JP2001261322A - シリコンリボン製造装置及びそれによるシリコンリボンを用いた太陽電池 - Google Patents

シリコンリボン製造装置及びそれによるシリコンリボンを用いた太陽電池

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JP2001261322A
JP2001261322A JP2000074295A JP2000074295A JP2001261322A JP 2001261322 A JP2001261322 A JP 2001261322A JP 2000074295 A JP2000074295 A JP 2000074295A JP 2000074295 A JP2000074295 A JP 2000074295A JP 2001261322 A JP2001261322 A JP 2001261322A
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cooling body
crucible
heating
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Shuji Koma
修二 胡間
Hidemi Mitsuyasu
秀美 光安
Kazuto Igarashi
万人 五十嵐
Kozaburo Yano
光三郎 矢野
Hiroshi Taniguchi
浩 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄くて均質な厚みのシリコン基板を大量にか
つ安定して低コストで製造することのできるシリコンリ
ボン製造装置を提供する。 【解決手段】 シリコンリボン製造装置には、加熱溶融
部16と冷却部17との間に断熱材製仕切壁9を設置し
た。すなわち、容器5の内部に断熱壁6が張りめぐらさ
れ、容器5の内部下方に左右一対の加熱用ヒーター7が
配設されている。ヒーター7どうしの間には角型るつぼ
3が上下移動可能に配設され、るつぼ3内でシリコン4
を含有した原料を溶融させるようになっている。容器5
の上部には、円筒状の回転冷却体1が回転軸2によって
支持されている。仕切壁9は、回転冷却体1が貫入する
ための方形開口9aを有しており、回転冷却体1の下端
部よりいくぶん上方の位置で、対向する左右の断熱壁6
に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として太陽電池
などに用いることができるシリコンリボンの製造装置、
及びその製造装置により得られたシリコンリボンを用い
て製造された太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池に用いられている多結晶
シリコンウェーハの作製方法としては、例えば特開平6
−64913号公報に開示されたものが知られている。
【0003】この方法では、まず、不活性雰囲気中でリ
ンあるいはボロンなどのドーパントを添加した高純度シ
リコン材料を溶解用るつぼの中で加熱溶融させてシリコ
ン融液にする。そして、このシリコン融液を鋳型に流し
込んで徐冷し、多結晶インゴットを得る。この多結晶イ
ンゴットから太陽電池用の多結晶シリコンウェーハを作
製する際は、そのインゴットをワイヤーソー切断機や内
周刃式切断機などを用いてスライシングすることでウェ
ーハを得る。
【0004】一方、スライシング工程が不要なシリコン
シートを作製する方法としては、特開平7−25662
4号公報に開示されているようなシリコン板の連続鋳造
方法が知られている。
【0005】このシリコン板の連続鋳造方法において
は、加熱された鋳型に溶融シリコンを供給しながら、水
平方向から成長支持体となる黒鉛プレートを挿入して、
シリコン融液に直接接触させる。そして、シリコンが黒
鉛プレートの先端に固着したところで、ローラーを用い
て厚み制御板の下からシリコン板を横に引き出すように
している。また、冷却装置のガス吹き出し管からの冷却
ガスによる冷却によって、シリコン板を連続的に得るこ
とができるような構造になっている。
【0006】また、最近のシリコンシートの製造方法と
しては、特開平10−29895号公報に開示されたシ
リコンリボンの製造装置による方法が知られている。
【0007】このシリコンリボンの製造装置の主要部分
