JP2001265441A - 微細位置決め装置および微細位置決め方法 - Google Patents
微細位置決め装置および微細位置決め方法Info
- Publication number
- JP2001265441A JP2001265441A JP2000071791A JP2000071791A JP2001265441A JP 2001265441 A JP2001265441 A JP 2001265441A JP 2000071791 A JP2000071791 A JP 2000071791A JP 2000071791 A JP2000071791 A JP 2000071791A JP 2001265441 A JP2001265441 A JP 2001265441A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- elastic displacement
- giant magnetostrictive
- displacement table
- displacement
- magnetostrictive actuator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 18
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims abstract description 104
- 239000000463 material Substances 0.000 description 7
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 3
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 3
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N Nickel Chemical compound [Ni] PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 2
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- NJPPVKZQTLUDBO-UHFFFAOYSA-N novaluron Chemical compound C1=C(Cl)C(OC(F)(F)C(OC(F)(F)F)F)=CC=C1NC(=O)NC(=O)C1=C(F)C=CC=C1F NJPPVKZQTLUDBO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000036316 preload Effects 0.000 description 2
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 2
- CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N Carbon dioxide Chemical compound O=C=O CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052692 Dysprosium Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052771 Terbium Inorganic materials 0.000 description 1
- 235000011089 carbon dioxide Nutrition 0.000 description 1
- 229910017052 cobalt Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010941 cobalt Substances 0.000 description 1
- GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N cobalt atom Chemical compound [Co] GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000011549 displacement method Methods 0.000 description 1
- KBQHZAAAGSGFKK-UHFFFAOYSA-N dysprosium atom Chemical compound [Dy] KBQHZAAAGSGFKK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 1
- 229910052761 rare earth metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 1
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- GZCRRIHWUXGPOV-UHFFFAOYSA-N terbium atom Chemical compound [Tb] GZCRRIHWUXGPOV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Jigs For Machine Tools (AREA)
- Control Of Position Or Direction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】大荷重の物品を、オングストロームのレベルの
精度で極めて精密にかつ正確に変位させ位置決めするた
めの装置および該微細位置決め装置を用いた微細位置決
め方法を提供する。 【構成】無摩擦で変位が可能な弾性変位テーブルと超磁
歪アクチュエータとによって構成され、該超磁歪アクチ
ュエータに設けられたロッドの変形によって前記弾性変
位テーブルを変位させ位置決めを行なうことを特徴とす
る微細位置決め装置である。また、超磁歪アクチュエー
タに所定の電流を印加して該超磁歪アクチュエータに設
けられたロッドを変形させ、弾性変位テーブルを微小変
位せしめ、その位置を標準位置とし、印加する電流値を
変化させることによって弾性変位テーブルを前記標準位
置を中心に自在に微小変位させることを特徴とする微細
位置決め方法である。
精度で極めて精密にかつ正確に変位させ位置決めするた
めの装置および該微細位置決め装置を用いた微細位置決
め方法を提供する。 【構成】無摩擦で変位が可能な弾性変位テーブルと超磁
歪アクチュエータとによって構成され、該超磁歪アクチ
ュエータに設けられたロッドの変形によって前記弾性変
位テーブルを変位させ位置決めを行なうことを特徴とす
る微細位置決め装置である。また、超磁歪アクチュエー
タに所定の電流を印加して該超磁歪アクチュエータに設
けられたロッドを変形させ、弾性変位テーブルを微小変
位せしめ、その位置を標準位置とし、印加する電流値を
変化させることによって弾性変位テーブルを前記標準位
置を中心に自在に微小変位させることを特徴とする微細
