JP2001273392A - デザイン評価方法及びその装置 - Google Patents

デザイン評価方法及びその装置

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JP2001273392A
JP2001273392A JP2000088230A JP2000088230A JP2001273392A JP 2001273392 A JP2001273392 A JP 2001273392A JP 2000088230 A JP2000088230 A JP 2000088230A JP 2000088230 A JP2000088230 A JP 2000088230A JP 2001273392 A JP2001273392 A JP 2001273392A
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JP2000088230A
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Kenji Mimura
建治 三村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 評価対象物のデザインの良否に対する信頼性
の高い評価を得ることのできるデザイン評価方法及びそ
の装置を提供する。 【解決手段】 評価対象物のデザインを表現した映像B
をモニタ1によって出力するとともに、この映像Bを任
意の被験者Aに見せながらその被験者Aの脳波を測定
し、その脳波反応に基づいて評価対象のデザインを評価
するようにしたので、被験者Aの知識や経験に基づく主
観的判断が加わることのない直感的な評価結果を得るこ
とができ、その評価結果が他の不特定の消費者と共通の
評価であることを期待している開発者側にとっては極め
て信頼性の高いデータとなる。この場合、評価対象物の
デザインはモニタ1に映像Bとして出力されるので、映
像Bをコンピュータグラフィック等を用いて仮想的に作
成することにより、製品の実物が存在しない開発段階に
おいてもデザインの決定を的確に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の各種製
品の製造に際し、製品のデザインの良否に関する評価を
得るためのデザイン評価方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、工業製品等のデザインは、製品
の本質的な性能に加えて商品の売れ行きを左右する重要
な要素の一つとなっている。特に、自動車の外観に係る
デザインは、消費者の好みや流行等によって多様に変化
することから、設計・製造に至る前の開発段階において
は、デザインの決定に十分な検討が要求されている。そ
こで、従来では製品のデザインを絵図面で表し、デザイ
ン画を見た評価者が口頭または文書で報告した評価に基
づいて最終的なデザインを決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記デ
ザインに対する評価は、視覚を通じて受けた印象に評価
者個人の知識や経験に基づく主観的判断が加わるため、
直感的な印象とは必ずしも一致せず、その評価結果が他
の不特定の消費者と共通の評価であることを期待してい
る開発者側にとっては信頼性の高いデータであるとは言
えなかった。
【0004】また、実際に消費者が製品を購入する場合
は、広告やカタログ等に表示されている製品の実物の写
真を見たり、或いは店頭に展示されている製品の実物を
直接見ることにより、その製品に対する購入意欲を生ず
るのが通常である。しかしながら、製品の実物が存在し
ない開発段階においては、デザイン画に対する評価のみ
しか得られず、しかもデザイン画と製品の実物とでは視
覚を通じて受ける印象が異なる場合が多い。
【0005】従って、何れにしても開発段階においては
そのデザインによって良好な売れ行きが得られることを
確信することができず、実際の販売においてデザイン決
定時に期待したほどの売れ行きが得られないことが多か
った。
【0006】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、評価対象物のデザイ
ンの良否に対する信頼性の高い評価を得ることのできる
デザイン評価方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、請求項1のデザイン評価方法では、評価対象
物のデザインを表現した映像を所定の映像出力手段によ
って出力するとともに、この映像を任意の被験者に見せ