は、図8に示すように、シリコンの加熱溶解部16と、
耐熱材で構成された円筒状回転冷却体1を含む冷却部1
7とから構成されている。この回転冷却体1の円筒面の
一部を、上下移動可能なるつぼ3内の溶融シリコン4中
に浸漬し、回転冷却体1を水平回転軸2により回転させ
ながら、回転冷却体1の円筒面に生じた薄いシリコン結
晶層を成長させることによって、溶融シリコンから直
接、シート状のシリコン基板を引き出す。
【0008】この方法によると、インゴットをワイヤー
ソー切断機などによりスライシングしてウェーハを得
る、従来のシリコンウェーハの製造方法よりも、プロセ
スコスト及び原料費の双方を低減することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−64913
号公報に開示されたシリコン等多結晶物体の鋳造法にお
いては、多結晶シリコンインゴットに対するスライシン
グ工程が必要になるため、ワイヤーや内周刃の厚み分だ
けスライスロスが生じることになる。このため、全体と
しての原料歩留りが悪くなり、低価格のウェーハを提供
することに限界がある。
【0010】また、特開平7−256624号公報に開
示されたシリコン板の連続鋳造方法においては、厚み制
御板の下からシリコン板を引き出すことによってシリコ
ン板の厚みを制御しているため、低コスト太陽電池用の
300μm以下の厚み制御は困難であると予想される。
【0011】さらに、特開平10−29895号公報に
開示されたシリコンリボンの製造方法においては、るつ
ぼと、原料を加熱するためのヒーターと、シリコンを成
長させるための冷却体とが、1つの断熱箱の中に配置さ
れた構造になっている。このため、シリコン固化のため
の、シリコン融液から冷却体への熱移動に加えて、ヒー
ターやるつぼから冷却体の前面への大きな熱の流れを避
けることができないと思われる。このことで、加熱電力
の浪費に加えて、冷却ガスの流量増大、シリコン融液の
凝固や温度分布むら、成長シリコンの形状不安定などの
問題が生じるおそれがある。
【0012】このように、従来の技術では、太陽電池に
必要な、薄くて均質な厚みのシリコン基板を大量にかつ
安定して低コストで製造することは困難であった。
【0013】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、薄くて均質な厚みのシリコン基板を大量
にかつ安定して低コストで製造することのできるシリコ
ンリボン製造装置及びそれによるシリコンリボンを用い
た太陽電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの観点によ
れば、るつぼ及び加熱用ヒーターを含み、シリコン含有
原料をるつぼに入れてヒーターで加熱溶融させるための
加熱溶融部と、この加熱溶融部の上方に設けられ、略水
平な回転軸及びこの回転軸により回転可能な回転冷却体
を含み、この回転冷却体が加熱溶融部で得られたるつぼ
内溶融シリコンの中に浸漬されるようになる冷却部とを
備え、浸漬された回転冷却体の表面に生成したシリコン
結晶層が回転冷却体の回転により引き出されてシリコン
リボンが製造されるシリコンリボン製造装置において、
加熱溶融部と冷却部との間に、これらを仕切るとともに
回転冷却体貫入用開口を有する断熱材製仕切壁が設けら
れていることを特徴とするシリコンリボン製造装置が提
供される。
【0015】このシリコンリボン製造装置は、例えばア
ルゴンガス雰囲気にシールされたチャンバー内に設けら
れる。
【0016】加熱溶融部では、るつぼに入れられたシリ
コン含有原料が加熱用ヒーターにより加熱溶融される。
このるつぼとしては、例えば高密度グラファイトからな
るものが用いられる。ヒーターとしては、例えば高周波
加熱コイルを備えてなるものが用いられる。
【0017】冷却部は加熱溶融部の上方に設けられてい
る。冷却部には、略水平な回転軸に取り付けられた回転
冷却体が含まれている。この回転冷却体としては、例え
ば熱伝導のよい高密度グラファイトからなるドラムに表
面層を設けるとともに、ドラムの内部に冷却用ガスを流
すようにしたものが用いられる。この回転冷却体は、回
転冷却体の下方への移動あるいはるつぼの上方への移動
により、または両者の接近移動により、そのドラムにお
ける表面層の一部が、加熱溶融部で得られたるつぼ内溶
融シリコンの中に浸漬される。
