JP2001259757A - ハイドロピアス装置及びハイドロピアス方法 - Google Patents

ハイドロピアス装置及びハイドロピアス方法

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JP2001259757A
JP2001259757A JP2000078082A JP2000078082A JP2001259757A JP 2001259757 A JP2001259757 A JP 2001259757A JP 2000078082 A JP2000078082 A JP 2000078082A JP 2000078082 A JP2000078082 A JP 2000078082A JP 2001259757 A JP2001259757 A JP 2001259757A
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pipe
pressure
tube
vibration
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Koichi Hiramatsu
浩一 平松
Masahiko Takeuchi
雅彦 竹内
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Toyota Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D26/00Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces
    • B21D26/02Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces by applying fluid pressure
    • B21D26/033Deforming tubular bodies
    • B21D26/035Deforming tubular bodies including an additional treatment performed by fluid pressure, e.g. perforating

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロピアス方法を実施するための設備の
簡素化を図り、製品をより低コストで供給する。 【解決手段】 ポンチ4を打ち抜きユニット15によって
駆動し、ポンチ4に打撃駆動力を付与する。そして、ポ
ンチ4の先端部からパイプ1の壁面へと付与するせん断
力を、「一時に」ではなく「逐次に」与えることに伴
い、ポンチ4による一回の打撃力を小さくする。ポンチ
4による一回の打撃力を小さくしたことで、パイプ1が
膨張変形するほどの高い圧力をパイプ内の水に与えなく
ても、パイプ壁面をポンチで打ち抜く際のパイプの変形
を防止し、かつ、穿孔端部におけるバリの発生を有効に
抑える。また、ポンチ4でパイプ1を打撃するときをピ
ーク圧力として、パイプ1内の水圧を上昇させること
で、パイプ壁面を内部から支えて、穿孔品質を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ内部に密封
した液体の圧力を利用して該パイプ壁面を内側から支
え、ポンチにより前記パイプに穿孔を行なうハイドロピ
アス装置およびハイドロピアス方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、管状の部材に穿孔を行なうた
めの手法として、パイプ内部に密封した液体の圧力を利
用して該パイプ壁面を内側から支え、ポンチにより前記
パイプに穿孔を行なう、ハイドロピアス方法が用いられ
ている。このハイドロピアス方法によれば、パイプの壁
面は、液体の圧力によってパイプの内部から支えられる
ため、壁面をポンチで打ち抜く際のパイプの変形を防止
し、かつ、穿孔端部におけるバリの発生を有効に抑える
ことができる。
【0003】図8には、ハイドロピアス方法を実施する
ための、従来のハイドロピアス装置を示している。ハイ
ドロピアス装置は、パイプ1の外周面を拘束するための
