JP2001289010A - コンバインドサイクルガスタービンシステム - Google Patents

コンバインドサイクルガスタービンシステム

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JP2001289010A
JP2001289010A JP2000108533A JP2000108533A JP2001289010A JP 2001289010 A JP2001289010 A JP 2001289010A JP 2000108533 A JP2000108533 A JP 2000108533A JP 2000108533 A JP2000108533 A JP 2000108533A JP 2001289010 A JP2001289010 A JP 2001289010A
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Japan
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combustor
gas turbine
combustion
steam
heat
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JP2000108533A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Itsura
哲雄 五良
Shigemi Bandai
重実 萬代
Kazuya Kobayashi
一弥 小林
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P80/00Climate change mitigation technologies for sector-wide applications
    • Y02P80/10Efficient use of energy, e.g. using compressed air or pressurized fluid as energy carrier
    • Y02P80/15On-site combined power, heat or cool generation or distribution, e.g. combined heat and power [CHP] supply

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOXの発生を抑制しながらコンバインドサ
イクルガスタービンシステムの出力と効率とを向上させ
る。 【解決手段】 ガスタービンの燃焼器1内に、パイロッ
トノズル31、メイン33で生成する火炎31a、33
aを貫通する伝熱管71を有する熱交換器70を設け
る。ノズル31、33から供給する燃料量を燃焼器内の
燃焼空気過剰率が約1.2程度になるように調節する。
熱交換器に通水して火炎温度が1600℃以下になるよ
うに火炎を冷却し、燃焼によるNOX発生量が増大する
ことを防止するとともに、熱交換器で蒸気を生成する。
空気過剰率を低下させたことにより燃料供給量に対する
排気流量が相対的に低下し排熱損失が低減されるととも
に、熱交換器で生成した蒸気でスチームタービンを駆動
することにより、システム全体の出力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインドサイ
クルガスタービンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】事業用、産業用大型ガスタービンでは高
出力化、高効率化の要請とともに、低公害化の強い要請
があり、排気中のNOX(窒素酸化物)の低減が課題と
なっている。ガスタービンの高出力化、高効率化のため
にはガスタービン燃焼器に投入する燃料量を増大し、燃
焼の空気過剰率をできるだけ1.0(理論空燃比)に近
づけることが効果的である。しかし、燃焼の空気過剰率
を1.0に近づけると燃焼器内での燃焼温度が上昇して
しまい、燃焼によるNOXの発生量が増大する問題があ
る。一般に、NOXの発生量は燃焼温度が約1600℃
以上になると急激に増大することが知られている。この
ため、実際のガスタービンでは燃焼器内での燃焼温度
(火炎温度)が1600℃を越えないように、投入燃料
量を低減した希薄燃焼(空気過剰率で約3.0程度)の
運転を行なう必要がある。このように、実際のガスター
ビンでは燃焼器に投入する燃料量は上記火炎温度上限の
