JP2001258565A - 遺伝子の発現を促進させ得る核酸 - Google Patents

遺伝子の発現を促進させ得る核酸

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JP2001258565A
JP2001258565A JP2000078897A JP2000078897A JP2001258565A JP 2001258565 A JP2001258565 A JP 2001258565A JP 2000078897 A JP2000078897 A JP 2000078897A JP 2000078897 A JP2000078897 A JP 2000078897A JP 2001258565 A JP2001258565 A JP 2001258565A
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Toshio Hara
敏夫 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝子の発現を誘導又は促進し得る核酸を提
供する。 【解決手段】 本発明は、遺伝子の発現を誘導又は促進
し得る核酸に関し、この核酸は、ニワトリリゾチームの
分泌シグナル配列、SF162型HIVgp120の分
泌シグナル配列である。SF2型HIVgp120は固
有のシグナル配列を備えている場合には、人工的に遺伝
子を発現させることが困難であったが、この固有のシグ
ナル配列を上記二つの分泌シグナル配列に置換すること
により、その発現を誘導することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子の発現の上
昇に関与する核酸に関し、特に、遺伝子から転写産物の
生成を促進し、翻訳産物の生成を促進させ得る核酸に関
する。また、本発明は、この核酸を用いて発現されたS
F2型HIVgp120の発現ベクターなどに関する。
さらに、本発明は、このような遺伝子の発現を促進し得
る核酸を検出するための方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子は、ゲノムの複製という形で生物
個体の遺伝形質を次世代に保存するのみならず、遺伝子
自身がもつ情報をそれ自身が含むプログラムに従ってR
NAや蛋白質という機能性のある遺伝子産物を表現して
いる。この遺伝子からの遺伝子産物の表現が遺伝子発現
であり、主として、遺伝子からRNAを作り出す転写
と、RNAから蛋白質が作り出される翻訳とが含まれ
る。こうした遺伝子発現によって、生体における様々な
分子複合体、細胞小器官、細胞、組織等の形成や組織化
が実現され、また、生体を多様な環境に適応させること
を可能としている。
【0003】この遺伝子発現は、時間、環境等により高
度に制御されている。例えば、転写における制御因子に
は、遺伝子上に存在するプロモータ、オペレータなどの
シス因子、このシス因子と親和性を有するアクチベータ
などのトランス因子などがある。同様に、翻訳過程で、
翻訳の促進、抑制を行う因子なども存在する。こうした
遺伝子発現における制御因子は、in vitro、in vivoで
遺伝子を発現させ、人為的に発現産物を生成させる際な
どに有用である。そのため、これら遺伝子発現の制御因
子について種々研究が進められ、多くの制御因子が検出
されている。
【0004】一方、上述した制御下で最終的に発現され
る蛋白質は、組織形成などのために生体内の必要な場所
に移行する必要がある。蛋白質の移行に関与する因子と
して、従来からシグナルペプチドの存在が知られてい
る。このシグナルペプチドは、プレ蛋白質のN末端に形
成される。そして、このシグナルペプチドによって、最
終的な蛋白質は、細胞外への分泌、膜への結合、核内へ
の移行というように適切な場所に誘導される。
【0005】例えば、ミツバチのメルチンシグナルペプ
チドでは、これを蛋白質に導入することにより細胞内で
生成された該蛋白質の分泌を促進させることができるこ
とが示され(GENE 98:177-183(1991))、これを利
用した蛋白質合成システムが実用化されている(「pM
elBac」高レベル分泌型発現ベクター、Invit
rogen社)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、シグナ
ルペプチドによる蛋白質の分泌促進が報告されているの
は、ハチ毒のシグナルペプチドだけであり、その他のシ
グナルペプチドが同様の活性を有するかは明らかになっ
ていなかった。
【0007】また、従来のハチ毒のシグナルペプチド
は、蛋白質の分泌を促進させると考えられていた。すな
わち、従来、このような遺伝子の発現調節は、転写調節
因子は転写過程を、翻訳調節因子は翻訳過程を調節し、
さらに、シグナルペプチドは最終産物の移行を誘導する
と考えられており、シグナルペプチドをコードする遺伝
子(以下、シグナル配列)が翻訳後の修飾、蛋白質の移
行以外の活性を有するとは考えられていなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、ニワトリ
