JP2001266163A - 車両用画像処理装置 - Google Patents

車両用画像処理装置

Info

Publication number
JP2001266163A
JP2001266163A JP2000075785A JP2000075785A JP2001266163A JP 2001266163 A JP2001266163 A JP 2001266163A JP 2000075785 A JP2000075785 A JP 2000075785A JP 2000075785 A JP2000075785 A JP 2000075785A JP 2001266163 A JP2001266163 A JP 2001266163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image processing
vehicle
road
change rate
yaw angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000075785A
Other languages
English (en)
Inventor
Migaku Takahama
▼琢▲ 高浜
Shinji Matsumoto
真次 松本
Takeshi Kimura
健 木村
Hiromitsu Toyoda
博充 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000075785A priority Critical patent/JP2001266163A/ja
Publication of JP2001266163A publication Critical patent/JP2001266163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像処理に含まれる白線検出結果の不安定要
因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅れが少な
い車両の横変位とヨー角および道路の曲率を演算する。 【解決手段】車両周辺の撮像画像を処理して車両と道路
との関係を表す物理量を演算し、平滑化対象の物理量以
外の物理量に基づいて平滑化対象の物理量の変化率を予
測する。そして、平滑化対象の物理量の予測変化率に応
じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更
し、その可変特性型デジタルフィルターを用いて平滑化
対象の物理量を平滑化する。これにより、画像処理によ
る白線検出結果が不安定になっても、車両の走行状態に
応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性をリ
アルタイムに変更することができ、画像処理に含まれる
白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制して安定な物
理量を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両前方の撮像画
像を処理して道路の白線を検出し、白線検出結果に基づ
いて車両の横変位とヨー角、および道路の曲率を検出す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両前方の画像を撮像し、撮像画像を処
理して道路の白線を検出し、白線検出結果に基づいて車
両の横変位とヨー角、および道路の曲率を演算する車両
用画像処理装置が知られている(例えば、特開平11−
296660号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両前方を
撮像した画像には、白線自体が不鮮明または欠落してい
たり、車両の振動、道路の凹凸やアップダウンなどによ
り白線が検出できなかったり、撮像画像にノイズが混入
したりして、白線検出結果が不安定になることがあり、
そのような不安定な白線検出結果に基づいて車両の横変
位とヨー角、および道路の曲率を演算すると、それらの
物理量も変動するという問題がある。
【0004】そこで、演算結果の車両の横変位とヨー
角、および道路の曲率にローパスフィルター処理を施
し、それらの物理量を平滑化することが考えられる。
【0005】しかし、演算結果の物理量にローパスフィ
ルター処理を施して平滑化すると、車両の挙動変化が激
しくなったときにフィルター処理後の物理量が実際の値
より遅れるという問題がある。また、このような遅れを
なくすためにローパスフィルターの折れ点角周波数を大
きくし、フィルターの周波数特性を高周波数側に変更す
ると、遅れは小さくなるが逆に不安定な白線検出結果の
影響を受けやすくなるという問題がある。
【0006】本発明の目的は、画像処理に含まれる白線
検出結果の不安定要因を最少限に抑制しながら、実際の
値からの遅れが少ない車両の横変位とヨー角および道路
の曲率を演算することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施の形態の構成を示
す図1に対応づけて本発明を説明すると、 (1) 請求項1の発明は、車両に搭載されて車両周辺
を撮像する撮像手段1と、撮像画像を処理して車両と道
路との関係を表す物理量を演算する画像処理手段2と、
可変特性型デジタルフィルターを用いて画像処理による
演算結果の物理量の内のいずれかを平滑化する平滑化手
段2と、平滑化対象の物理量以外の物理量に基づいて平
滑化対象の物理量の変化率を予測する変化率予測手段2
と、平滑化対象の物理量の予測変化率に応じて可変特性
型デジタルフィルターの周波数特性を変更する特性変更
手段2とを備え、これにより上記目的を達成する。 (2) 請求項2の車両用画像処理装置は、特性変更手
段2によって、平滑化対象の物理量の予測変化率が大き
いほど可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を高
周波数側に変更するようにしたものである。 (3) 請求項3の車両用画像処理装置では、画像処理
手段2により演算され、平滑化手段2により平滑化対象
とされる物理量に、車両の横変位hとヨー角φ、および
道路の曲率rが含まれる。 (4) 請求項4の車両用画像処理装置は、変化率予測
手段2によって、画像処理によらずに検出した車両の状
態を表す物理量に基づいて平滑化対象の物理量の変化率
を予測するようにしたものである。 (5) 請求項5の車両用画像処理装置では、画像処理
によらずに検出した車両の状態を表す物理量に、車速、
操舵角検出値、操舵角指令値、ナビゲーション装置3か
ら得た道路の曲率が含まれる。 (6) 請求項6の車両用画像処理装置は、変化率予測
手段2によって、平滑化対象の物理量以外の平滑化手段
2により平滑化した物理量に基づいて、平滑化対象の物
理量の変化率を予測するようにしたものである。 (7) 請求項7の車両用画像処理装置は、画像処理手
段2によって、撮像画像を処理して車両の横変位hとヨ
ー角φを演算し、変化率予測手段2によって、画像処理
による演算結果のヨー角φと画像処理によらずに検出し
た車速とに基づいて横変位hの変化率dh/dtを予測し、
特性変更手段2によって、可変特性型デジタルフィルタ
ーの周波数特性を横変位変化率dh/dtに応じて変更し、
平滑化手段2によって、画像処理による演算結果の横変
位hを可変特性型デジタルフィルターにより平滑化する
ようにしたものである。 (8) 請求項8の車両用画像処理装置は、画像処理手
段2によって撮像画像を処理して車両のヨー角φを演算
し、変化率予測手段2によって、画像処理によらずに検
出した車速と操舵角指令値とに基づいてヨー角φの変化
率dφ/dtを予測し、特性変更手段2によって、ヨー角変
化率dφ/dtに応じて可変特性型デジタルフィルターの周
波数特性を変更し、平滑化手段2によって、画像処理に
よる演算結果のヨー角φを可変特性型デジタルフィルタ
ーにより平滑化するようにしたものである。 (9) 請求項9の車両用画像処理装置は、変化率予測
手段2によって、ヨー角変化率dφ/dtの平均値(dφ/dt)
avを求め、特性変更手段2によって、ヨー角変化率の平
均値(dφ/dt)avに応じて可変特性型デジタルフィルター
の周波数特性を変更するようにしたものである。 (10) 請求項10の車両用画像処理装置は、画像処
理手段2によって撮像画像を処理してヨー角φの他に道
路の曲率rを演算し、変化率予測手段2によって、ヨー
角変化率dφ/dtまたはその平均値(dφ/dt)avを道路曲率
rにより補正するようにしたものである。 (11) 請求項11の車両用画像処理装置は、画像処
理手段2によって撮像画像を処理して道路の曲率rを演
算し、変化率予測手段2によって、ナビゲーション装置
3から得た道路の曲率に基づいて曲率rの変化率dr/dt
を予測し、特性変更手段2によって、曲率変化率dr/dt
に応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を
変更し、平滑化手段2によって、画像処理による演算結
果の道路の曲率rを可変特性型デジタルフィルターによ
り平滑化するようにしたものである。 (12) 請求項12の車両用画像処理装置は、画像処
理手段2によって撮像画像を処理して車両の横変位hと
ヨー角φを演算し、変化率予測手段2によって、画像処
理による演算結果のヨー角φを平滑化し、平滑化したヨ
ー角Φに基づいて横変位hの変化率dh/dtを推定し、特
性変更手段2によって、横変位変化率dh/dtに応じて可
変特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更し、平
