JPH0421848Y2 - - Google Patents

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JPH0421848Y2
JPH0421848Y2 JP1986149359U JP14935986U JPH0421848Y2 JP H0421848 Y2 JPH0421848 Y2 JP H0421848Y2 JP 1986149359 U JP1986149359 U JP 1986149359U JP 14935986 U JP14935986 U JP 14935986U JP H0421848 Y2 JPH0421848 Y2 JP H0421848Y2
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ventilation opening
box girder
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opening
ventilation
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は構造物の耐風防振装置に関し、特に橋
梁や高層建築物など強風下にフラツタ振動の生じ
易い構造物の耐風防振装置に関するものである。
(従来技術) 例えば、橋梁や高層建築物など比較的偏平な構
造物に強風が作用すると、そこに作用する動的空
気力により発生する謂ゆるフラツタの現象は既に
知られており、橋梁のうちの吊橋や斜張橋などの
長大橋梁の橋桁は比較的剛性が低いのでフラツタ
が生じ易く、一度フラツタが生じると破損してし
まうので、空力的にフラツタ発生風速を極力高く
するような工夫が必要である。
従来、第10図に示すように吊橋のトラス補剛
桁100の場合、床構造101の幅中央方向中央
部に通風開口102を桁の長さ方向に沿つて設
け、この通風開口102を通気性のあるグレーテ
イング103で覆い、上記通風開口102からの
吹抜け作用を高めるために、第11図に示すよう
な導流板104や第12図に示すような導流体1
05を通風開口102の略中央部に配設する耐風
防振装置が提案されている(本四技報、No.6
78.10参照)。尚、図中符号106はガードレール
(高欄)である。
(考案が解決しようとする問題点) 上記トラス補剛桁の場合、床構造の厚さが比較
的小さいので、上記通風開口102を設けるだけ
で風が吹き抜け易くなり、動的空気力に起因する
フラツタが生じにくくなる。
ところで、吊橋の補剛桁として上記トラス補剛
桁100に代えて閉断面状の箱桁を採用する場
合、箱桁の厚さ(桁高)が上記床構造の厚さに比
較して非常に大きくなるが、第13図に示すよう
にこの種の箱桁100Aの通風開口102Aの幅
を最小限に抑えなければならず、この通風開口1
02Aに上記導流板104を図示のように設けた
場合、導流板104で案内されて通風開口102
A内へ流れ込んだ空気流が導流板104を迂回し
ただけで通風開口102A内へ深く流入せずに外
部へ抜けてしまうことになる。このことは、第1
1図のような導流体105を設ける場合にも同様
である。
そこで、第14図に示すように通風開口102
を貫くような導流板104を設ける場合、通風開
口102の幅を桁高と同程度に抑えると通風性能
が低下して、フラツタ発生風速の向上効果を期待
できない。そこで、通風開口102の幅を桁高の
2倍程度に大きくするとフラツタ発生風速は高く
なるが、箱桁の鋼材重量が増加して非常に不経済
なものとなる。更に、導流板104の効果を高め
るためには、導流板104を箱桁100Aの上面
及び下面よりかなり突出させる必要があるが、そ
の場合図示のように導流板の後方にカルマン渦が
発生して箱桁100Aに渦励振が生じる。
(問題点を解決するための手段) 本考案に係る構造物の耐風防振装置は、閉断面
の箱桁状構造物にその長さ方向に沿つてその相対
向する一方の外面から他方の外面に亙つて貫く通
風開口が形成され、上記通風開口の両方の開口端
の略中央部に、通風開口よりも狭幅で少なくとも
最大幅部分が構造物の外面外へ突出する平板状若
しくは閉断面状の第1導流部材と、第1導流部材
から通風開口の奥方へ延びる平板状の第2導流部
材とからなる導流体が通風開口に沿つてそれぞれ
設けられ、上記両導流体間には通風開口の高さの
約1/2以上の通風隙間が設けられたものである。
(作用) 本考案に係る構造物の耐風防振装置において
は、閉断面の箱桁状構造物にその長さ方向に沿つ
てその相対向する一方の外面から他方の外面に亙
