JP2001288711A - 無補剛吊橋の耐風制振構造 - Google Patents

無補剛吊橋の耐風制振構造

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JP2001288711A
JP2001288711A JP2000106157A JP2000106157A JP2001288711A JP 2001288711 A JP2001288711 A JP 2001288711A JP 2000106157 A JP2000106157 A JP 2000106157A JP 2000106157 A JP2000106157 A JP 2000106157A JP 2001288711 A JP2001288711 A JP 2001288711A
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JP
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floor slab
bridge
girder
wind
separation point
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Application number
JP2000106157A
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English (en)
Inventor
Eijiro Kasuya
栄二郎 幽谷
Masao Hosomi
雅生 細見
Kiminori Tsuyuno
公則 露野
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KOMAI TEKKO Inc
KOMAI TEKKO KK
TOHOKU TETSUKOTSU KYORYO KK
Original Assignee
KOMAI TEKKO Inc
KOMAI TEKKO KK
TOHOKU TETSUKOTSU KYORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な構成によって横風による限定振動や発散
振動を確実かつ効率的に抑制することができる耐風制振
構造を有する無補剛吊橋を提供する。 【解決手段】索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方向
に沿う複数の平行な縦桁6と、これに直交する方向に沿
う複数の平行な横桁7と、これらに支持された床版8と
を有する扁平な構造体とされる。空気力学的な耐風制振
手段として、床版8の幅方向中央位置に設けられ上下方
向の通風により上下面の圧力差を低減させるグレーチン
グなどの圧力差低減部11と、床版8の幅方向端部側に
位置する縦桁6の橋梁断面中心側の下端部からプレート
を垂下し、横風による床版8下面側への空気流の剥離点
を床版8の幅方向端部下方に変移させる剥離点下方変移
部12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば山間や渓谷
に架設される人道吊橋に適用される無補剛吊橋に係り、
無補剛吊橋の横風に対する制振機能を高めるための空気
力学的な耐風制振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に吊橋は、補剛吊橋と無補剛吊橋と
に大別される。補剛吊橋は橋桁部分が上下桁および補剛
を有するトラス構造とされ、耐風性は良いが山間や渓谷
に架設される人道吊橋としては構成が大掛かりである。
一方、無補剛吊橋は索体によって懸吊される橋桁が、橋
軸方向に沿う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向
に沿う複数の平行な横桁と、これらに支持された床版と
を有する扁平な構成で、山間地域の公園等に架設される
人道吊橋として好適であるが、桁部分が全体として平坦
であるため低速の風によっても振動を発生し易い面があ
る。
【0003】近年、山間や渓谷に架設される地上高さの
大きい人道吊橋として、例えば長さ100m以上、幅2
m以上の大規模吊橋の架設要請がある。このような人道
吊橋に前述の無補剛吊橋を適用する場合、谷合部で発生
する風、特に橋軸直角方向の風(横風)によるたわみあ
るいはねじれの大振動の振動が拡大し易く、これまで極
端な場合には過大な振動によって橋桁が破損するなどの
事例も報告されている。
【0004】ところで、風による構造物の振動現象とし
ては、限定振動と発散振動とが知られている。限定振動
とは、主としてカルマン渦に代表されるような構造物後
流の周期的な変動空気力がもたらす振動と考えられ、振
動はある風速域でのみ発生し、強制加振的要素の強い振
動である。また、発散振動とは、ある限界風速に達した
時に振動が発生し、その後風速の上昇と共に振幅が増大
していく現象をいう。
【0005】発散振動の殆どはフラッターと呼ばれる現
象であり、構造物自体の振動により、さらに振動を励起
する非定常空気力がもたらせる自励的な振動である。規
模が大きく、長周期で振動する橋梁で、桁断面の辺長比
(流下方向断面長さ/断面高)が例えば約10と大きい
場合、低風速で曲げねじれフラッターと呼ばれる発散振
動が発生する可能性が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、カルマン渦によ
る渦励振やフラッターに対する耐風制振対策が種々提案