上型2及び下型3を有し、上型2を貫通するように、ポ
ンチ4を設けている。また、上型2及びポンチ4の夫々
に油圧シリンダ5,6を備えており、型の開閉と、ポン
チの4の昇降とを独立して行なうことができる。また、
油圧シリンダ5,6への油圧供給源として、油圧ポンプ
7と油圧ポンプ7を駆動するモータ8とを備えている。
【0004】また、パイプ1の端部をシール9,10で密
閉すると共に、一方のシール10の注水孔10aを介して、
液圧シリンダ11よりパイプ1内部へと高圧水を供給す
る。さらに、液圧シリンダ11への圧力流体供給源とし
て、液圧ポンプ12と液圧ポンプ12を駆動するモータ13と
を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のハイドロピアス
装置が、パイプ1の壁面拘束手段である上型2、下型3
を有するのは、ハイドロピアス方法における前述の効果
を確実に得るために、パイプ1が膨張変形するほどの高
い圧力をパイプ1の内部に付与した状態で、ポンチ4に
より穿孔する必要があるからである。そして、シール
9,10、液圧シリンダ11、液圧ポンプ12、モータ13は、
夫々高圧に耐え得るような仕様となっている。また、パ
イプ1が内部圧力によって膨張変形してしまう事態を避
けるために、パイプ1の外周面を拘束するための上型
2、下型3と、上型1の昇降及び高圧での型締めを可能
とする油圧シリンダ5,6、油圧ポンプ7、モータ8の
存在が必要不可欠なものであった。
【0006】以上のごとく、従来のハイドロピアス装置
は、構成部品が夫々高圧に耐え得る仕様を有するもので
あることから、設備コストの上昇を避けることができ
ず、ハイドロピアス方法による製品単価を上昇させる原
因となっていた。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ハイドロピアス方法を
実施するための設備の簡素化を図り、製品をより低コス
トで供給することを可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の請求項1に係るハイドロピアス装置は、パ
イプ内部に密封した液体の圧力を利用して該パイプ壁面
を内側から支え、ポンチにより前記パイプに穿孔を行な
うハイドロピアス装置であって、前記ポンチに振動打撃
力を付与するポンチ振動手段を備えることを特徴とす
る。
【0009】本発明によると、前記ポンチ駆動手段によ
り、前記ポンチに所定周期の打撃駆動力を付与すること
で、前記ポンチ先端部からパイプ壁面へと付与するせん
断力を、「一時に」ではなく「逐次に」与える。この、
逐次加工によれば、ポンチによる一回の打撃力を小さく
しつつ壁面に穿孔を施すことが可能となる。また、ポン
チによる一回の打撃力を小さくすることで、パイプが膨
張変形するほどの高い圧力をパイプ内の水に与えなくて
も、パイプの壁面を支えることが可能となる。
【0010】また、本発明の請求項2に係るハイドロピ
アス装置は、前記液体に圧力振動を付与する液圧振動手
段を備えるものである。そして、前記ポンチ先端部から
パイプ壁面へと逐次にせん断力を付与するタイミングと
同期させて、前記液体の圧力を増加させるように、前記
液体に圧力振動を付与する。かかる液圧振動の付与によ
り、必要時にのみパイプ壁面を内部から支えて穿孔品質
を高める。また、その他の時には、液圧を低く抑えるこ
とで、一定の高圧状態を維持するよりも、液体圧力の増
加に要する力を小さくする。また、前記液体を一定の高
圧状態に維持する場合に比して、パイプ壁面へと与える
影響を小さく抑えることができる。
【0011】また、本発明の請求項3に係るハイドロピ
アス装置は、前記ポンチ振動手段及び前記液圧振動手段
のうち少なくとも一方の作動制御手段を備えるものであ
る。そして、かかる作動制御手段によって、前記ポンチ
の振動の周期及びタイミングと、前記液圧の振動の周期
及びタイミングを調整する。
【0012】また、本発明の請求項4に係るハイドロピ
アス装置は、前記ポンチ駆動手段はクランク機構を備
え、該クランク機構のクランクとコンロッドとの連結部
を、長穴とピンで連結している。
【0013】本発明によると、前記クランク機構のクラ
ンクとコンロッドとの連結部における位置関係は、前記