滑化手段2によって、画像処理による演算結果の車両の
横変位hを可変特性型デジタルフィルターにより平滑化
するようにしたものである。
【0008】上述した課題を解決するための手段の項で
は、説明を分かりやすくするために一実施の形態の図を
用いたが、これにより本発明が一実施の形態に限定され
るものではない。
【0009】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、車両
周辺の撮像画像を処理して車両と道路との関係を表す物
理量を演算し、平滑化対象の物理量以外の物理量に基づ
いて平滑化対象の物理量の変化率を予測する。そして、
平滑化対象の物理量の予測変化率に応じて可変特性型デ
ジタルフィルターの周波数特性を変更し、その可変特性
型デジタルフィルターを用いて平滑化対象の物理量を平
滑化するようにしたので、白線自体が不鮮明または欠落
していたり、車両の振動、道路の凹凸やアップダウンな
どにより白線が検出できなかったり、撮像画像にノイズ
が混入したりして、白線検出結果が不安定になっても、
このような車両の走行状態に応じて可変特性型デジタル
フィルターの周波数特性をリアルタイムに変更すること
ができ、画像処理に含まれる白線検出結果の不安定要因
を最少限に抑制して安定な物理量を得ることができる。 (2) 請求項2の発明によれば、平滑化対象の物理量
の予測変化率が大きいほど可変特性型デジタルフィルタ
ーの周波数特性を高周波数側に変更するようにしたの
で、画像処理に含まれる白線検出結果の不安定要因を最
少限に抑制しながら、実際の値からの遅れが少ない物理
量を得ることができる。 (3) 請求項3の発明によれば、画像処理に含まれる
白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制しながら、実
際の値からの遅れが少ない車両の横変位とヨー角、およ
び道路の曲率を得ることができる。 (4) 請求項4および請求項5の発明によれば、画像
処理によらずに検出した車両の状態を表す物理量に基づ
いて平滑化対象の物理量の変化率を予測するようにした
ので、変化率予測結果には画像処理による不安定な白線
検出結果の影響が含まれず、正確な変化率予測結果を得
ることができ、実際の値から遅れの少ない安定な物理量
を得ることができる。 (5) 請求項6の発明によれば、平滑化対象の物理量
以外の平滑化手段により平滑化した物理量に基づいて、
平滑化対象の物理量の変化率を予測するようにしたの
で、変化率予測結果に含まれる画像処理による不安定な
白線検出結果の影響が抑制され、正確な変化率予測結果
を得ることができ、実際の値から遅れの少ない安定な物
理量を得ることができる。 (6) 請求項7の発明によれば、撮像画像を処理して
車両の横変位hとヨー角φを演算し、画像処理による演
算結果のヨー角φと画像処理によらずに検出した車速と
に基づいて横変位hの変化率dh/dtを予測し、可変特性
型デジタルフィルターの周波数特性を横変位変化率dh/
dtに応じて変更し、その可変特性型デジタルフィルター
によって画像処理による演算結果の横変位hを平滑化す
るようにしたので、画像処理に含まれる白線検出結果の
不安定要因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅
れが少ない車両の横変位を得ることができる。 (7) 請求項8の発明によれば、撮像画像を処理して
車両のヨー角φを演算し、画像処理によらずに検出した
車速と操舵角指令値とに基づいてヨー角φの変化率dφ/
dtを予測し、ヨー角変化率dφ/dtに応じて可変特性型デ
ジタルフィルターの周波数特性を変更し、その可変特性
型デジタルフィルターによって画像処理による演算結果
のヨー角φを平滑化するようにしたので、画像処理に含
まれる白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制しなが
ら、実際の値からの遅れが少ない車両のヨー角を得るこ
とができる。 (8) 請求項9の発明によれば、ヨー角変化率dφ/dt
の平均値(dφ/dt)avを求め、ヨー角変化率の平均値(dφ
/dt)avに応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数
特性を変更するようにしたので、請求項8の上記効果に
加え、さらに正確で安定したヨー角を得ることができ
る。 (9) 請求項10の発明によれば、撮像画像を処理し
てヨー角φの他に道路の曲率rを演算し、ヨー角変化率
dφ/dtまたはその平均値(dφ/dt)avを道路曲率rにより
補正するようにしたので、請求項8の上記効果に加え、
さらに正確で安定したヨー角を得ることができる。 (10) 請求項11の発明によれば、撮像画像を処理
して道路の曲率rを演算し、ナビゲーション装置から得
た道路の曲率に基づいて曲率rの変化率dr/dtを予測
し、曲率変化率dr/dtに応じて可変特性型デジタルフィ
ルターの周波数特性を変更し、その可変特性型デジタル
フィルターによって画像処理による演算結果の道路の曲
率rを平滑化するようにしたので、画像処理に含まれる
白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制しながら、実
際の値からの遅れが少ない道路の曲率を得ることができ
る。 (11) 請求項12の発明によれば、撮像画像を処理
して車両の横変位hとヨー角φを演算し、画像処理によ
る演算結果のヨー角φを平滑化し、平滑化したヨー角Φ
に基づいて横変位hの変化率dh/dtを推定し、横変位変
化率dh/dtに応じて可変特性型デジタルフィルターの周
波数特性を変更し、その可変特性型デジタルフィルター
によって画像処理による演算結果の車両の横変位hを平
滑化するようにしたので、画像処理に含まれる白線検出
結果の不安定要因を最少限に抑制しながら、実際の値か
らの遅れが少ない車両の横変位を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】《発明の第1の実施の形態》図1
は第1の実施の形態の構成を示す図である。CCDカメ
ラ1は車両の前方を撮像する撮像装置である。画像処理
装置2はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部
品から構成され、CCDカメラ1による撮像画像を処理
して車両の横変位Hとヨー角Φおよび道路の曲率Rを求
める。すなわち、撮像画像を処理して道路の白線を検出
し、白線検出結果に基づいて車両の横変位hとヨー角
φ、および道路の曲率rを演算し、さらにそれらを可変
特性型デジタルフィルターにより平滑化して車両の横変
位Hとヨー角Φおよび道路の曲率Rを求める。
【0011】この実施の形態で用いる可変特性型デジタ
ルフィルターには、ローパスフィルターの折れ点角周波
数を変えてフィルターの周波数特性を任意に変更可能な
可変特性型デジタルローパスフィルターか、または、バ
ンドパスフィルターの高周波数側の折れ点角周波数を変
えてフィルターの周波数特性を任意に変更可能な可変特
性型デジタルバンドパスフィルターを用いる。いずれの
フィルターもこの明細書では単に可変特性型デジタルフ
ィルターと呼ぶ。
【0012】この明細書ではまた、車両の横変位hとそ
れをデジタルフィルターにより平滑化した値H、ヨー角
φとそれをデジタルフィルターにより平滑化した値Φ、
および道路の曲率rとそれをデジタルフィルターにより
平滑化した値Rを、車両と道路との関係を表す物理量と
呼ぶ。
【0013】画像処理装置2にはナビゲーション装置
3、車速検出装置4および操舵角検出装置5が接続され
る。ナビゲーション装置3は、衛星航法および自立航法
により車両の位置と進行方向を検出する。このナビゲー
ション装置3には道路地図データを記憶するメモリが内
蔵されており、任意の地点の道路の曲率RNなどの情報
を提供することができる。また、車速検出装置4は自車
の車速vspを検出し、操舵角検出装置5は前輪の操舵角
θを検出する。操舵アクチュエーター6は前輪を駆動し
て転舵を行う。
【0014】この明細書では、車速vspと操舵角θを車
両の状態を表す物理量と呼ぶ。これらの車両の状態を表
す物理量は、画像処理によらず専用の検出装置により検
出した物理量であり、画像処理に含まれる白線検出結果
の不安定要因の影響のない物理量である。
【0015】操舵角制御装置7は、画像処理装置2によ
り演算された車両の横変位Hとヨー角Φ、道路の曲率
R、車速検出装置4により検出された車速vspなどに基
づいて操舵角指令値θrを求め、操舵角検出装置5から
実際の操舵角θをフィードバックして操舵アクチュエー
ター6を制御し、車両が走行レーン内を走行するように
操舵角θを制御する、いわゆるレーンキープ制御を行
う。
【0016】なお、この実施の形態では本発明の車両用
画像処理装置をレーンキープ制御装置に応用した例を示
すが、本発明の車両用画像処理装置はレーンキープ制御
装置のみに限定されず、例えば走行レーンからの逸脱を
警報する車線逸脱警報装置などにも応用することができ
る。
【0017】《画像処理による演算結果の車両の横変位
hとヨー角φおよび道路の曲率rの平滑化の概要》長い
直線路をまっすぐに走行しているときの車両の横変位h
とヨー角φおよび道路の曲率rについて考える。このよ
うな走行条件下では、演算結果の物理量h、φ、rが急
に変化するようなことはないが、白線の不鮮明や欠落、
車両の振動、道路の凹凸やアップダウン、画像信号への
ノイズの混入などが起因して画像処理による白線検出結
果が不安定になり、それにともなって演算結果の物理量