リゾチームの分泌シグナル、SF162型HIVgp1
20の分泌シグナルを用いた研究を進めていく過程で、
これら分泌シグナルも蛋白質の分泌を促進し得ることを
発見した。さらにこれら分泌シグナル配列は、転写をも
調節し得ることを見出し、本願発明に至った。
【0009】すなわち、本願発明は、第一の側面は、上
記シグナル配列を遺伝子の発現を実行又は促進させるた
めに利用することである。
【0010】具体的には、プロモータに発現可能に連結
される任意の構造遺伝子の上流に挿入され、前記プロモ
ータからの前記構造遺伝子の発現を実行又は促進させ得
る核酸であって、前記核酸が、ニワトリリゾチームの分
泌シグナル配列又はSF162型ヒト免疫不全症候群ウ
イルス(HIV)gp120の分泌シグナル配列である
ことを特徴とする。
【0011】本発明によれば、遺伝子発現がほとんど観
察されないか又は発現レベルが低いものであっても、上
記シグナル配列を目的の構造遺伝子の上流に連結するこ
とにより、その遺伝子発現の実行を可能にするか又はそ
の発現レベルを促進させることが可能となる。
【0012】ここで、「遺伝子発現」とは、転写、翻
訳、翻訳後の修飾および修飾後の蛋白質の分泌を含む。
【0013】また、上記ニワトリリゾチームの分泌シグ
ナル配列は、例えば、配列番号1に示す配列であり、ま
た、前記SF162型ヒト免疫不全症候群ウイルス(H
IV)gp120の分泌シグナル配列は、例えば、配列
番号11に示す配列である。
【0014】本発明は、構造遺伝子の発現を実行又は促
進させるための発現カセットであって、前記構造遺伝子
に発現可能に接続されるプロモータと、前記構造遺伝子
の上流に配置され、前記プロモータから前記構造遺伝子
と一体的に発現される分泌シグナル配列と、前記構造遺
伝子の下流に配置される3'UTRと、を備え、前記分
泌シグナル配列が、ニワトリリゾチームの分泌シグナル
配列又はSF162型ヒト免疫不全症候群ウイルス(H
IV)gp120の分泌シグナル配列であることを特徴
とする。
【0015】このように発現カセットとして提供し、所
望の構造遺伝子を接続することにより、容易に遺伝子産
物、例えば、転写産物であるmRNA、翻訳産物である
蛋白質を得ることが可能となる。
【0016】上記発現カセットにおいて、前記プロモー
タ及び前記3'UTRとして、バキュロウイルスのポリ
ヘドリン由来のものを好適に用いることができる。バキ
ュロウイルスのポリヘドリン由来のプロモータを用いる
ことにより、転写活性を高めることができる。
【0017】また、上記発現カセットは、ベクターに担
持させ発現ベクターとして提供することも好適である。
【0018】このように発現カセットをベクターに担持
させることにより、自己複製能を持たせることが可能と
なる。そのため、構造遺伝子が挿入された発現ベクター
を適当な宿主細胞に導入保持させることにより、遺伝子
発現を安定して行わせることができる。
【0019】このベクターとしては、例えばバキュロウ
イルスベクターを用いることができる。そして、このバ
キュロウイルスベクターを用いた発現ベクターの場合に
は、宿主細胞である昆虫細胞とともに提供することによ
り、所望の遺伝子産物、mRNA、蛋白質等の生成を一
層容易に行うことが可能となる。
【0020】また、本発明の第二の側面は、従来、発現
が困難であったSF2型HIVgp120を、上記分泌
シグナル配列を用いて、その発現を実行、促進させるこ
とである。
【0021】具体的には、前記SF2型HIVgp12
0と、前記SF2型HIVgp120の上流に連結され
た分泌シグナル配列と、前記分泌シグナル配列が連結さ
れたSF2型HIVgp120を発現させ得るように、
前記分泌シグナル配列を挟んで前記SF2型HIVgp
120の上流に接続されたプロモータと、前記SF2型
HIVgp120の下流に接続された3'UTRと、を
有し、前記分泌シグナル配列が、ニワトリリゾチームの
分泌シグナル配列又はSF162型ヒト免疫不全症候群
ウイルス(HIV)gp120の分泌シグナル配列であ
ることを特徴とする。
【0022】SF2型HIVgp120は、この遺伝子
に固有のシグナル配列を備えた発現ベクターに接続して
もgp120の発現が観察されないが、上記分泌シグナ
ル配列に置換することにより、その発現を実行、促進さ
せることが可能となる。
【0023】また、上記SF2型HIVgp120発現
カセットは、ベクターに担持したSF2型HIVgp1
20発現ベクターとして提供することができる。さら
に、SF2型HIVgp120発現カセット又はベクタ
ーに担持したSF2型HIVgp120発現ベクターを
細胞、好適には、昆虫細胞内に導入して、SF2型HI
Vgp120発現細胞として提供することができる。
【0024】これら構成により、SF2型HIVgp1
20蛋白質の生成を容易にし、また、この発現細胞など
から発現されたSF2型HIVgp120蛋白質は、天
然のSF2型HIVgp120蛋白質と同様の生物活
性、CD4+T細胞との結合能を有することから、ワク
チンの開発、抗体の開発に寄与することが期待できる。