ために制限されてしまい、ガスタービン単体での高効率
化、高出力化を達成する上での大きな障害となってい
る。
【0003】一方、ガスタービン単体での効率と出力と
の制限を補うためのものとしては、ガスタービンと排熱
ボイラとを組み合わせたコンバインドサイクルガスター
ビンシステムが知られている。コンバインドサイクルガ
スタービンシステムでは、ガスタービン排気から熱回収
を行なう排熱ボイラを設け、ボイラで発生した蒸気でス
チームタービンを駆動することにより、プラント全体と
しての効率と出力とを増大させている。コンバインドサ
イクルガスタービンシステムでは、プラント合計出力
(ガスタービン出力とスチームタービン出力との合計)
で500MW、熱効率で50%程度の高出力、高効率が
達成されている。
【0004】ところが、従来のコンバインドサイクルガ
スタービンシステムにおいてもガスタービン単体の場合
と同様に、ガスタービン燃焼器における燃焼温度の制限
のために更に出力と効率とを向上させることが困難な問
題がある。すなわち、コンバインドサイクルガスタービ
ンシステムにおいても、ガスタービンでのNOXの生成
を抑制するためにガスタービン燃焼器での燃焼温度はN
Xの増大を生じない範囲(例えば1600℃以下)に
制限されるため、ガスタービン燃焼器では空気過剰率
3.0程度の希薄燃焼を行なう必要がある。従って、ガ
スタービン燃焼器には燃料投入量(供給熱量)に較べて
かなり多量の空気が供給されるため、排熱ボイラを通過
して大気に放出される排気流量も燃焼器に供給される空
気量に応じてかなり大きくなる。
【0005】一方、排熱ボイラでは排気から熱を回収し
て温度を低下させた状態で排気を大気に放出するもの
の、ボイラでは蒸気を発生させる必要があるためボイラ
出口での排気温度はある一定温度以下にすることはでき
ない。このため、ガスタービン燃焼器に投入された燃料
(熱量)のうち排気とともに大気に放出される排気損失
熱量が生じてしまう。この排気損失熱量は、ボイラ出口
での排気温度(スタック温度)と大気温度との差と排気
流量との積に比例した値となる。実際の排熱ボイラでは
スタック温度は限界近くまで低下させるようにボイラ熱
交換器の設計がなされている。しかし、従来のガスター
ビンでは投入熱量に較べて排気流量がかなり大きいた
め、いくらスタック温度を限界付近まで低下させても依
然として、多量の熱量が排気とともに大気に放出されて
しまう。すなわち、従来のコンバインドサイクルガスタ
ービンシステムでは、排気流量が大きいためガスタービ
ンに投入した熱量に占める排気損失の熱量の割合が大き
くなり、プラント全体の効率を大幅に向上させることは
困難である。
【0006】ガスタービン単体としてみても、投入燃料
に較べて排気流量が大きくなることは好ましくない。す
なわち、投入燃料に較べて排気流量(燃焼空気量)が大
きいということは、ガスタービン燃焼器内では大量の空
気と少量の燃料とを混合して燃焼させる希薄燃焼が行な
われるため、燃焼が不安定になりやすい問題が生じるか
らである。
【0007】コンバインドサイクルガスタービンシステ
ムではプラント全体の出力はガスタービン単体出力とス
チームタービン出力との合計となるため、スチームター
ビン出力を増大すればプラント全体の出力を増大するこ
とは可能である。しかし、実際には排熱ボイラでの蒸気
発生量はガスタービン排気から回収する熱量に依存して
いるため、スチームタービンの出力もガスタービン排気
の熱量に制限されてしまいプラント全体としての出力も
充分に増大することはできない。この場合、排熱ボイラ
に火炉を設け燃料を燃焼させれば(すなわち排熱ボイラ
で追い焚きを行なえば)理論上はスチームタービン出力
を大幅に増大することは可能である。しかし、実際には
排熱ボイラに供給される排気はガスタービン燃焼室での
燃焼に酸素が消費されているため、残留酸素濃度が低く
排熱ボイラで安定した追い焚きを行なうことは困難であ
る。
【0008】例えば、特開平10−73007号公報に
記載のコンバインドサイクルガスタービンシステムで
は、燃焼器内に熱交換器を配置して、この熱交換器によ
り過熱蒸気を発生させることにより、プラント全体の出
力を増大させるようにしている。すなわち、同公報の装
置では、通常より長さの大きい燃焼器をガスタービンに
設け、この燃焼器の内面に沿ってらせん状に熱交換用の
導水管を配置し、導水管に通水した給水で燃焼器から外
部に逃げようとする熱を捕獲して給水から過熱蒸気を発
生させている。同公報の装置は、燃焼室内で燃焼後のガ
スを燃焼器内壁に沿ってらせん状に配置した導水管で冷
