JP2001294472A - 木質セメント板及びその製造方法 - Google Patents
木質セメント板及びその製造方法Info
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Abstract
有する木質セメント板を提供することである。 【解決手段】三層構造を有し、表裏層は木質材料として
ウエハーとフレークとを10:0〜8:2重量比として
ウエハーリッチとし、芯層は木質材料としてウエハーと
フレークとを0:10〜4:6重量比としてフレークリ
ッチとすることによって曲げ強度を向上しつゝ耐水性、
耐久性を確保する。
Description
に好適な木質セメント板及びその製造方法に関するもの
である。
用面材としては構造用合板が用いられているが、木材資
源枯渇の折その代替品が求められている。現在その代替
品としては廃材が利用出来るオリエンテッドストランド
ボード(OSB)や中密度繊維板(MDF)が提供され
ている。更に建築用材料としてセメント系無機材料と木
質材料とを原料とし乾式法又は半乾式法によって製造さ
れる木質セメント板が提供されている。このような木質
セメント板は、成形性、加工性、耐久性、耐火性等の点
で優れており、建築物の外壁材等として極めて有用であ
る。
やMDFは耐水性、耐久性、耐火性等の性能面で必ずし
も十分とは云えず、一方木質セメント板は強度の点にお
いて合板、OSB、MDF等の木質系建築板よりも劣る
と云う問題点がある。
板と同等な強度を有する木質セメント板を提供すること
である。
を解決するための手段として、三層構造を有し、表裏層
は水硬性無機材料および木質材料としてウエハーとフレ
ークとを10:0〜8:2重量比で含有する硬化層であ
り、芯層は水硬性無機材料およびウエハーとフレークと
を0:10〜4:6重量比で含有する硬化層である木質
セメント板および板上に水硬性無機材料及びウエハーと
フレークとを10:0〜8:2重量比で含有する表層用
の原料混合物を散布し、該表層用の原料混合物の上に、
水硬性無機材料及びウエハーとフレークとを0:10〜
4:6重量比で含有する芯層用の原料混合物を散布し、
上記表層用の原料混合物と同様な裏層用の原料混合物を
散布して三層構造のマットをフォーミングし、該マット
を水分存在下で圧締して一次硬化せしめ、該一次硬化体
を常温養生又はオートクレーブ養生する木質セメント板
の製造方法を提供するものである。
してウエハーとフレークとを0:10〜4:6重量比の
範囲で使用した芯層はフレークリッチであるから緻密な
ものとなり、圧縮応力に対して高い強度を示し、一方、
木質材料としてウエハーとフレークとを10:0〜8:
2重量比の範囲で使用した表裏層ではウエハーリッチで
あるから該ウエハー相互の接着面積が大きく、該表裏層
は引張応力に対して高い強度を示すため、該木質セメン
ト板は高い曲げ強度を有するものとなる。そのため、本
発明の木質セメント板は十分な強度を発現する。
は表裏層で2.5〜3.5、芯層で1.5〜3.0であ
ることが好ましく、また上記木質セメント板に使用され
るウエハーはストランドであり、該ストランドは該木質
セメント板の表裏層と芯層とで実質的に直交するように
配向せしめられているのが好ましい。また該フレークと
しては、木片セメント板の廃材および/または端材から
分別される廃フレークか、木片セメント板製造工程から
生じる廃フレークを使用することが好ましい。
材料及びウエハーとフレークとを10:0〜8:2重量
比で含有する表層用の原料混合物を散布し、該表層用の
原料混合物の上に、水硬性無機材料及びウエハーとフレ
ークとを0:10〜4:6重量比で含有する芯層用の原
料混合物を散布し、上記表層用の原料混合物と同様な裏
層用の原料混合物を散布して三層構造のマットをフォー
ミングし、該マットを水分存在下で圧締して一次硬化せ
しめ、該一次硬化体を常温養生又はオートクレーブ養生
することにより製造することができる。このとき、該ウ
エハーとしてストランドを使用し、該木質セメント板の
