JP2001276014A - Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法 - Google Patents

Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法

Info

Publication number
JP2001276014A
JP2001276014A JP2000093090A JP2000093090A JP2001276014A JP 2001276014 A JP2001276014 A JP 2001276014A JP 2000093090 A JP2000093090 A JP 2000093090A JP 2000093090 A JP2000093090 A JP 2000093090A JP 2001276014 A JP2001276014 A JP 2001276014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequences
types
fmri
pulse
echo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000093090A
Other languages
English (en)
Inventor
Seishi Nozaki
晴司 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000093090A priority Critical patent/JP2001276014A/ja
Publication of JP2001276014A publication Critical patent/JP2001276014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なSNRを保持し且つ血管部からの信号強
度を低減して、診断上有益な大脳皮質が強調されたfM
RI画像を提供する。 【解決手段】被検体頭部の血管のスピンのリフォーカス
に関するパラメータが相互に異なる2種のシーケンスの
夫々を実行してエコー信号を収集するスキャン手段と、
エコー信号を処理して血管を抑制し且つ大脳皮質を強調
したfMRI画像を作成するデータ処理手段とを備え
る。この2種のシーケンスは、エコー時間TEが相互に
同じで、リフォーカスエコー期間τが相互に異なり(τ
1、τ2)、かつエコー信号収集開始時刻が相互に異な
るASE法に従うパルス列でなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、MR(磁気共
鳴)イメージングに係り、とくに、被検体頭部の能機能
に関わるイメージングを行なうファンクショナルMRイ
メージング(fMRI:functional MR
I:脳機能診断)を行なう装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MRイメージングは、静磁場中に置かれ
た被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波信号
で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するFID
(自由誘導減衰)信号やエコー信号から画像を得る手法
である。
【0003】このMRイメージングの一つのカテゴリー
として、fMRIと呼ばれる分野が在る。なお、このf
MRIは、ここでは、BOLD効果に拠るイメージング
法を指す。
【0004】BOLD(Blood Oxygenat
ion Level Dependent)法は、血液
中に含まれるヘモグロビンが酸素と結合しているときと
そうでないときとでスピンの磁化率が異なることを利用
したイメージング法である。脳の局所大脳皮質が活性化
すると、局所大脳皮質に消費される酸素が増加し、その
増加を補うために局所大脳皮質に供給される血流量が増
加する。局所大脳皮質に供給される酸素の増加量は、消
費される酸素量より少ない。その結果、BOLD効果に
因り、局所大脳皮質とその下流静脈の酸素濃度(酸素と
結合しているヘモグロビンの濃度)が増加し、また局所
大脳皮質の下流静脈の流速が増加する。
【0005】このような変化を、磁化率の変化に敏感な
TE(エコー時間)の長いFE系のシーケンスで撮影す
ると、BOLD効果に拠り、酸素濃度の増加を信号強度
の増加として捉えることができる。また、局所血流量の
増加も、インフロー効果に拠る信号強度の増加として捉
えることができる。
【0006】このfMRIには種々のパルスシーケンス
が用いられる。FE−EPI法に拠るシーケンスを利用
した場合、局所の下流静脈の信号強度増加が目立ってし
まう。臨床応用としては、局所(大脳皮質)の高信号化
のみを観察したい場合が多い。
【0007】また、EPI法に拠るシーケンスの場合、
ケミカルシフトに因る脂肪の位置ずれが発生し、これが
診断に支障を与えることがある。これを抑制するため、
FE−EPI法のシーケンスにあっては、脂肪のみを周
波数選択的に励起するIR(反転回復)パルスを用いる
方法があるが、その効果は十分ではない。
【0008】一方、下流静脈の高信号化を軽減するため
に、SE−EPI法のシーケンスを用いたfMRIも知
られている。このイメージング法は、フリップパルス及
びリフォーカスパルスの両パルスが共に印加された箇所
のみが画像化されることに基づいており、血流部など、
動いている対象からの信号強度が低減される。また、S
E系のシーケンスの場合、脂肪抑制には、PASTA
