JP2001293456A - グラスウール屑の処理方法およびその装置 - Google Patents

グラスウール屑の処理方法およびその装置

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征之 福森
Takahiro Wakao
隆弘 若尾
Yamato Taniguchi
大和 谷口
Takeyoshi Yamaguchi
剛義 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラスウール屑に混入付着した有機質物を除
去し、残留炭素量を低減してガラス原料として再利用で
きるようにする。 【解決手段】 グラスウール製品の製造過程で排出され
た各種繊維屑を回収し、再利用するための処理方法であ
って、グラスウール屑をガラス歪点またはその付近の温
度に加熱してガラスに付着する有機物の大部分を燃焼除
去する加熱燃焼過程と、さらにグラスウール屑を加熱燃
焼過程の温度を越え、ガラス軟化点またはそれ以下に昇
温して残留炭素を0.3重量%以下に除去するとともに繊
維相互が軟化、橋絡した焼結状態とせしめる焼成過程
と、次いでグラスウール屑を冷却する冷却過程と、冷却
後脆化し粉砕容易としたグラスウール屑を粗粉砕する粉
砕過程とからなるグラスウール屑の処理方法、およびそ
の装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス短繊維(グ
ラスウール)の集綿過程、マット、ボード、プレス品等
の製品の製造過程において発生する各種グラスウール屑
を回収し、これらを板ガラス、容器ガラス、グラスウー
ル等の各種ガラス用原料として再利用するための処理方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人の出願にかかる特公昭59−6255
公報には、ガラスの溶解方法に関し、ガラス溶融窯にお
ける燃焼ガスの排出煙道を工夫設計し、そこにガラス繊
維屑を投入し、排ガス熱を利用して付着有機物を揮散除
去するとともにガラス繊維屑を溶解し窯内に流入させる
ことが開示されている。しかしグラスウール屑における
ような有機結合剤、集綿剤、添着材を多量に含む場合は
付着有機物の除去、グラスウール屑の溶解は困難とな
る。
【0003】また、特開平6−285385号公報には、ガラ
ス繊維屑の粉砕装置に関し、加熱装置での加熱によりガ
ラス繊維屑の付着有機物を除去するとともにガラス繊維
屑自体脆化させ、次いでそれを粉砕すること、ガラス繊
維屑を移送するコンベアを工夫設計すること、粉砕され
たガラス繊維屑をガラス原料として再利用することが開
示されている。この装置はガラス長繊維の紡糸、撚糸過
程で排出される屑におけるような有機結合剤の付着量の
少ない場合は良好に処理できるが、グラスウール屑にお
けるような有機結合剤を多量に含み、あるいは更に不織
布や樹脂シートを添着しているような場合においては、
有機結合剤や添着材を除去し、残留炭素量を極力低減し
てガラス原料として再利用するうえでは充分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記不具合に
鑑み、グラスウール屑に混入付着した有機質物を除去
し、残留炭素量を極力低減してガラス原料として経済的
に再利用するためのグラスウール屑の処理方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、グラスウール
製品の製造過程で排出されたグラスウール屑を回収し、
再利用するための経済的な処理方法であって、グラスウ
ール屑をガラス歪点またはその付近の温度に加熱してグ
ラスウール屑に付着する有機物の大部分を燃焼除去する
加熱燃焼過程と、さらにグラスウール屑を加熱燃焼過程
の温度を越え、ガラス軟化点またはそれ以下の温度に昇
温して残留炭素を0.3重量%以下に除去するとともにグ
ラスウールの繊維相互が密着し嵩の低いシート状焼結状
態とせしめる焼成過程と、次いでグラスウール屑を冷却
する冷却過程と、冷却後脆化したグラスウール屑を粗粉
砕する粉砕過程とからなるグラスウール屑の処理方法で
ある。
【0006】前記において、グラスウール屑を移送しつ
つ、加熱燃焼過程で2〜5分加熱し、更に焼成過程で2
〜5分加熱し、次いで直ちに冷却過程に供することが好
ましい。
【0007】前記グラスウール屑の処理方法に係る装置
であって、貯槽から供給されたグラスウール屑を加熱焼
