JP2001284229A - 電子ビーム描画装置及び方法 - Google Patents

電子ビーム描画装置及び方法

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JP2001284229A
JP2001284229A JP2000097109A JP2000097109A JP2001284229A JP 2001284229 A JP2001284229 A JP 2001284229A JP 2000097109 A JP2000097109 A JP 2000097109A JP 2000097109 A JP2000097109 A JP 2000097109A JP 2001284229 A JP2001284229 A JP 2001284229A
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electron beam
electron
pattern
control circuit
lens
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Hidetoshi Kinoshita
秀俊 木下
Susumu Hashimoto
進 橋本
Masakazu Hayashi
正和 林
Yoshiaki Akama
善昭 赤間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】予めセルパターン形成されたステンシルを電子
ビームの光路中に設置することなく、任意のビームパタ
ーンをショットの都度に成形して、高速にメンテナンス
フリーで試料上に描画することが可能な電子ビーム描画
装置及び方法を提供すること。 【解決手段】電子ビームパターンを試料に描画するため
の電子ビーム描画装置において、複数のマイクロエミッ
ター型の電子銃(1)と、これら電子銃(1)における
電子ビームの放出を制御するブランキング制御回路と、
前記電子ビームを縮小する対物レンズ(3)と、この対
物レンズ(3)で縮小された電子ビームを試料(6)へ
偏向する偏向器(4)と、から構成される電子光学系を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム描画装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電子ビーム描画装置は、光波長
より短い電子ビーム(電子線)の波長レベルの分解能の
精度でパターン描画が可能であり、高い解像度のパター
ンを形成できる。その反面、このパターン描画は、光露
光によるマスク描画方式と異なり、完成パターンを小さ
な分割パターンビームで直接描画するので、描画に長時
間を要するという問題がある。
【0003】しかし電子ビーム描画装置は、高精度の細
線パターンを形成できるという特徴を持っていることか
ら、光露光方式のリソグラフィ技術の次の技術、あるい
はASIC(特定用途向け集積回路)など多品種少量生
産の半導体製作に有力なツールとして発展している。
【0004】電子ビームで直接パターンを形成する方法
としては、小さな丸形状の電子ビームをON/OFF制
御しながら試料面上に全面スキャンしてパターンを形成
する方法と、ステンシアルアパーチャを通過した電子ビ
ームを試料面上に照射してパターン描画するVSB描画
の方法とがある。また、このうちVSB描画を発展さ
せ、一定の決まった繰り返しパターンを一つのブロック
としたアパーチャとして準備しておき、選択したアパー
チャによるパターンを連続描画することで高速描画する
電子ビーム描画の技術も開発されている。さらに、描画
精度を上げるため、高加速電子ビームを利用する方法も
行なわれている。しかし、近接効果補正の問題や、シス
テム巨大化の問題がある。このような電子ビーム描画の
欠点をカバーする方法として、新しい電子ビーム描画装
置が提案されている。
【0005】以下、従来の電子ビーム描画装置として、
低加速の電子ビームを使用し、静電レンズ、静電偏向器
で構成した電子ビーム描画装置の代表例について図9、
図10を基に説明する。
【0006】図9は、従来例に係る電子ビーム描画装置
の電子光学系の構成を示す図、図10はこの電子光学系
の構造を示す図である。電子銃201から加速された電
子ビーム202は、矩形または円形の開口を有する第1
の成形アパーチャ204に照射される。この第1の成形
アパーチャ204を通過したビームは、静電式照明レン
ズ220を介して、一括露光セルアパーチャが複数配列
された第2の成形アパーチャ207(CPアパーチャ)
に向かう。
【0007】拡大ビーム機能を有する静電式照明レンズ
