JP2001276285A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

ゴルフクラブヘッド

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JP2001276285A
JP2001276285A JP2000102293A JP2000102293A JP2001276285A JP 2001276285 A JP2001276285 A JP 2001276285A JP 2000102293 A JP2000102293 A JP 2000102293A JP 2000102293 A JP2000102293 A JP 2000102293A JP 2001276285 A JP2001276285 A JP 2001276285A
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fiber
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Hisatsugu Kakiuchi
久嗣 垣内
Yoshie Takano
由重 高ノ
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェース部の破壊時において、破片の飛散を
防止する。 【解決手段】 ボールを打撃するフェース部Fの少なく
とも一部を、非晶質合金4aと繊維4bとの複合体4に
より形成したことを特徴とするゴルフクラブヘッド1で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールを打撃する
フェース部に非晶質合金と繊維とからなる複合体を用い
たゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
非晶質合金(アモルファス合金)からなるフェース板を
用いたゴルフクラブヘッドが例えば特開平11−764
57号公報などにより提案されている。非晶質合金は、
高強度、高硬度、低ヤング率を同時に具えるため、特に
高強度、高硬度といった特性は、強度を維持しつつフェ
ース板を薄くでき、しかも低ヤング率であるためフェー
ス板を撓みやすくする。そして、このようなフェース板
を具えるゴルフクラブヘッドは、本件出願人が提案して
いる「インピーダンスマッチング理論」(例えば特開平
8−224328号公報)により、ゴルフボール打撃時
の反発力の向上が期待できる。
【0003】このインピーダンスマッチング理論は、ゴ
ルフクラブヘッドのメカニカルインビーダンスの一次の
極小値の周波数を、ゴルフボールのそれに近づけること
により、ボールを打撃したときのエネルギーロスを最小
とし、反発係数を増加させて打球の飛距離を最大限に高
めることを意図するものである。
【0004】ところが、上述のような非晶質合金は、強
度や弾性限界が高い一方で、引張試験等を行うと、数%
程度の塑性伸びを示した後、破壊時にはあたかもガラス
のように脆性的に破壊を起こすことが判明した。そし
て、このような非晶質合金をゴルフクラブヘッドのフェ
ース部に使用している場合、万が一、ゴルフボールの打
撃においてフェース部が脆性的に破損すると、その破片
等が飛散するという問題があった。
【0005】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
なされたもので、ボールを打撃するフェース部の少なく
とも一部を、非晶質合金と繊維との複合体により形成す
ることを基本として、非晶質合金の優れた特性を損ねる
ことなく、かつ万が一、フェース部が破損してもその破
片等が飛散し難いゴルフクラブヘッドを提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボールを打撃
するフェース部の少なくとも一部を、非晶質合金と繊維
との複合体により形成したことを特徴とするゴルフクラ
ブヘッドである。前記非晶質合金としてはZr系合金が
好ましく、また前記繊維としては、炭素繊維、炭化セラ
