JP2001276839A - 液体処理方法および液体処理システム - Google Patents

液体処理方法および液体処理システム

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JP2001276839A
JP2001276839A JP2001073548A JP2001073548A JP2001276839A JP 2001276839 A JP2001276839 A JP 2001276839A JP 2001073548 A JP2001073548 A JP 2001073548A JP 2001073548 A JP2001073548 A JP 2001073548A JP 2001276839 A JP2001276839 A JP 2001276839A
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treatment
liquid
tank
processing
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Toshiichi Mori
敏一 森
Mitsuo Tsuda
光男 津田
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PROUD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体処理設備を小規模化することができてイ
ニシャルコストおよびランニングコストを低廉化できる
とともに、簡単な操作により液体中の水溶性有機物や微
生物等を確実に除去でき、しかも脱臭、脱色、殺菌、液
体の細分化処理および酸化還元処理を行うことのできる
液体処理方法および液体処理システムを提供すること。 【解決手段】 水溶性有機物や微生物等のコロイド粒子
を含む液体を磁界中においてミキシング処理し、この処
理後の液体を電圧が印加されたメッシュ状部材に通過さ
せ、さらに前記液体に交流高電圧を印加するとともに高
周域の電磁波を発信するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体処理方法および
液体処理システムに係り、特に、河川や湖沼の水をはじ
め畜産用排水や工業用排水等の高濃度排水、その他の水
溶性有機物や微生物を含む液体を浄化するのに好適な液
体処理方法および液体処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から牛や豚等の糞尿を含んだ畜産用
排水、あるいは洗浄液や工場廃液等の化学物質を含む工
業用排水を浄化処理する方法やシステムが提案されてい
る。
【0003】このような従来の液体処理システムについ
て養豚排水処理を例に説明すると、従来の養豚排水等の
水処理システムは、図32に示すように、スクリーン1
35等に原水を通過させて固形の浮遊物を除去するため
の濾過処理手段131と、好気性微生物により水溶性有
機物等を分解処理するための活性汚泥処理手段132
と、この分解により原水から分離された水溶性有機物を
沈殿させて水と沈殿物とに分離する沈殿分解処理手段1
33と、前記沈殿物から水分を脱水除去するための脱水
処理手段134とから構成されている。
【0004】これらの各処理手段についてより具体的に
説明すると、前記濾過処理手段131では、糞尿等の固
形浮遊物を含む原水がスクリーン135を通過する際に
前記浮遊物がスクリーン135に捕えられて除去され
る。この浮遊物の除去された原水は、一旦、貯留タンク
136に貯留された後に計量タンク137に移送されて
活性汚泥処理可能な水量ごとに活性汚泥処理手段132
としての活性汚泥処理タンク118に流入される。この
活性汚泥処理タンク118では、好気性微生物が原水中
の窒素等の水溶性有機物を生物分解するようになってい
る。この処理手段で生物分解された原水は沈殿分解処理
手段133としての沈殿タンク139に送られ、この沈
殿タンク139において、水溶性有機物等を沈殿タンク
139の底に沈殿させて水と分離し、この水は消毒後に
河川等に放流され、前記沈殿物は脱水処理手段134に
移送される。この脱水処理手段134では、脱水機14
0により脱水されて固形物にされて排出される。
【0005】ここで、従来の水処理システムにおいて
は、前記活性汚泥処理タンク118の大型化による敷地
および建設費の膨大化を回避するために、前記貯留タン
ク136に前記脱水機140の洗浄水が流入されるよう
になっていた。
【0006】したがって、前記脱水機140の洗浄水に
より、有機物負荷の高いいわゆる高濃度の原水が希釈化
されるため、前記活性汚泥処理手段132における好気
性微生物の有機物分解負担が軽減されるようになってい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の水処理
システムにおいては、脱水機140の洗浄水だけでは高
濃度の原水を十分希釈しきれず、より多くの水量が必要
とされていた。また、原水希釈化の水量が増大すれば浄
化処理する水量も増加するため、結局、水処理設備が大
規模になってしまい、建設費等のイニシャルコストおよ
び液体処理のための消費電力料や水道料等のランニング
コストが高くなるという問題が生じていた。
【0008】また、高濃度汚水の生物処理を行う場合に
は維持管理が難しく、一旦、処理体系が崩れると回復ま
でに数ケ月を要し、この間、浄化処理が不完全な処理水
を河川等に放流することとなり環境汚染の問題が生じる
おそれもあった。
【0009】このような問題に対して、高分子凝集剤等
の薬品を使用して化学的に原水中の高分子の有機物を凝
集分離させて濃度を低下させる処理方法が提案されてい
た。しかし、有機物の濃度に対する薬剤の種類や投入量
の設定が微妙であり、濃度変化等に追従させることが難
しいという問題があった。また、残薬が活性汚泥処理槽
に混入してしまうと、微生物を効果的に分解処理できな
くなったり、微生物を死滅させてしまう等の問題が生じ
るおそれもあった。
【0010】さらに、好気性微生物に代えて嫌気性微生
物による分解処理方法も提案されていたが、大型タンク
に長期間貯留しなければならないため、広大な敷地が必
要であるとともに臭気対策を施さなければならないとい
う問題があった。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、液体処理設備を小規模化することができてイ
ニシャルコストおよびランニングコストを低廉化できる
とともに、簡単な操作により液体中の水溶性有機物や微
生物等を確実に除去でき、しかも脱臭、脱色、殺菌、液
体の細分化処理および酸化還元処理を行うことのできる
液体処理方法および液体処理システムを提供することを
目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係る本発明の液体処理方法の特徴は、水溶性
有機物や微生物等のコロイド粒子を含む液体を磁界中に
おいてミキシング処理し、この処理後の液体を電圧が印
加されたメッシュ状部材に通過させ、さらに前記液体に
交流高電圧を印加するとともに高周域の電磁波を発信す
るようにした点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、磁界中のミキシング処理によって液体
分子およびコロイド粒子を細分化して帯電荷させるとと
もにコロイド粒子同士を凝集し、電圧が印加されたメッ
シュ状部材によって凝集物を確実かつ急速に液体分子か
ら分離し、さらに、交流高電圧を印加することによって
液体分子およびコロイド粒子をより微細な状態で帯電化
し、高周域の電磁波を発信することによって凝集物と液
体分子とを完全に分離し、活性化された液体を生成する
ことができる。
【0013】また、請求項2に係る液体処理システムの
特徴は、コロイド粒子を含む液体を磁界中においてミキ
シング処理する磁界ミキシング手段と、コロイド粒子の
凝集物を含む液体を電圧が印加されたメッシュ状部材に
通過させて凝集物を電気的に吸着して液体分子から分離
する電気的分離手段と、前記液体に交流高電圧を印加す
る交流高電圧印加手段と、前記液体に高周域の電磁波を
発信する高周域電磁波発信手段とを有する点にある。そ
して、このような構成を採用したことにより、磁界ミキ
シング手段が液体分子およびコロイド粒子を細分化して
帯電荷させるとともにコロイド粒子同士を凝集し、電気
的分離手段が凝集物を確実かつ急速に液体分子から分離
し、さらに、交流高電圧印加手段が液体分子およびコロ
イド粒子をより微細な状態で帯電化し、高周域電磁波発
信手段が凝集物と液体分子とを完全に分離するため、活
性化された液体を生成することができるとともに、電圧
の切り換えにより凝集物を迅速に沈殿させることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図14を参照して説明する。
【0015】なお、本発明は、プール等の上水はもちろ
ん、養豚や養牛等の畜産排水、工場廃液等の工業排水お
よび廃油など種々の液体を浄化する場合に利用が可能で
あるが、便宜上、以下の説明においては養豚排水または
工業用排水等の水浄化処理システムを実施の一例として
説明する。
【0016】図1は本発明の液体処理システムの第1実
施形態を示しており、本第1実施形態は、豚の排尿等を
含む原水から比重の大きい固形浮遊物をスクリーン等に
より除去するための濾過処理手段1と、濾過後のまだ濁
っている原水に電磁波のマイクロ波を発振して、これに
よる電界がコロイド粒子と水分子とを分離するための第
1分離処理手段2と、この分離後の原水に低周域の超音
波を発振してコロイド粒子を凝集するとともに水分子か
ら分散させるための第1凝集処理手段3と、磁界中にお
いてミキシングされることにより原水中の水分子とコロ
イド粒子とを細分化しつつ帯電整列化させる細分帯電荷
処理手段4と、この細分化され、かつ、帯電整列化され
た処理水に再び電磁波のマイクロ波を発振して微細なコ
ロイド粒子と水分子とに分離するための第2分離処理手
段5と、この分離後の処理水に高周域の電磁超音波を発
振して処理水から悪臭を除去するための脱臭処理手段6
と、この脱臭処理後の処理水に低周域の超音波を発振し
て前記コロイド粒子を凝集するとともに水分子から分散
させるための第2凝集処理手段7と、処理水に高電圧パ
ルスを印加して前記処理水から窒素を分離除去するとと
もにオゾンを発生させることにより前記処理水の脱色お
よび殺菌処理を行うための高電圧パルス処理手段8と、
