JP2001286757A - 光触媒粉末および光触媒担持体 - Google Patents

光触媒粉末および光触媒担持体

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JP2001286757A
JP2001286757A JP2000103988A JP2000103988A JP2001286757A JP 2001286757 A JP2001286757 A JP 2001286757A JP 2000103988 A JP2000103988 A JP 2000103988A JP 2000103988 A JP2000103988 A JP 2000103988A JP 2001286757 A JP2001286757 A JP 2001286757A
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photocatalyst powder
powder
titanium oxide
water
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JP2000103988A
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Yoshiharu Uchiumi
慶春 内海
Hiroshi Korenaga
博 是永
Kyuichi Matsubayashi
久一 松林
Akio Komatsu
晃雄 小松
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中の各種揮発性有機化合物、残留塩素、エ
ンドトキシンの分解、および水中での抗菌作用発現に対
して、実用可能な光触媒性能を有する光触媒粉末を実現
する。 【解決手段】 水中の揮発性有機化合物(VOC)を分解
するための光触媒粉末であって、結晶構造がアナターゼ
型の酸化チタン粉末の表面に平均粒径1nm以上、5nm以下
のPt超微粒子が担持された構造を有する。特に、Pt超微
粒子の担持量が、酸化チタンの重量に対して0.01質量%
以上、3.0質量%以下としたり、酸化チタン粉末の平均
粒径を5nm以上、60nm以下とすることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質の分解除
去または細菌に対する抗菌作用のためなどに有効な光触
媒粉末および光触媒担持体に関するものである。特に、
水道水、水道源水、地下水、工業排水などの水中に含ま
れる揮発性有機化合物、残留塩素、エンドトキシンなど
の有害物質の分解除去または水中の大腸菌、黄色ブドウ
球菌などへの抗菌作用のために用いられる光触媒粉末お
よび光触媒担持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、空気浄化や汚水浄化などの環境浄
化に光触媒を利用する試みが活発となっている。これは
酸化チタン(TiO2)などの半導体にエネルギーギャップ
以上のエネルギーを持つ光を照射することにより生じた
電子と正孔の酸化、還元作用により、空気中の悪臭物
質、有害物質や水中の有害物質などを分解するものであ
る。
【0003】水道水中には、浄水場で殺菌のために投入
された残留塩素や、発癌性が指摘されているトリハロメ
タン類(クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロ
モクロロメタン、ブロモホルム)が微量含まれている。
また、トリクロロエチレン等の揮発性有機化合物(VOC:
Volatile Organic Compounds)などによる、地下水な
ど水道源水の汚染が進行しており、これらの水中の有害
物質を光触媒により分解除去する試みがなされている。
【0004】光触媒により水中の揮発性有機化合物を分
解する試みとして、例えばOllisらは酸化チタン粉末を
揮発性有機化合物を含む水中に懸濁させて、外部からブ
ラックライト蛍光ランプにより紫外光を照射することに
より、酸化チタン粉末の光触媒作用により、ブロモホル
ム、クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジク
ロロメタン、トリクロロエチレンなどの揮発性有機化合
物を分解している(Envirin.Sci.Technol.,Vol.19,NO.
6,1985)。
【0005】また、酸化チタン粉末の表面にPt等の貴金
属の超微粒子を担持することにより、光触媒活性が高く
なることが知られている。Pt担持TiO2粉末を用いて水中
の有害物質を分解する試みとしては、例えば陳らがPt担
持TiO2粉末を用いて水中のクロロホルムの分解を行って
いる(横浜国大環境研紀要 18,43,1992)。これは、光
還元法を用いてPtを担持したアナターゼ型酸化チタン粉
末をクロロホルムを含む水中に懸濁させて、外部からブ
ラックライト蛍光ランプにより紫外光を照射することに
より、クロロホルムを分解するものであり、2.5質量%
以上のPt担持により分解初速度が約2倍になることを示
している。
【0006】また、特公平7-51236号公報では、ごみ、
錆、水垢などの粒子状無機物質を取り除いた飲料水を、
紫外線を照射した光触媒固定層に接触させ、飲料水中の
ガス状有機物質を酸化分解する方法が示されている。こ
の方法では、アナターゼ型酸化チタンに光還元法で0.3
質量%のPtを担持した光触媒層を用いた例が示されてお
り、水道水中のカビ臭やトリハロメタンを除去でき、ま
た光触媒の抗菌作用により貯水中にも細菌が繁殖するこ
とがないとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Ollisらの酸
化チタン粉末を揮発性有機化合物を含む水中に懸濁させ
て、外部からブラックライト蛍光ランプにより紫外光を