【0018】溶融シリコンの中に浸漬された回転冷却体
の表面には、溶融シリコンの冷却によりシリコン結晶層
が生成する。そして、このシリコン結晶層が回転冷却体
の回転により引き出されることで、シリコンリボンが製
造される。
【0019】シリコン結晶層の最初の引出しは、例えば
次のようにして行われる。回転冷却体の表面−例えばド
ラムの表面層−にあらかじめカーボンネットを巻き付け
るとともに、装置の外部まで同ネットを引き出してお
く。冷却が進み、カーボンネット上に固体シリコンの付
着が始まった時点で回転冷却体の回転を行わせる。そし
て、この回転に同期してカーボンネットを外へ引き出
す。
【0020】本発明に係るシリコンリボン製造装置は、
加熱溶融部と冷却部との間に断熱材製仕切壁が設けられ
ている。この仕切壁は、加熱溶融部と冷却部とを上下に
仕切ることにより、シリコン融液から冷却体への熱移動
と、ヒーターやるつぼから冷却体の前面への大きな熱移
動とを極力少なくするためのものである。
【0021】仕切壁には所定箇所に開口が設けられてい
る。この開口は、回転冷却体が加熱溶融部で得られたる
つぼ内溶融シリコンの中に浸漬される際に回転冷却体が
貫入するためのものである。この開口は、仕切壁のうち
の例えば中央部に設けられる。
【0022】本発明に係るシリコンリボン製造装置によ
れば、加熱溶融部と冷却部との間に、これらを上下に仕
切る仕切壁が設けられているので、このような仕切壁の
ないものに比べて、ヒーターやるつぼから冷却体への熱
移動や、シリコン融液から冷却体への熱移動を少なくす
ることができ、したがって、加熱電力の浪費、冷却ガス
の流量増大、シリコン融液の凝固や温度分布むら、成長
シリコンの形状不安定などの問題を大幅に解消すること
ができる。
【0023】本発明に係るシリコンリボン製造装置は、
仕切壁が、回転冷却体の上端部から下端部までの範囲内
に設けられているのが好ましい。
【0024】このように構成されているときには、仕切
壁が回転冷却体の下端部の下方に設けられているものに
比べて、シリコンリボン製造装置の高さを低くすること
ができる。
【0025】本発明に係るシリコンリボン製造装置は、
前記開口の一部または全部を開放可能に塞ぐ断熱材製閉
塞部材がさらに設けられ、回転冷却体が溶融シリコンの
中に浸漬される際にだけこの閉塞部材の作動により前記
開口が開放されるように構成されているのが好ましい。
【0026】このように構成されているときには、シリ
コン含有原料の加熱溶融時には閉塞部材により回転冷却
体貫入用開口を閉塞しておくことで、加熱溶融時におけ
るヒーター、るつぼあるいはシリコン融液から冷却体へ
の熱移動をいっそう少なくすることができる。
【0027】本発明に係るシリコンリボン製造装置は、
るつぼが、上下移動可能に設けられ、仕切壁は、シリコ
ン含有原料が加熱溶融される際には回転冷却体の下方に
位置し回転冷却体が浸漬される際にはその高さの範囲内
に位置するように上下移動可能に設けられており、加熱
溶融の際には前記開口が閉塞部材により塞がれるととも
にるつぼ及び仕切壁が下方へ移動し、浸漬の際には前記
開口が閉塞部材の作動により開放されるとともにるつぼ
及び仕切壁が上方へ移動するように構成されているのが
好ましい。
【0028】このように構成されているときには、閉塞
部材の作動と、るつぼ及び仕切壁の上下移動とがあいま
って、加熱溶融時におけるヒーター、るつぼあるいはシ
リコン融液から冷却体への熱移動をよりいっそう少なく
することができる。
【0029】本発明のシリコンリボン製造装置にあって
は、加熱溶融部と冷却部とが、加熱溶融時、浸漬時とも
に必要最小限の回転冷却体貫入用開口以外の箇所で断熱
材製仕切壁により仕切られているので、シリコン融液が
回転冷却体の影響を受けにくい。
【0030】これに関しては、本発明のシリコンリボン
製造装置を用いて1つの確認実験を行った。すなわち、
シリコンの融点1430℃よりも20℃高い温度で、る
つぼ内のシリコン含有原料を溶融し装置内の温度を一定
にしたときの、シリコン融液の深さ方向の温度分布を、
溶融時に熱電対を挿入することで測定した。その測定結
果を図9に示す。
【0031】図9からわかるように、本発明のシリコン
リボン製造装置は、加熱溶融部と冷却部とを断熱材製仕
切壁で仕切らない従来の構造に比べて、融液の表面温度
は約10℃上昇し、湯面内部の温度分布(融液の表面温