却することにより、燃焼室内で理論空燃比近傍の燃焼を
行なって燃焼温度を高めながら、燃焼後の燃焼ガス温度
を低下させることによりタービン入口ガス温度をタービ
ン耐熱限界温度以下に維持するとともに、排熱ボイラに
加えて熱交換器により過熱蒸気を生成することによりプ
ラント全体の出力と効率とを向上させるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
10−73007号公報のガスタービンシステムでは、
燃焼器に熱交換器を設けて過熱蒸気を発生させているも
のの、燃焼器から外部に逃げる熱(輻射熱)を回収する
ことを主目的としているため、熱交換器の導水管及び蒸
気管は燃焼器内壁にそってらせん状に設けられている。
このため、燃焼室内の火炎と導水管または蒸気管は直接
接触せず燃焼器内の火炎温度は低下しない構成となって
いる。このため、ガスタービンに投入する燃料量を増大
して空気過剰率を低下させると燃焼室内の火炎温度は上
昇してしまいNOX発生量が大幅に増大する問題があ
る。また、同公報の装置では熱交換器は燃焼器内壁に沿
って導水管を設けているのみであるため、熱交換器は基
本的には燃焼器の内壁を水冷却しているのと同等程度の
熱流束しか受けることができない。このため、燃焼後の
燃焼ガスを冷却してタービン入口温度を耐熱限界まで低
下させるため、或いは多量の過熱蒸気を生成するために
は熱交換器の伝熱面積を大きくする必要が生じる。この
ため、上記公報の装置では燃焼器を「長大化」する(燃
焼器長さを通常より大幅に長くする)ことが必要となっ
ている。ところが、ガスタービン燃焼器の長さを増大す
るとガスタービン本体の設置面積が増大してプラント建
設コストが上昇する問題がある。また、ガスタービン燃
焼器はガスタービンの部品の中でも製造コストが高い部
品であるため、燃焼器の長さが増大するとガスタービン
全体の製造コストが大幅に増大する問題がある。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、コ
ンバインドサイクルガスタービンシステムにおいてガス
タービン燃焼器に熱交換器を配置してプラント全体の効
率と出力とを向上する際に、NOXの発生量の増大を防
止しながら、しかもプラントの建設コストやガスタービ
ン製造コストの増大を抑制可能なコンバインドサイクル
ガスタービンシステムを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、タービンにより駆動される圧縮機を用いて空気
を加圧し、該加圧空気を燃焼用空気として燃焼器に供給
して燃料を燃焼させ、燃焼器で発生した燃焼ガスで前記
タービンを駆動するとともに、タービン駆動後の燃焼ガ
スを排熱ボイラに供給して蒸気を生成し、スチームター
ビンを駆動するコンバインドサイクルガスタービンシス
テムにおいて、前記燃焼器内の火炎を貫通する伝熱管を
設け、前記伝熱管に通水して燃焼器内の火炎を冷却し、
燃焼により生成するNOX量増大を抑制可能な範囲まで
火炎温度を低下させるとともに、前記排熱ボイラで生成
した蒸気に加えて前記伝熱管で生成した蒸気によりスチ
ームタービンを駆動することを特徴とするコンバインド
サイクルガスタービンシステムが提供される。
【0012】すなわち、請求項1の発明ではガスタービ
ン燃焼器内に燃焼器内に生成する火炎を貫通する伝熱管
が設けられている。この伝熱管は火炎と直接接触するた
め伝熱管に通水することにより火炎温度を低下させるこ
とが可能である。このため、例えば燃焼器に投入する燃
料量を増大した場合にも火炎温度が上昇することが防止
されNOX量の増大が抑制される。また、伝熱管が燃焼
器内の火炎を貫通する構成とされているため、熱交換の
際の温度差は極めて高くなり熱交換効率が向上するよう
になる。従って、本発明では伝熱管の伝熱面積は比較的
小さくなり燃焼器の長さが増大することが防止される。
このため、本発明では、ガスタービンのNOX発生量の
増大や建設コスト増大を生じることなくプラント全体と
しての出力と効率とを向上させることが可能となってい
る。
【0013】なお、本発明で「通水」とは、水を伝熱管
に通過させる場合のみならず、蒸気を通過させる場合を
も意味している。請求項2に記載の発明によれば、前記
燃焼器内の燃焼の空気過剰率を1.2近傍とすることを
特徴とする請求項1に記載のコンバインドサイクルガス
タービンシステムが提供される。
【0014】すなわち、請求項2の発明では燃焼器内の
空気過剰率が1.2近傍になるように燃料の供給量が調
整される。通常のガスタービンでは、空気過剰率が3.