照射する方法では、酸化チタン粉末の揮発性有機化合物
に対する分解性能が低いため、分解に時間がかかりすぎ
て実用的でないという課題がある。
【0008】また、陳らのPtを担持したアナターゼ型Ti
O2粉末を用いて水中のクロロホルムを分解する方法で
も、分解速度が遅く実用的でないという課題がある。
【0009】さらに、特公平7-51236号公報に示されて
いる方法では、総トリハロメタン量90ppbの水道水を約1
時間の光照射により、トリハロメタンが検出できないレ
ベルまで除去可能であるとしているが、酸化チタン粉末
の平均粒径、Ptの平均粒径に対する記述はない。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、水中の各種
VOC、残留塩素、エンドトキシンの分解および水中での
抗菌作用発現に対して、実用可能な光触媒性能を有する
光触媒粉末を実現すべく鋭意研究を行った。その結果、
Pt超微粒子を担持した酸化チタン粉末において、酸化チ
タン粉末の結晶構造、平均粒径、Pt超微粒子の担持量、
平均粒径を、対象とする物質に応じて最適化することに
より、従来の光触媒粉末に対して光触媒性能を飛躍的に
高めることができ、水中の有害物質の処理に対し実用可
能な性能を実現できることを見い出した。
【0011】すなわち、本発明光触媒粉末は、酸化チタ
ン粉末の表面に平均粒径1nm以上、5nm以下のPt超微粒子
が担持された構造を有することを特徴とする。
【0012】Pt超微粒子の平均粒径を1nm以上、5nm以下
とすることで、従来の酸化チタン粉末やPt担持酸化チタ
ン粉末をはるかに越える分解・抗菌性能を得ることがで
きる。
【0013】このような光触媒粉末は、水中のVOCの分
解、水中の残留塩素の分解、水中の細菌に対する抗菌
性、水中のエンドトキシンの分解のいずれに対しても特
に有効である。以下、分解対象・抗菌作用の対象ごとに
本発明の要件を詳細に説明する。
【0014】(水中の揮発性有機化合物の分解)水中の
VOCを分解するための光触媒粉末としては、結晶構造が
アナターゼ型の酸化チタン粉末の表面にPt超微粒子を担
持したものを用いる。酸化チタンの結晶構造がルチル型
である場合、VOCに対する分解性能が著しく低下するた
め望ましくない。VOCの分解は酸化反応であるため光照
射による水中での水酸ラジカル(OH*)生成量が多い光
触媒ほど分解性能が高い。アナターゼ型の酸化チタンは
ルチル型の酸化チタンに比較して、水中での水酸ラジカ
ル生成量が多いため、VOCの分解性能が高い。アナター
ゼ型の酸化チタンにPt超微粒子を担持することにより、
光照射により酸化チタン中で生成した電子と正孔のうち
電子がPt超微粒子に引き寄せられ、電子と正孔の再結合
確率が低下し、水酸ラジカルの生成量が増加するため、
高い分解性能が得られる。
【0015】VOCの分解に用いる光触媒粉末のPt超微粒
子の担持量としては、酸化チタンの重量に対して0.01質
量%以上、3.0質量%以下であることが望ましい。Pt担
持量が0.01質量%よりも少ないと、1つ1つの酸化チタン
結晶粒の全てにPtを担持することが難しくなり、Ptが担
持されていない酸化チタン結晶粒の割合が増えPt担持の
効果が充分に得られないため望ましくない。Pt超微粒子
の担持量が3.0質量%を超えると分解性能が低下するた
め望ましくない。Pt担持量が0.1質量%以上、1.0質量%
以下であるとき、最も高い分解性能が得られるため、さ
らに望ましい。
【0016】VOCの分解に用いる光触媒粉末の酸化チタ
ン粉末の平均粒径としては、5nm以上、60nm以下とす
る。酸化チタン粉末の平均粒径が5nmよりも小さいと、P
t超微粒子の粒径と酸化チタンの粒径が近くなるため、
酸化チタン表面にPt超微粒子を担持するのが困難であ
り、酸化チタン超微粒子とPt超微粒子の混合した形態と
なり、Pt超微粒子担持の効果が得られないため望ましく
ない。酸化チタン粉末の平均粒径が60nmよりも大きい
と、酸化チタンの比表面積が小さくなり、分解性能が低
下するため望ましくない。酸化チタン粉末の平均粒径が
10nm以上、30nm以下であるとき、最も高い分解性能が得
られるため、さらに望ましい。
【0017】本発明の光触媒粉末はどんな揮発性有機化
合物に対しても高い分解性能を有する。その中でもクロ
ロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタ
ン、ブロモホルム、トリクロロエチレンに対して分解性
能が高い。
【0018】(水中残留塩素の分解)残留塩素の分解に
用いる光触媒粉末のPtの担持量としては、酸化チタンの
重量に対して0.01質量%以上、3.0質量%以下であるこ
とが望ましい。Pt担持量がこの範囲よりも多かったり少
なかったりすると、先に述べた理由から分解性能が低下
するため、望ましくない。残留塩素の分解においては、
Pt超微粒子の担持量が0.1質量%以上、1.0質量%以下で
あるとき、最も高い分解性能が得られるため、さらに望
ましい。
【0019】残留塩素の分解に用いる光触媒粉末では、
酸化チタン粉末の結晶構造が、ルチル型であるときに最
も高い分解性能が得られる。これは、ルチル型酸化チタ
ンにPt超微粒子を担持した光触媒粉末は、光照射時の水
中での電子とスーパーオキサイドアニオンの生成量が非
常に多いため、還元反応である残留塩素の分解反応が効
率良く起こるためである。ルチル型酸化チタンの平均粒
径としては、5nm以上、200nm以下であることが望まし
い。酸化チタンの平均粒径が5nmよりも小さいと、酸化
チタン超微粒子とPt超微粒子の混合した形態となり、20
0nmよりも大きいと、酸化チタンの比表面積が小さくな
り、分解性能が低下するため望ましくない。
【0020】残留塩素の分解に対しては、アナターゼ型
の酸化チタン粉末を用いた場合でも有効である。酸化チ
タン粉末の平均粒径を5nm以上、60nm以下とすることに