度と融液の内部温度との差)も約15℃から約5℃に改
善された。
【0032】また、同設定温度におけるヒーター出力
も、従来の構造における約92%に比べて約89%まで
低減することができ、加熱溶融のための使用電力を節約
することができた。さらに、回転冷却体もシリコン融液
の影響を受けないため、冷却用ガス量は約10%低減す
ることができた。
【0033】本発明の別の観点によれば、本発明の1つ
の観点によるシリコンリボン製造装置によるシリコンリ
ボンを用いて製造された太陽電池が提供される。
【0034】このような太陽電池にあっては、加熱溶融
部と冷却部とを断熱材製仕切壁で仕切らない従来のシリ
コンリボン製造装置により製造したシリコンリボンを用
いる太陽電池に比べて、表1に示すように、短絡電流密
度、最大電力がともに約10%増加し、結果的に変換効
率が約10%向上していることが本発明者による実験か
ら確認された。
【0035】
【表1】
【0036】また、このシリコンリボンの断面を観察す
ると、柱状成長により結晶性が向上していることが判明
した。すなわち、従来のシリコンリボン製造装置による
シリコンリボンを用いる太陽電池にあっては、回転冷却
体の表面に成長するシリコン結晶の成長形態はデンドラ
イト成長が主となるため、太陽電池用結晶シリコンに望
まれる柱状成長断面を得ることは難しい。これに対し、
本発明のシリコンリボン製造装置によるシリコンリボン
を用いる太陽電池にあっては、回転冷却体による冷却効
果の向上によって、柱状成長を主とするシリコンリボン
を材料にしているので、太陽電池特性の向上を図ること
ができた。また、シリコンリボン製造時の投入電力を節
約できるため、太陽電池の製造コストを低減することも
できた。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の3つの実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、これらによって本発
明が限定されるものではない。
【0038】実施の形態1 図1〜図3に示す実施の形態1に係るシリコンリボン製
造装置は、加熱溶融部16と冷却部17との間に断熱材
製仕切壁9を固定状に設置したものである。
【0039】すなわち、このシリコンリボン製造装置に
あっては、ステンレス鋼で構成した容器5の内部に断熱
壁6が張りめぐらされている。容器5の内部下方には、
高周波加熱コイルを備えてなる左右一対の加熱用ヒータ
ー7が配設されている。ヒーター7どうしの間には、高
密度グラファイトからなる角型るつぼ3が上下移動可能
に配設され、るつぼ3内でシリコン4を含有した原料を
溶融させるようになっている。
【0040】容器5の上部には、円筒状の回転冷却体1
が水平回転軸2によって支持されている。回転冷却体1
は、熱伝導のよい高密度グラファイトからなるドラムに
表面層を設けるとともに、ドラムの内部に冷却用ガスを
流すようにしたものである。仕切壁9は、回転冷却体1
が貫入するための1つの方形開口9aを有しており、回
転冷却体1の下部がその開口9aに貫入するように、回
転冷却体1の下端部よりいくぶん上方の位置で、対向す
る左右の断熱壁6に水平状に固定されている。
【0041】また、図2及び図3に示すように、仕切壁
9には原料投入口8が設けられ、装置の外側上部からる
つぼ3内へ原料を追加投入できるようにされている。ま
た、断熱壁6に囲まれた装置内部は、アルゴンガス雰囲
気下に維持されるようにシールされている。
【0042】図3に示すように、回転冷却体1は、その
ドラムの表面層が溶融したシリコン4の融液と接触した
ときに、表面層にシリコン融液が付着し、結晶として成
長することができるように、表面管理及び温度管理がな
されている。また、このシリコンリボン製造装置には、
結晶成長させたシリコンリボン10を取り出すための搬
送機構が備わっている。
【0043】仕切壁9は、片面もしくは両面を耐熱板な
どで補強したものでもよい。また、仕切壁9の開口9a
は、回転冷却体1と重なる部分を考慮して設ける必要が
ある。ただし、シリコンリボン10を取り出すための搬
送機構によっては、その取出し機能を阻害しないだけの
大きさ及び形状にする必要がある。
【0044】このように構成されたシリコンリボン製造
装置を次のようにして使用した。まず、図1のように、
シリコン4を含有した原料をるつぼ3に充填し、ヒータ