ながらその被験者の脳波を測定し、その脳波反応に基づ
いて前記評価対象物のデザインを評価するようにしてい
る。これにより、評価対象物のデザインがその映像を見
た被験者の脳波反応に基づいて評価されることから、被
験者の知識や経験に基づく主観的判断が加わることのな
い直感的な評価結果が得られる。
【0008】また、請求項2のデザイン評価方法では、
評価対象物のデザインを表現した映像を所定の映像出力
手段によって出力するとともに、この映像を任意の被験
者に見せながらその被験者の脳波を測定し、被験者の頭
皮上における脳波電位の場所的な分布状態のパターンを
予め設定した複数種類の基準パターンと比較し、測定さ
れた脳波電位のパターンが何れの基準パターンに近似す
るかを判定することにより前記評価対象物のデザインを
評価するようにしている。これにより、評価対象物のデ
ザインがその映像を見た被験者の脳波反応に基づいて評
価されることから、被験者の知識や経験に基づく主観的
判断が加わることのない直感的な評価結果が得られると
ともに、被験者の脳波電位の分布パターンが予め設定し
た複数種類の基準パターンの何れに近似するかを判定さ
れることから、例えば怒り、喜び、悲しみ等、各基準パ
ターンの特徴に基づいて被験者の脳波反応がより具体的
に測定される。
【0009】また、請求項3では、請求項1または2記
載のデザイン評価方法において、前記映像の所定場面に
おける被験者の脳波反応に基づいて前記評価対象物のデ
ザインを評価するようにしている。これにより、請求項
1または2の作用に加え、例えば評価における重要な反
応が予測される任意の場面について測定することが可能
となる。
【0010】また、請求項4では、請求項1、2または
3記載のデザイン評価方法において、前記評価対象物を
異なった角度から表した場面を含む映像を用いるように
している。これにより、請求項1、2または3の作用に
加え、例えば評価対象物が自動車の場合、自動車をその
正面や側面等の異なった角度から映し出した場面等が映
像によって表現される。
【0011】また、請求項5では、請求項1、2、3ま
たは4記載のデザイン評価方法において、前記評価対象
物の動的な変化を表した場面を含む映像を用いるように
している。これにより、請求項1、2、3または4の作
用に加え、例えば評価対象物が自動車の場合、自動車の
走行状態や可動部の動作状態等の動的変化を生ずる場面
等が映像によって表現される。
【0012】また、請求項6では、請求項1、2、3、
4または5記載のデザイン評価方法において、前記評価
対象物を所定の背景と共に表した場面を含む映像を用い
るようにしている。これにより、請求項1、2、3、4
または5の作用に加え、例えば評価対象物が自動車の場
合、市街地、山間地、昼間、夜間、各天候等の背景が異
なる場面等が映像によって表現される。
【0013】また、請求項7では、請求項1、2、3、
4、5または6記載のデザイン評価方法において、前記
評価対象物を他の物品または人物と共に表した場面を含
む映像を用いるようにしている。これにより、請求項
1、2、3、4、5または6の作用に加え、例えば評価
対象物が自動車の場合、自動車と共にその備品や積載物
等の他の物品や運転者や搭乗者等の人物が表されている
場面等が映像によって表現される。
【0014】また、請求項8では、請求項1、2、3、
4、5、6または7記載のデザイン評価方法において、
前記映像をコンピュータグラフィックを用いて作成する
ようにしている。これにより、請求項1、2、3、4、
5、6または7の作用に加え、評価対象物のデザインが
コンピュータグラフィックによって任意に表現すること
が可能となる。
【0015】また、請求項9では、請求項8記載のデザ
イン評価方法において、前記映像に実物の存在しない評
価対象物を表現するようにしている。これにより、請求
項8の作用に加え、実物の存在しない評価対象物がコン
ピュータグラフィックによって仮想的に表現される。
【0016】また、請求項10では、請求項1、2、
3、4、5、6、7、8または9記載のデザイン評価方
法において、前記評価対象物は車両であることを特徴と
する。これにより、請求項1、2、3、4、5、6、
7、8または9の作用に加え、例えば自動車や自動二輪
車等、外観に係るデザインが重視される車両のデザイン
が評価される。
【0017】また、請求項11では、評価対象物のデザ
インを表現した映像を出力する映像出力手段と、映像出
力手段の映像を目視する被験者の脳波を測定する脳波測
定手段と、脳波測定手段によって測定された被験者の脳
波反応に基づいて前記評価対象物のデザインに対する所
