JP2001273152A - 電子制御装置 - Google Patents

電子制御装置

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JP2001273152A
JP2001273152A JP2000085887A JP2000085887A JP2001273152A JP 2001273152 A JP2001273152 A JP 2001273152A JP 2000085887 A JP2000085887 A JP 2000085887A JP 2000085887 A JP2000085887 A JP 2000085887A JP 2001273152 A JP2001273152 A JP 2001273152A
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timer
control
value
timing
processing
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JP2000085887A
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English (en)
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Hiroki Nakazato
弘樹 中里
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御用タイマの遅れを抑制し、ひいては同タイ
マの値に基づく各種制御演算を好適に実施する。 【解決手段】エンジンECU10はメインCPU20と
サブCPU30とを備え、各CPU20,30はDMA
通信を介してデータのやり取りを行う。各CPU20,
30は、各種制御で個々に使用する制御用タイマの値を
ベースルーチンにて計数し、更にそのタイマ値に基づい
て各種制御の実施タイミングを判断すると共に、そのタ
イミングに到達すると該当する処理を実施する。特に、
CPU20,30は、高優先度タイマ割り込み処理にお
いて基準タイマをカウントアップすると共に、ベースル
ーチンにおいて監視タイマをカウントアップし、基準タ
イマと監視タイマとの値の差に基づいて制御用タイマの
値を補正する。従って、CPU処理負荷が大きくなり制
御用タイマの値に遅れが生じても、当該タイマ値がその
都度補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車載エンジ
ンの制御等に用いられる電子制御装置において、各種制
御で用いる制御用タイマのカウントアップ動作を適正に
行わせるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電子制御装置では、マイクロプ
ロセッサにより各種多様な制御が時間刻みで実施され、
その際、ベース処理では所定の時間周期で制御用タイマ
がカウントアップ(計数)される。そして、この制御用
タイマの値に基づいて各種制御の実施タイミングが判断
される。例えば、図9のベースルーチンでは、予め規定
した16msタイミングに達したかどうかを判別する
(ステップ401)。そして、16msタイミングに達
していれば、制御用タイマをその都度カウントアップし
(ステップ403)、その後、通常ベース処理を実施す
る(ステップ402)。また、16msタイミングに達
していなければ、通常ベース処理を繰り返し実行する
(ステップ402)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車載エンジンの制御等
に用いられる車載用電子制御装置では、車両の過渡運転
時やエンジン高回転時などにおいてマイクロプロセッサ
(ソフトウエア)の処理負荷が大きくなると、それに連
れて時間同期又は角度同期の割り込みが増え、それより
も優先度の低いベースルーチンでは処理が遅れる。
【0004】すなわち、図10(a)に示すように、マ
イクロプロセッサの処理負荷が図のA1未満であれば、
ベース処理は予め規定される基準時間通りに実施され
る。このとき、図9の処理では、通常ベース処理(ステ
ップ402)が基準時間(16ms)以内に実施され、
制御用タイマが理論タイミング通りに正しくカウントア
ップされる。これに対し、マイクロプロセッサの処理負
荷が図のA1以上となる場合、図9の処理では通常ベー
ス処理(ステップ402)が基準時間(16ms)以内
に実施することができなくなる。その結果、制御用タイ
マのカウントアップが遅れてしまう。
【0005】また、制御用タイマの遅れ防止対策とし
て、制御用タイマのカウントアップ処理を全て高優先度