つて貫く通風開口が形成されており、その通風開
口の両方の開口端の略中央部には通風開口に沿つ
て導流体がそれぞれ設けられている。
上記導流体の第1導流部材は通風開口よりも狭
幅でその最大幅部分が構造物の外面外へ突出する
平板状若しくは閉断面状に形成され、導流体の第
2導流部材は第1導流部材から通風開口の奥方へ
延びる平板状に形成され、上記両導流体間には通
風開口の高さの約1/2以上の通風隙間が設けられ
ているので、第1導流部材の案内作用で風が通風
開口内へ導入され、この通風開口内へ導入された
風が第2導流部材で通風開口の奥方へ案内されて
反対側の開口端へ確実に吹き抜けることになる。
このように、第1導流部材の導入作用によつて
通風開口へ導入される風の風量及び風速が増大
し、その風の流れが第2導流部材で案内されて通
風開口の奥方へ流入し、両導流体間の通風隙間か
ら反対側の開口端の方へ確実に吹き抜けることに
なる。上記通風開口を通して風が吹き抜けると、
動的空気力増大が抑制されフラツタが発生しにく
くなる。
上記第1導流部材の外側の風の流れはスムーズ
でその下流側に渦が生じにくくなるが、第1導流
部材を構造物の外面外へ大きく突出させると、風
の導入作用は強化される反面、その第1導流部材
の風下側に発生する渦によつて渦励振が誘発され
ることになるので好ましくない。
第2導流部材を通風開口の奥方へあまりに大き
く延ばし、両導流体間の通風隙間を通風開口の高
さの約1/2未満とすると、通風開口内へ導入され
た風の吹き抜け作用を妨げるだけでなく、導流体
が設けられた開口端と反対側の開口端からの風の
導入の妨げとなるので好ましくない。
(考案の効果) 本考案に係る構造物の耐風防振装置によれば、
以上説明したように、閉断面の箱桁状構造物の通
風開口の両方の開口端に第1導流部材と第2導流
部材とからなる簡単な構造の導流体をそれぞれ設
け、両導流体間に通風開口の高さの約1/2以上の
通風隙間を設けたことにより、通風開口を通過す
る風の吹き抜け作用を促進して動的空気力の増大
を防ぎ、フラツタの発生を抑制しフラツタ発生風
速を高くすることが出来る。また、揚力係数勾配
の値を小さくして風の乱れによる不規則振動(バ
フエテイング)を小さくすることが出来る。
その結果、本考案を吊橋の箱桁に適用した場合
には、フラツタ発生を抑制することによつて、箱
桁の剛性を軽減し箱桁の単位長当りの重量軽減を
可能とし、吊橋の建造コストを大幅に低減させる
ことが出来る。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。
本実施例は本考案を吊橋の閉断面状の箱桁に適
用した場合の実施例である。
第1図に示すように、長大吊橋の箱桁1(例え
ば、幅×高さ=約51m×7m)は、上下に所定間
隔あけて路面形成用の天板2と底板3を水平に配
設し、これらの間に腹板4を配設して、これらを
溶接接合して箱桁を形成するとともに、左右の側
端部は風に対する抵抗を軽減すべく断面三角形状
に突出させた構造であり、この箱桁1はその両端
近傍部においてワイヤ5で吊持されている。
上記天板2、底板3及び腹板4は必要に応じて
第2図に示すように多数の縦通防撓材6や横方向
の桁材(図示略)で補強される。尚、図中符号7
はガードレールで(高欄)である。
次に、箱桁1の耐風防振装置について説明する
と、上記箱桁1の幅中央部には、風の吹き抜けを
促進して揚力を下げることによつてフラツタを抑
制するために、その略全長に亙つて通風開口8
(例えば、断面の幅×高さ=7m×7m)がその天
板2から底板3に亙つてその全厚を貫くように形
成され、この通風開口8の上部開口端と下部開口
端の各中央部には夫々導流体9が通風開口8の全
長に亙つて連続的または断続的に設けられ、これ
ら上下対称1対の導流体9は箱桁1の長さ方向適
当間隔毎に図示外の連結部材や前記横桁を介して
天板2と腹板4或いは底板3と腹板4とに連結さ
れている。但し、上記導流体9は連結部材の個所
で必要に応じて分断された構造であつてもよい。
また、通風開口8の上部開口端と下部開口端に
は長さ方向(橋軸方向)適当間隔毎に横トラス1
2及び横桁(図示略)が配設され、これら横トラ
ス12と横桁とで通風開口8の両側の箱桁部材が
剛に結合されている。
第2図に示すように、上記各導流体9は、図示
のような5角形閉断面状の第1導流部材10とこ
の第1導流部材10の通風開口8側の内端部中央
から通風開口8の内方(奥方)へ鉛直に突設され
た平板状の第2導流部材11とから構成されてい
る。上記各第1導流部材10は第2導流部材11
の外端から天板2若しくは底板3の外面外まで延
