JP2001284031A - パイプ型発熱体及びそれを有する局部洗浄装置 - Google Patents

パイプ型発熱体及びそれを有する局部洗浄装置

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JP2001284031A
JP2001284031A JP2000098757A JP2000098757A JP2001284031A JP 2001284031 A JP2001284031 A JP 2001284031A JP 2000098757 A JP2000098757 A JP 2000098757A JP 2000098757 A JP2000098757 A JP 2000098757A JP 2001284031 A JP2001284031 A JP 2001284031A
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JP2000098757A
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Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Kengo Iwata
賢吾 岩田
Takeshi Sekado
武史 瀬角
Takahiro Ohashi
隆弘 大橋
Makoto Hatakeyama
真 畠山
Koji Mine
浩二 峯
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 絶縁層の印刷ムラを低減したパイプ型発熱体
を提供する。 【解決手段】 基材パイプ3の表面に絶縁層10、発熱
抵抗体22及び保護層30をこの順に印刷により形成し
たパイプ型発熱体1において、絶縁層10の印刷終了位
置E10の印刷ムラ11を避けるように発熱抵抗体22
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体洗浄用の温水
等を加熱する発熱体及びこの発熱体を備える局部洗浄装
置に関する。特には、発熱抵抗体層等の印刷方法に改良
を加えたパイプ型発熱体及びこのパイプ型発熱体を備え
る局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】局部洗浄装置等の衛生装置の温水供給手
段の一種として、セラミックや金属等で作られた管内を
流れる流水を、管外面に配置したヒータ等で所定の温度
に加熱する加熱器がある。
【0003】図10は、上記加熱装置の一例として特開
平3−134989号に開示された加熱器の構造を示す
断面図である。図10(A)は加熱器の側面断面図であ
り、図10(B)は加熱器の正面断面図である。この加熱
装置101は、パイプ状の金属製基材(熱伝導性のケー
シング)103の外表面に順に、伝熱絶縁層110、通
電により発熱する発熱抵抗体層120、断熱絶縁層14
0、及び保護筒141が設けられた積層構造となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図10(B)に示すよう
に、この例では、各層はパイプ状の金属製基材103の
外周全面に亘り形成されている。このように、パイプ状
の金属製基材の表面に絶縁層(ガラス層)を印刷(積
層)する場合に、印刷終了位置においてわずかな印刷ム
ラ(カスレ、ニジミ、凸凹等)が発生することがある。
さらに、この印刷ムラのある絶縁層の上に発熱抵抗体層
を形成すると、発熱抵抗体自体にもカスレ、ニジミ、凸
凹等の印刷ムラが発生する。このような印刷ムラが発生
すると、発熱抵抗体の抵抗値のばらつきや断線、ショー
ト等の不具合を誘発することになる。なお、抵抗値のば
らつきがあると、一定の電圧を印加した際に発熱量のば
らつきが発生するため、発熱体の温度分布を調整するこ
とが難しくなる。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、発熱抵抗体層等の印刷ムラを低減でき
るように改良を加えたパイプ型発熱体、及び、このよう
なパイプ型発熱体を搭載することによって、安定した温
度調整が可能な局部洗浄装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記の課題を解決するため、本発明の第一態様のパイプ型
発熱体は、 パイプ状の金属製基材の表面に絶縁層、発