成炉内に移送するコンベアと、加熱燃焼域と、焼成域
と、冷却域とからなる加熱焼成炉と、粗粉砕装置とから
なるグラスウール屑の処理装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】前記したように、グラスウール屑
にはグラスウールの集綿過程、マット、ボード、プレス
成形等の製品の製造過程において発生する各種のグラス
ウール屑があり、そのなかには、有機質集束剤、結合剤
を付着したものは勿論、不織布や樹脂シートを添着した
ものなど、付着有機物も各種に亘る。
【0009】例えばガラス長繊維屑の場合においてはサ
イジング剤等の有機物の付着量は繊維重量に対して高々
数重量%程度であり、またEガラス長繊維で代表される
ガラス繊維の軟化点が有機物の燃焼可能な温度に対し遥
かに高いことから一気に前記燃焼可能温度を越えて加熱
することにより付着有機物を容易に除去することができ
るが、本発明に係るグラスウール屑の場合は、付着有機
物の量はウール重量に対して10重量%近くないし10数重
量%に及び、またグラスウールのガラス軟化点が有機物
の燃焼可能な温度とより近接していることから付着有機
物を除去するうえでは格別の設計工夫を必要とする。
【0010】本発明においては有機付着物を効率的に燃
焼除去させ、残留炭素を極力低減し、ガラス原料、例え
ば板ガラス原料、容器ガラス原料、グラスウール原料と
して再利用できるように処理するものである。なお、残
留炭素が多いと、ガラス原料として用いる場合その着色
によりいわゆるアンバー色を呈する。また多くの着色ガ
ラスは、二価および三価鉄イオン、三価および六価クロ
ムイオン、一価および二価銅イオン、二価および三価コ
バルトイオン等遷移金属イオンを使用するが、炭素の還
元作用により、 多価イオン←→低価イオン の平衡関係において低価側に変え、従ってイオン着色も
微妙に変化して所期のガラス色調が得られ難くなる。更
にニッケルおよび硫黄分が混入するガラスにおいては炭
素の還元作用により、 ニッケル、酸化ニッケル→硫化ニッケル を生成する作用が働き、該硫化ニッケル(異物)は板ガ
ラス、容器ガラス製造においては高温型から低温型への
転移に際する異常膨脹により、ガラスを破損し、あるい
はグラスウールの紡糸においては糸切れを起こす等弊害
が多い。
【0011】従ってグラスウール屑をガラス原料として
使用するうえで、全バッチ量に対するグラスウール屑の
混入割合にもよるが、グラスウール屑中の残留炭素を0.
3重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下とするのが
よい。
【0012】グラスウール屑は、加熱処理に先立ち、グ
ラスウール屑の中に混在する金属質異物を除去するため
に、前記加熱装置へのグラスウール屑の供給ラインの途
中に金属検出器を設け、その検知信号に基づいて、金属
質異物の混在するグラスウール屑塊のみを前記供給ライ
ンからバイパスさせた分岐装置に移送し、混在異物を人
手等の手段により除去したうえで供給ラインに戻すよう
にすることができる。また、グラスウール紡糸過程で、
ときに発生する充分繊維化しないロッド状のグラスウー
ル屑の場合は、予めグラスウール屑の寸断装置により、
圧潰、寸断、細分化するようにしてもよく、これらは公
知の事項である。
【0013】グラスウールにおけるガラス歪点とは、グ
ラスウール成分組成にもよるが、殆どのグラスウールは
ソーダ石灰系ガラスあるいはソーダ石灰硼珪酸系ガラス
であり、その歪点は約500℃ないし550℃であり、その温
度付近に加熱してもグラスウール自体とグラスウールへ
の付着物、特に付着有機物とが相互反応して該付着物を
グラスウール内に取り込むことがなく、付着有機物を効
率的に除去できる。従って加熱燃焼過程においては前記
温度付近、具体的には500℃ないし580〜590℃に加熱す
ることにより、大部分の有機付着物を燃焼させ、除去す
るものである。また加熱時間は2〜5分程度とするもの
で、2分未満では付着有機物の燃焼除去が不充分であ
り、5分を越えて加熱しても付着有機物の更なる低減は
困難である。好適には3分前後とするのがよい。
【0014】なお、グラスウール屑を前記加熱燃焼過程
を経ずして直にガラス軟化点付近に焼成しようとする
と、グラスウールと付着有機物が反応し、有機物(炭素
分)がグラスウール内に取り込まれて炭素分の除去が不
充分となり易い。
【0015】グラスウールにおけるガラス軟化点は、前
