JP2001289708A - 紫外線測定用チップ、紫外線センサー及び紫外線測定方法 - Google Patents

紫外線測定用チップ、紫外線センサー及び紫外線測定方法

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JP2001289708A
JP2001289708A JP2000101949A JP2000101949A JP2001289708A JP 2001289708 A JP2001289708 A JP 2001289708A JP 2000101949 A JP2000101949 A JP 2000101949A JP 2000101949 A JP2000101949 A JP 2000101949A JP 2001289708 A JP2001289708 A JP 2001289708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、小量の試薬で測定でき、コンパク
トで扱い易く、受光時間の長さによらず、精度の高い紫
外線量を測定できる紫外線測定用チップを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明の紫外線測定用チップは、全光線
受光量検出部と紫外線カット受光量検出部とを備え、全
光線受光量検出部が、第1光透過窓を有すとともに、キ
ノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液を収容する第
1反応室と、第1光透過窓に設けられた全光線透過板
と、第1反応室に設けられた第1作用電極と第1対極と
第1比較電極を有し、紫外線カット受光量検出部が、第
2光透過窓を有すとともに、キノン,有機溶媒,電解質
含有の共存電解液を収容する第2反応室と、第2光透過
窓に設けられた紫外線カット透過板と、第2反応室に設
けられた第2作用電極と第2対極と第2比較電極を有し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線量を測定す
るために、全光線を受光する第1反応室と紫外線をカッ
トした光を受光する第2反応室が設けられた紫外線測定
用チップ、及びこの紫外線測定用チップを装着して電気
化学的に紫外線量を算出する紫外線センサーと、さらに
電気化学的に紫外線量を算出する紫外線測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】400〜770nmの範囲の光はいわゆ
る可視光線と呼ばれ、人間の目で見える光線である。こ
のうちもっとも波長の短い400nm付近の光は紫の光
であり、この紫に近接するさらに波長の短い光を紫外線
と称している。この紫外線にも3種類存在する。1つめ
はUV−A波であり、波長が320〜400nmで、表
皮を透過して一部直接真皮まで襲う性質を有している。
しわや、たるみの原因になるものである。2つめは波長
が290〜320nmであって、UV−B波と呼ばれ、
表皮でさえぎられて、皮膚癌やしみ、ソバカスの原因に
なり、人間の皮膚にもっとも強い影響を与えるものであ
る。3つめは290nm以下の波長を有すものでUV−
C波と呼ばれ、オゾン層でほとんど吸収されるが、遺伝
子に影響を与え、皮膚癌を引き起こすものである。可視
光線のなかでもっとも波長の長い光は760nm付近に
存在する赤の光であって、この760nmを超えると赤
を超えた光ということで赤外線と呼ばれる。このうち7
60nm近傍の波長の短い赤外線は近赤外線と呼ばれ、
波長の長い50〜1000μmの赤外線は遠赤外線と呼
ばれている。これは暖房などに利用され、人間にもっと
も吸収され易いエネルギー波である。
【0003】以上説明した光の中でもっとも有害な光は
紫外線である。紫外線は上述した通り皮膚に影響を及ぼ
すが、これには皮膚組織に病変を与えるような重大な影
響はもちろん、日常発生するような軽い影響もある。す
なわち、肌にあるメラノサイト(色素形成細胞)に紫外
線を浴びさせるとメラニン色素を作り出し、肌が黒くな
ったり、シミ,ソバカスをつくってしまう。これに対
し、病変を与えるような重大な影響の筆頭は、紫外線が
皮膚細胞の核内にある遺伝子を傷つけ発癌させることで
ある。通常は一部の遺伝子が傷ついても、これを治す酵
素が働き修復されるが、大量の被曝で強い日焼けや傷が
形成されると、酵素による修復が十分に行われなくな
り、細胞が突然変異を起こし、癌を発症する可能性がき
わめて高くなる。
【0004】ところで、近年、安定で優れた冷媒という
ことでずっと多用されてきたフロンガスが、十分な検討
をされることなく大気内に放出されてきたため、地球の
大気をつつむオゾン層が破壊されるという事態が発生し
ている。オゾン層は地球に降り注ぐ紫外線を遮断し生物
を守る重要な役割を果たしているが、このオゾン層が破
壊されたため地表に届く紫外線の量が増加し、皮膚癌が
多発し、生物に大きな影響が出るようになってきてい
る。日本国内での皮膚癌の発症率は、1960年,19
70年代には約10万人に1人の割合であったが、現在
は約10万人当り5人程度に増えている。ただ、この割
合は、豪州の10万人当り800人、米国の10万人当
り250人といった割合に比べると格段に少ないが、確
実に増えてきているといえる。そして、オゾンが1%減
少すると紫外線は2%増加し、皮膚癌患者は3〜5%程
度増えるという報告もある(市橋正光、“医療ルネッサ
ンス”、読売新聞、[online]、(平成12年3
月3日検索)、<URL:http//www3.yo
miuri.co.jp/medicasl/life
/96112901.htm>)。
【0005】ところで、全国の24大学病院を対象に、
1970年代と1980年代の皮膚科外来患者のうち、
皮膚癌患者の占める割合が調査された。この2つの年代
を比較すると、1980年代の皮膚癌患者の方が、表皮
の最下層に並ぶ基底細胞癌で17%増加し、皮膚の前癌
症状で、肌に赤や黒のまだらやただれができる日光角化
症が84%増加したという報告がなされている。従っ
て、子供等が日中に屋外で思いっきり遊ぶことは成長の
ための重要なファクターであるが、スポーツやレクリエ
ーション等で長時間遊んで日光を多量に浴びる場合逆効
果で、長そでシャツを着たり、日焼け止めのクリームを
塗る等の紫外線対策が必要なことが分かる。とくに、ご
く少量の紫外線でも極度の日焼けを起こす色素性乾皮症
患者は、紫外線障害を受けた遺伝子を修復する酵素シス
テムに遺伝的欠陥があるため、通常人の1000倍から
2000倍も発癌するおそれがあり、紫外線対策はとく
に念入りに行われなければならない。
【0006】この紫外線対策がいかに重要かということ
を示す実験が神戸大学の市橋正光教授によって行われて
いる。実験というのは、色素性乾皮症に罹った4歳と2
歳の姉妹の患者に、日焼け止めクリームを塗ること、帽
子を被ることなどの紫外線対策を徹底的に指導し、その
後の紫外線の影響を遮断することで、それまで無防備に
過ごした2人の2年の差がどれだけ発癌に影響するかと
いうことを追跡したものである。結果として2人はいず
れも発癌したが、姉は13歳で発癌し、妹は23歳で発
癌するに至った。すなわち、姉は幼児時代に紫外線を無
防備に2年間多く浴びたために、10年も早く発癌した
ことになる。紫外線からの保護がいかに重要かがを示す
事実である。しかも、紫外線は皮膚の免疫機構にも悪影
響を与える。動物実験では、紫外線照射で全身の免疫力
が低下し、感染症に罹りやすくなることが実証されてい
る。
【0007】免疫力が低下すると、癌細胞が発生しても
これを排除することができない。米国のある研究では、
皮膚がうっすらと赤くなる程度の紫外線量を基準にし
て、これの4倍程度の紫外線を浴びた場合、普通の人で
40%、皮膚癌患者は95%の人が免疫力が正常にはた
らかなかったと報告されている。
【0008】ところで、欧米では一般に日焼けは危険で