0近傍の希薄燃焼が行なわれるため、燃焼が不安定にな
る場合があるが、空気過剰率を低下させることにより安
定した燃焼を得ることができる。また、ガスタービン燃
焼器では空気過剰率が1.2程度の燃焼が最も安定する
ことが経験上判明している。このため、燃焼器内の空気
過剰率が1.2近傍になるように調整することにより、
燃焼器内で極めて安定した燃焼を得ることが可能とな
る。また、空気過剰率を1.2近傍まで低下させること
により、燃焼器に供給した熱量に対する空気流量(排気
流量)が低下するため、排熱ボイラ出口の排気温度を従
来と同程度に維持した場合でも供給した燃料(熱量)に
占める排気損失の割合が低下し、プラント全体の効率が
向上するようになる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、前記伝熱
管により火炎温度を1600℃以下とすることを特徴と
する請求項2に記載のコンバインドサイクルガスタービ
ンシステムが提供される。すなわち、請求項3の発明で
は、伝熱管は燃焼器内の火炎温度が1600℃以下にな
るように配置されている。前述したように、燃焼温度
(火炎温度)が1600℃以上になると燃焼により発生
するNOX量が急激に増大する。本発明では、空気過剰
率の低い燃焼を行なうため本来であれば燃焼温度が上昇
しNOX量が急激に増大するが、伝熱管を設けて通水に
より燃焼器火炎温度を1600℃以下に抑制するように
したことにより、NOX発生量の増大を抑制しながらプ
ラント全体の出力と効率とを向上させることが可能とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明する。図1は本発明のコンバ
インドサイクルガスタービンシステムに使用されるガス
タービンの燃焼器の一実施形態の構造を示す断面図であ
る。図1において、1は燃焼器全体を示す。燃焼器1は
燃焼器内に燃料を噴射するノズルが設けられたノズル部
3と、噴射された燃料を燃焼させる燃焼器部5とからな
る。本実施形態では燃焼器部5は燃焼により生成した燃
焼ガスをタービン入口に導く尾筒5aと一体に形成され
ている。燃焼器1は図示しないサポートによりタービン
ケーシング7内に保持されている。
【0017】燃焼用空気11は、図示しないタービン駆
動のガスタービン圧縮機により大気から昇圧され、ケー
シング7内に供給される。燃焼空気11はケーシング7
から燃焼器1のノズル部3に設けられた燃焼空気入口3
5を通ってノズル部3に入り、ノズル部3から燃焼器部
5内に噴射される。ノズル部3は円筒状のシェル内の中
央部にパイロットノズル31を、パイロットノズル31
周囲に複数のメインノズル33を配置した構成とされ
る。パイロットノズル31からは燃焼器部5内に燃料が
噴射され、噴射された燃料は図示しないイグナイタによ
り点火され燃焼器部5内で燃焼空気と混合しつつ拡散燃
焼を行う。また、メインノズル33は予混合ノズルとさ
れ、燃焼空気入口35からノズル部3に供給された燃焼
空気と燃料とを混合し予混合気の状態で燃焼器部5内に
噴射する。図1に37で示すのはノズル部3から燃焼器
部5に流入する燃焼空気に旋回流を生じさせ、メインノ
ズル33に供給された燃料と燃焼空気とを混合し均一な
予混合気を生成するスワーラである。
【0018】図1に9で示すのは空気バイパス弁であ
る。空気バイパス弁9は燃焼器部5の尾筒5a内をケー
シング7内に直接連通させるゲート弁からなり、ノズル
部3から燃焼器部5に流入する燃焼空気量を負荷に応じ
て制御する機能を有する。例えば、ガスタービン起動時
や軽負荷時等でノズル部3から燃焼器部5に供給すべき
燃焼空気量が少ない場合には、空気バイパス弁9は図示
しないアクチュエータにより開弁され、ケーシング7内
の燃焼空気の一部をノズル部3を介さずに直接尾筒5a
内に導入する。これにより、ノズル部3の燃焼空気入口
35から流入する燃焼空気量が減少しメインノズル33
で適切な予混合気を形成することが可能となる。
【0019】また、本実施形態では燃焼器1の燃焼器部
5の壁には冷却蒸気通路が設けられている。冷却蒸気は
燃焼器部5の中央部付近に設けられた冷却蒸気入口管5
07から供給され、それぞれ燃焼器部5と尾筒5aの壁
を冷却した後、冷却蒸気出口管509a、509bから
回収される。メインノズル33からパイロットノズル3
1周囲に噴射された予混合気はパイロットノズル31に
より生成されたパイロット炎に接触することにより安定
した予混合燃焼を行う。
【0020】図1に70で示すのは燃焼器5内に配置さ
