JP2001263428A - 歯付きベルト用織布及び歯付きベルト - Google Patents
歯付きベルト用織布及び歯付きベルトInfo
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Abstract
さ方向に延びるたて糸9が、弾性糸よりなる芯糸13の
周囲に、高強度高耐熱性繊維糸14を巻回してなる複合
糸条11と、当該複合糸条11の1〜5本に対して1本
の割合で配置された伸縮性を有する嵩高加工糸12とよ
りなる歯付きベルト用織布及び、噛合面に当該織布を貼
着した歯付きベルト 【効果】 リラックス加工を施すことにより織布5を十
分に収縮させることができ、また局部的な収縮の程度の
ばらつきも少なく、均一に収縮させることができる。そ
のためこの織布5を貼着した歯付きベルト1は、噛合面
全体に亙って高強度高耐熱性繊維糸14が均等に配置さ
れることとなり、高強度高耐熱性繊維糸14の強度利用
率が向上し、耐久性が高くなる。さらに高価な高強度高
耐熱性繊維糸14の使用量が減少し、コストも安くな
る。
Description
ルト及び、その噛合面に貼着される織布に関するもので
ある。
ように、ゴム製の本体部分2の片面に噛合歯3が形成さ
れており、本体部分2にはその長さ方向に抗張体4が埋
入されている。そして歯付きベルト1の噛合面には、歯
形の表面に沿って織布5が貼付けられている。
(a)に示すように、表面に噛合歯3の雌型6を刻設し
た円筒状の金型7の外周に、RFLなどの接着処理を施
した筒状の織布5を嵌合し、その外側に抗張体4を巻回
し、さらにその外側にゴム生地8を配置する。
り、図2(b)に示すように、ゴム生地8は抗張体4の
間隔を通して雌型6に押込まれて加硫され、噛合歯3を
成型する。このとき織布5は、ゴム生地8と共に雌型6
に押込まれ、噛合歯3の表面に沿って貼着されて、歯付
きベルト1の噛合面を形成する。
ベルト1の長さ方向に延びるたて糸9と、これに交差す
るよこ糸10とよりなっており、最初は歯付きベルト1
の周長にほぼ一致する長さを有しているが、噛合歯3の
成型時には歯付きベルト1の歯形に沿った長さを有する
ものとなる。そのためこの織布5を構成するたて糸9
は、歯付きベルト1の長さ方向に向かって、容易に伸長
するものであることが必要とされる。
きベルト1の長さ方向に伸びる糸条をたて糸と称し、こ
れに交差する糸条をよこ糸と称する。従って当該織布を
製造する際の織物構造学上の経糸及び緯糸の関係とは異
り、これと逆になる場合も有り得る。
織布としては、例えば、実開昭62−204059号公
報に示されるように、歯付きベルト長さ方向に延びるた
て糸9としてナイロン繊維を捲縮加工したものが使用さ
れていた。
のカム駆動用などとして広く使用されているが、近年自
動車エンジンの高性能化に伴い、歯付きベルトの高負荷
化とエンジンルームの高温化のため、織布の耐久性をよ
り向上させる必要があり、前記たて糸9として高強度高
耐熱性の芳香族ポリアミド繊維糸を使用することが検討
されている。
糸は、捲縮加工が非常に困難であるため、前記従来の歯
付きベルトの構造において、織布5のたて糸9としての
ナイロン繊維の捲縮加工糸を、そのまま芳香族ポリアミ
ド繊維の捲縮加工糸に置換えることが困難であった。
は、織布の歯付きベルト長さ方向に延びるたて糸9とし
て、ポリウレタン弾性糸の周囲に芳香族ポリアミド繊維
糸などの高強度高耐熱性繊維糸を巻回した複合糸条を使
用することが記載され、特開平5−118388号公報
及び特開平9−100880号公報には、さらにその外
側に通常の合成繊維糸を巻回して、捲縮が困難な高強度
高耐熱性繊維糸に伸縮性を付与することが記載されてい
る。
の前記織布は、前記伸縮性糸を歯付きベルトの長さ方向
に延びるたて糸とし、これとこれに交差するよこ糸とを
織成するのであるが、このとき伸縮性糸は張力がかかっ
て引き伸ばされた状態で織成され、然る後に伸縮性糸の
収縮力によって収縮する。さらに当該織布を温水に浸
し、振動を与えてリラックス加工を施し、十分に収縮さ
せることが行われている。
が太くなる傾向にある。特に前述の複合糸条を使用した
場合には、当該複合糸条を構成するポリウレタン弾性糸
が収縮により太くなると共に、これに巻回された高強度
高耐熱性糸及び通常の合成繊維糸は、巻回することによ
る螺旋のピッチが小さくなることにより、複合糸条の径
が大幅に拡大するのである。
って、その複合糸条はこれと交差するよこ糸によりより
強く拘束されることとなり、また隣接する複合糸条同士
が互いに強く干渉し合い、複合糸条の径の増大が阻害さ
れることとなり、十分に収縮することができないのであ
る。