あるとの意識が浸透しているが、日本の皮膚癌患者は高
齢者が大半であって、発病するまでに若年の人間より時
間がかかることが多く、一般に日本では紫外線に対する
認識が甘いといわれている。しかし、オゾン層が破壊さ
れ始めている現代、自分たちには無関係なことと悠長に
構えている訳にはいかない。
【0009】このオゾン層は、地球に降り注ぐ強い紫外
線の作用で成層圏の酸素(O2)がオゾン(O3)に変化
させられ、濃度を高めた大気の層である。このような反
応が起こることで太陽の光に含まれている有害なUV−
C等の紫外線をカットし、地表の生物の生命を守ってい
る。しかし、既に述べたように、この二、三十年間、冷
媒や、半導体等の洗浄液としてフロンガスが多用され、
しかも、それが環境への影響を十分検討することなく大
気中に放出され続けてきたため、フロンガス中の塩素が
成層圏において紫外線を受けて遊離し、これがオゾン層
のオゾンと反応して、さらに酸素とCLOに分解するよ
うになったからだといわれている。このようにしてオゾ
ンの濃度が低下すると、オゾン層にはもう有害な紫外線
を遮断する力がなく、紫外線はそのまま日常的に地表に
まで到達し、生物は知らず知らずのうちに多量の紫外線
を浴び、生命維持に大きな影響がでることになった。
【0010】従って、日常生活の中でどれくらい紫外線
を浴びているのか、その受光量を実測する必要性が今ほ
ど高まったことはかってない。こうした事態を受けて、
環境庁と気象庁も1993年から東京で紫外線のモニタ
リングを開始している。しかし、従来紫外線測定のため
の測定装置は数少ないものであった。
【0011】そこで、従来の紫外線測定装置にどのよう
な装置があったかについて説明する。その代表的なもの
にブリューワ分光光度計がある。このブリューワ分光光
度計は、UV−B紫外線を0.5nm刻みの波長で高精
度に分光観測できる特性をもつものである。しかし、ブ
リューワ分光光度計は少し安定性に欠け、厳密な保守管
理を行わなければならないものである。また、このほか
の紫外線測定装置として、太陽光にさらしたとき色が徐
々に白から青に変化していくUVセンサーがある。色の
変化を見て紫外線量を判断するものである。この他、電
気科学的に紫外線を測定する紫外線強度センサーもある
(特開平9−304177号公報)。この紫外線強度セ
ンサーは、光照射部にその一端が設置される石英ファイ
バーをもち、この石英ファイバーによって導かれた光か
ら紫外線成分だけを取り出すUVバンドパスフィルター
と、この紫外線成分の強度を測定する光強度センサーが
設けられた側光部を備えており、この側光部からの紫外
線強度信号に基づいて紫外線強度を表示する表示部を備
えた強度計本体から構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のブリ
ューワ分光光度計は、高精度ではあるが、やや安定性に
欠けるため厳密な保守管理が要求され、点検や較正をき
わめて頻繁に行わなければならないものであった。その
上、コストが高く、持ち運びできないものであり、専門
家でなければ使いこなせず、一般人が日常浴びる照射量
を測るのに適した測定装置とはいえないものであった。
【0013】次に、UVセンサーは、単純な色変化を見
て判断するため精度が悪く、とくに個人的な感覚に依存
するため測定結果の評価に個人差が大きいという問題が
あった。
【0014】さらに、従来の紫外線強度センサーでは、
その時点、時点の強度しか計れず、一日通して浴びた累
積した紫外線量を測ることはできないものであった。同
時に、このセンサーは構造も複雑で、持ち運びするのが
困難なものであった。
【0015】そこで、このような問題点を解決するため
に本発明は、小量の試薬で測定でき、コンパクトで扱い
易く、受光時間の長さによらず、精度の高い紫外線量を
測定できる紫外線測定用チップを提供することを目的と
する。
【0016】また、本発明は、小量の試薬で測定でき、
コンパクトかつ簡単に操作でき、持ち運びが容易で、受
光時間の長さによらず、精度の高い紫外線量を測定する
紫外線センサーを提供することを目的とする。
【0017】そして、本発明は、小量の試薬で、簡単に
測定でき、受光時間の長さによらず、精度が高い紫外線
量を測定できる紫外線測定方法を提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の紫外線測定用チップは、全光線受光量検出部と
紫外線カット受光量検出部とを備えた紫外線測定用チッ
プであって、前記全光線受光量検出部には、キノン,有
機溶媒,電解質含有の共存電解液を収容し、第1光透過
窓が設けられた第1反応室と、前記第1光透過窓に設け
られた全光線透過板と、前記第1反応室内に配設され、
且つ前記共存電解液に浸漬される第1作用電極と第1対
極と第1比較電極が設けられ、前記紫外線カット受光量
検出部には、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解
液を収容し、第2光透過窓が設けられた第2反応室と、
前記第2光透過窓に設けられた紫外線カット透過板と、
前記第2反応室内に配設され、且つ前記共存電解液に浸
漬される第2作用電極と第2対極と第2比較電極が設け
られており、前記第1作用電極,前記第1対極,前記第
1比較電極,前記第2作用電極,前記第2対極,前記第
2比較電極とそれぞれ電気的に接続された複数の端子を
備えていることを特徴とする。
【0019】これにより、小量の試薬で測定でき、コン
パクトで扱い易く、受光時間の長さによらず、精度の高
い紫外線量を測定できる。
【0020】また、本発明の紫外線センサーは、請求項
1〜7のいずれかに記載の紫外線測定用チップを挿入
し、前記端子のそれぞれと電気的に接続できるコネクタ
端子が設けられた測定用チップ挿入部を備え、前記紫外
線測定用チップを挿入したとき前記第1作用電極と前記
第1対極間に電圧を印加できる第1電源と、前記第2作
用電極と前記第2対極間に電圧を印加できる第2電源と
を有し、前記第1作用電極と前記第1比較電極間の電位
を掃引するとともに、前記第2作用電極と前記第2比較
電極間の電位を掃引する制御部と、前記第1作用電極と
前記第1対極間に流れる電流を検知する第1検出部と、
前記第2作用電極と前記第2対極間に流れる電流を検知
する第2検出部とを有し、前記第1検出部と前記第2検
出部で検知された電流値の差から紫外線量を算出する演
算部を備えたことを特徴とする。
【0021】これにより、小量の試薬で測定でき、コン
パクトかつ簡単に操作でき、持ち運びが容易で、受光時
間の長さによらず、精度の高い紫外線量を測定すること
ができる。
【0022】さらに、本発明の紫外線測定方法は、キノ
ン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液に全光線を照射
するとともに、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電
解液に紫外線をカットした光を照射し、全光線を照射し
た共存電解液と紫外線をカットした光を照射した共存電
解液をそれぞれボルタンメトリーし、還元電流値の差を
とることにより紫外線量を算出することを特徴とする。
【0023】これにより、小量の試薬で、簡単に測定で
き、受光時間の長さによらず、精度が高い紫外線量を測
定できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載された発
明は、全光線受光量検出部と紫外線カット受光量検出部
とを備えた紫外線測定用チップであって、前記全光線受
光量検出部には、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存
電解液を収容し、第1光透過窓が設けられた第1反応室
と、前記第1光透過窓に設けられた全光線透過板と、前
記第1反応室内に配設され、且つ前記共存電解液に浸漬
