JP2001292455A - 画像処理方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理方法および装置並びに記録媒体

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JP2001292455A JP2000104978A JP2000104978A JP2001292455A JP 2001292455 A JP2001292455 A JP 2001292455A JP 2000104978 A JP2000104978 A JP 2000104978A JP 2000104978 A JP2000104978 A JP 2000104978A JP 2001292455 A JP2001292455 A JP 2001292455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単板CCDのような撮像デバイスにおいて得
られる画像データについて、所定方向およびこれに直交
する方向についての信号推定値を重み付け加算して全画
素位置における信号値を推定するに際し、重み付け係数
算出のための演算量を低減する。 【解決手段】 第1補間手段11では所定方向について
の信号値Q1が算出され、第2補間手段12ではこれに
直交する方向について信号値Q2が算出される。変動値
算出手段13では、信号値を算出する画素位置での所定
方向および直交方向の信号値の変動量を変動値SA,S
Bとして算出する。複数の重み付け係数に対する変動値
SA,SBの対応関係をメモリ14Aに記憶しておき、
重み付け係数選択手段14はメモリ14Aを参照して重
み付け係数Sjを選択する。重み付け加算手段15にお
いては、選択された重み付け係数Sjにより信号Q1,
Q2を重み付け加算してR信号QR、B信号QBを求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単板CCDのよう
な撮像デバイスにおいて得られた信号値を用いて、撮像
デバイスの全画素位置における信号値を推定する画像処
理方法および装置並びに画像処理方法をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読
取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラに用いられるCCD等の
撮像デバイスとしては、分光感度が異なる複数種類の光
電変換素子を同一平面上に交互に配置して構成されてい
るものが知られている(以下単板CCDと称する)。こ
こで、R,G,Bのそれぞれに分光感度を有する光電変
換素子、すなわちR,G,Bの各チャンネルの光電変換
素子を交互に配置した単板CCDの場合、連続したR,
G,Bチャンネルの3個の光電変換素子の組が1つの画
素を構成することとなる。しかしながら、このような単
板CCDにおいては各画素のR,G,B信号値を同一画
素位置において得ることができないため、色ずれや偽色
が生じることがある。また、各チャンネルの光電変換素
子数は単板CCDを構成する全素子数よりも少ないた
め、高解像度の画像を得ることができない。例えばR,
G,B各チャンネルの光電変換素子を交互に配置した単
板CCDにおいては、各チャンネルの光電変換素子数は
全素子数の1/3しかないため、同一素子数のモノクロ
撮像装置に比べて解像度が1/3となってしまう。この
ため、R,G,B各チャンネルの光電変換素子が存在し
ない部分における信号値を補間処理により求める方法が
提案されているが、単に補間処理を行うのみでは、信号
値が大きく変化する部分において偽色が発生することが
ある。この場合、撮像系に光学ローパスフィルタを使用
したり、撮像信号に対してローパスフィルタによる平滑
化処理を行うことにより偽色の発生を防止することがで
きるが、この場合解像度が悪化するという問題がある。
【0003】ここで、人間の視覚特性は色よりも輝度に
対して感度が高いものである。このため、単板CCDに
おいて得られたカラー撮像信号から、各画素の輝度を表
す高周波の輝度信号と、上述した補間処理およびローパ
スフィルタによる平滑化処理によって得られた低周波の
色信号とを生成し、輝度信号および色信号を用いてカラ
ー画像信号を再構成するようにした方法が提案されてい
る(特開平10−200906号等)。この方法によれ
ば、人間の視覚特性において感度が高い輝度成分に対し
てより多くの情報が与えられることとなるため、見かけ
上解像度が高い画像を再現可能なカラー画像信号を得る
ことができる。
【0004】ところで、単板CCDとして、例えば図3
0に示すように市松状に画素が配置されたハニカム配列
のアレイ構造を有するCCDが知られている(例えば特
開平10−136391号)。なお、これを市松状の画
素配列と称することもある。また、図31に示すように
正方状に画素が配置されたベイヤー配列のアレイ構造を
有するCCDも知られている。なお、これを正方状の画
素配列と称することもある。このようなアレイ構造すな
わち画素配列を有する単板CCDにおいても上記と同様
に偽色の問題が生じる。このため、上述したベイヤー配
列のCCDにおいて得られた光量ベースの信号について
偽色を除去するために、画像中の局所的な領域において
はr,g,bの信号の比は略一定であるという仮定に基
づいて、ベイヤー配列のCCDにおける垂直方向または
水平方向のラインにおいて、隣接するラインにおけるr
信号とg信号との比をg信号に乗算することにより、そ
のラインにおけるr信号を算出するようにした方法が知
られている(特開平9−214989号)。この方法
は、具体的には、図32に示す画素配列において、g1
2画素位置におけるr信号r12を求めるには、まずr
11画素位置におけるg11信号を(g6+g16)/
2の演算により算出し、r11:g11=r12:g1
2という仮定に基づいて、r12=g12×r11/g
11の演算によりr12信号を算出するものである。
【0005】しかしながら、上記特開平10−2009
06号等に記載された方法においては、単板CCDにお
いて得られた撮像信号に対してどのようなローパスフィ
ルタにより平滑化処理を施しても、実際の画像における
高周波成分が画像中にすでに折り返されてしまっている
ため、折り返しひずみによるモアレを取り除くことがで
きず、その結果偽色を十分に除去することができない。
【0006】一方、上記特開平9−214989号に記
載された方法によれば、効果的に偽色を除去することが
できる。とくにこの方法は、画像の局所的な領域におい
ては、r:g:bの光量の比が一定であるという仮定に
基づいており、得られたRGB信号の比が光量に比例し
ているアナログ信号である場合には、ベイヤー配列のC
CDにおいて得られる画像信号における偽色を効率よく
除去することができる。しかしながら、デジタルカメラ
により得られる画像信号は、A/D変換を行って光量r
gbをデジタルのRGB信号に変換する場合に、量子化
誤差を低減するため、およびコンピュータ系のビデオ回
路へ信号を入力するために、例えばR=r0.45、R
=log(r)のように、光量に対する指数値、対数値
となるように信号値が表されていることから、r:g:
b=R:G:Bとはならないものである。このため、上
記特開平9−214989号に記載された方法は、信号
値が光量に比例するアナログ信号に対しては偽色を除去
することができるが、信号値が光量の指数値や対数値に
より表されている場合には偽色を除去することはできな
い。また、偽色はベイヤー配列の単板CCDのみならず
ハニカム配列の単板CCDにおいても発生する。
【0007】このため、撮像デバイスにおいて得られた
信号値が、光量に対する指数値や対数値により表されて
いる場合、画像の局所的な領域においてはRGB各信号
値の差は一定であるという前提に基づき、信号値を算出
する画素位置における信号値が変化する方向を考慮し
て、各画素位置における信号値を算出する方法が提案さ
れている(特願平11−212202号)。以下、この
方法について具体的に説明する。
【0008】まず、撮像デバイスであるCCDの画素配
列を図30に示すハニカム配列とし、図33に示すよう
に各画素位置に参照番号を付与する。なお、この画素配
列を正方配列と見なした場合に、信号値を有さない画素
位置を図33において*を用いて示す。また、各チャン
ネルにおいて得られる信号値は8ビットであるものと
し、紙面左上から右下に延在する方向を矢印A方向、紙
面右上から左下に延在する方向を矢印B方向とし、以下
本明細書中においては矢印A方向および矢印B方向は不
変とする。なお、ここではB24画素位置におけるR信
号(以下R(B24)信号と表記する)の算出について
説明する。まず、矢印A方向について、下記の式(1)
によりB24画素位置のR(B24)A信号を求める。
【0009】 R(B24)A=G(B24)A+((R(G33)A-G33)+(R(G15)A-G15))/2 (1) 但し、G(B24)A信号は、画素がB02,G13,
B24,G35…と並ぶライン上のG画素位置における
G信号に対して、矢印A方向に1次元Cubicスプライン
補間演算等の1次元補間演算を施して求めたB24画素
位置のG信号である。また、R(G33)A信号は、画
素が…R22,G33,R44,G55…と並ぶライン
上のR画素位置におけるR信号に対して、矢印A方向に
1次元補間演算を施して求めたG33画素位置のR信号
である。さらに、R(G15)A信号は、画素がR0
4,G15,R26,G37…と並ぶライン上のR画素
位置におけるR信号に対して、矢印A方向に1次元補間
演算を施して求めたG15画素位置のR信号である。
【0010】次に、矢印B方向について、下記の式
(2)によりB24画素位置のR(B24)B信号を求
める。
【0011】 R(B24)B=G(B24)B+((R(G13)B-G13)+(R(G35)B-G35))/2 (2) 但し、G(B24)B信号は、画素がB06,G15,
B24,G33…と並ぶライン上のG画素位置における
G信号に対して、矢印B方向に1次元補間演算を施して
求めたB24画素位置のG信号である。また、R(G1
3)B信号は、画素がR04,G13,R22,G31
…と並ぶライン上のR画素位置におけるR信号に対し
て、矢印B方向に1次元補間演算を施して求めたG13
画素位置のR信号である。さらに、R(G35)B信号
は、画素が…R26,G35,R44,G53…と並ぶ
ライン上のR画素位置におけるR信号に対して、矢印B
方向に1次元補間演算を施して求めたG35画素位置の
R信号である。
【0012】そして、下記の式(3)、(4)により、
B24画素位置における矢印A方向および矢印B方向に
ついての信号値の変動量を表す変動値SA,SBを算出
し、さらに、変動値SA,SBを用いて式(5)により
R(B24)A信号とR(B24)B信号とを重み付け
加算するための重み付け係数Sjを算出する。
【0013】 SA=|B24-G(B24)A|/(B24+G(B24)A) (3) SB=|B24-G(B24)B|/(B24+G(B24)B) (4) Sj=SA/(SA+SB)(SA+SB=0ならSj=0.5) (5) このように重み付け係数Sjが求められると、下記の式
(6)により、R(B24)信号を算出する。
【0014】 R(B24)=(1-Sj)*R(B24)A+Sj*R(B24)B (6) この方法によれば、撮像デバイスにおいて得られた信号
値が指数値や対数値により表されている場合であって
も、偽色を発生させることなく全画素位置における信号
値を求めることができる。また、この方法において、信
号値が変化する方向に応じて、撮像デバイス上の所定方
向およびこれに直交する直交方向について算出された信