220では、ビームは任意の1個のセルアパーチャに対
して十分大きく、かつ隣接するセルパターンに干渉しな
い大きさのビーム径に成形される。照明レンズ220
は、2個の静電レンズで構成されており、第2の照明レ
ンズ220bのクロスオーバーが第3の成形アパーチャ
223の位置に結像するように構成され、第1の照明レ
ンズ220aと第2の照明レンズ220bの印加電圧を
可変することで、照明光の倍率を任意に選択でき、照明
光のビーム径、電流密度を制御する機能を有している。
【0008】第2の照明レンズ220bを通過したビー
ムは、第1の静電式成形偏向器221と第2の静電式成
形偏向器222を通過する。第1の静電式成形偏向器2
21は、セルアパーチャが複数配列された第2の成形ア
パーチャ207(CPアパーチャ)に対して目的とする
セルアパーチャを選択できるよう、ビームを目標位置に
偏向制御する。第2の静電式成形偏向器222は、第2
の成形アパーチャ207を通過したセルフパーチャ像の
ビームを光軸上に振り戻し、このビームは第3の成形ア
パーチャ223を介して静電式縮小レンズ224を通過
する。
【0009】第1の静電式成形偏向器221と第2の静
電式成形偏向器222は形状が同一であり、四つの偏向
器の電圧連動比を+V0:−V0:−V0:+V0で制
御する。第1の静電式成形偏向器221と第2の静電式
成形偏向器222は、8極型の偏向器で構成され、各電
極に独立した電圧が印加され、偏向制御をする。偏向器
の両端にはシールド板が設けてあり、偏向器が連続かつ
隣接して配置される場合には、相互の電場が制御に影響
を及ぼさないようシールドで遮断している。
【0010】静電式縮小レンズ224で縮小されたビー
ムは、静電式主偏向対物レンズ225を通過し、試料2
13の面上に縮小投影される。描画パターン位置に対す
るビーム位置は、主偏向器227と静電式副偏向器22
8で制御される。主偏向器227は、XYステージ24
0上に搭載された試料のウエハ213に対して、描画領
域の位置をXYステージ240の位置を参照しながら偏
向制御し、静電式副偏向器228はストライプ内を細か
く分割した描画範囲に対してその位置制御を行なう。
【0011】主偏向器227は、光路上流側に静電式プ
リ主偏向器229を配置することで、試料面でビーム偏
向制御に応じて発生する各種レンズ収差及び偏向収差を
最小ならしめる制御を行なう。主偏向領域内では、さら
に微少偏向をする静電式副偏向器228と、試料面のビ
ーム副偏向に応じて発生する各種レンズ収差及び副偏向
収差を最小ならしめる静電式プリ副偏向器230の制御
を行なう。
【0012】このとき、静電式副偏向器228,静電式
プリ副偏向器230は、制御連動比が1:1の制御電圧
条件で成立するようにプリ副偏向器センタエレクトロー
ドの軸方向長さまたは内径を設け、さらに隣接する電場
の影響を無くすため偏向器両端にシールド極を有した構
造をなしている。
【0013】主偏向対物レンズ225の下方には、電子
ビームがウエハ上に照射された時に発生する2次電子や
反射電子を検出する電子検出器212があり、この反射
電子信号を処理することでSEM像の検出、ビーム調整
等の制御が行なわれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した、予め用意さ
れたセルパターンを試料上に縮小投影する電子ビーム描
画装置では、セルパターンは描画に必要な形状ごとに必
要であり、チップ内にメモリーセルの繰返しパターンを
持つメモリー回路でも、数百のセルパターンが必要とさ
れる。さらに個別のパターンが多いシステムオンチップ
(SystemLSI)では、そのセルパターンは数千
パターン程度にまで膨れ上がる。
【0015】また上述した電子ビーム描画装置では、予
め必要なセルパターンを形成したステンシル(CPアパ
ーチャ)を用意し、電子ビーム光路の途中に設置しなけ
ればならない。ステンシルは、描画中において絶えず電
子ビームが照射されており、真空中の希ガス成分が付着
・成長するコンタミネーション現象により、ステンシル
形状が悪化し、描画精度が悪化するため、ある頻度で交
換作業が不可欠である。
【0016】上述したVSB描画では、パターン形成の
フレキシビリティは格段に良好になり、CPパターンは
必ずしも必要とならない。しかし、スループットの低下
はもちろんの事、パターン形成の原理上、ステンシルの
特定部分への電子ビームの照射時間が長くなるため、そ
のステンシルの交換頻度が増大し、コストパフォーマン
スはさらに低下する。
【0017】CPパターンによる方法とVSB描画によ
る方法のいずれにおいても、ステンシル上のセルパター