位置決め方法である。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えばトンオーダ
ーの大荷重の物品を、例えばオングストロームのレベル
の精度で極めて精密にかつ正確に変位させ位置決めする
ための装置および該微細位置決め装置を用いた微細位置
決め方法に係る。
ーの大荷重の物品を、例えばオングストロームのレベル
の精度で極めて精密にかつ正確に変位させ位置決めする
ための装置および該微細位置決め装置を用いた微細位置
決め方法に係る。
【0002】
【従来技術】従来、例えば比較的微小な距離を、極めて
精密にかつ正確に物品を変位させるためにはサーボモー
タによる方法や、例えばピエゾ素子を用いた圧電アクチ
ュエータによる方法、あるいは超磁歪アクチュエータを
用いて行なう方法が一般的に行なわれている。具体的に
は変位すべき物品の一端に前述のアクチュエータの先端
端子を当接し、必要に応じて直進運動の変位量を出力し
該物品を変位せしめるものである。
精密にかつ正確に物品を変位させるためにはサーボモー
タによる方法や、例えばピエゾ素子を用いた圧電アクチ
ュエータによる方法、あるいは超磁歪アクチュエータを
用いて行なう方法が一般的に行なわれている。具体的に
は変位すべき物品の一端に前述のアクチュエータの先端
端子を当接し、必要に応じて直進運動の変位量を出力し
該物品を変位せしめるものである。
【0003】前述の方法は、変位すべき物品が比較的軽
量な場合は問題なく実施可能であるが、例えば精密加工
機械およびその付属装置等を搭載した装置のような場
合、その重量が数百キロあるいはトンのオーダーになる
場合もあり、また、前記装置の載置方法によっては、変
位に際してはその物品の動きに伴い発生する摩擦(特に
静摩擦)が大きな抵抗となり、いずれの場合もその微小
変位に大きな障害となり、適切な方法がないことが実状
であった。即ち、特に、シリコンウェーハ等の超精密加
工に係わる大荷重の装置を、極めて微小な距離を精密に
動かすための装置の開発が待たれていた。
量な場合は問題なく実施可能であるが、例えば精密加工
機械およびその付属装置等を搭載した装置のような場
合、その重量が数百キロあるいはトンのオーダーになる
場合もあり、また、前記装置の載置方法によっては、変
位に際してはその物品の動きに伴い発生する摩擦(特に
静摩擦)が大きな抵抗となり、いずれの場合もその微小
変位に大きな障害となり、適切な方法がないことが実状
であった。即ち、特に、シリコンウェーハ等の超精密加
工に係わる大荷重の装置を、極めて微小な距離を精密に
動かすための装置の開発が待たれていた。
【0004】例えば特開平1−171747号公報には
サーボモータを用いて精密な変位を行なう装置が記載さ
れているが、サーボモータの場合大荷重のものの移動に
適する大出力のものはなく、また回転を伴なうものであ
って、ナノメーターの精度での制御は到底困難であり実
用上使用は困難である。また、更に、例えばピエゾ素子
を用いた圧電アクチュエータを考えた場合(例えば特開
平11−254356号公報に記載)も、同様に大荷重
のものの変位に適用した場合は素子が破壊してしまい使
用は困難である。即ち、これらの装置を大荷重で微細か
つ高精度の変位を行なうためのアクチュエータとして使
用することは現状では困難である。
サーボモータを用いて精密な変位を行なう装置が記載さ
れているが、サーボモータの場合大荷重のものの移動に
適する大出力のものはなく、また回転を伴なうものであ
って、ナノメーターの精度での制御は到底困難であり実
用上使用は困難である。また、更に、例えばピエゾ素子
を用いた圧電アクチュエータを考えた場合(例えば特開
平11−254356号公報に記載)も、同様に大荷重
のものの変位に適用した場合は素子が破壊してしまい使
用は困難である。即ち、これらの装置を大荷重で微細か
つ高精度の変位を行なうためのアクチュエータとして使
用することは現状では困難である。
【0005】更に、例えば特開昭64−34631号公
報にはテルビウム、ジスプロシウムおよび鉄よりなる合
金系の単結晶または多結晶の磁歪材料を有することを特
徴とする超磁歪固体アクチュエータが記載されている
が、このような超磁歪アクチュエータの場合は、かかる
大荷重のものを変位させる出力を直接得るためには大電
流が必要となり、それに伴ないジュール熱が発生する。
ジュール熱の発生があると変位量の精度に大きな狂いが
生じナノメーターレベルの精密な制御は困難となる。そ
れを回避するためには強制水冷却による恒温装置の付設
あるいはドライアイスや液体窒素等を用いた強力な強制
冷却装置が必要であり、その煩雑さは否定できない。
報にはテルビウム、ジスプロシウムおよび鉄よりなる合
金系の単結晶または多結晶の磁歪材料を有することを特
徴とする超磁歪固体アクチュエータが記載されている
が、このような超磁歪アクチュエータの場合は、かかる
大荷重のものを変位させる出力を直接得るためには大電
流が必要となり、それに伴ないジュール熱が発生する。
ジュール熱の発生があると変位量の精度に大きな狂いが
生じナノメーターレベルの精密な制御は困難となる。そ
れを回避するためには強制水冷却による恒温装置の付設
あるいはドライアイスや液体窒素等を用いた強力な強制
冷却装置が必要であり、その煩雑さは否定できない。
【0006】また、前述のシリコンウェーハ等の超精密
加工用の装置において変位すべき部分は床に定置される
ものではなく、摺動可動な変位テーブル等の上に載置さ
れるものであるが、変位に際しては摺動に伴う摩擦抵抗
が極めて少ないものでなくてはならない。特に静止状態
から動き始める時点で発生する静摩擦が大きいと、その
抵抗に対し多大な出力が必要となる。かかる問題を回避
するためには、例えば抵抗の極めて少ない静圧空気案内
溝を用いて僅かな力で効果的にテーブルを移動させる方
法もあるが、この静圧空気案内溝を用いる方法は変位量
が比較的大きい場合有効であるが、大荷重のものをナノ
メーターレベルで正確に変位させるという目的から見れ
ば完全なものとは言えない。
加工用の装置において変位すべき部分は床に定置される
ものではなく、摺動可動な変位テーブル等の上に載置さ
れるものであるが、変位に際しては摺動に伴う摩擦抵抗
が極めて少ないものでなくてはならない。特に静止状態
から動き始める時点で発生する静摩擦が大きいと、その
抵抗に対し多大な出力が必要となる。かかる問題を回避
するためには、例えば抵抗の極めて少ない静圧空気案内
溝を用いて僅かな力で効果的にテーブルを移動させる方
法もあるが、この静圧空気案内溝を用いる方法は変位量
が比較的大きい場合有効であるが、大荷重のものをナノ
メーターレベルで正確に変位させるという目的から見れ
ば完全なものとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
従来の技術の持つ問題点に鑑み、鋭意検討を行ない、ト
ンオーダーの大荷重の物品を、ナノメーターあるいはオ
ングストロームのレベルで極めて精密にかつ正確に動か
すための装置について検討した結果、上記トンオーダー
の大荷重の加工装置を、無摩擦で変位可能な弾性変位テ
ーブル上に載置すれば、重力の方向に直交する方向への
変位は載置する物品の重量に影響を受けないことに着目
し、無摩擦で微細変位可能な弾性変位テーブルを開発し