長穴内を前記ピンが移動し得る範囲内で自由に変更可能
である。この構成によると、前記ポンチの振動打撃によ
り穿孔が進むに従って、ポンチの送り量を増加させるこ
とが可能となる。そして、穿孔初期で前記コンロッド及
びクランクに過度の負荷を与えることを防止する。
【0014】また、上記課題を解決するための本発明の
請求項5に係るハイドロピアス方法は、パイプ内部に密
封した液体の圧力を利用して該パイプ壁面を内側から支
え、ポンチにより前記パイプに穿孔を行なう方法であっ
て、前記パイプに密封した液体を、前記パイプ外周面に
膨張変形が生じない圧力に加圧し、前期ポンチにより前
記パイプに振動打撃を付与して穿孔を行なうことを特徴
とする。
【0015】本発明によれば、前記パイプに密閉した液
体を、前記パイプ外周面に膨張変形が生じない圧力に加
圧することで、前記パイプ外周面の膨張変形を防ぐため
の壁面拘束を行なう必要がなくなる。また、前記パイプ
内の圧力をかかる圧力としたことに伴い、前記ポンチに
より前記パイプに所定周期の振動打撃を付与して穿孔を
行なうことで、前記ポンチ先端部からパイプ壁面へと付
与するせん断力を、「一時に」ではなく「逐次に」与え
る。このように、せん断力を逐次に与えることで、ポン
チによる一回の打撃力を小さくする。よって、前記パイ
プ外周面に膨張変形が生じない圧力で、前記パイプ壁面
をその内側から支え、ポンチの打撃による壁面の不要な
変形を十分に防止しつつ穿孔を行なうことが可能とな
る。
【0016】また、本発明の請求項6に係るハイドロピ
アス方法は、前記ポンチで前記パイプへと振動打撃を付
与するタイミングをピークとして、前記液体の圧力を振
動させるものである。本発明では、必要時にのみ前記液
体の圧力を上昇させ、その他の時は圧力を低下させるこ
とで、一定の圧力を維持する場合に比して、液体圧力の
増加に要する力を小さくする。また、前記液体の圧力を
一定に維持する場合に比して、当該圧力がパイプ壁面へ
と与える影響を小さく抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分
または相当する部分については同一符号で示し、詳しい
説明は省略する。
【0018】図1には、本発明の実施の形態に係るハイ
ドロピアス装置を概略的に示している。本装置は、従来
の、パイプ外周面の膨張変形を防ぐための壁面拘束手段
である上型2、下型3(図8参照)に相当するものは備え
ていない。また、従来は上型2に設けていたポンチ4
を、パイプ1の壁面の一部に当接するポンチガイド14に
よって支持している。また、パイプ1を単に支持するた
めの支持台(図示省略)を備えている。
【0019】ポンチ4は、ポンチ駆動手段である打ち抜
きユニット15によって駆動されるようになっている。ま
た、シール9には貫通穴であるピストンガイド9aが形
成されており、このピストンガイド9aによって、パイ
プ内部の水の圧力を上昇させるための昇圧ピストン16を
摺動可能に支持している。昇圧ピストン16は、昇圧ユニ
ット17によってパイプの中心軸と平行な方向へ往復駆動
される。シール10の注水孔10aには給水タンク18を連結
し、給水タンク18から重力落下によりパイプ1内部へと
水を供給することができる。なお、パイプ1内に水が満
たされた時点で給水バルブ19を閉じることで、一定量の
水をパイプ1内に密封することができる。
【0020】ここで、ポンチ4の駆動手段である打ち抜
きユニット15の構造及び動作の説明をする。打ち抜きユ
ニット15は、その先端部でポンチ4をスライド可能に支
持し、かつ、コイルバネ等の弾性体20によって、ポンチ
4を、打ち抜きユニットの基端部(図1の上方)へ向けて
引き上げた状態を維持する。また、ポンチ4の基端部に
は、回転運動を往復運動に変換するクランク機構21を設
けている。
【0021】図2(b)には、打ち抜きユニット15のクラ
ンク機構21を詳細に示している。クランク機構21は、ク
ランク22とコンロッド23とを有している。クランク22の
回転軸22aは、モータ等の回転駆動手段によって駆動さ
れる。また、クランク22には、回転軸22aの半径方向に
延びる長穴22bを形成している。そして、長穴22bに対
しコンロッド23の一端部に設けたピン23aを嵌め合わせ