号値を上記式(6)に示すように重み付け加算して、各
画素位置における信号値を算出することにより、信号値
の変化方向に拘わらず偽色の発生を防止できるととも
に、アーチファクトの発生をも防止することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平11−21
2202号の方法では、上記式(5)において、変動値
SAに対して変動値SAと変動値SBとの加算値(SA
+SB)による除算を行うことにより、重み付け係数を
算出している。ここで、種々の演算を行う演算回路にお
いては、演算が加算、減算および乗算のみである場合に
は、比較的少ない演算素子により回路を構成することが
できる。しかしながら、上記式(5)のように除算が含
まれると、演算が複雑となるため多数の演算素子が必要
となり回路の構成が複雑化するとともに、演算に長時間
を要するものとなる。
【0016】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、簡易な回路構成により重み付け係数を求めることが
できる画像処理方法および装置並びに画像処理方法をコ
ンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコ
ンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目的
とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による画像処理方
法は、異なる分光感度を有する第1から第3の光電変換
素子を単一面上に配置して撮像面が形成された撮像デバ
イスであって、前記第1および前記第2の光電変換素子
を所定方向に交互に配置して第1ラインを形成し、前記
第1および前記第3の光電変換素子を前記所定方向に交
互に配置して第2ラインを形成し、前記所定方向と直交
する直交方向において前記第1および前記第2の光電変
換素子が交互に、かつ前記第1および前記第3の光電変
換素子が交互に配置されるよう、前記第1および前記第
2ラインを前記直交方向に交互に配置することにより、
第1から第3画素からなる前記撮像面が形成された撮像
デバイスにおいて得られた第1から第3信号値に基づい
て、全画素位置における前記第1から第3信号値のうち
少なくとも1つの信号値を推定する画像処理方法におい
て、前記所定方向についての信号値の推定値である所定
方向推定値および前記直交方向についての信号値の推定
値である直交方向推定値を算出し、前記所定方向につい
ての信号値の変動量を表す所定方向変動値および前記直
交方向についての信号値の変動量を表す直交方向変動値
を算出し、前記所定方向変動値および前記直交方向変動
値の加算値に対する前記所定方向変動値または前記直交
方向変動値の比率を、前記所定方向推定値および前記直
交方向推定値を重み付け加算する際の重み付け係数とし
て算出するに際し、前記重み付け係数が一定であるとし
た場合の前記所定方向変動値と前記直交方向変動値との
関係に基づいて、複数の重み付け係数に対する所定方向
変動値および直交方向変動値の対応関係を予め算出して
記憶した記憶手段を参照して、前記所定方向変動値およ
び前記直交方向変動値に基づいて、前記複数の重み付け
係数から一の重み付け係数を選択し、該一の重み付け係
数に基づいて、前記所定方向推定値および前記直交方向
推定値を重み付け加算して、前記第1から第3信号値の
うち少なくとも1つの信号値を推定することを特徴とす
るものである。
【0018】ここで、図30に示すようなハニカム配列
の単板CCDにおいて、第1から第3画素、第1信号値
から第3信号値をそれぞれG,R,Bに対応させるとす
ると、第1ラインは図30上左上から右下方向(これを
所定方向とする)にGR画素を交互に配置したGRライ
ンとなり、第2ラインは第1ラインと同様の方向にGB
画素を交互に配置したGBラインとなる。また、所定方
向と直交する方向にもGRラインおよびGBラインが交
互に配置されている。本発明による画像処理方法は、単
板CCDのような撮像デバイスにおいて得られる信号値
が光量に対する指数値や対数値により表されている場合
には、画像上の局所的な領域において、各信号値の差分
値が等しくなるという前提に基づいて、このような撮像
デバイスにおいて得られた第1から第3信号値から、各
画素位置における全ての信号値を推定するようにしたも
のである。なお、本発明においては撮像デバイスの画素
配列はこれに限定されるものではない。
【0019】「所定方向推定値」および「直交方向推定
値」とは、所定方向および直交方向についてそれぞれ推
定した第1から第3信号値のうち少なくとも1つの信号
値のことである。
【0020】「所定方向変動値および直交方向変動値を
算出する」とは、例えば上記式(3)、(4)に示す演
算方法により変動値SAおよび変動値SBを所定方向変
動値および直交方向変動値として求めることをいう。ま
た、下記の式(7)、(8)に示す演算方法により変動
値SAおよび変動値SBを所定方向変動値および直交方
向変動値として求めてもよい。
【0021】 SA=|B24-G(B24)A| (7) SB=|B24-G(B24)B| (8) なお、本発明による画像処理方法においては、前記記憶
手段に記憶された前記対応関係における前記複数の重み
付け係数が、前記加算値に対する前記所定方向変動値ま
たは前記直交方向変動値の比率が1/2(nは自然
数)となるように設定されてなり、前記重み付け加算
を、前記選択された一の重み付け係数に基づくビットシ
フトにより行うことが好ましい。
【0022】ここで、本発明においては、加算値に対す
る所定方向変動値または直交方向変動値の比率が1/2
(nは自然数)となるように重み付け係数が設定され
ていることから、所定方向推定値および直交方向推定値
を2進数で表した場合、これらに1/2を乗算するこ
とは、これらの推定値を右側にnビットシフトさせるこ
とと等価な演算を行っていることとなる。したがって、
「一の重み付け係数に基づくビットシフト」とは、一の
重み付け係数の値1/2に基づいて、所定方向推定値
および直交方向推定値を右側にnビットシフトさせるこ
とにより、重み付け加算を行うことをいう。
【0023】また、本発明による画像処理方法において
は、前記第1から前記第3の光電変換素子が、それぞれ
G(グリーン)、B(ブルー)、R(レッド)のいずれ
かの色、あるいはY(イエロー)、G(グリーン)、C
(シアン)のいずれかの色に分光感度を有するものであ
ることが好ましい。
【0024】本発明による画像処理装置は、異なる分光
感度を有する第1から第3の光電変換素子を単一面上に
配置して撮像面が形成された撮像デバイスであって、前
記第1および前記第2の光電変換素子を所定方向に交互
に配置して第1ラインを形成し、前記第1および前記第
3の光電変換素子を前記所定方向に交互に配置して第2
ラインを形成し、前記所定方向と直交する直交方向にお
いて前記第1および前記第2の光電変換素子が交互に、
かつ前記第1および前記第3の光電変換素子が交互に配
置されるよう、前記第1および前記第2ラインを前記直
交方向に交互に配置することにより、第1から第3画素
からなる前記撮像面が形成された撮像デバイスにおいて
得られた第1から第3信号値に基づいて、全画素位置に
おける前記第1から第3信号値のうち少なくとも1つの
信号値を推定する画像処理装置において、前記所定方向
についての信号値の推定値である所定方向推定値および
前記直交方向についての信号値の推定値である直交方向
推定値を算出する推定値算出手段と、前記所定方向につ
いての信号値の変動量を表す所定方向変動値および前記
直交方向についての信号値の変動量を表す直交方向変動
値を算出する変動値算出手段と、前記所定方向変動値と
前記直交方向変動値との加算値に対する前記所定方向変
動値または前記直交方向変動値の比率を、前記所定方向
推定値および前記直交方向推定値を重み付け加算する際
の重み付け係数として算出するに際し、前記重み付け係
数が一定であるとした場合の前記所定方向変動値と前記
直交方向変動値との関係に基づいて、複数の重み付け係
数に対する所定方向変動値および直交方向変動値の対応
関係を予め算出して、該対応関係を記憶した記憶手段
と、前記所定方向変動値および前記直交方向変動値に基
づいて、前記記憶手段を参照して前記複数の重み付け係
数から一の重み付け係数を選択する重み付け係数選択手
段と、該一の重み付け係数に基づいて、前記所定方向推
定値および前記直交方向推定値を重み付け加算して、前
記第1から第3信号値のうち少なくとも1つの信号値を
推定する重み付け加算手段とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0025】なお、本発明による画像処理装置において
は、前記記憶手段に記憶された前記対応関係における前
記複数の重み付け係数が、前記加算値に対する前記所定
方向変動値または前記直交方向変動値の比率が1/2
(nは自然数)となるように設定されてなり、前記重み
付け加算手段は、前記重み付け加算を、前記選択された
一の重み付け係数に基づくビットシフトにより行う手段
であることが好ましい。
【0026】さらに、本発明による画像処理装置におい
ては、前記第1から前記第3の光電変換素子が、それぞ
れG、B、Rのいずれかの色に、あるいはY、G、Cの
いずれかの色に分光感度を有するものであることが好ま
しい。
【0027】なお、本発明による画像処理方法をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムとして、コンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0028】また、本発明による画像処理装置をデジタ
ルカメラ等の撮像装置、あるいはスキャナ等の画像読取
装置に搭載して提供してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、所定方向変動値と直交
方向変動値との加算値に対する所定方向変動値または直
交方向変動値の比率を重み付け係数として算出するに際
し、重み付け係数が一定であるとした場合の所定方向変
動値と直交方向変動値との関係に基づいて、複数の重み
付け係数に対する所定方向変動値および直交方向変動値
の対応関係を予め算出しておき、これを記憶手段に記憶
しておく。そして、信号値を推定する画素位置において
所定方向変動値および直交方向変動値を算出し、上記記
憶手段を参照して一の重み付け係数を選択し、この一の
重み付け係数に基づいて、所定方向推定値と直交方向推
定値との重み付け加算を行うようにしたものである。
【0030】ここで、重み付け係数を上記式(5)によ
り算出する場合、これを変動量SBについて解くと、 SB=((1-Sj)/Sj)*SA (9) となる。これは重み付け係数Sjが一定であると、変動
値SAと変動値SBとの関係は比例関係にあることを示
している。したがって、変動値SAを所定方向変動値、
変動値SBを直交方向変動値と対応させ、x軸を所定方
向変動値、y軸を直交方向変動値とする2次元平面を設
定すると、この2次元平面上においては、複数の重み付
け係数はその重み付け係数に応じた傾きを有する原点を
通る(厳密には原点を含まないが)直線として表される
ものとなる。
【0031】本発明においては、例えば重み付け係数に
応じた傾きを有する複数の直線により、2次元平面を複
数の領域に分割して、これを複数の重み付け係数に対す
る所定方向変動値および直交方向変動値の対応関係とし
て求めてこれを記憶手段に記憶しておき、算出された所
定方向変動値および直交方向変動値が上記2次元平面上
のいずれの領域に含まれるかを判断し、これらが位置す
ると判断された領域に対応する重み付け係数を一の重み