(Polarity Altered Spectra
l and spaTial selective A
cquisition)法を用いることができ、FE系
シーケンスに比べて脂肪抑制の効きは良い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SE系
のパルスシーケンスを用いたfMRIの場合、局所の下
流静脈からの信号値を抑えることは可能であるが、SN
Rを良くしようとして、フリップパルス及びリフォーカ
スパルスの間の時間を短くすると、かかる下流静脈の信
号強度抑制を十分には行うことができず、画像中で大脳
皮質の描出能が低下してしまう。反対に、フリップパル
ス及びリフォーカスパルスの間の時間を長くすると、T
2減衰に因り、MR信号値が小さくなり、画像のSNR
が悪くなる。
【0010】本発明は、上述した従来のfMRI法が抱
えている問題を解決するためになされたもので、良好な
SNRを保持し且つ血管部からの信号強度を低減して、
診断上有益な大脳皮質が強調されたfMRI画像を提供
することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るMRI装置によれば、被検体の撮像領
域における流動体のスピンのリフォーカスに関するパラ
メータが相互に異なる複数種のシーケンスの夫々を当該
被検体に対して実行してエコー信号を収集するスキャン
手段と、前記エコー信号を処理して前記流動体の領域を
抑制し且つ目的とする静止体を強調したファンクショナ
ルMRI(fMRI)画像を作成するデータ処理手段と
を備えたことを特徴とする。
【0012】好適には、前記複数種のシーケンスは、エ
コー時間TEが相互に同じで且つリフォーカス時間が相
互に異なる2種類のシーケンスである。例えば、この2
種類のシーケンスは、前記エコー信号の収集開始時刻が
同じであるか、又は、前記エコー信号の収集開始時刻が
異なる。また好適には、この2種類のシーケンスは、A
SE(asymmetric SE)法に従うパルス列
でなるパルスシーケンスである。
【0013】さらに、好適な一例として、前記複数種の
シーケンスは、エコー時間TEが相互に同じであるSE
系及びFE系の2種類のシーケンスであってもよい。
【0014】また、一例として、前記スキャン手段は、
前記被検体に対して交互に繰り返される安静フェーズ及
び刺激フェーズの各診断フェーズにて前記複数種のシー
ケンスを実行する手段である。
【0015】さらに具体的な一例によれば、前記データ
処理手段は、前記スキャンにより実行された前記複数種
のシーケンス夫々のエコー信号から個別に前記fMRI
画像を作成する手段と、この複数種のシーケンスに対応
したfMRI画像の信号強度の変化を相互に比較して前
記流動体の領域を抑制し且つ前記静止体を強調した最終
的な前記fMRI画像を作成する手段とを備えている。
【0016】具体的には、例えば、前記被検体の撮像領
域は頭部であって、前記静止体は大脳皮質の部分で、且
つ前記流動体は大脳皮質近傍に存在する太い血管であ
る。
【0017】これにより、例えば、エコー時間TEが同
じで且つフリップパルスからリフォーカスパルスまでの
時間が相互に異なる2種類のSE系のシーケンスが実行
され、各シーケンス毎にfMRI画像が作成される。こ
のシーケンス毎のfMRI画像が相互に比較され、fM
RI信号が相対的に大きく変化しない領域が大脳皮質か
らのfMRIの高信号化領域として描出され、最終的な
fMRI画像として提供される。このfMRI画像上で
は、太い血管からのfMRI信号の強度が抑制され、大
脳皮質部からのfMRI信号が相対的に強調される。
【0018】一方、本発明に係るファンクショナルMR
イメージング方法によれば、被検体の撮像領域における
流動体のスピンのリフォーカスに関するパラメータが相
互に異なる複数種のシーケンスの夫々を当該被検体に対
して実行してエコー信号を収集し、そのエコー信号を処
理して前記流動体の領域を抑制し且つ目的とする静止体
を強調したファンクショナルMRI(fMRI)画像を
作成することを特徴とする。これによっても、上述のM
RI装置と同等の作用効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき説明する。
【0020】(第1の実施形態)第1の実施形態に係る
MRI装置を、図1〜7を参照して説明する。
【0021】このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台
部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位
置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号
を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール
及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0022】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するコントローラの
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0023】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0024】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を