て、クランク22とコンロッド23とを連結している。さら
に、コンロッド23の他端部には、ハンマ24を軸着してい
る。
【0022】クランク22を回転させると、クランク22は
その回転運動をコンロッド23へと伝達し、コンロッド23
に軸着したハンマ24に、図2(a)、(c)に示すような往
復運動を発生させる。そして、打ち抜きユニット15の先
端部へとハンマ24を移動させることにより、弾性体20の
弾性力に抗してポンチ4を押し出し、ポンチ4の先端部
をパイプ1に打ち付ける。この時、ハンマ24からポンチ
4へと与える打撃駆動力の周期は、クランク22の回転速
度を変更することによって自由に制御することができ
る。
【0023】さて、ポンチ4による穿孔作業の初期段階
では、図2(c)に示すように、ポンチ4の先端部がパイ
プ1の壁面に当接した状態で、コンロッド23のピン23a
は、図2(d)に示すように、クランク22の長穴22b内
の、クランクの回転軸22aに近い端部に位置する。
【0024】ところが、穿孔作業が進行し、パイプ壁面
へのポンチ4の食い込み量が増加すると、ポンチ4の先
端部1がパイプ1の壁面に当接した状態で、コンロッド
23のピン23aは、長穴22b内を、クランクの回転軸22a
から遠ざかる方向へと移動する。
【0025】そして、図2(e)、(f)に示すように、ポ
ンチ4によりパイプ1の壁面の一部が打ち抜き片1’と
して打ち抜かれる時点では、コンロッド23のピン23a
は、長穴22b内の、クランクの回転軸22aから最も遠い
端部へと移動する。なお、長穴22b内部におけるピン23
aの移動は、コンロッド23及びハンマ24の慣性力によっ
て自然に発生するものである。
【0026】このように、クランク22およびコンロッド
23の連結部である長穴22bとピン23aとの位置関係を、
自由に変更可能としたことで、ポンチ4の打撃によりパ
イプ1の穿孔が進むに従い、ポンチ4の送り量を増加さ
せることを可能としている。そして、穿孔の前後で必要
となるポンチ4のストローク(パイプ1壁面の圧さ+α)
を、長穴22bとピン23aとの相対位置の変化で発生させ
つつ、クランク機構に無理な力が負荷されることを防い
でいる。
【0027】次に、図3を参照しながら、パイプ1内部
に密閉された水に所定周期の圧力振動を付与する液圧振
動手段として機能する、昇圧ピストン16及び昇圧ユニッ
ト17の構造及び動作を説明する。
【0028】前述のごとく、昇圧ピストン16は、シール
9のピストンガイド9aによって摺動可能に支持されて
いる。また、ピストンガイド9と昇圧ピストン16との密
閉は、Oリング等のシール部材25によって確保されてい
る。昇圧ピストン16は、昇圧ユニット17の先端部に対し
摺動自在に支持されている。なお、昇圧ユニット17の構
造は、以下の相違点を除き打ち抜きユニット15と同一で
あり、打ち抜きユニット15の構成要素と同一の符号を付
して、詳しい説明を省略する。打ち抜きユニット15に対
する昇圧ユニット17の相違点は、打ち抜きユニット15で
は、クランク22とコンロッド23との連結部に長穴22bと
ピン23aとを用いているのに対し、昇圧ユニット17の当
該連結部は、長穴を用いることなく単純にピン23aを軸
着した構造を有している。
【0029】図3(a)に示すように、ハンマ24で昇圧ピ
ストン16をパイプ1内に押し込んだ時には、パイプ1の
内圧(水圧)は、図3(b)に符号aで示す圧力(ピーク圧
力)へと上昇する。また、図3(b)に示すように、昇圧
ピストン16がパイプ1から最も突出した状態では、パイ
プ1の内圧は、図3(b)に符号cで示す圧力(大気圧)
となる。なお、ピーク圧力aは、パイプ1の外周面に膨
張変形が生じない圧力、すなわち、パイプ1の外周面の
膨張変形を防ぐための壁面拘束を行なう必要の無い圧力
である。
【0030】ところで、水圧の変化に直接影響する昇圧
ピストン16の移動量の変化と、ポンチ4でパイプ1の壁
面を打撃するためのポンチ4の移動量は、原則として、
図4(a)に示すように同位相で変化させることが望まし
いが、図4(b)に示すように、両者に位相差を持たせ
ることも可能である。両者に位相差を持たせる必要があ
る場合の例としては、パイプ1が非常に長尺であって、