付け係数として選択することができる。
【0032】したがって、本発明によれば、重み付け係
数を求めるために、式(5)に示すように、所定方向変
動値または直交方向変動値を所定方向変動値および直交
方向変動値の加算値により除算する必要がなくなり、こ
れにより、演算量を低減でき、演算を行うための回路の
構成も簡易なものとすることができる。したがって、本
発明を実施するための装置をデジタルカメラ等の小型の
撮像装置や、スキャナ等の画像読取装置に搭載すること
が容易となる。
【0033】また、重み付け係数が加算値に対する所定
方向変動値または直交方向変動値の値が1/2(nは
自然数)となるように設定されている場合、所定方向推
定値および直交方向推定値を2進数で表すと、これらに
1/2を乗算することは、値を右側にnビットシフト
させることと等価な演算を行っていることとなる。した
がって、ビットシフトにより所定方向推定値および直交
方向推定値の重み付け加算を行うことにより、演算を簡
易に行って処理時間を短縮することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態
による画像処理装置の構成を示す概略ブロック図であ
る。図1に示すように本発明の第1の実施形態による画
像処理装置は、単板CCD1を構成する各光電変換素子
において得られた信号値に対して補間処理を施して、全
画素位置における信号値を求めるものであり、各信号値
により構成される画像データS0に対して補間処理を施
して、補間済み画像データS1を得る補間手段2を備え
る。補間手段2は、後述するようにして補間演算により
G信号QGを算出するG補間手段3と、R信号QRおよ
びB信号QBを算出するRB補間手段4と、G信号Q
G、R信号QRおよびB信号QBから後述する図3に示
す空孔画素位置*の信号値を算出する市松正方補間手段
5とを備える。なお、図1に示す単板CCD1において
は、これを構成する光電変換素子からはアナログ信号が
得られるものであるが、本実施形態における画像データ
S0は、アナログ信号をA/D変換したデジタル信号で
あり、なおかつこのデジタル信号は単板CCD1に入力
する光量の0.45乗あるいは対数値となるように変換
されているものとする。
【0035】なお、本実施形態による画像処理装置は、
デジタルカメラのような撮像装置やフイルムから画像を
読み取るスキャナ等の読取装置に設けられるものであっ
てもよく、これらの装置において得られた画像信号を再
生するモニタやプリンタ等の再生装置に設けられるもの
であってもよい。また、画像処理装置単体として用いて
もよい。
【0036】図2は本実施形態において用いられる単板
CCD1の画素配列を示す図である。図2(a)に示す
画素配列は、y方向にR,Gチャンネルに対応する画素
を交互に配列した第1のラインと、y方向にG,Bチャ
ンネルに対応する画素を交互に配列した第2のラインと
を、x方向に交互に配列したものであり、x方向におけ
る各ラインにおいてもR,GチャンネルおよびG,Bチ
ャンネルが交互に配列された正方状の画素配列となって
いる。このような正方状の画素配列としては、図31に
示すベイヤー配列が知られており、本実施形態において
は図2(a)に示す画素配列をベイヤー配列と称するも
のとする。
【0037】また、図2(b)に示す画素配列は、y方
向にR,Bチャンネルに対応する画素を交互に配設した
ラインと、y方向にGチャンネルに対応する画素を配列
したラインとを、各ラインの画素の配列間隔が他のライ
ンの画素配列に対してy方向に略1/2相対的にずれる
ように配列したものであり、市松状の画素配列となって
いる。このような市松状の画素配列としては、上記特開
平10−136391号に記載されたハニカム配列(図
30)が知られており、本実施形態においては図2
(b)に示す画素配列をハニカム配列と称するものとす
る。このハニカム配列は、x方向に対して45度傾斜し
た方向についてみれば、R,Gチャンネルの画素を交互
に配列したラインと、同様に45度傾斜した方向にG,
Bチャンネルの画素を交互に配列したラインとを、この
方向に直交する方向に交互に配列したものとなってい
る。なお、ハニカム配列は図2(a)に示すようなベイ
ヤー配列と画素の配列を45度回転させた関係となって
いる。また、ハニカム配列は上述したように市松状に画
素が配列されてなるものであり、信号値を有さない空孔
画素位置*を用いて図3に示すように正方状に表現する
ことも可能である。本実施形態においては、図2(b)
すなわち図3に示すハニカム配列の単板CCD1におい
て得られた画像データS0に対して処理を行うものとし
て説明する。
【0038】図4は、ハニカム配列の単板CCD1の画
素位置を示す図であり、各画素位置に参照番号を付して
示すものである。ここでは、図4の左上から右下に向か
う方向、すなわち図4において画素がR00,G11,
R22,G33,R44…と並ぶ方向(矢印A方向)を
所定方向とし、この所定方向すなわち矢印A方向に直交
する方向を矢印B方向とする。なお、本実施形態では画
素位置に付与された参照番号を信号値の参照番号として
も使用する。
【0039】図5は、RB補間手段4の構成を示す概略
ブロック図である。図5に示すように、RB補間手段4
は、図4における矢印A方向について全画素位置でのR
信号およびB信号(総称して信号Q1とする)を算出す
る第1補間手段11と、矢印B方向について全画素位置
でのR信号およびB信号(総称して信号Q2とする)を
算出する第2補間手段12と、矢印A方向および矢印B
方向における信号値の変動量を表す値を変動値SA,S
Bとして算出する変動値算出手段13と、第1補間手段
11および第2補間手段12において得られた信号Q
1,Q2を重み付け補間する際の重み付け係数Sjに対
する変動値SA,SBの対応関係を、複数の重み付け係
数について記憶したメモリ14Aと、変動値算出手段1
3において算出された変動値SA,SBに基づいて、メ
モリ14Aに記憶された対応関係を参照して複数の重み
付け係数から一の重み付け係数Sjを選択する重み付け
係数選択手段14と、重み付け係数選択手段14におい
て選択された重み付け係数Sjにより、第1補間手段1
1および第2補間手段において得られた信号Q1,Q2
を重み付け加算してR信号QRおよびB信号QBを得る
重み付け加算手段15とを備える。
【0040】次いで、本実施形態のG補間手段3におけ
るG信号QGおよびRB補間手段4におけるR信号Q
R、B信号QBの算出について説明する。
【0041】(1)まず、RおよびB画素位置における
G信号の算出処理について説明する。このG信号の算出
はG補間手段3において行われる。RおよびB画素位置
におけるG信号は、その画素位置周辺のG画素位置にお
いて得られるG信号に対してスプライン補間演算を施す
ことにより算出することができる。図6はスプライン補
間演算を行う2次元Cubicスプライン補間フィルタの例
を示す図である。図6に示す2次元Cubicスプライン補
間フィルタは、G信号を算出する画素位置の近傍16画
素のG画素位置におけるG信号に対して補間演算を施す
ものである。したがって、図7において実線で囲んだR
44画素位置でのG(R44)信号は、破線で囲んだそ
の周囲の16のG画素位置(G11,G13,G15,
G17,G31,G33,G35,G37,G51,G
53,G55,G57,G71,G73,G75,G7
7)のG信号に対して、図6に示す2次元Cubicスプラ
イン補間フィルタによりフィルタリング処理を施すこと
により算出される。一方、B46画素位置でのG(B4
6)信号は、破線で囲んだその周囲のG画素位置(G1
3,G15,G17,G19,G33,G35,G3
7,G39,G53,G55,G57,G59,G7
3,G75,G77,G79)のG信号に対して、同様
にフィルタリング処理を施すことにより算出される。こ
れにより、補間前にG信号が有する周波数成分を損なう
ことなく補間を行うことができ、この結果、全ての画素
位置において元の周波数情報を保持したG信号を得るこ
とができる。
【0042】ここで、補間演算の手法としては図4にお
ける縦横2次元方向における補間演算であれば、いかな
る手法をも適用することができる。なお、G信号を算出
する画素位置周辺のG画素位置において得られるG信号
に対して単純な線形補間演算を施すことによりR、G画
素位置におけるG信号を算出してもよい。例えば図7に
おいて実線で囲んだR44画素位置でのG(R44)信
号およびB46画素位置でのG(B46)信号は、その
周囲の4つのG画素位置におけるG信号を用いて下記の
式(10)、(11)により算出してもよい。
【0043】 G(R44)=(G33+G35+G53+G55)/4 (10) G(B46)=(G35+G37+G55+G57)/4 (11) (2)次に、RB補間手段4におけるR信号QRおよび
B信号QBの算出について説明する。まず、第1および
第2補間手段11,12における信号Q1,Q2の算出
について説明する。
【0044】1まず、矢印A方向においてR,G画素が
並ぶライン(以下第1のラインとする)におけるG画素
位置での、矢印A方向についてのR信号の算出処理につ
いて説明する。この矢印A方向についての信号の算出は
第1補間手段11において行われる。なお、以降の説明
において、矢印A方向について算出された信号には参照
符号に(A)を付し、矢印B方向について算出された信
号には参照符号に(B)を付するものとする。また、矢
印A方向にR,G画素が並ぶラインを第1のライン、矢
印A方向にB,G画素が並ぶラインを第2のライン、矢
印B方向にR,G画素が並ぶラインを第3のライン、矢
印B方向にB,G画素が並ぶラインを第4のラインとす
る。
【0045】第1のラインにおける矢印A方向について
のG画素位置におけるR信号の算出処理は、そのG画素
位置が含まれる第1のライン上におけるR信号に対して
1次元補間演算を施すことにより行われる。例えば、図
8における実線で囲んだG33画素位置でのR(G3
3)A信号は、G33画素位置が存在する第1のライン
上のG33画素位置周辺の4点のR画素(R00,R2
2,R44,R66)において得られるR信号に対し
て、下記の式(12)に示す1次元Cubicスプライン補
間演算等の1次元補間演算を施すことにより算出され
る。
【0046】 R(G33)A=(-3*ROO+19*R22+19*R44-3*R66)/32 (12) なお、第1のラインにおいて矢印A方向に隣接する2つ
のR画素位置におけるR22,R44信号を用いて下記
の式(13)により算出してもよい。
【0047】 R(G33)A=(R22+R44)/2 (13) また、補間演算の手法としてはこの第1のライン上の矢
印A方向における1次元補間演算であれば、いかなる手
法をも適用することができる。そしてこれにより第1の
ライン上のG画素位置におけるR信号を算出することが
できる。
【0048】2次に、矢印A方向においてR,G画素が
並ぶ第1のラインにおけるG画素位置での、矢印B方向
についてのR信号の算出処理について説明する。この矢
印B方向についての信号の算出は第2補間手段12にお
いて以下のようにして行われる。まず、R信号を算出す
るG画素位置に矢印A方向において隣接する画素位置を
求める。例えば、ここでは図9に示す実線で囲んだG3
3画素位置でのR(G33)B信号を算出するものとす
ると、G33画素位置に隣接する画素位置は破線で囲ん
だR22画素位置およびR44画素位置となる。そして
このR22画素位置におけるR22信号とG(R22)
信号との差およびR44画素位置におけるR44信号と
G(R44)信号との差の平均値を、G33画素位置に
おけるG33信号に加算し、その加算結果をG33画素
位置におけるR(G33)B信号とする。