定の判定を行う判定手段とを備えたデザイン評価装置を
構成している。これにより、評価対象物のデザインがそ
の映像を見た被験者の脳波反応に基づいて評価されるこ
とから、被験者の知識や経験に基づく主観的判断が加わ
ることのない直感的な評価結果を得ることのできる装置
が実現する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1乃至図5は本発明の一実施形
態を示すもので、図1はでデザイン評価装置の概略図、
図2は制御系を示すブロック図、図3は頭皮上電位の分
布を示す頭部の概略平面図、図4は任意の電極位置にお
ける脳波の変化を示す図、図5は演算制御部の動作を示
すフローチャートである。
【0019】このデザイン評価装置は、所定の映像Bを
出力するモニタ1と、モニタ1を目視する被験者Aの脳
波を検出する脳波検出器2と、脳波検出器2の検出信号
により脳波の電位信号を時系列的に測定する脳波測定部
3と、脳波測定部3の測定結果に基づく脳波データの分
析及びモニタ制御等を行う演算制御部4と、測定データ
と比較する基準データを記憶した記憶装置5と、評価結
果を出力する出力装置6とから構成されている。
【0020】モニタ1は、例えば磁気テープ等に記録さ
れた映像を再生する機能を備え、例えば自動車のデザイ
ンを表現した映像Bが記録されている。この場合、映像
Bのデータは、実物を直接撮影したものではなく、コン
ピュータグラフィック等を用いて仮想的に作成したもの
である。
【0021】脳波検出器2は、例えば医療用に用いられ
る周知の機器からなり、被験者Aの頭皮に固定される多
数の電極2aを有している。脳波検出器2の各電極2a
は頭皮上の多数箇所に点在するように取付けられ、それ
ぞれ増幅器2bを介して脳波測定部3に接続されてい
る。
【0022】脳波測定部3は脳波検出器2の検出信号を
数値化する周知の機器からなり、演算制御部4に接続さ
れている。この場合、脳波測定部3は脳波検出器2の各
電極2aの位置における頭皮上電位をそれぞれ同時に測
定するようになっている。
【0023】演算制御部4はマイクロコンピュータによ
って構成され、モニタ1、記憶装置5及び出力装置6に
それぞれ接続されている。即ち、演算制御部4では、脳
波測定部3によって測定された脳波−頭皮上電位分布の
相関パターンから、それぞれのパターンに対応する特徴
量を数値化し、予め記憶装置5に記憶されている基準デ
ータと比較するようになっている。
【0024】記憶装置5は、前記脳波−頭皮上電位分布
の相関パターンと比較する各種基準データを記憶してお
り、各基準データは任意に書き換え可能になっている。
【0025】出力装置6は、例えばパーソナルコンピュ
ータのディスプレイやプリンタ等からなり、評価結果の
一覧表等を出力するようになっている。
【0026】ここで、本実施形態のデザイン評価方法に
用いる脳波解析について説明する。一般に、人間の脳は
与えられた刺激によって反応し、これに応じて脳波が変
化する。しかし、脳には機能の局在があるとされてお
り、怒り、喜び、悲しみ等の感性の状態により、関与す
る部位と関与しない部位(例えば、図3に示す頭皮上の
異なった場所L1 ,L2 ,L3 )によって特徴的な電位
分布が形成されることが文献により明らかにされてい
る。そこで、本発明では、頭皮上で脳波がつくる場所的
な分布状態(パターン)を測定することにより、その分
布状態を予め実験や研究により求められた複数種類の感
性(怒り、喜び、悲しみ等)の基準パターンと比較し、
測定データが何れの基準パターンの特徴に近似するかを
判定することにより、評価対象物のデザインを見た被験
者が視覚を通じて受けた刺激により生じた感性に基づい
てデザインを評価する。
【0027】次に、本実施形態のデザイン評価方法にお
ける演算制御部4の動作について、図5に示すフローチ
ャートを参照して説明する。
【0028】まず、モニタ1を目視する被験者Aの脳波
の測定を開始するとともに(S1)、モニタ1に所定の
映像Bを出力し(S2)、時間の計測を開始する(S
3)。この場合、映像Bは評価対象物(例えば自動車の
デザイン)を動画によって連続的に映し出すものでもよ
いし、静止画を順次切換えるものであってもよい。ま
た、映像Bには被験者Aの脳波の反応を測定すべき複数
の場面(E1,E2,…,En)が図4に示すように時系列
的に設定されており、各場面は前記計時開始からそれぞ
れ所定時間(T1,T2,…,Tn )が経過した際に現れる
ようになっている。各場面としては、例えば評価対象物
が自動車の場合、自動車を正面や側面等の異なった角度
から映し出した場面、自動車の走行状態や可動部の動作
状態等の動的変化を生ずる場面、市街地、山間地、昼