される第1作用電極と第1対極と第1比較電極が設けら
れ、前記紫外線カット受光量検出部には、キノン,有機
溶媒,電解質含有の共存電解液を収容し、第2光透過窓
が設けられた第2反応室と、前記第2光透過窓に設けら
れた紫外線カット透過板と、前記第2反応室内に配設さ
れ、且つ前記共存電解液に浸漬される第2作用電極と第
2対極と第2比較電極が設けられており、前記第1作用
電極,前記第1対極,前記第1比較電極,前記第2作用
電極,前記第2対極,前記第2比較電極とそれぞれ電気
的に接続された複数の端子を備えていることを特徴とす
る紫外線測定用チップであるから、小量の試薬で測定で
き、コンパクトかつ簡単に操作でき、持ち運びが容易
で、受光時間の長さによらず、精度の高い紫外線量を測
定することができる。
【0025】請求項2に記載された発明は、前記全光線
透過板が石英ガラスを含んでいることを特徴とする請求
項1記載の紫外線測定用チップであるから、他の周波数
の光を遮断することなく、紫外線を99%以上透過さ
せ、安価である。
【0026】請求項3に記載された発明は、前記紫外線
カット透過板が紫外線カットフィルターを備えたことを
特徴とする請求項1または2に記載の紫外線測定用チッ
プであるから、他の周波数の光を遮断することなく、紫
外線のみをカットできる。
【0027】請求項4に記載された発明は、前記第1作
用電極と第2作用電極がそれぞれ炭素,ガラス状炭素,
金の中から選ばれた1以上の材料から構成されているこ
とを特徴とすれ請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線
測定用チップであるから、電流値を安定して測定でき
る。
【0028】請求項5に記載された発明は、前記第1対
極と前記第2対極がそれぞれ耐食性導電体から構成され
ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
の紫外線測定用チップであるから、劣化もなく、安定し
て測定できる。
【0029】請求項6に記載された発明は、前記耐食性
導電体が白金,ステンレス,白金含有合金,炭素の中か
ら選ばれた1以上の材料から構成されていることを特徴
とする請求項5記載の紫外線測定用チップであるから、
劣化がほとんんどなく、安定した測定ができる。
【0030】請求項7に記載された発明は、前記第1比
較電極と前記第2比較電極がそれぞれ金または炭素から
構成されていることを特徴とする紫外線測定用チップで
あるから、比較電極が単純で安価になる。
【0031】請求項8に記載された発明は、請求項1〜
7のいずれかに記載の紫外線測定用チップを挿入し、前
記端子のそれぞれと電気的に接続できるコネクタ端子が
設けられた測定用チップ挿入部を備え、前記紫外線測定
用チップを挿入したとき前記第1作用電極と前記第1対
極間に電圧を印加できる第1電源と、前記第2作用電極
と前記第2対極間に電圧を印加できる第2電源とを有
し、前記第1作用電極と前記第1比較電極間の電位を掃
引するとともに、前記第2作用電極と前記第2比較電極
間の電位を掃引する制御部と、前記第1作用電極と前記
第1対極間に流れる電流を検知する第1検出部と、前記
第2作用電極と前記第2対極間に流れる電流を検知する
第2検出部とを有し、前記第1検出部と前記第2検出部
で検知された電流値の差から紫外線量を算出する演算部
を備えたことを特徴とする紫外線センサーであるから、
小量の試薬で測定でき、コンパクトかつ簡単に操作で
き、持ち運びが容易で、受光時間の長さによらず、精度
の高い紫外線量を測定することができる。
【0032】請求項9に記載された発明は、請求項1〜
7のいずれかに記載の紫外線測定用チップを挿入し、前
記端子のそれぞれと電気的に接続できるコネクタ端子が
設けられた測定用チップ挿入部を備え、前記紫外線測定
用チップを挿入したとき前記第1作用電極と前記第1対
極間に電圧を印加できる第1電源と、前記第2作用電極
と前記第2対極間に電圧を印加できる第2電源とを有
し、前記第1作用電極と前記第1比較電極間を前記第1
比較電極を基準にして所定の電位に制御するとともに、
前記第2作用電極と前記第2比較電極間を前記第2比較
電極を基準にして所定の電位に制御する制御部と、前記
第1作用電極と前記第1対極間に流れる電流を検知する
第1検出部と、前記第2作用電極と前記第2対極間に流
れる電流を検知する第2検出部とを有し、前記第1検出
部と前記第2検出部で検知された電流値の差から紫外線
量を算出する演算部を備えたことを特徴とする紫外線セ
ンサーであるから、小量の試薬で測定でき、コンパクト
かつ簡単に操作でき、制御部がより簡単であり、持ち運
びが容易で、受光時間の長さによらず、精度の高い紫外
線量を測定することができる。
【0033】請求項10に記載された発明は、前記第2
電源が前記第1電源であることを特徴とする請求項8ま
たは9記載の紫外線センサーであるから、電源回路がコ
ンパクトになる。
【0034】請求項11に記載された発明は、前記制御
部が10mV/s〜200mV/sの掃引速度で掃引す
ることを特徴とする請求項8記載の紫外線センサーであ
るから、電流のプレピーク値を精度良く測定できる。
【0035】請求項12に記載された発明は、キノン,
有機溶媒,電解質含有の共存電解液に全光線を照射する
とともに、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液
に紫外線をカットした光を照射し、全光線を照射した共
存電解液と紫外線をカットした光を照射した共存電解液
をそれぞれボルタンメトリーし、還元電流値の差をとる
ことにより紫外線量を算出することを特徴とする紫外線
測定方法であるから、小量の試薬で、簡単に測定でき、
精度が高い紫外線量を測定できる。
【0036】請求項13に記載された発明は、キノン,
有機溶媒,電解質含有の共存電解液に全光線を照射する
とともに、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液
に紫外線をカットした光を照射し、全光線を照射した共
存電解液と紫外線をカットした光を照射した共存電解液
をそれぞれクロノアンペロメトリーし、還元電流値の差
をとることにより紫外線量を算出することを特徴とする
紫外線測定方法であるから、小量の試薬で、さらに簡単
且つ迅速に測定でき、精度が高い紫外線量を測定でき
る。
【0037】以下、本発明の実施の形態について図1〜
図6を用いて説明する。
【0038】(実施の形態1)まず、本発明の一実施の
形態である紫外線センサーと紫外線測定用チップについ
て、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実
施の形態1における紫外線センサーの概略外観図であ
る。図1において、1は本体、2は測定値を紫外線量に
換算して表示する表示部、3は測定を開始するためのス
タート・ストップボタン、4は記憶データを呼び出した
り各種モードを切り替えるモード切り替えボタン、5は
電源を入切する電源ボタン、6は後述する紫外線測定用
チップ(以下、測定チップ)Cによって紫外線を受光し
た後、この測定チップCを挿入して電気的接続を行い紫
外線量を測定する測定チップ挿入部である。測定チップ
挿入部6の内部には、測定チップCの端子と接続が可能
なコネクタ端子(図示しない)が設けられている。
【0039】図2は本発明の実施の形態1における紫外
線センサーの紫外線測定用チップの説明図である。7は
第1作用電極用パターン、7′は第2作用電極用パター
ン、8は第1対極用パターン、8′は第2対極用パター
ン、9は第1比較電極用パターン、9′は第2比較電極
用パターン、10は第1作用電極、10′は第2作用電
極、11は第1対極、11′は第2対極、12は第1比
較電極、12′は第2比較電極である。7t1は第1作
用電極用の端子、7t2は第2作用電極用の端子、8t1
は第1対極用の端子、8t2は第2対極用の端子、9t1
