JP2001286901A - 圧延形鋼の製造方法 - Google Patents

圧延形鋼の製造方法

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JP2001286901A
JP2001286901A JP2000108144A JP2000108144A JP2001286901A JP 2001286901 A JP2001286901 A JP 2001286901A JP 2000108144 A JP2000108144 A JP 2000108144A JP 2000108144 A JP2000108144 A JP 2000108144A JP 2001286901 A JP2001286901 A JP 2001286901A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、フランジ各部位の材質差が小さ
く、断面形状に優れた極厚H形鋼の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 質量%で、C:0.05〜0.20%、
Si:0.6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:
0.01〜0.05%、P:0.035%以下、S:
0.020%以下を含む鋼を、Ar3点以上で仕上圧延
終了後、直ちにフランジ内外面を一次冷却し、冷却停止
後、フランジ冷却面を550℃以上、800℃以下に復
熱させ、二次冷却後、自然放冷する形鋼の製造工程にお
いて、該一次冷却を、フランジ内面および外面の冷却水
量密度を各々500L/m2・min以上、かつ、フラ
ンジ内面とフランジ外面の水量密度比を0.3以上、
1.2以下とし、フランジ冷却面が500℃以下でフラ
ンジの平均温度650℃以上で一旦冷却を中止し、該二
次冷却を、フランジの平均温度400℃以上、600℃
以下で冷却を中止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層建築物や橋梁
等の鋼構造物の分野で使用される強度、靭性に優れた圧
延形鋼で、特にフランジ厚さ方向機械的特性が均一で、
フランジ各部位における材質差が小さく断面形状に優れ
た圧延形鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延が終了した鋼材に水冷を行な
い、強度、靭性を向上させるとともに、炭素を始めとす
る合金成分の低減により溶接施工性の向上を図る技術
は、「制御冷却」と呼ばれ、制御圧延とともに、TMC
P(Thermo−mechanical contr
ol process)の中核をなす技術として、19
80年に厚鋼板の製造に初めて実用化されて以降、広く
普及した。(例えば、小指軍夫、「制御圧延・制御冷
却」、(社)日本鉄鋼協会監修、地人書館(199
7))。
【0003】厚鋼板の場合は、オーステナイト粒径の微
細化を目的とした圧延終了温度の低下を柱とする制御圧
延と、制御冷却技術の組み合わせにより、強度および靭
性が格段に向上した。それに対し、やや複雑な断面形状
を有する形鋼に対する制御冷却技術は、熱歪による歪の
発生やウエブの座屈など形状確保において問題が多く、
実用化が遅れた。形鋼を対象とする制御冷却技術に関し
ては、例えば、特公昭60−2366号公報、特公昭6
1−2727号公報、特開昭60−77924号公報、
及び特公平5−40803号公報などが提案されてい
る。
【0004】更に、圧延後、急冷を行うと、冷却面近傍
の硬さが上昇する問題が生ずるため、表面硬化抑制技術
として、特許第2533250号、特許第283705
6号等がしられている。これらの技術では、仕上圧延前
の中間圧延段階において冷却、復熱を行い、表層部の組
織が低温γあるいはγ/α二相領域の状態で加工を加え
ることにより、仕上圧延後の冷却において表面に焼きが
入ることを防止している。しかし,中間圧延段階での温
度低下は、圧延ミルへの負荷が増大し、場合によっては