間、夜間、各天候等の背景が異なる場面、自動車と共に
その備品や積載物等の他の物品や運転者や搭乗者等の人
物が表されている場面など、評価対象物のみを表した場
面、またはその一態様のみを表した場面だけでなく、評
価における重要な反応が予測される種々の場面が設定さ
れている。次に、前記場面の変数nを0とした後(S
4)、nに1を加え(S5)、時間Tn が経過したなら
ば、そのときの脳波が頭皮上でつくる場所的な分布状態
(以下、脳波電位パターンという)を記憶装置の各基準
パターン(怒り、喜び、悲しみ等の複数種類の感性)と
比較し(S6)、最も近似する基準パターンを比較結果
Pn として記録する(S7)。例えば、脳波電位パター
ンが自動車を正面から映し出した場面で”喜び”の感性
に対応する基準パターンに最も近似していた場合は、そ
の場面に対して”喜び”の基準パターンが記録される。
次に、変数nが最後の場面の変数Nに達していなければ
(S8)、前記ステップS5〜S8の動作を繰り返して
各場面(E1,E2,…,En )について評価を行った後、
ステップS8において変数nが最後の場面の変数Nに達
したならば、各場面(E1,E2,…,En )の評価結果を
出力装置6によって出力し(S9)、プログラムを終了
する。
【0029】以上のようにして得られた評価結果によ
り、例えば自動車を正面から映し出した場面で被験者A
が”喜び”の感性を生ずる反応を示した場合は、その自
動車の正面デザインは被験者Aにとって良好な印象を受
けたと判断することができる。また、例えば自動車が市
街地を走行する場面で”怒り”または”悲しみ”の感性
を生ずる反応を示した場合は、その自動車のデザインは
市街地に似合わないと判断することができる。
【0030】このように、本実施形態によれば、評価対
象物のデザインを表現した映像Bをモニタ1によって出
力するとともに、この映像Bを任意の被験者Aに見せな
がらその被験者Aの脳波を測定し、その脳波反応に基づ
いて評価対象のデザインを評価するようにしたので、被
験者Aの知識や経験に基づく主観的判断が加わることの
ない直感的な評価結果を得ることができ、その評価結果
が他の不特定の消費者と共通の評価であることを期待し
ている開発者側にとっては極めて信頼性の高いデータと
なる。この場合、前述の評価測定を複数の被験者に対し
て行い、各評価結果を総合して最終的なデザインを決定
することにより、デザイン決定の信頼性をより高めるこ
とができる。また、評価対象物のデザインはモニタ1に
映像Bとして出力されるので、映像Bをコンピュータグ
ラフィック等を用いて仮想的に作成することにより、製
品の実物が存在しない開発段階においてもデザインの決
定を的確に行うことができる。
【0031】尚、前記実施形態によるデザイン評価方法
は自動車や自動二輪車等の車両に限られることはなく、
例えば航空機、船舶または各種家電製品等の他の工業製
品は勿論のこと、衣服、玩具または工芸品のデザインな
ど、あらゆる分野のデザイン評価に用いることができ
る。
【0032】また、前記実施形態では、設計・製造前の
製品のデザインを仮想的に表現したものについて評価測
定を行うようにしたが、例えば既に市場に流通して一定
の評価が得られている物品について本発明の評価測定を
行い、その評価結果と現実の評価との関係に基づいて新
たなデザインの実際の評価結果を予測することも可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のデザイ
ン評価方法によれば、評価対象物のデザインについて、
被験者の知識や経験に基づく主観的判断が加わることの
ない直感的な評価結果を得ることができるので、その評
価結果が他の不特定の消費者と共通の評価であることを
期待している開発者側にとって極めて信頼性の高いデー
タとなる。従って、例えば開発段階においてそのデザイ
ンによって良好な売れ行きが得られるか否かを確信する
ことができ、評価対象物に係る製品の製造販売において
極めて有利である。
【0034】また、請求項2のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1と同様の効果を得ることができるととも
に、例えば怒り、喜び、悲しみ等、被験者の脳波反応を
より具体的に測定することができるので、より信頼性の
高い評価結果を得ることができる。
【0035】また、請求項3のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1または2の効果に加え、例えば評価におけ
る重要な反応が予測される任意の場面について測定する