タイマ割り込み処理へ移動し、制御用タイマのカウント
アップを優先的に実施することが従来より提案されてい
る。しかしながら、この構成では、制御用タイマのカウ
ントアップが理論タイミング通りに実施できるものの、
車載用電子制御装置等では制御用タイマが多数(例えば
100個程度又はそれ以上)必要になることから、高優
先度タイマ割り込み処理での処理負荷が過剰に増大して
しまう。すなわち、図10(b)に示すように、高優先
度タイマ割り込みによるカウントアップ処理分の時間増
加が大きくなり、基準時間通りにベース処理が実施でき
る領域が狭くなってしまう。
【0006】図10(a),(b)を比べると、制御用
タイマのカウントアップ処理を高優先度タイマ割り込み
へ移動することにより、基準時間通りに動作できる処理
負荷の領域がA1からA2に狭められる。その結果、図
10(b)では、マイクロプロセッサの処理負荷が僅か
に上昇する場合にも、基準時間通りにベース処理が実施
できなくなり、制御動作が遅れることからシステムに悪
影響を及ぼしていた。
【0007】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、制御用タイマの
遅れを抑制し、ひいては同タイマの値に基づく各種制御
演算を好適に実施することができる電子制御装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の電子制
御装置では、各制御演算で個々に使用する制御用タイマ
の値がベース処理にて計数される。そして、その制御用
タイマの値に基づいて種々の制御タイミングが判断さ
れ、そのタイミングに到達すると該当する制御演算が実
施される。また特に、マイクロプロセッサは、ベース処
理よりも優先度の高い定時割り込み処理において基準タ
イマの値を計数すると共に、ベース処理において当該処
理の遅れを監視するための監視タイマの値を計数し、前
記した基準タイマと監視タイマとの値の差に基づいて前
記制御用タイマの値を補正する。
【0009】かかる場合、マイクロプロセッサの処理負
荷が大きくなりベース処理での制御用タイマの値に遅れ
が生じても、その遅れが監視タイマにより監視され、誤
差が殆どない基準タイマとの差分により制御用タイマが
その都度補正される。それ故、制御用タイマのカウント
アップが理論タイミング通りに実施されると共に、制御
用タイマの値に基づく各種制御演算が当初のスケジュー
ル通りに実施され、マイクロプロセッサの処理負荷増大
時における制御への悪影響が解消される。この場合、高
優先度の定時割り込み処理にて計数されるタイマとして
は1個の「基準タイマ」を追加しただけであり、割り込
み処理負荷が過剰に増加することもない。
【0010】請求項2に記載の発明では、マイクロプロ
セッサは、複数存在する制御用タイマの中からその時々
の補正対象を抽出し、その補正対象のタイマについて補
正を行う。これにより、必要最小分の補正のみが実施さ
れることとなり、処理の簡素化及び迅速化を図ることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施の形態を図面に従って説明する。図1は、車載エンジ
ンの制御を司るエンジンECU10の概略構成を示すブ
ロック図である。図1において、エンジンECU10は
2CPU構成を有し、マイクロプロセッサとしてのメイ
ンCPU20とサブCPU30とを備える。メインCP
U20とサブCPU30は、DMA通信を介してデータ
のやり取りを行う。
【0012】メインCPU20は、図示しないクランク
角センサから出力されるクランク信号の他、吸気管圧力
センサ、水温センサ等の各種センサからの検出信号やス
タータ信号を取り込み、これら各信号に基づいてインジ
ェクタやイグナイタに対して制御信号を出力する。つま
り、メインCPU20は、燃料噴射制御や点火時期制御
を主に実施する。
【0013】また、サブCPU30は、図示しない自動
変速機のシフト位置を示すシフト位置信号や、トルコン
回転数センサから出力されるトルクコンバータの回転数
信号の他、DMA通信を介してメインCPU20より入
力されるスロットル信号等を取り込み、これら各信号に
基づいて油圧ソレノイドバルブや電子制御式のスロット
ルアクチュエータに対して制御信号を出力する。つま
り、サブCPU30は、ギア変速制御、電子スロットル
制御、クルーズ制御を主に実施する。
【0014】なお本発明の実施にあたり、ECU構成は
上記に限定されるものではなく、例えば上記の2CPU
構成に代えて、1CPU、3CPU構成などで実施して
も良い。
【0015】一方、上記した各CPU20,30は、各
種制御で個々に使用する複数の制御用タイマTCnをベ