されており、例えば橋桁の側部に傾斜部を設け、横風を
傾斜部に沿って流線形状に流すことにより、後流の渦発
生力を小さくする技術(特公平7−65292号公報
等)、あるいは橋桁の外側の渦発生部位に翼のような整
流板を配置して渦流を生起しにくくして振動を抑制する
技術(特公平6−63206号公報等)が知られてい
る。
【0007】ところが、これらの提案は大規模な構造物
であり、主として箱桁やトラス構造かつ補剛を有する補
剛吊橋を対象としている。このような技術は、前述した
大型の無補剛吊橋に必ずしも容易に適用することができ
ないものである。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、簡易な構成によって横風による限定振動や
発散振動を確実かつ効率的に抑制することができる無補
剛吊橋の耐風制振構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者の検討によると、
無補剛吊橋の橋桁は幅方向両端の上下縁に角部を有する
扁平な構造体となっており、床版の全面を鋼板や木床版
として上下方向の通風がない構成の橋桁においては、横
風が上下縁の角部から大きい角度で剥離し、床版中央位
置で厚い剥離せん断層が形成される。風洞実験におい
て、橋桁と物理的現象及び幾何学的形状が共通な相似性
模型として辺長比(幅員/桁高)が約10の扁平断面の
扁平構造体を用いた2次元弾性支持応答試験を行ったと
ころ、低風速域で発散振動を生じ、曲げねじれフラッタ
ーの発生が認められた。このフラッターは、床版部分に
働く空気力によって発生するものである。
【0010】これに対し、床版の中央部分にグレーチン
グ等を配置して上下方向の通風が可能な構成として床版
に働く空気力を軽減した場合には、上下面の圧力差が低
減され剥離せん断層が薄くなり、橋桁の振動は全面床版
とした場合に比べて抑制される。実験結果によると、構
造物のフラッター発振風速は高風速域側に移行した。し
かしながら、低風速域において、比較的大きい振幅の限
定振動の発生が認められた。
【0011】発明者における第1の着眼は、フラッター
発振風速を高風速域に移行させると同時に限定振動振幅
を低減させ、これにより耐風安定性を高めることにあ
る。
【0012】請求項1の発明は、かかる観点からなされ
たものであり、索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方
向に沿う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿
う複数の平行な横桁と、これらに支持された床版とを有
する扁平な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力
学的な耐風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置
に設けられ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低
減させるグレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版
の幅方向端部側に位置する縦桁の橋梁断面中心側の下端
部からプレートを垂下し、横風による床版下面側への空
気流の剥離点を前記床版の幅方向端部下方に加える剥離
点下方追加部とを備えたことを特徴とする無補剛吊橋の
耐風制振構造を提供するものである。
【0013】このような構成によると、剥離点下方追加
部によって床版下面の横風上流側での剥離点が下方に追
加され、下流側ではその分だけ早期に剥離境界層が薄く
なる。その結果、低風速域での限定振動の振幅が小さく
なるとともに、フラッター発振風速を高風速域に移行さ
せることができ、耐風安定性を向上することが可能とな
る。
【0014】なお、前記の構成では限定振動が低減でき
るが、これを皆無とすることができれば、さらに低風速
域での耐風安定性向上を図るうえで望ましい。
【0015】請求項2の発明は、この点に着目したもの
であり、索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方向に沿
う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿う複数
の平行な横桁と、これらに支持された床版とを有する扁
平な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力学的な
耐風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置に設け
られ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低減させ
るグレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版の幅方
向端部側からプレートを突出し、横風による床版上面側
への空気流の剥離点をその空気流の上流側に加える剥離
点上流側追加部とを備えたことを特徴とする無補剛吊橋
の耐風制振構造を提供する。
【0016】このような構成によると、床版中央部の圧
力差低減部の作用に加え、床版上面側での空気流の剥離
点をその空気流の上流側に加えることにより、床版上面
側での剥離せん断層を抑制することができる。この結
果、本発明によれば横風による限定振動の発生が皆無と
なり、低風速域での耐風安定性を向上することができ
る。
【0017】ただし、この請求項2の発明の場合には、