ンを描画ショット毎に選択し描画することは、著しいス
ループットの低下を招き、コストパフォーマンスを低下
せしめる。また、CP方式、VSB方式いずれにおいて
も、配線幅が微細になるほど、電子ビームの空間電荷効
果によりビームにボケが生じてしまうという原理的な問
題点を内包している。
【0018】本発明の目的は、予めセルパターン形成さ
れたステンシルを電子ビームの光路中に設置することな
く、任意のビームパターンをショットの都度に成形し
て、高速にメンテナンスフリーで試料上に描画すること
が可能な電子ビーム描画装置及び方法を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の電子ビーム描画装置及び方法
は以下の如く構成されている。
【0020】(1)本発明の電子ビーム描画装置は、電
子ビームパターンを試料に描画するための電子ビーム描
画装置において、複数のマイクロエミッター型の電子銃
と、これら電子銃における電子ビームの放出を制御する
ブランキング制御回路と、前記電子ビームを縮小する対
物レンズと、この対物レンズで縮小された電子ビームを
試料へ偏向する偏向器と、から構成される電子光学系を
備えている。
【0021】(2)本発明の電子ビーム描画装置は上記
(1)に記載の装置であり、かつ描画を要するパターン
に基づいて前記各電子銃の点灯制御を行なうパターン生
成回路を備えている。
【0022】(3)本発明の電子ビーム描画装置は上記
(1)または(2)に記載の装置であり、かつ前記試料
を載置したステージの移動による現在位置を基に前記偏
向器を駆動制御しトラッキング制御を行なうトラッキン
グ制御回路を備えている。
【0023】(4)本発明の電子ビーム描画装置は上記
(3)に記載の装置であり、かつ前記ブランキング制御
回路は、前記パターン生成回路からのパターン情報と前
記トラッキング制御回路からのトラッキング情報とを基
に、前記各電子銃のエミッタを個別に点灯制御しブラン
キングを行なう。
【0024】(5)本発明の電子ビーム描画装置は上記
(2)乃至(4)のいずれかに記載の装置であり、かつ
前記パターン生成回路からのパターン情報に基づいて、
前記各電子銃のエミッタで生成されるビームサイズとパ
ターンサイズとを適切な形状サイズに変更するレンズ制
御回路を備えている。
【0025】(6)本発明の電子ビーム描画方法は、複
数のマイクロエミッター型の電子銃における電子ビーム
の放出を制御し、前記電子ビームを対物レンズで縮小
し、この縮小された電子ビームを偏向器で試料へ偏向す
る電子光学系により、発生した電子ビームパターンを前
記試料に描画する。
【0026】上記手段を講じた結果、それぞれ以下のよ
うな作用を奏する。
【0027】(1)本発明の電子ビーム描画装置によれ
ば、描画を行なう電子ビームは微小サイズのビームであ
り、そのビーム内の電子個数は極めて微少であるため、
空間電荷効果によるビームのボケが生じないことから、
非常に高い解像度によりパターンを描画することが可能
である。さらに、セルパターンを必要とせず、コストパ
フォーマンスが良好であり、高精度の描画精度を高スル
ープットで実現すると共に、メンテナンスフリーとしラ
ンニングコストを低下させることが可能である。
【0028】(2)本発明の電子ビーム描画装置によれ
ば、試料を載置したステージの連続移動と、アレイ状に
配したマイクロエミッター型の微小電子銃による電子ビ
ーム光源を各々点灯/消灯することとを合わせて、任意
のパターンを試料のウエハ上に形成することができる。
【0029】(3)本発明の電子ビーム描画装置によれ
ば、電子ビームの光路上の偏向器を制御して照射位置の
トラッキング補正を行なうことで、高精度なショット繋
ぎを確保できる。
【0030】(4)本発明の電子ビーム描画装置によれ
ば、任意のパターンに成形されたビームを試料のウエハ
上に照射することができる。
【0031】(5)本発明の電子ビーム描画装置によれ
ば、任意のパターンに成形されたビームを適切な形状サ
イズに変更して試料のウエハ上に照射することができ
る。
【0032】(6)本発明の電子ビーム描画方法によれ
ば、描画を行なう電子ビームは微小サイズのビームであ
り、そのビーム内の電子個数は極めて微少であるため、
空間電荷効果によるビームのボケが生じないことから、
非常に高い解像度によりパターンを描画することが可能
である。さらに、セルパターンを必要とせず、コストパ
フォーマンスが良好であり、高精度の描画精度を高スル
ープットで実現すると共に、メンテナンスフリーとしラ
ンニングコストを低下させることが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る電子ビーム描画装置における電子銃とビーム光学系の