前記コロイド粒子の重金属等の金属物質を含む凝集物を
磁力により吸着沈殿し排出するための凝集物排出処理手
段9と、磁界の作用によりクラスターとも呼ばれる水分
子をより微細化して活性化した活性水を生成するための
水分子細分化処理手段10と、帯電荷処理によりイオン
化された処理水を酸化還元反応させて安定した状態に戻
すための酸化還元処理手段11と、前記コロイド粒子か
らなる沈殿物を脱水処理するための脱水処理手段12
と、前記各処理手段と接続され各処理動作を制御するた
めの集中制御手段13とから構成されている。
【0017】以上の各手段についてより具体的に説明す
る。
【0018】前記濾過処理手段1は、図1に示すよう
に、原水を濾過するためのスクリーンまたはフィルタ等
の濾過体14と、濾過後の浮遊物を排出するための屎渣
受部15と、濾過後の原水を貯留するための原水タンク
16とから構成されている。
【0019】そして、前記濾過処理手段1は、原水を前
記濾過体14に通過させることにより、すでに水と分離
して原水中に浮遊している固形浮遊物を濾し取って前記
屎渣受部15へ排出するようになっている。また、前記
濾過体14によって濾過された原水は、一旦、原水タン
ク16に貯留された後に原水移送ポンプ17によって次
の処理段階である前記第1分離処理手段2へと移送され
る。このため、この原水タンク16には、図2および図
3に示すように、その上部に濾過後の原水を流入させる
ための流入パイプ18が連結されているとともに、側面
下方部には第1移送パイプ19aが連結されていて前記
原水移送ポンプ17の吸引力により原水が次の処理段階
へ移送されるようになっている。
【0020】また、前記原水タンク16の底部には、沈
殿物を排出するための第1排出パイプ20aが連結され
ており、この第1排出パイプ20aを通じて沈殿物が前
記脱水処理手段12へと移送されるようになっている。
【0021】なお、前記原水タンク16には、前記脱水
処理手段12の後述する脱水機56により沈殿物から脱
水された水およびこの脱水機56を洗浄した後の水が流
入されるようになっており、原水の希釈化に利用される
ようになっている。
【0022】つぎに、第1分離処理手段2について説明
する。
【0023】前記第1分離処理手段2には、図1および
図2に示すように、前記第1移送パイプ19aと連結さ
れた第1分離処理パイプ22が配設されており、この第
1分離処理パイプ22の外周には電磁コイル23が巻回
されているとともに円管状の第1マイクロ波発振管体2
4が配設されている。この第1マイクロ波発振管体24
は、ネオジューム板等の磁石により構成されており、上
部側がN極とされ、下部側がS極とされている。そし
て、この第1マイクロ波発振管体24からは、原水の濃
度に応じて300MHz〜16GHzの周波数、より好
ましくはコロイド粒子を分離する観点から2.4G〜1
0.5GHzの周波数、さらに好ましくは10.5GH
zの周波数のマイクロ波が発振されるようになってい
る。このような永久磁石、電磁石および電磁波であるマ
イクロ波により磁界および電界の合成場が形成され、こ
れにより原水中のコロイド粒子および水分子を分離させ
るようになっている。
【0024】ここで、マイクロ波は、図7に示すよう
に、主として原水が破壊されてコロイド粒子と水分子と
を帯電荷させてばらばらに分散する作用を有していると
考えられる。
【0025】そして、分散された処理水は、前記第1分
離処理パイプ22に連結されている第2移送パイプ19
bを通して前記第1凝集処理手段3へ移送される。
【0026】つぎに、第1凝集処理手段3について説明
する。
【0027】前記第1凝集処理手段3には、図1乃至図
3に示すように、第1凝集処理タンク26が配設されて
おり、この第1凝集処理タンク26の底部には前記第2
移送パイプ19bが連結されていて、前記第1分離処理
パイプ22から処理水が流入されるようになっている。
【0028】そして、前記第1凝集処理タンク26内に
は、図3および図4に示すように、原水の濃度に応じて
100kHz以下の周波数範囲で低周域の超音波を発振
する複数の第1低周域超音波発振体27が配設されてい
る。本第1実施形態においては、前記第1低周域超音波
発振体27は、28kHzまたは40kHzの超音波を
横波として発振する第1低周域超音波発振体27aと、
48kHzまたは100kHzの超音波を横波として発
振する第1低周域超音波発振体27bとから構成されて
いる。これらの超音波によるキャビテーション作用等に
より、28kHzまたは40kHzの低周域超音波は、
前記分散されたコロイド粒子を凝集する役割を有してお
り、前記48kHzまたは100kHzの低周域超音波
は、凝集するコロイド粒子と水分子とを分散させる役割
を有している。なお、これらの超音波出力は、300W
〜1.2kWとされている。
【0029】また、前記第1凝集処理タンク26の底部
の内面には、ネオジューム等の永久磁石28aが敷設さ
れているとともに、前記底部には、第2排出パイプ20
bが連結されている。このため、前記帯電状態にあるコ
ロイド粒子の凝集物は前記永久磁石28aに吸引されて
沈殿するようになっており、この沈殿物は、前記第2排
出パイプ20bを通って前記脱水処理手段12へと移送
されるようになっている。
【0030】そして、第1段階の凝集処理がされた処理
水は、前記第1凝集処理タンク26の側面上方部に連結
されている第3移送パイプ19cを通って前記細分帯電
荷処理手段4へと移送される。また、この第3移送パイ
プ19cの途中には、加圧ポンプ29が配設されてお
り、前記細分帯電荷処理手段4へ流入させる処理水を適
度な圧力をもって流入させるようになっている。
【0031】なお、前記第1凝集処理タンク26の上部
には、原水に含まれる空気を排出するためのエア排出口
49が配設されている。
【0032】つぎに、細分帯電荷処理手段4について説
明する。
【0033】前記細分帯電荷処理手段4には、前記第3
移送パイプ19cに連結されたミキシング管等の細分帯
電荷処理パイプ30が配設されており、図8に示すよう
に、この細分帯電荷処理パイプ30の上下部には、約1
0000Gaussのネオジューム板31aが配設され
ているとともに、前記細分帯電荷処理パイプ30内に
は、約11000Gaussの磁力のネオジューム素子
31bが埋設されたセラミックス材料からなるネオジュ
ーム素子羽根32が配設されている。このネオジューム
素子羽根32は、螺旋状にねじられた平板により形成さ
れており、図8に示すように、処理水が通過される方向
に沿って羽根32の幅方向端部にネオジューム素子31
bが、例えば「NNSSNNSS・・・」の順に交互に
埋設されている。前記ネオジューム板31aの磁界およ
び前記ネオジューム素子羽根32のミキシングの作用に
より、処理水中の水分子およびコロイド粒子を細分化し
て電荷を帯びさせて整列させるようになっている。この
ため、細分帯電荷処理手段4では、同電位の分子を強力
に吸着させることにより前記第1分離凝集処理では除去
しきれなかった、より微細なコロイド粒子を次の第2分
離凝集処理段階において容易に処理できるようになる。
【0034】なお、前記細分帯電荷処理パイプ30の上
下部に配設されたネオジューム板31aを電磁石により
形成するようにしてもよい。
【0035】つぎに、第2分離処理手段5について説明
する。
【0036】前記第2分離処理手段5は、前述した第1
分離処理手段2とほぼ同様の構成を有している。すなわ
ち、前記第2分離処理手段5には、図2および図5に示
すように、前記細分帯電荷処理パイプ30と連結された
第2分離処理パイプ33が配設されており、この第2分
離処理パイプ33の外周には電磁コイル34が巻回され
ているとともに第2マイクロ波発振管体35が配設され
ている。この第2マイクロ波発振管体35は、ネオジュ
ーム板等の磁石により構成されており、上部側がN極と
され下部側がS極とされている。そして、流入する処理
水の濃度に応じて300M〜16GHzの周波数、より
好ましくはコロイド粒子の分離処理を行う観点から2.
4G〜10.5GHzの周波数、さらに好ましくは1
0.5GHzの周波数範囲のマイクロ波が約1μsec
間発振されるようになっており、このようなマイクロ波
を処理水に発振すると、処理水が破壊されてより微細な
コロイド粒子および水分子が形成されこれらがばらばら
に分散されることになる。
【0037】その後、分散された処理水は、前記第2分
離処理パイプ33から次の前記脱臭処理手段6へと移送
される。
【0038】つぎに、脱臭処理手段6について説明す
る。
【0039】前記脱臭処理手段6には、高周域電磁超音
波発振体である脱臭処理ボックス37が配設されてお
り、この脱臭処理ボックス37内を前記第2分離処理パ
イプ33に連結した脱臭処理パイプ38が貫通されるよ
うにして配設されている。この脱臭処理パイプ38の外
側の上下位置には、図9に示すように、それぞれN極と
S極の極性を有する外部磁石39aが配設されていると
ともに、脱臭処理パイプ38の軸心位置には、棒状の内
部磁石39bが前記外部磁石39aの極性と反対の極性
が対向するように配設されている。本第1実施形態で
は、前記外部磁石39aは電磁石により形成されてお
り、前記内部磁石39bは永久磁石により形成されてい
る。さらに、前記脱臭処理パイプ38の左右側面には、
処理水の濃度に応じて3M〜300MHz、より効果的
には100MHzの周波数の縦波の超音波を約0.5s
ecの周期で発振する高周域超音波発振器40が配設さ
れている。
【0040】また、処理水は、前記脱臭処理パイプ38
においてミキシングあるいは振動されながら通過するよ
うになっており、本第1実施形態では、脱臭処理パイプ
38内に配設された図示しないノズルから噴出されると
ともに、このノズルの出口近傍に図示しない振動板が配
設されており、この振動板に処理水が衝突することによ
り激しく振動するようになっている。
【0041】また、前記外部磁石38a、内部磁石38
bおよび高周域超音波発振器40により、磁界と電界に
よる合成場が形成され、いわゆる電磁超音波が発生され
るようになっており、この電磁超音波が、コロイド粒子
のアミノ酸を粉砕し完全に処理水から臭気を除去するよ
うになっている。
【0042】なお、前記電磁超音波は、磁界中に電界を
交互にかけるようにして1kWの出力で前述した細分帯
電荷処理手段4の細分帯電荷処理パイプ30にも発射す
るようにしてもよい。
【0043】この脱臭処理パイプ38で脱臭された処理
水は、次の処理段階である第2凝集処理手段7へと移送
される。