フラッター発振風速が請求項1の発明に比較して低風速
域側となる。そこで、請求項1および2の両発明の要素
を取り入れることにより、限定振動の防止とフラッター
発振風速の一層の高風速域側への移行が可能となると想
定される。
【0018】請求項3の発明では、このような想定に基
づき、索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方向に沿う
複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿う複数の
平行な横桁と、これらに支持された床版とを有する扁平
な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力学的な耐
風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置に設けら
れ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低減させる
グレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版の幅方向
端部側に位置する縦桁の橋梁断面中心側の下端部からプ
レートを垂下し、横風による床版下面側への空気流の剥
離点を前記床版の幅方向端部下方に加える剥離点下方追
加部と、前記床版の幅方向端部側からプレートを突出
し、横風による床版上面側への空気流の剥離点をその空
気流の上流側に加える剥離点上流側追加部とを備えたこ
とを特徴とする無補剛吊橋の耐風制振構造を提供する。
【0019】本発明によると、まさに請求項1および2
の発明の複合的効果が発揮され、低風速域での限定振動
を皆無とすることができるうえ、発散振動を第2の発明
よりも高風速側に移動させることができる。
【0020】なお、請求項1および3の発明において
は、剥離点下方追加部を、空気流を床版の下面に対して
28〜32度の俯角で下方に偏向させることが望ましい
(請求項4)。この場合、最も望ましい偏向角は、30
度である。
【0021】また、請求項2および3の発明において
は、剥離点上流側追加部を、空気流を床版の上面に対し
て28〜32度の仰角で上方に偏向させることが望まし
い(請求項5)。この場合においても、最も望ましい偏
向角は、30度である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る無補剛吊橋の
耐風制振構造の一実施形態について、図面を参照して説
明する。図1は、吊橋全体を示す側面図であり、図2は
図1のA―A線に沿う橋桁の拡大断面図である。
【0023】この図1に示すように、本実施形態の無補
剛吊橋は人道吊橋(例えば幅2.22m、長さ120
m)であり、基本的に、塔1およびアンカレッジ2等の
固定部と、主索3および支索4等の索体と、索体により
懸吊支持される橋桁5とを備えて構成される。
【0024】橋桁5は図2に示すように、架設方向に沿
う複数の平行な縦桁6と、これに直交する方向に沿う複
数の平行な横桁7と、これらに支持された床版8とを有
し、補剛は設けられず、全体として扁平な構成とされて
いる。すなわち、最下部にI型鋼からなる横桁7が配置
され、この横桁7上にI型鋼からなる縦桁6が等間隔で
例えば4本搭載されている。横桁7の上下高さは約19
cm、縦桁6の上下高さは約15cmである。そして、
縦桁6の上に高さ約70cmの根太9を介し、床版8が
支持されている。なお、床版8の幅方向両側には、横桁
7から立上る高欄10が配置されている。
【0025】このような基本構成のもとで、本実施形態
では床版8の幅方向中央位置に圧力差低減部として幅6
0cmのグレーチング11が配置され、これにより上下
方向の通風によって床版上下面の圧力差が低減するよう
になっている。グレーチング11の両側部分には床版8
が配置されている。
【0026】また、床版8を支持する縦桁6のうち、幅
方向両端部側に位置する1対の縦桁6aの橋梁断面中心
側の下端部には、剥離点下方変移部として垂直プレート
12が垂下し、横風による床版8下面側への空気流の剥
離点を幅方向端部下方に変移させるようにしている。こ
の垂直プレート12の垂下長さは、例えば10cmであ
る。
【0027】さらに、本実施形態では、床版8の幅方向
両端位置の下面位置から、剥離点上流側追加部として水
平プレート13が突出しており、横風による床版8上面
側への空気流の剥離点を空気流の上流側に加えるように
している。この水平プレート13の突出長さは、例えば
10cmである。
【0028】次に、図3〜図8によって作用を説明す
る。
【0029】なお、本実施形態では以下、床版のみで耐
風制振手段を何ら設けない従来構造(比較例1)、グレ
ーチング11を設けただけの従来構造(比較例2)、耐
風制振手段としてグレーチング11および鉛直プレート
12を設けた本発明の構造(実施例1)、グレーチング
11および水平プレート13を設けた本発明の構造(実
施例2)、グレーチング11、鉛直プレート12および
水平プレート13を全て設けた本発明の構造(実施例
3)について、相互に比較しながら順に説明する。
【0030】比較例1(図3,図8) 図3は、床版8が床版のみであり、耐風制振手段を何ら
設けない従来構造とした場合の横風aによる剥離せん断
層a1、a2の様子を示している。なお、この図3およ
び下記の図4〜図7は、風洞実験において、橋桁と物理
的現象及び幾何学的形状が共通な相似性模型として辺長
比(幅員/桁高)が約10の扁平断面の扁平構造体を用
いた2次元弾性支持応答試験により実際に観察されたも
のである。