も十分に解消されず、部分的にたて糸の収縮の程度にば
らつきが生じ、そのため複合糸条中の高強度高耐熱性繊
維の強度利用率が低下し、歯付きベルトの耐久性を十分
に向上させることができなかった。
あって、たて糸として前記複合糸条を使用した歯付きベ
ルト用織布において、リラックス加工により十分に収縮
することができ、高強度高耐熱性繊維の強度利用率を向
上させることを目的とするものである。
の噛合面に貼着される織布において、当該織布における
前記歯付きベルトの長さ方向に延びるたて糸が、弾性糸
よりなる芯糸の周囲に、高強度高耐熱性繊維糸を巻回し
てなる複合糸条と、当該複合糸条の1〜5本に対して1
本の割合で配置された伸縮性を有する嵩高加工糸とより
なる歯付きベルト用織布及び当該織布を貼着した歯付き
ベルトである。
度高耐熱性繊維糸の外側にさらに通常の合成繊維糸より
なる被覆糸が巻回されているものであることが好まし
い。また前記織布中の高強度高耐熱性繊維の密度は、5
000dtex/cm以上であることが好ましい。
すものであって、その織布5はたて糸9とよこ糸10と
を織成して構成しており、そのたて糸9は複合糸条11
と嵩高加工糸12とが所定の配列で使用されている。
11を示すものであって、弾性糸よりなる芯糸13の周
囲に高強度高耐熱性繊維糸14を巻回し、さらにその外
側に通常の合成繊維糸よりなる被覆糸15を、高強度高
耐熱性繊維糸14の巻回方向とは逆方向に巻回してい
る。
レタン弾性糸が適しているが、他のポリエステル系など
の弾性糸を使用することもできる。高強度高耐熱性繊維
糸14としては、アラミド繊維の他、全芳香族ポリエス
テル繊維、PBO繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊
維などを使用することもできる。さらに被覆糸15に
は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などが適当であ
る。
は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン
繊維などの合成繊維に嵩高加工を施し、伸縮性を付与し
たものである。嵩高加工としては、仮撚り加工を施した
ものが好ましいが、擦過法や高圧ジェット法などによる
ものであってもよい。
て、複合糸条11の1〜5本に対して1本の割合で嵩高
加工糸12を配置し、織布中の高強度高耐熱性繊維の密
度が5000dtex/cm以上であることが好ましい。嵩高
加工糸12が過度に多いと高強度高耐熱性繊維糸14を
使用した複合糸条11の本数が不足し、十分な耐久性が
得られない。また嵩高加工糸12が少なすぎると、本発
明による効果を十分に発現することができない。
した後、温水に浸漬して振動を与え、リラックス加工を
施して収縮させるのであるが、このとき先にも述べたよ
うに複合糸条11は径が拡大する。
1の所定本数ごとに嵩高加工糸12が配置されており、
当該嵩高加工糸12は細い個々の繊維の捲縮により伸縮
性を有しているので、収縮により径が拡大したとしても
隣接する複合糸条11を圧迫する力が働くことがない。
及び嵩高加工糸12を含めたたて糸9は等間隔で織り込
まれるが、複合糸条11が収縮する際には嵩高加工糸1
2を圧迫することにより複合糸条11に余裕が生じる。
またよこ糸10も嵩高加工糸12を圧迫することにより
複合糸条11に対する拘束が緩み、複合糸条11は収縮
し易くなるのである。
を施すことにより織布5を十分に収縮させることがで
き、また局部的な収縮の程度のばらつきも少なく、均一
に収縮させることができる。
ト1は、噛合面全体に亙って高強度高耐熱性繊維糸14
が均等に配置されることとなり、高強度高耐熱性繊維糸
14の強度利用率が向上し、耐久性が高くなる。さらに
高価な高強度高耐熱性繊維糸14の使用量が減少し、コ
ストも安くなる。
嵩高加工糸12との使用割合を種々変化させて織布5を
織成した。
方向649回/m 被覆糸:ナイロン66糸90dtex:Z方向844回/m 弾性糸を2.0倍に伸長した状態で高強度高耐熱性繊維
糸及び被覆糸をそれぞれの巻回方向に巻回した。
用割合=5:1 [実施例2]複合糸条と嵩高加工糸との使用割合=4:
1 [実施例3]複合糸条と嵩高加工糸との使用割合=3:
1 [実施例4]複合糸条と嵩高加工糸との使用割合=2:
1 [実施例5]複合糸条と嵩高加工糸との使用割合=1:
1
使用 [比較例2]たて糸密度を64本/25mmとし、たて糸
として複合糸条のみを使用
浸漬して振動を与えてリラックス加工を施し、収縮させ
た。得られた織布5を噛合面に貼着して、それぞれ歯付
きベルト1を成型した。
歯付きベルト1について100℃で走行試験を行い、歯