構成を示す図である。
【0034】図1の構成では、複数のマイクロエミッタ
型電子銃1から放出される各電子ビーム2の光軸上に、
静電式主偏向対物レンズ3、偏向器4、XYステージ
(不図示)が配置されている。なお、静電収束方式の静
電式主偏向対物レンズ3の代わりに、電磁収束方式の電
磁式主偏向対物レンズを用いることもできる。複数の電
子銃1は後述するようにアレイ状に配置され、マイクロ
エミッタ・アレイを構成している。各電子銃1は、エミ
ッタ(カソード)11、グリッド12、ブランキングア
パーチャ(グリッド)13、レンズ14からなる。上記
XYステージ上には、ウエハ6が載置されている。
【0035】図2は、複数のマイクロエミッタ型電子銃
1によるエミッタアレイ・レイアウト(千鳥配置)を示
す図である。図2に示すように、50nmスポット源か
らなるマイクロエミッタ型電子銃1を、XYステージの
移動方向(Y方向)に1.25μmピッチで50行、前
記移動方向に対して直交する方向(X方向)に1.25
μmピッチで2000列、千鳥格子状に合計10万個配
置している。このように千鳥格子状に配置することで、
ライン上に一元的に高密度で配置する事が不可能なマイ
クロエミッター型電子銃を、実質的に0.05μmピッ
チで配置した時と同じ高密度配置を可能にしている。
【0036】図3は、上記電子ビーム描画装置の構造を
示す概念図である。図3において、パターン設計データ
101が入力されるパターン生成回路102には、ブラ
ンキング制御回路103とレンズ制御回路104が接続
されている。エミッション制御回路105、ブランキン
グ制御回路103、及びレンズ制御回路104は、マイ
クロエミッタ・アレイ10をなす各電子銃1に接続され
ており、さらにレンズ制御回路104は静電式主偏向対
物レンズ3に接続されている。また、ステージ制御回路
106は、XYステージ5、ブランキング制御回路10
3、及びトラッキング制御回路107に接続されてお
り、トラッキング制御回路107は偏向器4に接続され
ている。
【0037】図4は、上記電子ビーム描画装置の構成を
示すブロック図である。図4において図3と同一な部分
には同符号を付してある。図4において、パターン設計
データ101が入力されるパターン生成回路102に
は、エミッション制御回路105、ブランキング制御回
路103、レンズ制御回路104、及びステージ制御回
路106が接続されている。
【0038】エミッション制御回路105は、各電子銃
1のエミッタ11とグリッド12に接続している。ブラ
ンキング制御回路103は、ブランキングアンプ111
を介して各電子銃1のブランキングアパーチャ13に接
続している。レンズ制御回路104は、レンズアンプ1
12を介して各電子銃1の静電式レンズ14と静電式主
偏向対物レンズ3に接続している。ステージ制御回路1
06は、XYステージ5に接続しているとともに、トラ
ッキング制御回路107と偏向器アンプ113を介して
偏向器4に接続している。
【0039】パターン生成回路102は、パターン設計
データ101とエミッション制御回路105から入力し
たエミッション情報とを基に、ブランキング制御回路1
03に各電子銃1のブランキング動作をさせ、各電子銃
1の点灯制御を行なう。ブランキング制御回路103
は、ステージ制御回路106からトラッキング情報を入
力し、ブランキングアンプ111を介して、各電子銃1
のブランキングアパーチャ13に印加する電圧を制御す
る。すなわちブランキング制御回路103は、各電子銃
1の各エミッタ毎に設置されたブランキング電極とエミ
ッタ・アレイ上のブランキング用配線に印加する電圧を
制御する。
【0040】またパターン生成回路102は、ステージ
制御回路106にコントロール情報を出力する。ステー
ジ制御回路106は、トラッキング情報をブランキング
制御回路103とトラッキング制御回路107へ出力す
る。トラッキング制御回路107は、偏向器アンプ11
3を介して、偏向器4を制御する。レンズ制御回路10
4は、レンズアンプ112を介して、各電子銃1の静電
式レンズ14と静電式主偏向対物レンズ3を制御する。
【0041】次に、以上のように構成された電子ビーム
描画装置の動作を図5を基に説明する。ウエハ6を搭載
したXYステージ5が100mm/秒で移動する場合の
描画方法と描画時間の見積を以下に示す。
【0042】まず、マイクロエミッター・アレイによる
ライン描画を例にして、本実施の形態による描画方法を
説明する。ラインAは、まず電子銃(0,0)、電子銃
(1,0)、…電子銃(n,0)を同時に点灯させる事
で、点線状に描画される。次に、連続移動しているXY