ことができるので、より有効な評価結果を得ることがで
きる。
【0036】また、請求項4のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1、2または3の効果に加え、例えば評価対
象物が自動車の場合、自動車をその正面や側面等の異な
った角度から映し出した場面等が映像によって表現され
るので、評価対象物の一態様のみを表した映像による評
価に比べ、被験者の多様な反応に基づく評価を行うこと
ができる。
【0037】また、請求項5のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1、2、3または4の効果に加え、例えば評
価対象物が自動車の場合、自動車の走行状態や可動部の
動作状態等の動的変化を生ずる場面等が映像によって表
現されるので、評価対象物のみを表した映像による評価
に比べ、被験者の多様な反応に基づく評価を行うことが
できる。
【0038】また、請求項6のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1、2、3、4または5の効果に加え、例え
ば評価対象物が自動車の場合、市街地、山間地、昼間、
夜間、各天候等の背景が異なる場面等が映像によって表
現されるので、評価対象物のみを表した映像による評価
に比べ、被験者の多様な反応に基づく評価を行うことが
できる。
【0039】また、請求項7のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1、2、3、4、5または6の効果に加え、
例えば評価対象物が自動車の場合、自動車と共にその備
品や積載物等の他の物品や運転者や搭乗者等の人物が表
されている場面等が映像によって表現されるので、評価
対象物のみを表した映像による評価に比べ、被験者の多
様な反応に基づく評価を行うことができる。
【0040】また、請求項8のデザイン評価方法によれ
ば、請求項1、2、3、4、5、6または7の効果に加
え、評価対象物のデザインを任意に表現することができ
るので、デザイン評価に効果的な映像の作成が可能とな
る。
【0041】また、請求項9のデザイン評価方法によれ
ば、請求項8の効果に加え、実物の存在しない評価対象
物を仮想的に表現することができるので、製品の実物が
存在しない開発段階においてもデザインの決定を的確に
行うことができる。
【0042】また、請求項10のデザイン評価方法によ
れば、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9
の効果に加え、例えば自動車や自動二輪車等、外観に係
るデザインが重視される車両のデザインが評価されるの
で、このような製品の開発及び製造販売において極めて
有利である。
【0043】また、請求項11のデザイン評価装置によ
れば、被験者の知識や経験に基づく主観的判断が加わる
ことのない直感的な評価結果を得ることのできる装置を
実現することができるので、実用化に際して極めて有利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すデザイン評価装置の
概略図
【図2】制御系を示すブロック図
【図3】頭皮上電位の分布を示す頭部の概略平面図
【図4】任意の電極位置における脳波の変化を示す図
【図5】演算制御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】 1…モニタ、2…脳波検出器、3…脳波測定部、4…演
算制御部、A…被験者、B…映像。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月23日(2001.1.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】まず、モニタ1を目視する被験者Aの脳波
の測定を開始するとともに(S1)、モニタ1に所定の
映像Bを出力し(S2)、時間の計測を開始する(S
3)。この場合、映像Bは評価対象物(例えば自動車の
デザイン)を動画によって連続的に映し出すものでもよ
いし、静止画を順次切換えるものであってもよい。ま
た、映像Bには被験者Aの脳波の反応を測定すべき複数
の場面(E1,E2,…,En)が図4に示すように時系列
的に設定されており、各場面は前記計時開始からそれぞ
れ所定時間(T1,T2,…,Tn )が経過した際に現れる
ようになっている。各場面としては、例えば評価対象物
が自動車の場合、自動車を正面や側面等の異なった角度
から映し出した場面、自動車の走行状態や可動部の動作
状態等の動的変化を生ずる場面、市街地、山間地、昼