より、ルチル型酸化チタンを用いた場合よりも劣るが、
従来の酸化チタンやPt超微粒子を担持した酸化チタンよ
りも高い残留塩素分解性能を得ることができる。酸化チ
タンの平均粒径が5nmよりも小さいと、酸化チタン超微
粒子とPt超微粒子の混合した形態となり、60nmよりも大
きいと、酸化チタンの比表面積が小さくなり、分解性能
が低下するため望ましくない。
【0021】(水中の細菌に対する抗菌作用)水中の細
菌に対する抗菌作用のために用いる光触媒粉末として
は、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン粉末の表面に
Pt超微粒子を担持したものを用いる。酸化チタンの結晶
構造がルチル型である場合には、細菌に対する抗菌性能
が著しく低下するため望ましくない。
【0022】抗菌作用のために用いる光触媒粉末のPtの
担持量としては、酸化チタンの重量に対して0.01質量%
以上、3.0質量%以下であることが望ましい。Pt担持量
がこの範囲よりも多かったり少なかったりすると、先に
述べた理由と同様に抗菌性能が低下するため望ましくな
い。抗菌作用に対しては、Pt超微粒子の担持量が0.6質
量%以上、1.5質量%以下であるとき、最も高い性能が
得られるため、さらに望ましい。
【0023】抗菌作用のために用いる光触媒粉末の酸化
チタン粉末の平均粒径としては、5nm以上、60nm以下で
あることが望ましい。酸化チタンの平均粒径が5nmより
も小さいと、酸化チタン超微粒子とPt超微粒子の混合し
た形態となり、60nmよりも大きいと、酸化チタンの比表
面積が小さくなり、抗菌性能が低下するため望ましくな
い。
【0024】本発明の光触媒粉末は、どのような細菌に
対しても、従来の光触媒よりも高い抗菌性能を示すが、
細菌が大腸菌あるいは黄色ブドウ球菌である場合に特に
高い抗菌性能を発揮する。
【0025】(水中のエンドトキシンの分解)水中のエ
ンドトキシン分解に用いる光触媒粉末としては、結晶構
造がアナターゼ型の酸化チタン粉末の表面にPt超微粒子
を担持したものを用いる。酸化チタンの結晶構造がルチ
ル型である場合には、エンドトキシンの分解性能が著し
く低下するため、望ましくない。
【0026】エンドトキシン分解に用いる光触媒粉末の
Pt超微粒子の担持量としては、酸化チタンの重量に対し
て0.01質量%以上、3.0質量%以下であることが望まし
い。Pt担持量がこの範囲よりも多かったり少なかったり
すると、先に述べた理由から分解性能が低下するため、
望ましくない。エンドトキシン分解に対しては、Pt超微
粒子の担持量が0.01質量%以上、0.6質量%以下である
とき、最も高い分解性能が得られるため、さらに望まし
い。
【0027】エンドトキシン分解に用いる光触媒粉末の
酸化チタン粉末の平均粒径としては、5nm以上、60nm以
下であることが望ましい。酸化チタンの平均粒径が5nm
よりも小さいと、酸化チタン超微粒子とPt超微粒子の混
合した形態となり、60nmよりも大きいと、酸化チタンの
比表面積が小さくなり、分解性能が低下するため望まし
くない。エンドトキシン分解に対しては、酸化チタンの
平均粒径が5nm以上、10nm以下であるとき、最も高い分
解性能が得られるため、さらに望ましい。
【0028】本発明の光触媒粉末は、どのようなエンド
トキシンに対しても、従来の光触媒よりも高い分解性能
を示すが、エンドトキシンが大腸菌由来リポ多糖(lipo
polysaccharide)である場合に特に高い抗菌性能を発揮
する。
【0029】(Pt超微粒子の担持方法)さらに、これら
の光触媒粉末が、有機金属錯体コロイド焼成法を用いて
酸化チタン粉末表面にPt超微粒子を担持したものである
ことが、より性能向上に効果がある。
【0030】本発明の光触媒粉末におけるPt超微粒子の
担持方法としては、有機金属錯体コロイド焼成法、含浸
法、光析出法、化学析出法、同時沈殿法、混練法、振り
混ぜ法、金属粉添加法、真空蒸着法、スパッタ法などの
公知の技術を用いることができる。この中でも特に有機
金属錯体コロイド焼成法は、本発明の範囲である平均粒
径5nm以下のPt超微粒子の担持に適しており、シャープ
な粒径分布が得られるため望ましい。有機金属錯体コロ
イド焼成法とは、有機金属化合物を適当な親水性溶媒中
に分散させた疎水コロイドに酸化チタン粉末を分散さ
せ、この混合液を乾燥させ、残った固体残留物を焼成す
る方法であり、特開平10-146531号公報で開示されてい
る。
【0031】(光触媒粉末の利用形態)本発明の光触媒
粉末は、1種類を使用してもよいが、処理の対象となる
物質が複数である場合は、対象物質に応じて最適な粉末
を複数組み合わせて使用すると効果的である。
【0032】本発明の光触媒粉末は粉末の形で使用して
もよいが、適当な基材上に光触媒粉末を薄膜状に担持し
た光触媒担持体として使用する方が、粉末と処理水を分
離する必要がないため、より実用的である。ここで述べ
る薄膜とは、必ずしも基材の表面全体に均一な厚さで形
成されている必要はなく、粉末が島状に不連続に担持さ
れているものも含む。
【0033】光触媒粉末を薄膜状に担持する方法として
は、光触媒の微粒子を光触媒に対し難分解性のバインダ
を介して担持させる公知の技術を使用することができ
る。この場合のバインダとしてはシリカやアルミナなど
の無機系バインダ、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリ
マーなどの有機系バインダなど公知のものを使用すれば
よい。担持に使用する光触媒粉末の種類は、1種類を使
用してもよいが、処理対象物質に応じて最適な粉末を複
数組み合わせて使用すると効果的である。なお、基材材
料としては、例えば各種セラミックスやガラス、樹脂、
金属が挙げられる。
【0034】そして、上記の光触媒粉末または光触媒担
持体は、浄水装置に利用することが最適である。ここで
いう浄水装置とは、家庭用、業務用の両方を意味し、形