合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、
位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向
(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意
に設定・変更することができる。スライス方向、位相エ
ンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場
に重畳される。
【0025】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を起こさせるた
めのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に
供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信
号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタ
ル信号を形成するようになっている。
【0026】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、記憶したソフトウエア手順により、オペレータが
指令した情報を受け付け、この情報に基づくスキャンシ
ーケンス情報をシーケンサ5に指令するとともに、シー
ケンサ5を初めとして、演算ユニット10、記憶ユニッ
ト11、および表示器12を含む装置全体の動作を統括
する機能を有する。
【0027】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、及び受信器8Rの一連の動作を制御
する。また、シーケンサ5は、受信器8RからのMR信
号のデジタルデータを一旦入力して、再構成処理を行う
演算ユニット10にそのデータを転送する。
【0028】ここで、パルスシーケンス情報とは、一連
のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信
器8Rおよび受信器8Tを動作させるために必要な全て
の情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印
加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングな
どに関する情報を含む。
【0029】本実施形態の脳機能イメージング法には、
例えば、FE−EPI(EchoPlanar Ima
ging)法、SE−EPI法など、FE系、SE系の
パルスシーケンスが用いられる。このパルスシーケンス
において、生データを収集するパルス列はEPI法に限
られず、任意の方法でよい。
【0030】演算ユニット10は、入力する生データの
読込み、画像のフーリエ空間(k空間又は周波数空間と
も呼ばれる)への生データの配置、さらには必要に応じ
て、データのアベレージング処理、データのしきい値処
理、複素数データの絶対値化処理、生データを実空間デ
ータに再構成する再構成処理(例えば2次元または3次
元のフーリエ変換処理)を適宜な順番で行うようになっ
ている。なお、3次元撮像が行われた場合、演算ユニッ
ト10は、3次元画像データから2次元画像データを生
成するためにMIP(最大値投影)処理なども実施でき
るようになっている。
【0031】記憶ユニット11は、生データ及び再構成
画像データのみならず、演算処理が施された画像データ
を保管することができる。表示器12は画像を表示す
る。また、術者は入力器13を介して所望のスキャン条
件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情報を
ホスト計算機6に入力できるようになっている。
【0032】次に、この実施形態の動作を説明する。
【0033】ホスト計算機6及びシーケンサ5は協働し
て、図2に大略示す、2種類のパルスシーケンス
(1)、(2)を、図3に示す手順で実行する。すなわ
ち、図3に示す如く、被検体の「安静」と「刺激」のフ
ェーズを1ペアとして、このペアになったフェーズを所
定数、繰り返すとともに、「安静(rest)」フェー
ズ及び「刺激(active)」フェーズ夫々において
2種類のパルスシーケンスが交互に連続して繰り返さ
れ、これにより、fMRI原画像が収集される。
【0034】ここで、この2種類のパルスシーケンス
(1)、(2)の概要を説明する。これらのパルスシー
ケンスは、エコー時間TEが同じで、収集開始時刻が異
なる2種類の2次元SE−EPI法に拠るパルスシーケ
ンス(1)、(2)から成る。
【0035】この2種類のSE‐EPI法に拠るパルス
シーケンス(1)、(2)は、共に、フリップパルス
(90°RFパルス)及びリフォーカスパルス(180
°RFパルス)の順に印加され、次いで、生データの収
集が行なわれる。これらのパルスシーケンス(1)、
(2)の何れもが、k空間の中心部に配置するデータ収
集時刻が、スピン位相=零にリフォーカスされるエコー
時間TEからずれるように設定されるASE(Asym
metric SE)法に基づいている。本実施形態で
は、このASE法に、k空間の生データを収集しない残
り領域にはゼロフィリングを行なうようになっている。
【0036】図2は、両方のパルスシーケンス(1)、
(2)におけるフリップパルスの印加時刻を一致させて
表しており、以下、この印加時刻tを基準(t=0)と
して表す。
【0037】第1のパルスシーケンス(1)では、リフ
ォーカスパルスは基準時刻から時間τ=τ1が経った時
点で印加され、その後、基準時刻からTSE(=τ1×
