JP2001264854A - ファインダー装置及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

ファインダー装置及びそれを用いた光学機器

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JP2001264854A
JP2001264854A JP2000071668A JP2000071668A JP2001264854A JP 2001264854 A JP2001264854 A JP 2001264854A JP 2000071668 A JP2000071668 A JP 2000071668A JP 2000071668 A JP2000071668 A JP 2000071668A JP 2001264854 A JP2001264854 A JP 2001264854A
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prism
finder
light
air gap
finder device
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JP2000071668A
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English (en)
Inventor
Yasuo Suda
康夫 須田
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B13/00Viewfinders; Focusing aids for cameras; Means for focusing for cameras; Autofocus systems for cameras
    • G03B13/02Viewfinders

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で視野が明るくファインダー視野
の輪郭がはっきりしたファインダー装置及びそれを用い
た光学機器を得ること。 【解決手段】 光を透過させる第一、および、第二のプ
リズムとを介して被写体を観察するファインダー装置で
あって、該第一のプリズムと該第二のプリズムは、エア
ギャップを介して対向する面をそれぞれ備え、被写体か
らの光束のうち、ファインダー観察視野内から該第一の
プリズムの光入射面に入射した光は該エアギャップを通
過し該第二のプリズムに入射し、ファインダー観察視野
外から該第一のプリズムの光入射面に入射した光は該エ
アギャップに対向する面で全反射するように該面の傾斜
を設定していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファインダー装置
及びそれを用いた光学機器に関し、例えばデジタル電子
スチルカメラまたはビデオムービーカメラなどの固体撮
像素子が適用された小型カメラに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりデジタルカラーカメラ等の光学
機器では、レリーズボタンの押下に応動して、CCDや
CMOSセンサなどの固体撮像素子に被写界像を所望の
時間露光し、これより得られた1つの画面の静止画像を
表わす画像信号をデジタル信号に変換して、YC処理な
どの所定の処理を施して、所定の形式の画像信号を得て
いる。撮像された画像を表わすデジタルの画像信号は、
それぞれの画像毎に、半導体メモリに記録される。記録
された画像信号は、随時読み出されて表示または印刷可
能な信号に再生され、モニタなどに出力されて表示され
ている。
【0003】デジタルカラーカメラは小型の固体撮像素
子を用いるので、簿型化にたいへん都合がよい。特開平
10−126658号公報では、各種のカメラ機能をP
Cカードのサイズに収め、パーソナルコンピュータに代
表される外部情報処理装置のカードスロットに装着して
外部情報処理装置側から画像メモリ部へのアクセスを可
能とし、さらに、折り畳み式のファインダー装置を備え
る技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−126658号公報に示されるファインダー装置
の構成では、使用時にのみファインダー光路を構成する
ため、可動部を必要とし、この結果,カメラの構成が複
雑になる傾向がある。また、外部情報処理装置のカード
スロットに装着する際には、その度にファインダーを畳
まねばならない。
【0005】従来、小型カメラに使われてきたファイン
ダー装置の種別としては、逆ガリレオファインダー、ア
ルバダファインダー、マークファインダー、実像式ファ
インダー等がある。
【0006】これらは小型カメラ用としては個々にいく
つかの問題があり、十分に満足できるものではなかっ
た。
【0007】例えばいくつかの問題点を列挙すると、 ・逆ガリレオファインダーは構成が簡単であるが、ファ
インダー視野の輪郭が不明瞭である。
【0008】・アルバダファインダーとマークファイン
ダーはハーフミラーをファインダー光路中に置くために
視野(ファインダー像)が暗い。
【0009】・逆ガリレオファインダー、アルバダファ
インダー、マークファインダーはアフォーカル系に近い
レンズ系なので、本質的に1枚の簿肉レンズで構成する
ことができない。少なくとも2枚のレンズを互いに離し
て配置する必要があり、簿型化は極めて難しい。
【0010】・実像式ファインダーはファインダー視野
の輪郭が明瞭であるものの、複数の対物レンズや接眼レ
ンズの他にポロプリズム等が必要で構成が複雑である。
といったことがある。
【0011】このように従来のファインダー装置は、小
型カメラに最適な、簡単な構成で、視野が明るく、しか
も、視野の輪郭が明瞭なファインダー像を得るのが大変
困難であった。
【0012】本発明は、可動部のない薄型のファインダ
ー装置及びそれを用いた光学機器の提供を目的とする。
【0013】この他本発明は、可動部がないにもかかわ
らず、ファインダー視野の輪郭が明瞭で明るく良好なる
ファインダー像の観察ができる薄型のファインダー装置
及びそれを用いた光学機器の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のファイ
ンダー装置は、光を透過させる第一、および、第二のプ
リズムとを介して被写体を観察するファインダー装置で
あって、該第一のプリズムと該第二のプリズムは、エア