ースルーチンにてカウントアップし、更にそのタイマ値
(TCn値)に基づいて各種制御の実施タイミングを判
断すると共に、そのタイミングに到達すると該当する処
理を実施する。こうして制御用タイマTCnにより実施
タイミングを調整する制御として、本実施の形態ではサ
ブCPU30により実施される「トルクダウン制御」を
例に挙げて以下に説明する。なお、TCnの「n」は個
々の制御用タイマを識別するための添え字である(例え
ばn=1〜100)。
【0016】因みに、トルクダウン制御とは、周知の通
りギア変速時における変速ショックを和らげるべく実施
されるものであり、サブCPU30は、ギア変速時に点
火時期を遅角させるための遅角要求量を算出し、その遅
角要求量をメインCPU20に送信する。これを受けて
メインCPU20は、サブCPU30からの遅角要求量
に基づいて点火時期を遅らせ、エンジン出力トルクを減
少させる。
【0017】図2は、トルクダウンの制御手順を示すフ
ローチャートであり、本処理はギア変速時にサブCPU
30により実施される。また。図3は、トルクダウン制
御の概要を示すタイムチャートである。なお、図3
(a)はサブCPU30側で演算される遅角要求量を示
し、図3(b)はメインCPU20側で制御される点火
時期の推移を示す。
【0018】図2において、先ずステップ101では、
サブCPU30は、その時々のスロットル開度及びシフ
ト位置等に基づいてトルクダウン実施のための遅角要求
量を演算し、その遅角要求量をメインCPU20に対し
て出力する。続くステップ102では、トルクダウン制
御の開始から96msが経過したか否かを判別する。こ
の判別は制御用タイマTCnの値に基づいて行われ、1
6ms毎にカウントアップされるTCn値が「6」にな
ると、ステップ102の判別結果がYESとなる。96
ms経過前であればステップ101を継続し、96ms
経過後であれば後続のステップ103に進む。
【0019】ステップ103では、その時々のスロット
ル開度及びシフト位置等に基づいてトルク復帰(トルク
ダウン解除)のための遅角要求量を演算し、その遅角要
求量をメインCPU20に対して出力する。続くステッ
プ104では、トルクダウン制御の開始から192ms
が経過したか否かを判別する。この判別もステップ10
2と同様に制御用タイマTCnの値に基づいて行われ、
16ms毎にカウントアップされるTCn値が「12」
になると、ステップ104の判別結果がYESとなる。
192ms経過前であればステップ103を継続し、1
92ms経過後であれば本処理を終了する。
【0020】上記図2の制御処理によれば図3のタイム
チャートに示すように、時刻t1〜t2の期間では、ト
ルクダウンを行うべくほぼ一定量だけ点火時期が遅角側
に制御される。その後時刻t2〜t3の期間では、トル
クダウンを解除してトルク復帰を行うべく、遅角要求量
が徐々に減じられ、時刻t3において元の点火時期に戻
る(遅角要求量=0となる)。
【0021】ところで、制御用タイマTCnは、サブC
PU30のベースルーチンにて所定の時間周期でカウン
トアップされる、いわゆるソフトウエア的なタイマであ
り、そのタイマ値に基づいて制御タイミングを判断する
場合、CPU処理負荷が小さい時は制御用タイマTCn
が理論通りにカウントされ、上記トルクダウン制御は遅
れることなく実施される。しかしながら、CPU処理負
荷が増大すると、ベースルーチンは元来その優先度が低
いために制御用タイマTCnのカウントが遅れ、ひいて
はトルクダウン制御に遅れが生じることが考えられる。
それを図4のタイムチャートにより説明する。
【0022】図4(a)は、実際の16msタイミング
でカウントアップされるタイマの理論値を示す。このと
き、上記トルクダウン制御では、前記図3で説明した通
り、時刻t1〜t2でトルクダウンの処理が実施され、
時刻t2〜t3でトルク復帰の処理が実施される。
【0023】また、図4(b)は、CPU処理負荷の増
大により実際の16msタイミングに対して制御用タイ
マTCnのカウントアップのタイミングが例えば1.5
倍に間延びする場合を示しており、この場合、実際の9
6ms(16ms×6)タイミングである時刻t2に対
し、前記図2の処理で判定される96ms(16ms×
6)タイミングが時刻t11となってしまう。また同様
に、実際の192ms(16ms×12)タイミングで
ある時刻t3に対し、前記図2の処理で判定される19
2ms(16ms×12)タイミングが時刻t12とな
ってしまう。それ故結果として、トルク復帰開始のタイ
ミングが48ms遅れると共に、トルク復帰完了(トル
クダウン制御終了)のタイミングが96ms遅れ、制御
に悪影響が及ぶこととなる。