態としては蛇口取付型、据置型だけでなく、持ち運び可
能な汲置き型のものも含む。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (実験例1)本発明の光触媒粉末を用いて水中のクロロ
ホルムの分解を行った。光触媒粉末にはアナターゼ型Ti
O2粉末の表面に有機金属錯体コロイド焼成法によりPt超
微粒子を担持したものを用いた。
【0036】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
の手順は以下のように行った。有機金属錯体であるバル
サムPtの疎水コロイドを親水性のアセトンに分散させ、
有機金属錯体コロイド溶液を調製した。このコロイド溶
液にTiO2粉末を混入させ、TiO2粉末にコロイドを付着さ
せた。このコロイド溶液をパイレックス(登録商標)ガ
ラス板に塗布して乾燥し、500℃で30分焼成し、ガラス
板から剥がしてPt超微粒子担持TiO2粉末を得た。
【0037】TiO2粉末としては、X線平均粒径が7nm(石
原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-21)、50nm(石原産
業ST-41)のものを用い、Pt担持量は0.01質量%以上、
0.6質量%以下の範囲とした。
【0038】Ptの平均粒径は、高分解能TEM(Transmiss
ion Electron Microscope)像から求めた。
【0039】クロロホルム分解性能評価は以下のように
行った。クロロホルム濃度100ppbの処理水200mlを250ml
広口メジュームびんにとり、光触媒粉末50mgを加えネジ
蓋で密閉した。反応容器である広口メジュームびんの中
心で照度2mW/cm2となるようブラックライト蛍光ランプ
を設置し、マグネティックスターラーで攪拌しながら、
びんの側面から光を照射して反応させた。反応開始後、
所定のサンプリング時刻に反応液を採取し、ガスクロマ
トグラフィー質量分析装置(GC/MS)により処理水のク
ロロホルム濃度を定量した。GC/MS測定で得られた各定
量値をクロロホルムの初期濃度に対する百分率に換算
し、その自然対数を時間(min)に対してプロットし、ほ
ぼ直線になる部分のデータを最小二乗法で直線回帰して
傾き(min-1)を求めた。得られた傾きを光触媒粉末の濃
度0.25(mg/ml)で除して1次反応速度定数k(min-1(mg/m
l)-1)を算出した。
【0040】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例1-1)に
ついても、同様にしてクロロホルム分解性能を評価し
た。
【0041】光触媒粉末の構造とクロロホルム分解性能
を1次反応速度定数kで評価した結果を表1にまとめ
る。Pt担持量とクロロホルム分解における1次反応速度
定数kとの関係を図1に示す。1次反応速度定数kの値が
大きいほど、分解性能が高いことを示している。本発明
の光触媒粉末は、市販光触媒粉末中で最も光触媒活性が
高いと言われている比較例1-1に比べ、1次反応速度定
数kで比較して3倍から89倍高いクロロホルム分解性能を
示した。
【0042】
【表1】
【0043】(実験例2)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中のブロモジクロロメタンの分解を行った。光触
媒粉末にはアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機金属錯体
コロイド焼成法によりPt超微粒子を担持したものを用い
た。
【0044】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.01質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0045】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0046】ブロモジクロロメタン分解性能評価は、実
験例1の方法でクロロホルムの代りにブロモジクロロメ
タンを用いて行った。
【0047】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例2-1)に
ついても、同様にしてブロモジクロロメタン分解性能を
評価した。
【0048】光触媒粉末の構造とブロモジクロロメタン
分解性能を1次反応速度定数kで評価した結果を表2に
まとめる。Pt担持量とブロモジクロロメタン分解におけ
る1次反応速度定数kの関係を図2に示す。本発明の光
触媒粉末は、市販光触媒粉末中で最も光触媒活性が高い
と言われている比較例2-1に比べ、1次反応速度定数kで
比較して同等から16倍高いブロモジクロロメタン分解性
能を示した。
【0049】
【表2】
【0050】(実験例3)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中のジブロモクロロメタンの分解を行った。光触
媒粉末にはアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機金属錯体
コロイド焼成法によりPt超微粒子を担持したものを用い
た。
【0051】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.01質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0052】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0053】ジブロモクロロメタン分解性能評価は、実
験例1の方法でクロロホルムの代りにジブロモクロロメ
タンを用いて行った。
【0054】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例3-1)に