ー7でこれを加熱溶融させた。次に、るつぼ3を上昇さ
せて、図3のように、回転冷却体1におけるドラムの表
面層の一部を溶融シリコン4の中に浸漬し、回転冷却体
1を回転させながら、回転冷却体1の表面に成長したシ
リコンリボン10を取り出した。ここで、浸漬処理まで
の間、のぞき穴(図示略)から装置内部の観察を行った
ところ、シリコン4の融液は凝固しないで、シリコンリ
ボン10が均質な厚み280μmで安定成長することが
できた。
【0045】実施の形態2 図4及び図5に示す実施の形態2のシリコンリボン製造
装置には、実施の形態1に係るシリコンリボン製造装置
の構造に加えて、回転冷却体貫入用開口9aの一部を下
方で開放可能に塞ぐ断熱材製閉塞部材11と、この閉塞
部材11を水平移動可能に保持するための黒鉛製保持棒
12とがさらに設けられている。
【0046】このシリコンリボン製造装置にあっては、
図4に示すように、シリコン含有原料の加熱溶融時には
保持棒12により閉塞部材11を作動させて開口9aを
閉塞しておく。これにより、加熱溶融時におけるヒータ
ー7、るつぼ3あるいはシリコン4の融液から回転冷却
体1への熱移動をいっそう少なくすることができる。
【0047】そして、図5に示すように、るつぼ3が上
昇して回転冷却体1が溶融シリコン4の中に浸漬される
際にだけこの閉塞部材11の作動により開口9aが開放
される。
【0048】回転冷却体1におけるドラムの表面層の一
部を溶融シリコン4の中に浸漬し、回転冷却体1を回転
させながら、回転冷却体1の表面に成長したシリコンリ
ボン10を取り出した。ここで、浸漬処理までの間、の
ぞき穴(図示略)から装置内部の観察を行ったところ、
シリコン4の融液は凝固しないで、シリコンリボン10
が安定成長することができた。
【0049】実施の形態3 図6及び図7に示す実施の形態3のシリコンリボン製造
装置には、実施の形態1に係るシリコンリボン製造装置
とは異なり、加熱溶融部と冷却部とを上下に仕切る可動
式の仕切壁15が設けられている。
【0050】すなわち、図6に示すように、回転冷却体
1とるつぼ3・ヒーター(図示略)とを仕切る可動式の
仕切壁15は、その回転冷却体貫入用開口15aがるつ
ぼ3の直上に位置した状態でるつぼ3の上縁に固定され
ており、るつぼ3の昇降に連動するようにされている。
【0051】また、仕切壁15の上面には、開口15a
を充分覆う大きさの断熱材製閉塞部材(蓋)13が水平
摺動可能に配設されている。この蓋13は黒鉛製の紐な
どの耐熱ロープ14によって開閉される。
【0052】シリコン4を含有した原料をるつぼ3に充
填して、蓋13が閉じられた状態でヒーターにより加熱
し、シリコン4を溶融させる。
【0053】次いで、図7に示すように、耐熱ロープ1
4を引くことで蓋13を開き、るつぼ3及びこれに固定
された仕切壁15を上昇させて、回転冷却体1における
ドラムの表面層の一部を溶融シリコン4の中に浸漬し
た。
【0054】そして、回転冷却体1を回転させながら、
回転冷却体1の表面に成長したシリコンリボン10を取
り出した。ここで、浸漬処理までの間、のぞき穴(図示
略)から装置内部の観察を行ったところ、シリコン4の
融液は凝固しないで、シリコンリボン10が安定成長す
ることができた。
【0055】従来の実施の形態 図8に示す従来の実施の形態に係るシリコンリボン製造
装置において、まず、シリコン4を充填したるつぼ3を
ヒーター7によって加熱し、シリコン4を溶融させた。
【0056】次に、るつぼ3を上昇させて、回転冷却体
1の表面の一部を溶融シリコン4の中に浸漬し、回転冷
却体1を回転させながら、その表面に成長したシリコン
リボン10を取り出した。浸漬処理までの間、のぞき穴
(図示略)から装置内部の観察を行ったところ、シリコ
ン4の融液の表面におけるつぼ3壁付近が、最大2cm
の幅で凝固していることが確認された。
【0057】次に、実施の形態1〜3のシリコンリボン
製造装置により得られたシリコンリボンを使用して、太
陽電池セルの製作を行った。
【0058】これらの太陽電池は、従来のシリコンリボ
ン製造装置により得られたシリコンリボンを使用した太
陽電池に比べて、短絡電力密度、曲線因子が大きく、変
換効率が向上していることが判明した。これは、仕切壁
9・15による冷却効果の改善によって、シリコンの結
晶成長が柱状成長を主としたものになったためであると
考えられる。