ステージ5が2.5μm移動に達した時点で、電子銃
(0,1)、電子銃(1,1)、…電子銃(m,1)を
同時に点灯させる事によりラインA−mが描画される。
これを2.5μmピッチで50回繰返し行なうことで、
直線状のラインAが描画される。つまり、ステージ移動
が1.25μm×50回=62.5μm完了した時点
で、ラインAはステージ移動方向に対して直交する方向
に2.5mmのストライプ幅で完成する。
【0043】次に、描画時間の見積を説明する。2.5
mmストライプ幅で200mm(ウエハ長さ)を描画す
るための時間は、0.5[μsec](ショットインタ
ーバル=セトリング+ショット時間+待ち時間)×20
0[mm](ウエハ最大長さ)/0.05[μm](エ
ミッターピッチ)=2[sec]である。ウエハ全体の
描画時間は、ウエハを200×200[mm2]とする
と、ストライプの長さ方向に対して直交する方向200
mmにおけるストライプの本数は、ストライプ幅が2.
5mmであるから、200[mm]/2.5[mm]=
80[本]である。よって、ウエハ全体の描画時間は2
[sec]×80[本]=160[sec]=2.7
[分/枚]である。スループット換算では、22枚/時
間となる。先にウエハを200×200[mm2]と仮
定したが、φ200との比率は約80%であるから、2
2[枚/時間]×1.25=27.5[枚/時間]とな
る。これは、従来実用化されている電子ビーム描画装置
を凌駕するスループットである。
【0044】図5では、ライン間のピッチは0.1μm
(ライン間隔=0.05μm)となっている。これは、
ブランキング制御回路103によって制御されるブラン
キング電圧が必要な電圧値に昇圧するまでに要する時間
であるセトリング時間と、実ショット時間と、ステージ
移動速度とにより、制御可能な最小間隔として決定され
る。
【0045】本実施の形態では、説明を分かりやすくす
るために、XYステージ5の移動速度を100mm/s
ecとし、ショットインターバル(ショット時間+セト
リング時間+待ち時間)を0.5μsecとした場合に
ついて記述した。つまり、XYステージ5の移動速度が
100mm/secの時に、ウエハ6は0.5μsec
あたり0.05μm移動する事を示している。このうち
実ショット時間は0.05μsec程度であり、ショッ
ト中のステージ移動(描画パターンの裾引き)は0.0
05μm、すなわち5nm程度となり、十分に高精度な
描画を行なうことができる。
【0046】次に、ショットの制御について、図4を基
にブランキング動作を説明する。ショットは、常時点灯
しているマイクロエミッター型電子銃1の個々に設けら
れたブランキングアパーチャ(電極)13へ印加するブ
ランキング電圧を制御することで行なう。描画を行なう
時は、パターン設計データ101とエミッション制御回
路105により制御されて点灯しているマイクロエミッ
ター型電子銃1の電流密度やグリッド電圧の情報とか
ら、パターン生成回路102で、XYステージ5の移動
速度を決定するとともに、ショット時間やショット待ち
時間などのショットインターバルと、電子を照射するマ
イクロエミッタ・アレイの電子銃が決定される。
【0047】この情報は、既に移動中のXYステージ5
のトラッキング情報とともにブランキング制御回路10
3に送られ、描画したショットが高精度に繋がるように
ブランキングのタイミングが演算されて、ブランキング
指令値がブラナンキングアンプ111に送られる。ブラ
ンキングアンプ111は、送られた指令値に基づいてブ
ランキング電圧をブランキングアパーチャ13に印加す
る。これによりブランキングが行なわれ、その結果任意
のパターンに成形されたビームがウエハ6上に照射され
る。
【0048】また、パターン生成回路102により求め
られたエミッターの点灯制御において、ブランキングの
他、ショットサイズ、照射エリアの形状変更を行なう指
令値がレンズ制御回路104に送られる。レンズ制御回
路104は、各電子銃1のエミッターで生成されるビー
ムサイズとパターンサイズとを適切な形状サイズに変更
するために、適切なタイミングで、レンズアンプ112
にレンズ励起条件の指令値を送る。レンズアンプ112
は、この指令値によりレンズ励起条件を変更してレンズ
14と対物レンズ3を駆動する。
【0049】また、トラッキング制御回路107は、ス
テージ制御回路106より送られるトラッキング情報に
より、電子ビームの光路上の偏向器4を制御して照射位
置のトラッキング補正を行ない、ショットが高精度に繋
がるようにビーム照射位置を制御する。
【0050】なお、ブランキング電圧として+Vを印加
することで、ビーム偏向によるブランキングが行なえ
る。また、ブランキング電圧として−Vを印加すること