たものである。そして、該弾性変位テーブルを超磁歪ア
クチュエータをもって変位せしめることによってナノメ
ーターあるいはオングストロームのレベルで極めて精密
にかつ正確に動かすことが可能であることを見出し本発
明を完成したものであって、その目的と成すところはゼ
ログラムからトンオーダーの荷重の物品を、ナノメータ
ーあるいはオングストロームのレベルで極めて精密にか
つ正確に動かすための微細位置決め装置を提供すること
にある。更に、本発明の他の目的は前記微細位置決め装
置を用いた微細位置決め方法を提供することにある。
従来の技術の持つ問題点に鑑み、鋭意検討を行ない、ト
ンオーダーの大荷重の物品を、ナノメーターあるいはオ
ングストロームのレベルで極めて精密にかつ正確に動か
すための装置について検討した結果、上記トンオーダー
の大荷重の加工装置を、無摩擦で変位可能な弾性変位テ
ーブル上に載置すれば、重力の方向に直交する方向への
変位は載置する物品の重量に影響を受けないことに着目
し、無摩擦で微細変位可能な弾性変位テーブルを開発し
たものである。そして、該弾性変位テーブルを超磁歪ア
クチュエータをもって変位せしめることによってナノメ
ーターあるいはオングストロームのレベルで極めて精密
にかつ正確に動かすことが可能であることを見出し本発
明を完成したものであって、その目的と成すところはゼ
ログラムからトンオーダーの荷重の物品を、ナノメータ
ーあるいはオングストロームのレベルで極めて精密にか
つ正確に動かすための微細位置決め装置を提供すること
にある。更に、本発明の他の目的は前記微細位置決め装
置を用いた微細位置決め方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、無摩擦で
変位が可能な弾性変位テーブルと超磁歪アクチュエータ
とによって構成され、該超磁歪アクチュエータに設けら
れたロッドの変形によって前記弾性変位テーブルを変位
させ位置決めを行なうことを特徴とする微細位置決め装
置により達成される。ここで用いられる無摩擦で変位が
可能な弾性変位テーブルは、架台と、弾性変位が可能な
支柱とから構成され、前記架台は前記支柱によりベース
に取り付けられたことを特徴とするものである。更に、
ここで用いる超磁歪アクチュエータは磁石入りのもので
あることが好ましい。
変位が可能な弾性変位テーブルと超磁歪アクチュエータ
とによって構成され、該超磁歪アクチュエータに設けら
れたロッドの変形によって前記弾性変位テーブルを変位
させ位置決めを行なうことを特徴とする微細位置決め装
置により達成される。ここで用いられる無摩擦で変位が
可能な弾性変位テーブルは、架台と、弾性変位が可能な
支柱とから構成され、前記架台は前記支柱によりベース
に取り付けられたことを特徴とするものである。更に、
ここで用いる超磁歪アクチュエータは磁石入りのもので
あることが好ましい。
【0009】ここでいう架台とは、例えば研削装置等、
数100kgからトンオーダーの大荷重の装置等よりな
る物品を載置するためのものであり、一本あるいは複数
本の支柱により基礎となるベースに取り付けられてい
る。また、ここでいう支柱とは、架台上に載置された物
品を含めて、これを安定にベースに取り付けるものであ
り、その材質は後述する理由により弾性変位が可能な材
料であることを特徴とするものである。また、ここでい
うベースとは、装置の下部に位置し、装置全体を支える
基礎となる台であり、構造によっては上部構造物である
枠体をも含むものである。
数100kgからトンオーダーの大荷重の装置等よりな
る物品を載置するためのものであり、一本あるいは複数
本の支柱により基礎となるベースに取り付けられてい
る。また、ここでいう支柱とは、架台上に載置された物
品を含めて、これを安定にベースに取り付けるものであ
り、その材質は後述する理由により弾性変位が可能な材
料であることを特徴とするものである。また、ここでい
うベースとは、装置の下部に位置し、装置全体を支える
基礎となる台であり、構造によっては上部構造物である
枠体をも含むものである。
【0010】更に本発明の他の目的は、超磁歪アクチュ
エータに所定の電流を印加して該超磁歪アクチュエータ
に設けられたロッドを変形させ、弾性変位テーブルを微
小変位せしめ、その位置を標準位置とし、印加する電流
値を変化させることによって弾性変位テーブルを前記標
準位置を中心に自在に微小変位させることを特徴とする
微細位置決め方法により達成される。
エータに所定の電流を印加して該超磁歪アクチュエータ
に設けられたロッドを変形させ、弾性変位テーブルを微
小変位せしめ、その位置を標準位置とし、印加する電流
値を変化させることによって弾性変位テーブルを前記標
準位置を中心に自在に微小変位させることを特徴とする
微細位置決め方法により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の微細位置決め装置におけ
る弾性変位テーブルは概略以下の如き構造を有するもの
である。即ち、本発明の1実施例を示す図1及び図2に
おいて、弾性変位テーブル1を構成する架台2は複数の
円柱状の支柱3を介してベース7上に取り付けられてい
る。弾性変位テーブル1を構成する架台2上には例えば
シリコンウェーハ研磨装置等数百kgからトンのオーダ
ーの物品が載置されるものである。具体的には、この弾
性変位テーブル1は、例えば、ある程度の厚みを持った
一体構造の厚板ブロック状の架台2とそれをベースに取
り付けるための複数の支柱3よりなるものである。そし
て、その上に大荷重の物品を載置するものであるから、
この弾性変位テーブルの架台2は構造的にしっかりした
ものであることが要求され、また複数の支柱3は架台2
上に搭載される物品の重力、すなわちY軸方向の力を支
持するだけの強度を持ち、それにより撓んだり変形した
りすることのないようなものでなくてはならない。
る弾性変位テーブルは概略以下の如き構造を有するもの
である。即ち、本発明の1実施例を示す図1及び図2に
おいて、弾性変位テーブル1を構成する架台2は複数の
円柱状の支柱3を介してベース7上に取り付けられてい
る。弾性変位テーブル1を構成する架台2上には例えば
シリコンウェーハ研磨装置等数百kgからトンのオーダ
ーの物品が載置されるものである。具体的には、この弾
性変位テーブル1は、例えば、ある程度の厚みを持った
一体構造の厚板ブロック状の架台2とそれをベースに取
り付けるための複数の支柱3よりなるものである。そし
て、その上に大荷重の物品を載置するものであるから、
この弾性変位テーブルの架台2は構造的にしっかりした
ものであることが要求され、また複数の支柱3は架台2
上に搭載される物品の重力、すなわちY軸方向の力を支
持するだけの強度を持ち、それにより撓んだり変形した
りすることのないようなものでなくてはならない。
【0012】弾性変位テーブル1を構成する架台2の一
つの端面には、超磁歪アクチュエータ5のロッド6の先
端が当接するように配設されている。また、超磁歪アク
チュエータ5の本体はベース7に直交して設けられた支
持板4に固定されている。架台2は超磁歪アクチュエー
タ5のロッド6のX軸方向への直進運動作用によりX軸
方向に微小変位が可能となっている。架台2のX軸方向