ギャップを介して対向する面をそれぞれ備え、被写体か
らの光束のうち、ファインダー観察視野内から該第一の
プリズムの光入射面に入射した光は該エアギャップを通
過し該第二のプリズムに入射し、ファインダー観察視野
外から該第一のプリズムの光入射面に入射した光は該エ
アギャップに対向する面で全反射するように該面の傾斜
を設定していることを特徴としている。
【0015】請求項2の発明のファインダー装置は、光
を透過させる第一、および、第二のプリズムとを介して
被写体を観察するファインダー装置であって、該第一、
第二のプリズムは各々、ファインダー光軸に対し、面対
称の複数の面を有し、該第一のプリズムと該第二のプリ
ズムは、面対称の複数の面を対向させ、エアギャップを
介して対向配置されており、被写体からの光束のうち、
ファインダー観察視野内から該第一のプリズムの光入射
面に入射した光は該エアギャップを通過し該第二のプリ
ズムに入射し、ファインダー観察視野外から該第一のプ
リズムの光入射面に入射した光は該エアギャップに対向
する面で全反射するように該面の傾斜を設定しているこ
とを特徴としている。
【0016】請求項3の発明は請求項2の発明におい
て、前記第一,第二のプリズムはファインダー光軸に対
し面対称な4つの面を有していることを特徴としてい
る。
【0017】請求項4の発明は請求項1,2又は3の発
明において、前記エアギャップを介して対向する面は平
面又は曲面より成っていることを特徴としている。
【0018】請求項5の発明は請求項1から4のいずれ
か1項の発明において、前記第一のプリズムの光入射面
は平面より成っていることを特徴としている。
【0019】請求項6の発明は請求項1から5のいずれ
か1項の発明において、前記第一のプリズムと第二のプ
リズムはそれらを接合したとき合成の屈折力が0又は平
行平板となる形状をしていることを特徴としている。
【0020】請求項7の発明は請求項1から5のいずれ
か1項の発明において、前記第二のプリズムの光射出面
は凹面より成っていることを特徴としている。
【0021】請求項8の発明は請求項7の発明におい
て、前記第二のプリズムの光射出面側には正の屈折力の
レンズ系が設けられていることを特徴としている。
【0022】請求項9の発明は請求項1から8のいずれ
か1項の発明において、前記エアギャップは1.4μm
以上であることを特徴としている。
【0023】請求項10の発明の光学機器は請求項1か
ら9のいずれか1項のファインダー装置を有しているこ
とを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光学機器の要部断
面図である。図2(A),(B),(C)は本発明のフ
ァインダー装置を有したデジタルカラーカメラの全体を
表す概略図である。図2(B)は裏面図、図2(A)は
裏面図2(B)の左方から見た側面図、図2(C)は裏
面図2(B)の右方から見た側面図である。
【0025】図2(A),(B),(C)において、1
01はカード型のカメラ本体、105はメインスイッ
チ、106はレリーズ釦、107,108,109は使
用者がカメラの状態をセットするためのスイッチ、15
0は残りの撮影可能枚数の表示部である。
【0026】111はファインダー接眼窓であって、物
体側のファインダー窓からファインダーに入射した物体
光がここから射出する。114は外部のコンピュータ等
に接続して、データの送受信をするための規格化された
接続端子、120はカメラの前面に配置されたレリーズ
釦106と同軸に形成された突起、890はカメラ本体
101の内部に位置する撮像系である。
【0027】カメラ本体101をPCカードと同一サイ
ズとして、パーソナルコンピュータに装着するようにし
ても良い。この場合は、長さ85.6mm、幅54.0
mm、厚さ3.3mm(PCカード規格Type1)あ
るいは5.0mm(PCカード規格Type2)であ
る。113bは遮光領域、125は裏蓋である。
【0028】図1のデジタルカラーカメラの断面図は、
図2におけるレリーズ釦106、撮像系890、ファイ
ンダー接眼窓111を通る面で切ったときの図に相当し
ている。図1に於いて、123はカメラの各構成要素を
保持する筐体、125は裏蓋、890は撮像系、121
はレリーズ釦106が押下されたときにオンするスイッ
チ、124はレリーズ釦106を突出方向に付勢するコ
イルバネである。
【0029】スイッチ121はレリーズボタン106を
半分だけ押下すると閉成する第一段回路と、終端まで押
下されると閉成する第二段回路を備えている。カメラの
前面にあたる筐体123の面123cは第一の外装面、
裏蓋125は第二の外装面である。
【0030】112と113はファインダー光学系を形
成する光偏向作用をする第一および第二プリズムであ
る。
【0031】第一,第二プリズム112,113はアク
リル樹脂等の透明材料で形成され、両者には同一の屈折
率を持たせてある。また、内部を光線が直進するように
中実である。第二プリズム113の物体光射出面113
aの周囲には遮光用の印刷を施した遮光領域113bが
形成され、ファインダー射出光の通過範囲を制限してい
る。また、この印刷領域は図示の如く第二プリズム11
3の側面と物体光射出面113aに対向する部分にも及
んでいる。
【0032】撮像系890は保護ガラス160,撮影レ
ンズ800,センサ基板161,センサ位置調整用の中
継部材163,164を筐体123に取り付けることに
よって構成される。また、センサ基板161上には、固
体撮像素子820とセンサカバーガラス162が取り付
けられ、撮影レンズ800には後述する絞り810が接
着されている。
【0033】中継部材163,164は筐体の貫通孔1
23a,123bに移動可能に嵌合し、撮影レンズ80
0と固体撮像素子820との位置関係が適切になるよう
に調整した後、センサ基板161と筐体123に対して
接着固定される。
【0034】さらに、保護ガラス160、センサカバー
ガラス162には、撮像する範囲以外からの光が固体撮
像素子820に入射するのをできるだけ滅ずるため、有
効部以外の領域に遮光のための印刷が施されている。図
に示した160aおよび162aが遮光用の印刷領域で
ある。
【0035】また、保護ガラス160とセンサカバーガ
ラス162の印刷領域160a,162a以外はゴース
トの発生を避けるために増透コートが施されている。
【0036】次に撮像系(撮影光学系)890の構成の
詳細を説明する。
【0037】図3は撮像系890の詳細図である。撮影
