JP2001279786A - 人体洗浄装置 - Google Patents

人体洗浄装置

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JP2001279786A
JP2001279786A JP2000098760A JP2000098760A JP2001279786A JP 2001279786 A JP2001279786 A JP 2001279786A JP 2000098760 A JP2000098760 A JP 2000098760A JP 2000098760 A JP2000098760 A JP 2000098760A JP 2001279786 A JP2001279786 A JP 2001279786A
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Kengo Iwata
賢吾 岩田
Takahiro Ohashi
隆弘 大橋
Koji Mine
浩二 峯
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で高い熱伝達率を有する加熱器(温水
器)を有する人体洗浄装置を提供する。 【解決手段】 温水器1の基材パイプ3の外表面にはヒ
ータ部7が設けられている。基材パイプ3の内孔9には
中子11が挿入されている。中子11には軸15の長さ
方向に沿って延びるらせん形の流路19が形成されてい
る。この流路19はヒータ部7の内面に沿って形成され
ており、水の流速が早くなり乱流が起きやすい。さら
に、ヒータ部7から流水本体へ熱を伝達する長さが短く
なって、熱の伝わりにくい部分が減り、熱伝達率をより
向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体に温水を浴び
せる人体洗浄装置に関する。特には、様々な改良を加え
た温水器を備える人体洗浄装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】局部洗浄
装置等の人体洗浄装置の温水供給手段の一種に、セラミ
ックや金属等で作られた管内を流れる流水を、管外面に
配置したヒータ等で所定の温度に加熱する加熱器があ
る。このような加熱器は、基材パイプを有し、同基材パ
イプの外表面上に、絶縁層、ヒータエレメント、絶縁保
護層からなる層構造のヒータ部が形成されている。
【0003】基材パイプは、例えば厚さ0.5mm程度の
ステンレス鋼パイプを用いる。同基材パイプ上には、絶
縁ガラスからなる絶縁層が形成されている。絶縁層上に
は銀パラジウム等の発熱抵抗体が形成されている。同発
熱抵抗体の表面は、絶縁ガラスからなる絶縁保護層で保
護されている。発熱抵抗体の両端部は絶縁保護層の外部
に位置し、銀等で作られた電極となって端子を形成して
いる。この端子間に電圧を印加すると、発熱抵抗体が発
熱し、基材パイプ内を流れる流体を加熱する。
【0004】上述の加熱器においては、ステンレス製の
金属基材パイプは、厚さが0.5mm程度であり、熱抵
抗が小さいため、発熱抵抗体の熱量はパイプ内孔を流れ
る水に伝わりやすい。そして、この熱の伝達率は流水本
体の熱伝達率に大きく依存する。
【0005】ここで、基材パイプ中孔を流れる水が層流
の場合は、ヒータ(基材パイプ内面)と接触する水はほ
ぼ一定の部分である。このため基材パイプ内面との接触
部で水の局部加熱が起こり、また、パイプの断面中心付
近を流れる水に熱が伝わりにくく、熱伝達率は上がりに
くい。したがって、熱伝達率を向上させるには、流水が
基材パイプ内面と接触する時間を長くするか、基材パイ
プ内の流水に何らかの手段により乱流を起こさせて、流
水全体を撹拌して熱を伝えて熱伝達率を向上させること
が必要である。
【0006】近年、局部洗浄装置は一層の小型化が図ら
れており、局部洗浄装置に使用される加熱器も小型で高
い熱伝導率を有するものが必要とされている。
【0007】一方、上述のステンレスヒータは、発熱抵
抗体の表面温度が170℃程度に達すると、沸騰音が発
生する場合がある。これは、流水の局部加熱によるため
であり、局部洗浄装置の使用者に不快感を与えるもので
ある。したがって、ヒータと流水間の熱伝達率を向上さ
せて、ヒータの表面温度を沸騰音が発生しない程度に抑
えることが必要である。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、小型で高い熱伝達率を有する加熱