間、夜間、各天候等の背景が異なる場面、自動車と共に
その備品や積載物等の他の物品や運転者や搭乗者等の人
物が表されている場面など、評価対象物のみを表した場
面、またはその一態様のみを表した場面だけでなく、評
価における重要な反応が予測される種々の場面が設定さ
れている。次に、前記場面の変数nを0とした後(S
4)、nに1を加え(S5)、時間Tn が経過したなら
(S6)、そのときの脳波が頭皮上でつくる場所的な
分布状態(以下、脳波電位パターンという)を記憶装置
の各基準パターン(怒り、喜び、悲しみ等の複数種類の
感性)と比較し(S)、最も近似する基準パターンを
比較結果Pn として記録する(S)。例えば、脳波電
位パターンが自動車を正面から映し出した場面で”喜
び”の感性に対応する基準パターンに最も近似していた
場合は、その場面に対して”喜び”の基準パターンが記
録される。次に、変数nが最後の場面の変数Nに達して
いなければ(S)、前記ステップS5〜S8の動作を
繰り返して各場面(E1,E2,…,En )について評価を
行った後、ステップSにおいて変数nが最後の場面の
変数Nに達したならば、各場面(E1,E2,…,En )の
評価結果を出力装置6によって出力し(S10)、プロ
グラムを終了する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 評価対象物のデザインを表現した映像を
    所定の映像出力手段によって出力するとともに、 この映像を任意の被験者に見せながらその被験者の脳波
    を測定し、 その脳波反応に基づいて前記評価対象物のデザインを評
    価することを特徴とするデザイン評価方法。
  2. 【請求項2】 評価対象物のデザインを表現した映像を
    所定の映像出力手段によって出力するとともに、 この映像を任意の被験者に見せながらその被験者の脳波
    を測定し、 被験者の頭皮上における脳波電位の場所的な分布状態の
    パターンを予め設定した複数種類の基準パターンと比較
    し、 測定された脳波電位のパターンが何れの基準パターンに
    近似するかを判定することにより前記評価対象物のデザ
    インを評価することを特徴とするデザイン評価方法。
  3. 【請求項3】 前記映像の所定場面における被験者の脳
    波反応に基づいて前記評価対象物のデザインを評価する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のデザイン評価
    方法。
  4. 【請求項4】 前記評価対象物を異なった角度から表し
    た場面を含む映像を用いることを特徴とする請求項1、
    2または3記載のデザイン評価方法。
  5. 【請求項5】 前記評価対象物の動的な変化を表した場
    面を含む映像を用いることを特徴とする請求項1、2、
    3または4記載のデザイン評価方法。
  6. 【請求項6】 前記評価対象物を所定の背景と共に表し
    た場面を含む映像を用いることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載のデザイン評価方法。
  7. 【請求項7】 前記評価対象物を他の物品または人物と
    共に表した場面を含む映像を用いることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5または6記載のデザイン評価方
    法。
  8. 【請求項8】 前記映像をコンピュータグラフィックを
    用いて作成することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6または7記載のデザイン評価方法。
  9. 【請求項9】 前記映像に実物の存在しない評価対象物
    を表現することを特徴とする請求項8記載のデザイン評
    価方法。
  10. 【請求項10】 前記評価対象物は車両であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または
    9記載のデザイン評価方法。
  11. 【請求項11】 評価対象物のデザインを表現した映像
    を出力する映像出力手段と、 映像出力手段の映像を目視する被験者の脳波を測定する
    脳波測定手段と、 脳波測定手段によって測定された被験者の脳波反応に基
    づいて前記評価対象物のデザインに対する所定の判定を
    行う判定手段とを備えたことを特徴とするデザイン評価
    装置。
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