【0024】そこで、本実施の形態の装置では、制御用
タイマTCnのずれを抑え、ひいては制御タイミングの
遅れを防止することを考える。具体的には、ずれが殆ど
なく理論通りにカウントアップされる基準タイマC1
と、ベースルーチンにおけるタイマ値のずれを監視する
ための監視タイマC2とを新たに用意する。このとき、
高優先度タイマ割り込み処理で基準タイマC1をカウン
トアップし、ベースルーチンで監視タイマC2をカウン
トアップする。なお、各タイマC1,C2はどちらも、
ECU電源投入後、初期値(0)から理論上同じ処理タ
イミングでカウントアップされる。そして、これら基準
タイマC1及び監視タイマC2のカウント値の差に応じ
て、CPU処理負荷の増大に伴う制御用タイマTCnの
カウントアップ遅れ分を補正する。
【0025】図5及び図6は何れもサブCPU30によ
り実施される処理を示すフローチャートであり、このう
ち、図5は高優先度タイマ割り込み処理を示し、図6は
ベースルーチンを示す。
【0026】先ずは、図5に従い高優先度タイマ割り込
み処理を説明する。例えば1ms周期で高優先度タイマ
割り込みが発生し、先ずステップ201では、16ms
タイミングであるか否かを判別する。すなわち、前回の
カウント時から16msが経過したか否かを判別する。
ステップ201がNOであればステップ202に進み、
各種センサからの検出信号のA/D変換等、種々の高優
先度タイマ割り込み処理を実施する。また、ステップ2
01がYESであればステップ203に進み、基準タイ
マC1をカウントアップし、その後ステップ202に進
む。本割り込み処理では、殆どずれなく16ms周期で
基準タイマC1がカウントアップされる。
【0027】一方、図6のベースルーチンにおいて、先
ずステップ301では、16msタイミングであるか否
かを判別し、NOであればステップ302に進み、前述
のトルクダウン制御等を含む通常のベース処理を実施す
る。
【0028】また、ステップ301がYESであればス
テップ303に進み、その時点での基準タイマC1と監
視タイマC2とのずれ値ΔCを算出し(ΔC=C1−C
2)、続くステップ304では監視タイマC2をカウン
トアップする。その後、ステップ305では、ずれ値Δ
Cが所定の許容差よりも大きいか否かを判別する。ここ
で本実施の形態では許容差を「1」とするが、それは以
下の理由による。つまり、高優先度タイマ割り込み処理
はベースルーチンに対してどのタイミングで実行される
かが不定であるために監視タイマC2よりも先に基準タ
イマC1がカウントアップされる場合があり、その場
合、前記ステップ303でずれ値ΔC=1と算出されて
も本来のずれとは判定しないようにするためである。
【0029】各タイマC1,C2のずれ値ΔCが許容差
以下の場合、そのままステップ306に進み、制御用タ
イマTCnをカウントアップする。このとき、全n個の
制御用タイマTCnが個々にカウントアップされる。そ
してその後、通常ベース処理に移行する。
【0030】また、ずれ値ΔCが許容差よりも大きい場
合、ステップ320に進み、制御用タイマTCnのカウ
ントアップ処理(ステップ306)の前にカウントアッ
プ補正処理を実施する。ここで、前記図6のステップ3
20で呼び出されるカウントアップ補正処理について、
図7のフローチャートに従い説明する。すななち、基準
タイマC1と監視タイマC2とのずれ値ΔCが許容差
(=1)よりも大きい場合(ΔC≧2の場合)に図7が
呼び出される。
【0031】先ず図7のステップ321では、制御用タ
イマTCnの値を補正するための補正回数を算出する。
この際、前記算出したずれ値ΔCから「許容差(=
1)」を減算すると共に、更にその値から「1」を減算
し、その結果を補正回数とする。つまり、ずれ値ΔCが
「2」以上の値である場合、そのうち「1」は前述の許
容差を含み、更に後続の処理(図6のステップ306)
でカウントアップの処理が控ているため、その分の補正
回数を制限するべく「ΔC−1−1」を補正回数とす
る。
【0032】その後、ステップ322では補正回数が0
でないことを判別してステップ323に進み、同ステッ
プ323では、補正対象タイミングのタイマをカウント
アップする。すなわち、全ての制御用タイマTCnのう
ち、今回のベースルーチンで処理遅れが判定されるタイ
マTCi(例としてトルクダウン制御に関連する制御用
タイマ)について1カウントアップする。また、ステッ
プ324では、監視タイマC2を1カウントアップし、
続くステップ325では、補正回数を1減算する。そし
て、補正回数=0になるまで、ステップ323〜325
を繰り返し実行する。補正回数=0になると、本カウン
トアップ補正処理を終了する。
【0033】要するに、前記図6のステップ303で算