は第1比較電極用の端子、9t2は第2比較電極用の端
子である。15は基板である。
【0040】第1作用電極用パターン7は、樹脂バイン
ダーを含有させた通電性カーボンペーストを基板15に
スクリーン印刷で薄く帯状に印刷して薄膜化したもので
ある。第1作用電極用パターン7は第1作用電極10に
接続される。第1作用電極10は、グラッシーカーボン
と呼ばれる炭素電極,PFCと呼ばれるプラスチックフ
ォームを1000℃〜2000℃で焼結した炭素材料、
あるいは金を蒸着またはスパッタリングなどして形成し
た薄膜で構成される。第2作用電極10′もまったく同
様に構成するのが適当である。しかし、このように第1
作用電極10と第1作用電極用パターン7を別材料で構
成するのでなく、第1作用電極用パターン7といっしょ
に通電性カーボンペーストでスクリーン印刷して薄膜と
して一体成形するのが、工程を減らし、コストを低減で
きて望ましい。第2作用電極10′に関しても第1作用
電極10と同様に一体成形するのが適当である。
【0041】次に、第1対極用パターン8は、樹脂バイ
ンダーを含有させた通電性カーボンペーストを基板15
にスクリーン印刷で薄く帯状に印刷して薄膜化したもの
である。第1対極用パターン8は第1対極11に接続さ
れる。第1対極11は白金,黒鉛,金,ステンレス,ア
ルミニウムその他の導電性材料から構成される。第2対
極11′もまったく同様に構成するのが適当である。第
1作用電極10と第1作用電極用パターン7との関係と
同様に、第1対極11も第1対極用パターン8と別材料
で構成するのでなく、第1対極用パターン8といっしょ
に通電性カーボンペーストで一体形成するのが、工程が
減り、コストも低減されるので適当である。第2対極1
1′に関しても第1対極11と同様に一体成形するのが
適当である。
【0042】さらに、第1比較電極用パターン9は、樹
脂バインダーを含有させた通電性カーボンペーストを基
板15にスクリーン印刷で薄く帯状に印刷して薄膜化し
たものである。第1比較電極パターン9は第1比較電極
12に接続される。この第1比較電極12はグラッシー
カーボンと呼ばれる炭素電極,PFCと呼ばれるプラス
チックフォームを1000℃〜2000℃で焼結した炭
素材料、あるいは金を蒸着またはスパッタリングなどし
て形成した薄膜で構成される。これらは第2比較電極用
パターン9′と第2比較電極12′でも同様である。
【0043】なお、第1作用電極用の端子7t1、第1
対極用の端子8t1、第1比較電極用の端子9t1、第2
作用電極用の端子7t2、第2対極用の端子8t2、第2
比較電極用の端子9t2を、白金,金,ステンレスその
他の導電性材料でつくって強化しておくのが、コネクタ
の接触強度を高め、電気的にも抵抗少ない接続が可能に
なり、望ましい。
【0044】続いて、図2において、13は第1光透過
窓、13′は第2光透過窓、14は第1反応室、14′
は第2反応室、16は全光線透過板、16′は紫外線カ
ット透過板である。第1反応室14の表面には全光線を
透過する第1光透過窓13が開口され、この第1光透過
窓13には全光線透過板16が取り付けられている。同
じく、第2反応室14′の表面には紫外線だけをカット
した光が透過する第2光透過窓13′が開口され、この
第2光透過窓13に紫外線カット透過板16′が取り付
けられている。
【0045】この第1反応室14内には、第1作用電極
10、第1対極11、第1比較電極12が互いに非接触
の状態で並べられ、それぞれが第1作用電極用パターン
7、第1対極用パターン8、第1比較電極用パターン9
によって外部に導き出される。この導き出された第1作
用電極用パターン7、第1対極用パターン8、第1比較
電極用パターン9の端部は、第1作用電極用の端子7t
1、第1対極用の端子8t1、第1比較電極用の端子9t
1となっており、測定チップ挿入部6に装着されたとき
電気的に接続される。第1作用電極10、第1対極1
1、第1比較電極12の各電極部分と、第1作用電極用
の端子7t1、第1対極用の端子8t1、第1比較電極用
の端子9t1の各端子部分を除き、第1作用電極用パタ
ーン7、第1対極用パターン8、第1比較電極用パター
ン9の表面は絶縁材料で被覆されている。
【0046】同様に、第2反応室14′内には、第2作
用電極10′、第2対極11′、第2比較電極12′が
互いに非接触の状態で並べられ、それぞれが第2作用電
極用パターン7′、第2対極用パターン8′、第2比較
電極用パターン9′によって外部に導き出される。この
導き出された第2作用電極用パターン7′、第2対極用
パターン8′、第2比較電極用パターン9′の端部は、
第2作用電極用の端子7t2、第2対極用の端子8t2、
第2比較電極用の端子9t2となっており、測定チップ
挿入部6に装着されたとき電気的に接続される。第2作
用電極10′、第2対極11′、第2比較電極12′の
各電極部分と、第2作用電極用の端子7t2、第2対極
用の端子8t2、第2比較電極用の端子9t2の各端子部
分を除き、第2作用電極用パターン7′、第2対極用パ
ターン8′、第2比較電極用パターン9′の表面は絶縁
材料で被覆されている。
【0047】そして、本実施の形態1においては、第1
作用電極用パターン7、第1対極用パターン8、第1比
較電極用パターン9、第2作用電極用パターン7′、第
2対極用パターン8′、第2比較電極用パターン9′は
いずれも平行に引き出されており、端部となる第1作用
電極用の端子7t1、第1対極用の端子8t1、第1比較
電極用の端子9t1、第2作用電極用の端子7t2、第2
対極用の端子8t2、第2比較電極用の端子9t2も略等
ピッチで平行に設けられている。これによりコンパクト
化が可能で、測定用チップ挿入部6内のコネクタ端子と
電気的に接続される。
【0048】ところで、本実施の形態1の第1反応室1
4と第2反応室14′内には、光の受光量を電気化学的
に測定するための共存電解液Aと共存電解液A′がそれ
ぞれ収容されている。この共存電解液Aと共存電解液
A′は同一成分であり、いずれもキノンをエタノールや
イソプロピルアルコールなどの有機溶媒に溶解したもの
で、さらに塩化ナトリウムや塩化リチウムなどの電解質
を添加している。使用されるキノンの例をあげると、p
−ベンゾキノン,3−メチル−p−ベンゾキノン、o−
ベンゾキノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アント
ラキノン、ベンゼンアゾヒドロキノン、さらにこれらキ
ノンの誘導体等がある。キノン類まで含むものである。
実施の形態1においては、共存電解液A,A′の組成と
して、具体的には3−メチル−p−ベンゾキノン20m
Mと、塩化ナトリウム150mMを、エタノールと水の
混合比率8対2の溶媒に溶解して作製したものを利用し
ている。
【0049】共存電解液Aが収容される第1反応室14
には全光線透過板16が取り付けられている。この全光
線透過板16は紫外線透過率99%の石英ガラス、ダイ
ヤモンド、塩化ナトリウム単結晶、チタニアなどが適当
である。また、共存電解液A′が収容される第2反応室
14′には紫外線カット透過板16′が取り付けられて
いる。この紫外線カット透過板16′は紫外線を90%
以上遮断し、赤外線等の他の光線は透過させる透明の塩
化ビニール樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、メタクリル樹脂等の樹脂か、もしくは通常のガラス
の表面に軟質ビニールフィルム、ポリウレタンフィル
ム、ポリエステルフィルムなどの特殊処理を施した紫外
線カットフィルターを施したものである。
【0050】このように、第1反応室14には、第1光
透過窓13が設けられ、さらに全光線透過板16が嵌め
込まれており、内部に共存電解液Aが収容されている。
そして、この共存電解液Aには第1作用電極10、第1
対極11、第1比較電極12が非接触の状態で浸漬され