所望の断面形状が得られない場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、厚鋼
板の場合には、制御圧延と制御冷却の組み合わせによ
り、TMCP技術をより有効に材質制御に活用すること
ができるが、形鋼の場合は、断面形状を確保しなければ
ならず、材質制御を目的とする制御圧延や、冷却の方法
によっては冷却中や、冷却後に反りを生ずる圧延後の冷
却が十分活用されていない。
【0006】そこで、本発明は、特段の制御圧延を実施
しない場合においても、圧延後、冷却した場合に、良好
な断面形状が得られ、且つ、冷却による製品の表面硬化
が十分に抑制され、フランジ各部位(1/4F、1/2
F)の材質が均一な強度,靭性に優れた極厚H形鋼の製
造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、仕上圧延
終了後の冷却による表面硬化を抑制するために有効な組
織およびその具体化手段について検討し、表面近傍にお
けるオーステナイトの体積分率が低く、且つ微細な組織
であれば表面硬化の抑制が可能で、このような組織は、
急冷により、表面近傍を一旦、ベイナイト変態終了温度
以下とした後、形鋼自体の熱容量によって復熱させ、再
び水冷することにより、軟化することを見出した。
【0008】すなわち、形鋼の冷却面近傍の組織を、全
面ベイナイトとした後、復熱によりフェライト主体の組
織、あるいは、一部微細オーステナイトに逆変態した
後、再び冷却を受けるようにした場合、逆変態オーステ
ナイトが微細で、焼入れ性が低いため硬化が少ないこと
及びそのために必要な具体的冷却条件を見出したもので
ある。
【0009】尚、冷却条件に関しては更に形鋼として歪
の生じないことも含めて検討を行った。本発明は以上の
知見を基に更に検討を加えてなされたものである。すな
わち、本発明は 1. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:
0.6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.0
1〜0.05%、P:0.035%以下、S:0.02
0%以下を含む鋼を、Ar3点以上で仕上圧延終了後、
直ちにフランジ内外面を一次冷却し、冷却停止後、フラ
ンジ冷却面を550℃以上、800℃以下に復熱させ、
二次冷却後、自然放冷する形鋼の製造工程において、一
次冷却と二次冷却を、フランジ内面および外面の冷却水
量密度を各々500L/m2・min以上、かつ、フラ
ンジ内面とフランジ外面の水量密度比を0.3以上、
1.2以下とし、該一次冷却をフランジ冷却面が500
℃以下でフランジの平均温度650℃以上で一旦冷却を
停止し、該二次冷却を、フランジの平均温度400℃以
上、600℃以下で冷却を停止するものであることを特
徴とする圧延形鋼の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】1.成分組成 本発明は、低合金鋼における相変態に関する冶金的知見
を基に構成されるものであり、その成分組成は、得られ
た知見を基とし、更に鋼構造物に用いられる形鋼として
最低限要求される溶接性等の特性を満足するように検討
されたものである。
【0011】C Cは、鋼の強度を確保するために添加する。0.05%
未満の場合、強度の確保が困難となるため、0.05%
以上添加する。多量に添加した場合、鋼の靭性や溶接性
を低下させるが、0.20%をこえると溶接部の硬度が
著しく上昇し、溶接低温割れ感受性を劣化させ、制御冷
却時の表面硬度を著しく上昇させるため、0.05〜
0.20%(0.05%以上、0.20%以下)とす
る。
【0012】Si Siは、脱酸のため、添加し、強度向上にも寄与する。
その含有量が0.6%を超えるとHAZ靭性及び溶接性
の観点から好ましくないので、0.6%以下とする。
【0013】Mn Mnは、赤熱脆性の原因となるFeSの生成抑制ならび
に強度、靭性向上のため0.5%以上添加する。多量の