れた熱交換器である。熱交換器70は、燃焼器を横断す
るように配置された伝熱管71を備えている。図1に示
すように、熱交換器70は、パイロットノズル31のパ
イロット火炎31aと、メインノズル33の主火炎33
aとの両方を横断する位置に配置されており、熱交換器
70の伝熱管71は、火炎31a、33aを貫通し、こ
れらの火炎に直接接触するようにされている。伝熱管7
1には、給水入口管73から図示しないヘッダを介して
蒸気が供給され、蒸気は伝熱管71内で加熱されて過熱
蒸気となって蒸気出口管75からガスタービンケーシン
グ7外に取り出され、後述するスチームタービン151
に供給される。
【0021】本実施形態では、燃焼器1内の空気過剰率
は通常のガスタービンの燃焼空気過剰率(約3.0)よ
りかなり低く設定されており、燃焼器内の全体の空気過
剰率が1.2近傍になるようにパイロットノズル31と
メインノズル33への燃料供給量が制御される。燃焼器
内の空気過剰率を1.2としたのは、以下の理由によ
る。
【0022】すなわち、後述するように本実施形態で
は、燃焼器に供給する熱量(燃料量)を増大するほど供
給熱量に対する排気損失が低下してプラント全体の効率
が向上する。このため、燃焼の状態を考慮しなければ空
気過剰率はできるだけ1.0(理論空燃比)に近づける
ことが好ましい。また、通常のガスタービンでの空気過
剰率3.0近傍の燃焼では、燃焼が安定せず炎の吹き消
え等が生じる場合があり、この点からもガスタービン燃
焼器内の燃焼の空気過剰率を低下させて燃焼を安定する
ことが好ましい。しかし、実際のガスタービン燃焼器内
の燃焼では空気過剰率をある程度以上低下させると燃焼
が安定しなくなり、空気過剰率1.2近傍での燃焼が最
も安定することが知られている。そこで、本実施形態で
は燃焼器内の空気過剰率を1.2近傍にすることによ
り、プラント全体の効率の向上と燃焼器内の燃焼の安定
化とを図っている。
【0023】また、本実施形態では燃焼器1内に火炎3
1a、33aと伝熱管71が直接接触するように熱交換
器70が配置されている。このため、火炎温度(燃焼温
度)は熱交換器70を設けない場合に較べて大幅に低下
する。本実施形態では、火炎31a、33aの温度が1
600℃を越えないように熱交換器70の伝熱管71形
状と伝熱面積とが設定されている。前述したように、燃
焼器1内の火炎(燃焼)温度は燃焼空気過剰率が1に近
づく程上昇する。このため、空気過剰率1.2近傍での
燃焼では通常火炎温度は2000℃程度まで上昇する。
【0024】一方、燃焼温度が高くなるにつれて燃焼に
より発生するNOX量は増大し、特に燃焼温度が160
0℃を越えるとNOXの発生量は急激に増大することが
知られている。本実施形態では、図1に示すように伝熱
管71が燃焼器内の火炎を貫通するように熱交換器70
を配置し、火炎31a、33aと伝熱管71とが直接接
触するようにしている。このため、火炎が伝熱管との接
触により冷却され空気過剰率の低い燃焼を行なっている
にもかかわらず、火炎温度を1600℃以下のNOX
生量が増大しない領域に維持することが可能となってい
る。また、本実施形態の熱交換器70では火炎と伝熱管
とが直接接触するため、大きな伝熱管内外温度差を得る
ことができる。これにより、本実施形態の熱交換器70
では小さな伝熱面積で大きな熱交換量を得ることが可能
となっており、熱交換器70を燃焼器に配置しても従来
と同程度の燃焼器長さを維持することが可能となってい
る。このため、本実施形態ではガスタービンの製造コス
トやプラント建設コストが従来に較べて大幅に増大する
ことが防止される。
【0025】なお、熱交換器70の伝熱管は、火炎と直
接接触して燃焼温度を低下させることが可能なものであ
れば、直管形状であっても良いし、らせん状、或いは伝
熱フィン付のものを用いても良い。また、必要に応じて
単一パスまたは複数パスとしても良い。また、熱交換器
70では給水から直接蒸気を発生するようにしても良い
し、給水の代わりに蒸気を供給して過熱蒸気を発生させ
るものであっても良い。また、熱交換器70に複数のパ
スを設け、一部のパスで給水から蒸気を発生し、発生し
た蒸気を残りのパスを通過させて過熱蒸気を発生させる
ようにしてもよい。
【0026】本実施形態では、パイロットノズル31で
拡散燃焼によるパイロット火炎を生成し、このパイロッ
ト火炎によりメインノズル33からの予混合気を燃焼さ
せる例を示している。しかし、本実施形態では空気過剰
率1.2程度の非常に安定した燃焼を行なうため、パイ
ロットノズルを設けずにメインノズルのみから予混合燃