【0025】本発明の第三の側面は、既知の分泌シグナ
ル配列には、遺伝子の発現を促進させ得る活性を有する
ものがあり、特に、これらの遺伝子発現の促進活性は、
少なくとも転写レベルの促進に起因するとの発見を利用
したものである。
【0026】すなわち、本発明は、被験体である分泌シ
グナル配列がモニタ遺伝子の発現を実行又は上昇させ得
るかを判定する方法であって、ベクター上のプロモータ
と3'UTRとの間に、前記分泌シグナル配列が上流に
連結されたモニタ遺伝子を前記プロモータから発現され
得るように接続して発現ベクターを調製する発現ベクタ
ー調製工程と、前記発現ベクターを細胞に導入する細胞
導入工程と、前記細胞における前記モニタ遺伝子の発現
量を測定する測定工程と、を含み、前記測定工程におい
て、前記モニタ遺伝子の転写産物を測定することによ
り、前記発現量が測定されることを特徴とする。
【0027】また、本発明は、被験体である分泌シグナ
ル配列がモニタ遺伝子の発現を上昇させ得るかを判定す
るための判定システムであって、プロモータと3'UT
Rとを備え、前記プロモータから発現可能に、前記分泌
シグナル配列が上流に連結された前記モニタ遺伝子を接
続させる発現ベクターと、前記モニタ遺伝子が接続され
た前記発現ベクターを導入して前記モニタ遺伝子を発現
させる細胞と、を含み、前記細胞における前記モニタ遺
伝子の発現量に基づき、前記被験体である核酸がモニタ
遺伝子の発現を上昇させ得るかが判定されることを特徴
とする。
【0028】一般に、細胞分泌液などから特定の蛋白質
を検出するためには、抗体を利用しなければならない。
また、この抗体作製には、生成時間及びコストを要す
る。一方、転写産物の検出は、合成DNAなどの比較的
入手、作成が容易なものを用いて実施することが可能と
なる。そのため、上記構成によれば、被検体である分泌
シグナル配列における遺伝子発現促進活性を簡便に判定
することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
説明する。
【0030】[第一の実施形態] 遺伝子発現を促進させ
得る核酸 本実施の形態における遺伝子発現を促進させ得る核酸
は、翻訳後の修飾、蛋白質の輸送に関与する分泌シグナ
ル配列であり、具体的には、ニワトリリゾチームの分泌
シグナル配列、SF162型HIVgp120の分泌シ
グナル配列である。
【0031】これら分泌シグナル配列は、翻訳後の修飾
やプロセシングなど、翻訳以降の工程に関与すると考え
られていたが、本願発明者は、遺伝子の転写の過程をも
調節し、その実行、促進を行うことができることを見い
だした。
【0032】従って、本実施形態の核酸は、蛋白質を生
成するための翻訳の過程を実行、促進させるのみなら
ず、RNAを生成するための転写過程を実行、促進させ
るために使用することもできる。
【0033】また、本実施形態の核酸は、分泌シグナル
配列であり、翻訳により生成された蛋白質を細胞外に分
泌させる目的で使用することもできる。このように、蛋
白質を細胞外に分泌させることにより、蛋白質の精製を
簡易にすることができる。
【0034】上記ニワトリリゾチームの分泌シグナル配
列を、配列番号1に示し、その分泌シグナルペプチドを
配列番号2に示す。また、SF162型HIVgp12
0の分泌シグナル配列を配列番号11に示し、その分泌
シグナルペプチドを配列番号12に示す。
【0035】これら配列は、上記遺伝子の発現活性を維
持し得る範囲で改変することができる。この改変とし
て、置換、削除、付加などを含めることができる。こう
して改変された核酸配列は、遺伝子発現の実行、促進活
性を有する限り、本発明における「遺伝子発現を実行、
促進させ得る核酸」に包含される。
【0036】上記ニワトリリゾチームの分泌シグナル配
列の生成は、ニワトリの染色体から直接得てもよく、ま
た、簡便には、上記配列番号1に基づいてDNA合成機
により合成することもできる。
【0037】SF162型HIVgp120の分泌シグ
ナル配列も同様に、SF162型HIVの染色体遺伝子
より得てもよく、また、簡便には、上記配列番号11に
基づいて合成DNAにより合成することもできる。
【0038】また、これら分泌シグナル配列を用いて遺
伝子の発現を実行、促進させるためには、これら分泌シ
グナル配列を目的の構造遺伝子の上流に連結する。この
連結の際には、プロモータからの転写の際に、分泌シグ
ナル配列の読み枠が構造遺伝子の読み枠と同一となり、
かつ、構造遺伝子と一体に転写されるように実行する。
【0039】このように分泌シグナル配列を利用して構
造遺伝子の発現を実行、促進させるためには、この分泌
シグナルを備えた発現カセットを構成することができ
る。
【0040】発現カセットの構成としては、分泌シグナ
ル配列を所望の構造遺伝子の上流に連結し、これをプロ
モータの下流に配置する。さらに、構造遺伝子の下流に
は、3'UTRを配置することができる。
【0041】この発現カセットに用いられるプロモータ
は、特に限定はなく、この発現カセットが導入される宿
主細胞においてプロモータとして機能するものであれば
任意に選択して用いることができる。また、このプロモ