熱抵抗体層及び保護層をこの順に印刷により形成した発
熱体であって; 前記絶縁層の印刷の終了位置を避ける
ように前記発熱抵抗体層を形成したことを特徴とする。
【0007】絶縁層印刷終了位置付近では、カスレ、ニ
ジミ、凸凹等の印刷ムラが発生することがある。この印
刷ムラの上に発熱抵抗体層を形成すると、発熱抵抗体自
体にもカスレ、ニジミ、凸凹等の印刷ムラが発生する。
絶縁層の印刷の終了位置を避けるように発熱抵抗体を形
成すれば、このような不具合を回避することができる。
【0008】本発明の第二態様のパイプ型発熱体は、
パイプ状の金属製基材の表面に絶縁層、発熱抵抗体層及
び保護層をこの順に印刷により形成した発熱体であっ
て;前記絶縁層の印刷の終了位置と前記発熱抵抗体層の
端部との間隔を、前記絶縁層の厚さの10倍以上とした
ことを特徴とする。
【0009】本発明者らの観察によれば、絶縁層の印刷
ムラの発生範囲(幅)は、絶縁層の印刷厚さのほぼ10
倍近くに及ぶ。したがって、絶縁層の印刷終了位置から
絶縁層の厚さの10倍以上の間隔を開けて発熱抵抗体を
印刷すれば、発熱抵抗体の印刷ムラを避けることができ
る。
【0010】本発明のパイプ型発熱体においては、 前
記絶縁層を複数回に分けて重ね印刷し、その際各回の印
刷終了位置をほぼ同一位置とすることが好ましい。ある
厚さの絶縁層を一度に印刷すると、印刷ムラの範囲は印
刷終了位置から広い範囲に及ぶ。しかし、数回に分けて
重ね印刷すれば、1回の印刷での印刷ムラの範囲は一度
に印刷した場合の数分の1にできる。また、各回の印刷
終了位置をほぼ同一位置とすれば、最終的な印刷ムラの
範囲も、一度に印刷した場合の数分の1にできる。
【0011】本発明のパイプ型発熱体においては、さら
に、前記絶縁層の印刷の開始位置も避けるように前記発
熱抵抗体層を形成することが好ましい。絶縁層を印刷す
る際に、印刷終了位置の印刷ムラに加えて、印刷開始位
置においてもわずかな印刷ムラが発生することがある。
そのため、これら2箇所の印刷ムラを避けて発熱抵抗体
を印刷すれば、発熱抵抗体の印刷ムラを最小限に抑える
ことができる。
【0012】本発明のパイプ型発熱体においては、前記
絶縁層の印刷終了位置と開始位置とをほぼ一致させるこ
とが好ましい。絶縁層の印刷開始位置と終了位置をほぼ
一致させれば、絶縁層の印刷ムラの範囲を最小限に抑え
ることができる。これにより、発熱抵抗体を印刷する際
には、避けるべき印刷ムラの範囲が狭くて済むので、発
熱抵抗体の印刷範囲を広くとることができる。
【0013】本発明のパイプ型発熱体においては、前記
絶縁層の印刷開始位置と終了位置との間に下記Z以上の
隙間を設けてもよい。 ただし、Z=r cos-1(r/(r+t)) ここでrは前記基材表面の半径、tは印刷開始位置(端
部)における絶縁層の厚さを示す。
【0014】円筒スクリーン印刷による量産工程では、
絶縁層の印刷開始位置の上部の絶縁材料(ガラス材料)
がスクリーンの下面に接触することがある。この接触に
より、一旦印刷されたガラス材料がスクリーンの下面に
付着し、ガラス材料のたまりができる。量産時には同じ
スクリーンで何度も印刷するため、このたまりが徐々に
大きくなり、新しく印刷した印刷開始位置に凹凸等の印
刷ムラを発生させる。そのため、このたまりを印刷用の
スキージと混用するへらで定期的に拭き取る必要があ
る。そこで、絶縁層の印刷開始位置と終了位置との間に
隙間を設けることによりこの印刷ムラの盛り上がり部が
生じないようにすれば、上述の拭き取り工程を省略でき
る。
【0015】本発明のパイプ型発熱体においては、前記
隙間上にも前記保護層を設けてもよい。絶縁層に隙間を
設けたことにより、絶縁層が基材パイプの全周に印刷さ
れない場合には、発熱抵抗体と基材パイプとの間で沿面
放電が発生しやすい。そこで、発熱抵抗体を印刷した
後、保護層をこの隙間にも塗布することにより、この沿
面放電を防止でき、絶縁耐圧を強化させることができ
る。
【0016】本発明のパイプ型発熱体においては、前記
保護層の材質を非結晶性のガラスとすることもできる。
保護層に結晶性のガラスを用いた場合には、焼成により
脱脂する際にその部分が空洞になり、一回の印刷焼成で
は沿面放電が発生しやすい。これに対し、非結晶性のガ
ラスを用いると、ガラス自体が焼成時に溶融して空洞の
中に入り込む事で沿面放電を防止でき、結晶性のガラス
を用いた場合と同じ厚さでも絶縁耐性を向上させること
ができる。一方、安定した抵抗値を得たい場合には、保