【0044】つぎに、第2凝集処理手段7について説明
する。
【0045】前記第2凝集処理手段7には、第2凝集処
理パイプ41が配設されており、この第2凝集処理パイ
プ41の外周には、電磁コイル42が巻回されていると
ともに、処理水の濃度に応じて50kHz以下の周波数
範囲で低周域の超音波を発振する第2低周域超音波発振
体43が配設されている。
【0046】この第2低周域超音波発振体43によって
低周域の超音波が処理水に発振されると、不規則になら
んでいる水分子およびコロイド粒子のうち、負イオンに
帯電している水分子が前記第2凝集処理パイプ41の壁
面側へ吸引されて壁面に沿って流れ、正イオンに帯電し
ているコロイド粒子が前記第2凝集処理パイプ41の中
心部側を流れるようになり、水分子とコロイド粒子とが
分散されて前記コロイド粒子同士が凝集されるようにな
っている。
【0047】このようにして第2凝集処理が行われた処
理水は、次の高電圧パルス処理手段8へと移送される。
【0048】前記高電圧パルス処理手段8は、約10k
〜60kVの高電圧を異なる周期で印加することにより
プラズマを発生させて処理水中の窒素分子を除去するも
のである。
【0049】このため、図10に示すように、前記高電
圧パルス処理手段8には、高電圧パルス処理パイプ45
が前記第2凝集処理パイプ41に連結されるようにして
配設されており、前記高電圧パルス処理パイプ45に
は、異なる周期で印加される高電圧パルス発生体として
の複数の電極体46A,46A´,46B,46B´,
46C,46Dが配設されている。
【0050】これらの電極体46A−46A´間および
電極体46B−46B´間には、図11に示すように、
10k〜30kVの電圧が20μs印加されて20μs
経過後に再び20μs印加されて、その後5μs経過後
に再び同様のパターンの電圧の印加が繰り返されるよう
になっている。
【0051】一方、電極体46C−46D間には、図1
2に示すように、約60kVの電圧が10μsの周期で
5μs間印加されるようになっている。
【0052】図13には、前記各電極体46A,46A
´,46B,46B´,46C,46Dにより電圧が印
加された場合の水分子およびコロイド粒子の状態変化を
示す。図13中の大きな円は水分子であり、これに結合
している小さな円はコロイド粒子である。まず、電極体
46A−46A´間および電極体46B−46B´間の
高電圧パルスにより、水分子が負電荷に帯電され窒素分
子が正電荷に帯電される。そして、電極体46A−46
B´間および電極体46A´−46B間の高電圧パルス
により、水分子と窒素分子とを分離する作用が生じ、電
極体46C−46D間の高電圧パルスにより窒素分子が
水分子から完全に引き裂かれる。この窒素分子がとばさ
れるのと同時に、処理中の酸素分子が結合してオゾンが
発生する。このオゾンは、処理水を脱色し、かつ、殺菌
する効果を有している。
【0053】したがって、前記高電圧パルス処理手段8
により、前記処理水は窒素を除去することができるとと
もに処理水の脱色および殺菌を行うことができるように
なっている。
【0054】この高電圧パルス処理手段8の前記高電圧
パルス処理パイプ45の流出側には、第4移送パイプ1
9dが連結されており、処理水が次の処理段階である前
記凝集物排出処理手段9たる排出処理タンク48へと移
送されることになる。
【0055】つぎに、凝集物排出処理手段9について説
明する。
【0056】前記凝集物排出処理手段9は、ネオジュー
ム等の永久磁石28bによって第2分離凝集処理により
凝集物とされたコロイド粒子を下方へ吸着して排出する
ものである。
【0057】このため、図1、図2および図6に示すよ
うに、前記凝集物排出処理手段9には、処理水を貯留す
るための排出処理タンク48が配設されている。この排
出処理タンク48の底部には、前記第4移送パイプ19
dが連結されていて凝集物を含む処理水が流入されるよ
うになっているとともに、ネオジューム等の永久磁石2
8bが敷設されており、前記第4移送パイプ19dから
流入された処理水のうち帯電状態にある凝集物が前記永
久磁石28bの磁力により吸引されて底部に沈殿化する
ようになっている。
【0058】そして、前記排出処理タンク48の底部に
集められた沈殿物は、前記排出処理タンク48の底部に
連結されている第3排出パイプ20cから前記脱水処理
手段12へと排出されるようになっている。
【0059】なお、前記永久磁石28bの磁力は、処理
水の有機物濃度に応じて決定されるようになっている。
このため、高濃度の原水、すなわちコロイド粒子が大量
に含まれている原水を処理する場合には、大量の凝集物
を吸着する必要があることから、前記電磁石の磁力は大
きく設定されるようになっており、逆に、低濃度の原水
を処理する場合には、前記電磁石の磁力は小さく設定さ
れるようになっている。
【0060】また、前記排出処理タンク48の上部に
は、エア排出口49およびオゾン排出口50が配設され
ており、前記高電圧パルス処理により発生する窒素等の
空気およびオゾンを外部へ排出するようになっている。
【0061】そして、前記排出処理タンク48内で凝集
物等が除去された処理水は、前記排出処理タンク48の
側面上方部に連結された第5移送パイプ19eを通って
次の水分子細分化処理手段10へと移送される。
【0062】つぎに、水分子細分化処理手段10につい
て説明する。
【0063】前記水分子細分化処理手段10は、強力な
磁力の作用により、前述までの各処理により浄化された
水の水分子をさらに細分化して活性水を生成するように
なっている。
【0064】このため、前記水分子細分化処理手段10
には、図1、図2および図6に示すように、細分化処理
タンク51が配設されており、この細分化処理タンク5
1内にセラミック等の絶縁性材料からなる筒体52が上
下方向を長手方向となるようにして配設されている。そ
して、前記細分化処理タンク51の側面上方部に前記第
5移送パイプ19eが連結されているとともに、この第
5移送パイプ19eと前記筒体52とを連通する筒体内
移送用パイプ53が配設されている。このため、水分子
細分化処理された水は、前記第5移送パイプ19eおよ
び前記筒体内移送用パイプ53を通って筒体52の内側
へ流入されるようになっている。
【0065】また、前記筒体52の底面側は開口されて
おり、筒体52の外周面には図示しない電磁コイルが巻
回されている。このため、前記電磁コイルに電流が流さ
れると、前記筒体52の内側では下方へ作用する力が発
生し、流入される処理水が前記水分子細分化処理タンク
51の底部方向へ移送されるようになっている。
【0066】一方、前記水分子細分化処理タンク51の
上部および底部の内面には、それぞれ約10000Ga
ussのネオジューム等の永久磁石28c,28dが磁
界形成体として敷設されており、水分子細分化処理タン
ク51内に強力な磁場が形成されている。この強力な磁
力により、処理水が前記水分子細分化処理タンク51内
を通過すると、その水分子、いわゆるクラスターをより
細分化して活性化した活性水が生成されるようになって
いる。
【0067】したがって、この処理後の水は、動物の飲
料水として利用されたり、植物に与えられた場合にはそ
の成長に著しい効果を発揮できるものとなる。
【0068】また、水分子の細分化処理が行われた処理
水は、前記水分子細分化処理タンク51の側面上方部に
連結されている吐出パイプ54から流出され、そのまま
河川等に放流されたり、あるいは動植物に与える水等と
して利用できるようにされている。
【0069】なお、前記水分子細分化処理タンク51の
底部には、第4排出パイプ20dが連結されており、底
面に敷設された前記永久磁石28dに吸着される最終的
なコロイド粒子等を前記脱水処理手段12へと排出する
ようになっている。
【0070】また、前記水分子細分化処理タンク51の
上部には、処理水に残存している窒素等の空気やオゾン
を排出するためのエア排出口49およびオゾン排出口5
0が形成されている。
【0071】つぎに、酸化還元処理手段11について説
明する。
【0072】前記酸化還元処理手段11は、図1、図2
および図6に示すように、4つの適当な電位を有する電
極部材55により構成されている。これらの電極部材5
5の表面では、前述の各処理によりイオン化された処理
水が電子の授受を行って酸化還元反応を生じるようにな
っている。この酸化還元反応により、前記処理水は化学
反応を起こしやすいイオン化の状態から化学反応しにく
い安定的な状態に戻されることになる。
【0073】なお、本第1実施形態では、前記酸化還元
反応を電極部材55を介して電極反応として行っている
が、場合によっては適当な酸化剤や還元剤を使用しても
よい。
【0074】つぎに、脱水処理手段12について説明す
る。
【0075】前記脱水処理手段12には、脱水機56が
配設されており、遠心分離等の作用により前記各処理手
段から排出された沈殿物に含まれている水分を除去する
ようになっている。前記脱水機56は、前記沈殿物の水
分含水率を約98%から約80%程度にまで低下させる
ことができる。このため、堆肥化プラントにおいてより
効率的に処理することができるようになる。
【0076】また、前述したように、前記脱水機56に
は、脱水作用により発生する水分および前記脱水機56
の洗浄水を前記原水タンク16へと移送して原水を希釈
化するための原水希釈用パイプ57が連結されている。
【0077】一方、前記脱水機56により脱水された後
の固形物は固形物受部58へと排出される。その後、こ
の固形物は、前述した濾過処理手段1により濾過された
固形物とともに堆肥化プラントへ搬送されて堆肥原料と
して堆肥化処理され農業肥料として再利用されるように
なっている。
【0078】つぎに、集中制御手段13について説明す
る。
【0079】前記集中制御手段13は、図14のブロッ
ク図に示すように、第1分離処理手段2で発振される3
00M〜16GHzのマイクロ波の出力を制御する第1
マイクロ波制御部60と、第1凝集処理手段3において
発振される100kHz以下の低周域の超音波の出力を
制御する第1低周域超音波制御部61と、前記第2分離
処理手段5において発振される300M〜16GHzの
マイクロ波の出力を制御する第2マイクロ波制御部62
と、第2凝集処理手段7において発振される50kHz
以下の低周域の超音波の出力を制御する第2低周域超音
波制御部63と、脱臭処理手段6において発振される3
M〜300MHzの高周域電磁超音波の出力を制御する
高周域電磁超音波制御部64と、高電圧パルス処理手段
8において印加される高電圧パルスの出力を制御する高