【0049】ここで、R22信号のみを用いた場合、G
33画素位置でのR(G33)B信号は下記の式(1
4)により算出される。
【0050】 R(G33)B=G33+(R22-G(R22)) (14) なお、式(14)は画像の局所的な領域におけるR信号
とG信号との差は等しいという前提により定められるも
のである。例えば、R22画素位置およびG33画素位
置でのR信号とG信号との差が等しいとは、 R(G33)B-G33=R22-G(R22) (15) の関係を満たすということであり、式(15)をR(G
33)B信号について解いたものが式(14)となる。
なお、式(14)においてG(R22)信号は、上記
(1)の方法により算出されたものではなく、R22画
素位置が存在する第3のライン上のG信号に対して、矢
印B方向に下記の式(16)に示す線形補間演算や式
(12)に示す1次元Cubicスプライン補間演算等の1
次元補間演算を施すことにより算出したものである。し
たがって、G(R22)信号には参照符号Bが付される
こととなる。
【0051】G(R22)B=(G31+G13)/2 (16) すなわち、式(14)では、画像の局所的な領域におけ
るR信号とG信号との差は等しいという前提により信号
値を算出しており、信号値の算出に使用するのは矢印B
方向においてG33画素位置が存在する第4のライン
と、R22画素位置が存在する第3のラインである。こ
れは、第3および第4のライン上にある画素値の相関関
係に基づいて信号値を算出しているということであり、
不明な信号値について矢印B方向における信号値の変化
を反映させて信号値を算出する必要がある。2の処理に
おいて、R22信号のみを用いた場合、G33画素位置
でのR(G33)B信号は上記式(15)に示す関係に
基づいて算出されるが、G(R22)信号が不明である
ため、これを推定する必要がある。ここで、式(15)
は第3および第4のライン間における相関関係を表して
いるため、G(R22)信号を推定するには、第3のラ
イン上において矢印B方向の信号値の変化を反映させる
必要がある。この場合、上記(1)の方法により算出し
たG信号を使用することが考えられるが、このG信号は
式(10)、(11)に示すように、別のラインの信号
値を用いて算出しているものであるため、第3のライン
上における矢印B方向の信号値の変化を反映したもので
はない。このため、矢印B方向の信号値の変化を反映さ
せるために、式(16)のように第3のライン上におい
て、矢印B方向についての1次元補間演算を行ってG
(R22)B信号を算出しているものである。
【0052】一方、R44信号のみを用いると、上記式
(15)の関係に基づいて、G33画素位置でのR(G
44)B信号は下記の式(17)により算出される。
【0053】 R(G33)B=G33+(R44-G(R44)B) (17) なお、G(R44)B信号は式(16)と同様に算出さ
れる。ここで、本実施形態においては、式(14)ある
いは(17)のいずれかによりR(G33)B信号を求
めてもよいが、G画素位置の片側にのみ隣接する画素位
置の信号値を用いたのでは、画像の位相がその方向に近
寄ってしまう。これを防止するために、下記の式(1
8)に示すように、R信号を算出するG画素位置(例え
ばG33画素位置)の両隣の画素位置(R22,R44
画素位置)におけるR信号とG信号との差の平均値を、
R信号を算出するG画素位置におけるG信号に加算した
ものを、そのG画素位置におけるR信号としたものであ
る。
【0054】 R(G33)B=G33+((R22-G(R22)B)+(R44-G(R44)B))/2 (18) そしてこれにより、矢印B方向についてのG画素位置で
のR(G33)B信号を算出することができる。
【0055】3次に、矢印A方向においてB,G画素が
並ぶ第2のラインにおけるG画素位置での、矢印A方向
についてのR信号の算出処理について説明する。この矢
印A方向についての信号の算出は第1補間手段11にお
いて行われる。まず、R信号を算出するG画素位置に矢
印B方向において隣接する画素位置を求める。例えば、
ここでは図10に示す実線で囲んだG35画素位置での
R(G35)A信号を算出するものとすると、G35画
素位置に隣接する画素位置は破線で囲んだR26画素位
置およびR44画素位置となる。そして上記2の処理と
同様に、下記の式(19)に示すように、R26画素位
置におけるR26信号とG(R26)A信号との差およ
びR44画素位置におけるR44信号とG(R44)A
信号との差の平均値を、G35画素位置におけるG35
信号に加算し、その加算結果をG35画素位置における
R(G35)A信号とする。
【0056】 R(G35)A=G35+((R26-G(R26)A)+(R44-G(R44)A))/2 (19) なお、G(R26)A信号およびG(R44)A信号
は、R26およびR44画素位置が存在する第1のライ
ン上におけるG信号に対して、矢印A方向に1次元補間
演算を施すことにより算出したものである。そしてこれ
により、矢印A方向についてのG画素位置でのR(G3
5)A信号を算出することができる。
【0057】4次に、矢印A方向においてB,G画素が
並ぶ第2のラインにおけるG画素位置での、矢印B方向
についてのR信号の算出処理について説明する。この矢
印B方向についての信号の算出は、第2補間手段12に
おいて、そのG画素位置が含まれる第3のライン上にお
けるR信号に対して、1次元補間演算を施すことにより
行われる。例えば、図11における実線で囲んだG35
画素位置でのR(G35)B信号は、G35画素位置が
存在する第3のライン上におけるG35画素位置周辺の
4点のR画素(R08,R26,R44,R62)にお
いて得られるR信号に対して、1の処理と同様に1次元
補間演算を施すことにより算出される。1次元Cubicス
プライン補間演算による算出の例を下記の式(20)に
示す。
【0058】 R(G35)B=(-3*RO8+19*R26+19*R44-3*R62)/32 (20) 5次に、矢印A方向においてB,G画素が並ぶ第2のラ
インにおけるB画素位置での矢印A方向についてのR信
号の算出処理について説明する。この矢印A方向につい
ての信号の算出は第1補間手段11において行われる。
まず、R信号を算出するB画素位置に矢印B方向におい
て隣接する画素位置を求める。例えば、ここでは図12
に示す実線で囲んだB24画素位置でのR(B24)A
信号を算出するものとすると、B24画素位置に隣接す
る画素位置は破線で囲んだG15画素位置およびG33
画素位置となる。そして上記2の処理と同様に、下記の
式(21)に示すように、G15画素位置におけるR
(G15)A信号とG15信号との差およびG33画素
位置におけるR(G33)A信号とG33信号との差の
平均値を、B24画素位置におけるG(B24)A信号
に加算し、その加算結果をB24画素位置におけるR
(B24)A信号とする。
【0059】 R(B24)A=G(B24)A+((R(G33)A-G33)+(R(G15)A-G15))/2 (21) なお、R(G15)A信号およびR(G33)A信号
は、G15およびG33画素位置が存在する第1のライ
ン上におけるR信号に対して、矢印A方向に1次元補間
演算を施すことにより算出したものであり、1の処理に
おいて算出したR信号そのものである。また、G(B2
4)A信号は、B24画素位置が存在する第2のライン
上におけるG信号に対して矢印A方向に1次元補間演算
を施すことにより算出したものである。そしてこれによ
り、矢印A方向についてのB画素位置でのR(B24)
A信号を算出することができる。
【0060】6次に、矢印A方向においてB,G画素が
並ぶ第2のラインにおけるB画素位置での矢印B方向に
ついてのR信号の算出処理について説明する。この矢印
B方向についての信号の算出は第2補間手段12におい
て行われる。まず、R信号を算出するB画素位置に矢印
A方向において隣接する画素位置を求める。例えば、こ
こでは図13に示す実線で囲んだB24画素位置でのR
(B24)B信号を算出するものとすると、B24画素
位置に隣接する画素位置は破線で囲んだG13画素位置
およびG35画素位置となる。そして上記2の処理と同
様に、下記の式(22)に示すように、G13画素位置
におけるR(G13)B信号とG13信号との差および
G35画素位置におけるR(G35)B信号とG35信
号との差の平均値を、B24画素位置におけるG(B2
4)B信号に加算し、その加算結果をB24画素位置に
おけるR(B24)B信号とする。
【0061】 R(B24)B=G(B24)B+((R(G35)B-G35)+(R(G13)B-G13))/2 (22) なお、R(G13)B信号およびR(G35)B信号
は、G13およびG35画素位置が存在する第3のライ
ン上におけるR信号に対して、矢印B方向に1次元補間
演算を施すことにより算出したものであり、4の処理に
おいて算出したR信号そのものである。また、G(B2
4)B信号は、B24画素位置が存在する第4のライン
上におけるG信号に対して、矢印B方向に1次元補間演
算を施すことにより算出したものである。そしてこれに
より、矢印B方向についてのB画素位置でのR(B2
4)B信号を算出することができる。
【0062】以上、1の処理により、矢印A方向におい
てR,G画素が並ぶ第1のラインにおけるG画素位置で
の矢印A方向についてのR信号が算出され、2の処理に
より、矢印A方向においてR,G画素が並ぶ第1のライ
ンにおけるG画素位置での矢印B方向についてのR信号
が算出される。
【0063】また、3の処理により、矢印A方向におい
てB,G画素が並ぶ第2のラインにおけるG画素位置で
の矢印A方向についてのR信号が算出され、4の処理に
より、矢印A方向においてB,G画素が並ぶ第2のライ
ンにおけるG画素位置での矢印B方向についてのR信号
が算出される。
【0064】さらに、5の処理により、矢印A方向にお
いてB,G画素が並ぶ第2のラインにおけるB画素位置
での矢印A方向についてのR信号が算出され、6の処理
により、矢印A方向においてB,G画素が並ぶ第2のラ
インにおけるB画素位置での矢印B方向についてのR信
号が算出される。
【0065】以上、各画素位置における矢印A,B両方
向でのR信号の算出について説明したが、B信号につい
ても上記1から6の処理において説明したようにR信号
と同様にして算出することができる。
【0066】変動値算出手段13は、後述する重み付け
係数選択手段14において、1と2、3と4および5と
6の処理により算出された矢印A,B方向の信号値を重
み付け加算するための重み付け係数の算出に必要な変動
値SA,SBを算出するものである。ここで、変動値S
A,SBとは信号値を推定する画素位置において、信号
値の変動量を表す値のことをいう。
【0067】まず、1および2の処理により算出された
矢印A,B方向のR信号の重み付け係数を算出するため
の変動値SA,SBの算出について説明する。この矢印
A方向についての変動値SAおよび矢印B方向について
の変動値SBは下記の式(23)、(24)により算出
する。なお、ここでは1および2の処理と同様に、図8
に示すG33画素位置での信号値の変動値SA,SBを
算出するものとする。
【0068】 SA=|R(G33)A-G33| (23) SB=|B(G33)B-G33| (24) ここで、式(23)におけるR(G33)Aは1の処理
において式(12)により算出された信号値、式(2
4)におけるB(G33)Bは第4のライン上のG33
画素位置周辺の4点のB画素位置(B06,B24,B
42,B60)において得られるB信号に対して、1次
元補間演算を施すことにより算出された信号値である。
このように算出された変動値SAは、G33画素位置の
