JP2001259655A - 上水処理における凝集処理方法及び装置 - Google Patents

上水処理における凝集処理方法及び装置

Info

Publication number
JP2001259655A
JP2001259655A JP2000074564A JP2000074564A JP2001259655A JP 2001259655 A JP2001259655 A JP 2001259655A JP 2000074564 A JP2000074564 A JP 2000074564A JP 2000074564 A JP2000074564 A JP 2000074564A JP 2001259655 A JP2001259655 A JP 2001259655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
polymer
ferric chloride
guar gum
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000074564A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Kataoka
克之 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2000074564A priority Critical patent/JP2001259655A/ja
Publication of JP2001259655A publication Critical patent/JP2001259655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマ使用量が少なくても、非常に沈降性の
良好なフロックが形成され、高速の固−液分離が実現
し、モノマ残留問題を解消する、上水処理用の凝集処理
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せ
しめた塩化第2鉄水溶液を添加混合した後、合成有機高
分子凝集剤を添加して攪拌し、フロックを形成させるこ
とを特徴とする水処理における凝集処理方法。グアガム
を溶存せしめた塩化第2鉄水溶液を添加混合した際、急
速攪拌をし、合成有機高分子凝集剤を添加した際、急速
攪拌し、次いで緩速攪拌を行うことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水処理における
凝集分離工程に適用する新規な凝集処理方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】上水処理場における凝集処理において使
用されている凝集剤として、従来から、硫酸アルミニウ
ム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)の2種類だけが利
用されており、鉄系凝集剤は使用されたことがなかっ
た。これらの無機凝集剤は、何れも単独使用のみでは十
分大きなフロックを形成することが困難な性質を有して
いる。従って凝集沈殿工程や砂濾過工程のような固−液
の分離速度が小さい。凝集分離工程から排出される汚泥
の沈降濃縮、および脱水性も悪くなる。特に、処理対象
の原水の富栄養化が進み、ミクロキスチスなどの藻類が
多量に含まれる原水では、PAC又は硫酸バンド等の凝
集剤の処理のみでは、極めて沈降性の悪いフロックしか
形成されない。このためフロックが浮上してしまう現象
も生じ、藻類の効果的な除去を困難にする。
【0003】また、最近では、飲料水中のアルミニウム
イオンが、アルツハイマー症の一原因になる可能性が指
摘されている。上水処理以外の排水処理分野では、従
来、各種の合成高分子凝集剤、例えば、ポリアクリルア
ミドなどが、フロック形成を促進するために多用されて
いる。しかし、上水処理には、合成有機高分子凝集剤の
安全性になお心配があるため、使用が公的に認可されて
いない。しかしながら、外国の上水処理では、合成高分
子凝集剤(以下ポリマと略す)の使用が認可されている
などの事情から、日本でも近い将来に、ポリアクリルア
ミド系高分子凝集剤の使用を許可する気運が出てきてい
る。
【0004】しかし、ポリマ中には毒性のあるアクリル
アミドモノマが含まれているので、上水処理水のモノマ
濃度が厳しく規制される模様である。したがって、当
然、ポリマの使用量としては多量に添加することができ
ず、極力少量であることが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者の
この点に注目した試験結果によれば、ポリマを0.3m
g/リットル程度注入しても、さして沈降性のよいフロ
ックが形成されず、かなり多量、例えば、0.6mg/