光学系の基本要素は撮影レンズ800、絞り810、固
体撮像素子820である。
【0038】撮影レンズ800は光射出側から見た図5
に示すように4つのレンズ部800a,800b,80
0c,800dを有し、これらは球面あるいは回転対称
非球面で構成されている。このレンズ部800a,80
0b,800c,800d上には波長670nm以上の
波長域について低い透過率を持たせた赤外線カットフィ
ルターが、また、ハッチングをかけて示した平面部80
0fには遮光性膜が形成されている。
【0039】4つのレンズ部800a,800b,80
0c,800dのそれぞれが結像系である。
【0040】固体撮像素子820の画素ピッチで決定さ
れるナイキスト周波数以上の物体像の高周波成分を抑
え、低周波側のレスポンスを上げるために、撮影レンズ
800の光入射面800eには854a、854bで示
す透過率分布領域が設けられている。これはアポダイゼ
イションと呼ばれ、絞り中心で最高の透過率を持ち、周
辺に行くに従って低下する特性を持たせることにより、
望ましいMTFを得る手法である。
【0041】絞り810は図4に示すような4つの円形
開口810a,810b,810c,810dを有す
る。この各々から撮影レンズ800の光入射面800e
に入射した物体光は、4つのレンズ部800a,800
b,800c,800dから射出して、固体撮像素子8
20の撮像面上に4つの物体像を形成する。
【0042】絞り810と光入射面800eおよび固体
撮像素子820の撮像面は平行に配置されている。
【0043】なお、ここでは、撮影レンズ800の光入
射面800eを平面としたが、4つの球面あるいは4つ
の回転対称非球面で構成しても良い。ディストーション
は演算処理で修正できるので、光学上最も優先すべき特
性は像面湾曲であり、主に像面湾曲に注目して絞り81
0,光入射面800e,レンズ部800a,800b,
800c,800dの位置と形状を決定する。
【0044】図6は固体撮像素子820の正面図であ
る。固体撮像素子820は形成される4つの物体像に対
応させて4つの撮像領域820a,820b,820
c,820dを備えている。図は簡略化して示したが、
撮像領域820a,820b,820c,820dの各
々は、縦横のピッチが2.8μmの画素を800×60
0個配列してなる2.24mm×1.68mmの領域で
あって、各撮像領域の対角寸法は2.80mmとなる。
【0045】図において、851a,851b,851
c,851dは内部に物体像が形成されるイメージサー
クルである。イメージサークル851a,851,85
1c,851dの形状は、保護ガラス160とセンサカ
バーガラス162に設けた印刷領域160a,162a
効果により周辺での照度低下はあるものの、絞りの開口
と撮影レンズ800の射出側球面部の大きさで決定され
る円形である。
【0046】したがって、イメージサークル851a,
851b,851c,851dには互いに重なり合う部
分が生じている。
【0047】図3に戻って、絞り810と撮影レンズ8
00に挟まれた領域のハッチングで示した部分852
a,852bは撮影レンズ800の光入射面800e上
に形成された光学フィルターである。撮影レンズ800
を光入射側から見た図7で示すように、光学フィルター
852a,852b,852c,852dが絞り開口8
10a,810b,810c,810dを完全に含む範
囲に形成されている。
【0048】光学フィルター852aと852dは図8
の曲線Gで示した主に緑色を透過する分光透過率特性を
有し、光学フィルター852bは曲線Rで示した主に赤
色を透過する分光透過率特性を有し、さらに、光学フィ
ルター852cは曲線Bで示した主に青色を透過する分
光透過率特性を有している。
【0049】すなわち、これらは原色フィルターであ
る。レンズ部800a,800b,800c,800d
に形成されている赤外線カットフィルターの特性との積
として、イメージサークル851aと851dに形成さ
れている物体像は緑色光成分、イメージサークル851
bに形成されている物体像は赤色光成分、イメージサー
クル851cに形成されている物体像は青色光成分によ
るものとなる。
【0050】各結像系に各スペクトル分布の代表波長に
ついて略同一の焦点距離を設定すれば、これらの画像信
号を合成することにより良好に色収差の補正されたカラ
ー画像を得ることができる。
【0051】各結像系は1枚構成であるので、撮像系を
薄型化する効果は大きい。また、通常、色消しは分散の
異なる少なくとも2枚のレンズの組み合わせが必要であ
るので、ここでは1枚構成であることによるコストダウ
ン効果も生じる。
【0052】一方、固体撮像素子820の4つの撮像領
域820a,820b,820c,820d上にもまた
光学フィルターが形成されている。撮像領域820aと
820dの分光透過率特性は図8に曲線Gで示したも
の、撮像領域820bの分光透過率特性は図8に曲線R
で示したもの、撮像領域820cの分光透過率特性は図
8に曲線Bで示したものである。
【0053】つまり、撮像領域820aと820dは緑
色光(G)に対して、撮像領域820bは赤色光(R)
に対して、撮像領域820cは青色光(B)に対して感
度を持つ。
【0054】各撮像領域の受光スペクトル分布は瞳と撮
像領域の分光透過率の積として与えられるため、イメー
ジサークルの重なりがあっても、結像系の瞳と撮像領域
の組み合わせは波長域によってほぼ選択される。
【0055】さらに、撮像領域820a,820b,8
20c,820dの上にはマイクロレンズ821が各画
素の受光部(例えば受光部822a,822b)毎に形
成されている。
【0056】マイクロレンズ821は固体撮像素子82
0の受光部822に対して偏心した配置をとり、その偏
心量は各撮像領域820a,820b,820c,82
0dの中央でゼロ、周辺に行くほど大きくなるように設
定されている。また、偏心方向は各撮像領域820a,
820b,820c,820dの中央の点と各受光部を
結ぶ線分の方向である。
【0057】図9はこのマイクロレンズ821の作用を
説明するための図である。図9は図6の撮像領域820
aと撮像領域820bが隣り合う位置にある受光部82
2a,822bを拡大して示した断面図である。受光部
822aに対してマイクロレンズ821aは図の上方に
偏心し、他方、受光部822bに対してマイクロレンズ
821bは図の下方に偏心している。
【0058】この結果、受光部822aに入射する光束