ータには、発現レベルの高いプロモータを用いることが
好適である。また、UTRは、例えば、プロモータと同
一の由来のものを用いることができる。
【0042】例えば、昆虫細胞で機能するプロモータ、
UTRとしては、バキュロウイルスのポリヘドリンプロ
モータ(配列番号16)などを用いることができる。
【0043】また、上記発現カセットのフランキング領
域には、上記構造遺伝子の発現の実行、促進に影響のな
い範囲で、他の核酸配列を備えることができる。例え
ば、フランキング領域にベクター配列を備えて、発現ベ
クターとして構成することも好適である。
【0044】ベクター配列を備えることにより、自己複
製能を付与することができるため、発現カセットの増幅
や宿主細胞への導入に有利となる。また、宿主細胞で複
製し得るベクターを用いることにより、発現カセットに
つながれている構造遺伝子の発現を宿主細胞内で安定的
又は継続的に実行させることができる。
【0045】ここで用いるベクターは、特に限定はな
く、原核生物において自己複製能を有するベクターを用
いても良い。このように原核生物において自己複製能を
有するベクターを用いることにより、原核生物内で発現
カセットを簡易にかつ迅速に複製させることが可能とな
る。このようなベクターとしては、例えば、pRB32
2、pUCなどのプラスミドベクターのほか、ファージ
ベクターを用いることもできる。
【0046】また、真核生物におけるベクターとして
は、例えば、バキュロウイルス、SV40などのウイル
スベクターなどを用いることができる。好適には、この
発現ベクターが導入される宿主細胞において複製能を有
するベクターを選択する。例えば、昆虫細胞を宿主細胞
とする場合には、バキュロウイルスベクターを用いるこ
とができる。また、このように発現ベクターを宿主細胞
とともに、発現用キットとして、提供することもでき
る。この発現ベクターに備えられた分泌シグナル配列の
下流に構造遺伝子をつなぐことにより、遺伝子発現を一
層簡易に実行させ、この結果、発現産物を容易に得るこ
とが可能となる。
【0047】[第二の実施形態] SF2型HIVgp1
20の発現 1.2.SF2型HIVgp120発現核酸 SF2型HIVは、CD4+T細胞に指向性を有するH
IVであり、一方、上述したSF162型HIVは、マ
クロファージに指向性を有するHIVである。(J. Vio
l., Vol. 64, p4390-4398 (1990)、Nature, Vol.349,
p167-169 (1991))。
【0048】このような標的細胞への指向性は、HIV
の糖蛋白質120(gp120)が関与することが明か
になっている。従って、このHIVgp120蛋白質
は、HIVに対する防御として有効な材料になることが
予想される。
【0049】しかし、SF2型HIVのgp120蛋白
質を人工的に発現させることが困難であるため、gp1
20蛋白質を人工的に産生させることができなかった。
【0050】そのため、上述したニワトリリゾチームの
分泌シグナル配列、SF162型HIVgp120の分
泌シグナル配列を、SF2型HIVgp120発現の実
行、促進のために用いることができる。
【0051】上記分泌シグナル配列を用いて、SF2型
HIVgp120発現を実行、促進させるためには、S
F2型HIVgp120の上流に備えられている固有の
分泌シグナル配列を上記ニワトリ由来、SF162型の
分泌シグナル配列に置換することができる。なお、配列
番号13には固有の分泌シグナル配列が備えられたSF
2型HIVgp120のcDNA配列を示す。また、配
列番号14には、固有のシグナル配列が除かれたSF2
型HIVgp120のcDNA配列を、配列番号15に
は、そのアミノ酸配列を示す。
【0052】従って、シグナル配列が除かれたSF2型
HIVgp120の上流に、配列番号1又は配列番号1
1に示すニワトリリゾチーム由来又はSF162型HI
Vgp120の分泌シグナル配列を備えることができ
る。
【0053】このように分泌シグナル配列が置換された
SF2型HIVgp120を実際に発現させるために
は、発現ベクターに上記構成を挿入することができる。
【0054】このベクターは、特に限定はなく、目的に
応じて選択することができる。例えば、gp120は糖
蛋白質であることから、糖鎖修飾可能な宿主細胞で複製
可能なベクターを用いることができる。このような宿主
細胞としては、例えば、昆虫細胞SF21などを用いる
ことができ、昆虫細胞を宿主として選択した場合には、
ベクターとしては、バキュロウイルスベクターを用いる
ことができる。
【0055】また、発現ベクター上には、プロモータ、
UTRなどが備えられるが、このプロモータ、UTRな
どは、ベクターと同様に宿主細胞で機能し得るものを選
択することができる。例えば、上記昆虫細胞を宿主とし
て用いる場合には、発現活性の高いバキュロウイルスポ
リヘドリンプロモータを好適に用いることができる。ま
た、これに対応して、UTRもポリヘドリン由来のもの
を用いることができる。
【0056】これらポリヘドリンプロモータ、UTRを
備えたバキュロウイルスベクターは、「pVL139