表裏層と芯層とで実質的に直交するように配向して該ス
トランドを散布するのが好ましい。
本発明の木質セメント板は、主として水硬性無機材料と
木質材料とを原料とするものである。
性無機材料としては、ポルトランドセメント、高炉セメ
ント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アル
ミナセメント等のセメント類、シリカ粉、ケイ砂、ケイ
石粉、水ガラス、シリカヒューム、FAバルーン、シラ
スバルーン、パーライト、マイカ、ケイ藻土、ドロマイ
ト等のケイ酸含有物質と上記セメント類とを混合した混
合物;二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生石灰
等の活性石灰含有物質と上記ケイ酸含有物質との混合物
等が例示される。上記セメント系無機材料の中でも、セ
メント類とケイ酸含有物質との混合物が好ましく、セメ
ント類とケイ酸含有物質との混合比(重量比)は1:2
〜6:1であるのが好ましい。
いて使用されるフレークとしては、厚み1mm以下、長さ
2〜10mmのものが好ましい。また該フレークは木質セ
メント板の廃材や端材を粉砕分別することによって得ら
れた廃フレークや木質セメント板製造時に生じる廃フレ
ークを使用することが好ましい。
るウエハーとしては、好ましくはストランドを使用す
る。ウエハーとは、木材を切削することによって製造さ
れる比較的大型の削片であり、ストランドとは、該ウエ
ハーの中でも方向性を有する短冊形のものをいい、木目
が長手方向に沿って形成されている。
m、幅10〜100mm、厚み0.1〜1.5mmの範囲内
であることがが好ましく、ストランドではないウエハー
としては、長さ40〜100mm、幅40〜90mmで比較
的長さと幅とが近接した形状のものを使用するのが好ま
しく、ストランドの場合には、長さ30〜220mm、幅
10〜70mmの範囲内であるのが好ましい。
ものであるのが好ましい。この熱圧密処理を施すことに
より、該ウエハーは板になじみ易くなり、厚さが均一で
寸法安定性に優れた木質セメント板が得られるようにな
る。該熱圧密処理は、通常180℃程度で約5分間行わ
れる。
ウエハーを使用した場合、比較的大型の削片であるウエ
ハー同士は、相互に重なることによって接着面積が大き
くなるため引張応力に対して高い強度を有するものとな
り、また、セメント系無機材料の使用量を減らすことが
できる。特に該ウエハーとしてストランドを使用し、芯
層にもストランドを使用する場合には該ストランドを該
木質セメント板の表裏層と芯層とで実質的に直交するよ
うに配向させることが望ましい。この場合該ストランド
自体が有する木目方向の高い引張強度によって、該木質
セメント板の長手方向および短手方向の両方向の引張応
力に対する強度は、極めて高いものとなる。通常木質セ
メント板の表裏層では該ストランドは長手方向に配向
し、芯層では該ストランドは短手方向に配向する。
には、上記セメント系無機材料及び木質材料以外の成分
として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カ
ルシウム、硫酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、ア
ルミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、水ガラス、蟻酸
カルシウム等の硬化促進剤、バーミキュライト、ベント
ナイト等の鉱物粉末、ワックス、パラフィン、シリコン
等の撥水剤、合成樹脂エマルジョン等の補強材、発泡性
熱可塑性プラスチックビーズ、プラスチック発泡体等が
添加されてもよい。なお、これらの例示は本発明を限定
するものではない。
メント板における表裏層用の原料混合物は、水硬性無機
材料としてセメント類30〜60重量%、ケイ酸含有物
質10〜60重量%並びに木質材料としてウエハーとフ
レークを10:0〜8:2重量比で使用し、上記水硬性