は、823aとしてハッチングで示した領域に、受光部
822bに入射する光束は、823bとしてハッチング
で示した領域に限定される。
【0059】光束の領域823aと823bは反対方向
に傾き、それぞれはレンズ部800aと800bに向か
っている。したがって、マイクロレンズ821の偏心量
を適切に選べば、各撮像領域には特定の瞳を射出した光
束だけが入射することになる。
【0060】つまり、絞りの開口810aを通過した物
体光は主に撮像領域820aで光電変換され、絞りの開
口810bを通過した物体光は主に撮像領域820bで
光電変換され、絞りの開口810cを通過した物体光は
主に撮像領域820cで光電変換され、さらに、絞りの
開口810dを通過した物体光は主に撮像領域820d
で光電変換されるように偏心量を設定している。
【0061】先に説明した、波長域を利用して各撮像領
域に対して選択的に瞳を割り当てる手法に加えて、マイ
クロレンズを利用して各撮像領域に対して選択的に瞳を
割り当てる手法をも適用し、さらには、保護ガラス16
0とセンサカバーガラス162に印刷領域を設けること
により、イメージサークルのオーバーラップを許容しつ
つも、波長間のクロストークを確実に防ぐことができ
る。
【0062】つまり、絞りの開口810aを通過した物
体光は撮像領域820aで光電変換され、絞りの開口8
10bを通過した物体光は撮像領域820bで光電変換
され、絞りの開口810cを通過した物体光は撮像領域
820cで光電変換され、さらに、絞りの開口810d
を通過した物体光は撮像領域820dで光電変換され
る。
【0063】撮像領域820aと820dはG画像信号
を、撮像領域820bはR画像信号を、撮像領域820
cはB画像信号を出力することになる。
【0064】不図示の画像処理系は、固体撮像素子82
0の複数の撮像領域が、各々、複数の物体像の一つから
得た選択的な光電変換出力に基づいてカラー画像を形成
する。この際、各結像系のディストーションを演算上で
補正し、比視感度のピーク波長555nmを含むG画像
信号を基準としてカラー画像を形成するための信号処理
を行う。
【0065】G物体像は2つの撮像領域820aと82
0dに形成されるため、その画素数はR画像信号やB画
像信号に比べて2倍となり、視感度の高い波長域で特に
高精細な画像を得ることができるようになっている。
【0066】この際、固体撮像素子820の撮像領域8
20aと820d上の物体像を相互に上下左右1/2画
素分ずらすことにより、少ない画素数で解像度を上げる
画素ずらしという手法を用いても良い。
【0067】単一の撮影レンズを用いる撮像系との比較
において、個体撮像素子の画素ピッチを固定して考える
と、固体撮像素子上に2×2画素を一組としてRGBカ
ラーフィルターを形成したベイヤー配列方式に比較し、
この方式は物体像の大きさが
【0068】
【外1】
【0069】になる。これに伴って撮影レンズの焦点距
離はおおよそ
【0070】
【外2】
【0071】にまで短くなる。
【0072】したがって、カメラの簿型化に対して極め
て有利である。
【0073】次に、ファインダー系について説明する。
このファインダー装置は光が屈折率が高い媒質と低い媒
質との界面で全反射する性質を利用している。
【0074】ここでは、空気中で使用するときの構成に
ついて説明する。
【0075】図10はファインダー装置を構成する第一
プリズム112および第二プリズム113の斜視図であ
る。図11はファインダー装置の要部断面図である。第
一プリズム112は4角錐の頂点を切り取った形状をし
ており、面(入射面)112aに対向する位置に4つの
面(射出面)112c,112d,112e,112f
を有し、面112aから入射した物体光は面112c,
112d,112e,112fから射出する。
【0076】面112a,面112c,112d,11
2e,112fは何れも平面である。
【0077】一方、第二プリズム113には、第一プリ
ズム112の面112c,112d,112e,112
fに対向する位置に、面113c,113d,113
e,113fを備え、第一プリズムと接合したときに平
板となるような形状を有している。面113c,113
d,113e,113fから入射した物体光は、面11
3aから射出する。
【0078】第一プリズム112の面112c,112
d,112e,112fと第二プリズム113の面11
3c,113d,113e,113fは、僅かなエアギ
ャップを介して対向している。したがって、第二プリズ
ム113の面113c,113d,113e,113f
も平面である。
【0079】また、ファインダーに眼を近づけて物体を
観察できるようにする必要があるため、ファインダー系
は屈折力を持たないようにする。したがって、第一プリ
ズム112の物体光入射面112aが平面であったの
で、第二プリズム113の物体光射出面113aもまた
平面である。
【0080】しかも、これらは平行な面となっている。
さらには、撮像系890と信号処理系は演算上のディス
トーション補正を含む総合的な処理として長方形の画像
を得るので、ファインダーを通して見える観察視野も長
方形とする必要がある。したがって、第一プリズム11
2と第二プリズム113の光学的に有効な面は何れも上
下左右に面対称の関係となる。2つの対称面の交線がフ
ァインダー光軸L1である。
【0081】図11は、2つのプリズム112と113
がエアギャップを持って対向する面の役割を説明するた
めの図である。第一プリズム112と第二プリズム11
3を所定の位置関係に組み合わせてファインダー系を構
成し、主断面で観察者眼の位置から光路を逆トレースし
た状態を上方から見た図としている。
【0082】図に於いて、点P1は、観察者眼の瞳を無
限に絞ったときに観察視野全体を見渡すことができるフ
ァインダーから最も離れた点であり、いわゆるアイポイ
ントである。
【0083】点P1を発し、ファインダー画角ωを僅か
に越える角度の光線130について考える。光線130
は第二プリズム113の面113aで屈折し、面113
cに達する。面113cの傾斜角は、ファインダー画角
ωに相当する光線の入射角βが臨界角になるように設定
されている。したがって、光線130の入射面113c
への入射角は臨界角を僅かに越えている。
【0084】ここで、面113cの傾斜角と臨界角につ
いて考える。図11の紙面内で、ファインダー画角ωに
相当する視野角がθであるとすれば、ファインダー画角
ωに相当する光線と面113aとの成す角はθ/2であ
る。