びる左右1対の内側斜板と、1対の内側斜板の外
端から夫々外方延びる左右1対の外側斜板と、1
対の外側斜板の外端部間に亙る水平板とからな
り、各内側斜板の外端部(最大幅部分)は天板2
の上面若しくは底板3の下面よりも約100〜150cm
程外方に在り、各外側斜板の外端部は天板2の上
面若しくは底板3の下面よりも約130〜180cm程度
外方に在り、第1導流部材10の全幅は通風開口
8の幅の約1/3程度である。
そして、上記通風開口8内で上下に対向してい
る第2導流部材11間には箱桁1の全厚(全高)
の約1/2程度の通風隙間が確保されている。
上記導流体9の作用について説明すると、第2
図に矢印で図示のように、例えば僅かの抑角で斜
め上方に流れる風が下部開口端の導流体9の第1
導流部材10の内側斜板の案内作用で通風開口8
内へ多量に導入され、その通風開口8内へ流入し
た風は第2導流部材11の案内作用で通風開口8
の上方へ案内されるので、矢印で図示のように上
部開口端より箱桁1の上面側へ吹き抜けることに
なる。
この吹き抜けにより、箱桁1に作用する動的空
気力が大幅に低下し、動的空気力の変動によつて
惹起されるフラツタが抑制され、換言すれば、フ
ラツタ発生風速が高くなる。
また、第1導流部材10の外側を流れる風は外
側斜板でスムーズに案内されるので、第1導流部
材10の下流側に渦が生じにくくなる。
上記第2導流部材11を設けないときには、通
風開口8内へ流入した風が第1導流部材10を迂
回して再び箱桁1の下面側へ流れ出すため吹き抜
け作用が著しく弱くなる。
第3図は箱桁1の模型3種類について構造物用
風洞(高さ3m×幅2.5m×長さ20m)を用いて一
様流れ(乱れの強さ0.2%以内)中にてフラツタ
発生模型試験を行なつた結果を示すものでこれら
模型の断面形状は図示のとおりであり、模型M0
は通風開口8を開けただけのもの、模型M1は通
風開口8の上下開口端に前記第1導流部材10を
設けたもの、模型M12は通風開口8の上下開口端
に前記第1導流部材10と第2導流部材11とか
らなる導流体9を設けたものである。尚、符号1
3は剥離抑制用の導流板である。
第3図の横軸には箱桁模型M0,M1,M12に対
する風の抑角を、また縦軸にはフラツタ発生風速
が風洞風速にて記載してあり、例えば風洞風速
12m/secは実橋換算すると約70m/secの実風速
に相当するものである。
第3図の模型試験結果より判るように、模型
M1は模型M0よりも、また模型M12は模型M1より
もフラツタ発生風速が高くなつている。
つまり、通風開口8の上下に模型M1のように
導流体を設けるだけでは、迎角+3度の風に対し
てフラツタ発生風速を殆んど高めることが出来な
いのに対して、模型M12のように通風開口8の上
下に本実施に係る導流体9を設けると、第2導流
部材11の案内作用によつて風の吹き抜けが促進
され、フラツタ発生風速が模型M0の場合に比べ
て約10%高くなる。
上記実施例に係る吊橋用箱桁の耐風防振装置に
よれば、以上説明したように、箱桁1の中央部の
通風開口8の上下に第1導流部材10と第2導流
部材11とからなる導流体9を設けるという簡単
な構成によつて、迎角が正負の何れの風に対して
も通風開口8からの風の吹き抜けを促進してフラ
ツタ発生を抑制しフラツタ発生風速を模型M0
場合に比べて約10%程度高めることが出来る。
箱桁ではフラツタ発生風速を高めるために静的
設計で必要な剛性以上に桁の剛性を高めている。
換言すれば、長大吊橋における箱桁の剛性は死荷
重や走行荷重に対してではなくフラツタ発生風速
との関係で決定される。空力特性の改善により上
記のようにフラツタ風速を高めることができれ
ば、フラツタ発生風速を確保するための箱桁の剛
性を下げることができ鋼重を削減することができ
る。
次に、上記実施例の耐風防振装置を次のように
部分的に変更してもよい。
(1) 前記導流体9の断面形状としては、第4図a
〜k、第5図a〜d、第6図a〜dに図示した
各種のものが考えられる。図示のものは通風開
口8の上部開口端に設けるものを示し、下部開
口端に設けるものは図示のものを倒立にしたも
のであるが、上下に対応させる導流体9として
は必ずしも対称のものを用いなくともよい。
尚、第4図fのもの以外第1導流部材10が閉
断面構造を主体として構成されている。
図中符号10は第1導流部材、符号11は第
2導流部材である。
(2) 第7図に示すように、前記通風開口8に代え
て、断面台形状の通風開口8Aが形成され、こ
の通風開口8Aの上部開口端の中央部には断面
逆三角形状の第1導流部材10とその下端より