ている。これらで本実施の形態1の測定チップCの全光
線受光量検出部Aを構成している。また、第2反応室1
4′には、第2光透過窓13′が設けられ、さらに紫外
線カット透過板16′が嵌め込まれており、内部に共存
電解液A′が収容されている。そして、この共存電解液
A′には第2作用電極10′、第2対極11′、第2較
電極12′が非接触の状態で浸漬されている。これらで
本実施の形態1の測定チップCの紫外線カット受光量検
出部Bを構成している。
【0051】なお、測定チップCは、紫外線の影響を除
いてキノンへの影響を同一にするため、全光線受光量検
出部Aと紫外線カット受光量検出部Bを接近させ、2つ
極近傍に並べて設けてある。共存電解液A,A′は紫外
線を除いてキノンの劣化度を共通にするため、全光線受
光量検出部Aと紫外線カット受光量検出部Bとを構成す
る電極材料、電極用パターン材料等を同一にし、且つ同
じ成分で環境が同一条件の共存電解液を用いるのが適当
である。
【0052】次いで、本実施の形態1の測定チップCで
紫外線量を検出できる理由を以下説明する。図3は、キ
ノン含有の共存電解液への光の照射時間とキノン還元電
流のピーク値の関係を示すグラフである。キノンは3−
メチル−p−ベンゾキノンで、照射した光は30W/m
2の紫外線と全光線に当る日光である。このときの測定
条件は、作用電極と比較電極はグラッシーカーボン、対
極は白金で構成し、作用電極の面積3.2mm2、共存
電解液は3−メチル−p−ベンゾキノン20mM、塩化
ナトリウム150mM、エタノールと水の混合比率8:
2を混合したものであり、比較電極電位を基準に作用電
極が掃引電位となるように作用電極と対極間に電圧を印
加し、掃引速度100mV/秒で掃引して3−メチル−
p−ベンゾキノンの還元電位においてピークをもつ還元
電流を得たものである。なお、後述するように、掃引す
るのでなく所定の電圧を印加してファラデー電流を測定
して還元電流値を得るのでもよい。図3に示すとおり、
紫外線を受光した場合も、日光をすべて受光した場合
も、受光時間が増加するとキノン還元電流のピーク値は
低下していく。従って、予め強度が分かっている紫外線
を測定チップに照射して、これによって3−メチル−p
−ベンゾキノンを減少させた共存電解液を電気化学的に
測定し、受光時間と紫外線の強度を変量にして、検量線
を作成しておけば、3−メチル−p−ベンゾキノンの量
を測定するだけで測定チップが受光した紫外線の量を測
定できることになる。
【0053】しかし、キノンの劣化に影響を及ぼすのは
光ばかりではない。周囲の温度など、光以外の因子もキ
ノンの劣化に大きな影響を与える。そこで、本発明にお
いては、上述したとおり紫外線だけを遮断した共存電解
液と、紫外線を遮断せず残りのすべてにおいて同一の条
件を与えた共存電解液をシリアルに2つほぼ同時に測定
するようにしている。紫外線以外では両者全く同一の条
件であるから、キノンの量を2つの共存電解液で測定す
れば、紫外線を当てた側の共存電解液において余分に減
少したキノンの量が紫外線の受光量に比例していること
になる。このように、紫外線を遮断して測定した共存電
解液と、すべての光を透過させて測定した共存電解液の
差をとって、紫外線の影響によるキノンの減少量を求
め、予め測定しておいた紫外線の検量線と比較すること
で、紫外線の受光量を検出できるものである。なお、以
上説明したことから分かるとおり、本発明の紫外線測定
方法によれば紫外線の受光量が時間に比例して正確に測
定できるため、従来のブリューワ分光光度計ができなか
った1日分の紫外線の受光量といった長時間の受光量を
正確に測定できる特徴がある。
【0054】ところで、紫外線が紫外線カット透過板1
6′によってどの程度遮断されるかは、紫外線カット透
過板16′の材質による。そこで遮断率が低い材質の場
合は、この紫外線カット透過板16′で紫外線を遮断し
た場合と全光線透過板16でこれを透過させた場合の還
元電流値の差をとり、遮断率、すなわち紫外線カット透
過板16′の材質に応じ、100%遮断した場合に換算
するのが適当である。
【0055】本実施の形態1においては、全光線受光量
検出部Aと紫外線カット受光量検出部Bの共存電解液
A,A′は上述した同一成分の溶液を使用し、キノンと
して3−メチル−p−ベンゾキノンを採用しており、全
光線受光量検出部Aでは、表面に設けられた全光線透過
板16が紫外線を含む全光線を透過するため、透過した
紫外線によって3−メチル−p−ハイドロキシベンゾキ
ノンとなって3−メチル−p−ベンゾキノンの量が減少
する。これとともに、他の光線(例えば赤外線など)や
周囲の温度等によっても同様の変化を起こしてさらにそ
の量を減らす。これに対し、紫外線カット受光量検出部
Bでは、紫外線カット透過板16′が紫外線をカットす
るため、3−メチル−p−ベンゾキノンに対する紫外線
の影響が断たれ、3−メチル−p−ベンゾキノンは紫外
線以外の条件の影響で3−メチル−p−ハイドロキシベ
ンゾキノンに変化して減少する。すなわち、両者の差は
紫外線による3−メチル−p−ベンゾキノンの減少のみ
となる。
【0056】3−メチル−p−ベンゾキノンが減少する
と、第1作用電極10と第2作用電極10′に3−メチ
ル−p−ベンゾキノンの還元電位を印加したとき、第1
作用電極10と第2作用電極10′近傍で3−メチル−
p−ベンゾキノンがプロトンを奪って流れる還元電流が
それぞれ減少する。全光線受光量検出部Aと紫外線カッ
ト受光量検出部Bで測定した3−メチル−p−ベンゾキ
ノンの還元電流値の差を算出すれば、この差は紫外線由
来の還元電流値の差となる。そして、紫外線を受光する
時間と、紫外線の強度ごとに予め検量しておいた3−メ
チル−p−ベンゾキノンの減少量を示す検量線との比較
を行うことで紫外線の受光量を測定するものである。も
し、紫外線カット透過板16′が100%紫外線をカッ
トできない場合は、紫外線カット透過板16′の遮断率
に応じて補正する。例えば、90%の遮断率なら1.0
3倍する。
【0057】ところで、本実施の形態1においては、還
元電流を測定するために第1作用電極10と第2作用電
極10′の電位を掃引している。しかし、掃引する以外
の別のタイプの電圧印加方法も有効である。そこで、掃
引する方法を含め、この2つの印加方法についてもう少
し詳細に説明する。
【0058】1つめの印加方法は、既に述べ実施の形態
1でも使用した方法で、第1対極11または第2対極1
1′を、第1比較電極12または第2比較電極12′に
対して、例えば+800mV〜−1000mVの範囲で
掃引する方法である。掃引する電圧範囲は溶存酸素の影
響を受けないようにするために選択されたものである
が、各電極の種類やキノンの種類によっても変化するの
で注意が必要である。この方法はボルタンメトリーと呼
ばれる。図4はボルタンメトリーを行ったときに現れる
還元電流の説明図である。図4に示すように、ボルタン
メトリーした場合、掃引の結果得られた電位−還元電流
曲線(ボルタモグラム)の中に現れる還元電流のピーク
値を測定する。なお、掃引速度としては電極反応を電子
移動律速とするために10mV/s〜200mV/sと
するのが適当である。
【0059】2つめの印加方法は、第1対極11または
第2対極11′を、第1比較電極12または第2比較電
極12′に対して3−メチル−p−ベンゾキノンの還元
電位をパルス状またはステップ状に印加する方法であ
る。キノンの種類にもよるが、おおむね紫外線の吸収と
の関係から−200mV〜−1000mVの範囲となる
ようなキノンを選ぶのが適当である。この電圧範囲は溶
存酸素の影響を受けない範囲である。なお、第1作用電
極10または第2作用電極10′が上記したような炭素
材料とは別の材料になるとこの範囲は若干変動する。こ
の印加方法はクロノアンペロメトリーと呼ばれる。クロ
ノアンペロメトリーを行うと、第1作用電極10または
第2作用電極10′表面に電気二重層が形成され、電極