電圧パルス制御部65と、前記酸化還元処理手段11に
おいて電極部材55に印加する電圧を制御する電圧制御
部66と、前記脱水処理手段12の脱水機56の動作を
制御する脱水制御部67とを有している。これらの各制
御部は、集中制御盤68の各スイッチ(図示せず)によ
り容易に制御操作できるようになっており、通常時には
自動制御されている。
【0080】つぎに、本発明の第1実施形態における水
処理方法について説明する。
【0081】本第1実施形態における水処理方法は、ま
ず、養豚排水および工業用排水等を含む原水を濾過処理
手段1のスクリーンを通過させて濾過し、原水中に分離
しているコロイド粒子を除去して屎渣受部15に排出す
るとともに、濾過された原水を原水タンク16に一旦貯
留する。
【0082】そして、原水移送ポンプ17が、前記原水
タンク16から原水を吸引して第1分離処理手段2の第
1分離処理パイプ22へと移送する。この第1分離処理
手段2は、前記第1マイクロ波制御部60の制御によ
り、前記第1マイクロ波発振管体24から前記原水に対
して10.5GHzのマイクロ波を発振し、前記原水を
水分子とコロイド粒子とに分離する。この分離した処理
水を第2移送パイプ19bを通して第1凝集処理手段3
へと移送する。この第1凝集処理手段3は、処理水に対
して前記第1低周域超音波制御部61の制御により、第
1低周域超音波発振体27a,27bから28kHz、
40kHz、48kHzおよび100kHzのいずれか
の超音波を発振し、前記コロイド粒子を凝集するととも
に前記水分子から分散させる。そして、前記第1凝集処
理タンク26の底面に配設した永久磁石28aが凝集さ
れたコロイド粒子を吸着して沈殿させ第2排出パイプ2
0bへ排出する。
【0083】一方、処理水は第3移送ポンプを通って加
圧ポンプ29により適度な圧力をもって細分帯電荷処理
手段4へ移送される。この細分帯電荷処理手段4は、ネ
オジューム板31aの磁力およびネオジューム素子羽根
32のミキシングにより前記原水中の水分子およびコロ
イド粒子を細分化して電荷を帯びさせて、それぞれを整
列させる。
【0084】続いて、細分帯電荷処理された水は、第2
分離処理手段5へ移送される。この第2分離処理手段5
は、前記集中制御手段13の第2マイクロ波制御部62
の制御により、前記第2マイクロ波発振管体35から前
記処理水に10.5GHzのマイクロ波を発振し、前記
処理水を水分子とコロイド粒子とに分離する。この分離
した処理水は脱臭処理手段6へ移送される。
【0085】前記脱臭処理手段6は、前記集中制御手段
13の高周域電磁超音波制御部64の制御により、磁界
中において高周域超音波発振器40から約100MHz
の超音波を処理水に発振し、この電磁超音波により処理
水から悪臭を除去する。
【0086】脱臭された処理水は、第2凝集処理手段7
へ移送される。第2凝集処理手段7は、処理水に対して
前記集中制御手段13の前記第2低周域超音波制御部6
3の制御により、第2低周域超音波発振体43から50
kHz以下の超音波を発振し、前記コロイド粒子を凝集
するとともに前記水分子から分散させる。
【0087】そして、第2凝集処理の行われた処理水
は、高電圧パルス処理手段8へ移送される。この高電圧
パルス処理手段8は、前記集中制御手段13の前記高電
圧パルス制御部65の制御により、電極体46A−46
A´間および電極体46B−46B´間にそれぞれ10
k〜30kVの電圧を印加するとともに、電極体46C
−46D間に約60kVの電圧を印加してプラズマを発
生させ、前記処理水に含まれている窒素を分離除去す
る。また、このとき発生するオゾンは、処理水を脱色お
よび殺菌する。
【0088】窒素が除去された水は、第4移送パイプ1
9dを通って前記凝集物排出処理手段9の排出処理タン
ク48へ移送される。
【0089】この排出処理タンク48では、前記永久磁
石28bが、コロイド粒子の凝集物を磁力により吸着し
前記排出処理タンク48の底部に沈殿化させて第3排出
パイプ20cから脱水処理手段12へと移送する。
【0090】凝集物が除去された処理水は、上澄みの方
から順に第5移送パイプ19eを通って水分子細分化処
理手段10の水分子細分化処理タンク51へ移送され
る。この水分子細分化処理手段10は、前記水分子細分
化処理タンク51の上面および下面に敷設した永久磁石
28c,28dにより強力な磁場を形成し、流入する処
理水の水分子をより細分化して活性水を生成する。
【0091】また、前記水分子細分化処理タンク51内
では、酸化還元処理手段11の電極部材55が、その表
面においてイオン化した処理水を酸化還元反応させて安
定した処理水に戻す処理を行う。
【0092】その後、細分化処理および酸化還元処理さ
れた水は、吐出パイプ54から流出されて河川に放流さ
れたり、動物の飲料水や植物に与える栄養水として利用
される。
【0093】一方、各処理段階で排出されたコロイド粒
子の沈殿物は、第1排出パイプ20a、第2排出パイプ
20b、第3排出パイプ20cおよび第4排出パイプ2
0dをそれぞれ通って、前記脱水処理手段12の脱水機
56へと移送される。この脱水機56では、前記集中制
御手段13の脱水制御部67の制御により前記固形物に
遠心分離作用を施し、沈殿物から水分を除去する。
【0094】そして、脱水機56により除去された水
は、脱水機56の洗浄水とともに原水希釈用パイプ57
を通って前記原水タンク16へ移送されて、原水を希釈
するのに利用される。一方、脱水処理された固形物は固
形物受部58に収納された後、堆肥化プラントへ搬送さ
れて農業用堆肥として利用される。
【0095】したがって、本発明の第1実施形態によれ
ば、集中制御手段13を用いた簡単な操作により養豚排
水や工業用化学排水等の原水中に含まれるコロイド粒子
(重金属を含む)や窒素を確実に除去できるとともに脱
臭、脱色および殺菌をも行い、さらに極めて細分化され
た水分子からなる活性水であって安定的な水を生成する
ことができるため、この活性水をそのまま放流すること
はもちろんのこと、動物の飲料水や植物に与える水とし
て利用すれば、動植物の成長に著しく効果的である。
【0096】また、水処理に必要な設備を小規模化する
ことができるとともに消費電力を少なくできるため、イ
ニシャルコストおよびランニングコストを低廉化でき
る。
【0097】つぎに、本発明の液体処理システムの第2
実施形態について図8、図9、図15乃至図27を参照
しつつ説明する。
【0098】なお、本第2実施形態の構成のうち、前述
した第1実施形態の構成と同一または同等の構成につい
ては、同一の符号を付して説明する。
【0099】本第2実施形態における液体処理システム
は、図15乃至図20に示すように、主として、処理水
中の浮遊物を除去するための浮遊物除去装置71と、処
理水中に混入している水溶性有機物や微生物のコロイド
粒子を水分子から分離させて凝集除去するとともに殺
菌、脱臭および脱色を行うための凝集装置72と、さら
に前記コロイド粒子の凝集除去を加速するとともに殺菌
や脱臭処理等を促進させるための凝集加速装置73と、
処理水中に残留する凝集物を強制的に沈殿させて除去す
るための第1沈殿装置74aおよび第2沈殿装置74b
と、凝集除去された凝集物から水分を除去して濃縮する
濃縮装置75と、これらの各タンクにおける種々の処理
動作を制御するための集中制御装置76とから構成され
ている。
【0100】なお、処理する原水中に糞尿等の重量比の
大きい固形物が含まれている場合には、前記浮遊物除去
装置71の前に、前処理手段としての遠心分離器やスク
リーン(いずれも図示せず)を任意に配設し、糞尿を含
む原水中から重量比の大きい固形物を遠心分離させて除
去するようにすればよい。
【0101】つぎに、前記各装置の構成および作用につ
いてより具体的に説明する。
【0102】前記浮遊物除去装置71には、固形物が除
去された原水を貯留する浮遊物除去タンク78が配設さ
れており、この浮遊物除去タンク78には、図16乃至
図18に示すように、正面側の側面に固形物が除去され
た原水が流入されるための原水流入パイプ79が連結さ
れており、図16の左側の側面に浮遊物が除去された後
の処理水を次の処理へ移送するための第1移送パイプ8
0aが連結されている。前記原水流入パイプ79には、
原水を流入させる動力源である原水ポンプ81が連結さ
れており、また、前記浮遊物除去タンク78の下方に
は、エアー吸込みパイプ82が連結されているととも
に、内側上方には複数の回転羽根(図示せず)が偏心回
転するように配設されている。
【0103】また、前記エアー吸込みパイプ82には、
エアーコンプレッサー83が取り付けられており、この
エアーコンプレッサー83からエアー吸込みパイプ82
を介して前記浮遊物除去タンク78内に直径数十μm程
度のエアーが吹き込まれるようになっており、このエア
ーの泡が原水中の浮遊物を吸着して一緒に浮上するよう
になっている。そして、水面まで浮上した浮遊物は回転
羽根によりかき集められて、図示しない排出口から順次
排出されて堆肥プラント(図示せず)へ搬送されるよう
になっている。
【0104】浮遊物除去処理装置において浮遊物の除去
処理が行われた処理水は、第1移送パイプ80aを通っ
て凝集装置72へと移送される。
【0105】前記凝集装置72には、図15乃至図17
に示すように、浮遊物除去処理後の処理水を貯留する凝
集タンク84が配設されており、この凝集タンク84内
には、図15に示すように、帯電荷・細胞破壊処理手段
85たる交流高電圧電極86が2つの陽極86aおよび
1つの陰極86bからなる、いわゆる3電極方式で配設
されている。この交流高電圧電極86は、通常、約60
0k〜1800kHzの周波数であって20kV以上の
電圧を8mA〜100mAで約10ms〜40msの所
定周期で切り換えて印加されるようになっており、本第
2実施形態では、より効果的に帯電荷および細胞破壊を
行う観点から、970kHzの周波数であって25k〜
28kVの電圧を約8mA〜12mAで12msの周期
で印加するようになっている。なお、3電極方式により
印加する電圧を所定の周期で切り換えるのは、交流高電
圧電極86の摩耗を防止するとともに凝集タンク84内
での帯電荷および細胞破壊の処理範囲を広げるためであ
る。
【0106】また、前記交流高電圧電極86の高電圧パ
ルスの印加方法は、グロー放電方式またはアーク放電方
式により行い、陽極86aと陰極86bとをそれぞれ液
面と水中、あるいは水中に配設するようになっている。
本第2実施形態では、陽極86aと陰極86bとを水中
に配設しており、水中間において放電するようになって