ミック繊維、窒化セラミック繊維、ホウ化セラミック繊
維又は金属繊維であることが望ましい。また前記フェー
ス部を形成する前記複合体の厚さは、繊維により強化さ
れたことにより、1.0〜3.2mmと小厚さに形成でき
る。さらに前記繊維は、織成されたシート体をなすこと
でも良いし、また短繊維からなり前記非晶質合金中に不
規則に分散配向されているものでも良い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は本実施形態のゴルフクラブ
ヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1
の斜視図、図2はその断面図、図3は、図2のフェース
部材のさらに拡大図をそれぞれ示している。図におい
て、本実施形態のヘッド1は、内部に中空部iを有する
ウッド型のもの例示しており、本実施形態ではヘッド本
体2とフェース部材3とから構成されたものを例示して
いる。
【0008】前記ヘッド本体2は、ヘッド上部をなすク
ラウン部2a、ヘッド底部をなすソール部2b、前記ク
ラウン部2aとソール部2bとの間を継ぐサイド部2
c、クラウン部2aのヒール寄りに突設されたネック部
2d、及びフェース部材3を配する開口5を具える。ま
たこの開口5には、フェース部材3の周縁だけを支える
バックアップ部6が形成されている。本例のヘッド本体
2は、例えばアルミニウム合金、チタン、チタン合金、
ステンレスなどの各種の晶質金属或いは非晶質金属、木
質材、樹脂、複合体4などにより形成しうる。
【0009】また前記フェース部材3は、略一定の厚
さ、例えば1.0〜3.2mm、より好ましくは1.0〜
3.0mm、さらに好ましくは1.0〜2.8mm、特に好
ましくは1.0〜2.5mm、最も好ましくは1.5〜
2.5mmの厚さtを有しフェース部Fの主要部を構成す
る板状にて形成されている。このようにフェース部材3
の厚さtは後述する複合体4からなることにより小にで
き、インピーダンスマッチング理論に基づいてヘッド1
の反発性能をより高めるのに役立つ。またフェース部材
3は、前記ヘッド本体2のバックアップ部6の前面に配
され、例えば接着、カシメ等の固着手段にてヘッド本体
2と強固に接合される。そしてフェース部材3は、ボー
ルを打球するフェース部Fの少なくとも一部、本例では
フェース部Fの実質的な全域を構成している。
【0010】前記フェース部材3は、本実施形態では図
3に拡大して示す如く、非晶質合金4aと繊維4bとの
複合体4により形成される。このような複合体4は、非
晶質合金マトリックス中に繊維4bを含むことにより、
非晶質合金4aを効果的に補強することができる。そし
て、万が一、非晶質合金部分に破壊が生じた場合であっ
ても、非晶質合金4aは繊維4bにより補強される結
果、破壊時の、破片の分裂、飛散を防止できる。
【0011】本実施形態に使用される非晶質合金4a
は、過冷却液体域を有し、非晶質相(アモルファス相)
を形成しうる組成の合金を用いる。非晶質合金4aに
は、種々の合金組成のものが用いられ、例えば、 一般式:MaXb(a、bは原子%で65≦a≦10
0、0≦b≦35) で示される組成で構成されるものが好ましい。
【0012】ここで、前記Mは、Zr、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、W、Ca、
Li、Mg、Si、Al、Pd、Beより選ばれる1種
類以上の金属元素であり、前記Xは、Y、La、Ce、
Sm、Md、Hf、Nb、TaAg、Pt、Au、Pd
から選ばれる1種類以上の金属元素からなるものが望ま
しい。また好ましくは、前記a、bは、 65≦a≦95.5 0.5≦b≦35 とするのが望ましく、とりわけZr系非晶質合金である
ことが望ましい。なお本実施形態では、Zr55Al10
5 Cu30(数字は原子%)の非晶質合金4aを用いた
ものを例示している。
【0013】また前記複合体4に用いられる繊維4b
は、高い融点を持ち、比較的高強度な材料が好ましい。
特に繊維4bの融点が低いと非晶質合金4aの溶融母合
