JP2001262607A - 建設機械の伸縮アームのガイド構造 - Google Patents

建設機械の伸縮アームのガイド構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設機械の伸縮アームのガイド構造に関し、
アームの伸縮時には円滑な滑動性が得られ、作業時の衝
撃的な重荷重に対しても十分な強度と耐久性とを備えた
簡単な構造のガイド構造を得る。 【解決手段】 外アームの内面または内アームの外面に
摺接するガイドシューを高強度材の受座と、外力と付勢
力のバランスにより受座に出没する低摩擦材との複合構
造としている。アームの伸縮時には低摩擦材により円滑
な伸縮が保証され、作業時に大きな作業反力が加わった
ときは、低摩擦材が没入し、受座が直接当接して作業反
力を受ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建設機械の伸縮
アームのガイド構造に関するもので、特に、外アームと
これに摺動自在に嵌挿された内アームとを備えた伸縮ア
ームの摺動部におけるガイドシューの構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】バックホー作業やショベル作業における
土砂の掘削深さや搬送可能領域を大きくする目的で、バ
ケットアームを伸縮可能としたパワーショベルが提供さ
れている。図1は、本願出願人が実開昭63−1515
52号公報で提案した伸縮可能なバケットアームの構造
を示した図で、21はパワーショベルの車体側アーム、
22は車体側アームの先端にピン23により枢着された
伸縮式のバケットアームであり、当該バケットアーム2
2は、ボックス構造の外アーム24と該外アームに摺動
自在に嵌装されたボックス構造の内アーム25とを備え
ている。
【0003】26はバケットアーム22を揺動させるシ
リンダ、27はヘッド側端部が外アーム24に連結され
ロッド先端が内アーム25に連結されたアーム伸縮シリ
ンダ、28はヘッド側が内アーム25に連結されロッド
37の先端が後述する連結リンクの延長端36に連結さ
れたバケット操作シリンダである。
【0004】内アーム25の先端にはアームの下方(車
体側)に偏倚して延びる支持ブラケット29が設けられ
ており、当該ブラケットの先端に支点ピン30でバケッ
ト31が枢着されている。32は当該支点ピンよりアー
ムの基端側の位置に枢支されたレバーリンク、33は当
該レバーリンクの先端に設けられた連結ピン35とバケ
ット31の背面に設けられた操作ピン34とを連結して
いる連結リンクであり、当該連結リンク33は連結ピン
35を越えて延長され、その延長端36にバケット操作
シリンダ28のロッド37が枢着ピン38で連結されて
いる。
【0005】39はシリンダ27の油圧配管、40はシ
リンダ28の油圧配管であり、油圧配管40には内アー
ム25の最長移動距離に見合う長さの油圧ホース41が
介装されている。
【0006】外アーム24の先端内側には内アーム25
の外面に摺接するガイドシュー42が装着されており、
内アーム25の基端外側に外アーム24の内面に摺接す
るガイドシュー43が装着されている。内アーム25
は、これらのガイドシュー42、43を介して外アーム
24に嵌装されており、アーム伸縮シリンダ27のヘッ
ド側に圧油を供給することにより、外アーム24から繰
り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】作業の際に必要となる
アーム長さに応じて、内アーム25を外アーム24内で
円滑に伸縮できるようにするためには、ガイドシュー4
2、43の摺接面が滑らかに滑動する必要がある。一
方、バケット31で掘削作業等を行うときは、作業反力
がガイドシュー42、43を介して内アーム25から外
アーム24へと伝達されるので、ガイドシュー42、4
3の摺接面は、強大でかつ衝撃的な掘削反力を受けるの
に十分な強度を有することが必要である。
【0008】一般に摺接面に滑らかな滑動性と衝撃的な
重荷重に耐える強度とを両立させることは困難である
上、建設機械の伸縮アームは、溶接構造物であるため、
ガイドシュー42、43のガイド面となる外アーム24
の内面及び内アーム25の外面は、ある程度の凹凸があ