【0031】この図3に示したように、耐風制振対策を
設けない場合には、空気流が床版8の幅方向端部の上面
角部および縦桁6下端の角部から大きく剥離し、床版8
の上下面に層の厚い剥離せん断層a1,a2が形成され
る。
【0032】図8は、振動特性を示す特性図であり、横
軸に風速を表し、縦軸に無次元振幅を表している。この
図8に特性線Aで示したように、比較例1の構成の場合
には、低風速域で発散振動が生じ、曲げねじれフラッタ
ーと呼ばれる自励振動が低風速で発生することが認めら
れた。
【0033】比較例2(図4,図8) 図4は、床版8の中央部分にグレーチング11を設けた
場合の横風bによる剥離せん断層b1、b2の様子を示
している。この図4に示したように、床面中央部にグレ
ーチング11を配した場合には、上下方向の通風が可能
なことから床版8に働く空気力が軽減され、それにより
上下面の圧力差が低減するため、図3に示した全面床版
の場合に比べて剥離せん断層が薄くなる。したがって、
橋桁の振動は全面床版とした場合に比べて抑制され、橋
桁の空力特性が改善されていると考えられる。
【0034】図8に示した実験結果においては、特性線
B(B1)で示したように、発散振動によるフラッター
発振風速は高風速域側に移行し、低風速でのフラッター
の発生はみられなくなった。しかしながら、同図に特性
線B(B2)で示したように、低風速域において、比較
的大きい振幅の限定振動の発生が認められた。
【0035】実施例1(図5,図8) 図5は、本発明の実施形態において図2に示した耐風制
振手段のうち、床版8の中央にグレーチング11を設け
るとともに、外側に位置する縦桁6(6a)に鉛直プレ
ート12を設けた場合について、横風cによる剥離境界
層c1、c2の様子を示している。
【0036】本構成の場合には、鉛直プレート12によ
って床版8下面の横風上流側での剥離点が下方に追加さ
れ、下流側剥離点同志の干渉効果により剥離せん断層が
薄くなっている。このため、床版8のほぼ中央位置のグ
レーチング11の位置では空気力が大幅に低減する。
【0037】この結果、図8に特性線C(C2)で示す
ように、低風速域での限定振動の振幅が比較例2の場合
に比して小さくなるとともに、特性線C(C1)で示す
ように、フラッター発振風速が高風速域に移行すること
が認められた。これにより、本実施例1の構成による
と、振動抑制効果が高くなり、耐風安定性を従来技術に
比較して向上することができる。
【0038】実施例2(図6,図8) 図6は、本発明の実施形態において図2に示した耐風制
振手段のうち、床版8の中央にグレーチング11を設け
るとともに、床版8の幅方向端部の下面側に水平プレー
ト13を突出させた場合の横風dによる剥離せん断層d
1、d2の様子を示している。
【0039】本構成の場合には、床版8中央部のグレー
チング11の作用に加え、水平プレート13によって床
版8上面側での空気流の剥離点が空気流の上流側に追加
され、これにより床版8上面側での剥離せん断層d1が
抑制されている。すなわち、水平プレート13により断
面上流側に剥離点が追加されたことから、床版8上面の
剥離せん断層d1がグレーチング設置時よりもさらに小
さくなり、限定振動に対する空力特性が改善されている
ものと考えられる。
【0040】この結果、図8に特性線Dで示すように、
横風による限定振動の発生は皆無となることが認められ
た。したがって、低風速域での耐風安定性を向上するこ
とが分かる。ただし、特性線Dで示すように、本構成の
場合にはフラッター発振風速が比較例2および実施例1
の場合に比べて低速側へ移行した。
【0041】実施例3(図7,図8) 図7(a)は、本発明の実施形態において図2に示した
グレーチング11、鉛直プレート12および水平プレー
ト13を全て設けた場合の横風eによる剥離せん断層e
1、e2の様子を示している。
【0042】本構成の場合には、実施例1および実施例
2の複合的効果が発揮され、鉛直プレート12によって
床版8下面の横風上流側での剥離点が下方に追加され、
下面側2箇所の剥離点同志の干渉効果により剥離せん断
層が薄くなり、床版8のほぼ中央位置のグレーチング1
1の位置では空気力が大幅に低減するとともに、水平プ
レート13によって床版8上面側での空気流の剥離点が
空気流の上流側に追加され、これにより床版8上面側で
の剥離せん断層d1がフラット化している。
【0043】この結果、図8に特性線Eで示すように、
横風による限定振動の発生は皆無となり、かつフラッタ
ー発振風速が実施例2に比較して高風速域に移行するこ
とが認められた。
【0044】なお、図7(b)に示したように、実施例
2および実施例3の水平プレート13については、空気
流の偏向角θ1が床版上面に対して28〜32度の範囲
の仰角であることが望ましい。特に望ましい偏向角θ1
は、30度である。
【0045】また、図7(c)に示したように、実施例
1および実施例3の鉛直プレート12については、空気
流の偏向角θ2は床版下面に対して28〜32度の範囲
の俯角であることが望ましい。特に望ましい偏向角θ2
は、30度である。
【0046】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明に係る無
補剛吊橋の耐風制振構造によれば、剥離点下方追加部に
よる床版下面の横風上流側での剥離点の下方追加、剥離
点上流側追加部による床版上面側での空気流の剥離点の
上流側への追加等を、グレーチングなどの圧力差低減部
と結合することにより、低風速域での限定振動の振幅低
減または防止、フラッター発振風速の高風速域への移行