金の熱により繊維4bが溶けて母合金中の不純物となっ
て合金が非晶質化し難くなり、また該繊維4bによる十
分な補強効果も得られない。このような観点より、複合
体4の繊維4bの融点は、非晶質合金4a(本例のZr
55Al10Ni5 Cu30の場合、融点は約830℃)の溶
融母合金の温度よりも高いことが必要である。
【0014】また前記繊維4bは、非晶質合金4aの非
晶質層の形成を阻害する材料ではないことが必要であ
る。例えば本例の如く、非晶質合金4aがZrのように
酸素と非常に反応しやすい元素を含んでいる場合、酸化
物を含む繊維(例えば酸化物セラミックス)を用いると
該繊維中の酸化物とZrとが反応し非晶質相を形成する
のが困難となるため採用できない。
【0015】本例の複合体4に好ましい繊維4bとして
は、例えば汎用カーボン繊維や高強度カーボン繊維など
の炭素繊維、SiC、WC、TiC、B4 C、ZrCと
いった炭化セラミック繊維、BN、TiN、ZrN、S
3 4 、AlNといった窒化セラミック繊維、TiB
2 、ZrB2 といったホウ化セラミック繊維、又はW、
Ta、Mo等の金属繊維などが好ましく、これらの1種
又は2種以上を混合して用いることができる。これらの
繊維4bでは、融点が最も低いもので1900℃(Si
3 4 )であるため、溶融母合金によって消失又は反応
せず複合体4を構成できる。
【0016】また特に好ましい繊維4bとしては、非晶
質合金部分に亀裂等が生じた場合に破片の分裂、飛散を
より効果的に防止するために、例えば引張強度が100
0MPa以上、より好ましくは2000MPa以上の高
強度を具える素材からなる繊維が特に好ましい。
【0017】また本例の繊維4bは、糸状の縦の繊維9
と糸状の横の繊維7とを織成したシート体Sとして複合
体4に用いたものを例示している。このような複合体4
を形成する方法としては、例えば真空中又は不活性ガス
雰囲気中において図4(A)に示すように、母合金を溶
解した溶湯Mを準備するとともに、繊維からなる前記シ
ート体Sを予め金型22のキャビティ23内に敷設して
おく。そして同図(B)のように、冷却されたこの金型
22のキャビティ23内に前記母合金の溶湯Mを流し込
んで急冷するダイカスト法により製造することができ、
又ダイカスト法と同じ手法で鋳型を用いて溶融母合金を
流し込み鋳型を取り壊して成型物を取り出す鋳造法でも
製造することができ、さらに複合体4は、例えば真空中
または不活性ガス雰囲気中において、上下一対の水冷金
型で合金の溶湯を押圧して所定の形状に広げつつ、臨界
冷却速度以上の速度で溶湯を冷却する方法(以下、溶湯
鍛造法と呼ぶ)などを用いて製造することもできる。こ
の場合においても、予め金型のキャビティ内に複合する
繊維4bないしシート体Sを敷設しておき、溶湯が所定
の形状に広がりながら、繊維4bに含浸するように成型
する。その結果、非晶質合金4aと繊維4bとが一体複
合化され複合体4を製造できる。
【0018】また金型22のキャビティ23内に注入さ
れた溶湯は、繊維4bからなるシート体Sの隙間(繊維
の目)から含浸し、該シート体Sの表面、裏面を被覆す
るように満たされかつ急冷固化されることにより、繊維
4bと一体化する。これにより図3に示したように、フ
ェース部材3は、内部に繊維4bからなる層を有する複
合体4として形成される。またフェース部材3に亀裂が
生じる場合、この亀裂はフェース面に対して垂直方向
(すなわちフェース部材の厚さ方向)に進行するのが一
般的であるため、上述のようにフェース面に沿うように
繊維4bからなるシート体Sを配しておくことにより、
フェース部材の表、裏のいずれからの亀裂に対しても、
繊維層が亀裂の進行を抑制できる。またこのようなフェ
ース部材3の厚さ方向の略中間部分にシート体Sを配し
ておくことにより、例えばフェース面からは繊維4bが
見えずヘッド1の外観低下をも防止しうる。
【0019】またこのようなシート体Sを複合化する場
合、シート体の見掛けの表面積S1と、フェース部材3
のフェース面の表面積S2との比(S1/S2)は、
0.50以上とするのが望ましく、より好ましくは0.