近傍でキノンがアニオン化して溶媒よりプロトンを奪う
現象が発生する。本実施の形態1では3−メチル−p−
ベンゾキノンが用いられているから、電子の移動により
還元され、ヒドロ化して3−メチル−p−ヒドロキシベ
ンゾキノンとなる。このとき急激に流れる還元電流はフ
ァラデー電流と呼ばれ、これが3−メチル−p−ベンゾ
キノンの量に比例するから、このファラデー電流値を測
定することで逆に3−メチル−p−ベンゾキノンの量が
測定できるものである。図5はクロノアンペロメトリー
を行ったときに現れるファラデー電流の説明図である。
【0060】本実施の形態1における紫外線センサーと
測定チップは、以上説明した電気化学的方法で還元電流
値の測定を行って、紫外線の量を算出し、表示部に紫外
線照射量を表示するものであるが、その具体的な制御回
路と操作について説明する。
【0061】まず、紫外線受光量を測定するため測定チ
ップCを身体の一部に取り付け、全光線受光量検出部A
の第1光透過窓13と紫外線カット受光量検出部Bの第
2光透過窓13′を太陽の方向に向けるようにする。一
定時間日光を浴びた後、測定チップCを身体から取り外
し、本体1の測定チップ挿入部6に挿入する。これによ
り各電極と本体1内の制御回路が電気的に接続される。
そこで、電源ボタン5を押して、紫外線センサーを起動
させる。さらに、測定を開始するためにスタートボタン
3を押す。図6は本実施の形態1における紫外線センサ
ーの制御回路図である。図6において、35は表示部2
の1つであるLCD、36は紫外線センサーを制御する
制御部であって、マイクロコンピューターから構成さ
れ、メモリを備えている。制御部36は測定チップCの
各電極に所定の電位を与える制御を行うとともにLCD
35も制御し、後述の演算部48に全光線受光量検出部
Aと紫外線カット受光量検出部Bのそれぞれで測定され
た還元電流のピーク値から紫外線量を算出させるもので
ある。
【0062】スタートボタン3と電源ボタン5が押され
たら、制御部36は対応する回路内のスイッチをON
し、紫外線センサーは動作可能になる。そして、制御部
36はまず全光線受光量検出部Aに受光量の検出を開始
させ、これが終了した時点に、紫外線カット受光量検出
部Bに紫外線がカットされた光の受光量を検出するよう
に指令する。
【0063】37は第1比較電極12,第2比較電極1
2′や、第1対極11,第2対極11′に所定の電位を
印加するために制御部36が出力したデータをアナログ
信号に変換するD/Aコンバーター、38は第1対極1
1または第2対極11′に所定の電位を印加するオペア
ンプ、39は第1比較電極12と第2比較電極12′へ
の出力を切り替えるリレー、40は第1対極11と第2
対極11′への出力を切り替えるリレーである。また、
41は第1作用電極10,第2作用電極10′に還元電
流を測定するための所定の電位を印加するために制御部
36が出力したデータをアナログ信号に変換するD/A
コンバーター、43は第1作用電極10,第2作用電極
10′に還元電流を測定するための所定の電位を印加す
るオペアンプ、44は第1作用電極10と第1対極11
間,第2作用電極10′と第2対極11′間を流れる電
流を測定するための抵抗、45は第1作用電極10と第
2作用電極10′とを切り替えるためのリレーである。
46は抵抗44の両端で発生した降下電圧を入力され、
オペアンプにより構成された差動増幅回路により増幅し
て出力する電圧増幅部、47は電圧増幅部46で増幅さ
れた降下電圧をデータ化して制御部36に入力するA/
Dコンバーターである。抵抗44と電圧増幅部46が実
施の形態1の検知部である。本実施の形態1において
は、リレー39,40,45を切り替えることにより、
第1作用電極10と第1対極11間を流れる電流を検知
する第1検知部と、第2作用電極10′と第2対極1
1′間を流れる電流を検知する第2検知部とを兼用する
ことができ、回路が簡略化されている。同様に、本実施
の形態1ではD/Aコンバーター37,41の出力電圧
は制御部36からのデータにより可変にできるので、第
1作用電極10と第1対極11間,第2作用電極10′
と第2対極11′間の電圧を等電圧だけではなく別の電
圧とすることができる。制御部36は検知したデータを
第1作用電極10と第1対極11間,第2作用電極1
0′と第2対極11′間を流れる電流値として内部のメ
モリに記憶する。48は演算部で、全光線受光量検出部
Aと紫外線カット受光量検出部Bのそれぞれで測定した
還元電流値の差をとり、メモリされている紫外線の検量
線データと比較して、内挿して紫外線の受光量を算出す
る。
【0064】続いて、本実施の形態1の制御回路がどの
ように動作するのか説明する。測定チップCを、本体1
の測定チップ挿入部6に挿入し、電源ボタン5を押して
起動させる。さらに、測定を開始するためにスタートボ
タン3を押すと、制御部36は対応する制御回路の各ス
イッチをONし、紫外線センサーを動作可能にする。次
いで、制御部36は全光線受光量検出部Aに受光量の検
出を開始させるように指令する。紫外線を含んだ全光線
(日光)による3−メチル−p−ベンゾキノンの還元電
流値を測定するため、制御部36は第1対極11、第1
作用電極、第1比較電極12に通電する必要から、リレ
ー40をA′接点側、リレー39をA′′′接点側に接
続し、リレー45をA″側に接続する。その後、制御部
36は第1比較電極12に対するデータをメモリから読
み出し、D/Aコンバーター37でアナログ化してオペ
アンプ38に入力する。オペアンプ38はイマジナリシ
ョートを利用して第1比較電極をデータどおり基準の電
圧になるように第1対極11に印加する電位を制御す
る。同時に、制御部36は第1作用電極10に対するデ
ータをメモリから読み出し、D/Aコンバーターでアナ
ログ化してオペアンプ43に入力する。オペアンプ43
は電流を検出するための抵抗44で電圧降下が起こり、
出力側の第1作用電極10の電位に変化がでるのを防止
するため、ホロアとなっている。これにより第1作用電
極10はデータどおりに所定の電位に制御される。
【0065】実施の形態1では、全光線受光量検出部A
の光照射量を検出するためボルタンメトリーするから、
制御部36は第1作用電極10の電位を、10mV/s
〜200mV/sの掃引速度、+800mV〜−100
0mVの範囲で掃引する。第1対極11には、第1作用
電極10を第1比較電極12の電位を基準にしたとき、
掃引する所定の電位になるような電位がオペアンプ38
のイマジナリショートにより印加される。このとき第1
作用電極10を流れる還元電流値は抵抗44による電圧
降下で検出され、電圧増幅部46で増幅してからA/D
コンバーター47を介してデータ化して制御部36に入
力される。制御部36は電流値のデータの中でボルタモ
グラムを構成するデータの中で、ピーク値となるデータ
を選択してメモリする。このデータが全光線受光量検出
部Aの3−メチル−p−ベンゾキノンに対する劣化デー
タである。
【0066】続いて、制御部36は、紫外線カット受光
量検出部Bに紫外線をカットされた光の受光量を検出す
るように指令する。紫外線カット受光量検出部Bにより
受光量を検出する場合も、以上説明した全光線受光量検
出部Aによる検出と同様である。紫外線をカットした光
線による3−メチル−p−ベンゾキノンの還元電流を測
定するため、制御部36は第2対極11′、第2作用電
極10′、第2比較電極12′に通電する必要から、リ
レー40をB′接点側、リレー39をB′′′接点側に
接続し、リレー45をB″側に接続する。その後、制御
部36は第2比較電極12′に対するデータをメモリか
ら読み出し、D/Aコンバーター37でアナログ化して
オペアンプ38に入力する。オペアンプ38はイマジナ
リショートを利用して第2比較電極をデータどおり基準
の電圧になるように第2対極11′に印加する電位を制
御する。また、制御部36は第2作用電極10′に対す
るデータをメモリから読み出し、D/Aコンバーターで