り、旋盤のベッドのような平滑度を期待することは不可
能である。そのため、ガイドシュー42、43に十分な
強度を持たせようとすると、アームの伸縮時の円滑さが
阻害され、逆に伸縮時の円滑性を優先させると、掘削時
の作業反力によってガイドシュー42、43が損傷を受
けやすいという問題が生ずる。
【0009】この発明は、アームの伸縮時には円滑な滑
動性が得られ、一方、掘削作業時などの衝撃的な重荷重
に対しても十分な強度と耐久性とを備えた簡単な構造の
ガイド構造を得ることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のガイド構造で
は、外アーム24の内面または内アーム25の外面に摺
接するガイドシュー42、43を硬度及び耐力の大きな
金属、セラミック等の高強度材と、鋼板に対する摩擦係
数の小さな合成樹脂や軸受材等の低摩擦材との複合構造
としている。すなわちこの発明では、伸縮アームのガイ
ドシュー42、43を鋼材等の高強度材で製作された受
座52と、受座の摺接面(当接面)に突出する方向に付
勢された合成樹脂や軸受材等の低摩擦材からなるシュー
53とで構成している。
【0011】実用的な構造では、受座52にその当接面
と直交する保持孔51を設け、この保持孔51にシュー
自身の材質が有する弾性回復力によりまたは皿ばね54
などの付勢部材の弾性回復力によって、受座の当接面6
1からわずかに突出するように付勢されたシュー53を
前記保持孔51に嵌挿して設ける。
【0012】シュー53を付勢する付勢力は、バケット
31やアーム25の自重によってはシュー53が没入せ
ず、掘削等による大きな荷重が加わったときに、シュー
53の摺接面60が受座の当接面61と同一面となるま
でシュー53が縮退して、作業反力が受座の当接面61
を介して伝達される程度の強度に設定する。付勢部材と
して皿ばね54を用いれば、小さなスペースで上記のよ
うな付勢力が得られ、皿ばね自体の強度や耐久性も十分
である。
【0013】上記構造によれば、アームの伸縮時には合
成樹脂ないし軸受材で製作された摩擦係数の小さなシュ
ー53の摺接面60が外アーム24の内面または内アー
ム25の外面に摺接して、内アーム25の円滑な伸縮が
保証され、また掘削時等の作業時に大きな作業反力が加
わったときは、受座52の当接面61が外アーム24の
内面または内アーム25の外面に直接当接して、当該反
力が伝達されるので、シュー53に過大な力が作用する
ことがなく、作業反力によるシューの損傷を防止するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし7に示す実施例
を参照して、この発明の実施の形態を説明する。この実
施例の外アーム24及び内アーム25は、図2、3に示
すように、左右対称な不等辺六角形断面で、幅狭い上面
と幅広い下面と上向きに傾斜した幅広い側面上部と下向
きに傾斜した幅狭い側面下部とを備えている。
【0015】ガイドシュー42及び43は、上記六角形
断面の上面と両側の下部側面との三箇所に装着されてい
る。外アーム先端のガイドシュー42は、図2に示すよ
うに、その摺接面を内側に向けて装着されており、内ア
ーム基端のガイドシュー43は、図3に示すように、摺
接面を外側に向けて装着されている。
【0016】各ガイドシュー42、43は、図4ないし
7に示すように、複数個の保持孔51を設けた矩形平板
状の鋼材からなる受座52と、保持孔51に嵌挿された
合成樹脂性のシュー53と、シューの奥端に配置された
皿ばね54と、この皿ばねを保持するピン55を有する
スペーサ56と、蓋板57とで形成されている。
【0017】受座52はボルト58で外アームまたは内
アームに固定されており、保持孔51は、外アームまた
は内アームを貫通している。蓋板57はこの貫通孔を塞
ぐようにボルト59で受座52に締結されている。蓋板
57の内面には、保持孔51の延長部分に浅い凹所が設
けられており、スペーサ56はこの凹所に嵌挿されてい
る。保持孔51に挿入された合成樹脂性のシュー53と
スペーサ56との間に皿ばね54が介在しており、スペ
ーサのピン55が皿ばねの中心孔をガイドしている。
【0018】皿ばね54はシュー53を保持孔51から
押し出す方向に付勢しており、シューの先端の摺接面6
0は、皿ばね54の付勢力により受座52の表面(当接