記ガラス成分系においては約700℃ないし750℃であり、
その温度以下であれば、グラスウール屑の加熱炉の壁体
やグラスウール屑の移送手段への融着を防ぐことがで
き、また残余の有機付着物を極力除去することができ
る。従って焼成過程においては前記軟化点以下、具体的
には650℃〜660℃ないし750℃で焼成することにより、
嵩高のグラスウールの繊維相互が密着して嵩の低いシー
ト状焼結状態として後工程の冷却、脆化を容易とし、か
つ加熱炉壁や移送手段に溶着することもなく、また残留
炭素を0.3%重量以下に除去することができる。前記し
たように残留炭素はより好ましくは0.2重量%以下とす
るのがよい。焼成時間は、効率面、経済面を考慮して2
〜5分とするもので、2分未満では焼成が不充分で残留
炭素分を0.3重量%以下とするのが困難であり、5分を
越えて加熱しても残留炭素の更なる低減は見込めない。
好適には3分前後とするのがよい。
【0016】冷却過程においては、該冷却域に冷却用の
空気を吹き込むことによりグラスウール屑を急冷するも
ので、それにより、グラスウール屑は脆化して粉砕容易
な状態になる。更に前記冷却されたグラスウール屑は粗
粉砕装置において粉砕され、粒径0.5〜2mm程度の粒状
に粉砕される。通常ガラス原料として利用するうえで前
記粒度範囲であれば充分使用できるものであるが、更に
必要であれば微粉砕することもできる。
【0017】以下図1の本発明にかかる加熱焼成炉、粉
砕装置の概略側面図を基に本発明を説明する。図示しな
いが、グラスウール屑は加熱焼成炉での加熱処理に先立
ち、グラスウール屑の中に混在する金属質異物を除去
し、また、グラスウール紡糸過程でときに発生する充分
繊維化しないロッド状のグラスウール屑を圧潰、寸断、
細分化するいわゆる前処理を施すのが好ましい。
【0018】前処理されたグラスウール屑gは、原料タ
ンク1よりコンベア2に供給する。コンベア2には、ニ
ッケルを含有しない金属製のワイヤメッシュベルトを用
いるのがよく、それは先述のごとくグラスウール屑gに
混入したニッケルにもとづく硫化ニッケルの生成、およ
びそれによる弊害を防ぐためである。
【0019】コンベア2により、グラスウール屑gは加
熱焼成炉3に移送される。加熱焼成炉3は、グラスウー
ル屑をガラス歪点またはその付近の温度に加熱し、グラ
スウール屑に付着した有機質集束剤、結合剤、添着材の
大部分を燃焼除去する加熱燃焼過程4と、グラスウール
屑を前記加熱燃焼過程における温度を越え、ガラスの軟
化点またはそれ以下に昇温し残留炭素を除去する焼成過
程5と、焼成過程を経たグラスウール屑を直ちに冷却す
る冷却過程6とを有する。前記各過程4、5、6は仕切
り壁12、12により仕切られる。
【0020】加熱焼成炉における加熱燃焼過程4には熱
源、例えばガスバーナ7を配し、ガス燃焼によりグラス
ウール屑の温度を例えば500〜590℃に2〜5分加熱し、
有機質集束剤、結合剤を付着したものは勿論、不織布や
樹脂シート等を添着したものを燃焼除去する。この時点
でグラスウール屑に付着した炭素分は0.8〜1重量%程
度に低減できる。
【0021】なお、加熱燃焼過程4からの燃焼排ガス
は、未だ燃焼性ガスを含有しているので、吸引ダクト
(図示せず)より配管8を介して二次燃焼装置9に送入
し、該二次燃焼装置で完全燃焼させ、該完全燃焼ガスを
加熱燃焼過程4の加熱源として利用するようにする。
【0022】次いで焼成過程5において、ガスバーナー
7’からの燃焼ガスによりグラスウール屑を加熱焼成過
程の温度を越え、ガラス軟化点またはそれ以下の温度、
例えば650〜750℃で2〜5分焼成し、残留炭素を0.3重
量%以下、より好ましくは0.2重量%以下に抑制する。
【0023】なお、焼成過程5からの燃焼排ガスは、吸
引ダクト(図示せず)より配管10を介して焼成過程5の
前段に戻して焼成過程5における加熱源とし、あるいは
更に先述二次燃焼装置9まで送入したうえで加熱燃焼過
程4の加熱源として利用するようにする。
【0024】冷却過程6には該域に冷却用の空気を吹き
込む急冷用吹込フアン11が設置されており、図示しない
がコンベアベルト下側から冷却用空気を吹上げ、グラス
ウール屑を急冷する。なお、昇温した前記冷却用空気の
排出空気は、図示しない適宜配送管を介して焼成過程5
に設置したガスバーナ7’群の燃焼用二次空気として利
用することができる。冷却過程6から排出したグラスウ
ール屑gは約120℃程度になる。
【0025】加熱焼成炉3で処理されたグラスウール屑