昇圧ピストン16からポンチ4で打ち抜く位置までの距離
が遠くなるような場合に、昇圧ピストン16によって発生
する圧力のピークを、ポンチ4で打ち抜く位置に伝播す
るまでの所要時間を考慮して発生させるような状態が挙
げられる。また、ポンチ4及び昇圧ピストン16の少なく
とも一方の振動周期を、穿孔の進行度に応じて変化させ
ることも、加工条件の最適化を図る上で有効である。
【0031】なお、昇圧ピストン16の周期、位相等の変
化、及び、ポンチ4の周期、位相等の変化に関する制御
は、昇圧ユニット17及び打ち抜きユニット15の、クラン
ク22の回転数、回転位相を制御することによって行なう
ことが可能であり、かかる制御を、クランク22を駆動す
るモータの作動制御手段(図示省略)によって行なうもの
とする。
【0032】上記構成を有する本発明の実施の形態によ
り得られる作用効果は、以下の通りである。まず、本発
明の実施の形態では、ポンチ4を打ち抜きユニット15に
よって駆動し、ポンチ4に所定周期の打撃駆動力を付与
する。そして、ポンチ4の先端部からパイプ1の壁面へ
と付与するせん断力を、「一時に」ではなく「逐次に」
与えることで、ポンチ4による一回の打撃力を小さくし
つつ壁面に穿孔を施すことが可能となる。
【0033】このように、ポンチ4による一回の打撃力
を小さくしたことで、パイプ1が膨張変形するほどの高
い圧力をパイプ内の水に与えなくても、パイプ壁面をポ
ンチで打ち抜く際のパイプの変形を防止し、かつ、穿孔
端部におけるバリの発生を有効に抑えることが可能とな
る。このため、本発明の実施の形態に係るハイドロピア
ス方法によれば、従来の、パイプ外周面の膨張変形を防
ぐための壁面拘束手段である上型2、下型3(図8参照)
に相当するものは全く不要となり、設備コストを大幅に
削減することができる。
【0034】また、シール9,10を含め、水圧がかかる
部分を、従来のような高圧に耐え得る仕様とする必要が
なくなり、設備コストの削減に貢献することができる。
参考までに、本発明の実施の形態で必要とされるパイプ
1内部の水圧は、従来のハイドロピアス法(図8参照)で
必要とされる水圧に比して、1/10程度の値となって
いる。
【0035】また、本発明の実施の形態では、昇圧ピス
トン16及び昇圧ユニット17によって、パイプ1内に密閉
された水に対し、所定周期の圧力振動を付与することを
可能としている。そして、打ち抜きユニット15により、
ポンチ4の先端部からパイプ1の壁面へとせん断力を付
与するタイミングと同期させて水圧を増加させるよう
に、昇圧ピストン16及び昇圧ユニット17によって、圧力
振動を付与する。
【0036】すなわち、必要時(ポンチ4でパイプ1を
打撃するとき。)をピーク圧力としてパイプ1内の水圧
を上昇させることで、パイプ壁面を内部から支えて穿孔
品質を高めることができる。また、その他の時には、水
圧を低く(大気圧)抑えることで、一定の高圧状態(図3
(b)の圧力a)を維持するよりも、液体圧力の増加に要
する力(昇圧ピストン16の駆動力)を小さくすることが
できる。したがって、昇圧ピストン16及び昇圧ユニット
17の仕様を簡素化することが可能となり、また、水圧を
一定の高圧状態に維持する場合に比して、パイプ壁面へ
と与える影響を小さく抑えることができる。
【0037】また、必要時以外はパイプ内の水圧を大気
圧に抑えることで、パイプ1内部への給水を、大気圧で
行なうことができる。よって、給水タンク18から重力落
下によりパイプ1内部へと水を供給することができ、従
来のごとく液圧シリンダ11等を用いた給水設備に比べ、
構造の簡素化を図ることができる。
【0038】さらに、必要に応じて、ポンチ4の振動の
周期及びタイミングと、水圧の振動の周期及びタイミン
グを調整することができるので、穿孔を行なうパイプの
仕様(内径、断面形状、長さ、材質等)に応じ、最適の
条件で穿孔作業を行なうことができる。
【0039】また、ポンチ4を駆動するための打ち抜き
ユニットにおいて、クランク22には、回転軸22aの半径
方向に延びる長穴22bを形成し、長穴22bに対しコンロ
ッド23の一端部に設けたピン23aを嵌め合わせて、クラ
ンク22とコンロッド23とを連結たことにより、クランク
22とコンロッド23との連結部(長穴22b及びピン23a)に