リットル以上に注入しない限り、沈降性の良いフロック
が形成されない場合が多いことが認められた。特に富栄
養化が進んだ湖沼から上水用原水を取水する場合、無機
凝集剤を多量に注入しないと良好な処理水質、特に色度
が得られにくいが、このような無機凝集剤を多量に必要
とする原水ほど、ポリマを多量に注入しないと沈降性の
大きなフロックが形成されないことが認められた。
【0006】ここに大きな問題が発生する。すなわち、
ポリマを多量に注入すると必然的に処理水のモノマ残留
量が増加することになり、上水処理水中のモノマ濃度規
制値である0.00005mg/リットル以下という濃
度を越えてしまうという問題である。
【0007】本発明はこの問題点を解決しようとする技
術であり、ポリマ使用量が少なくても、非常に沈降性の
良好なフロックが形成される上水処理用の凝集処理方法
を提供し、ポリマ使用時のモノマ残留問題を解決するこ
とを課題とする。更に前記のポリマ使用時にフロック沈
降性を向上させ、より高速の固−液分離を実現すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の諸欠点を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、上
水処理における凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せ
しめた塩化第2鉄を添加混合した後、合成有機高分子凝
集剤のポリマを添加して攪拌すると、ポリマ添加量が微
量でも驚くほどの良好な凝集促進効果を顕示し、沈降性
の良いフロックが形成されることを見出した。そして、
この結果モノマ残留問題を解決できることが判った。
【0009】本発明は、上記知見により到達したもので
あり、次の手段により前記の課題を解決した。 (1)凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せしめた塩
化第2鉄水溶液を添加混合した後、合成有機高分子凝集
剤を添加して攪拌し、フロックを形成させることを特徴
とする上水処理における凝集処理方法。 (2)凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せしめた塩
化第2鉄水溶液を添加混合した際、急速攪拌をし、合成
有機高分子凝集剤を添加した際、急速攪拌し、次いで緩
速攪拌を行うことを特徴とする前記(1)記載の上水処
理における凝集処理方法。 (3)凝集処理対象原水の導入管、グアガムを溶存せし
めた塩化第2鉄水溶液の添加装置と合成有機高分子凝集
剤の添加装置を設け、攪拌機を備えた、攪拌によりフロ
ックを形成させる凝集処理槽を有することを特徴とする
上水処理における凝集処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施の形
態を詳細に説明する。本発明において、塩化第2鉄水溶
液に溶かして用いるグアガムは、インド地方原産の豆科
植物種子の胚乳であり、成分はガラクトースとマンノー
スからなる水溶性多糖類であり、食品添加物として公認
されている安全性の高い物質である。さらに、その混合
条件については、グアガムを溶存せしめた塩化第2鉄水
溶液を添加混合した際には、急速攪拌を行い、さらに合
成有機高分子凝集剤を添加した際には、最初急速攪拌
し、次いで緩速攪拌を行うことが良いことが分かった。
本発明に用いる合成有機高分子凝集剤としては、ポリア
クリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリル酸
等がある。
【0011】以下に、本発明の達成に至る研究過程中に
見出された重要知見を列記する。 (イ)PAC、硫酸ばんど、ポリ硫酸第2鉄などの従来
公知の無機凝集剤にグアガムを溶解したものとポリマを
併用した場合、ある程度のフロック径の増加効果が認め
られるが、本発明のような顕著なフロック径増加効果は
認められない。グアガムを塩化第2鉄に溶解した液とポ
リマを併用する場合にだけ、ポリマ注入量を減少させて
も沈降性が非常に良好なフロックが形成できる。 (ロ)グアガム以外の植物生産多糖類(アラビアガム、
モロヘイヤ抽出多糖類、キサンタンガム、澱粉、タマリ
ンド、アルギン酸ソーダ)を塩化第2鉄に添加したもの
とポリマを併用した場合、ポリマ削減効果は認められな
い。
【0012】上記の知見により完成した本発明の処理方
法を、上水処理などの水処理に適用して、強力なフロッ
ク形成作用を持った凝集処理を容易に実施できる。特に
ポリアクリルアミド系ポリマの使用が公的に認可された
場合に、ポリマ使用量を削減でき、上水処理水へのモノ
マ残留量を減少できる。
【0013】上水処理などの凝集処理を行おうとする原
水に本発明の凝集処理技術を適用するには、まず凝集攪
拌槽内の原水に、グアガム溶存塩化第2鉄水溶液を予め