2」、「pVL1393」(Invitorogen
社)として市販されており、これを用いることができ
る。このpVL1392又は1393には、ポリヘドリ
ンプロモータの下流にマルチクローニングサイトが備え
られている。そのため、このクローニングサイトに、上
記ニワトリリゾチーム由来又はSF162型HIVの分
泌シグナル配列を備えたSF2型HIVgp120を挿
入することにより発現ベクターを生成することができ
る。
【0057】2.SF2型HIVgp120発現細胞 SF2型HIVgp120を安定的又は継続的に発現さ
せて、gp120発現産物を得るためには、上記発現ベ
クターを宿主細胞に導入し発現細胞を創生することが好
ましい。
【0058】例えば、上述したバキュロウイルスベクタ
ーを用いた発現ベクターでは、この発現ベクターをリポ
フェクチン法などによりバキュロウイルスに導入し、組
換えウイルスを作成する。そして、この組換えウイルス
を昆虫細胞に感染させることにより、上記発現ベクター
を昆虫細胞に導入することができる。
【0059】そして、創製された発現細胞内では、SF
2型HIVgp120mRNAが生成される。また、細
胞外には、天然のSF2型gp120が有するCD4+
T細胞へ結合能を保持したSF2型gp120糖蛋白質
を分泌させることができる。
【0060】従って、この発現細胞を用いることによ
り、SF2型gp120の大量生成が可能となり、HI
Vgp120のワクチンなどのHIVを防御するための
材料として用いることが可能となる。
【0061】[第三の実施形態] 分泌シグナル配列にお
ける遺伝子発現促進活性の判定方法 本願発明者は、分泌シグナル配列により遺伝子の転写が
実行、促進されて、遺伝子の発現が実行、促進されるこ
とを発見している。そのため、分泌シグナル配列を備え
た遺伝子の転写レベルをモニターすることにより、その
分泌シグナル配列が、転写、翻訳などを含めた遺伝子の
発現を実行、促進させるか否かを判定することができ
る。
【0062】1.発現ベクターの調製 先ず判定を行うためには、被検体である分泌シグナル配
列を、モニタ遺伝子の上流の連結し、これを発現ベクタ
ー上のプロモータと3'UTRとの間に挿入して、発現
ベクターを構築する。
【0063】ここで、モニタ遺伝子には、遺伝子発現が
実行されない又はされ難い遺伝子、例えば、第二の実施
形態に示したSF2型HIVgp120のcDNA(配
列番号14などを用いることができる。
【0064】また、このベクターとしては、例えば、ポ
リヘドリンプロモータ及び3'UTRを備えたバキュロ
ウイルスを用いることができるが、このベクターに限定
されるものではない。
【0065】本判定方法の陽性対照としては、SF16
2型HIVgp120の分泌シグナル配列又はニワトリ
リゾチームの分泌シグナルを用いることができる。一
方、陰性対照としては、SF2型HIVgp120の分
泌シグナル配列を用いることができる。
【0066】このように、被検体の分泌シグナル、対照
の分泌シグナル配列をそれぞれモニタ遺伝子の上流に連
結し、これを上記発現ベクターのプロモータの下流に発
現可能に接続して、検体、対照の発現ベクターが構築さ
れる。
【0067】2.発現ベクターの細胞への導入 発現ベクターの構築後、発現ベクターを細胞に導入す
る。
【0068】この発現ベクターの細胞への導入は、ベク
ターや細胞の種類により適切な方法を用いることができ
る。例えば、上記バキュロウイルスベクターの場合に
は、発現ベクターをリポフェクチン法などによりバキュ
ロウイルスに導入する。そして、この組換えバキュロウ
イルスを昆虫細胞、例えばSF21細胞に感染導入す
る。
【0069】3.発現量の測定 発現ベクターが導入された細胞において、上記モニタ遺
伝子の発現量を測定する。この発現量の測定は、翻訳産
物である蛋白質の産生量に基づいて測定することもで
き、また、転写産物であるmRNAの産生量に基づいて
測定することもできる。
【0070】さらに、これを組み合わせて、先ず、転写
産物の産生量を測定し、次に、翻訳産物の産生量を測定
してもよい。例えば、転写産物の産生量に基づき、分泌
シグナル配列の上記活性を測定し、さらに翻訳産物に基
づき、細胞外に分泌されているか等を判定してもよい。
【0071】この転写産物の産生量を測定するために
は、各発現ベクターが導入された細胞から核酸を抽出す
る。そして、抽出核酸中に、モニタ遺伝子に対するmR
NAをノーザンブロッティング法により検出することが
できる。なお、この核酸の抽出、ノーザンブロッティン
グ法は、Maniatisら(Molecular&C
loning、Cold Spring Harbou
r Press)のなどの方法を用いて行うことができ
る。
【0072】また、翻訳産物は、免疫学的方法、例え
ば、ウエスタンブロッティング、ELISAなどのよう
に、翻訳産物(蛋白質)に特異的な抗体を用いて検出す
ることができる。
【0073】本実施形態のように、転写産物の産生量に
より分泌シグナル配列における遺伝子発現促進活性を測
定可能にすることにより、翻訳産物である蛋白質に特異
的な抗体を有していない場合などでも、上記活性の判定