アナログ化してオペアンプ43に入力する。オペアンプ
43は電流を検出するための抵抗44で電圧降下が起こ
り、出力側の第2作用電極10′の電位に変化がでるの
を防止するため、ホロアとなっている。これにより第2
作用電極10′はデータどおりに所定の電位に制御され
る。制御部36は第2作用電極10′の電位を、10m
V/s〜200mV/sの掃引速度、+800mV〜−
1000mVの範囲で掃引する。第2対極11′には、
第2作用電極10′を第2比較電極12′の電位を基準
にしたとき、掃引電位になるような電位がオペアンプ3
8のイマジナリショートにより印加される。このとき第
2作用電極10′を流れる還元電流値は抵抗44による
電圧降下で検出され、電圧増幅部46で増幅してからA
/Dコンバーター47を介してデータ化して制御部36
に入力される。制御部36は電流値のデータの中でボル
タモグラムを構成するデータの中で、ピーク値となるデ
ータを選択してメモリする。このデータが紫外線カット
受光量検出部Bの3−メチル−p−ベンゾキノンに対す
る劣化データである。
【0067】制御部36が、全光線受光量検出部Aの3
−メチル−p−ベンゾキノンに対する劣化データと、全
光線受光量検出部Aの3−メチル−p−ベンゾキノンに
対する劣化データを得ると、演算部48がメモリされて
いる紫外線の検量線と比較することにより、紫外線の受
光量を算出するものである。
【0068】ところで、以上説明した実施の形態1は、
制御部36が紫外線量をボルタンメトリーすることによ
って還元電流のピーク値を求めているが、上述のクロノ
アンペロメトリーすることでファラデー電流を測定して
紫外線の受光量を算出することもできる。この場合、制
御部36はリレー40をA′接点、リレー45をA″接
点、リレー39をA′′′接点に設定し、第1作用電極
10にパルス状またはステップ状の電圧を印加する。こ
のとき第1作用電極10を流れる還元電流値を抵抗44
によって検出し、電圧増幅部46、A/Dコンバーター
47を介してデータ化して制御部36に入力する。制御
部36は電流値のデータの中でファラデー電流とみられ
るデータを選択してメモリする。次いで、制御部36は
リレー40をB′接点、リレー45をB″接点、リレー
39をB′′′接点に切り替え、第2作用電極10′パ
ルス状またはステップ状の電圧を印加する。このとき流
れる還元電流値を抵抗44によって検出し、電圧増幅部
46、A/Dコンバーター47を介してデータ化して制
御部36に入力する。制御部36は電流値のデータの中
でファラデー電流とみられるデータを選択してメモリす
る。演算部48は、これらのデータから、予めメモリし
ておいた紫外線照射量の検量線と比較することで紫外線
量を算定できるものである。
【0069】このように、本実施の形態1の紫外線セン
サーは、ボルタンメトリーによって全光線の照射量を測
定するとともに、紫外線を除いた光の照射量を測定し、
2つの照射量の差をとるから、測定チップに照射された
紫外線の量を算出できる。また、クロノアンペロメトリ
ーすることによって測定チップに照射された紫外線の量
を短時間で測定できる。
【0070】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載された発明は、
全光線受光量検出部と紫外線カット受光量検出部を備え
て、収容されたキノンが紫外線の照射で減少したもの
と、減少しないものとの2つを測定し、両者の差を計算
して紫外線照射量を算出するから、小量の試薬で測定で
き、コンパクトかつ簡単に操作でき、持ち運びが容易
で、受光時間の長さによらず、精度の高い紫外線量を測
定することができる。
【0071】請求項2に記載された発明は、全光線透過
板が石英ガラスを含んでいるから、他の周波数の光を遮
断することなく、紫外線を99%以上透過させ、安価で
ある。
【0072】請求項3に記載された発明は、紫外線カッ
ト透過板が紫外線カットフィルターを備えているから、
他の周波数の光を遮断することなく、紫外線のみをカッ
トできる。
【0073】請求項4に記載された発明は、第1作用電
極と第2作用電極がそれぞれ炭素,ガラス状炭素,金の
中から選ばれた1以上の材料から構成されているから、
電流値を安定して測定できる。
【0074】請求項5に記載された発明は、第1対極と
第2対極が耐食性導電体から構成されているので、劣化
もなく、安定して測定できる。
【0075】請求項6に記載された発明は、耐食性導電
体が白金,ステンレス,白金含有合金,炭素の中から選
ばれた1以上の材料から構成されているから、劣化がほ
とんんどなく、安定した測定ができる。
【0076】請求項7に記載された発明は、第1比較電
極と第2比較電極がそれぞれ金または炭素から構成され
ているから、比較電極が単純で安価になる。
【0077】請求項8に記載された発明は、紫外線測定
用チップを挿入する測定用チップ挿入部を備え、紫外線
測定用チップを挿入したとき第1作用電極と第1比較電
極間の電位を掃引するとともに第2作用電極と第2比較
電極間の電位を掃引する制御部と、第1作用電極と第1
対極間に流れる電流を検知する第1検出部と、第2作用
電極と第2対極間に流れる電流を検知する第2検出部と
を有し、第1検出部と第2検出部で検知された電流値の
差から紫外線量を算出する演算部を備えたから、小量の
試薬で測定でき、コンパクトかつ簡単に操作でき、持ち
運びが容易で、受光時間の長さによらず、精度の高い紫
外線量を測定することができる。
【0078】請求項9に記載された発明は、紫外線測定
用チップを挿入する測定用チップ挿入部を備え、紫外線
測定用チップを挿入したとき第1作用電極と第1比較電
極間を第1比較電極を基準にして所定の電位に制御する
とともに第2作用電極と第2比較電極間を第2比較電極
を基準にして所定の電位に制御する制御部と、第1作用
電極と第1対極間に流れる電流を検知する第1検出部
と、第2作用電極と第2対極間に流れる電流を検知する
第2検出部とを有し、第1検出部と第2検出部で検知さ
れた電流の差から紫外線量を算出する演算部を備えたか
ら、小量の試薬で測定でき、コンパクトかつ簡単に操作
でき、制御部がより簡単であり、持ち運びが容易で、受
光時間の長さによらず、精度の高い紫外線量を測定する
ことができる。
【0079】請求項10に記載された発明は、第2電源
と第1電源を共用するから、電源回路がコンパクトにな
る。
【0080】請求項11に記載された発明は、制御部が
10mV/s〜200mV/sの掃引速度で掃引するか
ら、電流のプレピーク値を精度良く測定できる。
【0081】請求項12に記載された発明は、キノン,
有機溶媒,電解質含有の共存電解液に全光線を照射する
とともに、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液
に紫外線をカットした光を照射し、全光線を照射した共
存電解液と紫外線をカットした光を照射した共存電解液
をそれぞれボルタンメトリーし、還元電流の差をとるこ
とにより紫外線量を算出するから、小量の試薬で、簡単
に測定でき、精度が高い紫外線量を測定できる。
【0082】請求項13に記載された発明は、キノン,
有機溶媒,電解質含有の共存電解液に全光線を照射する
とともに、キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電解液
に紫外線をカットした光を照射し、全光線を照射した共
存電解液と紫外線をカットした光を照射した共存電解液
をそれぞれクロノアンペロメトリーし、還元電流の差を
とることにより紫外線量を算出するから、小量の試薬
で、さらに簡単且つ迅速に測定でき、精度が高い紫外線
量を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における紫外線センサー
の概略外観図
【図2】本発明の実施の形態1における紫外線センサー
の紫外線測定用チップの説明図