【0085】第一プリズム112と第二プリズム113
の材質の屈折率は同一であり、これをnとおけば、第二
プリズム113の内部においてファインダー画角ωに相
当する光線がファインダー光軸L1と成す角αとの間に
式(1)の関係がある。
【0086】
【外3】
【0087】面113cの傾斜角φをファインダー光軸
L1との成す角として定義すると、ファインダー画角ω
に相当する光線が面113cと成す角βは、 β=(90−φ)+α ‥‥‥(2) である。この入射角βが臨界角に一致すると言うこと
は、ファインダーが空気中で使用されるとして、 nsinβ=1 ‥‥‥(3) である。式(1),式(2),式(3)より、φ、n、
θの関係として式(4)を得る。
【0088】
【外4】
【0089】例えば、θ=45.6[°]、n=1.4
9171として式(4)よりφを算出すると、φ=63
[°]となる。
【0090】さて、再び光線130の挙動に戻ると、光
線130はファインダー画角ωを僅かに越える角度の光
線であるので、面113cから射出することはできずに
全反射する。第二プリズム113の側面には遮光のため
の印刷領域113bがあり、光線130はここで吸収さ
れる。
【0091】したがって、観察者からは、光線130の
方向に被写体は見えず、被写界以外であることを示す暗
部となる。
【0092】次に点P1を発し、ファインダー画角ωよ
りも僅かに小さい角度の光線131について考える。光
線131は第二プリズム113の面113aで屈折し、
面113cに達する。
【0093】前述のように面113cの傾斜角は、ファ
インダー画角ωに相当する光線の入射角βが臨界角にな
るように設定されている。光線131の面113cへの
入射角は臨界角よりも僅かに小さい。光線131は面1
13cから射出し、僅かなエアギャップを通った後、第
一プリズム112の面112cに入射する。面113c
とこれに対向する面112cは同一形状であるので、第
一プリズム112内で光線の進む方向は第二プリズム1
13内で進んでいた方向と同一である。
【0094】第一プリズム112まで到達した光線に対
しては、第一プリズム112と第二プリズム113の総
合特性が平行平板に等価である。
【0095】この結果、光線131は面113aへの入
射角と等しい角度を持って面112aから射出する。
【0096】つまり、視野角θとファインダー画角ωは
等しい。したがって、観察者からは、光線131の方向
に被写体が見え、被写界を認識することができる。
【0097】以上に示した光線130,131の光路
は、臨界角を利用してファインダー視野を制限するこ
と、つまり、明確なファインダー視野の輪郭を得ること
が可能であることを表している。
【0098】前述のように第一プリズム112と第二プ
リズム113は面対称形状をしているので、図11に示
した光路もファインダー光軸L1に対して折り返したも
のが存在する。
【0099】さらには、第一プリズム112の面112
e,112fと第二プリズム113の面113e,11
3fとのそれぞれの関係においても、同様の原理による
ファインダー視野の制限がかかる。
【0100】以上は簡単のために観察者眼の位置から光
線を逆に追って考えたが、被写体を発した光が進む方向
に光路を考えれば、光線の可逆性から、観察視野内から
第一プリズム112の物体光入射面112aに入射した
物体光はエアギャップを通過し、観察視野外から第一プ
リズム112の物体光入射面112aに入射した物体光
はエアギャップを通過しないことと等価である。
【0101】したがって、総合的なファインダーの特性
として、点P1の位置からほぼ長方形のファインダー視
野を得ることができる。
【0102】次に、観察者眼の位置が動いたときについ
て考える。点P2はファインダー画角ωに相当する光線
上の点である。点P1を発しファインダー画角ωを僅か
に越える角度の光線130と、点P1を発しファインダ
ー画角ωよりも僅かに小さい角度の光線131との間に
位置し、しかも極めて近い距離にあるので、光線130
と光線131は点P2を発したものと考えても差し支え
ない。ということは、第二プリズム113の面113c
上の光線通過位置もその反射や透過の挙動も同一であ
る。
【0103】ただし、点P2はファインダー光軸L1上
の点ではないので、ファインダー画面の反対側の見え方
については、個別に考えなければならない。そこで、点
P2を発し、ファインダー画角ωよりも僅かに小さい角
度の光線132について考える。光線132は第二プリ
ズム113の面113aで屈折し、面113dに達す
る。面113dの傾斜角は、前述のように点P1を発し
ファインダー画角ωに相当する光線の入射角βが臨界角
になるように設定されている。
【0104】ところが、面113dは平面であるため、
点P2を発しファインダー画角ωに相当する光線につい
ても、その入射位置が変わるだけで、入射角は臨界角に
一致することになる。したがって、光線132の入射面
113dへの入射角は臨界角を僅かに越えて全反射す
る。
【0105】一方、点P2を発し、ファインダー画角ω
よりも僅かに小さい角度の光線133は次のようにな
る。光線133は第二プリズム113の面113aで屈
折し、面113dに達する。光線133の面113dへ
の入射角は臨界角よりも僅かに小さいので、光線133
は面113dから射出し、エアギャップを通った後、第
一プリズム112の面112dに入射する。面113d
とこれに対向する面112dは同一形状であるので、第
一プリズム112内で光線の進む方向は第二プリズム1
13内で進んでいた方向と同一である。
【0106】第一プリズム112まで到達した光線に対
しては、第一プリズム112と第二プリズム113の総
合特性が平行平板に等価である。この結果、光線133
は面113aへの入射角と等しい角度を持って面112
aから射出する。したがって、観察者からは、光線13
3の方向に被写体が見え、被写界を認識することができ
る。以上に示した光線132,133の光路は、観察者
眼の位置が動いたときにも、ファインダー視野が変化し
ないことを表している。
【0107】このような考察から、点P1,点P2,点
P3,点P4で形成される菱形の領域に眼をおけば、フ
ァインダー視野を正しく見ることが理解できる。
【0108】さらに、ここで用いたエアギャップの量は
エバネッセント波が第一、第二プリズム間を伝搬しない
ようにするために、波長の2倍以上とする必要がある。
可視光域で考え、視感度がある最大の波長を採用して計