器(温水器)を有する人体洗浄装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の人体洗浄装置は、 冷水を加熱して温水を
生成する温水器と、 生成された温水を人体に浴びせる
ノズルと、を備える人体洗浄装置であって; 前記温水
器が、 内孔に水の流れる流路を有する管状の電気加熱
部材(パイプヒータ)を具備し、該パイプヒータの流路
の断面積がパイプヒータの断面積よりも狭く、該パイプ
ヒータの流路の長さがパイプヒータの長さよりも長いこ
とを特徴とする。ここで、パイプヒータの断面積は、流
路の断面積を狭くするための加工等を施さない場合の仮
想的なパイプヒータの断面積を示す。
【0010】パイプヒータの内側に、らせん状、蛇行状
等の流路を形成して、流水の流路をパイプヒータの外形
的な長さよりも長くしたことによって、パイプヒータの
内面と接触する距離が長くなって熱伝達距離が長くな
る。さらに、流路の断面積を狭くしたことにより、流路
を流れる水の速度が上昇し、熱伝達率を向上させること
ができる。このため、ヒータの表面温度が過度に上昇す
ることがなく、沸騰音が発生しない。また、筒状の電気
加熱部材による加熱であるため熱応答性がよく、温度制
御が容易となる。したがって、洗浄装置使用開始後の洗
浄水の温度の立ち上がりが早いため、温水供給初期のヒ
ヤリ感が少ない。また、温度応答性が良いので、マッサ
ージ用の温冷制御等が容易となる。さらに初期の捨て水
の量が減り、待ち時間が短縮される。
【0011】本発明の他の態様の人体洗浄装置は、 冷
水を加熱して温水を生成する温水器と、 生成された温
水を人体に浴びせるノズルと、を備える人体洗浄装置で
あって; 前記温水器が、内孔に水の流れる流路を有す
る管状の電気加熱部材(パイプヒータ)を具備し、該パ
イプヒータの内孔中央部を塞ぐ部材が設けられており、
前記流路が前記パイプヒータ内面に沿う部分に限定され
ていることを特徴とする。パイプヒータ内に内孔中央部
を塞ぐ部材を設け、流路をパイプヒータ内面に沿って形
成したことで水の流速が早くなるため、熱伝達率をより
向上させることができる。
【0012】以上の態様においては、 前記パイプヒー
タが、金属製の基材と、該基材の上に層状に形成された
ヒータ層と、を有することとが好ましい。金属製とする
ことで基材の厚さを薄くすることができ、電気加熱制御
の応答性も速くなる。このため、温度差の大きい温冷制
御が容易となる。
【0013】さらに、 前記パイプヒータの長手方向の
限定された部分にのみ加熱部が形成されており、同加熱
部における前記流路の断面積が、他のパイプヒータの部
分の断面積の1/2以下であることが好ましい。加熱部
のみを狭くすることで、不必要な圧力損失を起こさずに
流速を上げることができる。
【0014】さらに、 前記流路が、該流路の長さ方向
に沿ったらせん形であることとしてもよい。らせん形と
することにより、流路の長さをパイプヒータの長さの2
〜5倍にすることができる。このため、流速が早くな
り、熱伝達率も向上する。さらに流水に遠心力が作用し
て気泡が内側に移動し伝熱面(ヒータとの接触面)に気
泡がなく、乱流がさらに促進されて熱伝達率がより向上
する。
【0015】また、 前記流路が、複数の流路への分岐
と合流を繰り返す形状であってもよい。あるいは、 前
記流路が、該流路の断面積が大きい部分と小さい部分が
交互に形成されていることとしてもよい。このような形
状とすることで乱流がさらに促進される。
【0016】また、 前記流路が、前記パイプヒータの
発熱抵抗体の配設パターンと合致した形状であることと
してもよい。発熱抵抗体の配設位置を選択し、流路をこ
の位置と合致した形状とすることで、効率的に熱を伝え
ることができる。さらに、流水から気泡が滞留し易い部
分(重力方向で上側)に発熱抵抗体を配設しない(流路
も設けない)場合は、沸騰音の発生をより抑制できる。
【0017】さらに、 前記パイプヒータの表面温度が
160℃以下であることが好ましい。熱伝達率が上がる
ことなり、さらに沸騰音の発生を確実に防ぐことができ
る。
【0018】さらに、 前記流路を流れる流体の速度が
0.2m/s以上であることが好ましい。局部加熱を防
ぎ、沸騰音の発生を抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の1実施例に係る人体洗浄装置に使
用される温水器の構造を示す側面断面図である。この温
水器1は、円筒状の基材パイプ3と外筒5からなる二重
管構造を有している。基材パイプ3の外面の一部にはヒ