等を可能とし、比較的簡易な構成により横風に対する耐
風安定性を従来に比して大幅に向上することができると
いう優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無補剛吊橋の実施形態の全体構成
を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う橋桁部分の拡大断面図で
ある。
【図3】本発明に対する比較例1を示す作用説明図であ
る。
【図4】本発明に対する比較例2を示す作用説明図であ
る。
【図5】本発明の実施例1を示す作用説明図である。
【図6】本発明の実施例2を示す作用説明図である。
【図7】(a)は本発明の実施例3を示す作用説明図で
あり、(b),(c)は部分構成説明図である。
【図8】本発明の各実施例および比較例の特性を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 塔 2 アンカレッジ 3 主索 4 支索 5 橋桁 6 縦桁 7 横桁 8 床版 8a 床版 9根太 10 高欄 11 グレーチング 12 垂直プレート 13 水平プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細見 雅生 千葉県富津市新富33番10号 駒井鉄工株式 会社富津工場内 (72)発明者 露野 公則 宮城県岩沼市下野郷字新関迎230番地 東 北鉄骨橋梁株式会社岩沼工場内 Fターム(参考) 2D059 BB06 BB08 GG06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方
    向に沿う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿
    う複数の平行な横桁と、これらに支持された床版とを有
    する扁平な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力
    学的な耐風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置
    に設けられ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低
    減させるグレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版
    の幅方向端部側に位置する縦桁の橋梁断面中心側の下端
    部からプレートを垂下し、横風による床版下面側への空
    気流の剥離点を前記床版の幅方向端部下方に加える剥離
    点下方追加部とを備えたことを特徴とする無補剛吊橋の
    耐風制振構造。
  2. 【請求項2】 索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方
    向に沿う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿
    う複数の平行な横桁と、これらに支持された床版とを有
    する扁平な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力
    学的な耐風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置
    に設けられ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低
    減させるグレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版
    の幅方向端部側からプレートを突出し、横風による床版
    上面側への空気流の剥離点をその空気流の上流側に加え
    る剥離点上流側追加部とを備えたことを特徴とする無補
    剛吊橋の耐風制振構造。
  3. 【請求項3】 索体によって懸吊される橋桁が、橋軸方
    向に沿う複数の平行な縦桁と、これに直交する方向に沿
    う複数の平行な横桁と、これらに支持された床版とを有
    する扁平な構造体とされた無補剛吊橋において、空気力
    学的な耐風制振手段として、前記床版の幅方向中央位置
    に設けられ、上下方向の通風により上下面の圧力差を低
    減させるグレーチングなどの圧力差低減部と、前記床版
    の幅方向端部側に位置する縦桁の橋梁断面中心側の下端
    部からプレートを垂下し、横風による床版下面側への空
    気流の剥離点を前記床版の幅方向端部下方に加える剥離
    点下方追加部と、前記床版の幅方向端部側からプレート
    を突出し、横風による床版上面側への空気流の剥離点を
    その空気流の上流側に加える剥離点上流側追加部とを備
    えたことを特徴とする無補剛吊橋の耐風制振構造。
  4. 【請求項4】 剥離点下方変移部は、空気流を床版の下
    面に対して28〜32度の俯角で下方に偏向させるもの
    である請求項1または3記載の無補剛吊橋の耐風制振構
    造。
  5. 【請求項5】 剥離点上流側追加部は、空気流を床版の
    上面に対して28〜32度の仰角で上方に偏向させるも
    のである請求項2または3記載の無補剛吊橋の耐風制振
    構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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