おける位置関係を、長穴22b内をピン23aが移動し得る
範囲内で自由に変更可能としている。したがって、ポン
チ4による穿孔が進むに従い、ポンチ4の送り量を増加
させることが可能となる。そして、穿孔の前後で必要と
なるポンチ4のストローク(パイプ1壁面の圧さ+α)
を、長穴22bとピン23aとの相対位置の変化で発生させ
つつ、クランク機構に無理な力が負荷されることを防止
することができる。よって、打ち抜きユニット15の信頼
性、耐久性を向上させることができる。
【0040】さらに、穿孔時には、ポンチ4でパイプ1
へと振動打撃を付与するタイミングをピークとして、パ
イプ1内の水圧を振動させ、その他の時は、水圧を低下
させることで、昇圧ピストン16及び昇圧ユニット17の仕
様を簡素化することが可能となる。また、水圧を一定の
高圧状態に維持する場合に比して、パイプ壁面へと与え
る影響を小さく抑え、高品質のパイプ製品を提供するこ
とができる。
【0041】なお、本発明の実施の形態に係るハイドロ
ピアス方法は、丸パイプ、角パイプその他の多角形パイ
プや、湾曲したパイプ等様々な形態のパイプに用いるこ
とが可能である。また、パイプの材質も特に制限される
ものではない。
【0042】図5には、図1のハイドロピアス装置の給
水タンク18に代えて、給水ポンプ26及び給水ポンプ26を
駆動するモータ27を設けたものである。本発明の実施の
形態によれば、パイプ1内部への給水を大気圧で行なう
ことができるので、給水ポンプ26及び駆動するモータ27
に要求される条件は過酷なものではなく、従来のごとく
液圧シリンダ11等の倍力手段は必要ない。よって、かか
る変更が設備コストの大幅な増加を来すものではない。
しかも、給水ポンプ26及びモータ27を用いれば、給水タ
ンク1に比してパイプ1への注水時間を短縮することが
できるので、穿孔作業のサイクルタイムを短縮すること
ができるという利点がある。
【0043】図6には、ポンチ4の先端部形状を例示し
ている。本発明の実施の形態に係るハイドロピアス方法
では、ポンチ4の先端部形状として、図6(a)に示す片
傾斜のものや、図6(b)に示す平坦のもの、図6(c)に
示す凹状のもの等、様々な形状のポンチを用いることが
可能である。そして、図6(a)に示す片傾斜のポンチ4
は、穿孔に要する圧力が最も少なくて良く、図6(b)に
示す平坦のポンチ4’は、ポンチの耐久性が高くかつパ
イプ1の平面に先端部の全体が同時に当るので、穿孔端
部の品質が高い。また、図6(c)に示す凹状のポンチ
4”は、工具単価は高くなるが、ポンチ4,4”の利点
を兼ね備えるというという特徴を夫々有している。
【0044】本発明の実施の形態では、ポンチ4に所定
周期の打撃駆動力を付与するポンチ振動手段として打ち
抜きユニット15を用い、水に所定周期の圧力振動を付与
する液圧振動手段として昇圧ピストン16及び昇圧ユニッ
ト17を用いている。しかしながら、打ち抜きユニット15
及び昇圧ユニット17のごとき、クランク機構を用いた駆
動手段に代えて、電磁誘導により駆動される電磁ハンマ
を用いることも可能である。そして、かかる電磁ハンマ
によれば、ポンチ4の振動の周期及び位相と、水圧の振
動の周期及び位相をコイルに与える電流によって容易に
制御することが可能となり、両者の振動の周期及びタイ
ミングをより広範囲に制御することが可能となる。ま
た、図3(b)に示した水圧の波形を、ピーク状波形から
例えば矩形波に近いものとする等、加工条件を自由に変
更することも可能となる。
【0045】さらに、本発明の実施の形態に係るハイド
ロピアス装置は、従来のハイドロピアス装置(図8)に比
して構成が単純なので、本発明の実施の形態に係るハイ
ドロピアス装置を、従来のハイドロフォーム用金型に組
み込むことも容易である。そして、ハイドロフォーム用
金型に本発明の実施の形態に係るハイドロピアス装置を
組み込むことで、当該金型内に成型された製品に対し、
金型内部で穿孔を行なうことが可能となる。
【実施例】
【0046】本発明者らは、本発明の実施の形態に係る
ハイドロピアス装置を用い、加工条件を種々に代えて穿
孔実験を行なった。図7にその実験結果を示す。
【0047】本実験における供試材は、50mm角、厚さ2.