を行うことが可能となる。また、一般に特異抗体を有し
ている場合でも、このようなコストのかかる材料を用い
ることなく、上記分泌シグナル配列における遺伝子発現
促進活性を測定することができる。
【0074】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0075】[実施例1]ニワトリリゾチームの発現上昇 プラスミドpVL1393LyzIは、pVL1393
(Invtrogen社)を骨格とし、そこにニワトリ
由来のリゾチーム遺伝子とその上流に酵母のインベルタ
ーゼ由来シグナル配列(配列番号5)が挿入されてい
る。このシグナル配列を有するリゾチーム遺伝子は、大
腸菌及び酵母において、発現させ得るが、発現された蛋
白質が分泌せずに封入体を形成した。そこで、上記プラ
スミドを用いて、昆虫細胞で発現及びその分泌を試みた
が、蛋白質は分泌されず、また発現も非常に低いことが
わかった。
【0076】そのため、このプラスミド上のシグナル配
列を各種のシグナル配列に置き換えて、その発現活性及
び分泌能の有無を調べた。
【0077】なお、ここで用いたシグナル配列を表1に
示し、またこれらのシグナル配列及びシグナルペプチド
を配列表(配列番号1,2:ニワトリリゾチームシグナ
ル配列/ペプチド、配列番号3:バチルスブレビスCW
Pシグナル配列/ペプチド、配列番号4:ショウジョウ
バエリゾチームシグナル配列/ペプチド、配列番号6:
L8LPシグナル配列/ペプチド、配列番号7、8:ハ
チ毒シグナル配列/ペプチド)に示した。さらに、これ
らシグナル配列の置換手順を図1に示した。
【表1】
【0078】図1に示すように、pVL1393Lyz
IをBamHIとNheIで消化し、酵母インベルター
ゼのシグナル配列及びリゾチーム遺伝子の上流を削除し
た。一方で、シグナル配列を有するリゾチームの上流配
列をPCRによりそれぞれ合成した。各合成産物を上記
消化後のpVL1393LyzIに接続し、シグナル配
列が置換されたプラスミドを構築した。
【0079】ここで、得られたプラスミドを昆虫細胞に
導入し、細胞内での発現量及び細胞外への分泌量をそれ
ぞれ細胞内及び細胞外のリゾチーム活性に基づいて測定
した。測定結果を図2に示す。なお、図2では、細胞内
でのリゾチームを活性(A)と、細胞外のリゾチーム活
性を(B)それぞれ別のグラフとして表示した。
【0080】図2(A)に示すように、細胞内のリゾチ
ーム活性は、酵母インベルターゼ由来のシグナル配列を
有するもの(図において「I」で表示)では、ほとんど
活性が認められなかった。しかし、ニワトリリゾチーム
シグナル配列(「C」)、ショウジョウバエリゾチーム
シグナル配列(「F」)では、陽性のコントロールとし
て用いたハチ毒メルチンシグナル配列(「M」)と同程
度の活性がみとめられ、その活性の消長も経時的に低下
する同様のパターンを示した。また、バチルスブレビス
CWP(「B」)及びL8LPシグナル配列(「L」)
は弱いながらも細胞内のリゾチーム活性が見られた。
【0081】一方、細胞外のリゾチーム活性は、ニワト
リリゾチームシグナル配列、ショウジョウバエリゾチー
ムシグナル配列では、ハチ毒メルチンシグナル配列
(「M」)と同様に高い活性が示され、またその活性は
時間の経過とともに上昇し、細胞内の活性と対称的であ
ることが示された。このことから、ニワトリリゾチーム
シグナル配列、ショウジョウバエリゾチームシグナル配
列も、ハチメルチンシグナル配列と同様に蛋白質の発現
量を上昇させ、さらに蛋白質を細胞外に分泌させ得るこ
とが示された。
【0082】[実施例2] HIV糖蛋白質(gp12
0)の発現分泌を調べるための材料 以下の実施例においては、発現分泌量が著しく低いこと
が見出されているHIV-1SF2rgp120のシグ
ナル配列を置換し、発現分泌量を上昇させ得るかを調べ
る。そのため、本実施例では、この解析を行うための材
料を調製した。
【0083】(1)ベクターの調製 先ず、HIV-1SF2rgp120は、バキュロウイ
ルスベクターを骨格とし、HIV−1株のgp120と
その上流にSF2のシグナル配列(配列番号9、10)
とが担持されている。また、このSF2シグナル配列と
置換するシグナル配列を表2に示した。
【0084】
【表2】 すなわち、シグナル配列は、上記実施例1において、発
現及び分泌促進が観察されたシグナル配列のうちニワト
リリゾチーム由来シグナル配列(配列番号1)、新たに
SF162型HIVのシグナル配列(配列番号11)を
準備した。また陽性コントロールとして、上記ハチ毒メ
ルチンのシグナル配列(配列番号7)を用いた。
【0085】なお、SF2型HIVはT細胞に指向し、
SF162型HIVはマクロファージに指向する。
【0086】HIV-1SF2gp120の構成及び、
上記各シグナル配列への置換の手順を図3に示した。
【0087】図3に示すように、SF2のシグナル配列
を有する組換えgp120(SF2−rgp120)を
出発材料として用いた。このSF2−rgp120は、
gp120配列上に2塩基のサイレント変異が挿入され
ている。この変異をPCRによる変異法により、変異し