70以上、さらに好ましくは0.90以上とするのが特
に望ましい。これによって、フェース部材3を広範囲に
わたって補強でき、破壊時の破片の分裂、飛散が効果的
に防止される。なおシート状体の厚さは、成形しようと
するフェース部材3の厚さtによって種々決定される
が、例えば10〜300μm、より好ましくは100〜
200μmとするのが望ましい。なおシート体Sの見掛
けの表面積とは、シート体Sの外周輪郭で囲まれる面積
を言う。またシート体Sは、溶湯が通過しうるように繊
維の目を形成しておくことが望ましい。
【0020】このように繊維4bを織布等のシート体S
に成形して用いる場合には、予め形状が特定できるた
め、繊維4bを金型内に設置しやすく、しかも成形時に
型くずれし難いために良好なフェース部材3を成形する
ことができる点で好ましいものとなる。また繊維4bを
予め織成しておくことにより、多数の繊維4bが絡み合
った繊維の複合強度によりフェース部材3の脆性破壊が
より効果的に防止され、破片の飛散がより効果的に防止
される。なお繊維4bをシート体Sに織成するとは、繊
維4bを用いて織物、編物、不織布などのシート状物を
成形する広い概念であって、具体的には平織、綾織、朱
子織、2重綾織、目抜き平織り、さらには2次元織りの
織布を重ねた3次元織り、さらには繊維4bを例えば焼
結してシート状に一体化した不織布、その他の織物など
種々のものが含まれる。
【0021】また他の実施形態として、図5に示すよう
に、フェース部材3の複合体4として、不連続の繊維4
b、いわゆる短繊維10を用いることもできる。このよ
うな短繊維10を用いた複合体4は、例えば短繊維10
を予め母合金中に混入した繊維入り溶湯を準備し、この
繊維入り溶湯を上記の各金型を用いて成形、冷却するこ
とにより、非晶質合金4aと短繊維10とを一体に複合
化することができる。
【0022】上記方法では、非晶質合金マトリックス中
に短繊維10をより均一に分散させやすく、しかも短繊
維10の配向方向がフェース部材3中で不規則となる傾
向があるため、フェース部材3のあらゆる方向からの亀
裂に対して効果的に補強効果を発揮しうる点で好ましい
ものとなる。また、複合体4の繊維4bに短繊維10を
用いる場合には、溶融母合金に短繊維を混入し金型のキ
ャビティに注入して成形することが可能となるため、シ
ート状に織成された繊維4bを用いる場合のように、キ
ャビティ内への繊維の位置決め配置といった工程等を不
要とするなど生産性をも向上しうる点で好ましい。
【0023】また、この実施形態の場合、複合体4に占
める短繊維10の体積含有率は、1〜50vol %、より
好ましくは5〜20vol %とすることが望ましい。前記
短繊維10の体積含有率が1vol %に満たないと、非晶
質合金4aの補強効果が得られ難く、逆に50vol %を
超えると、複合体4の脆化を招き、フェース部材3とし
ての強度が低下する傾向がある。
【0024】また複合体4に用いる繊維4bの形状とし
ては、例えば平均直径が1〜200μm、好ましくは5
〜100μm程度のものが望ましい。また繊維4bの長
さについては、織布等のシート体Sの場合には適宜連続
した繊維4bを使用できるのは言うまでもなく、また短
繊維10として用いる場合には、例えば繊維の長さは1
0μm〜10mm程度、好ましくは100μm〜1mm程度
のものが望ましい。特に短繊維10の場合には、繊維の
平均直径dと、繊維4bの長さLとの比(d/L)であ
るアスペクト比が0.001〜0.1、より好ましくは
0.01〜0.1であるものが望ましい。
【0025】前記アスペクト比が0.1を超える場合、
繊維4bによる非晶質合金部分の補強効果が得られ難く
なる傾向があり、逆にアスペクト比が0.001を下回
ると、繊維4bが絡み合い易くなって複合体4に万遍な
く配することが困難な傾向がある。なおこのような短繊
維10は、単結晶不連続繊維(ウィスカ)や連続繊維を
細かく裁断したものなど種々のものが用いられる。
【0026】また本発明に使用されるフェース部材3の
合金マトリックス部は、必ずしも純粋な非晶質合金4a
の単相のみからなる必要はなく、非晶質合金の製造条件
や熱処理等によって生じうる微小な結晶相、準結晶など