出されるずれ値ΔCが「3」以上の時、図7のステップ
323,324で補正対象となる制御用タイマTCi及
び監視タイマC2が補正され、修正すべき制御用タイマ
のずれが解消される。但し、上記ステップ321の補正
回数の設定は、各ステップの処理順序に関連しており、
例えば、後続の図6のステップ306におけるカウント
アップ分を見込んで同図6のステップ305で「ΔC>
許容差+1か?」といった判別処理を行うよう図6の処
理を変更する場合、ステップ321では「補正回数=Δ
C−許容差」とすればよい。この場合、図7のカウント
アップ補正処理に突入する回数が減じられるようにな
る。
【0034】図8は、制御用タイマTCnのカウントア
ップずれが補正される様子を示すタイムチャートであ
る。図8の(a)は基準タイマC1の推移を、(b)は
制御用タイマTCn(監視タイマC2)の推移を、
(c)は遅角要求量の推移を、それぞれ示す。なお、図
8中の時刻t1,t2,t3は前述の通り、トルクダウ
ン開始のタイミング、トルク復帰開始のタイミング、ト
ルク復帰完了(トルクダウン制御終了)のタイミングで
ある。
【0035】図8(b)は、前記図4(b)と同様、C
PU処理負荷の増大により実際の16msタイミング
(基準タイマC1)に対して制御用タイマTCnのカウ
ントアップのタイミングが例えば1.5倍に間延びする
場合を示している。この場合、制御用タイマTCnと同
じくして監視タイマC2のカウントアップも遅れ、例え
ば時刻t2で実施される図6のベースルーチンでは、各
タイマC1,C2のずれ値ΔCが「3」となる(図6の
ステップ303で、ΔC=6−3=3)。そして、図7
のカウントアップ補正処理により制御用タイマTCn
(実際には補正対象のTCi)と監視タイマC2とが補
正される。
【0036】より詳しくは、時刻t2のカウントアップ
前でTCn=3の時、同TCnは図7のステップ323
で1カウントアップされた後、図6のステップ306で
再び1カウントアップされ、結果としてTCn=5とな
る。また、監視タイマC2は、図6のステップ304で
1カウントアップされた後、図7のステップ324で再
び1カウントアップされ、結果としてC2=5となる。
【0037】またその後、時刻t22,t3でも同様
に、監視タイマC2及び制御用タイマTCn(実際には
補正対象のTCi)が適宜補正される。つまり、各タイ
マC1,C2のずれが生じたら、カウントアップ補正処
理が繰り返し実施される。
【0038】上記カウントアップ補正処理によれば、図
2のトルクダウン制御処理において、時刻t21で96
ms(16ms×6)タイミングである旨が判定される
と共に、時刻t23で192ms(16ms×12)タ
イミングである旨が判定される。この場合、実際の96
msタイミングである時刻t2,実際の192msタイ
ミングである時刻t3に対し、時刻t21,t23は2
4msずつ遅れることとなる。
【0039】これを、カウントアップ補正処理を実施し
ない場合、すなわち図4と比較すると、図4では48m
s,96msずつ遅れていた時刻t2,t3の判定タイ
ミングが、図8では共に最大24msの遅れで済むよう
になる。なおここで、24msの遅れとは、制御用タイ
マTCnのカウントアップが本来の16msに対して
1.5倍に間延びしたと想定する場合であり、要はカウ
ントアップ遅れがTCnの1カウント分以内に抑制され
ることとなる。
【0040】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。高優先度タイマ割り込み処理に
おいて基準タイマC1をカウントアップすると共に、ベ
ースルーチンにおいて監視タイマC2をカウントアップ
し、基準タイマC1と監視タイマC2との値の差に基づ
いて制御用タイマTCnの値を補正するようにしたの
で、CPU処理負荷が大きくなりTCn値に遅れが生じ
ても、当該TCn値がその都度補正される。それ故、制
御用タイマTCnのカウントアップがほぼ理論タイミン
グ通りに実施されると共に、TCn値の遅れに基づく各
種制御演算の遅れが解消できる。つまり、CPU処理負
荷増大時における制御への悪影響が解消され、常に制御
仕様の狙いに近い結果が得られる。この場合、高優先度
タイマ割り込み処理にて計数されるタイマとしては1個
の「基準タイマC1」を追加しただけであり、割り込み
処理負荷が過剰に増加することもない。
【0041】特に本実施の形態の装置では、CPU処理
負荷が益々大きくなったとしても、制御用タイマTCn
のずれ(遅れ)は1カウント分以内に抑えられる。故
に、今後CPU処理負荷がより一層増加されることがあ
っても、それに好適に対処でき、有用性が増すものと考
えられる。