料を供給するようにしても火炎の保持が可能となる。ま
た、通常であれば、拡散燃焼を行なうと火炎温度が上昇
してNOXの発生量が増大するが、本実施形態では、熱
交換器70により火炎温度を低下させることが可能であ
る。このため、パイロットノズルの代わりに燃焼器中心
軸線上にメインノズルを設け、燃料のみを噴射して拡散
燃焼のみを行なうようにしてもNOXの発生量を抑制す
ることができる。
【0027】図2は、本実施形態のコンバインドサイク
ルガスタービンシステムの全体の概略構成を説明する図
である。図2において、100はガスタービン全体、1
01はタービン、103はタービン101により駆動さ
れるガスタービン圧縮機、105は発電機等のガスター
ビン100により駆動される外部負荷を示している。な
お、図2は圧縮機103と外部負荷105とを共通のタ
ービン101で駆動するいわゆる1軸型ガスタービンに
本発明を適用した場合を示しているが、本発明はガスタ
ービン圧縮機103と外部負荷105とをそれぞれ独立
したタービンで駆動する形式の2軸型ガスタービンにも
同様に適用することができる。
【0028】図2において、燃焼用空気121は大気か
らガスタービン圧縮機103によって昇圧され、燃焼器
1に供給される。燃焼器1に供給された燃料111の燃
焼により生成された高温高圧の燃焼ガス123はタービ
ン101に導かれ、タービンを駆動した後排熱ボイラ1
30に供給される。排熱ボイラ130を通過して排気熱
を回収した後の排気125は、必要に応じて排気浄化処
理を行なってから大気に放出される。
【0029】ボイラ給水131は、後述する水/蒸気熱
交換器160で加熱された後排熱ボイラ130を通過し
て蒸気を生成する。ここで生成した蒸気133はガスタ
ービン燃焼器1内の熱交換器70の伝熱管71を通り過
熱蒸気135となって高圧スチームタービン151に供
給される。タービン151で発電機等の外部負荷157
を駆動して温度、圧力が低下した蒸気137は、排熱ボ
イラ130で再熱され、中圧蒸気139となって中圧ス
チームタービン153に供給される。中圧スチームター
ビン153で外部負荷157を駆動した後の蒸気141
は再度排熱ボイラ130で再熱されて低圧蒸気143と
して低圧スチームタービン155に供給される。
【0030】低圧スチームタービン155で外部負荷1
57を駆動した後の蒸気145は、水/蒸気熱交換器1
60を通りボイラ給水131と熱交換して蒸気から熱回
収を行なう。熱回収後の蒸気147は水冷または空冷の
復水器170に供給され、ここで凝縮水となる。復水器
170の凝縮水は、ボイラ給水ポンプ180により昇圧
され、水/蒸気熱交換器で低圧タービン155を出た蒸
気と熱交換して加熱された後ボイラ給水131として排
熱ボイラ130に供給される。これにより、燃焼器1の
熱交換器70で回収された燃焼熱と排熱ボイラ130で
回収された排気熱とは外部負荷157の駆動に使用され
る。すなわち、本実施形態では系外に排出される熱は、
排気ボイラ130通過後の排気125が有する排気熱
(排気損失)と水/蒸気熱交換器160でボイラ給水1
31を加熱した後の蒸気147の潜熱のみになる。
【0031】上述のように、コンバインドサイクルガス
タービンシステムの熱損失、すなわち蒸気147の潜熱
とボイラ通過後の排気125による排気損失のうち、排
気損失は極めて大きくなる。図2に示したように、排熱
ボイラ130は蒸気の再熱を行なうことにより排気の熱
量の大部分を回収するように設計されているが、ボイラ
出口での排気125の温度は、再熱後の蒸気温度に制限
されるため一定温度以下に下げることはできない。一
方、ガスタービン100の排気流量は極めて大きいた
め、ボイラ出口125の排気温度を下限値まで低下させ
ても排気損失はかなり大きな値になる。
【0032】本実施形態では、燃焼器1に火炎と直接接
触する熱交換器70を設けて火炎温度を低下させたこと
により、燃焼器1での燃焼空気過剰率を通常(3.0付
近)より大幅に(空気過剰率1.2程度まで)低下させ
ながら燃焼温度をNOXの生成量が増大しない領域に維
持することが可能となっている。このことは、従来と同
じ排気流量を維持した場合に従来より約2.5倍の熱量
(燃料)をガスタービン100に供給可能となることを
意味している。一方、本実施形態では、燃焼器1で発生
した熱量のうち、従来より燃料が増量された分の熱量は
燃焼器1内の熱交換器70により過熱蒸気発生に使用さ
れるため、ガスタービンのタービン101入口温度は従
来と同程度になる。従って、ボイラ130出口の排気1