護層に結晶性のガラスを用いるのがよい。これは、発熱
抵抗体の焼成の際にできた空洞に結晶性ガラスが入り込
みにくいためである。
【0017】本発明に係る局部洗浄装置は、 水を通水
しながら加温するパイプ型発熱体と、 該パイプ型発熱
体により加熱された温水を人体の局部に向けてスプレー
するノズルと、 を具備する局部洗浄装置であって、
上記パイプ型発熱体として上述のパイプ型発熱体を備え
ることを特徴とする。局部洗浄装置に、印刷ムラの少な
いパイプ型発熱体を用いることにより、発熱抵抗体の抵
抗値のばらつきや断線、ショート等の不具合を生じにく
い局部洗浄装置を提供することができる。
【0018】以下、図を参照しつつ本発明の実施の形態
に係るパイプ型発熱体について説明する。図1は、本発
明の1つの実施の形態に係るパイプ型発熱体を模式的に
示すものである。図1(A)はパイプ型発熱体の全体構造
を示す斜視図であり、図1(B)はその断面図であり、図
1(C)は図1(B)におけるパイプ型発熱体の中心O点と下
端部A点とを結ぶ線で展開したときの表面の様子を模式
的に示す展開図である。図1(A)には、本発明の実施の
形態に係るパイプ型発熱体1が示されている。パイプ型
発熱体1は、基材パイプ(パイプ状の金属製基材)3を
中心に構成されている。基材パイプ3の外周面には、絶
縁層10が印刷形成されている。絶縁層10の外周面に
は、発熱抵抗体(発熱抵抗体層)22がスクリーン印刷
等により形成されている。さらにその上には、図1(A)
では図示は省略されているが、保護層30が形成されて
いる。
【0019】各部について詳しく説明する。基材パイプ
3は、ステンレスやアルミニウム、銅等の熱伝導性の高
い材料あるいはセラミックスが用いられる。この図の例
における基材パイプ3は、厚さ0.3mmのステンレス
(S430又はS444グレード)を使用した。また、
局部洗浄装置に適用される場合、基材パイプ3の外径は
5〜10mm程度の大きさである。
【0020】絶縁層10は、ステンレスと同程度の熱膨
張率の絶縁ガラス(例えばDUPONT社製Micro
circuit MaterialのGLAZE350
0N)からなる。絶縁層10の厚さは一例として約100
μm(図中での各層の厚さは実際の比率とは異なってい
る)である。絶縁層10に金属基材3(ステンレス)と
同程度の熱膨張率を有する絶縁ガラスを使用しているた
め、発熱体内部が高温になっても、絶縁層10が溶融し
たりクラックが生じたりして劣化することがない。ま
た、耐冷熱衝撃性に優れているため、発熱体全体を薄く
することができ、一層熱伝達率が向上する。
【0021】発熱抵抗体22(厚さ約10μm)は、こ
の実施の形態においては、銀パラジウム等からなり、図
1(B)、(C)に示すように、長手方向に8本平行に形成さ
れている。それぞれの発熱抵抗体22−1〜22−8
は、図1(C)の展開図に示すように、基材パイプ3上で
1本に繋がっている。発熱抵抗体22−1と22−8の
図の右側の端部は、銀等で作られた電極端子43(図1
(A)参照)と接続されている。この端子43間に電圧を
印加すると、発熱抵抗体22が発熱し、ヒータとして作
用する。このパイプ型発熱体1の電力密度(1cm2当り
に入力可能な熱量)は100W/cm2である。また、同
発熱体1には温度検出用の抵抗体(図9参照)が配置さ
れている。
【0022】発熱抵抗体22の表面は、厚さ40μmの
絶縁ガラスからなる絶縁保護層30(図1(B)にのみ図
示)で保護されている。保護層30は、発熱抵抗体22
の表面に異物が付着した際の短絡を防止するとともに、
外部からの接触による抵抗体の抵抗値変化や断線を防い
でいる。
【0023】図1(B)、(C)においては、絶縁層10及び
発熱抵抗体22の印刷開始位置と印刷終了位置に以下の
ような記号を付した。 S10:絶縁層10の印刷開始位置 S22:発熱抵抗体22の印刷開始位置(エッジ) E10:絶縁層10の印刷終了位置 E22:発熱抵抗体22の印刷終了位置(エッジ) 絶縁層10と発熱抵抗体22の印刷はそれぞれS10、S
22から始まり、図1(B)の基材パイプ3を右回りに印
刷し、E10、E22で終了する。なお、絶縁層10の印
刷終了位置E10において、突起状に表した印刷ムラ1
1が図示されている。印刷ムラは突起状に図示してある
が、実際には、カスレ、ニジミ、凸凹等の様々な形態を
とる。
【0024】ここで、本発明の他の実施の形態に係る発