いる。
【0107】なお、前記交流高電圧電極86は、1セッ
トのみを配設するようにしてもよいが、複数セット、本
第2実施形態では2セットの交流高電圧電極86が配設
されており、処理水の濃度や水量、種類等に応じて最適
な交流高電圧電極86に任意に回路を切り換えることが
できるようになっている。
【0108】このように前記交流高電圧電極86により
処理水に高い周波数の高電圧を印加することにより、こ
の高電圧により生じる電界が、処理水中の水溶性有機物
および微生物のコロイド粒子および水分子を帯電荷させ
てコロイド粒子を凝集させ、さらに、処理水中の水溶性
有機物および微生物の細胞を破壊して大腸菌等を死滅す
るようになっている。
【0109】ここで、本第2実施形態における水溶性有
機物等のコロイド粒子を凝集させるメカニズムについて
説明すると、コロイド粒子とは、液体中に分散する水溶
性有機物の微粒子や微生物、微細藻類等の液体分子以外
の物質のことをいい、図21に示すように、これらは液
体中において水和安定状態や疎水コロイド準安定状態に
ある。したがって、水溶性有機物等のコロイド粒子を処
理水から分離除去するには、水分子の親水基の結合エネ
ルギ以上のエネルギを与えて親水基を切断して親水性コ
ロイドを疎水化し、さらに疎水コロイド準安定状態を崩
壊させてコロイド粒子を疎水化することで凝集させれば
よい。このため、本第2実施形態では、図22の化学式
に示すように、高電圧パルスのエネルギにより陽極86
aに生じたOHラジカルによって親水基を切断し、高電
圧パルスにより生じる電界でコロイド粒子を帯電荷させ
て疎水コロイド準安定状態を崩壊して疎水化し、凝集さ
せるようになっている。また、コロイド粒子が凝集して
水分子から分離されることにより水分子の脱臭および脱
色がなされるようになっている。
【0110】そして、凝集したコロイド粒子は、当該処
理により発生する窒素や二酸化炭素、酸素、水素等のガ
スとともに浮上し、これらのガスが拡散した後に沈降す
るようになっている。このため、前記凝集タンク84の
底には、図15に示すように、凝集物排出処理手段88
としてのネオジューム等の永久磁石89が敷設されてお
り、これの磁力によって帯電状態にある凝集物を吸引
し、沈殿させるようになっている。
【0111】その後、前記凝集タンク84の底部に集め
られた沈殿物は、底部に連結されている排出パイプ93
から濃縮装置75へと排出されるようになっている。
【0112】一方、アオコ等の細胞や大腸菌等の菌類
は、高電圧パルスにより発生したOHラジカルにより破
壊され死滅するようになっている。
【0113】さらに、前記凝集タンク84内には、酸化
還元処理手段91たる直流高電圧電極92が、2つの陽
極および1つの陰極92bからなる3電極方式により配
設されている。この直流高電圧電極92は、約18〜5
5Vおよび約80〜160Vの直流電圧を約3〜50A
で印加するようになっており、本第2実施形態では、よ
り効果的に酸化還元反応を促進させる観点から約55V
および約100Vの直流電圧を約7〜13Aで印加する
ようになっている。また、この直流高電圧電極92は、
電極の摩耗防止および凝集タンク84内での酸化還元処
理を広範囲にわたって行う観点から、所定の周期で陽極
および陰極92bの極性を交互に切り換えて動作するよ
うになっている。
【0114】この直流高電圧を印加することにより、処
理水の酸化還元反応が促進されて帯電荷が進行するとと
もに、炭素成分を分解することにより誘電率を均等化さ
せることができてより高電圧を印加させやすくなってい
る。
【0115】また、本第2実施形態では、前記凝集装置
72の交流高電圧電極86および直流高電圧電極92
は、それぞれグラファイトにより形成されているが、こ
れに限る必要はなく、例えば、陰極86b、92bを石
灰棒などのマグネシウム系の材質により形成しイオン媒
体電極として使用するようにしてもよい。このような陰
極86b、92bを用いると、マグネシウムが処理水中
に溶け出して凝集剤としての機能を発揮し、分離された
コロイド粒子の凝集作用をより促進させるようになる。
【0116】さらに、前記凝集装置72の交流高電圧電
極86を白金とチタンとの合金材料により形成し、一
方、直流高電圧電極92を銅とタングステンとの合金材
料により形成するようにしてもよい。このような電極材
質を用いると、電極の摩耗を抑制しつつ電子の授受を通
常よりも10倍程度促進させることができるようになっ
ている。
【0117】なお、本第2実施形態において、前記交流
高電圧電極86を白金とチタンとの合金材料により形成
する場合には、重量や製造コストおよび取り扱いの容易
性に鑑みて、白金とチタンの重量比をそれぞれ7:3と
なるようにしており、一方、前記直流高電圧電極92を
銅とタングステンとの合金材料により形成する場合に
は、同様の理由により、銅とタングステンの重量比をそ
れぞれ7:3となるようにしている。
【0118】また、前記凝集タンク84には、図16の
右側面に第2移送パイプ80bが連結されており、この
第2移送パイプ80bを介して凝集処理後の処理水が次
の凝集加速装置73へと移送されるようになっている。
【0119】つぎに、凝集加速装置73について説明す
る。
【0120】この凝集加速装置73には、図15乃至図
17および図19に示すように、凝集装置72における
凝集処理後の処理水を貯留する凝集加速タンク95が配
設されており、この凝集加速タンク95の内部には、前
述した凝集タンク84の内部と同様に、帯電荷・細胞破
壊処理手段85たる交流高電圧電極86および酸化還元
処理手段91たる直流高電圧電極92が3電極方式で配
設されており、継続的に分離凝集処理を行うようになっ
ているとともに、さらに処理水中に混入する微細なコロ
イド粒子を分離凝集し、かつ、コロイド粒子自体の脱臭
を行うため等に種々の処理手段が配設されている。
【0121】まず、前記凝集加速タンク95には、移送
パイプ(図示せず)を介してマイクロ波分離処理手段9
6たる導波管97が連結されている。この導波管97か
らは処理水の濃度に応じて300M〜16GHzの周波
数、より効果的にコロイド粒子を分離する点に鑑みると
2.4G〜10.5GHzの周波数、さらにより効果的
には10.5GHzの周波数の電磁波のマイクロ波が発
振されるようになっており、このマイクロ波により処理
水中のより微細な状態で混入しているコロイド粒子を水
分子から分離するようになっている。
【0122】つぎに、前記マイクロ波分離処理手段96
たる導波管97には、移送パイプ(図示せず)を介して
第1超音波凝集処理手段99たる超音波ボックス100
が連結されており、この超音波ボックス100に40k
〜1200kHzの周波数の超音波、より好ましくは9
50kHzの超音波を発振する振動子(図示せず)が配
設されており、この振動子から発振される超音波のキャ
ビテーション作用などにより処理水中の分離されたコロ
イド粒子を凝集させるとともに水分子から分散させるよ
うになっている。
【0123】また、第1超音波凝集処理手段99たる超
音波ボックス100には、第1実施形態における細分帯
電荷処理手段4と同等の構成からなるミキシング管等の
細分帯電荷処理パイプ30が連結されており、図8に示
すように、前記細分帯電荷処理パイプ30の上下部に
は、ネオジューム板31aが配設されているとともに、
前記細分帯電荷処理パイプ30内には、約11000G
aussの磁力のネオジューム素子31bが埋設された
セラミックス材料からなるネオジューム素子羽根32が
配設されている。このネオジューム素子羽根32は、螺
旋状にねじられた平板により形成されており、例えば図
8に示すように、処理水が通過される方向に沿って羽根
32の幅方向端部にネオジューム素子31bが「NNS
SNNSS・・・」の順に交互に埋設されている。前記
ネオジューム板31a、前記ネオジューム素子31bの
磁界および前記ネオジューム素子羽根32のミキシング
の作用により、処理水中の水分子およびコロイド粒子を
細分化して電荷を帯びさせて、それぞれ整列させるよう
になっている。このため、細分帯電荷処理手段4では、
同電位の分子を強力に吸着させてマイクロ波による分離
凝集処理において除去しきれなかった、より微細な水溶
性有機物を分離凝集処理しやすくするようになってい
る。なお、前記ネオジューム板31aを電磁石により形
成するようにしてもよい。
【0124】また、前記細分帯電荷処理パイプ30に
は、図9に示すように、第1実施形態形態と同等の構成
からなる脱臭処理手段6たる脱臭処理パイプ38が連結
されており、この脱臭処理パイプ38の外側を囲むよう
にして脱臭処理ボックス37が配設されている。この脱
臭処理パイプ38の外側の上下位置には、それぞれN極
とS極の極性を有する外部磁石39aが配設されている
とともに、脱臭処理パイプ38の軸心位置には棒状の内
部磁石39bが前記外部磁石39aの極性と反対の極性
が対向するように配設されている。本第1実施形態で
は、前記外部磁石39aは電磁石により形成されてお
り、前記内部磁石39bは永久磁石により形成されてい
る。さらに、前記脱臭処理パイプ38の左右側面には、
処理水の濃度に応じて3M〜300MHz、より効果的
には100MHzの周波数の超音波を発振する高周域超
音波発振器40が配設されている。
【0125】また、処理水は、前記脱臭処理パイプ38
においてミキシングあるいは振動されながら通過するよ
うになっており、本第1実施形態では、脱臭処理パイプ
38内に配設された図示しないノズルから噴出されると
ともに、このノズルの出口近傍に図示しない振動板が配
設されており、この振動板に処理水が衝突することによ
り激しく振動するようになっている。これらの外部磁石
39aおよび内部磁石39bと高周域超音波発振器40
により、磁界と電界の合成効果が生じて、いわゆる電磁
超音波が発生されるようになっており、この電磁超音波
により処理水から悪臭、主としてコロイド粒子のアミノ
酸を粉砕することによるコロイド粒子自体の臭気を除去
するようになっている。
【0126】なお、このような電磁超音波による効果を
増やすために、前記細分帯電荷処理手段4の細分帯電荷
処理パイプ30に対しても、磁界中に電界を交互にかけ
て1kWの出力で高周域の超音波を発振するようにして
もよい。
【0127】また、前記脱臭処理手段6たる脱臭処理パ
イプ38には、完全分離処理手段102たる高周波発生
管103が連結されており、100M〜500MHz、
より好ましくは270MHzの周波数の電磁波をかけて
高周波電界による誘導プラズマを発生させて処理水を最