への微小変位は、架台2に与えられた力により、弾性変
位が可能な複数の支柱3が微小変位するのであるが、弾
性構造体であるがために変位と同時に、該変位に対して
バネ状に反発弾性作用を発現するものである。
つの端面には、超磁歪アクチュエータ5のロッド6の先
端が当接するように配設されている。また、超磁歪アク
チュエータ5の本体はベース7に直交して設けられた支
持板4に固定されている。架台2は超磁歪アクチュエー
タ5のロッド6のX軸方向への直進運動作用によりX軸
方向に微小変位が可能となっている。架台2のX軸方向
への微小変位は、架台2に与えられた力により、弾性変
位が可能な複数の支柱3が微小変位するのであるが、弾
性構造体であるがために変位と同時に、該変位に対して
バネ状に反発弾性作用を発現するものである。
【0013】支柱3は、前述の如くバネ状に反発弾性作
用を発現するものであると同時に弾性変位テーブル1上
に載置されたゼログラムからトンオーダーの物品の重
量、即ちY軸方向の力を受けとめ支える強度を持つもの
でなければならない。従って、総合的な支柱部分3の構
造的強度は極めて高いものであることが求められる。一
方、該弾性変位テーブル1は上記Y軸方向の力と直交す
るX軸方向の力を受けた場合は、その力により無摩擦の
状態で変位することができる。変位に要する力は支柱部
分3の高い構造的強度に対応するものでなくてはならな
いが、弾性変位テーブル1の架台2上に搭載される物品
の重量には全く左右されるものではない。即ち、どのよ
うな重量のものが搭載されようが、該弾性変位テーブル
1は、X軸方向にはその重量には関わりなく全く同じ力
で変位可能である。このような構造的強度を有する支柱
3に支持された架台2をX軸方向に変位させるためには
数百kg程度の高い出力が必要となる。支柱3がバネと
しての効果を発揮するためには、細い方がよいが、大荷
重の物品を載置、支持するため、即ちY軸方向の力に対
応するためには太いほうがよいので、本発明実施のため
にはこの双方のことを勘案した形状とすることが求めら
れる。本図面に示す具体例においては、支柱の太さをベ
ースに近い部分で細くし、その部分でバネ弾性を発現さ
せることをその好ましい例としている。
用を発現するものであると同時に弾性変位テーブル1上
に載置されたゼログラムからトンオーダーの物品の重
量、即ちY軸方向の力を受けとめ支える強度を持つもの
でなければならない。従って、総合的な支柱部分3の構
造的強度は極めて高いものであることが求められる。一
方、該弾性変位テーブル1は上記Y軸方向の力と直交す
るX軸方向の力を受けた場合は、その力により無摩擦の
状態で変位することができる。変位に要する力は支柱部
分3の高い構造的強度に対応するものでなくてはならな
いが、弾性変位テーブル1の架台2上に搭載される物品
の重量には全く左右されるものではない。即ち、どのよ
うな重量のものが搭載されようが、該弾性変位テーブル
1は、X軸方向にはその重量には関わりなく全く同じ力
で変位可能である。このような構造的強度を有する支柱
3に支持された架台2をX軸方向に変位させるためには
数百kg程度の高い出力が必要となる。支柱3がバネと
しての効果を発揮するためには、細い方がよいが、大荷
重の物品を載置、支持するため、即ちY軸方向の力に対
応するためには太いほうがよいので、本発明実施のため
にはこの双方のことを勘案した形状とすることが求めら
れる。本図面に示す具体例においては、支柱の太さをベ
ースに近い部分で細くし、その部分でバネ弾性を発現さ
せることをその好ましい例としている。
【0014】図3は本発明の他の実施例を示す図面であ
る。架台2はベース7の上部構造物である枠体8の内面
に複数の板状の弾性構造体である支柱3を介して支持懸
垂され、弾性変位テーブル1を形成している。超磁歪ア
クチュエータ5は枠体8の内面に固定されており、その
ロッド6の先端が架台2の一つの端面中央部に当接する
ように配置されている。架台2は超磁歪アクチュエータ
5のロッド6のX軸方向への直進運動作用によりX軸方
向に微小変位が可能となっており、変位と同時に板状の
弾性構造体である支柱3の作用により、バネ弾性を発現
するようになっている。
る。架台2はベース7の上部構造物である枠体8の内面
に複数の板状の弾性構造体である支柱3を介して支持懸
垂され、弾性変位テーブル1を形成している。超磁歪ア
クチュエータ5は枠体8の内面に固定されており、その
ロッド6の先端が架台2の一つの端面中央部に当接する
ように配置されている。架台2は超磁歪アクチュエータ
5のロッド6のX軸方向への直進運動作用によりX軸方
向に微小変位が可能となっており、変位と同時に板状の
弾性構造体である支柱3の作用により、バネ弾性を発現
するようになっている。
【0015】図4は本発明の更に他の実施例を示す図面
であり図5はその側面図である。図3と同様に架台2は
枠体8の内面に複数の板状の支柱3を介して支持懸垂さ
れ弾性変位テーブル1を形成しており、枠体8はベース
7上に固定されている。架台2の縁部に円形の孔10を
設け、またベース7上に前記円形孔10を貫通するよう
な直柱11が設けられている。円形孔10の内周と直柱
11の外周は接触しない構造とする。枠体8の内側部の
一辺の中央部に超磁歪アクチュエータ5aが取付けられ
ており、そのロッド6aの先端が架台2の一辺の中央部
に当接するように配置されている。架台2は超磁歪アク
チュエータ5aのロッド6aのX軸方向への直進運動作
用によりX軸方向に微小変位が可能となっている。
であり図5はその側面図である。図3と同様に架台2は
枠体8の内面に複数の板状の支柱3を介して支持懸垂さ
れ弾性変位テーブル1を形成しており、枠体8はベース
7上に固定されている。架台2の縁部に円形の孔10を
設け、またベース7上に前記円形孔10を貫通するよう
な直柱11が設けられている。円形孔10の内周と直柱
11の外周は接触しない構造とする。枠体8の内側部の
一辺の中央部に超磁歪アクチュエータ5aが取付けられ
ており、そのロッド6aの先端が架台2の一辺の中央部
に当接するように配置されている。架台2は超磁歪アク
チュエータ5aのロッド6aのX軸方向への直進運動作
用によりX軸方向に微小変位が可能となっている。
【0016】図4および図5においては、架台2の前述
の辺に直交する一辺の中央部から離れた位置に先端ロッ
ド6bが当接するように超磁歪アクチュエータ5bが取
付けられている。超磁歪アクチュエータ5bの取付け位
置は図4に示す通り、前述の円形孔10の位置とは相対
する位置にあるようにする。かかる構造とすることによ
りロッド6bのY軸方向への直進運動作用により架台2
は、円形孔10を貫通する直柱11回りの微小回転運動
を行なうことが可能となる。
の辺に直交する一辺の中央部から離れた位置に先端ロッ
ド6bが当接するように超磁歪アクチュエータ5bが取
付けられている。超磁歪アクチュエータ5bの取付け位
置は図4に示す通り、前述の円形孔10の位置とは相対
する位置にあるようにする。かかる構造とすることによ
りロッド6bのY軸方向への直進運動作用により架台2
は、円形孔10を貫通する直柱11回りの微小回転運動
を行なうことが可能となる。
【0017】更に、図4および図5において、弾性変位
テーブル1の架台2の超磁歪アクチュエータ5aが設置