熱抵抗体について説明する。図2は、他の実施の形態に
係るパイプ型発熱体を模式的に示す展開図である。基材
パイプ3と絶縁層10は第1の実施の形態と同様であ
る。この形態においては、絶縁層10の外周面に面状に
発熱抵抗体24が印刷形成されている。発熱抵抗体24
の両端には、導体26が形成されている。導体26の端
部には、銀等で作られた電極端子44が接続されてい
る。この端子44間に電圧を印加すると、発熱抵抗体2
4が発熱し、ヒータとして作用する。この形態の発熱抵
抗体24は、第1の形態の発熱抵抗体22のような線状
ではなく、面状に形成されている。そのため、発熱抵抗
体24の表面がキズ等により一部剥がれても、すぐに断
線することがないという利点がある。
【0025】図1に示すパイプ型発熱体においては、図
1(B)に示すように、絶縁層10の印刷終了位置E10の
印刷ムラ11を避けるように発熱抵抗体22が形成され
ている。絶縁層10の印刷終了位置E10付近では、カ
スレ、ニジミ、凸凹等が発生することがある。この印刷
ムラ11の上に発熱抵抗体層22を形成すると、発熱抵
抗体22自体にもカスレ、ニジミ、凸凹等の印刷ムラが
発生する。このような印刷ムラが発生すると、発熱抵抗
体22の抵抗値のばらつきや断線、ショート等の不具合
を誘発することになる。そこで、絶縁層10の印刷の終
了位置E10を避けるように発熱抵抗体22を形成すれ
ば、このような不具合を回避することができる。
【0026】図1(B)の絶縁層10の印刷ムラ11の発
生範囲(幅)は、絶縁層10の印刷厚さにほぼ比例して
広くなり、本発明者らの観察によれば、絶縁層10の印
刷厚さのほぼ10倍近くに及ぶ。したがって、絶縁層1
0の印刷終了位置E10から絶縁層10の厚さの10倍
以上の間隔を開けて発熱抵抗体22を印刷すれば、発熱
抵抗体22の印刷ムラを避けることができる。つまり、
図1(C)のE10〜E22とE10〜S22の間隔を絶縁層
10の厚さの10倍以上開けるということである。
【0027】例えば、100μmの厚さの絶縁層10の場合
には、印刷ムラ11の範囲は印刷終了位置E10から1m
mに及ぶ。発熱抵抗体22の印刷はこの範囲を避けて行
うため、発熱抵抗体22の印刷開始位置S22から印刷
終了位置E22は、絶縁層10の印刷終了位置E10を中
心に1mm以上の間隔が開くことになる。
【0028】図3は、本発明の他の例のパイプ型発熱体
を模式的に示す断面図である。なお、以降の図3〜5、
7において、発熱抵抗体22は1つの平たい層の形で示
してある。図3(A)は印刷開始位置と終了位置が等しい
例を示す図であり、図3(B)は各層の印刷端部が重なっ
ている例を示す図であり、図3(C)は印刷開始位置と印
刷終了位置の間に間隔が開いている例を示す図である。
例えば100μmの厚さの絶縁層10が所望されている場合
に、図1に示したように100μmの厚さの絶縁層10を一
度に印刷すると、印刷ムラ11の範囲は印刷終了位置E
10から1mmに及ぶ。
【0029】そこでこの例では、10μm程度の厚さの絶
縁層を複数回に分けて印刷する方法をとる。図3には、
基材パイプ3の表面に絶縁層10−1、10−2、10
−3の3層が印刷されている状態が示されている。この
場合には、1回の印刷での印刷ムラ11−1の範囲は絶
縁層10−1の厚さの10倍の100μmで収まる。2回目
以降も1回目の印刷終了位置E10から印刷を開始すれ
ば、最終的な印刷ムラ11の範囲は、印刷終了位置E1
0からほぼ一回目と同じ100μmに収まる。
【0030】図4は、本発明の他の態様のパイプ型発熱
体を模式的に示す断面図である。図4には、基材パイプ
3の表面に絶縁層10が形成されており、その表面に発
熱抵抗体22が印刷形成されている様子が示されてい
る。なお、発熱抵抗体22の外周に形成されている保護
層30は省略してある。
【0031】図4においては、絶縁層10を印刷する際
に、印刷終了位置E10の印刷ムラ11に加えて、印刷
開始位置S10においてもわずかな印刷ムラ13が発生
している様子が示されている。そのため、絶縁層10の
印刷開始位置S10と終了位置E10で絶縁層10が盛り
上がった様に示されている。したがって、これら2箇所
の印刷ムラ11、13を避けて発熱抵抗体22を印刷
し、発熱抵抗体22の印刷ムラを最小限に抑える。つま
り、図4のE10〜S22とE22〜S10の間隔を適切に
開けることが好ましい。
【0032】図5は、本発明の他の態様のパイプ型発熱