添加は鋼の焼入れ性を増加させ、溶接硬化層を出現さ
せ、割れ感受性を劣化させるため、1.6%を上限と
し、その添加量を0.5〜1.6%とする。
【0014】Al Alは、脱酸のため添加する。0.01%未満ではその
効果が発揮されず、一方、0.05%を超えて多量に添
加されると清浄度を悪くし、溶接部の靭性を劣化させる
ため、その添加量を0.01〜0.05%とする。
【0015】P,S P,Sは、鋼中に混入する不純物として不可避的に存在
する。溶接熱影響部の機械的特性において、Pの低減は
粒界破壊の防止に有効であり、Sの低減は水素割れ防止
に有効であるため、Pは0.035%以下、Sは0.0
20%以下に限定する。
【0016】本発明は、上記化学成分で、十分その効果
が得られるが、強度、靭性の調整を目的に、更に、質量
%で、Cu≦0.6%,Ni≦0.6%,Cr≦0.6
%,Mo≦0.6%,Nb≦0.1%,V≦0.2%,
Ti≦0.1%,B≦0.01%、Ca≦0.01%、
Mg≦0.01%、REM≦0.01%のうち一種また
は二種以上を本願発明の目的を逸脱しない範囲で添加さ
せることができる。
【0017】但し、良好な溶接性を具備するように、例
えば、引張強度490MPa級に対し、JISG313
6の付属書1および付属書2に記載のように、フランジ
厚50mm以下に対して、炭素当量(%)≦0.38、
溶接割れ感受性組成(%)≦0.24、フランジ厚50
mm超えに対して、炭素当量(%)≦0.40、溶接割
れ感受性組成(%)≦0.26を満足することが望まし
い。 2.製造条件 本発明は上述した好適成分の鋼に、以下の製造条件を適
用する。
【0018】圧延条件 仕上圧延はフランジにおいて、Ar3点以上で終了す
る。Ar3点未満とした場合、圧延ミルの負荷が大きく
なり、断面形状の確保に弊害が生じる場合があり、ま
た、フェライト相に歪が蓄積されたまま製品となり、延
性や靭性を損なう場合があるため、Ar3点以上とす
る。一方、仕上圧延の終了温度における上限温度は、靭
性を確保するため1000℃以下にすることが望まし
い。尚、Ar3点は、鋼成分、オーステナイト粒径、フ
ランジ厚等に依存して変化するが、例えば、目安として
次式を用いることが出来る。Ar3(℃)=910−3
10C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−8
0Mo+(t−8)、(ここで、t:フランジ厚(m
m)) 冷却条件 本発明では、フランジ表面の硬化を抑制しつつ、高強度
化を達成するため、仕上圧延後、直ちに開始する冷却
(一次冷却)を一旦、停止させ、鋼材を所定の温度に復
熱させたのち、再度冷却(二次冷却)する2段冷却を行
う。2段冷却においては、フランジ内外面冷却の水量密
度と水量密度比、一次、二次冷却における冷却停止温度
及び復熱温度を規定する。
【0019】フランジ内外面冷却の水量密度と水量密度
比 一次冷却、二次冷却は、フランジ内外面から水量密度5
00L/m2・min以上、水量密度比0.3以上、
1.2以下で水冷する。水冷は、フランジ厚が薄い(例
えば、8mm以上、40mm以下)場合、外面のみから
の冷却でも、フランジ厚さ方向に沿って、フランジ内面
に至るまで比較的均一な材質特性が得られるが、著しい
断面形状の歪を生じ、また、フランジ厚が厚い(例え
ば、40mm超え)場合では、フランジ厚さ方向強度差
を小さくするため、それぞれ両面からの水冷を行う。
【0020】水量密度は水冷面における沸騰状態を核沸
騰支配とし、水量密度のばらつきに大きく依存せず、均
一かつ十分な冷却を行うため、フランジ内外面両面にお
いて500L/m2・min以上とする。より、安定し
た冷却状態を得るためには、600L/m2・min以
上とすることが望ましい。尚、500L/m2・min
未満の場合、沸騰状態は膜沸騰となり、均一かつ十分な
冷却ができない。
【0021】フランジ内外面冷却における水量密度比
は、0.3未満では、フランジが内側に倒れる歪を生
じ、一方、1.2超えでは、フランジが外側に倒れる歪