されている位置の下部のベース7に超磁歪アクチュエー
タ5cが取付けられており、架台2は超磁歪アクチュエ
ータ5cのロッド6cのZ軸方向への直進運動作用によ
り、円形孔10を貫通する直柱11を基点としたZ軸方
向への微小傾斜運動を行なうことが可能となる。即ち、
架台2は超磁歪アクチュエータ5a、5b、5cに付属
するロッド6a、6b、6cの作用により、X軸方向へ
の微小直進運動、Z軸回りY軸方向への微小回転運動、
Z軸方向の微小傾斜運動が可能となる。
テーブル1の架台2の超磁歪アクチュエータ5aが設置
されている位置の下部のベース7に超磁歪アクチュエー
タ5cが取付けられており、架台2は超磁歪アクチュエ
ータ5cのロッド6cのZ軸方向への直進運動作用によ
り、円形孔10を貫通する直柱11を基点としたZ軸方
向への微小傾斜運動を行なうことが可能となる。即ち、
架台2は超磁歪アクチュエータ5a、5b、5cに付属
するロッド6a、6b、6cの作用により、X軸方向へ
の微小直進運動、Z軸回りY軸方向への微小回転運動、
Z軸方向の微小傾斜運動が可能となる。
【0018】本発明の支柱3の材質については特に限定
するものではないが、上述の通り構造的に強靱であり、
かつ好ましい弾性を有し、バネとしての機能を発現する
ものであることが求められるのであるから、具体的には
金属製のものであることが好ましく、特に好ましくはス
テンレス製のものを挙げることができる。また、架台
2、支持板4、ベース7、枠体8の材質についても特に
限定を行なうものではないが、構造的に剛性が強く変形
の少ない素材、具体的には剛性の高い金属製のものを用
いることが好ましい。
するものではないが、上述の通り構造的に強靱であり、
かつ好ましい弾性を有し、バネとしての機能を発現する
ものであることが求められるのであるから、具体的には
金属製のものであることが好ましく、特に好ましくはス
テンレス製のものを挙げることができる。また、架台
2、支持板4、ベース7、枠体8の材質についても特に
限定を行なうものではないが、構造的に剛性が強く変形
の少ない素材、具体的には剛性の高い金属製のものを用
いることが好ましい。
【0019】本発明でいう超磁歪アクチュエータとは、
特定の希土類元素と、ニッケル、コバルト、鉄からなる
鉄族元素との特定割合での合金の多結晶あるいは単結晶
であって、磁界を与えると強い寸法変化を起こす超磁歪
材料をアクチュエータとして応用したものである。通常
は超磁歪材料よりなるロッドを中央におき、その周囲を
駆動用のコイルで囲んだものであるが、上下に永久磁石
を配したものは、オフセット電流により磁気バイアスを
かける必要がなくその分だけジュール発熱を抑えること
ができる。本発明の超磁歪アクチュエータ6は、前述の
弾性変位テーブル1を大荷重の物品を載置した状態で数
十μmの距離をナノメーターの精度で変位させるもので
あるから、ジュール発熱による変位量の狂いをできる限
り少なくすることが求められ、従って、前述の永久磁石
を内蔵するものを用いることが好ましい。
特定の希土類元素と、ニッケル、コバルト、鉄からなる
鉄族元素との特定割合での合金の多結晶あるいは単結晶
であって、磁界を与えると強い寸法変化を起こす超磁歪
材料をアクチュエータとして応用したものである。通常
は超磁歪材料よりなるロッドを中央におき、その周囲を
駆動用のコイルで囲んだものであるが、上下に永久磁石
を配したものは、オフセット電流により磁気バイアスを
かける必要がなくその分だけジュール発熱を抑えること
ができる。本発明の超磁歪アクチュエータ6は、前述の
弾性変位テーブル1を大荷重の物品を載置した状態で数
十μmの距離をナノメーターの精度で変位させるもので
あるから、ジュール発熱による変位量の狂いをできる限
り少なくすることが求められ、従って、前述の永久磁石
を内蔵するものを用いることが好ましい。
【0020】図6は本発明において使用する位置決め機
構のシステム図の1例である。このシステムは、位置制
御部(PC)、電流制御部、精密アンプ、超磁歪アクチ
ュエータ(GMA)、弾性変位テーブル、静電容量セン
サーによって構成される。位置指令値X*は位置制御部
において電流指令値i*に変換され電流制御部へ送ら
れ、更に精密アンプへ送られる。精密アンプにおいて増
幅された電流が超磁歪アクチュエータに印加され、超磁
歪アクチュエータのロッドを変形させそれが弾性変位テ
ーブルを変位させる。弾性変位テーブルの実際の変位量
は静電容量センサーにより検知され、実測位置情報Xと
して位置制御部へフィードバックされる。超磁歪アクチ
ュエータに印加される実際の電流値は電流センサーで検
知され電流制御部へフィードバックされる。
構のシステム図の1例である。このシステムは、位置制
御部(PC)、電流制御部、精密アンプ、超磁歪アクチ
ュエータ(GMA)、弾性変位テーブル、静電容量セン
サーによって構成される。位置指令値X*は位置制御部
において電流指令値i*に変換され電流制御部へ送ら
れ、更に精密アンプへ送られる。精密アンプにおいて増
幅された電流が超磁歪アクチュエータに印加され、超磁
歪アクチュエータのロッドを変形させそれが弾性変位テ
ーブルを変位させる。弾性変位テーブルの実際の変位量
は静電容量センサーにより検知され、実測位置情報Xと
して位置制御部へフィードバックされる。超磁歪アクチ
ュエータに印加される実際の電流値は電流センサーで検
知され電流制御部へフィードバックされる。
【0021】本発明の微細位置決め装置における位置制
御は様々な方法によって行なうことが可能であり特に限
定を受けるものではないが、例えばPI制御を挙げるこ
とができる。図7はPI制御による位置制御部の1例で
あって、この例では、発振器による変位の指令値と、静
電容量変位センサーからの弾性変位テーブルの実際の変
位の値とを比較し、その差分にPI制御を行なう。この
制御回路には変位の指令値と実際の弾性変位テーブルの
変位値が同時に取り込むことができるようになっている
ため、実質的位置制御を可能にしている。ここでいうP
制御とは比例制御であり制御量の目標値に対する速応性
を調整するものである。また、I制御とは積分制御であ
り、目標値に対する定常偏差を調整するものである。こ
の他にPIE制御、H∞制御等を挙げることができる。
御は様々な方法によって行なうことが可能であり特に限
定を受けるものではないが、例えばPI制御を挙げるこ
とができる。図7はPI制御による位置制御部の1例で
あって、この例では、発振器による変位の指令値と、静
電容量変位センサーからの弾性変位テーブルの実際の変
位の値とを比較し、その差分にPI制御を行なう。この
制御回路には変位の指令値と実際の弾性変位テーブルの
変位値が同時に取り込むことができるようになっている
ため、実質的位置制御を可能にしている。ここでいうP
制御とは比例制御であり制御量の目標値に対する速応性
を調整するものである。また、I制御とは積分制御であ
り、目標値に対する定常偏差を調整するものである。こ
の他にPIE制御、H∞制御等を挙げることができる。
【0022】図8に本発明の微細位置決め装置における
電流制御部の1例を示し、この電流制御部は、電流検出
部(センサー)、フィードバック制御部保護回路部によ
って構成される。変位指令値X*は、前述の位置制御部