体を模式的に示す断面図である。図5には、基材パイプ
3の表面に絶縁層10が形成されており、その表面に発
熱抵抗体22が印刷形成されている様子が示されてい
る。なお、発熱抵抗体22の外周面に形成されている保
護層30は省略してある。
【0033】図4に示すように、絶縁層10を印刷する
際には、印刷終了位置E10と同様に印刷開始位置S10
においてもわずかな印刷ムラ13が発生する。これら2
箇所の印刷ムラ11、13を避けるために、発熱抵抗体
22は印刷開始位置S22から印刷終了位置E22の広い
範囲に亘り間隔を開けなくてはならない。そこでこの例
においては、図5に示すように、絶縁層10の印刷開始
位置S10と終了位置E10をほぼ一致させ、絶縁層10
の印刷ムラの範囲を最小限に抑える。これにより、発熱
抵抗体22を印刷する際には、避けるべき印刷ムラの範
囲が狭くて済むので、発熱抵抗体22の印刷範囲を広く
とることができる。
【0034】図6(A)は、スクリーン印刷による量産工
程で絶縁層を形成する様子を模式的に示す平面図であ
る。図6(A)には、基材パイプ3と、その外周面に形成
されている絶縁層10(絶縁材料)とが示されている。
この図においては、絶縁層10の印刷開始位置S10と
終了位置E10の間は十分な間隔が開けられていない。
また、基材パイプ3の図の上部には、スクリーン5が図
示されている。スクリーン5の図の中央部には、印刷用
の開口5aが設けられている。スクリーン5の下面に
は、たまりT15が図示されている。スクリーン5の上
面には、スキージ7が配置されており、印刷材料15を
押している。
【0035】スクリーン印刷による量産工程では、スキ
ージ7が印刷材料15を基材パイプ3側へ押し出しなが
ら右へ移動していく。これと連動して、基材パイプ3は
反時計回りに回転しながら印刷位置が印刷開始位置S1
0から終了位置E10に移動する。図6(A)は印刷終了
時点の状態であるが、印刷時には、印刷開始位置S10
の上部の絶縁材料(ガラス材料)10がスクリーン5の
下面に接触することがある。この接触により、一旦印刷
されたガラス材料10がスクリーン5の下面に付着し、
ガラス材料のたまりT15ができる。量産時には同じス
クリーンで何度も印刷するため、このたまりT15が徐
々に大きくなり、新しく印刷した印刷開始位置に凹凸等
の印刷ムラを発生させる。そのため、このたまりT15
をへらで定期的に拭き取る必要がある。
【0036】そこで、絶縁層10の印刷開始位置S10
と終了位置E10との間に隙間を設けることにより、印
刷開始位置S10の上部の絶縁材料10がスクリーン5
と接しないようにすれば、上述の拭き取り工程を省略で
きる。
【0037】続いて、図を参照しつつ上記隙間について
説明する。図6(B)は、図6(A)の状態を幾何学的に解析
するための図である。図6(B)には、基材パイプ3の表
面3´とスクリーン5の下面5´が簡略的に示されてい
る。図中の各寸法について以下に示す。 O:基材パイプ3の中心、座標(0,0) r:基材パイプ表面3´の半径 E10:印刷終了位置、座標(x0,y0) S10:印刷開始位置、座標(0,r) S10´:印刷開始位置の絶縁層とスクリーンの接点、
座標(0,r+t) θ:印刷開始位置と終了位置の角度 Z:隙間(基材パイプ表面3´上での印刷開始位置から
終了位置までの弧の長さ) t:印刷開始位置(端部)における絶縁層の厚さ
【0038】図中のS10´、中心O、印刷終了位置E
10で構成される三角形において、 cosθ=r/(r+t) となるので、これを変形し、 θ=cos-1(r/(r+t)) となる。また、隙間Zは、Z=rθとなるので、上式を
代入し、 Z=r cos-1(r/(r+t)) となる。
【0039】例えば、基材パイプ表面3´の半径:r=
5mm、印刷開始位置(端部)における絶縁層の厚さ:t
=30μmのとき、隙間Zは上式にそれらを代入し約0.5
5mmとなる。つまり、この条件においては、隙間は0.55m
m以上とれば、上述の拭き取り工程を省略できる。
【0040】図7は、本発明の他の態様のパイプ型発熱
体を模式的に示す平面図である。図7のパイプ型発熱体
には、基材パイプ3の表面に印刷開始位置S10と終了
位置E10の間に隙間31を設けて絶縁層10が形成さ
れている。その外周面には発熱抵抗体22が印刷形成さ
れており、それらの外周には保護層30が形成されてい
る。
【0041】図6のように絶縁層10に隙間31を設け