で、エミッター先端の電界集中が緩和され、エミッショ
ンOFFによるブランキングが行なえる。
【0051】高速ブランキングアンプにおける既存技術
では、0.1μsec程度のセトリング時間は十分に達
成されており、XYステージ5の移動速度100mm/
secにおける移動量はセトリング時間中には0.01
μmとなり、この場合に10nm間隔でラインを描画す
ることが可能である。
【0052】次に、描画精度(ショット繋ぎ精度)につ
いて説明する。前述したようにパターンはエミッターア
レイの千鳥配置により、それぞれ別の時間に別のステー
ジ位置での描画(ショット)が繰返されて、徐々に繋が
ってゆく。ショット間の繋ぎを高精度で行なうことは、
微細配線描画では重要となる。本実施の形態では、XY
ステージ5の移動時の現在位置をレーザ干渉計を使った
既知の方法により検出する。そして、この位置情報を元
にトラッキング補正を行ない、トラッキング制御回路1
07と電子ビームの経路中に設けた偏向器4により、ビ
ーム照射位置のトラッキング補正を実施することで、高
精度なショット繋ぎ精度を確保している。
【0053】次に、ショットするビームサイズと照射エ
リアの変更について説明する。電子銃1の静電式レンズ
14と静電式主偏向対物レンズ3の励起バランスを変更
することで、照射エリアの大きさを変更することなくシ
ョットサイズを変更すること、また照射エリアの大きさ
を変更しショットサイズを変更しないこと、あるいは両
者を変更することが可能である。
【0054】また、図6に電子ビーム描画装置における
電子銃とビーム光学系の変形例を示す。図6において図
1と同一な部分には同符号を付してある。図6に示すよ
うに、電子銃1内にレンズを設置しない場合でも、基本
的な部分を変更することなく上述したと同様の電子ビー
ム描画装置を構成することが可能である。
【0055】次に、レンズによるビーム経路について図
7を基に説明する。図7において図1と同一な部分には
同符号を付してある。対物レンズ3はビーム経路途中に
設置されているが、特に対物レンズ3の焦点距離fの2
倍の距離の位置にエミッタ・アレイを設置した場合に、
図7に示すようなビーム経路を取り、焦点距離fの2倍
の距離に設置したウエハ6上に1/1倍の反転パターン
が転写される。なお、エミッタ・アレイとウエハ6が各
々対物レンズ3の焦点距離の2倍の位置に設置されない
場合はこの限りではないが、その場合は後述するよう
に、照射ビームのサイズと照射エリアの変更が可能とな
る。
【0056】次に、レンズによるビームの軸外収差につ
いて図8を基に説明する。電子ビームの光学経路途中に
設置した対物レンズによりビームの収束を行なう場合、
本実施の形態の構成においては、面積を持ったエミッタ
アレイ全体からビームが照射される。このため、図8の
(a)に示すように形状が対称な対物レンズを用いた場
合、ビームは対物レンズの軸外を通過し、しばしば軸外
収差が発生し、描画精度を悪化させる。これに対して、
例えば図8の(b)に示すように形状が非対称な対物レ
ンズを用いることで、発生する軸外非点を解消できる。
非対称レンズを構成する具体的な方法は、図8の(b)
に示したように、X,Y方向に各々長さa,bの適当な
楕円形状を有する2段のレンズを用いる構成や、一般に
四極子レンズと呼ばれる図示しないシリンドリカルレン
ズにより構成する方法等がある。
【0057】また、以上のように構成された電子ビーム
描画装置において、同一構成のエミッタ・アレイを多数
配置することで、予備のエミッタ・アレイとして使用す
ることも可能である。何らかの原因で、エミッタ・アレ
イのうち故障したエミッタが生じた場合、エミッタアレ
イ駆動回路を予備側に切り替えることで、即座に描画を
再開する事ができるため、装置の解体/修理/調整など
の事態を回避することが可能になる。
【0058】本発明は上記実施の形態のみに限定され
ず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。
【0059】
【発明の効果】本発明の電子ビーム描画装置及び方法に
よれば、描画するセルパターンを、マイクロエミッター
型電子銃をアレイ状に配し、ステージの連続移動と合わ
せて各エミッターの電子放出を制御することで形成する
ことができる。これにより、予めセルパターン形成され
たステンシル(CPアパーチャ)を電子ビームの光学経
路途中に設置することなく、任意のビームパターンをシ
ョットの都度に成形して、高速にメンテナンスフリーで
試料のウエハ上に精度よく投影露光し描画することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