h、φ、rが変動することがある。
【0018】そこで、この実施の形態では、画像処理に
よる演算結果の車両と道路との関係を表す物理量h、
φ、rにフィルター処理を施して平滑化し、画像処理に
含まれる白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制す
る。
【0019】しかしながら、上述したように車両の挙動
変化が激しくなって画像処理による白線検出結果の変動
が急激になると、フィルター処理後の物理量h、φ、r
が実際の値から遅れを生じる。このような遅れをなくす
ためにフィルターの高周波数側の折れ点角周波数を大き
くし、フィルターの周波数特性を高周波数側に変更する
と、遅れは小さくなるが逆に画像処理による不安定な白
線検出結果の影響を受けやすくなってしまう。
【0020】そこで、この実施の形態では、平滑化対象
の物理量h、φ、rの変化率dh/dt、dφ/dt、dr/dtを
求め、これらの平滑化対象の物理量の変化の急激さ、す
なわち変化率に応じて可変特性型デジタルフィルターの
周波数特性を変更する。つまり、平滑化対象の物理量の
変化率が大きくなるほどデジタルフィルターの周波数特
性を高周波数側へ変更し、平滑化した物理量の真値から
の遅れを少なくする。逆に、平滑化対象の物理量の変化
率が小さくなるほどデジタルフィルターの周波数特性を
低周波数側へ変更し、画像処理による不安定な白線検出
結果の影響を最少限に抑制する。
【0021】ところが、平滑化対象の物理量の変化率d
h/dt、dφ/dt、dr/dtを、画像処理による演算結果の
物理量h、φ、rから求めると、それらの物理量h、
φ、rには画像処理による不安定な白線検出結果の影響
が含まれているため、その影響により変化率dh/dt、d
φ/dt、dr/dtも不安定に変動してしまい、可変特性型
デジタルフィルターの周波数特性を正しく変更すること
ができない。
【0022】そこで、この実施の形態では、画像処理に
よる演算結果の物理量h、φ、rの内のいずれか、例え
ば横変位hに可変特性型デジタルフィルターによる処理
を施して平滑化する場合に、横変位h以外の画像処理に
よる演算結果の物理量φ、rや、車速vspや操舵角θな
どの画像処理によらずに検出した車両状態を表す物理量
や、ナビゲーション装置3により検出した道路の曲率R
Nなどに基づいて横変位hの変化率dh/dtを予測し、横
変位hの予測変化率dh/dtに応じて可変特性型デジタル
フィルターの周波数特性を変更する。
【0023】このような車両と道路との関係を表す物理
量の変化率予測方法によれば、物理量h、φ、rの内の
例えば横変位hの変化率dh/dtを、画像処理結果の横変
位hを用いずに、横変位h以外の物理量φ、r、vsp、
θ、RNなどを用いて予測するので、画像処理による白
線検出結果の不安定要因が最少限に抑制され、横変位h
の変化率dh/dtを正確に予測することができる。ここで
は、画像処理による演算結果の車両の横変位hを例に上
げて説明したが、車両と道路との関係を表す他の物理
量、すなわち車両のヨー角φおよび道路の曲率rに関し
ても同様である。
【0024】もちろん、画像処理によらずに検出した車
速vspや操舵角θなどの物理量に基づいて平滑化対象の
物理量の変化率を予測すれば、その変化率予測結果には
画像処理による不安定な白線検出結果の影響が含まれ
ず、正確な変化率予測結果を得ることができる。
【0025】デジタルフィルターの特性を変える際に
は、車両と道路との関係を表す物理量、例えば上述した
例では車両の横変化hの予測変化率dh/dtが大きいほ
ど、可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を高周
波数側に滑らかに広げ、逆に横変位hの予測変化率dh/
dtが小さいほど、可変特性型デジタルフィルターの周波
数特性を低周波数側に滑らかに狭める。車両のヨー角φ
および道路の曲率rに関しても同様とする。
【0026】可変特性型デジタルフィルターの周波数特
性を滑らかに広げたり、滑らかに狭めたりするのは、物
理量の変化率予測においてたとえ可変特性型デジタルフ
ィルターの周波数特性を急激に変えるような予測結果が
出たとしても、デジタルフィルターの特性変化に制限を
設けて特性変化を緩やかにし、フィルター処理後の物理
量H、Φ、Rの急激な変化を避ける。
【0027】このように、画像処理により得られた横変
位h、ヨー角φ、道路曲率rを可変特性型デジタルフィ
ルターにより平滑化する際に、平滑化対象でない物理量
に基づいて平滑化対象の物理量の変化率を予測し、予測
変化率に応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数
特性を緩やかに変えるようにしたので、可変特性型デジ
タルフィルターの周波数特性が車両の走行状態に応じて
リアルタイムに緩やかに変化し、画像処理に含まれる白
線検出結果の上述した不安定要因を最少限に抑制しなが
ら、実際の走行状態において真値からの遅れが小さい車
両の横変位Hとヨー角Φ、および道路の曲率Rを得るこ
とができる。
【0028】《画像処理による車両と道路との関係を表
す物理量h、φ、rの演算》ここで、画像処理により道
路白線を検出し、白線検出結果に基づいて車両と道路と
の関係を表す物理量、すなわち車両の横変位hとヨー角
φ、および道路の曲率rを演算する方法について説明す
る。
【0029】図2は、画像処理装置2の車両と道路との
関係を表す物理量h、φ、rの演算処理を示すフローチ
ャートである。画像処理装置2のマイクロコンピュータ
ーは、画像処理装置2に電源が投入されている間、繰り
返しこの物理量演算処理プログラムを実行する。
【0030】ステップ1において、道路形状や車両挙動
を表すパラメーター(以下、道路パラメーターと呼ぶ)
を初期設定する。図3に示すような画面座標系xy上に
おいて、道路パラメーターを用いて白線モデルを次式で
表す。
【数1】 x=(a+ie)(y−d)+b/(y−d)+c ・・・(1) (1)式において、a〜eは道路パラメーターであり、
路面からのカメラの高さを一定とすると、ぞれぞれの道
路パラメーターは次のような道路および白線の形状また
は車両挙動を表す。すなわち、aは走行レーン内の自車
両の横変位を、bは道路の曲率を、cは自車両(カメラ
の光軸)の道路に対するヨー角を、dは自車両(カメラ
の光軸)の道路に対するピッチ角を、eは道路のレーン
幅を、それぞれ表す。
【0031】また、初期状態では道路および白線の形状
や車両挙動が不明であるから、各道路パラメーターには
中央値に相当する値を初期値として設定する。すなわ
ち、横変位aには走行レーン中央を設定し、道路曲率b
には直線を設定し、走行レーンに対するヨー角cには0
度を設定する。また、走行レーンに対するピッチ角dに
は停止状態のα度を設定し、走行レーン幅eには道路構
造令に示される高速道路の車線幅を設定する。
【0032】なお、車両の挙動をセンサーにより検出
し、検出結果に基づいて道路パラメーターを初期設定し
てもよい。例えば初期状態においてステアリングが右ま
たは左に転舵されている場合には、操舵角に応じた曲率
の道路を走行していると判断し、パラメーターbに操舵
角に応じた値を設定してもよい。同様に、初期状態にお
いてピッチングが発生している場合には、パラメーター
dの初期値をピッチ角検出値だけずらすようにしてもよ
い。
【0033】ステップ2において、図4に示すように、
白線候補点を検出するための小領域の初期設定を行う。
初期状態においては、道路パラメーターに初期値を設定
した白線モデルと、実際の画面上の道路白線との間には
大きな開きがあると予想されるので、できる限り大きな
領域を設定するのが望ましい。図4に示す例では、左右
の白線に5個づつ、計10個の白線候補点検出領域を設
定する。なお、前回の処理までに道路白線がすでに検出
されている場合には、実際の道路白線と白線モデルとの
差は小さいと考えられるので、図5に示すようになるべ
く小さい領域を設定する方が、白線以外のものを誤検出
する可能性が低く、しかも処理速度を向上させることが
できる。
【0034】ステップ3において、道路画像上に白線候
補点の検出領域を設定する。このとき、ステップ2で設
定した白線候補点検出領域と、ステップ1で算出した道
路パラメーターによる白線モデルとに基づいて、図6に
示すように、前回の処理で求めた白線モデルが領域の中
心になるように、白線候補点検出領域を設定する。図6
に示す例では、左右の白線に5個づつ、計10個の白線
候補点検出領域を設定する。なお、過去の白線モデルの
変化の様子から、白線モデルの変化方向にオフセットし
た位置に白線候補点検出領域を設定するようにしてもよ
い。
【0035】ステップ4で、白線候補点検出領域におい
て白線候補点の検出を行う。白線候補点の検出は、ま
ず、入力画像にsobelフィルターなどを施して微分
画像を生成する。次に、白線候補点検出領域の上底の一
点と下底の一点とを結んでできるすべての線分に対し、
図7に示すように、その線分上の画素の濃度が所定値以
上の画素の数を計測する。さらに、すべての線分の中
で、濃度が所定値以上の画素が最も多い線分を検出直線
とし、その線分の始点と終点を白線候補点とする。
【0036】このとき、検出直線上にある濃度が所定値
以上の画素の数が、検出領域の長さに対する所定の割合
よりも少ない場合は、白線候補点が検出されなかったも
のとみなす。例えば、長さが15画素の検出領域であっ
て、所定値以上の濃度の画素が1/2以上、すなわち8
画素以上検出されれば白線候補点が検出されたとする検
出領域において、所定値以上の濃度の画素数が最も多い
線分上における画素数が、7画素未満の場合はその検出