たことにより、絶縁層10が基材パイプ3の全周に印刷
されない場合には、発熱抵抗体22と基材パイプ3との
間で沿面放電が発生しやすい。そこで、図7に示すよう
に、発熱抵抗体22を印刷した後、保護層30をこの隙
間31にも塗布することにより、この沿面放電を防止で
き、絶縁耐圧を強化させることができる。なお、この保
護層30を塗布した結果、隙間31の表面が凸凹になっ
たり、厚くなったりしても、パイプ型発熱体の製造の後
工程に影響はない。
【0042】次に、本発明の一つの実施の形態に係る局
部洗浄装置について説明する。図8は、本発明の一つの
実施の形態に係る局部洗浄装置を示す概略図である。こ
の局部洗浄装置は、以上で説明したようなパイプ型発熱
体1を含む熱交換器51を有する。熱交換器51には給
水管53が接続されており、水道水等の水が供給され
る。供給された水は、熱交換器51において加熱されて
局部洗浄用の温水となり、便器に付設された吐水口55
(ノズル)から噴射される。局部洗浄用水の水温や水量
を制御するため、コントロールパネル57や図示しない
回路が設けられている。
【0043】図9は、図8の局部洗浄装置の回路構成を
示すブロック図である。コントロールパネル57におい
て設定された水温や水量の情報は、制御部61に入力さ
れる。制御部61の制御により、ヒータ駆動回路63
は、端子43を介して熱交換器51内のパイプ型発熱体
1の発熱抵抗体22に通電する。なお、安全のため、熱
交換器51は、アース端子65を介して接地されてい
る。
【0044】一方、熱交換器51に含まれる温度検出用
抵抗体71は、端子73を介して温度検出回路75に接
続されている。温度検出用抵抗体71は、パイプ型発熱
体1の温度に従って抵抗値が変化し、温度検出回路75
は、その抵抗値に基づいてパイプ型発熱体1の温度を検
出する。温度検出回路75が検出した温度の情報は、制
御部61に入力される。制御部61は、コントロールパ
ネル57からの入力情報と温度検出回路75からの入力
情報とに基づいて、局部洗浄用水の水温や水量を制御す
る。
【0045】さらに、このパイプ型発熱体1は、手洗い
や入浴等の温水供給部に適用されてもよい。
【0046】以上図1〜図9を参照しつつ、本発明の実
施の形態に係るパイプ型発熱体及びそれを有する局部洗
浄装置について説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、様々な変更を加えることができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、パイプ型発熱体の絶縁層の印刷終了位置等の
印刷ムラを避けるように発熱抵抗体を形成することによ
り、発熱抵抗体の印刷ムラを低減でき、発熱抵抗体の抵
抗値のばらつきや断線、ショート等の不具合を低減でき
る。また、このようなパイプ型発熱体を搭載することに
よって、安定した温度調整が可能な局部洗浄装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係るパイプ型発熱
体を模式的に示すものである。図1(A)はパイプ型発熱
体の全体構造を示す斜視図であり、図1(B)はその断面
図であり、図1(C)は図1(B)におけるパイプ型発熱体の
中心O点と下端部A点とを結ぶ線で展開したときの表面の
様子を模式的に示す展開図である。
【図2】他の実施の形態に係るパイプ型発熱体を模式的
に示す展開図である。
【図3】本発明の他の例のパイプ型発熱体を模式的に示
す断面図である。なお、以降の図3〜5、7において、
発熱抵抗体22は1つの平たい層の形で示してある。図
3(A)は印刷開始位置と終了位置が等しい例を示す図で
あり、図3(B)は各層の印刷端部が重なっている例を示
す図であり、図3(C)は印刷開始位置と印刷終了位置の
間に間隔が開いている例を示す図である。
【図4】本発明の他の態様のパイプ型発熱体を模式的に
示す断面図である。
【図5】本発明の他の態様のパイプ型発熱体を模式的に
示す断面図である。
【図6】図6(A)は、スクリーン印刷による量産工程で
絶縁層を形成する様子を模式的に示す平面図である。図
6(A)の状態を幾何学的に解析するための図である。
【図7】本発明の他の態様のパイプ型発熱体を模式的に
示す平面図である。
【図8】本発明の一つの実施の形態に係る局部洗浄装置
を示す概略図である。
【図9】図8の局部洗浄装置の回路構成を示すブロック
図である。