ータ部7が設けられている。また、基材パイプ3の内孔
9にはらせん中子11が挿入されている。
【0020】基材パイプ3は、ステンレス鋼やアルミニ
ウム、銅等の熱伝導性の高い材料で作られ、流水が流れ
る内孔9を形成している。同基材パイプ3の外面の一部
には、ヒータ部7(詳細後述)が印刷形成されている。
基材パイプ3上のヒータ部7が設けられている部分の外
側には、外筒5がヒータ部7を取り囲むように設けられ
ている。このように構成された加熱器1は、局部洗浄装
置に適用される場合、基材パイプ3の径が5〜10mm、
外筒5の径が9〜16mm程度の大きさを有する。
【0021】基材パイプ3の内孔9にはらせん中子11
が挿入されている。らせん中子11は金属や耐熱樹脂等
で作製され、軸15の外周面の一部に、軸15の長さ方
向に沿ってらせん状にねじ山17が形成されたものであ
る。このねじ山17間が流水の流路19となる。一例と
して、軸15の径は5mm、ねじ山17が形成された軸
15の径は9mm、流路19のピッチは3mm、流路1
9の幅は2mm、ねじ山17の高さは2mmである。ね
じ山17が形成された部分の長さは、基材パイプ3上に
ヒータ部7が形成された部分の長さよりやや長くなって
いる。ねじ山17の外径は、らせん中子11が基材パイ
プ3の内孔9に挿入されたとき、ねじ山17の先端がパ
イプ内面に略接触する程度に設定されている。これによ
り、流路19は、ねじ山17とらせん中子11の軸1
5、さらに基材パイプ3の内面に囲まれた断面の流路1
9となる。この流路19は、軸15の長さ方向に沿って
延びるらせん形流路である。この流路19は、らせん中
子11が挿入されていない場合の流路の長さより長く、
らせん中子11が挿入されていない場合に比べて流水が
ヒータ部7と接触する距離が長くなる。さらに、流路1
9の断面積は基材パイプ3の断面積よりも狭いため、流
水の速度はらせん中子11を挿入していない場合よりも
早くなる。
【0022】外筒5は金属や樹脂で作られる。外筒5と
基材パイプ3は同心円上に配置され、ブッシュ13とO
リング29によって基材パイプ3に取り付けられてい
る。基材パイプ3の外面と外筒5の内面間の距離は、基
材パイプ3の軸方向に沿って一定である。一例でこの距
離は1〜3mmが好ましい。ここで、基材パイプ3と外筒
5の間の空間は空気からなる断熱層21が形成される。
つまり、ヒータ部7が作動し、ヒータ部7自身及びヒー
タ部7が設けられている基材パイプ3が高温になって
も、この熱量は断熱層で隔離されて外筒5に伝達されに
くい。このため、外筒5が過度に温度上昇することを防
ぐことができる。
【0023】図2は、図1の温水器に使用されるヒータ
部の構造を模式的に示す断面図である。このヒータ部7
は、通水面側22からステンレス製の金属基材パイプ
3、絶縁層23、発熱抵抗体25、絶縁保護層27から
なる層構造を有する。
【0024】この例では、金属基材パイプ3は、厚さ
0.3mmのステンレス(例えばSUS304又はSUS
444グレード)を使用している。同基材パイプ3上に
は、ステンレスと同程度の熱膨張率の絶縁ガラス(例え
ばDUPONT社製Microcircuit Mat
erialのGLAZE3500N)からなる絶縁層2
3がスクリーン印刷等により形成されている。同絶縁層
23の厚さは0.1mmである。絶縁層23上には銀パラ
ジウム等の発熱抵抗体25がスクリーン印刷等により形
成されている。同発熱抵抗体25の表面は、厚さ0.0
4mmの絶縁ガラスからなる絶縁保護層27で保護されて
いる。絶縁ガラスは2kV程度の絶縁耐圧を有する。発
熱抵抗体25の両端部は絶縁保護層27の外部に位置
し、銀等で作られた電極となって端子(図示されず)を
形成している。この端子間に電圧を印加すると、発熱抵
抗体25が発熱する。このとき、ヒータ部7の電力密度
を20W/cm2以上とすることにより、小型で加熱能
力に優れた温水器を供給できる。また、ヒータ部7には
温度検出抵抗体(図示されず)が形成されている。
【0025】次に、本発明の一実施形態に係る局部洗浄
装置について説明する。図3は、本実施形態に係る局部
洗浄装置を示す概略図である。この局部洗浄装置は、以
上で説明したような温水器1を含む。温水器1には給水
管41が接続されており、水道水等の水が供給される。
供給された水は、温水器において加熱されて局部洗浄用
の温水となり、便器に付設された吐水口42(ノズル)
から噴射される。局部洗浄用水の水温や水量を制御する
ため、コントロールパネル43や図示しない回路が設け
られている。