領域において白線候補点が検出されなかったものとす
る。一方、9画素の場合は白線候補点が検出されたもの
とし、その線分の始点と終点を検出結果とする。
【0037】以上の処理をすべての白線候補点検出領域
に対して実行する。このとき、白線候補点の検出の有無
を判断するための、検出領域の長さに対する判定基準割
合は、すべての領域に対して同一値としてもよいし、検
出領域ごとに設定してもよい。また、上記濃度の所定値
もすべての検出領域に対して同一としてもよいし、検出
領域ごとに変えてもよい。
【0038】ステップ5では、すべての白線候補点検出
領域で検出した白線候補点の点数が所定値以上かどうか
を確認し、所定値より少なければ白線候補点検出領域内
に道路白線が含まれていなかったと判断し、ステップ2
へ戻って上述したように白線候補点検出領域を初期設定
する。一方、白線候補点が所定値以上検出された場合に
はステップ7へ進み、図8に示すように、検出した白線
候補点と前回の処理で求めた白線モデル上の点とのずれ
量を各点ごとに算出する。
【0039】続くステップ7で、各点のずれ量に基づい
て道路パラメーターの変化量Δa〜Δeを算出する。こ
の変化量の算出方法は、例えば特開平8−5388号公
報に示されるような方法を用いることができる。ステッ
プ8では、算出した道路パラメーターの変化量Δa〜Δ
eにより道路パラメーターa〜eを補正する。例えば、
(1)式に示す白線モデルの場合には、次式により道路
パラメーターa〜eの補正を行う。
【数2】 a=a+Δa, b=b+Δb, c=c+Δc, d=d+Δd, e=e+Δe ・・・(2)
【0040】ステップ9において、道路パラメーターが
正常かどうかを確認する。この実施の形態では、各パラ
メーターごとに予め設定された所定の範囲を超える場合
は正常でないと判断する。道路パラメーターが正常な場
合はステップ3へ戻り、上述した処理を繰り返す。一
方、道路パラメーターが正常でない場合はステップ10
へ進み、道路パラメーターの初期化を行ってステップ3
へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0041】このようにして求めた二次元座標系におけ
る道路パラメーター、車両の横変位aとヨー角cおよび
道路の曲率bを透視変換により三次元座標系へ変換する
と、車両と道路との関係を表す物理量、すなわち車両の
横変位hとヨー角φおよび道路の曲率rを求めることが
できる。
【数3】 (3)式において、hcはCCDカメラ1の道路面から
の取り付け高さを、fはCCDカメラ1の焦点距離を、
Zは注視点までの距離をそれぞれ表す。
【0042】《車両と道路との関係を表す物理量の変化
率予測》次に、車両と道路との関係を表す物理量、車両
の横変位hとヨー角φおよび道路の曲率rの変化率dh/
dt、dφ/dt、dr/dtを予測する方法について説明する。
【0043】上述したように、画像処理による演算結果
の物理量h、φ、rの変化率dh/dt、dφ/dt、dr/dt
を、画像処理による演算結果の物理量h、φ、rの内の
平滑化対象でない物理量や、画像処理によらずに検出し
た車速vspや操舵角θなどの車両状態を表す物理量や、
道路曲率RNなどのナビゲーション装置3から得られる
道路情報などに基づいて推定する。
【0044】例えば、道路の曲率rの変化率dr/dtは、
ナビゲーション装置3から車両の現在地の道路曲率と進
行方向道路上の次の地点の道路曲率との差を求め、その
差と両地点間の距離とに基づいて予測することができ
る。また、白線に対する車両のヨー角φの変化率(ヨー
レート)dφ/dtは、車速vspと操舵角θとに基づいて演
算したヨー角変化率(dφ/dt)により、あるいはこれに
曲率補正を施した値により、予測することができる。さ
らに、白線に対する車両の横変位hの変化率dh/dtは、
ヨー角φおよび/または曲率rと車速vspとに基づいて
予測することができる。これらの予測方法については、
以下に述べる画像処理による演算結果の物理量h、φ、
rの平滑化例の中で詳述する。
【0045】《車両の横変位hの平滑化例》図9に示す
フローチャートにより、車速vspと画像処理による演算
結果のヨー角φとに基づいて、画像処理による演算結果
の車両の横変位hを可変特性型デジタルフィルターで平
滑化する処理を説明する。
【0046】ステップ21において、上述した図2に示
す物理量演算処理を行い、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を表す物理量の車両横変位hとヨー角
φを演算する。
【0047】ステップ22で、平滑化対象の横変位h以
外の物理量であるヨー角φと、画像処理によらず車速検
出装置4により検出した車速vspとに基づいて、次の画
像処理による物理量の更新時点における横変位hの変化
量Δhを次式により予測する。
【数4】 Δh=vsp・tv・sinφ ・・・(4) (4)式において、tvは画像処理による物理量の更新
周期であり、この実施の形態ではビデオレートの1/3
0[s]とする。
【0048】この車両の横変位hの平滑例では、物理量
hの変化量Δhをその更新周期tvで除したものが横変
位hの変化率dh/dtであるから、横変位hの変化率dh/
dtの代わりに横変位hの更新周期tvにおける変化量Δ
hを用いる。つまり、物理量h、φ、rの所定時間当た
りの変化量Δh、Δφ、Δrに応じて可変特性型デジタ
ルフィルターの周波数特性を変えても、物理量h、φ、
rの変化率dh/dt、dφ/dt、dr/dtに応じて可変特性型
デジタルフィルターの周波数特性を変えた場合と同様な
効果が得られる。
【0049】ステップ23では、横変位変化量Δhに応
じた可変特性型デジタルフィルターの特性Tc1を次式に
より求める。
【数5】 Tc1=func1(Δh) ・・・(5) (5)式において、func1( )は、図10に示すよう
な横変位変化量に対するフィルター特性を表す関数であ
り、横変位変化量Δhに応じたフィルター特性Tc1を返
す。この関数func1( )は、次回の画像処理による物
理量更新時点で許容される真値からの遅れを表す指標で
あり、レーンキープ制御装置や車線逸脱警報装置の仕様
から予め決定されるものである。
【0050】ステップ24において、特性Tc1により可
変特性型デジタルフィルターの係数αを次式により求め
る。
【数6】 α=func2(Tc1) ・・・(6) (6)式において、func2( )は、図11に示すよう
なデジタルフィルター特性Tcに対する係数を表す関数
であり、デジタルフィルター特性Tc1に応じた係数αを
返す。この関数func2( )は予め設定される。可変特
性型デジタルフィルターは、係数αを用いて次式により
表される。
【数7】 β・z/(z−α), (β=1−α) ・・・(7) (7)式において、zは時間進め演算子である。この可
変特性型デジタルフィルターを画像処理により得られた
横変位hに施し、画像処理により演算された車両横変位
hを平滑化して横変位Hを得る。
【数8】 H=(β・z)/(z−α)・h ・・・(8)
【0051】このように、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を示す物理量の車両横変位hとヨー角
φを演算し、平滑化対象の車両横変位h以外の物理量、
すなわち車両ヨー角φと車速vspとに基づいて、画像処
理による物理量更新周期における横変位hの変化量Δh
を予測する。そして、所定時間当たりの横変位変化量Δ
hに応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性
を決定し、画像処理により求めた車両横変位hを可変特
性型デジタルフィルターにより平滑化して横変位Hを得
る。これにより、画像処理に含まれる白線検出結果の不
安定要因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅れ
が少ない車両の横変位Hを得ることができる。
【0052】《車両のヨー角φの平滑化例》図12に示
すフローチャートにより、車速vsp、操舵角θおよび画
像処理による演算結果の道路曲率rに基づいて、画像処
理による演算結果の車両のヨー角φを可変特性型デジタ
ルフィルターで平滑化する処理を説明する。
【0053】ステップ31において、上述した図2に示
す物理量演算処理を行い、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を表す物理量の車両ヨー角φと道路曲
率rを演算する。続くステップ32で、車速検出装置4
から車速vspを、操舵角制御装置7から操舵角指令値θ
rをそれぞれ読み込む。
【0054】ステップ33では、車速vspと操舵角指令
値θrとに基づいて次式によりヨー角φの変化率、すな
わちヨーレートdφ/dtを予測する。
【数9】 (9)式において、mは車重を表し、Kf、Krはそれぞ
れ前輪タイヤと後輪タイヤのコーナリングパワーを表
す。また、Lf、Lrはそれぞれ前輪と後輪から重心まで
の距離を表し、βは車両の横滑り角度を表し、sはラプ
ラス演算子を表す。
【0055】続くステップ34で、ヨー角変化率dφ/dt
の平均値(dφ/dt)avを求める。この実施の形態では、画
像処理による道路曲率rの演算と、車速vspおよび操舵
角指令値θrによるヨー角変化率(ヨーレート)dφ/dt
の演算とを画像処理装置2で許容できる最高速度で実行
するとともに、画像処理によるヨー角φの演算とヨー角
変化率の平均値(dφ/dt)avの演算とを画像処理による物
理量の更新周期(ビデオレート)ごとに実行するものと
する。そして、後者のヨー角φとヨー角変化率の平均値