2)が経過する時刻及びエコー時間TEが経過する時刻
の間の期間Delta−Tmを跨いで生データ収集がE
PI法に拠り行なわれる。
【0038】第2のパルスシーケンス(2)では、リフ
ォーカスパルスは基準時刻から時間τ=τ2(>τ1)
が経った時点で印加され、その後、エコー時間TEが経
過する時刻及び基準時刻からTSE(=τ2×2)が経
過する時刻の間の期間Delta−Tmを跨いで生デー
タ収集がEPI法に拠り行なわれる。
【0039】両パルスシーケンス(1)、(2)におい
て、共に、k空間の原点を含むエコー中心に配置する生
データを時刻t=TEで収集できるように、図示しない
位相エンコード用傾斜磁場パルスに拠る収集順が設定さ
れている。このため、この位相エンコード用傾斜磁場パ
ルスは、生データのk空間への配置順序が両パルスシー
ケンス(1)、(2)間で互いに反対となるように設定
されている。つまり、第1のパルスシーケンス(1)
は、第2のパルスシーケンス(2)に比べて、τ時間が
短いので、生データの収集は図4(2)に示す如く、k
空間上の高周波領域部分から低周波領域部分の順に非対
称なフーリエイメージングが行なわれる。反対に、パル
スシーケンス(2)の場合、生データの収集は図4
(1)に示す如く、k空間空間上の低周波領域部分から
高周波領域部分の順に非対称なフーリエイメージングが
行なわれる。
【0040】第1のパルスシーケンス(1)のBOLD
効果は、時刻t=TSE(=2・τ1)から時刻t=T
Eまでの期間に依存し、第2のパルスシーケンスのそれ
は、時刻t=TEから時刻t=TSE(=2・τ2)ま
での期間に依存する。このため、その両方の期間は同じ
長さDelta−Tmに設定される。ただし、T2減衰
の効果が在るため、パルスシーケンス(2)の方のリフ
ォーカスパルス印加時刻τ2を早めの時刻に合わせ、そ
の期間Delta−Tmを短めに設定してもよい。
【0041】以上の両パルスシーケンス(1)、(2)
が実行されると、生データとして収集される信号強度
は、T2減衰による効果とリフォーカス効果との掛け
算に対応した値として得られる。両シーケンス(1)、
(2)の間では、リフォーカスパルス印加までのτ時刻
が異なるため、動かない大脳皮質と動く血流とからの信
号強度がシーケンス毎に異なってくる。
【0042】具体的には、第1のパルスシーケンス
(1)に拠るイメージングでは、τ時刻が第2のパルス
シーケンス(2)よりも短いため、静止部(大脳皮質)
及び動体部(血流)は励起パルス(90°RFパルス)
及びリフォーカスパルス(180°RFパルス)の両方
を受けるとともに、T2減衰効果も共に未だ小さい。
このため、静止部(大脳皮質)及び動体部(血流)から
収集される生データの信号強度は共に相対的に大きい。
しかも、静止部に関しては、両パルスシーケンス
(1)、(2)のエコー時間TEが同じであるため、再
構成されたときの両方の画像コントラストは殆ど同じで
ある。
【0043】反対に、τ時刻が長い第2のパルスシーケ
ンス(2)に拠るイメージングにあっては、静止部(大
脳皮質)は励起パルス及びリフォーカスパルスの両方を
受けて信号化されるとともに、T2減衰効果が小さい
ので、中程度の(かなり大きい)信号強度の生データが
収集される。動体部(血流)については、τ時刻が長い
ので、励起されたスピンがリフォーカスパルスの印加時
には撮像領域から流れ去って部分が多くなること及びT
減衰効果が大きくなっていることから、収集される
生データの信号強度は低い。
【0044】以上の特性の違いを、図5にまとめて示
す。
【0045】上述した図2に示すシーケンス列(1)、
(2)、…が順次実行されると、その実行の都度、演算
ユニット10には各シーケンスに対するk空間生データ
が収集される(図6、ステップS1A,S1B)。
【0046】この生データには、その空間毎に、ASE
法に基づくk空間上のゼロフィリングがなされ、再構成
される(ステップS2A,S2B)。これにより、fM
RI原画像がシーケンス毎に複数枚、得られる。
【0047】シーケンス毎のfMRI原画像は、複数の
出力画像を作成する差分(「刺激の各フェーズ平均画
像」−「安静時全平均画像」の差分など)又はZ−sc
ore法に付され、fMRI画像に作成される(ステッ
プS3A,S3B)。これは、この後に行なう統計処理
に複数のfMRI画像が必要なためである。
【0048】このようにして得られたシーケンス毎の複
数のfMRI画像が比較される(ステップS4)。この
比較において、高信号化の度合いが大きく異なる領域は
血管(動体部)のもので、それほど変わらないものは静
止部である大脳皮質の高信号化であると認識される。第
1、第2のパルスシーケンス(1)、(2)に拠るfM
RI画像の中で高信号化の度合いが大きく異なる領域を
除外した1枚のfMRI画像が最終的に作成される。
【0049】図7に示す如く、ステップS4において
は、比較の方法には、例えばt検定が用いられる。2つ
の母集団からある危険率以上のt値を持つ領域を除外し
たものが最終的なfMRI画像として作成される。ま
た、この比較には相関係数法を用いてもよく、この場合
は、ピクセル毎に相関係数をとり、相関係数がある値以
下の領域が除外される。
【0050】最終的に作成される1枚のfMRI画像
は、大脳皮質のfMRI高信号化領域、すなわち大脳皮
質を中心に据えたfMRI画像として描出される。
【0051】このように、エコー時間TEが同じだが、
動体部(血液)からの信号強度が異なる2種類のSE法
に基づくパルスシーケンスを実行し、収集したエコー信
号を比較することで、静止部(大脳皮質)からの信号強