無機材料/木質材料の重量比率は2.5〜3.5とする
のが好ましく、芯層用の原料混合物は、水硬性無機材料
としてセメント類30〜60重量%、ケイ酸含有物質1
0〜60重量%及び木質材料としてウエハーとフレーク
とを0:10〜4:6重量比で使用し、上記水硬性無機
材料/木質材料の重量比率は1.5〜3.0とするのが
好ましい。また製造工程において原料混合物の硬化を促
進するためには、該ケイ酸含有物質の一部にパーライト
を使用するのが好ましい。この場合、該パーライトは、
原料混合物中15重量%以下の量で添加されるのが好ま
しい。更に芯層用のケイ酸含有物質としてパーライト、
FAバルーン、シラスバルーン等の中空軽量体を使用す
ると後記する木質セメント板の製造において圧締圧を高
くして表裏層を緻密にしても、木質セメント板の重量が
大きくならない。
メント板は、いわゆる乾式法又は半乾式法によって製造
するのが好ましい。本発明における製造方法の好ましい
一例としては、まず最初に板(搬送板、基板等)上に表
層用の原料混合物を散布し、次いでその上に芯層用の原
料混合物を散布し、更にその上から表層用原料混合物と
同様な裏層用原料混合物を散布して三層のマットをフォ
ーミングする。
ストランドを使用する場合には、該ストランドは長さ5
0〜80mm、巾10〜20mm、厚さ0.3mm以下のもの
が望ましく、該ストランドは製造する木質セメント板の
所定方向(例えば長手方向)に配向させることが好まし
い。更に該芯層用原料混合物にもストランドを使用する
場合には、該ストランドは表裏層用のストランドよりも
小型で、長さ30〜50mm、巾10mm程度、厚さは表裏
層用のものより厚く0.3〜0.5mmとすることが望ま
しく、該ストランドは該表裏層のストランドと実質的に
直交するように(例えば短手方向)配向させることが好
ましい。該ストランドの配向は常法によって行えばよ
く、例えば、ディスクタイプの散布頭部が回転している
フォーミングマシンや、複数個のスリットを並列した篩
を使用して行うことができる。
水分含有率が15〜50重量%となるように水を添加混
合してから該原料混合物を散布し、乾式法の場合には、
フォーミングした該マットに水分含有率が15〜50重
量%となるように水を添加する。
に散布された芯層用の原料混合物中のフレークはリッチ
であり、ウエハーリッチの該表裏層用原料混合物中のウ
エハー相互の間隙に入り込む。このように表裏層のウエ
ハー相互の間隙に入り込んだ芯層のフレークは、いわゆ
る投錨効果を発現し該表裏層の強度を向上させる。
ーミングされたら、型面が平滑な型板又は型面に凹凸模
様を有する型板を該マットの表面上に載置し、該マット
と共に圧締して加熱状態下で一次硬化せしめる。該一次
硬化において適用される温度は通常50〜100℃であ
り、圧締圧は通常2〜5MPa である。前記したように芯
層に中空軽量体を使用すると、圧締圧を高くして表裏層
を緻密化出来る。上記一次硬化後、得られた一次硬化体
は脱型した上で常温養生又はオートクレーブ養生する。
常温養生は、通常常温で2〜5日間行われ、オートクレ
ーブ養生は、通常85%RH以上の湿度、150〜18
0℃の温度で10〜18時間行われる。常温養生又はオ
ートクレーブ養生後は、乾燥工程を経て表面処理を行
い、製品とする。
裏層との重量の構成比率は、1:2:1〜1:5:1で
あるのが好ましく、特に約1:3:1であるのが好まし
い。また上記木質セメント板の厚みは通常12〜18m
m、比重は1前後である。
板の芯層は、フレークリッチであり、またストランドを
使用する場合でも表裏層のストランドよりも小型で厚み
が大きなものを使用するから、芯層構造が緻密なものと
なるため、吸水、吸湿による厚み変化が抑えられかつ圧
縮応力に対して高い強度を示す。一方該木質セメント板
の表裏層は、木質材料として比較的大型の木材削片であ
るウエハーを使用しており、該ウエハー相互の重なり接
着面積が大きいため、引張応力に対して高い強度を示
す。その結果、該木質セメント板は表面からの外力に対