算すると、この量は約1.4μmとなる。したがって、
1.4μm以上にエアギャップを設定することで、観察
視野外の暗部に光が漏れ込むのを確実に防止することが
可能である。また、ファインダー視野の境界を明確にす
るためには、エアギャップを300μm以下とするのが
良い。
【0109】カメラの動作を説明する。撮影時にはカメ
ラ本体101の接続端子114を保護するために接点保
護キャップを装着して使用する。図12(A),
(B),(C)は接点保護キャップを装着したデジタル
カラーカメラの全体を表す図であって、図12(B)は
裏面図、図12(A)は裏面図12(B)の左方から見
た側面図、図12(C)は裏面図12(B)の右方から
見た側面図である。
【0110】図に於いて、200は接点保護キャップで
ある。接点保護キャップ200は軟質の樹脂あるいはゴ
ムで形成されている。接点保護キャップ200をカメラ
本体101に装着すると、カメラのグリップとして機能
し、カメラを持ち易くする役割を果たす。
【0111】まず、メインスイッチ105をオンとする
と、各部に電源電圧が供給されて動作可能状態となる。
【0112】次に、メモリに画像信号を記録可能か否か
が判定される。この際に、残り容量に応じて撮影可能記
録枚数が表示部150に表示される。その表示を見た操
作者は、撮影可能であれば、被写界にカメラを向けて、
レリーズボタン106を押下する。
【0113】レリーズボタン106を半分だけ押下する
と、スイッチ121の第一段回路が閉成し、露光時間の
算出が行なわれる。すべての撮影準備処理が経了する
と、撮影可能となり、その表示が撮影者に報じられる。
これにより、レリーズボタン106が終端まで押下され
ると、スイッチ121の第二段回路が閉成し、不図示の
操作検出回路がシステム制御回路にその検出信号を送出
する。その際に、あらかじめ算出された露光時間の経過
をタイムカウントして、所定の露光時間が経過すると、
固体撮像素子駆動回路にタイミング信号を供給する。こ
れにより、固体撮像素子駆動回路は水平および垂直駆動
信号を生成し、すべての撮像領域について露光された8
00×600画素のそれぞれを水平および垂直方向に順
次読み出す。
【0114】このとき、撮影者は接点保護キャップ20
0を持つようにして右手の人差し指と親指でカメラ本体
101を挟み込むようにして、レリーズ釦106を押下
することになる。
【0115】図12(A)に示した矢印A,Bはこのと
きの力の方向を示し、矢印Aは人差し指がレリーズ釦1
06を押下する力の作用点と方向、矢印Bは親指がカメ
ラ本体101の裏蓋125を押す力の作用点と方向であ
る。
【0116】図のように2つの力の作用点が一直線上に
ないと、偶力によってカメラ本体101は矢印Dの方向
に回転してしまう。この結果、撮影された画像はブレて
極めて画質の低いものとなる。
【0117】仮に、矢印Aと矢印Cで示すように、人差
し指がレリーズ釦106を押下する力の作用点と親指が
カメラ本体101の裏蓋125を押す力の作用点とが一
直線上にあるとすれば、偶力は発生せずカメラはブレな
い。
【0118】そこで、レリーズ釦106の軸の中心線L
2上にレリーズ釦106と一体的に突起106aを設
け、さらに、裏蓋125上であって中心線L2を延長し
た位置に突起120を設けている。撮影者は2つの突起
106aと120を頼りに、人差し指で突起106a
を、親指で突起120をそれぞれ押すようにレリーズ操
作を行うことにより、容易に偶力の発生を防ぐことがで
きる。したがって、ブレのない高画質の画像を撮像する
ことができる。
【0119】次に本発明のファインダー装置の実施形態
2について説明する。本実施形態は実施形態1に比べて
2つのプリズムの形状がことなっているだけであり、そ
の他の構成は同じである。
【0120】図13は本実施形態のファインダーを構成
する第一プリズム312および第二プリズム313の斜
視図である。実施形態2の説明においても、プリズム3
12,313の主断面における光線の挙動は、図11で
説明した実施形態1と全く同一である。異なるのは、主
断面に現れないスキュー光線の扱いである。
【0121】第一プリズム312において、実施形態1
で示した第一プリズム112の物体光入射面112aと
同一位置に第一プリズム312の物体光入射面312a
がある。第一プリズム312は面312aに対向する位
置に4つの面312c,312d,312e,312f
を有し、面312aから入射した物体光は面312c,
312d,312e,312fから射出する。面312
c,312d,312e,312fは、スキュー光線の
挙動を考慮し何れも曲面になっている。スキュー光線は
実施形態1の説明に用いた図11の紙面内にない、すな
わち、主断面内にない光線である。
【0122】第二プリズム313には、第一プリズム3
12の面312c,312d,312e,312fに対
向する位置に、面313c,313d,313e,31
3fを備えている。面313c,313d,313e,
313fから入射した物体光は、面313aから射出す
る。
【0123】ここで、第一プリズム312の面312
c,312d,312e,312fと第二プリズム31
3の面313c,313d,313e,313fとは、
僅かなエアギャップを介して対向している。
【0124】したがって、第二プリズム313の面31
3c,313d,313e,313fも面312c,3
12d,312e,312fと同一形状の曲面である。
また、第一プリズム312の物体光入射面312aと、
第二プリズム313の物体光射出面313aは互いに平
行な平面で、さらに、第一プリズム312と第二プリズ
ム313の光学的に有効な面は何れも上下左右に面対称
の関係となる。
【0125】さて、スキュー光線について考える。図1
4と図15は一般のプリズムヘ斜入射する光線の屈折状
態を説明するための図であって、図14は斜視図、図1
5は主断面への光線の投影図である。
【0126】図において、300はプリズム、301は
主断面内の光線、302は光線301を含み主断面に垂
直な平面内の光線、すなわちスキュー光線である。ここ
で、光線301と光線302の成す角をνとする。
【0127】主断面内の光線301の屈折後は光線30
1’、スキュー光線302の屈折後は光線302’で表
すこととする。スキュー光線を光線301,301’が
ある主断面へ投影してみると、図15のようになる。つ
まり、スキュー光線はあたかもプリズム300の屈折率
が増加したかのように屈折する。
【0128】プリズムの材質の真の屈折率をn、スキュ