度が変化する領域が強調されたSNRの良いfMRI画
像を提供できる。
【0052】なお、この第1の実施形態では、各シーケ
ンス毎に複数のfMRI画像を作成する場合を説明した
が、本発明のファンクショナルイメージング法はシーケ
ンス毎に1枚のfMRI画像を作成する場合にも適用で
きる。この場合、第1、第2のパルスシーケンス
(1)、(2)に基づく2枚のfMRI画像相互の差分
をピクセル毎に演算し、その差分値が大きい領域(すな
わち、血流部)を弁別処理により除外して、その残りの
画素値(すなわち、殆どが大脳皮質を表す)から成る画
像をfMRI画像として提供するようにしてもよい。
【0053】また、第1の実施形態において、パルスシ
ーケンス全体はEPIシーケンスで構成されるものの、
その内の生データを収集するパルス列がFE法などで構
成される場合、k空間へのデータ配置は、図4(3)
(第1のパルスシーケンスのとき)及び同図(4)(第
2のパルスシーケンスのとき)に示す順序に従って行な
われる。
【0054】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態を図8に基づき説明する。なお、これ以降の実施形態
において、第1の実施形態と同一又は同等の構成要素に
は同一符号を用いてその説明を省略又は簡略化する。
【0055】この第2の実施形態に係るMRI装置で
は、エコー時間TE及びデータ収集開始時刻が相互に同
じで、リフォーカスパルスの印加時刻が互いに異なる2
種類のSE系シーケンスを用いることを特徴とする。
【0056】具体的には、ホスト計算機6及びシーケン
サ5によって、図8に示す2種類の第1、第2のパルス
シーケンス(1)、(2)が実行される。これらパルス
シーケンス(1)、(2)は、第1の実施形態のものと
比較して、リフォーカスパルスの印加時刻の設定法及び
データ収集開始時刻が相違している。
【0057】すなわち、第1、第2のパルスシーケンス
(1)、(2)において、リフォーカスパルスの印加時
刻は第1の方がτ1、且つ第2の方がτ2(>τ1)で
互いに相違している。両方のパルスシーケンス(1)、
(2)は共にASE法に従うように設定されており、第
1のパルスシーケンス(1)の生データ収集はそのDe
lta−Tm期間のτ2時刻以降の途中時刻から開始さ
れる。また、第2のパルスシーケンス(2)の生データ
収集は、τ2時刻以降であってエコー時間TE前の所定
時刻(第1のパルスシーケンスの生データ収集開始時刻
と同じ時刻)から開始される。
【0058】この場合の生データのk空間への配置順
は、図4(2)又は(4)である。
【0059】したがって、この第1、第2のパルスシー
ケンス(1)、(2)によっても、リフォーカスパルス
の印加時刻が異なるので、動体部(血流)からの信号強
度がシーケンス毎に変わる。つまり、動体部では、リフ
ォーカスパルスの印加時刻τ2が遅い第2のパルスシー
ケンス(2)の方の信号強度が低くなる(図5参照)。
このため、第1の実施形態と同様のデータ後処理を行な
うことで、静止部である大脳皮質のfMRI高信号化領
域を抽出したfMRI画像を得ることができる。
【0060】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態を図9に基づき説明する。
【0061】この第3の実施形態に係るMRI装置で
は、エコー時間TE及びデータ収集開始時刻が相互に同
じで、タイプが互いに異なるSE系及びFE系の2つの
シーケンスを用いることを特徴とする。
【0062】具体的には、ホスト計算機6及びシーケン
サ5によって、図9に示す2種類の第1、第2のパルス
シーケンス(1)、(2)が実行される。これらパルス
シーケンス(1)、(2)は、第2の実施形態のものと
比較して、第2のパルスシーケンス(2)がFE系シー
ケンスに置き換わり、かつ第1のパルスシーケンス
(1)の生データ収集がDelta−Tm期間の途中か
ら開始されるように設定され、第2のそれと一致させて
いる。
【0063】この実施形態の場合、第1のパルスシーケ
ンス(1)のDelta−Tm期間と第2のパルスシー
ケンス(2)のエコー時間TEが異なるため、両シーケ
ンスで撮影したfMRI画像にはBOLD効果の若干の
違いが反映している。そこで、この違いよりも動体部
(血管)のfMRI信号の強度の方が大きくなるように
撮影パラメータが設定される。これにより、最終的なf
MRI画像では流体部のfMRI信号が抑制される。
【0064】なお、本発明は、代表的に例示した上述の
実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれ
ば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することがで
き、それらも本発明の権利範囲に属するものである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のSE系シーケンスを用いた場合と比較して、高い
SNRを確保するとともに、動いている血流部の信号を
抑制し且つ大脳皮質からの高信号化を相対的に強調した
fMRI画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の概略構成
を示すブロック図。
【図2】ファンクショナルMRイメージングの診断フェ
ーズと2種のSE系パルスシーケンスの実行タイミング
を説明するタイミングチャート。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る2種のSE系パ