を生じて形状不良となり、製品不良または精整による形
状矯正が必要となるため、0.3以上、1.2以下とす
る。尚、水量密度比は内面水量密度/外面水量密度とす
る。
【0022】一次冷却停止温度 一次冷却は、仕上げ圧延後、直ちに開始し、フランジ冷
却面が500℃以下、且つフランジ平均温度が650℃
以上で停止する。フランジ冷却面は、該冷却面における
ベイナイト変態を終了させ、その後の復熱変態における
組織を極めて微細にし、逆変態オーステナイトが生成し
ても、二次冷却による硬化を抑制させるため、500℃
以下とする。
【0023】また、一次冷却停止時のフランジ平均温度
が低い場合、冷却面近傍の復熱が不十分で、復熱温度が
低いか、所望の復熱温度となるまでに長時間を要し、生
産性を著しく阻害可能性があるため、650℃以上とす
る。
【0024】尚、平均温度は、フランジ全体としての平
均の温度であり、冷却停止後、フランジ各部分の温度は
平均の温度に収束する。従って、平均温度は材料が十分
に復熱した際の温度と概ね等しいと考えて良い。
【0025】復熱温度 一次冷却停止後、フランジ内外の冷却面を共に550℃
以上、800℃以下に復熱させる。復熱温度が550℃
未満の場合、一次冷却による冷却面近傍のベイナイトの
軟化が十分に進行せず、最終製品においてフランジ厚さ
方向に強度差が生じる。一方、800℃超えの場合、逆
変態オーステナイト量が多くなり、二次冷却によって表
面近傍が硬化し、最終製品におけるフランジ厚さ方向の
強度差が大きくなる。
【0026】二次冷却停止温度 復熱後、二次冷却を直ちに開始し、二次冷却停止温度は
フランジ平均温度で、400℃以上、600℃以下とす
る。二次冷却停止温度が、400℃未満の場合、冷却停
止後のセルフテンパー効果が不十分となり、最終製品の
靭性が損なわれたり、靭性が不十分となる。一方、60
0℃超えの場合は、冷却による強靭化が十分でなく、圧
延終了後空冷により製造される形鋼に対し、性能上の優
位性が十分得られない。
【0027】尚、本発明においては、スラブ加熱温度
は、圧延による断面形状および靭性確保の観点から、1
100℃以上、1300℃以下が望ましい。
【0028】
【実施例】(実施例1)表1に示す成分組成の鋼を溶製
後、連続鋳造により鋳片とした。鋼Aは、仕上圧延後、
フランジを水冷するプロセスを適用することにより、J
IS G3136に規定のSN490C鋼を、また、鋼
Bは、同様のプロセスにより、590MPa級鋼を製造
することを目的に成分設計したものであり、いずれも本
発明範囲内の成分組成となっている。
【0029】鋼AまたはBの成分を有する鋳片を、加熱
炉で1250℃に加熱後、表2に示すフランジ厚40m
m超えの種々の寸法のH形鋼に圧延した。仕上圧延機出
側温度は950℃以上でAr3点以上とした。その後、
表2に示す種々の条件により、冷却を行った。No.
9,21のサンプルは、圧延終了後、一次冷却を行わ
ず、フランジ内外面が表2の(復熱−2段目冷却開始温
度)となるまで待機後、一段の水冷を行ったものであ
る。その他のサンプルについては、一次冷却、復熱後、
二次冷却する2段冷却を行った。二次冷却は、一次冷却
と同じ水量密度条件としている。
【0030】得られた形鋼より、図1に示すように、フ
ランジ幅方向1/4の位置において、フランジ厚さ
(t)方向に対し、1/4,1/2.3/4の位置よ
り、圧延方向を長手方向として、JIS Z2201に
規定の4号引張試験片(平衡部径:14mm,ゲージ
長:50mm)を各3本ずつと、JIS Z2202に
規定のVノッチシャルピー衝撃試験片を3本ずつ採取
し、常温における引張特性および0℃におけるシャルピ
ー衝撃吸収エネルギーを求めた。
【0031】また、図1に示すように、フランジ幅方向
1/4におけるフランジ外面、内面と、フランジ断面に
おける1/2tにおけるビッカース硬さを試験荷重98
Nで求めた。更に、製品形状を目視により評価した。
【0032】表3にこれらの試験結果を示す。2段冷却
を実施しないNo.9,21は、材料内部の機械的性質
は良好であるが、フランジ内外面の硬さが極めて高く、