はシューター13等の適宜送入手段を経てハンマークラッ
シャー14等の粗粉砕装置に送入され、そこで粉砕されて
粒径0.5〜2mm程度の粒状に粉砕される。なお、グラス
ウール屑は脆化しているので粉砕は容易である。
【0026】上記粗粉砕されたグラスウール屑は、バケ
ットエレベーター15等の適宜送入手段で精製品サイロ16
に収容される。なお、図示しないが前記送入の間、マグ
ネットで新たに混入する金属を除去する等の手段を構ず
ることが可能であることはいうまでもない。また、必要
に応じ、前記粗粉砕されたグラスウール屑をボールミル
等で微粉砕するようにし、精製品とすることもできる。
【0027】
【実施例】〔実施例A〕不織布を添着した付着有機物10
重量%(/グラスウール重量)を越えるをグラスウール
屑(ソーダ石灰シリカ系ガラス:軟化点720℃)を用
い、図1に示す加熱焼成炉により各種加熱燃焼、焼成条
件で加熱し、その際のグラスウール屑中の残留炭素量を
化学分析した。表1において、一段焼成とは焼成域のみ
での加熱を示す。
【0028】表から明らかなとおり、試料NO.14、15に
おいて残留炭素分が0.2重量%以下であり、極めて良好
な結果を示す。また、試料NO.12においても良好であ
る。試料NO.16は残留炭素分が0.2重量%以下であるが、
二段目焼成においてガラス軟化温度よりも相当高い温度
に加熱したため、グラスウール屑の軟化が進行してコン
ベアベルトへの融着がはじまる。経済面、実操面から好
ましいものではない。
【0029】
【表1】
【0030】〔実施例B〕実施例Aで得られた主な試料
について、例えば板ガラス原料として使用することを目
的とし、通常のソーダ石灰シリカ系ガラス原料と所定割
合(ガラス量換算の重量割合)で混合したうえでルツボ
に充填し、電気炉内で1450℃、約1時間溶融後、ルツボ
を取出してガラスをガーボン板上に流し出し、分析によ
りFe2+/Fe3 +イオン還元比(%)を求め、また5mm厚の
板状に研磨し、常法により主波長、刺激純度を測定し
た。
【0031】表2に示すとおり、実施例1〜4において
は、ガラス原料(バッチ)のみを溶融した場合と殆ど変
化のない性状を示す。低炭素含有量(0.2重量%以下)で
あれば全ガラス原料中20重量%程度の導入量においても
ガラス原料(バッチ)のみの場合と光学特性に差異がな
いが、やや多い炭素含有量(0.2重量%超過、0.3重量%
以下)であると、10重量%以上の導入では変化を来す恐
れがある。
【0032】一方、比較例1は、精製グラスウール屑中
の炭素含有量が極めて多いため、グラスウール屑の少量
の導入でも溶融ガラスのFe2+/Fe3+還元比が上昇し、ア
ンバーの発生や、ガラスの色調に青緑傾向を呈するとい
う不具合がある。また、比較例2も、精製グラスウール
屑中の炭素含有量が本発明の範囲を越えるものであり、
グラスウール屑の導入を多くすると、全体の炭素導入量
が増加してFe2+/Fe3+還元比が35%を越える。還元比が
前記程度になると、ニッケル源が混入した場合(ニッケ
ルのガラス原料への混入、燃料中の混在は不可避であ
る)に硫化ニッケルが生成し易いことは明らかであり、
溶融過程においても、品質においても不適当である。
【0033】
【表2】
【0034】〔実施例C〕ガラス原料に炭素源として黒
鉛を導入した場合、別に炭素源として実施例Aにより得
られた炭素含有ウール屑を導入した場合(低炭素濃度の
ケース、高炭素濃度のケース)につき、夫々加熱溶融し
実施例B同様にガラスを得、ガラス中への炭素(黒鉛換
算)導入量と、ガラスにおけるFe2+/Fe3+イオン還元比
(%)の関係を比較した。結果を図2のグラフに示す。
図中縦軸はFe2+/Fe3+イオン還元比(%)、横軸は炭素
導入量(重量%)である。また、主な炭素導入量(重量
%/ガラス)と、上記各ケースにおけるFe2+/Fe3+イオ
ン還元比(%)を表3に示す。
【0035】炭素源は、元来清澄剤である芒硝の分解促
進剤として使用され、ガラスを清澄化する作用を助ける
ものであり、芒硝の分解にあずかる限り(すなわち黒鉛
のかたちで導入する限り)てFe2+/Fe3+イオン還元比を
大きく上昇させることはない。図2、表3から明らかな
ように各ケースにおいて同量の導入炭素量の場合、黒鉛
を採用したケースにおいてはガラスを還元する作用は小
さい。炭素含有量の多い(高炭素濃度の)ウール屑を採
用したケースにおいてはガラスを還元する作用が遙かに
強く、また炭素含有量の少ない(低炭素濃度の)ウール