【0042】また、複数存在する制御用タイマTCnの
中からその時々の補正対象を抽出し、その補正対象のタ
イマTCiについて補正を行うので、必要最小分の補正
のみが実施されることとなり、処理の簡素化及び迅速化
を図ることができる。
【0043】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、基準タイマC1と監
視タイマC2とのずれ値ΔCを判定する際、許容差の値
を「1」としたが、これを変更する。許容差を0又は2
以上としても良い。例えば、許容差を「0」とする場
合、制御タイミングの遅れは前記図8の「最大24ms
の遅れ」よりも更に減り、ほぼ0になる。但しこの場
合、カウントアップ補正処理により「基準タイマC1<
監視タイマC2(制御用タイマTCn)」となる可能性
があるため、設計上、「基準タイマC1<監視タイマC
2」となることが不適であれば、「基準タイマC1<監
視タイマC2」とならないようなガードが必要となる。
一例として、図7のステップ323,324の直前に
「C1>C2か?」といった判別を行い、YESの場合
のみステップ323,324のカウントアップ補正を許
可するよう構成する。
【0044】上記図7の処理では、タイマずれ量に応じ
た補正回数分だけタイマ値補正のループ(ステップ32
2〜325の処理)を回す構成としたが、その補正回数
分の相当量だけ1度にタイマ値を補正するように変更し
ても良い。つまり、例えば補正回数=2の時、ステップ
323,324では「+2」となるカウントアップ補正
を行う。これにより、処理時間が短縮化できるようにな
る。
【0045】上記実施の形態では、高優先度タイマ割り
込み処理及びベースルーチン(図5,図6)において同
じ基準時間(16msタイミング)で基準タイマC1、
監視タイマC2をカウントアップしたが、その基準時間
を各々異なる時間で設定しても良い。但しこの場合、両
タイマC1,C2の数値が整数倍となるタイミングで各
々がカウントアップされると、両者を比較する上で好都
合である(例えば、基準タイマC1を8msタイミン
グ、監視タイマC2を16msタイミングとする)。
【0046】上記実施の形態では、サブCPU30側の
処理について詳細に説明したが、勿論メインCPU20
側でも同様のカウントアップ補正処理を実施しても良
い。これにより、メインCPU20側でもベース処理の
遅れに起因する制御遅れが解消される。
【0047】上記実施の形態では、車載エンジンの制御
を司るエンジンECUに本発明を具体化したが、他の制
御を行う電子制御装置に具体化しても良い。また、自動
車以外の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジンECUの概
要を示す構成図。
【図2】トルクダウンの制御手順を示すフローチャー
ト。
【図3】トルクダウン制御の概要を示すタイムチャー
ト。
【図4】制御用タイマのカウントアップずれを説明する
ためのタイムチャート。
【図5】高優先度タイマ割り込み処理を示すフローチャ
ート。
【図6】ベースルーチンを示すフローチャート。
【図7】カウントアップ補正処理を示すフローチャー
ト。
【図8】制御用タイマのカウントアップずれが補正され
る様子を示すタイムチャート。
【図9】従来技術においてベースルーチンを示すフロー
チャート。
【図10】ベース処理が遅れる要因を説明するためのタ
イムチャート。
【符号の説明】
10…ECU、20…メインCPU、30…サブCP
U。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各種の制御演算を実施するためのマイクロ
    プロセッサを備え、該マイクロプロセッサは、各制御演
    算で個々に使用する制御用タイマの値をベース処理にて
    計数し、更にそのタイマ値に基づいて種々の制御タイミ
    ングを判断すると共に、そのタイミングに到達すると該
    当する制御演算を実施する電子制御装置であって、 前記マイクロプロセッサは、前記ベース処理よりも優先
    度の高い定時割り込み処理において基準タイマの値を計
    数すると共に、ベース処理において当該処理の遅れを監
    視するための監視タイマの値を計数し、前記した基準タ
    イマと監視タイマとの値の差に基づいて前記制御用タイ
    マの値を補正することを特徴とする電子制御装置。
  2. 【請求項2】マイクロプロセッサは、複数存在する制御
    用タイマの中からその時々の補正対象を抽出し、その補
    正対象のタイマについて補正を行う請求項1に記載の電
    子制御装置。
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