(dφ/dt)avの演算が実行されるまで、
【数10】 φtemp=φtemp+dφ/dt ・・・(10) を繰り返し演算する。後者のヨー角φとヨー角変化率の
平均値(dφ/dt)avの演算実行時までに、上記(10)式
による演算をt回実行したとすると、ヨー角変化率の平
均値(dφ/dt)avは、
【数11】 (dφ/dt)av=φtemp/t ・・・(11) として求められる。そして、次回のヨー角変化率の平均
値(dφ/dt)avの演算に備えてφtempに0を設定し、リセ
ットする。
【0056】ステップ35において、道路曲率rにより
ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avを補正する。
【数12】 (dφ/dt)av=(dφ/dt)av−func3{sign(r),abs(r),vsp}・・・(12) (12)式の右辺第2項のfunc3{sign(r),abs(r),
vsp}は、図13に示すように、sign(r)=+1で左カ
ーブ、sign(r)=−1で右カーブで表されるカーブの方
向と、abs(r)で表される道路曲率の絶対値と、車速vs
pとを入力とし、ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avに対
する補正値を返す関数である。
【0057】ステップ36では、ヨー角変化率の平均値
(dφ/dt)avに応じた可変特性型デジタルフィルターの特
性Tc2を次式により求める。
【数13】 Tc2=func4((dφ/dt)av) ・・・(13) (13)式において、func4( )は、図14に示すよ
うなヨー角変化率の平均値に対するフィルター特性を表
す関数であり、ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avに応じ
たフィルター特性Tc2を返す。この関数func4( )
は、次回の画像処理による物理量更新時に許容される真
値からの遅れを示す指標であり、レーンキープ制御装置
や車線逸脱警報装置の仕様から予め決定されるものであ
る。
【0058】ステップ37において、特性Tc2により可
変特性型デジタルフィルターの係数αを次式により求め
る。
【数14】 α=func2(Tc2) ・・・(14) (14)式において、func2( )は、例えば図11に
示すようなデジタルフィルター特性Tcに対する係数を
表す関数であり、デジタルフィルター特性Tc2に応じた
係数αを返す。可変特性型デジタルフィルターは係数α
を用いて次式により表される。
【数15】β・z/(z−α), (β=1−α) ・・・(15) (15)式において、zは時間進め演算子である。この
可変特性型デジタルフィルターを画像処理により得られ
たヨー角φに施し、画像処理により演算された車両ヨー
角φを平滑化してヨー角Φを得る。
【数16】 Φ=(β・z)/(z−α)・φ ・・・(16)
【0059】このように、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を示す物理量の車両ヨー角φと道路曲
率rを演算し、平滑対象の車両ヨー角φ以外の物理量、
すなわち車速vspと操舵角指令値θrとに基づいてヨー
角変化率(ヨーレート)の平均値(dφ/dt)avを予測し、
さらに道路曲率rによりヨー角変化率の平均値(dφ/dt)
avを補正する。そして、ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)
avに応じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性
を決定し、画像処理により求めたヨー角φを可変特性型
デジタルフィルターにより平滑化してヨー角Φを得る。
これにより、画像処理に含まれる白線検出結果の不安定
要因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅れが少
ない車両のヨー角Φを検出することができる。
【0060】なお、上述したヨー角φの平滑化例におい
て、ヨー角変化率dφ/dtの平均値(dφ/dt)avを求め、さ
らにその平均値(dφ/dt)avを画像処理による演算結果の
道路曲率rにより補正する例を示したが、ヨー角変化率
の平均値(dφ/dt)avの代わりにヨー角変化率dφ/dtを用
いてもよいし、道路曲率rによるヨー角変化率dφ/dtあ
るいはその平均値(dφ/dt)avの補正を省略してもよい。
【0061】《道路の曲率rの平滑化例》図15に示す
フローチャートにより、車速vspとナビゲーション装置
3により検出した道路曲率RNとに基づいて、画像処理
による演算結果の道路の曲率rを可変特性型デジタルフ
ィルターで平滑化する処理を説明する。
【0062】ステップ41において、上述した図2に示
す物理量演算処理を行い、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を示す物理量の道路曲率rを演算す
る。
【0063】続くステップ42で、ナビゲーション装置
3により道路の曲率を検出する。具体的には、ナビゲー
ション装置3の道路地図データの中から現在地の道路曲
率RN1とP[m]前方の道路曲率RN2とを検索する。ここ
で、P[m]は、現在地から、自車走行レーンの進行方向
において道路地図データに道路の曲率データが存在する
地点までの距離である。ステップ42ではさらに、車速
検出装置4から車速vspを読み込む。
【0064】ステップ43では、距離P進むのに要する
時間Tpとナビゲーション装置3から得た曲率の変化量
(RN1−RN2)とに応じた可変特性型デジタルフィルタ
ーの特性Tc3を次式により求める。
【数17】 Tp=P/vsp, Tc3=func5(Tp,abs(RN1−RN2)) ・・・(17) (17)式において、func5( )は、図16に示すよう
な走行時間と曲率変化量に対するフィルター特性を表す
関数であり、P[m]進むのに要する時間Tpと曲率変化
量(RN1−RN2)に応じたフィルター特性Tc3を返す。
この関数func5()は、次回の画像処理による物理量更新
時に許容される真値からの遅れを示す指標であり、レー
ンキープ制御装置や車線逸脱警報装置の仕様から予め決
定されるものである。
【0065】なお、この曲率rの平滑化例では、ナビゲ
ーション装置3から得た曲率変化量(RN1−RN2)とそ
の変化時間Tpとに応じて可変特性型デジタルフィルタ
ーの周波数特性を変更する例を示すが、曲率変化量(R
N1−RN2)をその変化時間Tpで除した値(RN1−RN
2)/Tpが曲率の変化率となるので、結局、上述した曲
率rの平滑化例は、曲率rの変化率dr/dtに応じて可変
特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更するのと
同様である。
【0066】ステップ44において、特性Tc3により可
変特性型デジタルフィルターの係数αを次式により求め
る。
【数18】 α=func2(Tc3) ・・・(18) (18)式において、func2( )は、例えば図11に
示すようなデジタルフィルター特性Tcに対する係数を
表す関数であり、デジタルフィルター特性Tc3に応じた
係数αを返す。可変特性型デジタルフィルターは係数α
を用いて次式により表される。
【数19】β・z/(z−α), (β=1−α) ・・・(19) (19)式において、zは時間進め演算子である。この
可変特性型デジタルフィルターを画像処理により得られ
た道路の曲率rに施し、画像処理により演算された道路
曲率rを平滑化して道路曲率Rを得る。
【数20】 R=(β・z)/(z−α)・r ・・・(20)
【0067】このように、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を示す物理量の道路の曲率rを演算
し、平滑対象の道路曲率r以外の物理量、すなわち車速
vspとナビゲーション装置3から得た道路曲率変化量
(RN1−RN2)とに基づいて道路曲率の変化率を予測す
る。そして、道路曲率の変化率に応じて可変特性型デジ
タルフィルターの周波数特性を決定し、画像処理により
求めた道路曲率rを可変特性型デジタルフィルターによ
り平滑化して道路曲率Rを得る。これにより、画像処理
に含まれる白線検出結果の不安定要因を最少限に抑制し
ながら、実際の値からの遅れが少ない道路の曲率Rを検
出することができる。
【0068】《道路の曲率および車両のヨー角と横変位
の平滑化例》道路曲率、車両のヨー角、横変位のそれぞ
れに対して周波数特性の異なる可変特性型デジタルフィ
ルターを用いることによって、車両の走行状態に応じた
平滑化を行うようにした実施例を説明する。なお、上述
した図9、図12および図15に示す処理と同様な処理
を行うステップに対しては同一のステップ番号を付して
相違点を中心に説明する。
【0069】ステップ51において、上述した図2に示
す物理量演算処理を行い、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を表す物理量の車両の横変位hとヨー
角Φ、および道路の曲率rを演算する。
【0070】ステップ52では、車速検出装置4により
車速vspを検出し、操舵角検出装置5により操舵角θを
検出し、ナビゲーション装置3により現在地と距離P前
方の道路の曲率RN1、RN2を検出する。ステップ43
で、上述したように道路曲率の変化率(RN1−RN2)/
Tpに応じて画像処理により演算した道路曲率rを平滑
化するための可変特性型デジタルフィルターの周波数特
性を決定し、続くステップ44では、上述したように画