設定した容量を添加し、30秒〜1分程度急速攪拌した
後、ポリマを少量注入し2〜3分程度急速攪拌を続けた
のち、緩速攪拌を5〜10分程度行うことが好ましい。
この処理により、驚くほど大きなフロックが形成し、沈
殿槽及び濾過槽において、300〜350mm/min
という上水処理分野では従来考えられなかった極めて大
きな沈降速度で固−液の分離がなされた。
【0014】本発明の凝集処理方法が、上記のように優
れた凝集フロック形成効果を奏するメカニズムは、今の
ところ明確になっていないが、以下の様に推測するに難
くない。すなわち、塩化第2鉄水溶液に、第2鉄イオン
と反応してゲル化や不溶化しないグアガムを添加して攪
拌すると、きわめて高粘性の水溶液が生成し、単に水に
同一濃度のグアガムを溶解させた液の粘度よりも3倍程
度大きいことが認められた。 この理由は、グアガムは
単に塩化第2鉄中に溶解しているのではなく、第2鉄イ
オンとグアガムが化学反応して、複雑な高分子化合物を
形成していることを示唆している。この高分子化合物が
後から添加されるポリマ分子と強力に架橋するため、顕
著なフロック形成が起きるのではないかと思考される。
なお、この説明はあくまでも仮定であって、本発明の技
術内容を制約するものではない。なお、第2鉄塩水溶液
中のグアガムの存在の有無は、ガスクロマトグラフ、高
速液体クロマトグラフィーの分離パターンチャートによ
って、容易に検出できる。
【0015】
【実施例】以下において、本発明を実施例により説明す
るが、本発明は、この実施例により、制限されるもので
はない。
【0016】実施例1(水処理用凝集剤の調製) ・グアガム溶存塩化第2鉄水溶液の調製 JIS規格の濃度38%(w/w)の塩化第2鉄水溶液
に、クアガムを各々1%(w/w)濃度になるように添
加し、30分攪拌した。添加したクアガムは、強酸性塩
化第2鉄水溶液中に容易に溶解し、ゲル化又は不溶化に
よる析出は認められなかった。
【0017】実施例2(凝集試験) 千葉県F上水場原水(水質;濁度4.1度、色度69
度、pH8.0、水温16℃、Mアルカリ度112mg
/リットル、過マンガン酸カリウム消費量10.3mg
/リットルを採取し、実施例1で作成したグアガム1%
溶存塩化第2鉄水溶液(塩化第2鉄濃度38%)を、塩
化第2鉄として40.5mg/リットル添加(この薬注
率でのグアガム注入率は1mg/リットルになる)し、
ジャーテスターで150rpmで1分間急速攪拌したの
ち、アニオン系ポリアクリルアミド(エバグロースA1
50p)を各種添加率で添加し、更に2分急速攪拌した
後、50rpmで10分緩速攪拌した。ジャーテスト終
了後フロックの沈降速度を測定した。塩化第2鉄注入率
を40.5mg/リットルに設定した理由は、この注入
率で凝集処理水の溶解性色度が、上水基準の5度以下を
満足するためである。塩化第2鉄注入率がこれ以下の注
入率では、処理水色度が5度を満足しない。
【0018】比較例として以下に記載する方法を試験し
た。攪拌条件は、上記実施例2の方法と同じである。 (1)塩化第2鉄を注入後ポリマ(エバグロースA15
0P)を添加。 (2)塩化第2鉄を添加した後、クアガムとエバグロー
スを添加。 この結果をそれぞれ第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】本発明の凝集処理方法の場合に、ポリマ注
入率が少なくても極めて沈降性の良いフロックが形成さ
れた。また、ポリマ注入率が同一量で比較すると、本発
明の方法が比較例のどの条件よりも最もフロック沈降性
が優れていた。この結果から、本発明のグアガム溶存塩
化第2鉄は、ポリマと併用するとフロック沈降性に関
し、相乗効果を示すことが確認された。また比較例2の
ポリマー注入率0.8mg/リットルで、フロック沈降
速度220mm/minを、本発明ではポリマー注入率
が約半分の0.4mg/リットルで達成できる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、上記において詳細に説明した
ように構成されているので、塩化第2鉄とポリマを併用
する方法より著しくフロック沈降性が大きく、従ってポ
リマ注入率を削減できる結果モノマ残留問題を軽減で
き、かつ高速度で沈降分離できる。すなわち、飲料水と
しての安全性に問題があるモノマを含有すポリマを多量
に使用せずに、大粒径フロックが形成されるので、上水
処理にきわめて安全性が高い凝集処理技術を提供でき、
凝集沈殿工程を顕著に高速処理化できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せ
    しめた塩化第2鉄水溶液を添加混合した後、合成有機高
    分子凝集剤を添加して攪拌し、フロックを形成させるこ
    とを特徴とする上水処理における凝集処理方法。
  2. 【請求項2】 凝集処理対象原水に、グアガムを溶存せ