25の温度と流量とは従来と同等に維持され、排気損失
は従来に較べて増加することはない。このため、プラン
ト全体として見た場合には、系外への排出熱量(排気損
失と復水器における潜熱損失)は従来と同等に維持され
るにもかかわらず、系内への供給熱量(ガスタービン燃
料量)は大幅に増大することになり、供給熱量に対する
熱損失の割合が大幅に低下するようになる。すなわち、
本実施形態ではプラント全体の熱効率が大幅に向上す
る。また、本実施形態では、熱交換器70で回収した燃
料増量分に相当する熱量はスチームタービン151で外
部負荷157の駆動に用いられるため、プラント出力も
大幅に向上するようになる。
【0033】なお、図2の例では熱交換器70は過熱蒸
気を生成するために用いているが、熱交換器70で給水
から直接蒸気を生成したり、或いは給水から蒸気を生成
し、更に過熱蒸気を生成することも可能であるのは前述
した通りである。また、図2の蒸気系統は本発明のコン
バインドサイクルガスタービンシステムの一例を示した
に過ぎず、他の構成も可能であることは言うまでもな
い。
【0034】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、コンバ
インドサイクルガスタービンシステムにおいてガスター
ビン燃焼器に熱交換器を配置してプラント全体の効率と
出力とを向上する際に、NOXの発生量の増大を防止し
ながら、しかもプラントの建設コストやガスタービン製
造コストの大幅な増大が抑制可能となる共通の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるガスタービン燃焼
器と燃焼器内の熱交換器との概略構成を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のコンバインドサイクルガスタービンシ
ステムの一実施形態の概略構成を説明する図である。
【符号の説明】
1…ガスタービン燃焼器 70…熱交換器 100…ガスタービン 130…排熱ボイラ 151、153、155…スチームタービン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一弥 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BA11 BB00 BC07 BD00 BD03 DA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンにより駆動される圧縮機を用い
    て空気を加圧し、該加圧空気を燃焼用空気として燃焼器
    に供給して燃料を燃焼させ、燃焼器で発生した燃焼ガス
    で前記タービンを駆動するとともに、タービン駆動後の
    燃焼ガスを排熱ボイラに供給して蒸気を生成し、スチー
    ムタービンを駆動するコンバインドサイクルガスタービ
    ンシステムにおいて、 前記燃焼器内の火炎を貫通する伝熱管を設け、前記伝熱
    管に通水して燃焼器内の火炎を冷却し、燃焼により生成
    するNOX量増大を抑制可能な範囲まで火炎温度を低下
    させるとともに、前記排熱ボイラで生成した蒸気に加え
    て前記伝熱管で生成した蒸気によりスチームタービンを
    駆動することを特徴とするコンバインドサイクルガスタ
    ービンシステム。
  2. 【請求項2】 前記燃焼器内の燃焼の空気過剰率を1.
    2近傍とすることを特徴とする請求項1に記載のコンバ
    インドサイクルガスタービンシステム。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管により火炎温度を1600℃
    以下とすることを特徴とする請求項2に記載のコンバイ
    ンドサイクルガスタービンシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013100794A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Ygk:Kk コージェネレーションシステム

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JP2013100794A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Ygk:Kk コージェネレーションシステム

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