像処理により求めた道路曲率rを可変特性型デジタルフ
ィルターにより平滑化して道路曲率Rを得る。
【0071】ステップ33,34では、上述したように
車速vspと操舵角θとに基づいてヨー角φの変化率(ヨ
ーレート)dφ/dtを予測し、ヨー角変化率の平均値(dφ
/dt)avを演算する。ステップ35’において、ステップ
44で平滑化された道路曲率Rを用いて上述した手順で
ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avを補正する。
【数21】 (dφ/dt)av=(dφ/dt)av−func3{sign(R),abs(R),vsp}・・・(21) (21)式の右辺第2項のfunc3{sign(R),abs(R),
vsp}は、図13(rをRに読み替える)に示すよう
に、sign(R)=+1で左カーブ、sign(R)=−1で右カ
ーブで表されるカーブの方向と、abs(R)で表される道
路曲率の絶対値と、車速vspとを入力とし、ヨー角変化
率の平均値(dφ/dt)avに対する補正値を返す関数であ
る。
【0072】ステップ36,37では、上述したように
ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avに応じた可変特性型デ
ジタルフィルターの周波数特性を決定し、画像処理によ
り演算したヨー角φを可変特性型デジタルフィルターに
より平滑化してヨー角Φを得る。
【0073】ステップ22’において、上記ステップ3
7で平滑化したヨー角Φと、車速検出装置4により検出
した車速vspとに基づいて、上述した手順で次の画像処
理による物理量更新時点における横変位hの変化量Δh
を次式により予測する。
【数22】 Δh=vsp・tv・sinΦ ・・・(22) ステップ23,24では、上述したように画像処理によ
る物理量更新周期tvの間の横変位変化量Δh、すなわ
ち横変位変化率dh/dt(=Δh/tv)に応じた可変特
性型デジタルフィルターの周波数特性を決定し、画像処
理により演算した横変位hを可変特性型デジタルフィル
ターで平滑化して横変位Hを得る。
【0074】このように、画像処理により道路の曲率r
を演算し、車速vspとナビゲーション装置3からの道路
曲率変化量(RN1−RN2)とに基づいて道路曲率の変化
率を推定し、道路曲率の変化率に応じて可変特性型デジ
タルフィルターの周波数特性を決定し、画像処理により
求めた道路曲率rを可変特性型デジタルフィルターによ
り平滑化して道路曲率Rを得る。次に、車速vspと操舵
角θとに基づいてヨー角φの変化率(ヨーレート)dφ/
dtを予測し、ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)avを演算す
る。そして、平滑化した道路曲率Rを用いてヨー角変化
率の平均値(dφ/dt)avを補正し、ヨー角変化率の平均値
(dφ/dt)avに応じた可変特性型デジタルフィルターの周
波数特性を決定し、画像処理により演算したヨー角φを
可変特性型デジタルフィルターにより平滑化してヨー角
Φを得る。さらに、平滑化したヨー角Φと車速vspとに
基づいて画像処理による物理量更新周期における横変位
hの変化率dh/dtを予測し、横変位変化率dh/dtに応じ
た可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を決定
し、画像処理により演算した横変位hを可変特性型デジ
タルフィルターで平滑化して横変位Hを得る。このよう
に、道路曲率、車両のヨー角、横変位のそれぞれに対し
て周波数特性の異なる可変特性型デジタルフィルターを
用いることによって、車両の走行状態に応じた平滑化を
行うことができ、画像処理に含まれる白線検出結果の不
安定要因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅れ
が少ない車両と道路との関係を表す物理量H、Φ、Rを
得ることができる。
【0075】《横変位平滑化の変形例》上述した車両の
横変位hの平滑化例では、画像処理により車両横変位h
とヨー角φを演算し、平滑化対象外のヨー角φと車速v
spとに基づいて平滑化対象の横変位hの変化率を求め、
横変位変化率に応じた可変特性型デジタルフィルターの
周波数特性を決定し、画像処理により演算した横変位h
を可変特性型デジタルフィルターにより平滑化して横変
位Hを得る例を示した。この変形例では、車両の状態を
表す物理量の車速vspを用いずに、画像処理により算出
した車両のヨー角φだけを用いて車両の横変位hの変化
率を予測する。
【0076】なお、この横変位平滑化の変形例は、所定
車速以上で走行中のとき、または高速道路を走行中のと
きのみ、レーンキープ制御あるいは車線逸脱警報制御を
行う装置に適用することができる。
【0077】図19に示すフローチャートにより、画像
処理による演算結果のヨー角φのみを用いて画像処理に
よる演算結果の横変位hを可変特性型デジタルフィルタ
ーで平滑化する処理を説明する。
【0078】ステップ61において、上述した図2に示
す物理量演算処理を行い、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を表す物理量の横変位hとヨー角φを
演算する。
【0079】ステップ62では、画像処理による演算結
果のヨー角φを次式により平滑化する。
【数23】 Φ=0.52z/(z−0.5)・φ ・・・(23) (23)式において、zは時間進め演算子である。な
お、上述した図12に示す処理により平滑化したヨー角
Φを用いてもよい。
【0080】レーンキープ制御装置が動作可能な車速下
限値と、画像処理による物理量の更新周期とは既知であ
るから、(23)式により算出したヨー角Φのみに基づ
いて、次の画像処理による物理量更新時点の横変位変化
量Δhを次式により予測する。
【数24】 Δh=func6(Φ) ・・・(24) ここで、func6( )は、図20に示すようなヨー角に対
する横変位変化量を表す関数であり、主にレーンキープ
制御装置などが動作できる車速下限値により設定され、
ヨー角Φに応じた横変位変化量Δhを返す。
【0081】横変位hの変化量Δhをその更新周期(ビ
デオレート)tvで除したものが横変位hの変化率dh/d
tであるから、この車両の横変位hの平滑化例では、横
変位hの変化率dh/dtの代わりに横変位hの更新周期t
vにおける変化量Δhを用いる。
【0082】ステップ63では、横変位変化量Δhに応
じた可変特性型デジタルフィルターの特性Tc4を次式に
より求める。
【数25】 Tc4=func1(Δh) ・・・(25) (25)式において、func1( )は、例えば図10に
示すような横変位変化量に対するフィルター特性を表す
関数であり、横変位変化量Δhに応じたフィルター特性
Tc4を返す。この関数func1( )は、次回の画像処理
による物理量更新時点で許容される真値からの遅れを表
す指標であり、レーンキープ制御装置や車線逸脱警報装
置の仕様から予め決定されるものである。
【0083】ステップ64において、特性Tc4により可
変特性型デジタルフィルターの係数αを次式により求め
る。
【数26】 α=func2(Tc4) ・・・(26) (26)式において、func2( )は、例えば図11に
示すようなデジタルフィルター特性Tcに対する係数を
表す関数であり、デジタルフィルター特性Tc4に応じた
係数αを返す。可変特性型デジタルフィルターは、係数
αを用いて次式により表される。
【数27】β・z/(z−α), (β=1−α) ・・・(27) (27)式において、zは時間進め演算子である。この
可変特性型デジタルフィルターを画像処理により得られ
た横変位hに施し、画像処理により演算された車両横変
位hを平滑化して横変位Hを得る。
【数28】 H=(β・z)/(z−α)・h ・・・(28)
【0084】このように、撮像した画像から走行レーン
における白線の認識を行い、白線認識結果に基づいて車
両と道路との関係を示す物理量の車両横変位hとヨー角
φを演算し、車両ヨー角φのみに基づいて画像処理によ
る物理量更新周期における横変位hの変化量Δhを予測
する。そして、所定時間当たりの横変位変化量Δhに応
じて可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を決定
し、画像処理により求めた車両横変位hを可変特性型デ
ジタルフィルターにより平滑化して横変位Hを得る。こ
れにより、画像処理に含まれる白線検出結果の不安定要
因を最少限に抑制しながら、実際の値からの遅れが少な
い車両の横変位Hを得ることができる。
【0085】以上のようにして求めた車両と道路との関
係を表す物理量の車両の横変位Hとヨー角Φおよび道路
の曲率Rをレーンキープ制御に用いることによって、白
線自体が不鮮明または欠落していたり、また車両の振
動、道路の凹凸やアップダウンなどにより白線が検出で
きなかったり、あるいは撮像画像にノイズが混入して
も、変動のない安定な車両の横変位Hとヨー角Φおよび
道路曲率Rが得られるから、走行レーン内を正確に走行
させることができる。
【0086】また、以上のようにして求めた車両と道路
との関係を表す物理量の車両の横変位Hとヨー角Φおよ
び道路の曲率Rを車線逸脱警報装置に用いることによっ
て、画像処理による白線検出結果に上記のような不安定
要因があっても、変動のない安定は車両の横変位Hとヨ
ー角Φおよび道路曲率Rが得られるから、車両が走行レ
ーンを逸脱したとき、あるいは逸脱するおそれがあると
きに、速やかにそれを検知して警報することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 車両と道路との関係を表す物理量の車両の横