ついても、同様にしてジブロモクロロメタン分解性能を
評価した。
【0055】光触媒粉末の構造とジブロモクロロメタン
分解性能を1次反応速度定数kで評価した結果を表3に
まとめる。Pt担持量とジブロモクロロメタン分解におけ
る1次反応速度定数kの関係を図3に示す。本発明の光
触媒粉末は、市販光触媒粉末中で最も光触媒活性が高い
と言われているST-01に比べ、1次反応速度定数kで比較
して1.5倍から12.5倍高いジブロモクロロメタン分解性
能を示した。
【0056】
【表3】
【0057】(実験例4)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中のブロモホルムの分解を行った。光触媒粉末に
はアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機金属錯体コロイド
焼成法によりPt超微粒子を担持したものを用いた。
【0058】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.01質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0059】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0060】ブロモホルム分解性能評価は、実験例1の
方法でクロロホルムの代りにブロモホルムを用いて行っ
た。
【0061】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例4-1)に
ついても、同様にしてブロモホルム分解性能を評価し
た。
【0062】光触媒粉末の構造とブロモホルム分解性能
を1次反応速度定数kで評価した結果を表4にまとめ
る。Pt担持量とブロモホルム分解における1次反応速度
定数kの関係を図4に示す。本発明の光触媒粉末は、市
販光触媒粉末中で最も光触媒活性が高いと言われている
比較例4-1に比べ、1次反応速度定数kで比較して2.3倍
から14倍高いブロモホルム分解性能を示した。
【0063】
【表4】
【0064】(実験例5)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中のトリクロロエチレンの分解を行った。光触媒
粉末にはアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機金属錯体コ
ロイド焼成法によりPt超微粒子を担持したものを用い
た。
【0065】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が20nm(石原産業ST-21)、50nm(石原産業ST-4
1)のものを用い、Pt担持量は0.01質量%以上、0.6質量
%以下の範囲とした。
【0066】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0067】ブロモホルム分解性能評価は、実験例1の
方法でクロロホルムの代りにトリクロロエチレンを用い
て行った。
【0068】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例5-1)に
ついても、同様にしてトリクロロエチレン分解性能を評
価した。
【0069】光触媒粉末の構造とトリクロロエチレン分
解性能を1次反応速度定数kで評価した結果を表5にま
とめる。Pt担持量とトリクロロエチレン分解における1
次反応速度定数kの関係を図5に示す。本発明の光触媒
粉末は、市販光触媒粉末中で最も光触媒活性が高いと言
われている比較例5-1に比べ、1次反応速度定数kで比較
して1.6倍から3.4倍高いトリクロロエチレン分解性能を
示した。
【0070】
【表5】
【0071】(実験例6)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中の残留塩素の分解を行った。光触媒粉末にはア
ナターゼ型TiO2粉末の表面に有機金属錯体コロイド焼成
法によりPt超微粒子を担持したものを用いた。
【0072】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.01質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0073】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0074】残留塩素分解性能評価は以下のように行っ
た。次亜塩素酸ナトリウム溶液に精製水を加え、有効塩
素濃度1ppmの処理水を調製した。この処理水200mlを250
ml広口メジュームびんにとり、光触媒粉末50mgを加えネ
ジ蓋で密閉した。反応容器である広口メジュームびんの
中心で照度2mW/cm2となるようブラックライト蛍光ラン
プを設置し、マグネティックスターラーで攪拌しなが
ら、びんの側面から光を照射して反応させた。反応開始
後、所定のサンプリング時刻に反応液を採取し、孔サイ
ズ0.2μmのシリンジフィルタで反応液をろ過し、ろ液中
の残留塩素濃度をDPD(ジエチルパラフェニレンジアミ
ン)法により定量した。DPD法で得られた各定量値を残
留塩素の初期濃度に対する百分率に換算し、その自然対
数を時間(min)に対してプロットし、ほぼ直線になる部
分のデータを最小二乗法で直線回帰し傾き(min-1)を求
めた。得られた傾きを光触媒粉末の濃度0.25(mg/ml)で
除して1次反応速度定数k(min-1(mg/ml)-1)を算出し
た。
【0075】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例6-1)、
ST-21(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径20nm:比較例6-