ルスシーケンスの詳細を示す概略タイミングチャート。
【図4】k空間への、収集した生データの配置順を説明
する図。
【図5】2種のSE系パルスシーケンスによる部位別の
信号強度の相対的な比較を示す図。
【図6】第1の実施形態おける収集データ処理の概要を
説明するフローチャート。
【図7】fMRI高信号化領域の血流部と大脳皮質部と
の分離処理を説明する図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る2種のSE系パ
ルスシーケンスの詳細を示す概略タイミングチャート。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る2種のSE系及
びFE系のパルスシーケンスの詳細を示す概略タイミン
グチャート。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 ホスト計算機 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の撮像領域における流動体のスピ
    ンのリフォーカスに関するパラメータが相互に異なる複
    数種のシーケンスの夫々を当該被検体に対して実行して
    エコー信号を収集するスキャン手段と、前記エコー信号
    を処理して前記流動体の領域を抑制し且つ目的とする静
    止体を強調したファンクショナルMRI(fMRI)画
    像を作成するデータ処理手段とを備えたことを特徴とす
    るMRI装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMRI装置において、 前記複数種のシーケンスは、エコー時間TEが相互に同
    じで且つリフォーカス時間が相互に異なる2種類のシー
    ケンスであるMRI装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のMRI装置において、 前記2種類のシーケンスは、前記エコー信号の収集開始
    時刻が同じであるMRI装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のMRI装置において、 前記2種類のシーケンスは、前記エコー信号の収集開始
    時刻が異なるMRI装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4の何れか一項に記載のMR
    I装置において、 前記2種類のシーケンスは、ASE(asymmetr
    ic SE)法に従うパルス列でなるパルスシーケンス
    であるMRI装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のMRI装置において、 前記複数種のシーケンスは、エコー時間TEが相互に同
    じであるSE系及びFE系の2種類のシーケンスである
    MRI装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のMRI装置において、 前記スキャン手段は、前記被検体に対して交互に繰り返
    される安静フェーズ及び刺激フェーズの各診断フェーズ
    にて前記複数種のシーケンスを実行する手段であるMR
    I装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のMRI装置において、 前記データ処理手段は、前記スキャンにより実行された
    前記複数種のシーケンス夫々のエコー信号から個別に前
    記fMRI画像を作成する手段と、この複数種のシーケ
    ンスに対応したfMRI画像の信号強度の変化を相互に
    比較して前記流動体の領域を抑制し且つ前記静止体を強
    調した最終的な前記fMRI画像を作成する手段とを備
    えたMRI装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか一項に記載のMR
    I装置において、 前記被検体の撮像領域は頭部であって、前記静止体は大
    脳皮質の部分で、且つ前記流動体は大脳皮質近傍に存在
    する太い血管であるMRI装置。
  10. 【請求項10】 被検体の撮像領域における流動体のス
    ピンのリフォーカスに関するパラメータが相互に異なる
    複数種のシーケンスの夫々を当該被検体に対して実行し
    てエコー信号を収集し、そのエコー信号を処理して前記
    流動体の領域を抑制し且つ目的とする静止体を強調した
    ファンクショナルMRI(fMRI)画像を作成するこ
    とを特徴としたファンクショナルMRイメージング方法
JP2000093090A 2000-03-30 2000-03-30 Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法 Pending JP2001276014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000093090A JP2001276014A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000093090A JP2001276014A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001276014A true JP2001276014A (ja) 2001-10-09

Family