その差も大きい。フランジ外面のみから冷却し、冷却水
量密度も低い、No.3のサンプルでは、フランジ各部
の強度が低く、また、その変動も大きい。更に、衝撃
値、硬度の変動も大きい。
【0033】フランジ外面からのみ冷却したNo.4,
No.14のサンプルは、フランジ内面側の強度が低
く、強度の変動も大きく、さらに硬さの変動も大きい。
製品形状も、フランジが内側に歪む形状不良(内折れ)
が認められた。
【0034】フランジ内面の水量密度の低いNo.15
のサンプルは、フランジ内面側の強度が低く、その変動
も大きく、また、硬度の変動も大きかった。製品形状
も、フランジが内側に歪む形状不良(内折れ)が認めら
れた。
【0035】フランジ内外面の水量密度の低いNo.1
7のサンプルは、強度が不十分で、その変動も大きく、
また、衝撃値、硬度の変動も大きかった。
【0036】水量密度比が大きいNo.5,22は、い
ずれも材質的には良好であるが、フランジが外側に大き
く歪む形状不良(外折れ)が認められた。
【0037】一次冷却停止時のフランジ外面、内面温度
が本発明範囲外で高いNo.6,18は、いずれも、材
料内部の機械的性質は良好であるが、硬度が高く、ま
た、その変動も大きい。
【0038】復熱温度(二次冷却開始温度)が低いN
o.7,19,復熱温度(二次冷却開始温度)が高いN
o.8,20はいずれもフランジ内面または外面の硬度
が高く、その変動も大きい。
【0039】一方、本発明の規定を全て満足するNo.
1,2,10,11,16,23は、フランジ厚全厚に
わたって、良好な強度と衝撃特性を有し、フランジ厚さ
方向の特性差が小さく、水冷によるフランジ内面と外面
の硬さ上昇も安定的で小さい。さらに製品形状にも優れ
ている。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】(実施例2)表4に示す成分組成の鋼を溶
製後、連続鋳造により鋳片とした。鋼Aは、仕上圧延
後、フランジを水冷するプロセスを適用することによ
り、JIS G 3136に規定のSN400A鋼を、
また、鋼Bは、同様のプロセスにより、SN490C鋼
を製造することを目的に成分設計し、いずれも本発明範
囲内の成分組成となっている。
【0044】鋼AまたはBの成分を有する鋳片を、加熱
炉で1250℃に加熱後、表5に示すフランジ厚8mm
超え40mm未満の種々の寸法のH形鋼に圧延した。仕
上圧延機出側温度は880℃以上でAr3点以上とし
た。その後、表5に示す種々の条件により、冷却を行っ
た。No.9,21のサンプルは、圧延終了後、一次冷
却を行わず、フランジ内外面が表5の復熱後、2段目冷
却開始温度となるまで待機後、一段の水冷を行ったもの
である。その他のサンプルについては、一次冷却、復熱
後、二次冷却する2段冷却を行った。二次冷却は、一次
冷却と同じ水量密度条件としている。
【0045】得られた形鋼より、フランジ幅方向1/4
の位置において、圧延方向を長手方向として、JIS
Z2201に規定の1A号引張試験片(平衡部幅:40
mm,ゲージ長:200mm)を各3本ずつと、JIS
Z2202に規定のVノッチシャルピー衝撃試験片を
3本ずつ採取し、常温における引張特性および0℃にお
けるシャルピー衝撃吸収エネルギーを求めた。
【0046】また、フランジ幅方向1/4におけるフラ
ンジ外面、内面と、フランジ断面における1/2tにお
けるビッカース硬さを試験荷重98Nで求めた。更に、
製品形状を目視により評価した。
【0047】表6にこれらの試験結果を示す。2段冷却
を実施しないNo.9,21は、材料内部の機械的性質
は良好であるが、フランジ内外面の硬さが極めて高く、
その差も大きい。フランジ外面のみから冷却し、冷却水
量密度も低い、No.3、14のサンプルでは、フラン
ジ各部の強度が低く、また、その変動も大きい。更に、
フランジ外面における硬度の変動も大きい。
【0048】フランジ外面からのみ冷却したNo.4の
サンプルは、機械的特性は良好であったが、フランジが
内側に倒れる顕著な形状不良(内折れ)が認められた。