面)61からわずかに突出している。皿バネの付勢力の
調整は、スペーサ56の厚さを現物合わせで加工するこ
と、あるいはスペーサ56と蓋板57との間に薄いスペ
ーサ板を適当に挿入すること等によって調整できる。
【0019】アームの上面に配置されたガイドシュー4
2、43には、上記構造のシュー53が二列にして6個
配置されており、下部側面のガイドシュー42、43に
は同様な構造のシュー53が一列にして3個配置されて
いる。そして、これらのガイドシュー42、43を配置
した部分の上部側面には、シューを備えない補助受板6
2が配置されている。この補助受板62は、アームに大
きなねじれ力が作用したときに、そのねじれ力を受ける
ために設けたものであり、アーム伸縮時にはそのような
ねじれ力が作用することがないから、シューが設けられ
ていないのである。
【0020】上記構造のガイドシュー42、43を備え
たアームは、伸縮時には皿ばね54の付勢力によってシ
ューの摺接面60が受座の当接面61よりわずかに突出
して外アーム24と内アーム25との間の滑らかな滑動
を保証する。一方、作業時に大きな作業反力が作用した
ときは、この作業反力によって皿ばね54が弾性変形し
て、シューの摺接面60が受座の当接面61と一致する
までシュー53が押込まれる。この状態で内アーム25
の衝撃的な作業反力は受座の当接面61を介して外アー
ム24に伝達される。
【0021】従ってシュー53に衝撃的な強大な作業反
力が作用するのを避けることができ、シュー53の損傷
を防止できる。大きな作業反力が作用している状態でア
ームの伸縮が行われることがないから、上記この発明の
構造により、伸縮時の滑らかな滑動性と作業反力に対す
る強度及び耐久性とが共に達成されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のガイドシューを含む伸縮バケットア
ームの断面側面図
【図2】図1の外アーム先端のガイドシュー部分の断面
【図3】図1の内アーム基端のガイドシュー部分の断面
【図4】図2のアームの上面の要部平面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】図3のB矢視面の平面図
【図7】図6のA−A断面図
【符号の説明】
24 外アーム 25 内アーム 27 伸縮シリンダ 42 ガイドシュー 43 ガイドシュー 52 受座 53 シュー 60 摺擦面 61 当接面 62 補助受板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端内側に内アーム(25)の外面に摺接す
    るガイドシュー(42)を備えたボックス構造の外アーム(2
    4)と、基端外側に外アーム(24)の内面に摺接するガイド
    シュー(43)を備えて外アーム(24)に嵌装されたボックス
    構造の内アーム(25)と、内アーム(25)を外アーム(24)内
    で伸縮させるアーム伸縮シリンダ(27)とを備えた建設機
    械の伸縮アームのガイド構造において、前記ガイドシュ
    ー(42,43)が、高強度材からなる受座(52)と、この受座
    に設けた凹所ないし保持孔(51)に嵌挿された低摩擦材か
    らなるシュー(53)とを備え、シュー(53)は大きな作業反
    力が作用したときに、その摺接面(60)と受座の当接面(6
    1)とが同一面となる付勢力で前記当接面(61)から突出す
    る方向に付勢されていることを特徴とする、建設機械の
    伸縮アームのガイド構造。
  2. 【請求項2】 外アーム(24)及び内アーム(25)が左右対
    称な不等辺六角形断面を備え、高強度材からなる受座(5
    2)と低摩擦材からなるシュー(53)とを備えたガイドシュ
    ー(42,43)は、前記六角形の一つおきの辺の部分をガイ
    ドするべく左右対称な位置に配置されており、かつ当該
    ガイドシューでガイドされない傾斜した辺の部分を案内
    する左右で一対の金属ガイド(62)が左右対称に配置され
    ていることを特徴とする、請求項1記載の伸縮アームの
    ガイド構造。
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