【図10】図10は、上記加熱装置の一例として特開平
3−134989号に開示された加熱器の構造を示す断
面図である。図10(A)は加熱器の側面断面図であり、
図10(B)は加熱器の正面断面図である。
【符号の説明】
1 パイプ型発熱体 3 基材パイプ 5 スクリーン 7 スキージ 10 絶縁層 11、13 印
刷ムラ 15 印刷材料 22、24 発
熱抵抗体(層) 26 導体 30 保護層 31 隙間 43、44 電
極端子 51 熱交換器 53 給水管 55 ノズル 57 コントロ
ールパネル 61 制御部 63 ヒータ駆
動回路 65 アース端子 71 温度検出
用抵抗体 73 端子 75 温度検
出回路 101 加熱装置 103 パイプ
状の金属製基材 110 伝熱絶縁層 120 発熱層 140 断熱絶縁層 141 保護筒 T15 たまり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬角 武史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大橋 隆弘 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 畠山 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 峯 浩二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JB02 KA11 3B201 BB62 BB82 3K092 PP20 QA02 QB45 QB64 QB74 QB76 RA06 RD02 RD27 VV06 VV22 VV28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ状の金属製基材の表面に絶縁層、
    発熱抵抗体層及び保護層をこの順に印刷により形成した
    発熱体であって;前記絶縁層の印刷の終了位置を避ける
    ように前記発熱抵抗体層を形成したことを特徴とするパ
    イプ型発熱体。
  2. 【請求項2】 パイプ状の金属製基材の表面に絶縁層、
    発熱抵抗体層及び保護層をこの順に印刷により形成した
    発熱体であって;前記絶縁層の印刷の終了位置と前記発
    熱抵抗体層の端部との間隔を、前記絶縁層の厚さの10
    倍以上としたことを特徴とするパイプ型発熱体。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層を複数回に分けて重ね印刷
    し、その際各回の印刷終了位置をほぼ同一位置とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のパイプ型発熱体。
  4. 【請求項4】 さらに、前記絶縁層の印刷の開始位置も
    避けるように前記発熱抵抗体層を形成したことを特徴と
    する請求項1、2又は3記載のパイプ型発熱体。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層の印刷終了位置と開始位置と
    をほぼ一致させたことを特徴とする請求項4記載のパイ
    プ型発熱体。
  6. 【請求項6】 前記絶縁層の印刷開始位置と終了位置と
    の間に下記Z以上の隙間、ただし、Z=r cos-1(r/
    (r+t)) ここでrは前記基材表面の半径、tは印刷開始位置(端
    部)における絶縁層の厚さを示す、 を設けたことを特徴とする請求項4記載のパイプ型発熱
    体。
  7. 【請求項7】 前記隙間上にも前記保護層を設けたこと
    を特徴とする請求項6記載のパイプ型発熱体。
  8. 【請求項8】 前記保護層の材質を非結晶性のガラスと
    したことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の
    パイプ型発熱体。
  9. 【請求項9】 水を通水しながら加温するパイプ型発熱
    体と、 該パイプ型発熱体により加熱された温水を人体の局部に
    向けてスプレーするノズルと、を具備する局部洗浄装置
    であって;上記パイプ型発熱体として請求項1〜8いず
    れか1項記載のパイプ型発熱体を備えることを特徴とす
    る局部洗浄装置。
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