の相を数vol %〜数十vol %析出、分散させたものでも
実質的に本発明の効果を奏することができる。また複合
体4は、非晶質合金4aと繊維4bとを複合してあれば
足り、どのようにして製造されたかは特に問わない。さ
らに上記実施形態ではウッド型のゴルフクラブヘッドを
例に挙げ説明したが、本発明のヘッド1は、例えば図6
(A)、(B)に示すようなアイアン型のゴルフクラブ
ヘッド1においても適用しうる。本例のヘッド1におい
ても、ヘッド本体2と、このヘッド本体2の前面に配さ
れかつ前記複合体4からなるフェース部材3とから構成
されている。なおヘッド本体2は、本例ではフェース部
材3の周縁部を保持しており、フェース面Fの実質的な
裏面を支えてはいない。このようなアイアン型のヘッド
1や、前記実施形態のウッド型のヘッド1にあっては、
フェース面の裏面が実質的に空所となっている場合、特
にフェース部材3の強度が要求されるため、本発明を適
用した場合の効果がより大となる。また、このようなフ
ェース部材3の裏面が実質的に空所となっている場合に
は、非晶質合金の優れた特性によるインピーダンスマッ
チング効果が最大限に高められるため、優れた反発性能
と耐久性能とが両立される。また本発明は、ウッド型、
アイアン型のみならず、パター型、ユーティリティ型と
いったヘッドにおいても適用しうる。
【0027】
【実施例】(実施例1、2)実施例1、2はウッド型の
ゴルフクラブヘッドでっあって、フェース部材を構成す
る複合体を、母合金組成Zr55Ai10Ni5 Cu30(数
字は原子%)、繊維PAN系炭素繊維(引張強度3.5
〜7.0GPa)を用いて製造した。なお繊維の直径は
7μmで、これを網状の平織布としてシート状(厚さ1
00μm)に形成して用いた。また、織布の編み目の間
隔は約500μm程度と粗くし、溶湯が含浸しやすいよ
うにした。複合体の製造には、真空中または不活性ガス
雰囲気中において、炭素繊維からなる前記シート体の1
枚を水冷銅金型のキャビティ内に敷設(図4(A))す
るとともに、該キャビティに溶湯を流し込み、成型と同
時に臨界冷却速度以上で冷却する銅鋳型鋳造法を採用し
た。これにより、非晶質合金と繊維とが一体化した複合
体を製造した。この複合体は、実施例1では全厚さ2.
2mm(繊維シート体の厚さ略200μm、両側の非晶質
合金部分の厚さ略0.7mm)とし、実施例2では全厚さ
3.2mm(繊維シート体の厚さ略200μm、両側の非
晶質合金部分の厚さ略1.5mm)とし、2種ともシート
体の見掛けの表面積S1と、フェース部材の表面積S2
との比(S1/S2)は0.90とした。またゴルフク
ラブヘッドのヘッド本体には、Ti合金(Ti−6Al
−4V)を使用し、ヘッド本体と繊維を複合した非晶質
合金のフェース部材との接合はエポキシ系の接着剤を用
いて接合した。
【0028】(実施例3、4)実施例3、4は図6
(A)、(B)に示すアイアン型のゴルフクラブヘッド
である。フェース部材を構成する複合体は、非晶質合金
の組成、繊維の材質及び形状、厚さ、製造方法において
実施例1、2と同じとした。ヘッド本体にはSUS63
0を用い、フェースとヘッドの接着にはエポキシ系の接
着剤を使用した。
【0029】(実施例5、6)実施例5、6は、ウッド
型のゴルフクラブヘッドである。フェース部材を構成す
る複合体は、母合金の組成は実施例1、2と同じとし、
繊維には炭素短繊維(直径10μm、長さ1mm、アスペ
クト比0.01、引張強度3.5〜7.0GPa)を用
いた。また複合体は、母合金に短繊維を予め所定量混合
しておき、水冷銅鋳型中に鋳込んで急冷することにより
製造した。短繊維は母合金内部に混合させることで、フ
ェース成型時には、フェースの各部位にランダムに配向
しながら均一に分散している。このため、フェースのあ
らゆる部位からの亀裂損傷に対して効果的である。なお
短繊維の体積含有量は10vol %とした。また実施例
5、6のヘッド本体はTi合金(Ti−6Al−4V)
を使用し、ヘッド本体とフェースの接着にはエポキシ系
の接着剤を使用し固定した。
【0030】これらの各供試ヘッドに、シャフトを固着
してゴルフクラブを試作するとともに各クラブをツルー
テンパー社製のスイングロボットに装着し、ヘッドスピ