ID=18608323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000093090A Pending JP2001276014A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001276014A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116216A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置および画像補正評価方法
CN105686828A (zh) * 2015-09-13 2016-06-22 北京大学 一种基于磁共振成像的无创动态测量肌肉氧摄取率的方法
CN105699923A (zh) * 2015-09-12 2016-06-22 北京大学 一种无创动态测量组织r2,r2*和r2`参数图像的磁共振成像方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116216A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置および画像補正評価方法
JP4625677B2 (ja) * 2004-10-25 2011-02-02 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置および画像補正評価方法
CN105699923A (zh) * 2015-09-12 2016-06-22 北京大学 一种无创动态测量组织r2,r2*和r2`参数图像的磁共振成像方法
CN105686828A (zh) * 2015-09-13 2016-06-22 北京大学 一种基于磁共振成像的无创动态测量肌肉氧摄取率的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4309632B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5002099B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3512482B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
US7439737B2 (en) Contrast prepared MRI involving non-cartesian trajectories with oversampling of the center of k-space
US9700220B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
JP5575722B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US7256580B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
EP2327993A1 (en) MRI involving SSFP with magnetization preparation
JP3995542B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージングのデータ収集方法
EP2610632A1 (en) MRI with Dixon-type water/fat separation and prior knowledge about inhomogeneity of the main magnetic field
JP2010042245A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4220592B2 (ja) Mri装置
JP3884227B2 (ja) 磁気共鳴撮影装置
JP4777372B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2001276014A (ja) Mri装置及びファンクショナルmrイメージング方法
JP2006116299A (ja) 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置のデータ処理方法
JP3690874B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
EP3702800A1 (en) Epi mr imaging with distortion correction
CN111044957A (zh) 磁共振成像方法、装置、存储介质和磁共振成像系统
JP2007111513A (ja) 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置における撮影条件設定方法
JP5087172B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP7507793B2 (ja) オフ共鳴アーチファクト補正を伴うスパイラルmr撮像
EP3859366A1 (en) Mr imaging using dixon-type water/fat separation with suppression of flow-induced leakage and/or swapping artifacts
JP2001340316A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JPH09238912A (ja) 磁気共鳴イメージング装置