矢印A方向における信号値の変化を表し、変動値SBは
G33画素位置の矢印B方向における信号値の変化を表
す。
【0069】次に、3および4の処理により算出された
矢印A,B方向のR信号の重み付け係数を算出するため
の変動値の算出について説明する。この矢印A方向につ
いての変動値SAおよび矢印B方向についての変動値S
Bは下記の式(25)、(26)により算出する。な
お、ここでは3および4の処理と同様に、図10に示す
G35画素位置での信号値の変動値を算出するものとす
る。
【0070】 SA=|B(G35)A-G35| (25) SB=|R(G35)B-G35| (26) ここで、式(25)におけるB(G35)Aは第2のラ
イン上のG35画素位置周辺の4点のB画素位置(B0
2,B24,B46,B68)において得られるB信号
に対して、1次元補間演算を施すことにより算出された
信号値、式(26)におけるR(G35)Bは上記4の
処理において式(20)により算出された信号値であ
る。このように算出された変動値SAは、G35画素位
置の矢印A方向における信号値の変化を表し、変動値S
BはG35画素位置の矢印B方向における信号値の変化
を表す。
【0071】次に、5および6の処理により算出された
矢印A,B方向のR信号の重み付け係数を算出するため
の変動値の算出について説明する。この矢印A方向につ
いての変動値SAおよび矢印B方向についての変動値S
Bは下記の式(27)、(28)により算出する。な
お、ここでは5および6の処理と同様に、図12、図1
3に示すB24画素位置での信号値の変動値を算出する
ものとする。
【0072】 SA=|B24-G(B24)A| (27) SB=|B24-G(B24)B| (28) ここで、式(27)におけるG(B24)Aは、上記5
の処理においてB24画素位置が存在する第2のライン
上のG信号に対して、矢印A方向に1次元補間演算を施
すことにより算出した信号値、式(28)におけるG
(B24)Bは、上記6の処理においてB24画素位置
が存在する第4のライン上のG信号に対して、矢印B方
向に1次元補間演算を施すことにより算出した信号値で
ある。このように算出された変動値SAは、B24画素
位置の矢印A方向における信号値の変化を表し、変動値
SBはB24画素位置の矢印B方向における信号値の変
化を表す。
【0073】以上のように算出された変動値SA,SB
は重み付け係数選択手段14に入力される。以下、重み
付け係数選択手段14における重み付け係数の算出につ
いて説明する。本実施形態においては、基本的には下記
の式(29)に示すように重み付け係数Sjが算出され
る。
【0074】 Sj=SA/(SA+SB) (if SA+SB=0 then Sj=0.5) (29) なお、式(29)においてSA+SB=0となるのは、
SA,SB≧0であることから、SA=SB=0の場合
である。ここで、種々の演算を行う演算回路において
は、演算が加算、減算および乗算のみである場合には、
比較的少ない演算素子により回路を構成することができ
る。しかしながら、式(29)のように除算が含まれる
と、演算が複雑となるため多数の演算素子が必要となり
回路の構成が複雑化するとともに、演算に長時間を要す
るものとなる。
【0075】ここで、重み付け係数Sjを式(29)に
より算出する場合、これを変動量SBについて解くと、 SB=((1-Sj)/Sj)*SA (29′) となる。これは重み付け係数Sjが一定であると、変動
値SAと変動値SBとの関係は、比例関係にあることを
示している。したがって、x軸を変動値SA、y軸を変
動値SBとする2次元平面を設定すると、この2次元平
面上においては、図14に示すように、重み付け係数S
jはその重み付け係数に応じた傾きを有する原点を通る
(SA=SB=0すなわち原点を除く)直線として表さ
れるものとなる。以下、この関係を用いて式(29)に
おける除算処理の省略について説明する。
【0076】図15は重み付け係数選択手段14におけ
る重み付け係数Sjの算出処理を説明するための図であ
る。本実施形態においては、重み付け係数Sjが一定で
あると変動値SAと変動値SBとは比例関係にあり、S
A−SB平面においては重み付け係数Sjはその値に応
じた傾きを有する直線となる、ということを利用して、
まず重み付け係数Sjを図14に示すようにSj=0,
0.25,0.5,0.75,1.0の5段階に量子化
する。そして、図15に示すようにSA−SB平面上に
おいてSj=0,0.125,0.375,0.62
5,0.875,1を境界として5つの領域A1〜A5
を設定し、各領域A1〜A5をそれぞれSj=0,0.
25,0.5,0.75,1.0に対応付ける。ここ
で、Sj=0.125の場合SB=7SA、Sj=0.
375の場合SB=5/3SA、Sj=0.625の場
合SB=3/5SA、Sj=0.875の場合SB=1
/7SAとなる。
【0077】したがって、重み付け係数選択手段14に
接続されたメモリ14Aに、図15に示す関係をテーブ
ルとして記憶させておき、変動値SA,SBの値の関係
に基づいてこのテーブルを参照することにより、式(2
9)に示すように除算を行うことなく重み付け係数Sj
を求めることができる。例えば、算出された変動値S
A,SBの値が3/5SA<SB≦5/3SAの関係、
すなわち3SA<5SBかつ5SA≧3SBの関係にあ
る場合には、変動値SA,SBは図15に示すグラフの
領域A3にプロットされることから、重み付け係数をS
j=0.5として求めることができる。また、7SA<
SBの関係にある場合にはプロットは領域A1にあるた
めSj=0、5/3SA<SB≦7SAの関係、すなわ
ち5SA<3SBかつ7SA≧SBの関係にある場合に
はプロットは領域A2にあるためSj=0.25、1/
7SA<SB≦3/5SAの関係、すなわちSA<7S
Bかつ3SA≧5SBの関係にある場合にはプロットは
領域A4にあるためSj=0.75、SB≦1/7SA
の関係、すなわちSA≧7SBの関係にある場合にはプ
ロットは領域A5にあるためSj=1として求めること
ができる。
【0078】なお、重み付け係数Sjはより細かく量子
化した方が好ましいが、変動値SA,SBが存在する領
域の判断のための演算時間を考慮すると、5段階程度で
あることが好ましい。本出願人の実験によれば、5段階
に量子化したものであっても、十分に偽色低減効果が得
られるものである。
【0079】重み付け加算手段15においては、1と
2、3と4および5と6のそれぞれの場合について、下
記の式(30)〜(32)により信号値が算出される。
なお、式(30)〜(32)は、それぞれ矢印A方向に
おいてR,G画素が並ぶ第1のラインにおけるG33画
素位置でのR(G33)信号、矢印A方向においてB,
G画素が並ぶ第2のラインにおけるG35画素位置での
R(G35)信号、矢印A方向においてB,G画素が並
ぶ第2のラインにおけるB24画素位置でのR(B2
4)信号を算出するものである。
【0080】 R(G33)=(1-Sj)*R(G33)A+Sj*R(G33)B (30) R(G35)=(1-Sj)*R(G35)A+Sj*R(G35)B (31) R(B24)=(1-Sj)*R(B24)A+Sj*R(B24)B (32) なお、信号Q1、Q2を用いた一般式を式(33)に示
す。
【0081】 QR,QB=(1-Sj)*Q1+Sj*Q2 (33) これにより、信号値の変化が少ない方向ほど大きな重み
付けがなされて、R、B信号QR,QBが算出されるこ
ととなる。
【0082】ここで、例えばR44画素におけるB(R
44)信号の算出は、重み付け係数Sj=0.5とした
場合、 B(R44)=(1-Sj)*B(R44)A+Sj*B(R44)B=0.5*B(R44)A+0.5*B(R44)B (34) として算出されるが、本実施形態においては、Sjまた
は1−Sj=1/2(nは自然数)となるように重み
付け係数が設定されているため、下記の式(35)のよ
うに、ビットシフトを用いて整数化して演算を行うこと
も可能である。
【0083】 B(R44)=(B(R44)A+B(R44)B+1)>>1 (35) ここで、>>1は信号値を2進数で表した際に、右側に
1ビットシフトさせることを表す。このように、右側に
1ビットシフトさせることにより、信号値は1/2倍さ
れるため、式(34)と等価な演算を行っていることと
なる。なお、式(35)において1を加算しているの
は、演算結果を四捨五入するためである。
【0084】なお、図2(a)に示すベイヤー配列の単
板CCD1においては画素配列を45度回転させると、
その画素配列は図2(b)に示すハニカム配列と空孔画
素位置*を除けば同様のものとなる。したがって、上記
の説明において、矢印A方向を図2における紙面上下方
向、矢印B方向を図2における紙面左右方向とすること
により、ベイヤー配列の場合もハニカム配列の場合と同
様に、全画素位置におけるRGB信号を算出することが
できる。
【0085】このようにして、全ての画素位置において
RGB全ての信号値QR,QG,QBが得られると、市
松正方補間手段5において、図3における空孔画素位置
*でのRGB信号値を補間演算により算出して、画素が
正方状に配列されてなる補間済み画像データS1を得
る。この補間演算は、図16に示すような空孔画素位置
*周辺の4画素位置の信号値を用いた補間フィルタや、
図17に示すように4×4画素についての2次元Cubic
スプライン補間演算を行う補間フィルタの補間係数の配
置を45度傾斜させた補間係数の配置を有する補間フィ
ルタを用いて補間演算を行うことにより求めることがで
きる。なお、この空孔画素位置*における信号値を算出
するための補間演算を市松正方補間演算とする。また、
補間演算についてはこれらに限定されるものではなく、
上述したように求められた各画素位置におけるRGB信
号をYCC輝度色差空間に変換し、YCC毎に異なる補
間フィルタによる補間演算を施す等、空孔画素位置*に
おける信号値を算出するための補間演算であればいかな
る方法をも採用可能である。
【0086】次いで、第1の実施形態の動作について説
明する。図18は第1の実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。まず、被写体を撮影して単板CCD1に
おいて画像データS0を得る(ステップS1)。次い
で、補間手段2のG補間手段3において、上記(1)の
処理により所定方向におけるRまたはB画素位置におけ
るG信号QGが算出される(ステップS2)。そして、
補間手段2において、算出する信号をR信号にセットし
(ステップS3)、RB補間手段4においてR信号QR
が算出される(ステップS4)。
【0087】図19はステップS4の処理を示すフロー
チャートである。まず、上記処理1および2により信号
値を算出し(ステップS11)、ステップS3および4
により信号値を算出し(ステップS12)、処理5およ
び6により信号値を算出する(ステップS13)。そし
て、変動値算出手段13において、上記式(23)、
(24)等に示すように変動値SA,SBを算出する
(ステップS14)。そして、変動値SA,SBは重み
付け係数選択手段14に入力されて、ここで重み付け係
数Sjが選択され、ステップS11,S12,S13の
処理により算出された信号値が重み付け加算されて、R
信号QRが算出される(ステップS15)。
【0088】図20はステップS15の処理を示すフロ
ーチャートである。なお、図20はビットシフトを用い
ての重み付け係数Sjの算出および重み付け加算の動作
を示すものである。また、図20においては、R44画
素位置におけるB(R44)信号の算出を表すものであ
る。まず、変動値SA,SBの和が0であるか否かが判
断される(ステップS21)。ステップS21が肯定さ