2)およびST-41(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径50n
m:比較例6-3)についても、同様にして残留塩素分解性
能を評価した。
【0076】光触媒粉末の構造と残留塩素分解性能を1
次反応速度定数kで評価した結果を表6にまとめる。Pt
担持量と残留塩素分解における1次反応速度定数kの関
係を図6に示す。本発明の光触媒粉末は、Pt担持を行っ
ていない同じTiO2平均粒径の市販の光触媒粉末よりも高
い残留塩素分解性能を示した。本発明の光触媒粉末で最
も分解性能の高いものは、市販光触媒粉末中で最も光触
媒活性が高いと言われている比較例6-1に比べ、1次反
応速度定数kで比較して最大で1.7倍高い残留塩素分解性
能を示した。
【0077】
【表6】
【0078】(実験例7)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中の残留塩素の分解を行った。光触媒粉末にはル
チル型TiO2粉末の表面に有機金属錯体コロイド焼成法に
よりPt超微粒子を担持したものを用いた。
【0079】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が35nm、70nm(石原産業PT-101)のものを用い、
Pt担持量は0.6質量%および1.8質量%とした。
【0080】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0081】残留塩素分解性能評価は実験例6と同様に
行った。
【0082】また、比較のために市販のX線平均粒径が7
0nmのルチル型TiO2粉末(石原産業PT-101:比較例7-1)
ついても、同様にして残留塩素分解性能を評価した。
【0083】光触媒粉末の構造と残留塩素分解性能を1
次反応速度定数kで評価した結果を表7にまとめる。Pt
担持量と残留塩素分解における1次反応速度定数kの関
係を図7に示す。本発明の光触媒粉末は、市販のルチル
型TiO2粉末PT-101(比較例7-1)に比べ、1次反応速度
定数kで比較して12倍から21倍高い残留塩素分解性能を
示した。また、比較例6-1で示した市販光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われているST-01に比べて
も、1次反応速度定数kで比較して、3.6倍から6.4倍高
い残留塩素分解性能を示した。
【0084】
【表7】
【0085】(実験例8)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中における大腸菌に対する抗菌性能評価を行っ
た。光触媒粉末にはアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機
金属錯体コロイド焼成法によりPt超微粒子を担持したも
のを用いた。
【0086】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.05質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0087】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0088】大腸菌に対する抗菌性能評価は以下のよう
に行った。実施例8-1〜8-7、8-10、8-11については、光
触媒粉末8mgを72mlの滅菌水中に十分に懸濁させて、磁
気攪拌子を入れ、オートクレーブを用いて121℃で15分
処理した。これを室温に放置した後、106cfu/mlの大腸
菌懸濁液8mlを添加した。1.6mW/cm2の照度となるように
ブラックライト蛍光ランプで懸濁液表面を照射し、磁気
攪拌子を回転させて光触媒反応を開始した。反応液1ml
を経時的にサンプリングして、10倍希釈系列を作成し
た。それぞれの希釈液0.1mlをSCDA(Soybean Casein
Digest Agar)平板培地に滴下し、室温で十分乾燥させ
た。その後、37℃で18時間程度培養して形成された集落
を計測し、生菌数を測定した。実施例8-8、8-9について
は以下のように行った。パイレックスガラス製のセル
(4×4×1cm)に、105cfu/mlの濃度に調整した大腸菌懸
濁液15mlとTiO2粉末(0.1mg/ml)を加えた。測定波長36
0nmのセンサーを取り付けた照度計(紫外線強度UVX型、
ウルトラバイオレット社)で、セルの中心が照度1.2mW/
cm2となるようにブラックライトブルー(FL8BL-B、8W、
National製)を照射し、300rpmで磁気攪拌子を回転させ
て光触媒反応を開始した。反応液0.1mlを経時的にサン
プリングして、上述の条件で生菌数を測定した。初発菌
濃度を1/100に減少させる時間2D(min)をグラフ上でもと
め、抗菌性能評価の指標とした。
【0089】また、比較のために市販の光触媒粉末中で
最も光触媒活性が高いと言われている、石原産業のST-0
1(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径7nm:比較例8-1)、
ST-21(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径20nm:比較例8-
2)およびST-41(アナターゼ型TiO2、X線平均粒径50n
m:比較例8-3)についても、実施例8-1〜8-7、8-10、8-
11と同様にして大腸菌に対する抗菌性能を評価した。
【0090】光触媒粉末の構造と大腸菌に対する抗菌性
能を2Dで評価した結果を表8にまとめる。Pt担持量と2D
の関係を図8に示す。2D値が小さいほど、抗菌活性が高
いことを示している。本発明の光触媒粉末は、Pt担持を
行っていない同じTiO2平均粒径の市販の光触媒粉末(比