また、強度が高く、フランジ厚が厚めのNo.15のサ
ンプルは、フランジ外面と内面との硬さの差が大きく、
顕著な形状不良(内折れ)が認められた。
【0049】フランジの水量密度の低いNo.16のサ
ンプルは、フランジ内面の硬さ大きく変動し、顕著な形
状不良(内折れ)が認められた。水量密度比が大きいN
o.5とNo.18は、いずれも良好な材質が得られた
が、フランジが外に向かって大きく歪む形状不良(外折
れ)が認められた。
【0050】一次冷却停止温度、復熱温度(二次冷却開
始温度)の両者が本発明範囲外のNo.6,19はいず
れも、材質は良好であるが、硬さの変動が大きく、N
o.19では、Hv200を超えている。復熱温度(二
次冷却開始温度)が本発明の規定外で、低くなっている
No.7,8,20,21は、フランジ内外面の硬度が
高い。
【0051】二次冷却停止温度が高い、No.12は強
度が低く、二次冷却停止温度が低いNo.13は、衝撃
吸収エネルギーが低い。本発明条件を全て満足するN
o.1,2,10,11,17は良好な強度、靭性およ
び硬さ分布を有し、更に製品形状にも優れている。
【0052】尚、本実施例に用いた製造装置は、フラン
ジ内外面の冷却及び2段冷却が可能で、図2に内外面冷
却装置および冷却状況を、図3に製造装置全体を模式的
に示す。製造装置は、仕上圧延機出側に、内外面冷却を
行う冷却装置を3個以上のユニットに分けて、直列に配
置するもので、各ユニットは、冷却のon−offが可
能である。圧延形鋼の仕上圧延速度、搬送速度の調整、
及び各冷却ユニットのon−offにより、所望の2段
冷却を行う。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧延後、一次冷却を行った後、復熱させ、さらに二次冷
却を行うので、フランジ厚によらず、フランジ各部位の
材質が均一で、断面形状の劣化のない極厚H形鋼が複雑
な熱処理を要せず製造可能で、産業上、極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フランジ部引張試験、衝撃試験の各試験片採取
位置および硬さ分布試験の位置を示す図。
【図2】フランジ内外面冷却の状況を模式的に示す図。
【図3】圧延形鋼製造装置の模式図(平面図)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B21B 108:04 B21B 108:04 (72)発明者 藤林 晃夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AA07 AC03 BC07 BD07 BD08 CB01 4K032 AA01 AA04 AA05 AA16 AA21 AA23 AA27 AA29 AA31 AA35 AA36 BA00 CA03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.05〜0.20%、
    Si:0.6%以下、Mn:0.5〜1.6%、Al:
    0.01〜0.05%、P:0.035%以下、S:
    0.020%以下を含む鋼を、Ar3点以上で仕上圧延
    終了後、直ちにフランジ内外面を一次冷却し、冷却停止
    後、フランジ冷却面を550℃以上、800℃以下に復
    熱させ、二次冷却後、自然放冷する形鋼の製造工程にお
    いて、 一次冷却と二次冷却を、フランジ内面および外面の冷却
    水量密度を各々500L/m2・min以上、かつ、フ
    ランジ内面とフランジ外面の水量密度比を0.3以上、
    1.2以下とし、 該一次冷却をフランジ冷却面が500℃以下でフランジ
    の平均温度650℃以上で一旦冷却を停止し、 該二次冷却を、フランジの平均温度400℃以上、60
    0℃以下で冷却を停止するものであることを特徴とする
    圧延形鋼の製造方法。
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