5mm、長さ150mmのアルミ材である。また、加工条件とし
て、パイプ内の水の有無、ポンチの振動の有無、
ポンチの振動に同期させた水圧振動の有無を与えて、穿
孔試験を行なった。パイプ内圧は、ピーク時で大気圧よ
り1×107Pa(100bar)ほど高い値に設定している。参
考までに、従来のハイドロピアス方法(図8参照)におけ
るパイプ内圧は、常時、大気圧より1×108Pa(1000ba
r)ほど高い値に設定している。
【0048】図7に試験結果を示す。図7のグラフの縦
軸は、穿孔端部に発生したバリの大きさを示している。
また、グラフの横軸は加工条件を示している。条件Aは
内圧、ハンマリング、同期共に無し、条件Bは内圧有り
でハンマリング及び同期無し、条件Cは内圧及びハンマ
リング有りで同期無し、条件Dは内圧、ハンマリング、
同期共に有りとなっている。
【0049】図7から明らかなように、条件Dは最もバ
リが小さく、続いて、条件C、条件B、条件Aと続いて
いる。そして、条件Dでは、従来のハイドロピアス法と
同等の穿孔品質を、従来の1/10のパイプ内圧で得ること
が可能となった。
【0050】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
ハイドロピアス装置によれば、ハイドロピアス法を実施
するための設備の簡素化を図ることが可能となり、高品
質の製品をより低コストで供給することが可能となる。
【0051】また、本発明の請求項2に係るハイドロピ
アス装置によれば、パイプ内部に密封した液体圧力の増
加に要する力を小さくして、前記液圧振動手段を簡素化
し、かつ、パイプ壁面へと与える圧力の影響を小さく抑
えることで、高品質の製品を低コストで提供することが
できる。
【0052】また、本発明の請求項3に係るハイドロピ
アス装置によれば、穿孔を行なうパイプの仕様に応じ、
最適の条件で穿孔作業を行なうことが可能となり、高品
質の穿孔作業を行なうことが可能となる。
【0053】さらに、本発明の請求項4に係るハイドロ
ピアス装置によれば、前記コンロッド及びクランクに過
度の負荷を与えることを防止し、前記ポンチ振動手段の
信頼性、耐久性を向上させることができる。
【0054】また、本発明の請求項5に係るハイドロピ
アス方法によれば、穿孔の際に前記パイプ外周面の膨張
変形を防ぐための壁面拘束を行なう必要がなくなるの
で、ハイドロピアス法を実施するための設備の簡素化を
図ることが可能となり、高品質の製品をより低コストで
供給することが可能となる。
【0055】また、本発明の請求項6に係るハイドロピ
アス方法によれば、パイプ内部に密封した液体圧力の増
加に要する力を小さくして、液体圧力を増加させるため
の設備の簡略化を図り、かつ、パイプ壁面へと与える圧
力の影響を小さく抑え、高品質の製品を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るハイドロピアス装置
を示す該略図である。
【図2】図1に示すハイドロピアス装置の、打ち抜きユ
ニットの構造及び動作の説明図である。
【図3】図1に示すハイドロピアス装置の、昇圧ユニッ
トの構造及び動作の説明図である。
【図4】昇圧ピストンの移動量と、ポンチの移動量との
関係を示す図である。
【図5】図1に示すハイドロピアス装置の応用例を示す
該略図である。
【図6】本発明の実施の形態に用いられるポンチの先端
部形状の模式図である。
【図7】図1に示すハイドロピアス装置を用い、加工条
件を変更して穿孔を行なった時の、穿孔端部のバリの大
きさの変化を示す図である。
【図8】従来のハイドロピアス装置を示す該略図であ
る。
【符号の説明】
1 パイプ 4 ポンチ 9 シール 10 シール 14 ポンチガイド 15 打ち抜きユニット 16 昇圧ピストン 17 昇圧ユニット 18 給水タンク 21 クランク機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ内部に密封した液体の圧力を利用
    して該パイプ壁面を内側から支え、ポンチにより前記パ
    イプに穿孔を行なうハイドロピアス装置であって、前記
    ポンチに振動打撃力を付与するポンチ振動手段を備える
    ことを特徴とするハイドロピアス装置。
  2. 【請求項2】 前記液体に圧力振動を付与する液圧振動
    手段を備えることを特徴とする請求項1記載のハイドロ
    ピアス装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンチ振動手段及び前記液圧振動手
    段のうち少なくとも一方の作動制御手段を備えることを
    特徴とする請求項1または2記載のハイドロピアス装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ポンチ駆動手段はクランク機構を備
    え、該クランク機構のクランクとコンロッドとの連結部
    を、長穴とピンで連結したことを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項記載のハイドロピアス装置。
  5. 【請求項5】 パイプ内部に密封した液体の圧力を利用
    して該パイプ壁面を内側から支え、ポンチにより前記パ
    イプに穿孔を行なう方法であって、前記パイプに密封し
    た液体を、前記パイプ外周面に膨張変形が生じない圧力
    に加圧し、前期ポンチにより前記パイプに振動打撃を付
    与して穿孔を行なうことを特徴とするハイドロピアス方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ポンチで前記パイプへと振動打撃を
    付与するタイミングをピークとして、前記液体の圧力を
    振動させることを特徴とするハイドロピアス方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005080019A1 (ja) * 2004-02-20 2005-09-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. ハイドロフォーム成形品、並びにハイドロフォーム加工方法およびそれに用いられる金型

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