ードを表1に示す値に設定してゴルフボールを3000
回打撃したのち、フェース部の損傷具合を目視により評
価した(なお、打撃3000回以内でもフェース部が分
裂して飛散したと思われる時点でテストは終了させ
る。)。また比較例として繊維を複合させていない非晶
質合金のみからなるフェース部材を使用したウッド型の
ゴルフクラブ(比較例1、2)についても同様の試験を
行った(試験1)。
【0031】また、2.2mm又は3.2mmに成形したフ
ェース部材のフェース面中央部に故意に亀裂(長さ40
mm、巾1.0mm、深さ0.7mmで水平方向にのびる)を
設け、試験1と同様のテストを行った。但し、フェース
厚さが2.2mmの実施例1、3、5、比較例1について
はゴルフボールの打撃回数を1000回とし、フェース
厚さが3.2mmの実施例2、4、6、比較例2について
はゴルフボールの打撃回数を試験1と同じく3000回
とした。(試験2)テストの結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、比較例、実施例ともに
通常の耐久試験(試験1)においては、フェース部の損
傷は全く見られなかった。また、試験2の場合において
は、比較例では、フェース部の破損と同時にフェース部
材の破片が分裂、飛散し、比較例1では125回の打撃
回数で、比較例2では2150回の打撃回数で試験を中
止したが、実施例は、いずれも1000回又は3000
回の打撃を完了できた。なお実施例のヘッドのフェース
部には、亀裂の伸長が見られたものの、相互にフェース
部材の破片が分裂しておらず、飛散することはなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴルフク
ラブヘッドは、ボールを打撃するフェース部の少なくと
も一部を、非晶質合金と繊維との複合体により形成した
ことにより、ゴルフボールへの打撃においてフェース部
の耐久性を低下させることなく、万が一フェース部が破
損しても破片等が飛散することを効果的に防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のゴルフクラブヘッドを例示する正
面図である。
【図2】その断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】(A)、(B)は、複合体の製造方法を説明す
る略図である。
【図5】他の実施形態を示す複合体の部分拡大図であ
る。
【図6】(A)はアイアン型ゴルフクラブヘッドの実施
例を示す正面図、(B)はそのX−X端面図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド 2 ヘッド本体 3 フェース部材 4 複合体 4a 非晶質合金 4b 繊維 10 短繊維 F フェース部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールを打撃するフェース部の少なくとも
    一部を、非晶質合金と繊維との複合体により形成したこ
    とを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】前記繊維は、炭素繊維、炭化セラミック繊
    維、窒化セラミック繊維、ホウ化セラミック繊維又は金
    属繊維であることを特徴とする請求項1記載のゴルフク
    ラブヘッド。
  3. 【請求項3】前記フェース部を形成する前記複合体の厚
    さは、1.0〜3.2mmであることを特徴とする請求項
    1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】前記繊維は、織成されたシート体をなすこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴル
    フクラブヘッド。
  5. 【請求項5】前記繊維は、短繊維からなり前記非晶質合
    金中に不規則に分散配向されていることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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