して高い曲げ強度を有するものとなる。
実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明
の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
が45重量%となるように水を添加した後、表層用の原
料混合物を搬送板上に散布し、その上に芯層用の原料混
合物を散布し、更にその上に裏層用原料混合物(表層用
原料混合物と同じ)を散布して三層構造のマットをフォ
ーミングした。なお、該表裏層用の原料混合物は、該原
料混合物中のストランドが木質セメント板の長手方向に
沿うように配向して散布した。また芯層にもストランド
を使用した場合には、該ストランドが木質セメント板の
短手方向に沿うように配向して散布した。
面圧2MPa の圧力でプレス圧締し、70℃で10時間
加熱して一次硬化せしめた。次に圧締状態を解いて、オ
ートクレーブ内で165℃7時間、蒸気圧6kgf /cm2
で養生し、乾燥工程を経て、三層構造の木質セメント板
を得た。
度(JIS A1409に準拠)、比重、板厚および厚
み膨潤率を測定した。結果を表2に示す。
び芯層にストランドを使用しないもの、比較例3は芯層
にのみストランドを使用したものである。表2をみれば
表裏層にストランドを使用した実施例はすべて良好な曲
げ強度を有するが表裏層および芯層にストランドを使用
しない比較例1、2は実施例に比べると曲げ強度に劣
り、芯層のみにストランドを使用した比較例3でも対応
する実施例6〜11と比べると曲げ強度ははるかに低
い。
匹敵し、耐水性、耐久性、耐火性は一般の木質セメント
板と同等である木質セメント板が提供される。
0)
Claims (9)
- 【請求項1】三層構造を有し、表裏層は水硬性無機材料
および木質材料としてウエハーとフレークとを10:0
〜8:2重量比で含有する硬化層であり、芯層は水硬性
無機材料およびウエハーとフレークとを0:10〜4:
6重量比で含有する硬化層であることを特徴とする木質
セメント板 - 【請求項2】上記水硬性無機材料/木質材料の重量比率
は表裏層で2.5〜3.5、芯層で1.5〜2.5であ
る請求項1に記載の木質セメント板 - 【請求項3】該ウエハーはストランドであり、該ストラ
ンドは所定方向に配向せしめられている請求項1または
2に記載の木質セメント板。 - 【請求項4】該ウエハーはストランドであり、該ストラ
ンドは表裏層と芯層とで実質的に直交するように配向さ
れている請求項1〜3に記載の木質セメント板 - 【請求項5】該フレークは木片セメント板の廃材および
/または端材から分別される廃フレークか、木片セメン
ト板製造工程から生じる廃フレークである請求項1〜4
に記載の木質セメント板 - 【請求項6】板上に水硬性無機材料及びウエハーとフレ
ークとを10:0〜8:2重量比で含有する表層用の原
料混合物を散布し、該表層用の原料混合物の上に、水硬
性無機材料及びウエハーとフレークとを0:10〜4:
6重量比で含有する芯層用の原料混合物を散布し、上記
表層用の原料混合物と同様な裏層用の原料混合物を散布
して三層構造のマットをフォーミングし、該マットを水
分存在下で圧締して一次硬化せしめ、該一次硬化体を常
温養生又はオートクレーブ養生することを特徴とする木
質セメント板の製造方法。 - 【請求項7】上記水硬性無機材料/木質材料の重量比率
は表裏層で2.5〜3.5、芯層で1.5〜2.5であ
る請求項6に記載の木質セメント板の製造方法。 - 【請求項8】該ウエハーはストランドであり、該ストラ
ンドは所定方向に配向せしめられている請求項6または
7に記載の木質セメント板の製造方法。 - 【請求項9】該ウエハーとしてストランドを使用し、該
木質セメント板の表裏層と芯層とで実質的に直交するよ
うに該ストランドを散布する請求項6〜8に記載の木質
セメント板の製造方法。
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