【0026】図4は、図3の局部洗浄装置の回路構成を
示すブロック図である。コントロールパネル43におい
て設定された水温や水量の情報は、制御部44に入力さ
れる。制御部44の制御により、ヒータ駆動回路45
は、端子を介して温水器1のヒータ部7の発熱抵抗体2
5に通電する。なお、安全のため、ヒータ部7は、アー
ス端子46を介して接地されている。
【0027】一方、ヒータ部7に含まれる温度検出用抵
抗体47は、端子48を介して温度検出回路49に接続
されている。温度検出用抵抗体47は、ヒータ部7の温
度に従って抵抗値が変化し、温度検出回路49は、その
抵抗値に基づいてヒータ部7の温度を検出する。温度検
出回路49が検出した温度の情報は、制御部44に入力
される。制御部44は、コントロールパネル43からの
入力情報と温度検出回路45からの入力情報とに基づい
て、局部洗浄用水の水温や水量を制御する。
【0028】図5〜図8は、図1の温水器に使用される
中子の様々な形状を示す図であり、図5(A)は斜視
図、図5(B)は断面図、図6〜図8は側面図である。
図5の中子51は断面が円形の円柱状である。この中子
51を、基材パイプ3に挿入すると、中子51の外表面
と基材パイプ3の内表面間に環状の流路53が形成され
る。この流路53の厚さは1mm程度である。流路53
を薄い環状とすることにより、断面積が小さくなって流
速が早くなるため、熱伝達率をより向上させることがで
きる。さらに、局部加熱が起こりにくく沸騰音が発生し
ない。
【0029】図6の中子61は、図1の中子と同様にら
せん形に流路が形成されているが、ねじ山17aの幅が
厚くなっており、流路19aの断面積が図1の中子より
狭い(幅狭単純らせん)。この中子61の流路19aの
ピッチは2mm、幅は1mm、高さは2mmである。こ
のような形状とすることにより図1の中子より流速が上
がり、熱伝達率がより向上する。
【0030】図7の中子71は、図1の中子と同様にら
せん形に流路19bが形成されているが、流路19bの
中央付近に、らせん方向に沿って突起73が設けられて
いる。さらに、ねじ山17bにところどころ突部17c
が形成されている。これらの突起73と突部17cによ
って、並んだ2つの突起73の間で、流路19bが内側
に絞られた形状となっている。このような形状によっ
て、流路19bは、突起73の部分で二つに分岐し、絞
られた部分で合流する形状となり、この形状が繰り返さ
れている(離合らせん)。このような形状とすることに
より乱流が促進される。
【0031】図8の中子81は、図1の中子と同様にら
せん形に流路19cが形成されているが、流路19cの
断面積が大きい部分と小さい部分が交互に繰り返されて
いる(拡縮らせん)。このような形状にすることにより
乱流がさらに促進される。この場合は流路の断面の側面
間の距離を変えて拡縮させているが、基材パイプ(流路
の底になる部分)に凹部を設けて、断面の上下面間の距
離を変えて拡縮させてもよい。
【0032】図9は、本発明の他の実施例に係る温水器
の構造を示す斜視図である。この例の温水器は、基材パ
イプ3上に配設された発熱抵抗体25の配置パターン
と、中子91の流路93の配置パターンが合致してい
る。つまり、発熱抵抗体25が配置されている部分のみ
に流路93が形成されており、効率的に熱を伝えること
ができる。さらに、流水から気泡が滞留し易い部分であ
る重力方向上側に発熱抵抗体を配設しない場合は、流水
への熱伝達率をさらに向上させることができる。
【0033】以下に、中子を使用したときの効果及び中
子の形状による熱伝達性を確認した実験の結果を示す。
図10は、流速と発熱抵抗体の平均表面温度との関係を
示すグラフである。横軸は流速、縦軸は表面温度を表
す。流速は、図1のらせん中子を用いて、ねじ山が形成
された部分の軸の径と流路の幅を変える方法を用いた。
各流速でのヒータ部の表面温度を放射温度計を使用して
計測した。ヒータの電力密度は55W/cm2、通水量
は300cc/minである。このグラフより、流速が
早くなるほど表面温度は低下し、ほぼ130℃付近で一
定となる。つまり、同じ電力密度でヒータを加熱して
も、流速が早くなると、その発熱量がヒータ自身の温度
(表面温度)の上昇に向けられるのではなく、ほとんど
が流水に伝えられていることとなる。
【0034】図11は、流速と電力密度の関係から沸騰
音の発生域を示すグラフである。横軸は流速、縦軸は電
力密度を表す。流速は、図1のらせん中子を用いて、図
10の説明と同様に、ねじ山が切られた部分の軸の径と
流路の幅を変えて変化させた。各流速でヒータの電力密