屑を採用したケースにおいては還元作用さほど強くな
い。
【0036】これは、炭素含有ウール屑におけるグラス
ウールの表層に付着していた炭素分が、ガラス溶融過程
の低温域でウール屑の軟化に伴いガラス中に取り込ま
れ、芒硝と反応し難くなることによると推察される。す
なわちウール屑中の含有炭素は芒硝の分解促進としての
作用よりもガラスを還元側に移行させる作用が大きく、
特に炭素含有量の多い(高炭素濃度の)ウール屑におい
てその作用が著しい。なお、還元作用が高じるとニッケ
ル源が混入した際(ニッケルのガラス原料への混入、燃
料中の混在は不可避である)に硫化ニッケルが生成し易
いことを示すもので、溶融過程においても、品質におい
ても不適当である。従ってウール屑の炭素含有量は、極
力低くすることが望ましい。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、グラスウール屑、特に
有機質結合剤や不織布、樹脂シート等を伴ったグラスウ
ール屑を、加熱燃焼過程、焼成過程を経て効率的に処理
し、残留炭素分を0.3%以下としたことにより、前記炭
素分による弊害を排除して板ガラス、容器ガラス原料、
ガラス長繊維、グラスウール原料として有効に再利用で
きる。また、加熱燃焼過程、焼成過程で発生した燃焼排
ガスを再度加熱源として用いることにより、加熱効率を
向上させるとともに、排ガスによる環境汚染、公害問題
も回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加熱焼成炉、粉砕装置の概略側
面図である。
【図2】ガラス原料に炭素源として黒鉛、炭素含有ウー
ル屑を導入した場合のガラス中への炭素(黒鉛換算)導
入量と、ガラスにおけるFe2+/Fe3+イオン還元比(%)
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
g グラスウール屑 1 原料タンク 2 コンベア 3 加熱焼成炉 4 加熱燃焼域 5 焼成域 6 冷却域 7、7' ガスバーナー 9 二次燃焼装置 14 粗粉砕装置 16 精製品サイロ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 大和 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 山口 剛義 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社生産技術研究所内 Fターム(参考) 4D004 AA18 AB10 AC05 BA10 CA04 CA28 CA30 CA32 CB04 CB13 CB34 CB37 CB42 CB46 DA03 DA06 DA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラスウール製品の製造過程で排出され
    たグラスウール屑を回収し、再利用するための処理方法
    であって、グラスウール屑をガラス歪点またはその付近
    の温度に加熱してガラスに付着する有機物の大部分を燃
    焼除去する加熱燃焼過程と、さらにグラスウール屑を加
    熱燃焼過程の温度を越え、ガラス軟化点またはそれ以下
    の温度に昇温して残留炭素を0.3重量%以下に除去する
    とともにグラスウールの繊維相互が密着し嵩の低いシー
    ト状焼結状態とせしめる焼成過程と、次いでグラスウー
    ル屑を冷却する冷却過程と、冷却後脆化したグラスウー
    ル屑を粗粉砕する粉砕過程とからなることを特徴とする
    グラスウール屑の処理方法。
  2. 【請求項2】 グラスウール屑を移送しつつ、加熱燃焼
    過程で2〜5分加熱し、更に焼成過程で2〜5分加熱
    し、次いで直ちに冷却過程に供することを特徴とする請
    求項1記載のグラスウール屑の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のグラスウール屑
    の処理方法に係る装置であって、貯槽から供給されたグ
    ラスウール屑を加熱焼成炉内に移送するコンベアと、加
    熱燃焼域と、焼成域と、冷却域とからなる加熱焼成炉
    と、粗粉砕装置とからなることを特徴とするグラスウー
    ル屑の処理装置。
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