた
め、気化器内の洗浄や多孔質円盤の交換が必要になって
いた。一方、本発明の気化器を備えたMOCVD装置で
成膜を行った場合には、連続成膜時間が200時間を越
えても気化器の目詰まりや、SBT膜の成膜組成ずれ等
の問題が発生することなく、正常に成膜を行うことがで
きた。図3の気化器内の圧力とサンプル作製回数との関
係図に示すように、12分間の成膜を10回連続して行
った場合の気化器内の圧力変動を測定した結果は、従来
の気化器では気化器内の圧力が55%上昇したのに対し
て、本発明の気化器では3%の圧力上昇にとどまった。
従来の気化器を使用した場合には、目詰まりによって、
強誘電体膜を用いたキャパシタに動作不良が発生するた
め、気化器内の洗浄や多孔質円盤の交換が必要になって
いた。一方、本発明の気化器を備えたMOCVD装置で
成膜を行った場合には、連続成膜時間が200時間を越
えても気化器の目詰まりや、SBT膜の成膜組成ずれ等
の問題が発生することなく、正常に成膜を行うことがで
きた。図3の気化器内の圧力とサンプル作製回数との関
係図に示すように、12分間の成膜を10回連続して行
った場合の気化器内の圧力変動を測定した結果は、従来
の気化器では気化器内の圧力が55%上昇したのに対し
て、本発明の気化器では3%の圧力上昇にとどまった。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の気化器に
よれば、ヒータによって気化部が加熱され、その気化部
は筐体内の原料ガス排出部側に充填した多数の粒状体か
らなるので、粒状体間に十分な隙間を確保することがで
きるとともに、液体原料を気化させるのに必要な表面積
を確保することができる。よって、液体原料を効率よく
気化することができるようになり、また蒸気圧の低い原
料ソースが残査として気化器内に残留することによる成
膜組成の経時変化や気化器の目詰まりによる気化器内の
圧力上昇が無くすことができる。よって、メンテナンス
寿命を延ばすことができるので、量産性の向上が図れ
る。
よれば、ヒータによって気化部が加熱され、その気化部
は筐体内の原料ガス排出部側に充填した多数の粒状体か
らなるので、粒状体間に十分な隙間を確保することがで
きるとともに、液体原料を気化させるのに必要な表面積
を確保することができる。よって、液体原料を効率よく
気化することができるようになり、また蒸気圧の低い原
料ソースが残査として気化器内に残留することによる成
膜組成の経時変化や気化器の目詰まりによる気化器内の
圧力上昇が無くすことができる。よって、メンテナンス
寿命を延ばすことができるので、量産性の向上が図れ
る。
【0051】本発明の気化器の使用方法によれば、気化
器の内部圧力を1気圧以下の減圧下とするので、液体原
料の沸点を下げることができ、ヒータの加熱温度を低く
抑えることができる。
器の内部圧力を1気圧以下の減圧下とするので、液体原
料の沸点を下げることができ、ヒータの加熱温度を低く
抑えることができる。
【0052】本発明の液体原料の気化方法によれば、多
数の粒状体からなる気化部を用いているので、粒状体間
に十分な隙間を確保することができるとともに、液体原
料を気化させるのに必要な表面積を確保することができ
る。そのため、多数の粒状体からなる気化部を加熱し
て、その加熱された気化部に液体原料を供給して気化さ
せても、液体原料の残査によって目詰まりを起こすこと
なく、液体原料は粒状体表面で気化することができ、キ
ャリアガスとともに気化部の他端側より放出することが
できる。
数の粒状体からなる気化部を用いているので、粒状体間
に十分な隙間を確保することができるとともに、液体原
料を気化させるのに必要な表面積を確保することができ
る。そのため、多数の粒状体からなる気化部を加熱し
て、その加熱された気化部に液体原料を供給して気化さ
せても、液体原料の残査によって目詰まりを起こすこと
なく、液体原料は粒状体表面で気化することができ、キ
ャリアガスとともに気化部の他端側より放出することが
できる。
【図1】本発明の気化器に係わる実施の形態を示す概略
構成断面図である。
構成断面図である。
【図2】本発明の気化器を用いた薄膜製造装置(有機金
属CVD装置)の一例を示すブロック図である。
属CVD装置)の一例を示すブロック図である。
【図3】気化器内の圧力とサンプル作製回数との関係図
である。
である。
【図4】従来の気化器を示す概略構成断面図である。
【図5】従来の気化器を示す概略構成断面図である。
1…気化器、11…筐体、11a…キャリアガス供給
部、12…シャワーノズル、14…粒状体、15…気化
部、16…原料供給ノズル、17…ヒータ
部、12…シャワーノズル、14…粒状体、15…気化
部、16…原料供給ノズル、17…ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G068 DA04 DB03 DB04 DD03 DD20 4K030 AA11 EA01 KA22 5F045 AA04 AA08 AB31 AB32 AC11 AC16 AD07 AD08 AD09 AD10 AE19 AE21 AE23 AF03 AF10 BB04 BB08 BB10 BB16 EB03 EC07 EE02 EF05 HA16
Claims (9)
- 【請求項1】 一端側にキャリアガス供給部を設け、他
端側に原料ガス排出部を配置した筒状の筐体と、 前記筐体内の前記原料ガス排出部側に充填した多数の粒
状体からなる気化部と、 前記気化部へ液体原料を供給するもので前記気化部より
前記キャリアガス供給部側に放出端を配置した原料供給
ノズルと、 前記筐体の外側に設置したヒータとを備えたことを特徴
とする気化器。 - 【請求項2】 前記粒状体は小球からなり、 前記小球の直径は0.5mm以上5mm以下であること
を特徴とする請求項1記載の気化器。 - 【請求項3】 前記気化部の厚さは2mm以上50mm
以下であることを特徴とする請求項1記載の気化器。 - 【請求項4】 前記気化部の厚さは2mm以上50mm
以下であることを特徴とする請求項2記載の気化器。 - 【請求項5】 一端側にキャリアガス供給部を設け、他
端側に原料ガス排出部を配置した筒状の筐体と、 前記筐体内の前記原料ガス排出部側に充填した多数の粒
状体からなる気化部と、 前記気化部へ液体原料を供給するもので前記気化部より
前記キャリアガス供給部側に放出端を配置した原料供給
ノズルと、 前記筐体の外側に設置したヒータとを備えた気化器の内
部圧力を1気圧以下の減圧下として前記気化器を使用す
ることを特徴とする気化器の使用方法。 - 【請求項6】 筒状の筐体内に充填した多数の粒状体か
らなる気化部を加熱し、 前記加熱した気化部の一端側より液体原料を供給して気
化させて、 前記気化部の一端側より導入されたキャリアガスととも
に前記気化させた液体原料を前記気化部の多端側より放
出することを特徴とする液体原料の気化方法。 - 【請求項7】 前記粒状体には、直径が0.5mm以上
5mm以下の小球を用いることを特徴とする請求項6記
載の液体原料の気化方法。 - 【請求項8】 前記気化部には、前記粒状体を2mm以
上50mm以下の厚さに堆積したものを用いることを特
徴とする請求項6記載の液体原料の気化方法。 - 【請求項9】 前記気化部には、前記小球を2mm以上
50mm以下の厚さに堆積したものを用いることを特徴
とする請求項7記載の液体原料の気化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108977A JP2001295050A (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 気化器、気化器の使用方法および液体原料の気化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000108977A JP2001295050A (ja) | 2000-04-11 | 2000-04-11 | 気化器、気化器の使用方法および液体原料の気化方法 |
Publications (1)
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