度を上げていき、沸騰音が発生し始めたときの電力密度
をプロットした。グラフ中の実線より上の部分が沸騰音
の発生する領域であり、実線より下の部分が沸騰音の発
生しない領域である。通水量は300cc/minであ
る。このグラフから、流速が速くなると沸騰音は発生し
にくくなっている。
【0035】図10、図11より、流速が0.2m/s
以上の場合、沸騰音は発生しなかった。したがって、流
速を0.2m/s以上とすることで、熱伝達率が大幅に
向上し、さらに表面温度は160℃以下となり、沸騰音
の発生が抑えられる。また、電力密度が70W/cm2
以下で、流速が0.2m/s以上ならば沸騰音は発生し
ない。このとき、図10のグラフより、電力密度が55
W/cm2の場合、表面温度は160℃程度である。
【0036】図12は、らせん中子の形状による電力密
度と表面温度の関係を示すグラフである。横軸は電力密
度、縦軸は表面温度を表す。実線はらせん中子の形状が
図7に示すもの(離合らせん)、破線は図1に示すもの
で流路の断面積が広い(単純らせん)である。ここで、
離合らせんの流路の平均断面積は11.3mm2、単純
らせんの流路の断面積は6mm2である。各場合におい
て電力密度の上昇とともに表面温度もほぼ同様に上昇し
ている。離合らせんの断面積は単純らせんの断面積の約
2倍であり、流速が遅いにもかかわらずほぼ同様の結果
が得られる。これは流水の分離と合流の離合効果により
乱流が促進されて伝熱効率が上昇したためである。
【0037】図13は、らせん中子の形状による電力密
度と表面温度の関係を示すグラフである。横軸は電力密
度、縦軸は表面温度を表す。実線はらせん中子の形状が
図6に示すもの(幅狭単純らせん)、破線は図8に示す
もの(拡縮らせん)である。らせん中子の幅狭単純らせ
んの流路の断面積は4mm2、拡縮らせんの流路の平均
断面積は5mm2である。各場合において電力密度の上
昇とともに表面温度も上昇している。このとき、拡縮ら
せんの方が(平均)断面積が大きいにもかかわらず、表
面温度が低い。つまり、ヒータの発熱量がヒータ自身の
温度上昇でなく、流水に伝達されていることとなり、熱
伝達率が上がっている。これは、拡縮らせんの方が乱流
が促進されているためである。
【0038】上述の実験において、部分的な小沸騰や水
中に混入した空気の分離等の理由により流水中に気泡が
発生した場合は、らせん形の流路を流れる間に気泡が内
側に離脱し、気泡が基材パイプの内面と接することがな
く、熱伝達率がさらに向上している。なお、以上の結果
は基材パイプが断面が円形の直管である場合について得
られたものであるが、基材パイプとして断面が楕円や角
形の場合や曲管の場合でも同様な結果を得ることができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、パイプヒータの熱伝達率を向上させることが
でき、小型で熱伝達率の高い温水器を提供することがで
き、この温水器を使用した小型で高効率の人体洗浄装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る人体洗浄装置に使用さ
れる温水器の構造を示す側面断面図である。
【図2】図1の温水器に使用されるヒータ部の構造を模
式的に示す断面図である。
【図3】本実施形態に係る局部洗浄装置を示す概略図で
ある。
【図4】図3の局部洗浄装置の回路構成を示すブロック
図である。
【図5】図1の温水器に使用される中子の形状を示す図
であり、図5(A)は斜視図、図5(B)は断面図であ
る。
【図6】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側
面図である。
【図7】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側
面図である。
【図8】図1の温水器に使用される中子の形状を示す側
面図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る温水器の構造を示す
斜視図である。
【図10】流速とヒータの表面温度の関係を示すグラフ
である。
【図11】流速と電力密度の関係から沸騰音の発生域を
示すグラフである。
【図12】らせん中子の形状による電力密度と表面温度
の関係を示すグラフである。
【図13】らせん中子の形状による電力密度と表面温度
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 温水器 3 基材パイプ 5 外筒 7 ヒータ部 9 内孔 11、51、61、71、81、91 中子 13 ブッシュ 15 軸 17 ねじ山 19、53、9