で電流指令値i*に変換されこの電流制御部に送られて
来る。超磁歪アクチュエータに流れる電流値iは電流検
出部で検出され、フィードバック制御部に送られ制御さ
れる。フィードバック制御部よりの電流指令値i*は精
密アンプにより超磁歪アクチュエータに送られ、超磁歪
アクチュエータに高精度に制御された電流を印加する。
電流を印加されることにより、超磁歪アクチュエータ中
の超磁歪ロッドがジュール効果により変形し、微小変位
を弾性変位テーブルに伝えるものである。
電流制御部の1例を示し、この電流制御部は、電流検出
部(センサー)、フィードバック制御部保護回路部によ
って構成される。変位指令値X*は、前述の位置制御部
で電流指令値i*に変換されこの電流制御部に送られて
来る。超磁歪アクチュエータに流れる電流値iは電流検
出部で検出され、フィードバック制御部に送られ制御さ
れる。フィードバック制御部よりの電流指令値i*は精
密アンプにより超磁歪アクチュエータに送られ、超磁歪
アクチュエータに高精度に制御された電流を印加する。
電流を印加されることにより、超磁歪アクチュエータ中
の超磁歪ロッドがジュール効果により変形し、微小変位
を弾性変位テーブルに伝えるものである。
【0023】本発明の変位センサーは弾性変位テーブル
の実際の変位量Xを検知し、位置制御部へフィードバッ
クする機能を有するものである。変位センサーのタイプ
については特に限定を受けるものではないが、具体的に
は例えば静電容量変位センサー、レーザー変位センサー
等を使用することができる。
の実際の変位量Xを検知し、位置制御部へフィードバッ
クする機能を有するものである。変位センサーのタイプ
については特に限定を受けるものではないが、具体的に
は例えば静電容量変位センサー、レーザー変位センサー
等を使用することができる。
【0024】本発明の微細位置決め方法の具体例を図面
をもって具体的に説明するが、特にこれにより限定を行
うものではない。図1は本発明の微細位置決め装置の1
実施例を示す平面図であり、図2はその側面図である。
図面において、架台2は4本の円柱状の支柱3とともに
弾性変位テーブル1を形成している。支柱3の他端は例
えば螺着あるいは熔接等の手段によりベース7上に固定
されており、全体として弾性変位テーブルがベース7上
に取り付けられる構造となっている。また、超磁歪アク
チュエータ5が支持板4の面に固定されており、該アク
チュエータ5のロッド6の先端は架台2の側面に当接す
るように配置されており他端はアクチュエータに固定さ
れている。微細送り変位センサー9が架台上に載置され
ており、弾性変位テーブル1の変位を検知するようにな
っている。
をもって具体的に説明するが、特にこれにより限定を行
うものではない。図1は本発明の微細位置決め装置の1
実施例を示す平面図であり、図2はその側面図である。
図面において、架台2は4本の円柱状の支柱3とともに
弾性変位テーブル1を形成している。支柱3の他端は例
えば螺着あるいは熔接等の手段によりベース7上に固定
されており、全体として弾性変位テーブルがベース7上
に取り付けられる構造となっている。また、超磁歪アク
チュエータ5が支持板4の面に固定されており、該アク
チュエータ5のロッド6の先端は架台2の側面に当接す
るように配置されており他端はアクチュエータに固定さ
れている。微細送り変位センサー9が架台上に載置され
ており、弾性変位テーブル1の変位を検知するようにな
っている。
【0025】本発明の微細位置決め装置の実際の使用に
おいては、まず、超磁歪アクチュエータ5に所定の電流
を印加してロッド6を変形させて予荷重を与え、X軸方
向に弾性変位テーブル1を数μm程度微小変位せしめ、
その位置を標準位置とする。トンオーダーの物品を載置
するに耐える構造の弾性変位テーブル1を数μm程度微
小変位させるために要する予荷重は大略200ないし1
000kg程度である。超磁歪アクチュエータ5に印加
する電流値を更に上げれば弾性変位テーブル1は標準位
置から更に正方向に変位し、また印加する電流値を下げ
れば弾性変位テーブル1は支柱3のバネとしての反発弾
性作用により押し戻され標準位置から負の方向に変位す
ることができる。即ち、印加する電流値をコントロール
することによって、前記標準位置を中心として弾性変位
テーブルをX軸方向にオングストロームあるいはnmの
精度で自在に微小変位させることができる。
おいては、まず、超磁歪アクチュエータ5に所定の電流
を印加してロッド6を変形させて予荷重を与え、X軸方
向に弾性変位テーブル1を数μm程度微小変位せしめ、
その位置を標準位置とする。トンオーダーの物品を載置
するに耐える構造の弾性変位テーブル1を数μm程度微
小変位させるために要する予荷重は大略200ないし1
000kg程度である。超磁歪アクチュエータ5に印加
する電流値を更に上げれば弾性変位テーブル1は標準位
置から更に正方向に変位し、また印加する電流値を下げ
れば弾性変位テーブル1は支柱3のバネとしての反発弾
性作用により押し戻され標準位置から負の方向に変位す
ることができる。即ち、印加する電流値をコントロール
することによって、前記標準位置を中心として弾性変位
テーブルをX軸方向にオングストロームあるいはnmの
精度で自在に微小変位させることができる。
【0026】図4および図5に示すように変位方向をX
軸方向のみとせず、Y軸あるいはZ軸方向にも微小変位
させる場合においても、その基本的な変位の方法および
制御方法、システムは全く同じである。X軸方向、Y軸
方向およびZ軸方向の微小変位は各々独立に制御される
ものであり、各々の方向への変位は単独で行なってもよ
いし組み合わせておこなってもよい。
軸方向のみとせず、Y軸あるいはZ軸方向にも微小変位
させる場合においても、その基本的な変位の方法および
制御方法、システムは全く同じである。X軸方向、Y軸
方向およびZ軸方向の微小変位は各々独立に制御される
ものであり、各々の方向への変位は単独で行なってもよ
いし組み合わせておこなってもよい。
【0027】
【実施例】以下実施例、比較例に従い本発明の微細位置
決め装置による変位の具体例を説明する。実験結果を各
図のグラフにて示すが、グラフにおいて横軸は時間、縦
軸は変位量を示す。変位量については指令値と実測値と
を併記するが、両者の差異を判りやすくするために上下
2段に分けて示してある。上段が指令値、下段が実測値
である。グラフ中の上下2段に示したGND表示は各々
指令値、実測値のグランドレベルを示している。 実施例1 図9は自重150kgの架台を用い、載置荷重0kgに
おいて、ワンステップ1.875nm/0.5secで
最大変位幅15nmの変位指令を与えた際の実験結果を
示す。
決め装置による変位の具体例を説明する。実験結果を各
図のグラフにて示すが、グラフにおいて横軸は時間、縦
軸は変位量を示す。変位量については指令値と実測値と
を併記するが、両者の差異を判りやすくするために上下
2段に分けて示してある。上段が指令値、下段が実測値
である。グラフ中の上下2段に示したGND表示は各々
指令値、実測値のグランドレベルを示している。 実施例1 図9は自重150kgの架台を用い、載置荷重0kgに
おいて、ワンステップ1.875nm/0.5secで
最大変位幅15nmの変位指令を与えた際の実験結果を
示す。