変位hとヨー角φおよび道路の曲率rの演算処理を示す
フローチャートである。
【図3】 車両前方画像の画面座標系xyにおける白線
モデルを表す図である。
【図4】 車両前方画像から白線候補点を検出するため
の小領域を示す図である。
【図5】 車両前方画像から白線候補点を検出するため
の小領域を示す図である。
【図6】 白線候補点検出領域の設定方法を説明するた
めの図である。
【図7】 白線候補点の検出方法を説明するための図で
ある。
【図8】 今回検出した白線候補点と前回求めた白線モ
デル上の点とのずれを示す図である。
【図9】 画像処理による演算結果の車両横変位hを可
変特性型デジタルフィルターにより平滑化する処理を示
すフローチャートである。
【図10】 横変位変化量Δhに対する返り値を与える
関数図である。
【図11】 可変特性型デジタルフィルターの特性Tc
に対する返り値を与える関数図である。
【図12】 画像処理による演算結果の車両ヨー角を可
変特性型デジタルフィルターにより平滑化する処理を示
すフローチャートである。
【図13】 道路曲率に対するヨー角変化率の平均値を
補正量を示す図である。
【図14】 ヨー角変化率の平均値に対する返り値を与
える関数図である。
【図15】 画像処理による演算結果の道路の曲率を可
変特性型デジタルフィルターにより平滑化する処理を示
すフローチャートである。
【図16】 走行時間と曲率変化量に対する返り値を与
える関数図である。
【図17】 道路曲率、車両のヨー角、横変位のそれぞ
れに対して周波数特性の異なる可変特性型デジタルフィ
ルターを用いることにより、車両の走行状態に応じた平
滑化を行う処理を示すフローチャートである。
【図18】 図17に続く、道路曲率、車両のヨー角、
横変位のそれぞれに対して周波数特性の異なる可変特性
型デジタルフィルターを用いることにより、車両の走行
状態に応じた平滑化を行う処理を示すフローチャートで
ある。
【図19】 横変位平滑化の変形例の処理を示すフロー
チャートである。
【図20】 平滑化後のヨー角Φに対する返り値を与え
る関数図である。
【符号の説明】
1 CCDカメラ 2 画像処理装置 3 ナビゲーション装置 4 車速検出装置 5 操舵角検出装置 6 操舵アクチュエーター 7 操舵角制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/00 624 B60R 21/00 624G 626 626A 628 628C G06T 1/00 330 G06T 1/00 330A // G08G 1/16 G08G 1/16 A (72)発明者 木村 健 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 豊田 博充 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA16 BA02 CA08 CA12 CA16 CE05 CE06 DA07 DB02 DB09 DC08 DC30 DC36 5H180 AA01 CC04 LL09 LL15 5L096 AA06 BA04 CA02 CA14 DA02 EA06 FA03 FA32 FA67 FA68 GA55 HA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載されて車両周辺を撮像する撮像
    手段と、 撮像画像を処理して車両と道路との関係を表す物理量を
    演算する画像処理手段と、 可変特性型デジタルフィルターを用いて画像処理による
    演算結果の物理量の内のいずれかを平滑化する平滑化手
    段と、 平滑化対象の物理量以外の物理量に基づいて平滑化対象
    の物理量の変化率を予測する変化率予測手段と、 平滑化対象の物理量の予測変化率に応じて前記可変特性
    型デジタルフィルターの周波数特性を変更する特性変更
    手段とを備えることを特徴とする車両用画像処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用画像処理装置にお
    いて、 前記特性変更手段は、平滑化対象の物理量の予測変化率
    が大きいほど前記可変特性型デジタルフィルターの周波
    数特性を高周波数側に変更することを特徴とする車両用
    画像処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用画
    像処理装置において、 前記画像処理手段により演算され、前記平滑化手段によ
    り平滑化対象とされる物理量には、車両の横変位hとヨ
    ー角φ、および道路の曲率rが含まれることを特徴とす
    る車両用画像処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの項に記載の車両
    用画像処理装置において、 前記変化率予測手段は、画像処理によらずに検出した車
    両の状態を表す物理量に基づいて平滑化対象の物理量の
    変化率を予測することを特徴とする車両用画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用画像処理装置にお
    いて、 画像処理によらずに検出した車両の状態を表す物理量に
    は、車速、操舵角検出値、操舵角指令値、ナビゲーショ
    ン装置から得た道路の曲率が含まれることを特徴とする
    車両用画像処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかの項に記載の車両
    用画像処理装置において、 前記変化率予測手段は、平滑化対象の物理量以外の前記
    平滑化手段により平滑化した物理量に基づいて、平滑化
    対象の物理量の変化率を予測することを特徴とする車両
    用画像処理装置。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項2に記載の車両用画
    像処理装置において、 前記画像処理手段は、撮像画像を処理して車両の横変位
    hとヨー角φを演算し、 前記変化率予測手段は、画像処理による演算結果のヨー
    角φと画像処理によらずに検出した車速とに基づいて横
    変位hの変化率dh/dtを予測し、 前記特性変更手段は、前記可変特性型デジタルフィルタ
    ーの周波数特性を横変位変化率dh/dtに応じて変更し、 前記平滑化手段は、画像処理による演算結果の横変位h
    を前記可変特性型デジタルフィルターにより平滑化する
    ことを特徴とする車両用画像処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1または請求項2に記載の車両用画
    像処理装置において、 前記画像処理手段は撮像画像を処理して車両のヨー角φ
    を演算し、 前記変化率予測手段は、画像処理によらずに検出した車
    速と操舵角指令値とに基づいてヨー角φの変化率dφ/dt
    を予測し、 前記特性変更手段は、ヨー角変化率dφ/dtに応じて前記
    可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更し、 前記平滑化手段は、画像処理による演算結果のヨー角φ
    を前記可変特性型デジタルフィルターにより平滑化する
    ことを特徴とする車両用画像処理装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の車両用画像処理装置にお
    いて、 前記変化率予測手段は、ヨー角変化率dφ/dtの平均値(d
    φ/dt)avを求め、 前記特性変更手段は、ヨー角変化率の平均値(dφ/dt)av
    に応じて前記可変特性型デジタルフィルターの周波数特
    性を変更することを特徴とする車両用画像処理装置。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9に記載の車両用
    画像処理装置において、 前記画像処理手段は、撮像画像を処理してヨー角φの他
    に道路の曲率rを演算し、 前記変化率予測手段は、ヨー角変化率dφ/dtまたはその
    平均値(dφ/dt)avを道路曲率rにより補正することを特
    徴とする車両用画像処理装置。
  11. 【請求項11】請求項1または請求項2に記載の車両用
    画像処理装置において、 前記画像処理手段は撮像画像を処理して道路の曲率rを
    演算し、 前記変化率予測手段は、ナビゲーション装置から得た道
    路の曲率に基づいて曲率rの変化率dr/dtを予測し、 前記特性変更手段は、曲率変化率dr/dtに応じて前記可
    変特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更し、 前記平滑化手段は、画像処理による演算結果の道路の曲
    率rを前記可変特性型デジタルフィルターにより平滑化
    することを特徴とする車両用画像処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1または請求項2に記載の車両用
    画像処理装置において、 前記画像処理手段は撮像画像を処理して車両の横変位h
    とヨー角φを演算し、 前記変化率予測手段は、画像処理による演算結果のヨー
    角φを平滑化し、平滑化したヨー角Φに基づいて横変位
    hの変化率dh/dtを推定し、 前記特性変更手段は、横変位変化率dh/dtに応じて前記