適に共振させることで水溶性有機物の吸着性を促進させ
るようになっている。この高周波電界による誘導プラズ
マによって水溶性有機物は水分子に再び溶け込むことが
なくなり完全分離させるようになっている。
【0128】さらに、前記完全分離処理手段102たる
高周波発生管103には、水分子細分化処理手段105
たる細分化処理パイプ106が連結されている。この細
分化処理パイプ106の上部と下部には、それぞれ約1
0000Gaussのネオジューム等の永久磁石が磁界
形成体として埋設されており、強力な磁場が形成されて
いる。この強力な磁力により、処理水が細分化処理パイ
プ106内を通過すると、水のクラスターをより細分化
して活性化された、いわゆる活性水を生成するようにな
っている。
【0129】そして、前記水分子細分化処理手段105
たる細分化処理パイプ106には、移送パイプ(図示せ
ず)を介して前記凝集加速タンク95が連結されてお
り、前述の各処理を終えた処理水が再び凝集加速タンク
95内に流入されるようになっている。
【0130】また、前記凝集加速タンク95内には、前
述の交流高電圧電極86および直流高電圧電極92のほ
かに、第2超音波凝集処理手段108たる100kHz
以下の超音波を発振する複数の超音波発振体109が配
設されている。本第2実施形態の超音波発振体109
は、それぞれ28kHz、40kHzおよび48kHz
の周波数の縦波による超音波と100kHzの周波数の
横波による超音波を発振するようになっている。これら
の超音波は、処理水の濃度により使い分けるようになっ
ており、水溶性有機物を凝集するとともに、これらの凝
集物と水分子とを分散させる役割を有している。
【0131】また、前記凝集加速タンク95内の底部に
は、凝集物排出処理手段88たるネオジューム等の永久
磁石89が敷設されており、流入された処理水のうち帯
電状態にある凝集物が前記永久磁石89の磁力により吸
引されて底部に沈殿化するようになっている。
【0132】その後、前記凝集加速タンク95の底部に
集められた沈殿物は、底部に連結されている排出パイプ
93から濃縮装置75へと排出されるようになってい
る。
【0133】なお、本第2実施形態では、製品化の都合
上、マイクロ波分離処理手段96、超音波凝集処理手
段、細分帯電荷処理手段、脱臭処理手段、完全分離処理
手段102および水分子細分化処理手段105が、それ
ぞれ凝集加速タンク95の外部に配設される構成となっ
ているが、これらを凝集加速タンク95の内部に配設す
るようにしてもよく、同等の効果を得ることができる。
また、前記凝集加速タンク95では、ポンプ等により処
理水を順次循環させるようになっており、処理水の水量
が多い場合には循環速度を高めて複数回循環させるよう
になっている。
【0134】つぎに、第1沈殿装置74aおよび第2沈
殿装置74bについて説明する。
【0135】第1沈殿装置74aは、第3移送パイプ8
0cを介して前記凝集加速装置73と連結されており、
さらに第2沈殿装置74bは第4移送パイプ80dを介
して前記第1沈殿装置74aと連結されている。これら
の第1沈殿装置74aおよび第2沈殿装置74bは、汚
れのひどい原水を処理する場合に、より確実に処理水か
ら水溶性有機物等の汚物を除去するために同等の構成を
有する沈殿装置74a,74bを2台配設しているもの
であり、1台だけの沈殿装置74でも充分効果を発揮す
るようになっている。
【0136】図15、図17、図19、図20、図23
および図24に示すように、これらの第1沈殿装置74
aおよび第2沈殿装置74bには、凝集加速装置73で
処理された処理水が貯留される第1沈殿タンク111a
および第2沈殿タンク111bがそれぞれ配設されてお
り、これらの内部には、凝集物沈殿処理手段113たる
格子状の電気的分離膜114が上下方向に複数枚配設さ
れている。この電気的分離膜114の格子の升目は、1
辺が約1〜5mmに形成されており、高電圧パルス発生
器115により、各升目には5mA〜30mAの電流が
流れ、10k〜60kV、より好ましくは20kVの高
電圧が印加されるようになっている。これらの電気的分
離膜114は、各沈殿タンク111a,111bの下方
から流入される処理水の帯電荷された凝集物を吸着して
上方へ通過するのを妨げ、これらの凝集物を排出する際
には、電極の極性を切り換えて凝集物を下方に落とすよ
うにして急速に沈殿させるようになっている。
【0137】また、前記第1沈殿タンク111aおよび
第2沈殿タンク111bの底部には、ネオジューム等の
永久磁石89が敷設されており、強制的に沈殿される帯
電荷された凝集物を確実に吸着して排出パイプ93を介
して堆肥プラントへ排出するようになっている。
【0138】さらに、前記第2沈殿タンク111bに
は、図15に示すように、前記浮遊物除去タンク78と
連通する希釈用移送パイプ116が連結されており、本
第2実施形態で処理した処理水の一部を前浮遊物除去タ
ンク78に流入させるようになっている。この処理後の
水は、いわゆる活性水と呼ばれ、水分子が帯電荷状態に
あるため、原水に混入されると酸化還元反応を起こして
汚れを分解する性質を有している。本第2実施形態で
は、第2沈殿装置74bで処理した後の処理水を浮遊物
除去タンク78に混入させるようになっているが、凝集
装置72で処理した直後の処理水の方がより水分子が帯
電荷されているため、効果的に酸化還元反応による汚れ
の分解を促進することができる。したがって、例えば、
河川の水を凝集装置72で処理しておき、予め原水に混
入させて一次処理を行っておけば、よりその後の処理が
簡単になり処理能力を向上させることができるようにな
る。
【0139】つぎに、前記濃縮装置75について説明す
る。
【0140】この濃縮装置75には、図15に示すよう
に、濃縮タンク75aが配設されており、前述した各タ
ンクと排出パイプ93により連結されている。この濃縮
タンク75aは、各タンクの処理により生じる凝集物を
回収して水分を除去し、堆肥プラントにおいて堆肥化処
理しやすくするようになっている。凝集物から水分を除
去する手段としては、脱水器等の公知の手段を用いるよ
うになっている。
【0141】つぎに、集中制御装置76について説明す
る。
【0142】前記集中制御装置76は、図25のブロッ
ク図に示すように、浮遊物除去装置71におけるエアー
の吹込みや回転羽根の回転を制御する浮遊物除去装置制
御部117と、凝集装置72における交流高電圧電極8
6および直流高電圧電極92で印加する電圧の大きさや
印加周波数等を制御する凝集装置制御部118と、凝集
加速装置73における交流高電圧電極86および直流高
電圧電極92で印加する電圧の大きさ等の制御や、マイ
クロ波分離処理手段96で発振される300M〜16G
Hzのマイクロ波の出力の制御や、第1超音波凝集処理
手段99で発振される40k〜1200kHzの周波数
の超音波の出力の制御や、脱臭処理手段で発振される3
M〜300MHzの周波数の超音波の出力の制御や、完
全分離処理手段102で発振される100M〜500M
Hzの高周域電磁波の出力の制御や、第2超音波凝集処
理手段108で発振される28kHz、40kHz、4
8kHzおよび100kHzの周波数の超音波の出力制
御や、処理水の回遊速度等の制御を行うための凝集加速
装置制御部119と、第1沈殿装置74aおよび第2沈
殿装置74bにおける10k〜60kVの電圧の印加や
切り換え等を制御する第1沈殿装置制御部120および
第2沈殿装置制御部121と、濃縮装置75における脱
水処理の制御等を行う濃縮装置制御部122とを有して
いる。これらの各制御部は、集中制御盤123の各スイ
ッチ(図示せず)により容易に制御操作できるようにな
っており、通常時には自動制御されている。
【0143】つぎに、前述した本発明の第2実施形態を
用いて原水を処理した場合の実証試験結果について図2
6および図27を参照しつつ説明する。
【0144】処理条件は、原水として豚の糞尿混合排液
を使用し、分析対象水採取位置として固形物除去前の原
水、浮遊物除去装置71の出口、凝集装置72の出口、
凝集加速装置73の出口、第1沈殿装置74aの出口お
よび放流水となる第2沈殿装置74bの出口とした。こ
れらの採取はそれぞれ異なる日に5回にわたって実施し
た。
【0145】また、処理水の分析対象は、主として処理
水中に含まれる有機物含有量、窒素含有量、燐含有量お
よび大腸菌群数を測定し、その他、水素イオン濃度(p
H)や蒸発残留物(TSS)、酸化還元電位(ORP)
についても一部測定した。このうち、有機物含有量とし
ては、生物化学的酸素要求量(BOD)と化学的酸素要
求量(CODMn)と浮遊物質量(SS)を測定し、窒素
含有量としてはT−N、燐含有量としてはT−Pをそれ
ぞれ測定した。
【0146】各対象の測定は、水素イオン濃度はガラス
電極法により、BODは隔膜電極法により、CODは滴
定法により、SSは濾過重量法により、大腸菌群数はデ
ソキシコール酸塩培地法により、窒素含有量はペルオキ
ソ二硫酸カリウム分解法により、蒸発残留物は下水試験
法により、酸化還元電位は衛生試験法によりそれぞれ行
った。
【0147】かかる条件下における分析結果を図26お
よび図27に示す。 1)有機物含有量について 原水中では、BODが7800〜27000mg/l、
CODが1800〜13000mg/l、SSが170
0〜25000mg/lとバラツキが認められるが、前
処理工程後の浮遊物除去装置71の出口では、BODが
5300〜10000mg/l、CODが1500〜2
900mg/l、SSが720〜3200mg/lとな
り、BOD約60%前後、COD約80%前後、SS約
90%前後が除去されている。したがって、前処理は有
効に動作していることが認められる。ただし、この原水
には、本第2実施形態の液体処理システムで処理した後
の帯電荷状態にある処理水が混入されているため、この
処理水による効果を考慮する必要はある。
【0148】また、第2沈殿装置74bの出口、すなわ
ち放流水では、BODが2.7〜31mg/l、COD
がl.8〜30mg/l、SSがl.7〜40mg/l
となっている。
【0149】この結果、BODの除去率としては、最良
で99.9%、最悪で99.7%となっており、浮遊物
除去装置71の出口(凝集装置72の入口)濃度が低い
場合の方が、より高いBOD除去率を示す傾向にある。
また、CODの除去率としては、最良で99.9%、最
悪で98.3%となっている。CODのデータからは流
入濃度と処理後の濃度との相関関係は認められない。ま
た、SSの除去率は、最良で99.9%、最悪で97.