れると、SA=SB=0.5としてビットシフトを用い
て、式(35)によりB(R44)信号が算出される
(ステップS22)。
【0089】 B(R44)=(B(R44)A+B(R44)B+1)>>1 (35) ステップS21が否定されると、SA≧7SBであるか
否かが判断される(ステップS23)。ステップS23
が肯定されると、変動値SA,SBの関係は図15の領
域A5にあることからSj=1とされ、下記の式(3
6)によりB(R44)信号が算出される(ステップS
24)。
【0090】 B(R44)=B(R44)B (36) ステップS23が否定されると、3SA≧5SBである
か否かが判断される(ステップS25)。ステップS2
5が肯定されると、変動値SA,SBの関係は図15の
領域A4にあることからSj=0.75とされ、下記の
式(37)によりB(R44)信号が算出される(ステ
ップS26)。
【0091】 B(R44)=(B(R44)A+3B(R44)B+2)>>2 (37) ステップS25が否定されると、5SA≧3SBである
か否かが判断される(ステップS27)。ステップS2
7が肯定されると、変動値SA,SBの関係は図15の
領域A3にあることからSj=0.5とされ、式(3
5)によりB(R44)信号が算出される(ステップS
28)。
【0092】ステップS27が否定されると、7SA≧
SBであるか否かが判断される(ステップS29)。ス
テップS29が肯定されると、変動値SA,SBの関係
は図15の領域A2にあることからSj=0.25とさ
れ、下記の式(38)によりB(R44)信号が算出さ
れる(ステップS30)。
【0093】 B(R44)=(3*B(R44)A+B(R44)B+2)>>2 (38) そして、ステップS29が否定されると、変動値SA,
SBの関係は図15の領域A1にあることからSj=0
とされ、下記の式(39)によりB(R44)信号が算
出される(ステップS31)。
【0094】B(R44)=B(R44)A (39) 図18に戻り、R,B全ての信号を算出したか否かが判
断され(ステップS5)、ステップS5が否定された場
合には、ステップS6において算出する信号をB信号に
セットし、ステップS4に戻ってステップS4,S5の
処理を繰り返してB信号QBが算出される。
【0095】ステップS5が肯定されると、空孔画素位
置以外の全ての画素位置においてRGB信号QR,Q
G,QBが算出されたとして、市松正方補間手段5にお
いて、各画素の信号値に対して図16あるいは図17に
示す補間フィルタによる市松正方補間演算を行って、空
孔画素位置における信号値を算出し(ステップS7)、
処理を終了する。
【0096】そしてこれにより、図2(b)に示すハニ
カム配列による単板CCD1の空孔画素位置を含む全画
素位置におけるRGB信号を得ることができ、全画素位
置においてRGB信号を有する補間済み画像データS1
を得ることができる。
【0097】なお、図18に示すフローチャートのステ
ップS3においては、算出する信号をR信号にセットし
ているが、先にB信号にセットしてもよい。この場合、
ステップS5が否定されるとステップS6において、算
出する信号がB信号からR信号に切り替えられることと
なる。
【0098】このように、第1の実施形態によれば、重
み付け係数Sjを算出する際に除算を行わないため、重
み付け係数Sjの算出を行う回路の構成を簡易なものと
することができ、その結果、本実施形態を実施するため
の装置の構成を簡易なものとすることができるととも
に、演算時間も短縮することができる。また、ビットシ
フトを行うことにより、整数値にて演算を行うことがで
きるため、演算を簡易に行って処理時間を短縮すること
ができる。したがって、本発明を実施するための装置を
デジタルカメラ等の撮像装置やスキャナ等の画像読取装
置、あるいはプリンタ等に搭載することが容易となり、
これにより高機能の装置を作成することができる。
【0099】なお、上記第1の実施形態においては、ビ
ットシフトを用いて重み付け加算を行っているが、重み
付け係数選択手段14において算出された重み付け係数
Sjを用いて、ビットシフトを行うことなく、重み付け
加算手段15において、上記式(33)に示す重み付け
加算を行うようにしてもよい。
【0100】次いで、本発明の第2の実施形態について
説明する。図21は本発明の第2の実施形態による画像
処理装置のRB補間手段の構成を示す概略ブロック図で
ある。なお、図21において図5と同一の構成について
は同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第2
の実施形態においては、信号値を推定する画素位置がグ
レーエッジにあるか色エッジにあるか否かを判定する判
定手段10と、判定手段10における判定結果を表す判
定情報Hに基づいて、矢印A方向および矢印B方向にお
ける信号値の変動量を表す値を変動値SA,SBとして
算出する変動値算出手段23とを備えた点が第1の実施
形態と異なるものである。
【0101】判定手段10は、以下のようにして信号値
を推定する画素位置がグレーエッジにあるか色エッジに
あるかを判定する。図22は赤(R)および緑(G)か
らなる色エッジの例を示す図、図23は白および黒から
なるグレーエッジの例を示す図である。なお、図22,
23においては、信号値が0の画素位置を白抜きで示
し、それ以外の画素は信号値が255であるものとして
説明する。また、ここではR44画素位置での判定につ
いて説明する。まず、判定手段10は、下記の式(4
0)から(43)により、エッジの判断値Dat1〜D
at4を求める。
【0102】 Dat1=|R44-G33|+|R44-G55|+|G35-B24|+|G35-B46| (40) Dat2=|R44-G33|+|R44-G55|+|G53-B42|+|G53-B64| (41) Dat3=|R44-G35|+|R44-G53|+|G33-B24|+|G33-B42| (42) Dat4=|R44-G35|+|R44-G53|+|G55-B46|+|G55-B64| (43) ここで、式(40)は矢印A方向において、R44画素
位置の右上部分のエッジの色を判断するための判断値D
at1を算出するものであり、式(41)は矢印A方向
において、R44画素位置の左下部分のエッジの色を判
断するための判断値Dat2を算出するものである。ま
た、式(42)は矢印B方向において、R44画素位置
の左上部分のエッジの色を判断するための判断値Dat
3を算出するものであり、式(43)は矢印B方向にお
いて、R44画素位置の右下部分のエッジの色を判断す
るための判断値Dat4を算出するものである。
【0103】信号値を推定する画素位置がグレーエッジ
にある場合は、上記判断値Dat1〜Dat4のうちい
ずれか1つは必ず値が小さくなる。例えば、図23に示
すグレーエッジの場合、上記式(40)〜(43)にお
いて算出される判断値Dat1〜Dat4において、判
断値Dat1およびDat2が0となる。一方、信号値
を推定する画素位置が図22に示すような色エッジにあ
る場合は、上記判断値Dat1〜Dat4のいずれの値
も大きくなる。したがって、判断値Dat1〜Dat4
の最小値Dminを予め定められた閾値Tと比較し、最
小値Dminが閾値T以下である場合、すなわち、 Dmin=min(Dat1,Dat2,Dat3,Dat4)≦T (44) である場合には、その画素位置をグレーエッジであると
判定し、それ以外の場合、すなわち、 Dmin=min(Dat1,Dat2,Dat3,Dat4)>T (45) である場合には色エッジであると判定する。ここで、閾
値Tの値としては、信号値が8ビットで表される場合1
28程度の値とする。そして、判定手段10はこの判定
結果を判定情報Hとして変動値算出手段23に入力す
る。
【0104】変動値算出手段23においては、判定情報
Hに基づいて以下のようにして、変動値SA,SBが算
出される。まず、1および2の処理により算出された矢
印A,B方向のR信号の重み付け係数を算出するための
変動値SA,SBの算出について説明する。判定情報H
により信号値を算出する画素位置が色エッジにあると判
定された場合、矢印A方向についての変動値SAおよび
矢印B方向についての変動値SBを下記の式(46)、
(47)により算出する。なお、ここでは1および2の
処理と同様に、図8に示すG33画素位置での信号値の
変動値SA,SBを算出するものとする。
【0105】 SA=|R(G33)A-G33|/(R(G33)A+G33) (46) SB=|B(G33)B-G33|/(B(G33)B+G33) (47) 一方、判定情報Hにより信号値を算出する画素位置がグ
レーエッジにあると判定された場合、第1の実施形態と
同様に、変動値SAおよび変動値SBを、式(46)、
(47)の分母を省略した式(23)、(24)により
算出する。
【0106】 SA=|R(G33)A-G33| (23) SB=|B(G33)B-G33| (24) 次に、3および4の処理により算出された矢印A,B方
向のR信号の重み付け係数を算出するための変動値の算
出について説明する。
【0107】まず、判定情報Hにより信号値を算出する
画素位置が色エッジにあると判定された場合、矢印A方
向についての変動値SAおよび矢印B方向についての変
動値SBを下記の式(48)、(49)により算出す
る。なお、ここでは3および4の処理と同様に、図10
に示すG35画素位置での信号値の変動値を算出するも
のとする。
【0108】 SA=|B(G35)A-G35|/(B(G35)A+G35) (48) SB=|R(G35)B-G35|/(R(G35)B+G35) (49) 一方、判定情報Hにより信号値を算出する画素位置がグ
レーエッジにあると判定された場合、変動値SAおよび
変動値SBを式(48)、(49)の分母を省略した式
(25)、(26)により算出する。
【0109】 SA=|B(G35)A-G35| (25) SB=|R(G35)B-G35| (26) 次に、5および6の処理により算出された矢印A,B方
向のR信号の重み付け係数を算出するための変動値の算
出について説明する。
【0110】まず、判定情報Hにより信号値を算出する
画素位置が色エッジにあると判定された場合、矢印A方
向についての変動値SAおよび矢印B方向についての変
動値SBを下記の式(50)、(51)により算出す
る。なお、ここでは5および6の処理と同様に、図1
2、図13に示すB24画素位置での信号値の変動値を
算出するものとする。
【0111】 SA=|B24-G(B24)A|/(B24+G(B24)A) (50) SB=|B24-G(B24)B|/(B24+G(B24)B) (51) 一方、判定情報Hにより信号値を算出する画素位置がグ
レーエッジにあると判定された場合、変動値SAおよび
変動値SBを式(50)、(51)の分母を省略した式
(27)、(28)により算出する。
【0112】 SA=|B24-G(B24)A| (27) SB=|B24-G(B24)B| (28) ここで、色エッジおよびグレーエッジの場合における変
動値SA,SBの算出方法の差異について説明する。図
24は変動値SA,SBの算出方法の差異を説明するた
めの図である。図24に示す画素配列においては白(信
号値が255)および黒(信号値が0または0に近い
値)のグレーエッジが表されているものとする。なお、
ここではR44画素におけるB(R44)信号の算出に
ついて説明する。まず、矢印A方向について、下記の式
(52)によりR44画素位置のB(R44)A信号を
求める。
【0113】 B(R44)A=G(R44)A+((B(G35)A-G35)+(B(G53)A-G53))/2 =0+((2-0)+(255-255))/2=1 (52) 但し、G(R44)A=0,B(G35)A=2,B(G53)A=255であり、こ