    可変特性型デジタルフィルターの周波数特性を変更し、 前記平滑化手段は、画像処理による演算結果の車両の横
    変位hを前記可変特性型デジタルフィルターにより平滑
    化することを特徴とする車両用画像処理装置。
JP2000075785A 2000-03-17 2000-03-17 車両用画像処理装置 Pending JP2001266163A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000075785A JP2001266163A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 車両用画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000075785A JP2001266163A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 車両用画像処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001266163A true JP2001266163A (ja) 2001-09-28

Family

ID=18593622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000075785A Pending JP2001266163A (ja) 2000-03-17 2000-03-17 車両用画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001266163A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118521A (ja) * 2001-10-09 2003-04-23 Nissan Motor Co Ltd 白線検出装置
JP2004178441A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Nissan Motor Co Ltd 車線逸脱防止装置
JP2007011492A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Toyota Motor Corp 走行路検出装置
US7272482B2 (en) 2002-09-30 2007-09-18 Nissan Motor Co., Ltd. Preceding-vehicle following control system
JP2011022644A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Nissan Motor Co Ltd 車線認識装置、及び車線認識方法
WO2011114814A1 (ja) * 2010-03-17 2011-09-22 クラリオン株式会社 車両姿勢角算出装置及びそれを用いた車線逸脱警報システム
KR101292115B1 (ko) 2011-12-13 2013-08-08 자동차부품연구원 차량용 영상 시스템
JP2015210622A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 本田技研工業株式会社 車線認識装置
CN105580358A (zh) * 2013-09-27 2016-05-11 日产自动车株式会社 信息提示系统
JP2018022365A (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118521A (ja) * 2001-10-09 2003-04-23 Nissan Motor Co Ltd 白線検出装置
US7272482B2 (en) 2002-09-30 2007-09-18 Nissan Motor Co., Ltd. Preceding-vehicle following control system
US7561955B2 (en) 2002-09-30 2009-07-14 Nissan Motor Co., Ltd. Preceding-vehicle following control system
JP2004178441A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Nissan Motor Co Ltd 車線逸脱防止装置
JP2007011492A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Toyota Motor Corp 走行路検出装置
JP4517958B2 (ja) * 2005-06-28 2010-08-04 トヨタ自動車株式会社 走行路検出装置
JP2011022644A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Nissan Motor Co Ltd 車線認識装置、及び車線認識方法
WO2011114814A1 (ja) * 2010-03-17 2011-09-22 クラリオン株式会社 車両姿勢角算出装置及びそれを用いた車線逸脱警報システム
US9123110B2 (en) 2010-03-17 2015-09-01 Clarion Co., Ltd. Vehicle attitude angle calculating device, and lane departure warning system using same
US9393966B2 (en) 2010-03-17 2016-07-19 Clarion Co., Ltd. Vehicle attitude angle calculating device, and lane departure warning system using same
KR101292115B1 (ko) 2011-12-13 2013-08-08 자동차부품연구원 차량용 영상 시스템
CN105580358A (zh) * 2013-09-27 2016-05-11 日产自动车株式会社 信息提示系统
JP2015210622A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 本田技研工業株式会社 車線認識装置
JP2018022365A (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7477760B2 (en) Vehicle state sensing system and vehicle state sensing method
US9796228B2 (en) Hitch angle detection for trailer backup assist system
US6535114B1 (en) Method and apparatus for environment recognition
JP3736346B2 (ja) 車線検出装置
US9235767B2 (en) Detection region modification for driving assistance apparatus and driving assistance method
JP4869745B2 (ja) 俯角算出装置、俯角算出方法、俯角算出プログラムおよび画像処理装置
US9988082B2 (en) Traveling path estimation apparatus
US20020041229A1 (en) Lane-keep assisting system for vehicle
US10896336B2 (en) Parking compartment recognition apparatus
JP4670528B2 (ja) 撮像装置のずれ検出方法、撮像装置のずれ補正方法及び撮像装置
CN109835337B (zh) 转弯控制方法、装置及自动驾驶车辆
JP6743171B2 (ja) 自動車両の道路付近の物体を検出するための方法、コンピュータデバイス、運転者支援システム、及び、自動車両
RU2626424C1 (ru) Устройство оценки позиции и угла пространственной ориентации транспортного средства и способ оценки позиции и угла пространственной ориентации транспортного средства
JP6341191B2 (ja) 情報演算装置
JP2001266163A (ja) 車両用画像処理装置
JP2011065219A (ja) 道路曲率推定装置
JP3508213B2 (ja) 自動車の走行状態判定装置
US20210012119A1 (en) Methods and apparatus for acquisition and tracking, object classification and terrain inference
KR102566583B1 (ko) 서라운드 뷰 이미지의 안정화를 위한 방법 및 장치
CN109740521A (zh) 自动泊车的车位位置确定方法及装置、电子设备和计算机可读介质
CN112455449A (zh) 控制自动驾驶的装置和方法
CN110782486A (zh) 高分辨率虚拟轮速传感器
JP7236849B2 (ja) 外界認識装置
CN114466776A (zh) 车辆控制方法、车辆控制装置和包括该车辆控制装置的车辆控制系统
CN116071714A (zh) 车道偏离检测方法、系统、电子设备及可读存储介质