7%となっており、SSについてもCODと同様に流入
濃度と処理後の濃度との相関関係は認められない。 2)窒素含有量について 原水では、窒素含有量が1900〜3100mg/lで
あったのが、前処理工程後の浮遊物除去装置71の出口
では、1100〜1600mg/lとなり、約42.1
〜63.6%の窒素が除去されている。したがって、前
処理は有効に動作していることが認められる。
【0150】また、第2沈殿装置74bの出口では、窒
素含有量が7.9〜14mg/lとなり、約99.7%
の窒素除去率となっている。したがって、原水の窒素含
有量が4000mg/l以上のものに対しても99.7
%の除去率となっており、頻度および負荷変動に対して
もほとんど影響を受けていないことが認められる。 3)燐含有量について 原水では、燐含有量が400〜690mg/lであった
のが、浮遊物除去装置71の出口では、97〜200m
g/lとなり、約58.3〜85.9%の燐が除去され
ている。しかし、浮遊物除去装置71においてT−Pが
除去されるとは考えにくく、本第2実施形態の液体処理
システムで処理した処理水による希釈効果が現れている
ものと考えられる。
【0151】また、液体処理システムで処理した後の第
2沈殿装置74bの出口では、燐含有量が0.068〜
1.3mg/lとなり、燐除去率は、最良で約99.9
%であり、最悪で99.7%であった。燐の除去率につ
いても流入濃度との相関関係は認められなかった。 4)大腸菌群数について 原水では、大腸菌群数が240000〜900000個
/cm3 であったが、浮遊物除去装置71の出口では、
160000〜250000個/cm3 となり、第2沈
殿装置74bの出口では、0個/cm3 となった。この
ため、本第2実施形態の液体処理システムによれば、大
腸菌は原水の大腸菌群数にかかわらずほぼ100%除去
できることが認められた。 5)その他の分析結果について 水素イオン濃度については、原水では6.5と酸性値を
示していたが、処理後の放流水では7.4とアルカリ値
を示すようになった。また、酸化還元電位については、
原水では−290mVであったが、放流水では180m
Vとなった。さらに、蒸発残留物(TSS)について
は、原水では19000mg/lであったのが、処理後
の放流水では330mg/lにまで減少した。また、臭
気については、浮遊物除去装置71から凝集装置72に
流入された時点で処理され、90%以上が消臭される。
浮上物は、凝集装置72における高電圧分解作用により
ほとんど無臭状態になり、凝集加速装置73で99%消
臭される。
【0152】したがって、本発明の第2実施形態によれ
ば、集中制御装置76を用いた簡単な操作により原水に
含まれる水溶性有機物や微生物を凝集分離および殺菌し
て迅速かつ確実に除去できるとともに、この処理に伴っ
て脱臭および脱色をも行い、さらに極めて細分化された
水分子からなる活性水であって安定的な水を生成するこ
とができるため、この活性水をそのまま放流することは
もちろんのこと、動物の飲料水や植物に与える水として
利用すれば、動植物の成長に著しく効果的である。
【0153】また、水処理に必要な設備を小規模化する
ことができるとともに消費電力を少なくできるため、イ
ニシャルコストおよびランニングコストを低廉化でき
る。
【0154】つぎに、本発明の液体処理システムおよび
液体処理方法の第3実施形態について図28乃至図31
を参照しつつ説明する。
【0155】なお、本第3実施形態の構成のうち、前述
した各実施形態の構成と同一または同等の構成について
は、同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
【0156】本第3実施形態の特徴は、前述した第1実
施形態および第2実施形態の液体処理システムに前処理
システム125を追加配置した点にある。すなわち、本
液体処理システムにより処理を必要とする汚水等の原水
は多種多様であり、例えば、汚れの程度が軽い汚水であ
れば、前述の各実施形態の液体処理システムを使用する
までもなく、簡易な処理装置により十分な浄化効果を発
揮できる場合があり、逆に、汚れの程度が極めてひどい
汚水であれば、前述の各実施形態の液体処理システムに
直接その汚水を処理させたのでは、負担が大きく効率的
でない場合がある。
【0157】そこで、本第3実施形態の液体処理システ
ムは、液体処理システムとして単独で使用することが可
能であり、かつ、汚れのひどい汚水を処理する場合には
前述の各実施形態の液体処理システムによる処理の前に
予備的に汚水を処理することができる前処理システム1
25を設けたことを特徴としている。
【0158】図28および図29に示すように、前記前
処理システム125は、主として、処理水を磁界中でミ
キシングする1次凝集装置126と、凝集物を水分子か
ら電気的に分離する帯電化急速分離装置127と、高電
圧印加および高周波電磁波の発信により処理水を活性化
させる活性水生成装置128とから構成される。
【0159】これら前処理システム125を構成する各
装置について、より具体的に説明する。
【0160】前記1次凝集装置126には、原水が流入
される1次凝集タンク130が配設されている。この1
次凝集タンク130の底部には、原水を流入するための
1次原水流入パイプ131が連結されている。また、前
記1次凝集タンク130の内側中央位置には、底部から
天井部にかけて凝集用回転軸132が延在されており、
この凝集用回転軸132には、底部から2/3の高さに
かけて磁界ミキシング手段たる磁力素子133が埋め込
まれた回転羽根134が取り付けられている。この磁力
素子133の磁力の大きさは、小さくてもある程度の効
果を発揮できると考えられるが、本第3実施形態では、
確実にコロイド粒子の凝集効果を発揮させる観点から、
約3000Gauss〜16000Gauss程度、よ
り好ましくは約11000Gaussに設定しており、
磁力素子133としてネオジューム素子133を使用し
ている。このネオジューム素子133を埋設した回転羽
根134は、前述の各実施形態において図8により説明
したネオジューム素子羽根32とほぼ同等の構成を有し
ている。すなわち、前記ネオジューム素子133が、螺
旋状にねじられたセラミック平板からなる回転羽根13
4の幅方向の端部に沿って、処理水の流通方向に「NN
SSNNSS・・・」の順に交互に埋設されている。
【0161】このようなネオジューム素子133により
磁界がかけられ、さらに前記回転羽根134によりミキ
シングされると、処理水中の水分子およびコロイド粒子
が細分化されて電荷を帯びるに至り、それぞれ分離凝集
される。
【0162】また、前記1次凝集タンク130内におけ
る前記凝集用回転軸132および回転羽根134の周囲
には、処理水が流通する経路を確保するための円筒状通
路135が形成されている。そして、この円筒状通路1
35の底部から約2/3より上方部分、つまり最上部に
位置する回転羽根134よりも上方部分には、電気的分
離手段の1つである1辺が約5mmのメッシュ状円筒板
136が形成されており、直流電圧が印加されるように
なっている。この直流電圧は、任意に定めてよいが、本
第3実施形態では効果的に凝集物を吸着させる点に鑑み
て、55V,3Aの直流電圧を印加するようになってい
る。前記メッシュ状円筒板136は、回転羽根134の
ミキシングにより帯電化された凝集物のうち径の大きい
ものを直流電圧を印加することで電気的に吸着するよう
になっている。
【0163】また、前記1次凝集処理タンクには、底部
に沈殿した凝集物を吸引するためのエアーリフター13
7,137が複数個配設されている。そして、このエア
ーリフター137,137により吸引された凝集物は、
前述した濃縮装置75へ移送されたり、図示しない原水
槽へ返送されるようになっている。
【0164】つぎに、帯電化急速分離装置127につい
て説明する。
【0165】この帯電化急速分離装置127は、処理水
の流通方向に延在された有底の直方体筒状の急速分離タ
ンク140を有しており、前記1次凝集処理装置と連通
パイプ141aにより連結されている。前記急速分離タ
ンク140内には、メッシュ孔の大きさが異なる複数枚
のメッシュ状平板142が処理水の流通方向に対して直
角に所定間隔をおいて配置されている。
【0166】各メッシュ状平板142のメッシュ孔の大
きさおよび枚数は、処理水の汚れに応じて任意に定めて
良いが、本第3実施形態では、凝集物を効率的に除去す
るために、1辺が5mm、4mm,3mm,2mmおよ
び1mmに形成された5種類のメッシュ状平板142を
用意し、穴の大きいメッシュ状平板142から小さいメ
ッシュ状平板142へ順に処理水流入側から配置してい
る。これらの各メッシュ状平板142の材質は、高強度
および防触の観点からチタン合金が使用されている。
【0167】また、前記各メッシュ状平板142には、
電気的分離手段を構成するために、高電圧パルス発生器
115が連結されており、各網目には、任意に設定され
た高電圧電流、本第3実施形態では、5mA〜30mA
の電流であって10k〜60kVの電圧、より好ましく
は20mAの電流であって10kVの電圧が印加される
ようになっている。これらのメッシュ状平板142は、
1次凝集装置126において帯電荷された凝集物を電気
的に吸着して水分子から急速に分離するようになってい
る。
【0168】そして、メッシュ状平板142に吸着した
凝集物を取り除く場合には、メッシュ状平板142に印
加している高電圧電流の電極を切り換えるとともに、水
流を処理水の流通方向と逆方向に噴出させて、メッシュ
状平板142から凝集物を剥離するようになっている。
このようにして剥離された凝集物は、急速分離タンク1
40の底部に沈殿するため、底部に設けられた排出口1
43からバキュームポンプ144などにより吸引して排
出するようになっている。
【0169】つぎに、前記活性水生成装置128につい
て説明する。
【0170】この活性水生成装置128には、前記帯電
化急速分離装置127と連通パイプ141bで連結され
ているとともに前記帯電化急速分離装置127により凝
集物除去処理が行われた後の処理水を貯留する活性水生
成タンク146が配設されている。この活性水生成タン
ク146の内部には、交流高電圧印加手段である交流高
電圧電極147が配設されているとともに、高周域電磁
波発生手段である電磁波発信体148が配設されてい
る。
【0171】前記交流高電圧電極147は、陽極と陰極
とがそれぞれ対向するように配設されており、交流高電
圧発生器149に連結されている。この交流高電圧発生
器149は、所定の電圧、本第3実施形態では帯電化お
よび細胞破壊の効果を充分発揮できる範囲を考慮して、
約10kV〜30kV、より好ましくは20kVの電圧
を印加するようになっている。また、この交流電圧の切
換周波数は、約600kHz〜1800kHz、本第3
実施形態では970kHzとされている。
【0172】なお、前記交流高電圧電極147は、簡易
な構成とするために2電極方式を採用しているが、交流
高電圧電極147の摩耗を防止するとともに活性水生成
タンク146内での帯電荷および細胞破壊の処理範囲を
広げることに重点を置いて、第2実施形態において説明
したような、いわゆる3電極方式を採用してもよい。
【0173】また、前記交流高電圧電極147は、1セ
ットのみを配設するようにしてもよいが、複数セット配
設するようにして、処理水の濃度や水量、種類等に応じ
て最適な処理を行うようになっている。
【0174】このように処理水に対して高周波数の高電
圧を印加すると、この高電圧により生じる電界が、処理
水中の水溶性有機物および微生物のコロイド粒子および
水分子を帯電荷させてコロイド粒子を凝集させ、さら
に、処理水中の水溶性有機物および微生物の細胞を破壊
して大腸菌等を死滅するようになっている。
【0175】つぎに、前記電磁波発信体148について
説明する。
【0176】この電磁波発信体148は、活性水生成タ
ンク146内の上下位置において相互に対向するように
配設されており、外部に設けられた高周域の電磁波発生
器150に連結されている。この電磁波発生器150
は、水溶性有機物を完全に分離させる効果を充分発揮さ
せる観点から、約250MHz〜300MHz、より好
ましくは270MHzの周波数の電磁波を発信するよう
になっている。この高周域の電磁波は、高周波電界によ
る誘導プラズマを発生し、処理水と最適に共振して水溶
性有機物の吸着性を促進させるようになっている。この
作用により水溶性有機物は水分子に再び溶け込むことが
なくなり完全分離されるようになっている。
【0177】また、前記活性水生成タンク146内の底