【0059】これらの結果から、本発明のシリコンリボ
ン製造装置にあっては、従来のシリコンリボン製造装置
に比べ、シリコン融液の凝固を抑制することができ、温
度分布も改善されている。また、同じ条件におけるヒー
ター出力が従来よりも低下していることから、シリコン
溶融に使用する加熱電力を節約することができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1に係るシリコンリボン製造装置
にあっては、るつぼ及び加熱用ヒーターを含み、シリコ
ン含有原料をるつぼに入れてヒーターで加熱溶融させる
ための加熱溶融部と、この加熱溶融部の上方に設けら
れ、略水平な回転軸及びこの回転軸により回転可能な回
転冷却体を含み、この回転冷却体が加熱溶融部で得られ
たるつぼ内溶融シリコンの中に浸漬されるようになる冷
却部とを備え、浸漬された回転冷却体の表面に生成した
シリコン結晶層が回転冷却体の回転により引き出されて
シリコンリボンが製造されるシリコンリボン製造装置に
おいて、加熱溶融部と冷却部との間に、これらを仕切る
とともに回転冷却体貫入用開口を有する断熱材製仕切壁
が設けられている。したがって、このような仕切壁のな
いものに比べて、ヒーターやるつぼから冷却体への熱移
動や、シリコン融液から冷却体への熱移動を少なくする
ことができ、加熱電力の浪費、冷却ガスの流量増大、シ
リコン融液の凝固や温度分布むら、成長シリコンの形状
不安定などの問題を大幅に解消することができる。
【0061】請求項2に係るシリコンリボン製造装置に
あっては、仕切壁が、回転冷却体の上端部から下端部ま
での範囲内に設けられている。したがって、請求項1に
係るシリコンリボン製造装置が奏する前記効果に加え
て、仕切壁が回転冷却体の下端部の下方に設けられてい
るものに比べて、シリコンリボン製造装置の高さを低く
することができる。
【0062】請求項3に係るシリコンリボン製造装置に
あっては、前記開口の一部または全部を開放可能に塞ぐ
断熱材製閉塞部材がさらに設けられ、回転冷却体が溶融
シリコンの中に浸漬される際にだけこの閉塞部材の作動
により前記開口が開放されるように構成されている。し
たがって、請求項1または2に係るシリコンリボン製造
装置が奏する前記効果に加えて、シリコン含有原料の加
熱溶融時には閉塞部材により回転冷却体貫入用開口を閉
塞しておくことで、加熱溶融時におけるヒーター、るつ
ぼあるいはシリコン融液から冷却体への熱移動をいっそ
う少なくすることができる。
【0063】請求項4に係るシリコンリボン製造装置に
あっては、るつぼが、上下移動可能に設けられ、仕切壁
は、シリコン含有原料が加熱溶融される際には回転冷却
体の下方に位置し回転冷却体が浸漬される際にはその高
さの範囲内に位置するように上下移動可能に設けられて
おり、加熱溶融の際には前記開口が閉塞部材により塞が
れるとともにるつぼ及び仕切壁が下方へ移動し、浸漬の
際には前記開口が閉塞部材の作動により開放されるとと
もにるつぼ及び仕切壁が上方へ移動するように構成。し
たがって、請求項3に係るシリコンリボン製造装置が奏
する前記効果に加えて、閉塞部材の作動と、るつぼ及び
仕切壁の上下移動とがあいまって、加熱溶融時における
ヒーター、るつぼあるいはシリコン融液から冷却体への
熱移動をよりいっそう少なくすることができる。
【0064】請求項5に係る太陽電池にあっては、請求
項1〜4のいずれか1つに記載の製造装置によるシリコ
ンリボンを用いて製造されている。したがって、加熱溶
融部と冷却部とを断熱材製仕切壁で仕切らない従来のシ
リコンリボン製造装置により製造したシリコンリボンを
用いる太陽電池に比べて、短絡電流密度、曲線因子が大
きくなることから、変換効率を向上させつつ、製造コス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシリコンリボン製
造装置における原料シリコン溶融時の正面縦断面図であ
る。
【図2】図1のシリコンリボン製造装置における原料シ
リコン溶融時の側面縦断面図である。
【図3】図1のシリコンリボン製造装置における回転冷
却体浸漬時の側面縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るシリコンリボン製
造装置における原料シリコン溶融時の側面縦断面図であ
る。
【図5】図4のシリコンリボン製造装置における回転冷