下方へ延びる第2導流部材11とからなる導流
体9が設けられ、上記通風開口8Aの下部開口
端の中央部には断面倒立V字状の第1導流部材
10とその上端より上方へ延びる第2導流部材
11とからなり上部開口端の導流体9よりも大
型の導流体9が設けられている。
通風開口8Aを図示のように下方拡大の台形
状に形成することによつて、路面の有効面積を
確保しつつ通風開口8Aを大型化することが出
来る。
(3) 第8図に示すように、箱桁1の左右の側端近
傍部に夫々耐風防振装置を設けてもよい。
(4) 第9図のように、箱桁1の天板2の中央部か
ら底板3の左側部と右側部とに亙つて連通する
通風開口8を形成し、この逆V字状の通風開口
8の上端開口部と左右の下端開口部とに夫々導
流体9を設けることも有り得る。この場合、通
風開口8として改めて箱桁2の中に仕切板を入
れて通風路を設けなくとも、箱桁内部の空洞を
そのまま通風開口8として扱うことができる。
(5) 従来技術に係る第10図のトラス補剛桁10
0において導流板104に代えて本考案の導流
体9を設けてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
図面のうち第1図〜第9図は本考案の実施例に
係るもので、第1図は箱桁の概略断面図、第2図
の箱桁の幅方向中央部の耐風防振装置とその周辺
構造の拡大断面図、第3図は模型試験結果を示す
線図、第4図a〜k及び第5図a〜d及び第6図
a〜dは夫々変形例に係る導流体の概略断面図、
第7図は変形例の第2図相当図、第8図は変形例
の第1図相当図、第9図は変形例の第1図相当
図、第10図は従来のトラス補剛桁の断面図、第
11図及び第12図は夫々第9図のトラス補剛桁
に設けられた従来の耐風防振装置の断面図、第1
3図及び第14図は夫々従来の耐風防振装置を箱
桁に適用した場合の第2図相当図である。 1……箱桁、8,8A……通風開口、9……導
流体、10……第1導流部材、11……第2導流
部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 閉断面の箱桁状構造物にその長さ方向に沿つて
    その相対向する一方の外面から他方の外面に亙つ
    て貫く通風開口が形成され、上記通風開口の両方
    の開口端の略中央部に、通風開口よりも狭幅で少
    なくとも最大幅部分が構造物の外面外へ突出する
    平板状若しくは閉断面状の第1導流部材と、第1
    導流部材から通風開口の奥方へ延びる平板状の第
    2導流部材とからなる導流体が通風開口に沿つて
    それぞれ設けられ、上記両導流体間には通風開口
    の高さの約1/2以上の通風隙間が設けられたこと
    を特徴とする構造物の耐風防振装置。
JP1986149359U 1986-09-29 1986-09-29 Expired JPH0421848Y2 (ja)

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JP1986149359U JPH0421848Y2 (ja) 1986-09-29 1986-09-29

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JPS6356706U JPS6356706U (ja) 1988-04-15
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5747323A (en) * 1980-09-04 1982-03-18 Nitto Electric Ind Co Ltd Epoxy resin composition having improved resistance to hot water at high temperature

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5747323A (en) * 1980-09-04 1982-03-18 Nitto Electric Ind Co Ltd Epoxy resin composition having improved resistance to hot water at high temperature

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JPS6356706U (ja) 1988-04-15

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