3 流路 21 断熱層 22 流水面 23 断熱層 25 発熱抵抗
体 27 絶縁保護層 29 Oリング 41 給水管 43 コントロ
ールパネル 44 制御部 45 ヒータ駆
動回路 46 アース端子 47 温度検出
用抵抗体 48 端子 49 温度検出
回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 隆弘 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 (72)発明者 峯 浩二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 (72)発明者 濱田 靖夫 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 Fターム(参考) 2D038 JA00 JB04 JF00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷水を加熱して温水を生成する温水器
    と、 生成された温水を人体に浴びせるノズルと、 を備える人体洗浄装置であって;前記温水器が、 内孔に水の流れる流路を有する管状の電気加熱部材(パ
    イプヒータ)を具備し、該パイプヒータの流路の断面積
    がパイプヒータの断面積よりも狭く、該パイプヒータの
    流路の長さがパイプヒータの長さよりも長いことを特徴
    とする人体洗浄装置。
  2. 【請求項2】 冷水を加熱して温水を生成する温水器
    と、 生成された温水を人体に浴びせるノズルと、を備える人
    体洗浄装置であって;前記温水器が、 内孔に水の流れる流路を有する管状の電気加熱部材(パ
    イプヒータ)を具備し、 該パイプヒータの内孔中央部を塞ぐ部材が設けられてお
    り、前記流路が前記パイプヒータ内面に沿う部分に限定
    されていることを特徴とする人体洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記パイプヒータが、金属製の基材と、
    該基材の上に層状に形成されたヒータ層と、を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の人体洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記パイプヒータの長手方向の限定され
    た部分にのみ加熱部が形成されており、同加熱部におけ
    る前記流路の断面積が、他のパイプヒータの部分の断面
    積の1/2以下であることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の人体洗浄装置。
  5. 【請求項5】 前記流路が、該流路の長さ方向に沿った
    螺旋形であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1
    項記載の人体洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前記流路が、複数の流路への分岐と合流
    を繰り返す形状であることを特徴とする請求項1〜5い
    ずれか1項記載の人体洗浄装置。
  7. 【請求項7】 前記流路が、該流路の断面積が大きい部
    分と小さい部分が交互に形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜6いずれか1項記載の人体洗浄装置。
  8. 【請求項8】 前記流路が、前記パイプヒータの発熱抵
    抗体の配設パターンと合致した形状であることを特徴と
    する請求項1〜7いずれか1項記載の人体洗浄装置。
  9. 【請求項9】 前記パイプヒータの表面温度が160℃
    以下であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項
    記載の人体洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記流路を流れる流体の速度が0.2
    m/s以上であることを特徴とする請求項1〜10いず
    れか1項記載の人体洗浄装置。
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