における電子銃とビーム光学系の構成を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係るエミッタアレイ・レ
イアウト(千鳥配置)を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
の構造を示す概念図。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
の動作を説明するための図。
【図6】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
における電子銃とビーム光学系の変形例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
のレンズによるビーム経路について説明するための図。
【図8】本発明の実施の形態に係る電子ビーム描画装置
のレンズによるビームの軸外収差について説明するため
の図。
【図9】従来例に係る電子ビーム描画装置の電子光学系
の構成を示す図。
【図10】従来例に係る電子光学系の構造を示す図。
【符号の説明】
1…マイクロエミッタ型電子銃 2…電子ビーム 3…静電式主偏向対物レンズ 4…偏向器 5…XYステージ 6…ウエハ 11…エミッタ(カソード) 12…グリッド 13…ブランキングアパーチャ(グリッド) 14…レンズ 101…パターン設計データ 102…パターン生成回路 103…ブランキング制御回路 104…レンズ制御回路 105…エミッション制御回路 106…ステージ制御回路 107…トラッキング制御回路 111…ブランキングアンプ 112…レンズアンプ 113…偏向器アンプ
フロントページの続き (72)発明者 林 正和 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術センター内 (72)発明者 赤間 善昭 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術センター内 Fターム(参考) 2H097 BB01 BB03 CA06 CA16 GB01 LA10 5C030 BB17 5C033 GG03 5C034 BB01 BB03 BB04 5F056 AA07 AA20 CB05 CB22 CB23 CC09 EA02 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームパターンを試料に描画するため
    の電子ビーム描画装置において、 複数のマイクロエミッター型の電子銃と、 これら電子銃における電子ビームの放出を制御するブラ
    ンキング制御回路と、 前記電子ビームを縮小する対物レンズと、 この対物レンズで縮小された電子ビームを試料へ偏向す
    る偏向器と、 から構成される電子光学系を備えたことを特徴とする電
    子ビーム描画装置。
  2. 【請求項2】描画を要するパターンに基づいて前記各電
    子銃の点灯制御を行なうパターン生成回路を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の電子ビーム描画装置。
  3. 【請求項3】前記試料を載置したステージの移動による
    現在位置を基に前記偏向器を駆動制御しトラッキング制
    御を行なうトラッキング制御回路を備えたことを特徴と
    する請求項1または2に記載の電子ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】前記ブランキング制御回路は、前記パター
    ン生成回路からのパターン情報と前記トラッキング制御
    回路からのトラッキング情報とを基に、前記各電子銃の
    エミッタを個別に点灯制御しブランキングを行なうこと
    を特徴とする請求項3に記載の電子ビーム描画装置。
  5. 【請求項5】前記パターン生成回路からのパターン情報
    に基づいて、前記各電子銃のエミッタで生成されるビー
    ムサイズとパターンサイズとを適切な形状サイズに変更
    するレンズ制御回路を備えたことを特徴とする請求項2
    乃至4のいずれかに記載の電子ビーム描画装置。
  6. 【請求項6】複数のマイクロエミッター型の電子銃にお
    ける電子ビームの放出を制御し、前記電子ビームを対物
    レンズで縮小し、この縮小された電子ビームを偏向器で
    試料へ偏向する電子光学系により、 発生した電子ビームパターンを前記試料に描画すること
    を特徴とする電子ビーム描画方法。
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