ー光線による見かけの屈折率をn’とすると、式(5)
の関係があることが知られている。
【0129】
【外5】
【0130】この結果、振れ角の増加分Δはνの2乗に
比例して増加する。このような光線の振る舞いを図11
に示した実施形態1に適用して考えると、ファインダー
視野の隅を見るほどプリズム113の見かけの屈折率が
増して面113aでの屈折角が大きくなるために、主断
面への投影では面113c,113d,113e,11
3fへの入射角は小さくなる。しかしながら、面113
c,113d,113e,113fへの実際の入射角
は、斜入射の成分が勝って、総合的には高画角ほど臨界
角に対する余裕がなくなる。したがって、ファインダー
視野は厳密には長方形にならず、若干タル型に変形す
る。
【0131】実施形態2では、このような不具合を改善
するために、第一プリズム312の面312c,312
d,312e,312fと第二プリズム313の面31
3c,313d,313e,313fを曲面とした。ア
イポイントP1に眼を置いたときの光線の逆トレースに
おいて、ファインダー視野のどこに到達する光線もが面
313c,313d,313e,313fへの入射角を
一定とするように、面313c,313d,313e,
313fの形状を決定する。
【0132】具体的には、面313c,313d,31
3e,313fはファインダーの周辺に位置するほど平
面113c,113d,113e,113fからの偏差
が大きくなるように、第一プリズム312では凸型に、
第二プリズム313では凹型に設定されている。
【0133】光線の逆トレースでは、第二プリズム31
3から射出した光線は、エアギャップを通った後、第一
プリズム312に入射する。第一プリズム312まで到
達した光線に対しては、第一プリズム312と第二プリ
ズム313の総合特性が平行平板に等価である。この結
果、実施形態1と同様に光線は面313aへの入射角と
等しい角度を持って第一プリズム312から射出する。
【0134】被写体を発した光が進む方向に光路を考え
れば、光線の可逆性から、観察視野内から第一プリズム
312の物体光入射面312aに入射した物体光はエア
ギャップを通過し、観察視野外から第一プリズム312
の物体光入射面312aに入射した物体光はエアギャッ
プを通過しないことになる。
【0135】その際、さらに、長方形の観察視野内から
第一プリズム312の物体光入射面に入射した物体光は
エアギャップを通過し、視野外から第一プリズム312
の物体光入射面に入射した物体光はエアギャップを通過
しないように面312c,312d,312e,312
f,313c,313d,313e,313fの傾斜を
設定したわけである。
【0136】したがって、総合的なファインダーの特性
として、点P1の位置から長方形のファインダー視野を
得ることが可能である。
【0137】次に本発明のファインダー装置の実施形態
3について説明する。一般に逆ガリレオファインダーは
構成が簡単で、明るいファインダー視野が得られるもの
の、視野の輪郭が不明瞭であるという欠点がある。図1
6は本実施形態の要部概略図であり、逆ガリレオファイ
ンダーにファインダー視野の輪郭を明瞭にする機能を付
加したものである。
【0138】図において、321は凸レンズ、322は
第一プリズム、323は第二プリズムである。第一プリ
ズム322と第二プリズム323の組み合わせ方は実施
形態1、あるいは実施形態2と同様である。すなわち、
傾斜した同一形状の面同士を僅かなエアギャップを介し
て対向させている。
【0139】凸レンズ321と第二プリズム323の凹
面323aの組み合わせは、通常の逆ガリレオファイン
ダーと同等である。したがって、眼を点P6に置いたと
きについて光線を逆に追って考えると、点P6を通り光
軸との成す角がγの光線は、凹面323aを通過した後
にγを定数倍した角度を持って第二プリズム323の3
23cあるいは323dに入射する。
【0140】したがって、第二プリズム323、第一プ
リズム322間の光線の通過は、実施形態1や実施形態
2に示したプリズム間の光の通過と同等で、臨界角を用
いた通過光線の角度制限が可能である。
【0141】つまり、観察視野内から第一プリズム32
2の物体光入射面に入射した物体光はエアギャップを通
過し、観察視野外から第一プリズム322の物体光入射
面322aに入射した物体光はエアギャップを通過しな
いように第一プリズム322と第二プリズム323の傾
斜面322c,322d,323c,323d等の角度
を設定した。
【0142】このように、臨界角の性質をプリズムに応
用して、構成が簡単で明るいファインダー視野が得られ
るという逆ガリレオファインダーの利点を生かしつつ、
ファインダー視野の境界を明確に示すことができる。実
施形態1では視野角θとファインダー画角ωを等しくし
たが、このファインダーではファインダー画角よりも視
野角の方が小さい。
【0143】すなわち、被写界を縮小して見ることがで
きるので、比較的視野角の大きい撮像系との組み合わせ
に好適である。
【0144】次に本発明の実施形態4について説明す
る。図17は本発明のファインダー装置を用いたデジタ
ルカラーカメラの実施形態4の断面図である。実施形態
1と同一の要素には同一の符号を付してある。
【0145】実施形態1との違いは、ファインダー光軸
を傾けていることである。撮像系890は軸L3を中心
として被写体を捉えるように構成されている。このと
き、想定被写体距離が例えば1mであるとすれば、ファ
インダー光軸L4と撮像系890の軸L3とを1m先で
交わらせるようにすることにより、ファインダーのパラ
ラックスを最小に抑えることができる。
【0146】実施形態4では、第一プリズム332の面
332aを傾斜させることによって、これを実現した。
光軸L4の傾きεは面332aの傾斜角ηと第一プリズ
ム332、第二プリズム133の屈折率nとの関係とし
て、式(6)で与えられる。
【0147】ε=(n−1)η ‥‥‥(6) 仮に、n=1.5とすれば、光軸L4の傾きεは面33
2aの傾斜角ηの1/2である。
【0148】以上説明したように、本実施形態によれば
物体光を透過させる第一、および、第二のプリズムとを
有するファインダー装置であって、第一のプリズムと第
二のプリズムは、均一なエアギャップを介して対向する
面をそれぞれ備え、観察視野内から第一のプリズムの光
入射面に入射した物体光はエアギャップを通過し、観察
視野外から第一のプリズムの光入射面に入射した物体光
はエアギャップを通過しないように面の傾斜を設定した