【0028】比較例1 図10は実施例1と同じ条件で弾性変位テーブルの下部
に障害を置き変位に対して若干の抵抗を与えた際の実験
結果を示す。
に障害を置き変位に対して若干の抵抗を与えた際の実験
結果を示す。
【0029】実施例2、3 また、図11、図12は大振幅動作時の実験結果であっ
て、同じく自重150kgの架台を用い、載置荷重0k
gと350kgにおいて、ワンステップ125nm/
0.5secで最大変位幅500nmの変位指令を与え
た際の実験結果を示す。
て、同じく自重150kgの架台を用い、載置荷重0k
gと350kgにおいて、ワンステップ125nm/
0.5secで最大変位幅500nmの変位指令を与え
た際の実験結果を示す。
【0030】実施例4 図13は実施例1と同じ装置を用い、載置荷重0kgに
おいて、ワンステップ6.25オングストローム/0.
5secで最大振幅2.5nmの変位指令を与えた際の
実験結果を示す。
おいて、ワンステップ6.25オングストローム/0.
5secで最大振幅2.5nmの変位指令を与えた際の
実験結果を示す。
【0031】実施例1、2、3、4いずれの場合にも指
令値に対して正確な変位が行なわれているのが判る。特
に、図11と図12(実施例2、3)を比較してみる
と、載置荷重の有無にかかわらず、変位は同じであり、
本発明の特徴をよく示している。また、図13(実施例
4)ではオングストローム単位での超微細変位も正確に
行なわれていることを示す。更に、弾性変位テーブルに
若干の抵抗を与えた場合はその指令値に対して、応答は
正確でなくなることが実施例1との比較においてよく判
る。
令値に対して正確な変位が行なわれているのが判る。特
に、図11と図12(実施例2、3)を比較してみる
と、載置荷重の有無にかかわらず、変位は同じであり、
本発明の特徴をよく示している。また、図13(実施例
4)ではオングストローム単位での超微細変位も正確に
行なわれていることを示す。更に、弾性変位テーブルに
若干の抵抗を与えた場合はその指令値に対して、応答は
正確でなくなることが実施例1との比較においてよく判
る。
【0032】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の微細送り装置
を用いれば、大荷重の物品の微細送りを正確にかつ繰り
返し精度よく行なうことができる。これにより例えば半
導体材料等の超精密加工の送り装置として応用可能であ
り、超精密加工を効率的に行なうことができるようにな
る。特にオングストロームレベルの超微細変位が正確に
行なわれるようになったことは画期的なことである。
を用いれば、大荷重の物品の微細送りを正確にかつ繰り
返し精度よく行なうことができる。これにより例えば半
導体材料等の超精密加工の送り装置として応用可能であ
り、超精密加工を効率的に行なうことができるようにな
る。特にオングストロームレベルの超微細変位が正確に
行なわれるようになったことは画期的なことである。
【図1】本発明の微細位置決め装置の平面図である。
【図2】図1の微細位置決め装置の側面図を示す。
【図3】本発明の微細位置決め装置の他の実施例を示す
平面図である。
平面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す平面図である。
【図5】図4の微細位置決め装置の側面図である。
【図6】本発明で使用する微細位置決め機構のシステム
図の1例である。
図の1例である。
【図7】本発明の微細位置決め装置の制御部のシステム
の1例である。
の1例である。
【図8】同じく電流制御部のシステムの1例である。
【図9】実施例1の実験結果を示すグラフである。
【図10】比較例1の実験結果を示すグラフである。
【図11】実施例2の実験結果を示すグラフである。
【図12】実施例3の実験結果を示すグラフである。
【図13】実施例4の実験結果を示すグラフである。
1:弾性変位テーブル、 2:架台、 3:支柱、
4:支持板、5:超磁歪アクチュエータ、 5
a、5b、5c:超磁歪アクチュエータ、6:ロッド、
6a、6b、6c:ロッド、 7:ベース、8:
枠体、 9:変位センサー、 9a、9b、9c:
変位センサー、10:円形孔、 11:直柱
4:支持板、5:超磁歪アクチュエータ、 5
a、5b、5c:超磁歪アクチュエータ、6:ロッド、
6a、6b、6c:ロッド、 7:ベース、8:
枠体、 9:変位センサー、 9a、9b、9c:
変位センサー、10:円形孔、 11:直柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C016 HA00 HB00 5H303 AA01 AA06 BB02 BB07 CC01 DD14 FF04 FF08 GG11 HH02 KK02 KK03 LL03
Claims (5)
- 【請求項1】無摩擦で変位が可能な弾性変位テーブルと
超磁歪アクチュエータとによって構成され、該超磁歪ア
クチュエータに設けられたロッドの変形によって前記弾
性変位テーブルを変位させ位置決めを行なうことを特徴
とする微細位置決め装置。 - 【請求項2】弾性変位テーブルが、架台と、弾性変位が
可能な支柱とから構成され、前記架台は前記支柱により
ベースに取り付けられていることを特徴とする請求項第
1項に記載の微細位置決め装置。 - 【請求項3】超磁歪アクチュエータが、位置制御部、電
流制御部、精密アンプによって駆動されることを特徴と
する請求項第1項または第2項いずれかに記載の微細位
置決め装置。 - 【請求項4】超磁歪アクチュエータが内蔵磁石を有する
ものであることを特徴とする請求項第1項ないし第3項
いずれかに記載の微細位置決め装置。 - 【請求項5】請求項第1項ないし第4項のいずれかに記
載の微細位置決め装置を用い、超磁歪アクチュエータに
所定の電流を印加して該超磁歪アクチュエータに設けら
れたロッドを変形させ、弾性変位テーブルを微小変位せ
しめ、その位置を標準位置とし、印加する電流値を変化
させることによって弾性変位テーブルを前記標準位置を
中心に自在に微小変位させることを特徴とする微細位置
決め方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000071791A JP2001265441A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | 微細位置決め装置および微細位置決め方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000071791A JP2001265441A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | 微細位置決め装置および微細位置決め方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001265441A true JP2001265441A (ja) | 2001-09-28 |
Family