れらの値の算出には、式(12)、(20)に示すよう
な1次元Cubicスプライン補間演算を用いた。
【0114】また、矢印B方向について、下記の式(5
3)によりR44画素位置のB(R44)B信号を求め
る。
【0115】 B(R44B)=G(R44)B+((B(G33)B-G33)+(B(G55)B-G55))/2 =103+((105-0)+(105-0))/2=208 (53) 但し、G(R44)B≒103,B(G33)B≒105,B(G55)B≒105であ
り、これらの値の算出には、式(12)、(20)に示
すような1次元Cubicスプライン補間演算を用いた。
【0116】そして、下記の式(54)により変動値S
A,SBを求め、式(55)によりB(R44)A信号
とB(R44)B信号とを重み付け加算するための重み
付け係数Sjを算出する。
【0117】 SA=|R44-G(R44)A|/(R44+G(R44)A)=|1-0|/(1+0)=1 SB=|R44-G(R44)B|/(R44+G(R44)B)=|1-103|/(1+103)≒0.98 (54) Sj=SA/(SA+SB)=1/(1+0.98)≒0.5 (55) このように重み付け係数Sjが求められると、下記の式
(56)によりB(R44)信号を算出する。
【0118】 B(R44)=(1-Sj)*B(R44)A+Sj*B(R44)B=0.5*1+0.5*208≒105 (56) ここで、R44画素位置は黒いエッジ上にあるため、B
(R44)信号の値は0に近い値であることが好まし
い。しかしながら、上記式(54)、(55)に示すよ
うに重み付け係数Sjを算出して式(56)によりB
(R44)信号の値を求めるとその値は105となるた
め、ここに偽色が発生することとなる。これは、矢印A
方向において信号値の変動が少ないほど重み付け係数S
jの値は0に近くなるが、信号値を算出する画素位置周
辺の画素位置における信号値によっては、式(56)に
示すように、重み付け係数Sjが0に近い値とならない
場合があるからである。
【0119】一方、第2の実施形態においては、信号値
を算出する画素位置がグレーエッジにある場合には、式
(54)において分母を省略して変動値SA,SBを算
出するものであり、R44画素位置においてそのように
変動値SA,SBを算出すると、 SA=|R44-G(R44)A|=|1-0|=1 SB=|R44-G(R44)B|=|1-103|=102 (57) となり、重み付け係数Sjは、 Sj=SA/(SA+SB)=1/(1+102)≒0.01 (58) となる。このように算出された重み付け係数Sjにより
B(R44)信号を算出すると、 B(R44)=(1-Sj)*B(R44)A+Sj*B(R44)B=0.99*1+0.01*208≒2.99 (59) となる。これにより、B(R44)信号は0に近い値と
なり、その結果偽色を低減することができる。
【0120】一方、色エッジであると判定された場合
に、式(57)により変動値SA,SBを算出しても偽
色を低減できるが、エッジ付近における細かな色味がな
くなってしまうため、画像が不自然なものとなる。した
がって、第2の実施形態においては、信号値を算出する
画素位置がグレーエッジであるか色エッジであるかに応
じて、変動値SA,SBの算出方法を変更するようにし
たものである。
【0121】なお、第2の実施形態においては、変動値
算出手段23において、色エッジである場合の変動値S
A,SBの算出は、上記式(46)、(47)等により
行っているが、これらの式においては除算が含まれるた
め、演算量を低減させるためには、除算を行わないこと
が好ましい。この場合、変動値SA,SBの比率が変わ
らなければ重み付け係数Sjの算出に支障はない。した
がって、上記式(46)、(47)の場合、右辺に(R(G
33)A+G33)*(B(G33)B+G33)を乗算し、下記の式(4
6′)、(47′)により、変動値SA,SBを算出す
ることが好ましい。
【0122】 SA=|R(G33)A-G33|*(B(G33)B+G33) (46′) SB=|B(G33)B-G33|*(R(G33)A+G33) (47′) なお、上記式(48)、(49)については、(B(G35)A
+G35)*(R(G35)B+G35)を乗算して、下記の式(4
8′)、(49′)により変動値SA,SBを算出すれ
ばよい。
【0123】 SA=|B(G35)A-G35|*(R(G35)B+G35) (48′) SB=|R(G35)B-G35|*(B(G35)A+G35) (49′) また、上記式(50)、(51)については、(B24+G(B
24)A)*(B24+G(B24)B)を乗算して、下記の式(5
0′)、(51′)により変動値SA,SBを算出すれ
ばよい。
【0124】 SA=|B24-G(B24)A|*(B24+G(B24)B) (50′) SB=|B24-G(B24)B|*(B24+G(B24)A) (51′) 次いで、第2の実施形態の動作について説明する。な
お、第2の実施形態の動作は基本的には図18に示す第
1の実施形態の動作と同一であり、図18におけるステ
ップS4における処理のみが異なるものであるため、こ
こではステップS4における信号算出処理についてのみ
説明する。図25は第2の実施形態における信号算出処
理の動作を示すフローチャートである。まず、第1の実
施形態と同様に処理1および2による信号値の算出(ス
テップS41)、処理3および4による信号値の算出
(ステップS42)、処理5および6による信号値の算
出(ステップS43)が行われる。
【0125】一方、判定手段10においては、信号値を
算出する画素位置がグレーエッジにあるか否かが判定さ
れ(ステップS44)、その判定結果を表す判定情報H
が変動値算出手段23に入力される。変動値算出手段2
3においては、信号値を算出する画素位置がグレーエッ
ジにある場合には、上記式(23)、(24)等に示す
ようにグレーエッジ用の変動値SA,SBを算出する
(ステップS45)。逆に色エッジである場合には、上
記式(46′)、(47′)等に示すように色エッジ用
の変動値SA,SBを算出する(ステップS46)。そ
して、変動値SA,SBは重み付け係数選択手段14に
入力されて、第1の実施形態と同様に、メモリ14Aに
記憶されたテーブルを参照して重み付け係数Sjが選択
され、ステップS11,S12,S13の処理により算
出された信号値がビットシフトを用いて重み付け加算さ
れて、R信号QRが算出される(ステップS47)。な
お、ビットシフトを行うことなく、上記式(33)に示
す重み付け加算を行うようにしてもよいことはもちろん
である。
【0126】このように、第2の実施形態によれば、信
号値を算出する画素位置がグレーエッジにあるか色エッ
ジにあるかを判定し、判定結果に応じて重み付け係数S
jを算出するための変動値SA,SBの算出方法を変更
するようにしたため、信号値を算出する画素位置がグレ
ーエッジにある場合であっても、偽色を低減できる。ま
た、信号値を算出する画素位置が色エッジにある場合に
は、エッジ付近における細かい色味を残して自然な感じ
となる画像を得ることができる。
【0127】ここで、単板CCD1を使用した撮像装置
においては、偽色を低減するために、画像データを得る
ための撮像系において、光学ローパスフィルタを用いる
必要がある。図26はハニカム配列の単板CCDを用い
たデジタルカメラの撮像系を示す図、図27はハニカム
配列の単板CCDにおいて得られた信号値の周波数特性
を示す図である。なお、図27ではfs/2がナイキス
ト周波数であり、図27(a)における実線は従来の処
理により再現可能な周波数帯域、図27(b)における
実線は本実施形態の処理により再現可能な周波数帯域を
それぞれ示している。図26に示すように、デジタルカ
メラの撮像系は被写体から順に撮影レンズ31、光学ロ
ーパスフィルタ32およびハニカム配列の単板CCD3
3が配列されてなる。なお、光軸をXで示す。上記特開
平10−20906号、同10−136391号等に記
載された方法においては、偽色の低減効果が不十分であ
るため、図27(a)に示す実線より外側の周波数帯域
をカットするための帯域の狭い光学ローパスフィルタ3
2を使用する必要がある。しかしながら、このような帯
域の狭い光学ローパスフィルタを使用すると、得られる
画像の解像度が低下する。また、このような周波数帯域
の狭い光学ローパスフィルタ32を作成するには、中心
波長630〜785nm程度の1/4波長板を図28
(a)に示すように3枚張り合わせる必要があるため、
撮像系の構成が大型化する。
【0128】本発明によれば、従来の方法と比較して偽
色を低減することができるため、光学ローパスフィルタ
32の周波数帯域を図27(b)に示すように広げるこ
とができ、これにより、単板CCD33において得られ
る画像データS0により表される画像の解像度を向上さ
せることができる。また、図28(b)に示すように2
枚の1/4波長板を張り合わせることにより、図27
(b)に示す特性を得ることができるため、撮像系を小
型化することができる。
【0129】なお、上記第1および第2の実施形態にお
いては単板CCD1として、G画素がR,B画素に対し
て倍の密度を有するものについて説明したが、R画素が
G,B画素に対して、あるいはB画素がR,G画素に対
して倍の密度を有するものであってもよい。また、R,
G,Bに対して分光感度を有するものについて説明した
が、単板CCD1としてはこれに限定されるものではな
く、Y(イエロー)、G(グリーン)、C(シアン)に
対して分光感度を有するもの、あるいはY、W(ホワイ
ト)、Cに対して分光感度を有するものであってもよ
い。
【0130】また、上記第1および第2の実施形態にお
いては、3色全ての信号値を算出しているが、1色また
は2色のみの信号値を算出するようにしてもよい。
【0131】さらに、上記第1および第2の実施形態に
おいては、式(29)により重み付け係数Sjを算出す
るものとしているが、下記の式(60)により重み付け
係数Sjを算出するものとしてもよい。
【0132】 Sj=SB/(SA+SB) (if SA+SB=0 then Sj=0.5) (60) この場合、重み付け係数Sjと変動値SA,SBとの対
応関係は、図29に示すようにx軸方向に変動値SB、
y軸方向に変動値SAとした2次元平面上において規定
されることとなる。
【0133】また、この場合、R、B信号QR、QB
は、下記の式(61)により算出される。
【0134】 QR,QB=Sj*Q1+(1-Sj)*Q2 (61)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理装置の
構成を示す概略ブロック図
【図2】単板CCDにおける画素配列を示す図
【図3】ハニカム配列の単板CCDの画素配列を示す図
【図4】ハニカム配列の単板CCDの各画素位置を参照
番号を付して示す図
【図5】RB補間手段の構成を示す概略ブロック図
【図6】Cubicスプライン補間フィルタの例を示す図
【図7】信号値の算出を説明するための図(その1)
【図8】信号値の算出を説明するための図(その2)
【図9】信号値の算出を説明するための図(その3)
【図10】信号値の算出を説明するための図(その4)
【図11】信号値の算出を説明するための図(その5)
【図12】信号値の算出を説明するための図(その6)
【図13】信号値の算出を説明するための図(その7)
【図14】変動値SA,SBと重み付け係数Sjとの関
係を示す図
【図15】第1の実施形態の処理を説明するための図
【図16】市松正方フィルタの例を示す図(その1)
【図17】市松正方フィルタの例を示す図(その2)