部には、中空管状の気泡吹出用支持軸151が垂直に立
てられており、この気泡吹出用支持軸151の中空部に
は、気泡吹出用回転軸152が配設されている。この気
泡吹出用回転軸152の基端部には、回転駆動モータ1
53の駆動軸153aが連結されており前記気泡吹出用
回転軸152を回転させるようになっているとともに、
前記気泡吹出用回転軸152の先端部には、先端から気
泡を吹き出すための気泡吹出ノズル154が取り付けら
れている。また、前記気泡吹出ノズル154には、前記
気泡吹出用回転軸152を介してコンプレッサー155
が連結されており、圧縮されたミクロ単位の気泡が吹き
出るようになっている。したがって、前記気泡吹出ノズ
ル154が回転しつつミクロ単位の気泡を吹き出すこと
によって、前記活性水生成タンク内の処理水を掻き混ぜ
て電荷状態を均一化させるようになっている。
【0178】このように高電圧を印加するとともに高周
波の電磁波を発信することにより、処理水は、極めて微
細な分子に細分化されるとともに帯電荷状態に保持され
るため、いわゆる活性水としての機能を果たし、例え
ば、この活性水を原水にそのまま混入するだけで酸化還
元反応を起こし、BODやCODをガス化するなどの効
果を生じて汚れを分解凝集することができる。
【0179】そして、前記前処理システム125によっ
て活性化された処理水は、第1実施形態であれば濾過処
理手段へ、第2実施形態であれば図28に示すように浮
遊物除去装置71へと移送されて、順次浄化処理が行わ
れる。
【0180】なお、本第3実施形態における集中制御手
段たる集中制御装置156には、図30および図31に
示すように、第1実施形態あるいは第2実施形態におけ
る集中制御装置13,76の構成に加えて、前処理シス
テム125を制御するために、回転羽根134の回転駆
動やエアーリフター137,137の吸引およびメッシ
ュ状円筒板136の電圧を制御する1次凝集装置制御部
157と、メッシュ状平板142に印加する交流電圧を
制御する帯電化急速分離装置制御部158と、交流高電
圧電極147の交流電圧や電磁波発信体148の電磁波
および気泡吹出ノズル154の気泡の噴出をそれぞれ制
御する活性水生成装置制御部159とが配設されてい
る。この集中制御装置156により、原水の汚れの程度
に応じて前処理システム125を任意に駆動あるいは停
止することができるようになっている。
【0181】つぎに、本第3実施形態の前処理システム
125による液体処理方法について説明する。
【0182】本第3実施形態の前処理システム125に
よる液体処理方法は、第1段階として、コロイド粒子を
含む原水を約3000Gauss〜16000Gaus
s程度、より好ましくは約11000Gaussの磁界
中において回転羽根134などによりミキシングする。
これにより、原水中の水分子およびコロイド粒子を細分
化させて、それぞれを分離凝集するようになっている。
【0183】続いて第2段階として、前記磁界中のミキ
シング作用により帯電荷されて凝集された凝集物に対し
て、5mA〜30mAの電流であって10k〜60kV
の電圧、より好ましくは20mAの電流であって10k
Vの高電圧を印加する。これにより帯電状態にある凝集
物を電気的に吸着して水分子から急速に分離させる。
【0184】続いて第3段階として、凝集物が除去され
た処理水に対して、約10kV〜30kV、より好まし
くは20kVの交流電圧を約600kHz〜1800k
Hz、より好ましくは970kHzの周波数で切り換え
つつ印加する。これにより、処理水中に残存する水溶性
有機物および微生物の細胞を破壊して大腸菌等を死滅さ
せるとともに、それらのコロイド粒子あるいは水分子を
帯電荷させてコロイド粒子の凝集を一層促進させる。
【0185】また、第4段階として、処理水に対して、
約250MHz〜300MHz、より好ましくは270
MHzの周波数の電磁波を発信する。この高周域の電磁
波により誘導プラズマが発生し、処理水と最適に共振し
て水溶性有機物の吸着性を促進させ、水溶性有機物と水
分子とを完全に分離し、両者が再び溶け込むことをなく
することができる。
【0186】なお、前記第3段階と前記第4段階とは、
いずれを先に行っても本実施形態の効果を発揮すること
ができる。
【0187】したがって、本第3実施形態の液体処理シ
ステムおよびこれによる液体処理方法によれば、第1実
施形態および第2実施形態による各効果に加えて、前処
理システム125が予め原水を浄化処理するため、極め
て汚れている汚水であっても各処理装置に及ぼす負担を
軽減して、より確実に浄化処理を行うことができる。
【0188】また、前処理システム125を単独で使用
した場合であっても、CODやBOD等の水溶性有機物
を約80%除去することができるし、汚れの軽い汚水で
あれば充分所望の浄化効果を発揮することができる。
【0189】なお、本発明は前述した各実施の形態に限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。
【0190】たとえば、前述した本発明の第1実施形態
における処理水の分離凝集処理手段は、第1分離処理手
段2および第1凝集処理手段3と、第2分離処理手段5
および第2凝集処理手段7とに分けて2度の分離凝集処
理を行っているが、有機物濃度が低い処理水を浄化する
場合には、1つにまとめて1度の分離凝集処理としても
よいし、逆に高い濃度の処理水を浄化する場合には分離
凝集処理手段をさらに増やすようにしてもよい。
【0191】また、本発明の第2実施形態の凝集装置7
2および凝集加速装置73における交流高電圧電極86
および直流高電圧電極92は、それぞれ1つのタンク内
に配設してあるが、別個のタンクに配設するようにして
もよい。
【0192】さらに、前述した本発明の第1実施形態お
よび第2実施形態は、水処理システムを構成する各処理
手段について説明したが、各処理手段は水処理システム
としてだけではなく、単独の処理装置としても使用する
ことが可能であり、単独であっても各処理の効果を発揮
することができるものである。
【0193】
【発明の効果】以上述べたように請求項1に係る液体処
理方法によれば、簡単な操作により液体中の水溶性有機
物や微生物のコロイド粒子を確実に除去できるととも
に、コロイド粒子の凝集物を液体分子から完全に分離さ
せられ、さらに、液体分子を細分化して帯電状態に保持
させることができる。
【0194】また、請求項2に係る液体処理システムに
よれば、磁界ミキシング手段が液体分子およびコロイド
粒子を細分化して帯電荷させるとともにコロイド粒子同
士を凝集し、電気的分離手段が凝集物を確実かつ急速に
液体分子から分離し、さらに、交流高電圧印加手段が液
体分子およびコロイド粒子をより微細な状態で帯電化
し、高周域電磁波発信手段が凝集物と液体分子とを完全
に分離するため、活性化された液体を生成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液体処理システムの第1実施形
態を示すフロー図
【図2】 本発明に係る液体処理システムの第1実施形
態の主要部を示す平面図
【図3】 図2のI−I断面図
【図4】 図2のII−II方向からみた説明図
【図5】 図2のIII−III方向からみた説明図
【図6】 図2のIV−IV断面図
【図7】 本発明に係る液体処理システムの第1実施形
態における第1分離処理手段と第1凝集処理手段を示す
模式図
【図8】 本第1実施形態および本第2実施形態におけ
る細分帯電荷処理手段の要部を示す説明図
【図9】 本第1実施形態および本第2実施形態におけ
る脱臭処理手段の要部を示す説明図
【図10】 本発明に係る液体処理システムの第1実施
形態における高電圧パルス処理手段を示す説明図
【図11】 本第1実施形態における高電圧パルス処理
手段において印加される電圧パターンを示す説明図
【図12】 本第1実施形態における高電圧パルス処理
手段において印加される電圧パターンを示す説明図
【図13】 本第1実施形態における高電圧パルス処理
手段の処理による処理水の分子状態を示す説明図
【図14】 本第1実施形態における集中制御手段を示
すブロック図
【図15】 本発明に係る液体処理システムの第2実施
形態を示すフロー図
【図16】 本発明に係る液体処理システムの第2実施
形態の主要部を示す正面図
【図17】 図16の平面図
【図18】 図16の左側面図
【図19】 図16の右側面図
【図20】 図16の背面図
【図21】 本第2実施形態における凝集装置および凝
集加速装置によりコロイド粒子が分離凝集されるメカニ
ズムを示す説明図
【図22】 本第2実施形態における凝集装置および凝
集加速装置出の処理により発生するOHラジカルの発生
を示す化学式
【図23】 本第2実施形態における第1沈殿装置およ
び第2沈殿装置の主要部を示す説明図
【図24】 本第2実施形態における第1沈殿装置およ
び第2沈殿装置の電気的分離膜を示す説明図
【図25】 本第2実施形態における集中制御装置を示
すブロック図
【図26】 本第2実施形態により養豚排水を処理した
ときの実証試験結果であって原水、凝集装置入口および
第2沈殿装置出口における水溶性有機物等の量を示す表
【図27】 本第2実施形態により養豚排水を処理した
ときの実証試験結果のうち第3回目の結果について各装
置出口における水溶性有機物等の量を示す表
【図28】 本発明に係る液体処理システムの第3実施
形態の1実施例を示す主要部の平面図
【図29】 本第3実施形態の液体処理システムにおけ
る前処理システムを示す図28の左側面図
【図30】 本第3実施形態の液体処理システムの集中
制御装置について、第1実施形態の液体処理システムに
前処理システムを加えた実施例を示すブロック図
【図31】 本第3実施形態の液体処理システムの集中
制御装置について、第2実施形態の液体処理システムに
前処理システムを加えた実施例を示すブロック図
【図32】 従来の水処理システムを示すフロー図
【符号の説明】
1 濾過処理手段 2 第1分離処理手段 3 第1凝集処理手段 4 細分帯電荷処理手段 5 第2分離処理手段 6 脱臭処理手段 7 第2凝集処理手段 8 高電圧パルス処理手段 9 凝集物排出処理手段 10 水分子細分化処理手段 11 酸化還元処理手段 12 脱水処理手段 13 集中制御手段 24 第1マイクロ波発振管体 26 第1凝集処理タンク 27 第1低周域超音波発振体 35 第2マイクロ波発振管体 38 脱臭処理パイプ 39 高周域超音波発振器 41 第2凝集処理パイプ 43 第2低周域超音波発振体 45 高電圧パルス処理パイプ 51 細分化処理タンク 72 凝集装置 73 凝集加速装置 74a 第1沈殿装置 74b 第2沈殿装置 85 帯電荷・細胞破壊処理手段 91 酸化還元処理手段 92 直流高電圧電極 96 マイクロ波分離処理手段 99 第1超音波凝集処理手段 102 完全分離処理手段 108 第2超音波凝集処理手段 109 超音波発振体 113 凝集物沈殿処理手段 114 電気的分離膜 125 前処理システム 126 1次凝集装置 127 帯電化急速分離装置 128 活性水生成装置 133 磁力素子(ネオジューム素子) 134 回転羽根 136 メッシュ状円筒板 142 メッシュ状平板 147 交流高電圧電極 148 電磁波発信体 149 交流高電圧発生器 150 電磁波発生器 154 気泡吹出ノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性有機物や微生物等のコロイド粒子
    を含む液体を磁界中においてミキシング処理し、この処
    理後の液体を電圧が印加されたメッシュ状部材に通過さ
    せ、さらに前記液体に交流高電圧を印加するとともに高
    周域の電磁波を発信するようにしたことを特徴とする液
    体処理方法。
  2. 【請求項2】 コロイド粒子を含む液体を磁界中におい
    てミキシング処理する磁界ミキシング手段と、コロイド
    粒子の凝集物を含む液体を電圧が印加されたメッシュ状
    部材に通過させて凝集物を電気的に吸着して液体分子か
    ら分離する電気的分離手段と、前記液体に交流高電圧を
    印加する交流高電圧印加手段と、前記液体に高周域の電
    磁波を発信する高周域電磁波発信手段とを有することを
    特徴とする液体処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107721073A (zh) * 2017-10-30 2018-02-23 郑州搜趣信息技术有限公司 带酸碱调和功能的工业污水处理装置

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