ID=18590307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000071791A Pending JP2001265441A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | 微細位置決め装置および微細位置決め方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001265441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1676671A1 (en) * | 2004-12-28 | 2006-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
EP1676673A1 (en) | 2004-12-28 | 2006-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Attitude control device and precision machining apparatus comprising same |
WO2007015163A1 (en) * | 2005-08-04 | 2007-02-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
-
2000
- 2000-03-15 JP JP2000071791A patent/JP2001265441A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1676671A1 (en) * | 2004-12-28 | 2006-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
EP1676673A1 (en) | 2004-12-28 | 2006-07-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Attitude control device and precision machining apparatus comprising same |
US7160175B2 (en) | 2004-12-28 | 2007-01-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Attitude control device and precision machining apparatus |
US7247081B2 (en) | 2004-12-28 | 2007-07-24 | Toyoda Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
WO2007015163A1 (en) * | 2005-08-04 | 2007-02-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
JP2007038358A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Toyota Motor Corp | 精密加工装置および精密加工方法 |
US7950981B2 (en) | 2005-08-04 | 2011-05-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Precision machining apparatus and precision machining method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6756751B2 (en) | Multiple degree of freedom substrate manipulator | |
Polit et al. | Development of a high-bandwidth XY nanopositioning stage for high-rate micro-/nanomanufacturing | |
KR940007404B1 (ko) | 미소연마방법 및 미소연마공구 | |
Kim et al. | Design and precision construction of novel magnetic-levitation-based multi-axis nanoscale positioning systems | |
US7301257B2 (en) | Motion actuator | |
KR940007405B1 (ko) | 미소연마방법 및 미소연마공구 | |
US6538348B2 (en) | Stage device capable of moving an object to be positioned precisely to a target position | |
JP2004525780A (ja) | 超精密位置決めシステム | |
JPS6320014B2 (ja) | ||
Bergander et al. | Micropositioners for microscopy applications based on the stick-slip effect | |
JPH04183255A (ja) | ボイスコイルモータおよび磁気ディスク装置 | |
JP3992681B2 (ja) | 超高精度供給装置 | |
JP2009076521A (ja) | 精密微動位置決め装置およびそれを備えた微動位置決めステージ、露光装置、検査装置 | |
JP2001265441A (ja) | 微細位置決め装置および微細位置決め方法 | |
JPS63244205A (ja) | 位置決め装置 | |
Wang et al. | A high precision micropositioner based on magnetostriction principle | |
JPS5830129A (ja) | 精密平面移動装置 | |
Tan et al. | Large stroke and high precision positioning using iron–gallium alloy (Galfenol) based multi-DOF impact drive mechanism | |
Fukada et al. | Nanometric positioning over a one-millimeter stroke using a flexure guide and electromagnetic linear motor | |
JP2007136600A (ja) | マイクロ加工装置 | |
JP2001242937A (ja) | ステージ装置 | |
JP2002162219A (ja) | 高精度移動機構 | |
JP3553350B2 (ja) | Xyステージ | |
JP2004257844A (ja) | 高精度微小移動装置 | |
JPH07128467A (ja) | 微動駆動担体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040415 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060523 |