較例8-1〜8-3)よりも高い大腸菌に対する抗菌性能を示
した。
【0091】
【表8】
【0092】(実験例9)本発明の光触媒粉末を用い
て、水中におけるエンドトキシンの分解性能評価を行っ
た。エンドトキシンにはlipopolysaccharideを使用し
た。光触媒粉末にはアナターゼ型TiO2粉末の表面に有機
金属錯体コロイド焼成法によりPt超微粒子を担持したも
のを用いた。
【0093】有機金属錯体コロイド焼成法によるPt担持
は実験例1と同様に行った。TiO2粉末としては、X線平
均粒径が7nm(石原産業ST-01)、20nm(石原産業ST-2
1)、50nm(石原産業ST-41)のものを用い、Pt担持量は
0.01質量%以上、3.0質量%以下の範囲とした。
【0094】Ptの平均粒径は高分解能TEM像から求め
た。
【0095】エンドトキシン分解性能評価は以下のよう
に行った。エンドトキシンを50〜100EU/mlの濃度を含む
光触媒粉末2μg/mlの懸濁液を調製した。1.6mW/cm2の照
度となるようにブラックライト蛍光ランプで懸濁液表面
を照射し、磁気攪拌子を回転させて光触媒反応を開始し
た。反応中の懸濁液から経時的に2mlを採取し、0.22mm
のシリンジフィルターでろ過し、エンドトキシンフリー
水にて10倍希釈した。96穴プレートに50〜0.005EU/mlの
各検量線溶液、および10倍希釈資料を0.1mlずつ分注
し、これにエンドトキシン検出試薬(kinetic-QCL:商
品名:第一化学薬品社製)を等量混合し、専用のリーダ
ーを用いてエンドトキシン活性を合成基質法により自動
計測した。得られた値を10倍し、試料中のエンドトキシ
ン濃度とした。分解性能は1次反応速度定数kで評価し
た。
【0096】光触媒粉末の構造とエンドトキシン分解性
能を1次反応速度定数kで評価した結果を表9にまとめ
る。Pt担持量と1次反応速度定数kの関係を図9に示
す。本発明の光触媒粉末は、k=1〜5.6min-1(mg/ml)-1
高い分解性能を示した。
【0097】
【表9】
【0098】(実験例10)実施例1-4の光触媒粉末を
シリカバインダを用いて3cm角の石英ガラス基材上に薄
膜状に担持した。光触媒粉末の担持は、光触媒粉末のス
ラリーとシリカゾルを混合したコーティング剤を作製
し、このコーティング液を基材上にスピンコートした後
に、150℃で30分焼成することにより行った。
【0099】コーティング剤の作製手順を以下に示す。
まず、硝酸によりpH=1.5に調製した蒸留水に実施例1-4
の光触媒粉末を加え、ボールミルを用いて粉末濃度20質
量%の光触媒粉末のスラリーを作製した。次に蒸留水、
エタノール、テトラエトキシシラン(TEOS:Tetraethox
ysilane)、硝酸を混合し、シリカゾルを作製した。そ
れぞれの混合比は、[水]/[TEOS]mol比=50、[硝酸]/[TEO
S]mol比=0.01とし、エタノールの量はコーティング剤の
固形成分濃度が10質量%となるようにした。シリカゾル
と光触媒粉末スラリーを混合し、コーティング剤を作製
した。光触媒粉末とシリカの重量比は80:20とした。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光触媒粉
末および光触媒担持体は、水中のVOC、残留塩素、エン
ドトキシンの分解性能、細菌に対する抗菌性能が従来の
光触媒に比べ飛躍的に優れている。そのため、地下水な
どの水道水源水中の有害物質の分解除去および殺菌、マ
ンション等の貯水槽の水中の有害物質の分解除去および
殺菌、工業排水中の有害物質の分解除去などに使用する
ことができる。中でも、トリハロメタン類、残留塩素の
分解、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用、大腸
菌由来lipopolysaccharideの分解について、特に優れた
性能を示し、水道水用の浄水装置としての使用に最適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのクロロホルム分解における1次反応速度定
数との関係を示すグラフである。
【図2】実験例2に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのブロモジクロロメタン分解における1次反
応速度定数との関係を示すグラフである。
【図3】実験例3に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのジブロモクロロメタン分解における1次反
応速度定数との関係を示すグラフである。
【図4】実験例4に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのブロモホルム分解における1次反応速度定
数との関係を示すグラフである。
【図5】実験例5に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのトリクロロエチレン分解における1次反応
速度定数の関係を示すグラフである。
【図6】実験例6に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中での残留塩素分解における1次反応速度定数と
の関係を示すグラフである。
【図7】実験例7に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中での残留塩素分解における1次反応速度定数と
の関係を示すグラフである。
【図8】実験例8に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中での大腸菌に対する抗菌作用における2Dとの関
係を示すグラフである。
【図9】実験例9に示した本発明の光触媒粉末のPt担持
量と水中でのエンドトキシン分解における1次反応速度