【図3】キノン含有の共存電解液への光の照射時間とキ
ノン還元電流のピーク値の関係を示すグラフ
【図4】ボルタンメトリーを行ったときに現れる還元電
流の説明図
【図5】クロノアンペロメトリーを行ったときに現れる
ファラデー電流の説明図
【図6】本実施の形態1における紫外線センサーの制御
回路図
【符号の説明】
1 本体 2 表示部 3 スタートボタン 3′ スタート・スイッチ 4 モード切り替えボタン 4′ モード切り替えスイッチ 5 電源ボタン 6 測定チップ挿入部 7 第1作用電極用パターン 7 第2作用電極用パターン 7t1 第1作用電極用の端子 7t2 第2作用電極用の端子 8 第1対極用パターン 8′ 第2対極用パターン 8t1 第1対極用の端子 8t2 第2対極用の端子 9 第1比較電極用パターン 9′ 第2比較電極用パターン 9t1 第1比較電極用の端子 9t2 第2比較電極用の端子 10 第1作用電極 10′ 第2作用電極 11 第1対極 11′ 第2対極 12 第1比較電極 12′ 第2比較電極 13 第1光透過窓 13′ 第2光透過窓 14 第1反応室 14′ 第2反応室 15 基板 16 全光線透過板 16′ 紫外線カット透過板 35 LCD 36 制御部 37,41 D/Aコンバーター 38,43 オペアンプ 39,40,45 リレー 44 抵抗 46 電圧増幅部 47 A/Dコンバーター 48 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 一芳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA04 AA15 AB05 BA25 BA32 BA37 BB26 BC03 BC05 BC13 BC14 BC19 BC28 BC33 BC35 BD03 CA21 CA23 DA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全光線受光量検出部と紫外線カット受光量
    検出部とを備えた紫外線測定用チップであって、 前記全光線受光量検出部には、キノン,有機溶媒,電解
    質含有の共存電解液を収容し、第1光透過窓が設けられ
    た第1反応室と、前記第1光透過窓に設けられた全光線
    透過板と、前記第1反応室内に配設され、且つ前記共存
    電解液に浸漬される第1作用電極と第1対極と第1比較
    電極が設けられ、 前記紫外線カット受光量検出部には、キノン,有機溶
    媒,電解質含有の共存電解液を収容し、第2光透過窓が
    設けられた第2反応室と、前記第2光透過窓に設けられ
    た紫外線カット透過板と、前記第2反応室内に配設さ
    れ、且つ前記共存電解液に浸漬される第2作用電極と第
    2対極と第2比較電極が設けられており、 前記第1作用電極,前記第1対極,前記第1比較電極,
    前記第2作用電極,前記第2対極,前記第2比較電極と
    それぞれ電気的に接続された複数の端子を備えているこ
    とを特徴とする紫外線測定用チップ。
  2. 【請求項2】前記全光線透過板が石英ガラスを含んでい
    ることを特徴とする請求項1記載の紫外線測定用チッ
    プ。
  3. 【請求項3】前記紫外線カット透過板が紫外線カットフ
    ィルターを備えたことを特徴とする請求項1または2に
    記載の紫外線測定用チップ。
  4. 【請求項4】前記第1作用電極と第2作用電極がそれぞ
    れ炭素,ガラス状炭素,金の中から選ばれた1以上の材
    料から構成されていることを特徴とすれ請求項1〜3の
    いずれかに記載の紫外線測定用チップ。
  5. 【請求項5】前記第1対極と前記第2対極がそれぞれ耐
    食性導電体から構成されていることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の紫外線測定用チップ。
  6. 【請求項6】前記耐食性導電体が白金,ステンレス,白
    金含有合金,炭素の中から選ばれた1以上の材料から構
    成されていることを特徴とする請求項5記載の紫外線測
    定用チップ。
  7. 【請求項7】前記第1比較電極と前記第2比較電極がそ
    れぞれ金または炭素から構成されていることを特徴とす
    る紫外線測定用チップ。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線測
    定用チップを挿入し、前記端子のそれぞれと電気的に接
    続できるコネクタ端子が設けられた測定用チップ挿入部
    を備え、 前記紫外線測定用チップを挿入したとき前記第1作用電
    極と前記第1対極間に電圧を印加できる第1電源と、前
    記第2作用電極と前記第2対極間に電圧を印加できる第
    2電源とを有し、 前記第1作用電極と前記第1比較電極間の電位を掃引す
    るとともに、前記第2作用電極と前記第2比較電極間の
    電位を掃引する制御部と、 前記第1作用電極と前記第1対極間に流れる電流を検知
    する第1検出部と、前記第2作用電極と前記第2対極間
    に流れる電流を検知する第2検出部とを有し、 前記第1検出部と前記第2検出部で検知された電流値の
    差から紫外線量を算出する演算部を備えたことを特徴と
    する紫外線センサー。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線測
    定用チップを挿入し、前記端子のそれぞれと電気的に接
    続できるコネクタ端子が設けられた測定用チップ挿入部
    を備え、 前記紫外線測定用チップを挿入したとき前記第1作用電
    極と前記第1対極間に電圧を印加できる第1電源と、前
    記第2作用電極と前記第2対極間に電圧を印加できる第
    2電源とを有し、 前記第1作用電極と前記第1比較電極間を前記第1比較
    電極を基準にして所定の電位に制御するとともに、前記
    第2作用電極と前記第2比較電極間を前記第2比較電極
    を基準にして所定の電位に制御する制御部と、 前記第1作用電極と前記第1対極間に流れる電流を検知
    する第1検出部と、前記第2作用電極と前記第2対極間
    に流れる電流を検知する第2検出部とを有し、 前記第1検出部と前記第2検出部で検知された電流値の
    差から紫外線量を算出する演算部を備えたことを特徴と
    する紫外線センサー。
  10. 【請求項10】前記第2電源が前記第1電源であること
    を特徴とする請求項8または9記載の紫外線センサー。
  11. 【請求項11】前記制御部が10mV/s〜200mV
    /sの掃引速度で掃引することを特徴とする請求項8記
    載の紫外線センサー。
  12. 【請求項12】キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電
    解液に全光線を照射するとともに、キノン,有機溶媒,
    電解質含有の共存電解液に紫外線をカットした光を照射
    し、全光線を照射した共存電解液と紫外線をカットした
    光を照射した共存電解液をそれぞれボルタンメトリー
    し、還元電流値の差をとることにより紫外線量を算出す
    ることを特徴とする紫外線測定方法。
  13. 【請求項13】キノン,有機溶媒,電解質含有の共存電
    解液に全光線を照射するとともに、キノン,有機溶媒,
    電解質含有の共存電解液に紫外線をカットした光を照射
    し、全光線を照射した共存電解液と紫外線をカットした
    光を照射した共存電解液をそれぞれクロノアンペロメト
    リーし、還元電流値の差をとることにより紫外線量を算
    出することを特徴とする紫外線測定方法。
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