    しめた塩化第2鉄水溶液を添加混合した際、急速攪拌を
    し、合成有機高分子凝集剤を添加した際、急速攪拌し、
    次いで緩速攪拌を行うことを特徴とする請求項1記載の
    上水処理における凝集処理方法。
  3. 【請求項3】 凝集処理対象原水の導入管、グアガムを
    溶存せしめた塩化第2鉄水溶液の添加装置と合成有機高
    分子凝集剤の添加装置を設け、攪拌機を備えた、攪拌に
    よりフロックを形成させる凝集処理槽を有することを特
    徴とする上水処理における凝集処理装置。
JP2000074564A 2000-03-16 2000-03-16 上水処理における凝集処理方法及び装置 Pending JP2001259655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074564A JP2001259655A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 上水処理における凝集処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074564A JP2001259655A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 上水処理における凝集処理方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001259655A true JP2001259655A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18592588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000074564A Pending JP2001259655A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 上水処理における凝集処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001259655A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1308249C (zh) * 2005-09-19 2007-04-04 柳生 水处理增效剂

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1308249C (zh) * 2005-09-19 2007-04-04 柳生 水处理增效剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102295335B (zh) 絮凝剂组合物
CN103342406B (zh) 聚合硅酸聚合硫酸钛无机高分子复合絮凝剂及其制备方法与应用
JPS63130189A (ja) 水処理方法及び水処理用凝集剤
JP2018020292A (ja) 低アクリルアミド凝集剤組成物、低アクリルアミド凝集剤組成物を使用する方法
CN107720912A (zh) 聚硅酸铝铁‑二甲基二烯丙基氯化铵复合絮凝剂的制备方法
JP2011139997A (ja) 廃水の凝集処理方法
JP5423256B2 (ja) 汚泥脱水方法及び汚泥脱水装置
CN108495821A (zh) 用于从废水中去除硫酸盐和金属的组合物和方法
JPH06182362A (ja) 染色廃水処理法
JP2011131167A (ja) 廃水の凝集処理方法
JP2001219005A (ja) 凝集剤及び水処理における凝集処理方法
CN103964554A (zh) 聚合硫酸钛-聚二甲基二烯丙基氯化铵复合混凝剂及其制备与应用方法
JP4158127B2 (ja) 六価クロム汚染水処理用特殊固体微粉末状凝集剤組成物及びそれを用いる処理方法
CN103896385B (zh) 一种两性田菁胶助凝剂及其制备方法和应用方法
JP2008126168A (ja) 廃水の凝集沈殿処理方法
JPS62289300A (ja) 汚泥脱水剤
JP2001259655A (ja) 上水処理における凝集処理方法及び装置
JP2006297189A (ja) 凝集沈殿組成物及びこれを用いた汚水浄化方法
JP2000015008A (ja) 水処理凝集助剤および凝集処理方法
JP4619978B2 (ja) ニッケル含有廃水の処理方法
CN110577254A (zh) 用于煤化工、焦化等化工行业的净水剂及其制备方法
JP3225266B2 (ja) 藻類含有水の処理方法
JPH11216478A (ja) 水の凝集処理方法および無機凝集剤
CN103043763A (zh) 多效海水絮凝剂制备方法
JP2001340869A (ja) 上水処理における凝集処理方法