定数との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 540 C02F 1/50 540D 540F 560 560C (72)発明者 是永 博 東京都江戸川区北葛西1−16−13 第一製 薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 松林 久一 東京都江戸川区北葛西1−16−13 第一製 薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 小松 晃雄 大阪府大阪市住吉区苅田2丁目1番24号 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB03 AB14 BA18 BB09 4G069 AA02 AA03 AA08 BA04A BA04B BA27C BA37 BA48A BC75A BC75B BC75C CA05 CA10 CA11 CA15 CA19 CD10 DA05 EA01X EA01Y EA07 EB18X EB18Y EB19 EC22X EC22Y FB13 FC02 FC08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン粉
    末の表面に平均粒径1nm以上、5nm以下のPt超微粒子が担
    持された構造を有することを特徴とする光触媒粉末。
  2. 【請求項2】 Pt超微粒子の担持量が、酸化チタンの重
    量に対して0.01質量%以上、3.0質量%以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の光触媒粉末。
  3. 【請求項3】 酸化チタン粉末の平均粒径が5nm以上、6
    0nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光触
    媒粉末。
  4. 【請求項4】 水中の揮発性有機化合物を分解するため
    の光触媒粉末であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の光触媒粉末。
  5. 【請求項5】 揮発性有機化合物が、クロロホルム、ブ
    ロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホ
    ルムおよびトリクロロエチレンよりなる群から選択され
    た少なくとも1種類であることを特徴とする請求項4に
    記載の光触媒粉末。
  6. 【請求項6】 水中の残留塩素を分解するための光触媒
    粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の光触媒粉末。
  7. 【請求項7】 酸化チタン粉末の結晶構造をルチル型に
    置き換えたことを特徴とする請求項6に記載の光触媒粉
    末。
  8. 【請求項8】 水中の残留塩素を分解するための光触媒
    粉末であって、酸化チタン粉末の結晶構造がルチル型に
    置き換えられ、酸化チタン粉末の平均粒径が5nm以上、2
    00nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の光触媒粉末。
  9. 【請求項9】 水中の細菌に対して抗菌性を有する光触
    媒粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の光触媒粉末。
  10. 【請求項10】 細菌が、大腸菌および黄色ブドウ球菌
    よりなる群から選択された少なくとも1種類であること
    を特徴とする請求項9に記載の光触媒粉末。
  11. 【請求項11】 水中のエンドトキシンを分解するため
    の光触媒粉末であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の光触媒粉末。
  12. 【請求項12】 エンドトキシンが、大腸菌由来lipopo
    lysaccharideであることを特徴とする請求項11に記載
    の光触媒粉末。
  13. 【請求項13】 光触媒粉末が、有機金属錯体コロイド
    焼成法を用いて酸化チタン粉末表面にPt超微粒子を担持
    したものであることを特徴とする請求項1〜12のいず
    れかに記載の光触媒粉末。
  14. 【請求項14】 基材上に請求項1〜13のいずれかに
    記載の光触媒粉末を薄膜状に担持してなることを特徴と
    する光触媒担持体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれかに記載の光
    触媒粉末または請求項14に記載の光触媒担持体を用い
    たことを特徴とする浄水装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253164A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 一般環境微生物に対する光触媒材料の抗菌性能評価方法
CN104326525A (zh) * 2014-10-21 2015-02-04 国家电网公司 一种城市污水回用于火力发电厂的循环冷却水的处理方法
JP2018520870A (ja) * 2015-05-15 2018-08-02 ハンツマン ピィアンドエー ジャーマニー ゲーエムベーハー 粉末酸化チタン、その製造方法及び使用方法
JP2020015020A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 国立研究開発法人物質・材料研究機構 触媒、触媒の製造方法、触媒担持担体、分解方法、水素の製造方法、及び、担体

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