【図18】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図19】信号算出処理の動作を示すフローチャート
【図20】ビットシフトを用いた重み付け加算処理の動
作を示すフローチャート
【図21】本発明の第2の実施形態による画像処理装置
におけるRB補間手段の構成を示す概略ブロック図
【図22】赤(R)および緑(G)からなる色エッジの
例を示す図
【図23】グレーエッジの例を示す図
【図24】変動値SA,SBの算出方法の差異を説明す
るための図
【図25】第2の実施形態における信号算出処理の動作
を示すフローチャート
【図26】ハニカム配列の単板CCDを用いたデジタル
カメラの撮像系を示す図
【図27】ハニカム配列の単板CCDにおいて得られた
信号値の周波数特性を示す図
【図28】光学ローパスフィルタの配置を示す図
【図29】変動値SA,SBと重み付け係数Sjとの関
係を示す図
【図30】ハニカム配列を示す図
【図31】ベイヤー配列を示す図
【図32】ベイヤー配列の画素位置を参照番号を付して
示す図
【図33】ハニカム配列の画素位置を参照番号を付して
示す図
【符号の説明】
1 単板CCD 2 補間手段 3 G補間手段 4 RB補間手段 5 市松正方補間手段 10 判定手段 11 第1補間手段 12 第2補間手段 13,23 変動値算出手段 14 重み付け係数選択手段 15 重み付け加算手段 31 撮影レンズ 32 光学ローパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA02 BA13 BA29 CA16 CB16 CD06 CE06 CE16 DC16 5C065 AA01 BB13 BB48 CC01 DD02 DD17 GG13 GG21 GG22 GG23 GG29 5C079 HB01 JA23 LA17 LA24 LA28 LA31 MA01 MA11 NA09 NA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる分光感度を有する第1から第3
    の光電変換素子を単一面上に配置して撮像面が形成され
    た撮像デバイスであって、前記第1および前記第2の光
    電変換素子を所定方向に交互に配置して第1ラインを形
    成し、前記第1および前記第3の光電変換素子を前記所
    定方向に交互に配置して第2ラインを形成し、前記所定
    方向と直交する直交方向において前記第1および前記第
    2の光電変換素子が交互に、かつ前記第1および前記第
    3の光電変換素子が交互に配置されるよう、前記第1お
    よび前記第2ラインを前記直交方向に交互に配置するこ
    とにより、第1から第3画素からなる前記撮像面が形成
    された撮像デバイスにおいて得られた第1から第3信号
    値に基づいて、全画素位置における前記第1から第3信
    号値のうち少なくとも1つの信号値を推定する画像処理
    方法において、 前記所定方向についての信号値の推定値である所定方向
    推定値および前記直交方向についての信号値の推定値で
    ある直交方向推定値を算出し、 前記所定方向についての信号値の変動量を表す所定方向
    変動値および前記直交方向についての信号値の変動量を
    表す直交方向変動値を算出し、 前記所定方向変動値および前記直交方向変動値の加算値
    に対する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値
    の比率を、前記所定方向推定値および前記直交方向推定
    値を重み付け加算する際の重み付け係数として算出する
    に際し、 前記重み付け係数が一定であるとした場合の前記所定方
    向変動値と前記直交方向変動値との関係に基づいて、複
    数の重み付け係数に対する所定方向変動値および直交方
    向変動値の対応関係を予め算出して記憶した記憶手段を
    参照して、前記所定方向変動値および前記直交方向変動
    値に基づいて、前記複数の重み付け係数から一の重み付
    け係数を選択し、 該一の重み付け係数に基づいて、前記所定方向推定値お
    よび前記直交方向推定値を重み付け加算して、前記第1
    から第3信号値のうち少なくとも1つの信号値を推定す
    ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段に記憶された前記対応関
    係における前記複数の重み付け係数が、前記加算値に対
    する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値の比
    率が1/2(nは自然数)となるように設定されてな
    り、 前記重み付け加算を、前記選択された一の重み付け係数
    に基づくビットシフトにより行うことを特徴とする請求
    項1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】 異なる分光感度を有する第1から第3
    の光電変換素子を単一面上に配置して撮像面が形成され
    た撮像デバイスであって、前記第1および前記第2の光
    電変換素子を所定方向に交互に配置して第1ラインを形
    成し、前記第1および前記第3の光電変換素子を前記所
    定方向に交互に配置して第2ラインを形成し、前記所定
    方向と直交する直交方向において前記第1および前記第
    2の光電変換素子が交互に、かつ前記第1および前記第
    3の光電変換素子が交互に配置されるよう、前記第1お
    よび前記第2ラインを前記直交方向に交互に配置するこ
    とにより、第1から第3画素からなる前記撮像面が形成
    された撮像デバイスにおいて得られた第1から第3信号
    値に基づいて、全画素位置における前記第1から第3信
    号値のうち少なくとも1つの信号値を推定する画像処理
    装置において、 前記所定方向についての信号値の推定値である所定方向
    推定値および前記直交方向についての信号値の推定値で
    ある直交方向推定値を算出する推定値算出手段と、 前記所定方向についての信号値の変動量を表す所定方向
    変動値および前記直交方向についての信号値の変動量を
    表す直交方向変動値を算出する変動値算出手段と、 前記所定方向変動値と前記直交方向変動値との加算値に
    対する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値の
    比率を、前記所定方向推定値および前記直交方向推定値
    を重み付け加算する際の重み付け係数として算出するに
    際し、前記重み付け係数が一定であるとした場合の前記
    所定方向変動値と前記直交方向変動値との関係に基づい
    て、複数の重み付け係数に対する所定方向変動値および
    直交方向変動値の対応関係を予め算出して、該対応関係
    を記憶した記憶手段と、 前記所定方向変動値および前記直交方向変動値に基づい
    て、前記記憶手段を参照して前記複数の重み付け係数か
    ら一の重み付け係数を選択する重み付け係数選択手段
    と、 該一の重み付け係数に基づいて、前記所定方向推定値お
    よび前記直交方向推定値を重み付け加算して、前記第1
    から第3信号値のうち少なくとも1つの信号値を推定す
    る重み付け加算手段とを備えたことを特徴とする画像処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に記憶された前記対応関
    係における前記複数の重み付け係数が、前記加算値に対
    する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値の比
    率が1/2(nは自然数)となるように設定されてな
    り、 前記重み付け加算手段は、前記重み付け加算を、前記選
    択された一の重み付け係数に基づくビットシフトにより
    行う手段であることを特徴とする請求項3記載の画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 異なる分光感度を有する第1から第3
    の光電変換素子を単一面上に配置して撮像面が形成され
    た撮像デバイスであって、前記第1および前記第2の光
    電変換素子を所定方向に交互に配置して第1ラインを形
    成し、前記第1および前記第3の光電変換素子を前記所
    定方向に交互に配置して第2ラインを形成し、前記所定
    方向と直交する直交方向において前記第1および前記第
    2の光電変換素子が交互に、かつ前記第1および前記第
    3の光電変換素子が交互に配置されるよう、前記第1お
    よび前記第2ラインを前記直交方向に交互に配置するこ
    とにより、第1から第3画素からなる前記撮像面が形成
    された撮像デバイスにおいて得られた第1から第3信号
    値に基づいて、全画素位置における前記第1から第3信
    号値のうち少なくとも1つの信号値を推定する画像処理
    方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記
    録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、 前記プログラムは、前記所定方向についての信号値の推
    定値である所定方向推定値および前記直交方向について
    の信号値の推定値である直交方向推定値を算出する手順
    と、 前記所定方向についての信号値の変動量を表す所定方向
    変動値および前記直交方向についての信号値の変動量を
    表す直交方向変動値を算出する手順と、 前記所定方向変動値および前記直交方向変動値の加算値
    に対する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値
    の比率を、前記所定方向推定値および前記直交方向推定
    値を重み付け加算する際の重み付け係数として算出する
    に際し、 前記重み付け係数が一定であるとした場合の前記所定方
    向変動値と前記直交方向変動値との関係に基づいて、複
    数の重み付け係数に対する所定方向変動値および直交方
    向変動値の対応関係を予め算出して記憶した記憶手段を
    参照して、前記所定方向変動値および前記直交方向変動
    値に基づいて、前記複数の重み付け係数から一の重み付
    け係数を選択する手順と、 該一の重み付け係数に基づいて、前記所定方向推定値お
    よび前記直交方向推定値を重み付け加算して、前記第1
    から第3信号値のうち少なくとも1つの信号値を推定す
    る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り
    可能な記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段に記憶された前記対応関
    係における前記複数の重み付け係数が、前記加算値に対
    する前記所定方向変動値または前記直交方向変動値の比
    率が1/2(nは自然数)となるように設定されてな
    り、 前記重み付け加算を行う手順は、前記重み付け加算を、
    前記選択された一の重み付け係数に基づくビットシフト
    により行う手順であることを特徴とする請求項5記載の
    コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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