付きベルト1が損耗するまでの時間を測定した。試験の
結果を表1に示す。
1を100とし、各実施例及び比較例における単位幅当
たりのアラミド糸の量の比率を表す。また「強度比」
は、織布の強度を比較例1を100とする百分比で示
す。さらに「強度利用率」は、織布5の強度をすべてア
ラミド糸に基づくものと仮定して、アラミド糸の強度利
用率を算出したものである。
りアラミド糸の強度利用率が高くなっており、特に嵩高
加工糸12の使用量を増すに従って、アラミド糸の強度
利用率が向上している。
の結果従来例である比較例1とほとんど変わらない耐久
性を示している。すなわち複合糸条11を嵩高加工糸1
2に置き換えることによりアラミド糸の使用量が減少し
ているにも拘らず、使用されたアラミド糸の強度利用率
が向上することにより歯付きベルト1に対する補強効果
が向上し、耐久性が低下しないのである。
たて糸である複合糸条11の使用量を減少させたもので
あるが、これではアラミド糸の強度利用率は比較例1と
同等であり、またアラミド糸が減少したことに比例して
走行試験の結果も低下しており、耐久性は悪化してい
る。
条11の使用量を単純に減少させても本発明の効果が生
じることはなく、嵩高加工糸12の存在によって初め
て、本発明の効果が生じているのである。
くなり、それに応じて複合糸条11の使用量が減少する
と、アラミド糸の強度利用率は向上するものの、織布5
中のアラミド糸の絶対量が少なくなるため、耐久性は低
下する。従って実施例1〜3の範囲が最も適切であり、
アラミド繊維の密度が5000dtex/cm以上とするのが
好ましいのである。
Claims (4)
- 【請求項1】 歯付きベルト(1)の噛合面に貼着され
る織布(5)において、当該織布(5)における前記歯
付きベルト(1)の長さ方向に延びるたて糸(9)が、
弾性糸よりなる芯糸(13)の周囲に、高強度高耐熱性
繊維糸(14)を巻回してなる複合糸条(11)と、当
該複合糸条(11)の1〜5本に対して1本の割合で配
置された伸縮性を有する嵩高加工糸(12)とよりなる
ことを特徴とする、歯付きベルト用織布 - 【請求項2】 前記複合糸条(11)が、高強度高耐熱
性繊維糸(14)の外側にさらに通常の合成繊維糸より
なる被覆糸(15)が巻回されていることを特徴とす
る、請求項1に記載の歯付きベルト用織布 - 【請求項3】 前記織布(5)中の高強度高耐熱性繊維
糸(14)の密度が、5000dtex/cm以上であること
を特徴とする、請求項1又は2に記載の歯付きベルト用
織布 - 【請求項4】 噛合面に織布(5)を貼着した歯付きベ
ルト(1)において、前記織布(5)における歯付きベ
ルト(1)の長さ方向に延びるたて糸(9)が、弾性糸
よりなる芯糸(13)の周囲に高強度高耐熱性繊維糸
(14)を巻回してなる複合糸条(11)と、当該複合
糸条(11)の1〜5本に対して1本の割合で配置され
た伸縮性を有する嵩高加工糸(12)とよりなることを
特徴とする、歯付きベルト
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000073647A JP4502230B2 (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | 歯付きベルト用織布及び歯付きベルト |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP4502230B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2538110A3 (de) * | 2011-06-23 | 2014-04-23 | ContiTech Antriebssysteme GmbH | Kraftübertragungsriemen, insbesondere Zahnriemen |
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JPS6116445U (ja) * | 1984-07-02 | 1986-01-30 | 芦森工業株式会社 | タイミングベルト |
JPH09100880A (ja) * | 1995-10-02 | 1997-04-15 | Ashimori Ind Co Ltd | 歯付きベルト |
-
2000
- 2000-03-16 JP JP2000073647A patent/JP4502230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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