ことにより、 ・可動部のないカード型カメラに好適な簿型のファイン
ダー装置を達成することができる ・ハーフミラーを用いることなく明るい視野(ファイン
ダー像)を得た上で、ファインダー視野の輪郭がはっき
りしたファインダー装置を達成することができる ・ポロプリズム等を用いることなく、極めて簡単な構成
で、ファインダー視野の輪郭がはっきりしたファインダ
ー装置を達成することができるこの他、エアギャップを
1.4μm以上とすることにより、 ・ファインダー視野の輪郭を明瞭化する上で、被写界以
外であることを示す暗部に光が漏れ込む不具合を確実に
したファインダー装置を達成することができる
【0149】
【発明の効果】本発明によれば以上のように各要素を設
定することにより、可動部のない薄型のファインダー装
置及びそれを用いた光学機器を達成することができる。
【0150】この他本発明によれば、可動部がないにも
かかわらず、ファインダー視野の輪郭が明瞭で明るく良
好なるファインダー像の観察ができる薄型のファインダ
ー装置及びそれを用いた光学機器を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をデジタルカラーカメラに適用したと
きの実施形態1の断面図
【図2】 本発明をデジタルカラーカメラに適用したと
きの実施形態1の全体構成を表す図
【図3】 図1の撮像系890の詳細図
【図4】 図1の絞り810の平面図
【図5】 図1の撮影レンズ800を光射出側から見た
【図6】 図1の固体撮像素子820の正面図
【図7】 図1の撮影レンズ800を光入射側から見た
【図8】 図1の光学フィルターの分光透過率特性を表
す図
【図9】 図1のマイクロレンズの作用を説明するため
の図
【図10】 ファインダー装置を構成する第一プリズム
112および第二プリズム113の斜視図
【図11】 図10のファインダー系の断面図
【図12】 図1において接点保護キャップを装着した
デジタルカラーカメラの全体を表す図であって、図12
(B)は裏面図、図12(A)は裏面図(B)の左方か
ら見た側面図、図12(C)は裏面図(B)の右方から
見た側面図である。
【図13】 本発明のファインダー装置の実施形態を構
成する第一プリズム312および第二プリズム313の
斜視図
【図14】 図13においてプリズムヘ斜入射する光線
の屈折状態を説明するための斜視図
【図15】 図13においてプリズムヘ斜入射する光線
の屈折状態を説明するための図であって、主断面への光
線の投影図
【図16】 本発明の実施形態3に係る逆ガリレオ式の
ファインダー装置の説明図
【図17】 本発明の実施形態4のファインダー装置の
要部断面図
【符号の説明】
101はカメラ本体 851a,851b,851cはイメージサークル 800は撮影レンズ 800a,800b,800c,800dは撮影レンズ
のレンズ部 820は固体撮像素子 112は第一プリズム 113は第二プリズム 106はレリーズ釦 106aはレリーズ釦に設けられた突起 120は突起 200は接点保護キャップ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を透過させる第一、および、第二のプ
    リズムとを介して被写体を観察するファインダー装置で
    あって、 該第一のプリズムと該第二のプリズムは、エアギャップ
    を介して対向する面をそれぞれ備え、 被写体からの光束のうち、ファインダー観察視野内から
    該第一のプリズムの光入射面に入射した光は該エアギャ
    ップを通過し該第二のプリズムに入射し、ファインダー
    観察視野外から該第一のプリズムの光入射面に入射した
    光は該エアギャップに対向する面で全反射するように該
    面の傾斜を設定していることを特徴とするファインダー
    装置。
  2. 【請求項2】 光を透過させる第一、および、第二のプ
    リズムとを介して被写体を観察するファインダー装置で
    あって、該第一、第二のプリズムは各々、ファインダー
    光軸に対し、面対称の複数の面を有し、該第一のプリズ
    ムと該第二のプリズムは、面対称の複数の面を対向さ
    せ、エアギャップを介して対向配置されており、 被写体からの光束のうち、ファインダー観察視野内から
    該第一のプリズムの光入射面に入射した光は該エアギャ
    ップを通過し該第二のプリズムに入射し、ファインダー
    観察視野外から該第一のプリズムの光入射面に入射した
    光は該エアギャップに対向する面で全反射するように該
    面の傾斜を設定していることを特徴とするファインダー
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第一,第二のプリズムはファインダ
    ー光軸に対し面対称な4つの面を有していることを特徴
    とする請求項2のファインダー装置。
  4. 【請求項4】 前記エアギャップを介して対向する面は
    平面又は曲面より成っていることを特徴とする請求項
    1,2又は3のファインダー装置。
  5. 【請求項5】 前記第一のプリズムの光入射面は平面よ
    り成っていることを特徴とする請求項1から4のいずれ
    か1項のファインダー装置。
  6. 【請求項6】 前記第一のプリズムと第二のプリズムは
    それらを接合したとき合成の屈折力が0又は平行平板と
    なる形状をしていることを特徴とする請求項1から5の
    いずれか1項のファインダー装置。
  7. 【請求項7】 前記第二のプリズムの光射出面は凹面よ
    り成っていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    か1項のファインダー装置。
  8. 【請求項8】 前記第二のプリズムの光射出面側には正
    の屈折力のレンズ系が設けられていることを特徴とする
    請求項7のファインダー装置。
  9. 【請求項9】 前記エアギャップは1.4μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項のフ
    ァインダー装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項のファ
    インダー装置を有していることを特徴とする光学機器。
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