却体浸漬時の側面縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るシリコンリボン製
造装置における原料シリコン溶融時の側面縦断面図であ
る。
【図7】図6のシリコンリボン製造装置における回転冷
却体浸漬時の側面縦断面図である。
【図8】従来のシリコンリボン製造装置における原料シ
リコン溶融時の正面縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係るシリコンリボン製
造装置によりるつぼ内のシリコン含有原料を溶融し装置
内の温度を一定にしたときの、シリコン融液の深さ方向
の温度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 回転冷却体 2 回転軸 3 るつぼ 4 シリコン 5 容器 6 断熱壁 7 ヒーター 8 原料投入口 9 仕切壁 9a 開口 10 シリコンリボン 11 閉塞部材 12 保持棒 13 閉塞部材(蓋) 14 耐熱ロープ 15 仕切壁 15a 開口 16 加熱溶融部 17 冷却部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 万人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 矢野 光三郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 谷口 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4G072 AA01 BB12 BB20 GG04 NN01 NN30 UU02 5F051 AA03 CB06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 るつぼ及び加熱用ヒーターを含み、シリ
    コン含有原料をるつぼに入れてヒーターで加熱溶融させ
    るための加熱溶融部と、この加熱溶融部の上方に設けら
    れ、略水平な回転軸及びこの回転軸により回転可能な回
    転冷却体を含み、この回転冷却体が加熱溶融部で得られ
    たるつぼ内溶融シリコンの中に浸漬されるようになる冷
    却部とを備え、浸漬された回転冷却体の表面に生成した
    シリコン結晶層が回転冷却体の回転により引き出されて
    シリコンリボンが製造されるシリコンリボン製造装置に
    おいて、 加熱溶融部と冷却部との間に、これらを仕切るとともに
    回転冷却体貫入用開口を有する断熱材製仕切壁が設けら
    れていることを特徴とするシリコンリボン製造装置。
  2. 【請求項2】 仕切壁が、回転冷却体の上端部から下端
    部までの範囲内に設けられている請求項1に記載の製造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記開口の一部または全部を開放可能に
    塞ぐ断熱材製閉塞部材がさらに設けられ、回転冷却体が
    溶融シリコンの中に浸漬される際にだけこの閉塞部材の
    作動により前記開口が開放されるように構成されている
    請求項1または2に記載の製造装置。
  4. 【請求項4】 るつぼが、上下移動可能に設けられ、仕
    切壁は、シリコン含有原料が加熱溶融される際には回転
    冷却体の下方に位置し回転冷却体が浸漬される際にはそ
    の高さの範囲内に位置するように上下移動可能に設けら
    れており、加熱溶融の際には前記開口が閉塞部材により
    塞がれるとともにるつぼ及び仕切壁が下方へ移動し、浸
    漬の際には前記開口が閉塞部材の作動により開放される
    とともにるつぼ及び仕切壁が上方へ移動するように構成
    されている請求項3に記載の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の製
    造装置によるシリコンリボンを用いて製造された太陽電
    池。
JP2000074295A 2000-03-16 2000-03-16 シリコンリボン製造装置及びそれによるシリコンリボンを用いた太陽電池 Pending JP2001261322A (ja)

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