ている塩基を元に戻しSF2−gp120(配列番号1
3、gp120のみを配列番号14に示す)とするとと
もに、HindIII部位を形成させた(S01)。
【0088】その後、SF2−gp120をHindII
I及びEcoRIにより消化し、一部上流配列を欠いた
gp120(gp120del)を取り出し、シグナル
配列を除去した(S02)。また、このgp120de
lを回収するために、HindIII及びEcoRIで消
化したpBR322を調製した(S03)。ここで調製
されたpBR322にgp120delを接続し、pB
R322-gp120delを得た。
【0089】一方、gp120の上流に各シグナル配列
を挿入するために、上記各シグナル配列とgp120の
上流配列にSF2シグナル配列が備えられたDNAを市
販のDNA合成器を用いて合成した。ここで合成された
DNAに、さらにPCRを行いて、上流末端にBamH
Iサイトを、下流末端にHindIIIサイトを付加した
(S05)。
【0090】このPCR断片は、次いでBamHIとH
indIIIとにより消化した上記pBR322−gp1
20delに挿入され、pBR322SF2−gp12
0が生成された(S06)。
【0091】最終的に、昆虫細胞内での発現を観察する
ために、pBR322からバキュロウイルスベクター
(pVL1393)につなぎ換えられ、pVL1393
SF2−gp120が構築された(S07)。
【0092】同様の操作により、SF162のシグナル
配列を有するpVL1393SF162−gp120、
ニワトリリゾチームのシグナル配列を有するpVL13
93cL−gp120、さらには陽性コントロールであ
るハチ毒シグナル配列を有するpVL1393HMSF
2−gp120を構築した。
【0093】なお、上記pVL1393には、バキュロ
ウイルス・ポリヘドリンのプロモータ(配列番号16)
が担持されており、このプロモータにより各シグナル配
列を有するgp120が発現される。
【0094】(2)組換えバキュロウイルスの調製 野生型バキュロウイルスの多核体遺伝子部位のLacZ
遺伝子が導入されたAcPR23LacZに上記各ベク
ターをリポフェクチン法により導入し、組換えバキュロ
ウイルスを作成した。
【0095】昆虫細胞のSf21細胞(Invtorgen社)
(1.0〜1.5x106個/ml)2mlを35mm径シ
ャーレにまき、27度で静置し、細胞をシャーレ底面に
付着させた。
【0096】マイクロチューブにAcPR23LacZ
/Bsu36I 100ng及び上記各ベクターDNA
1μgを注入し、蒸留水で総容量20μlとしてウイル
ス/DNA混合液をそれぞれ調製した。次いで、リポフ
ェクチン試薬4μlと蒸留水4μlとを混合し、15分
間静置後、上記各ウイルス/DNA混合液に滴下した。
【0097】上記シャーレ内の細胞を、血清非添加IP
L−41培地で2回洗浄した。洗浄後、上記リポフェク
チンが添加された各ウイルス/DNA混合液をそれぞれ
異なるシャーレに滴下し、27℃で5〜一晩インキュベ
ートした。各シャーレに1mlの10%牛胎児血清含有
IPL−41培地を加えて、さらに3〜4日インキュベ
ートした。
【0098】インキュベート後の培地をチューブに回収
し、2000rpm、5分間遠心し、上清である粗ウイ
ルス液をそれぞれ新しいマイクロチューブに移し、4℃
で保存した。
【0099】これら粗ウイルス液から目的のウイルス
(LacZ欠損ウイルス)をプラークアッセイ法により
純化した。
【0100】SF21細胞が付着した60mm径シャー
レを複数準備し、10−3〜10−9程度まで段階希釈
した租ウイルス液をそれぞれ異なるシャーレに添加す
る。添加後、感染が均一に行われるように10分間毎に
シャーレを揺らしながら、1時間感染させた。
【0101】感染後、上清を完全に除き、IPL−41
寒天培地(アガロースとIPL−41培地とを等量混
合)を注入し固めて、3〜5日間培養した。培養後、さ
らにX―galが添加されたIPL−41寒天培地(寒
天培地2mlあたり、ジメチルスルホキシドに溶解した
Xgal液(20mg/ml)30μl添加)をシャー
レに注入し固める。その後、2〜3日間培養して、プラ
ークの出現を確認した。
【0102】出現したプラークのうち、目的のウイルス
によるプラークはLacZ欠損により白色を呈すること
から、白色プラークをチューブに回収した。このチュー
ブに血清非添加IPL−41培地を注入し、激しく攪拌
して寒天からウイルスを溶出させ、純化ウイルス液を得
た。さらに、PCRにより純化された組換えウイルス中
にそれぞれ目的のDNAが導入されているかを確認し
た。
【0103】[実施例3] gp120の発現分泌 上記実施例2において調製された組換えウイルスを用い
て、gp120の発現分泌がシグナル配列の相違により
影響があるかを調べた。
【0104】上記組換えウイルスを同様の条件で昆虫細
胞Sf21にに感染させ、各シグナル配列を有するgp
120をそれぞれ発現させた。ウイルス感染4日後、細
胞培養液を試験管などに移し、2000rpm、5分間
遠心分離を行い、上清を回収した。この上清を用いてS
DSポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAG
E)、ウエスタンブロッティング法を実施し、各gp1
20蛋白質の発現を確認した。
【0105】なお、SDSポリアクリルアミドは濃縮ゲ
ルを10%とし、分離ゲルを7.5%として、常法に従
って行った。またウエスタンブロッティング法における
一次抗体には、抗HIVrgp120ヒツジ抗体(Inte
rnationalEnzymes社)を用い、また二次抗体には、HR
P標識化抗ヒツジIgGウサギ抗体(ZYMED社)を
用い、常法に従って行った。
【0106】ウエスタンブロッティングの結果を図4に
示す。図4に示す通り、SF2シグナル配列を有するg
p120では、発現が観察されないが、ニワトリリゾチ
ーム(cL)、ハチ毒(HM)、SF162のgp12
0から由来するシグナル配列に置換することにより、g
p120の発現及び分泌が可能となることが示された。
また、これらの発現分泌促進活性は、陽性のコントロー
ルとして用いたハチ毒由来シグナル配列よりも、ニワト
リリゾチーム由来シグナル配列がより高いことが示さ
れ、SF162のgp120由来シグナル配列は、陽性
コントロールの半分程度の活性が示された。
【0107】なお、図4において、SF162−rgp
120は、SF162gp120のシグナル配列の下流
に、SF162由来の組換えgp120が接続されてい
たベクターを用いた結果を示す。また「mock」とし
て示したレーンは、ベクターが導入されていない親ウイ
ルス(AcPR23LacZ)を用いた陰性のコントロ
ールを示す。
【0108】[実施例4] GP120蛋白質における糖
鎖付加の確認 GP120蛋白質は、本来糖蛋白質であるが、上記実施
例3において、発現分泌されたGP120蛋白質が、糖
鎖が付加されているか否かを調べた。
【0109】gp120蛋白質に糖鎖が付加されている
かを調べるために、糖鎖を根元から切断するN-グルコ
シダーゼFを用いて、脱糖鎖処理を行った。この脱糖鎖
処理は、具体的には以下のとおり行った。
【0110】上記実施例3に従って得られたgp120
蛋白質を含む培養上清(4μl)に、0.5%SDS−
0.2M2メルカプトエタノール(4μl)を混合し、
100℃、3分間加熱した。
【0111】加熱後の混合液に、Nグルコシダーゼ反応
液(12μl)を添加し、総量20μlとした。このN
グルコシダーゼ反応液の組成は、0.5Mリン酸緩衝液
(pH8.5)(4μl)、0.25MEDTA(pH
8.0)(0.8μl)、1/4希釈TritonX−
100(0.8μl)、N−グルコシダーゼF(20U/
100μl)(2μl)、蒸留水(4.4μl)であ
る。
【0112】上記Nグルコシダーゼ反応液を添加後、3
7℃、24時間インキュベートし、脱糖鎖処理を行っ
た。脱糖鎖処理後、反応液を10%ポリアクリルアミド
ゲルを用い、SDS−PAGEを行った。なお、陰性の
コントロールとして、N―グルコシダーゼ反応液からN
グルコシダーゼを除いて、同様の処理を行った。
【0113】このSDS−PAGEを行った後、ゲルを
染色した際の結果を図5に示す。図5において、「−」
レーンは、N−グルコシダーゼを除いて処理した非脱糖
鎖処理サンプルを泳動し、「+」レーンは、脱糖鎖処理
を行ったサンプルを泳動した。また、「CHO」と記し
たレーンには、SF2型HIVを感染させたCHO細胞
から得られた天然のSF2gp120糖蛋白質を泳動
し、糖鎖を有するSF2由来gp120の陽性コントロ
ールとした。
【0114】図5に示す通り、SF2由来のgp120
蛋白質(SF2−rgp120)は、ニワトリリゾチー
ムのシグナル配列(cL)、ハチ毒のシグナル配列(H
M)、SF162のシグナル配を有する場合のいずれに
おいても、脱糖鎖処理を行うことにより、非脱糖鎖処理
サンプルのバンドにして分子量の小さい側にシフトして
いる。すなわち、脱糖鎖処理により分子量が小さくなっ
たことが示された。この脱糖鎖処理を行った際のバンド
シフトの程度は、陽性コントロールである感染CHO細
胞から得られた天然のSF2−gp120とほぼ同様の
パターンを示した。
【0115】このことから、これらニワトリリゾチー
ム、SF162、ハチ毒のシグナル配列をSF2由来g
p120遺伝子に付加することにより、SF2由来gp
120蛋白質の発現分泌を可能又は上昇させるだけでな
く、天然の糖蛋白質と同様の糖鎖を付加させ得ることが
示された。
【0116】このことから、上記ニワトリリゾチーム、
ハチ毒、SF162のシグナル配列を有する発現系で
は、天然の蛋白質と同様に糖鎖を付加させ得ることが示
された。
【0117】[実施例5] 各シグナル配列が付加された
SF2型gp120蛋白質の生物活性 SF2型HIVはCD4+T細胞に指向し、結合してC
D4+T細胞を侵すウイルスである。また、天然のSF
2型gp120蛋白質は、CD4との結合能を有してい
る。
【0118】ここでは上述の通り、各シグナルペプチド
を付加することにより得られたSF2由来gp120蛋
白質が、天然のSF2型gp120蛋白質と同様にCD
4との結合能を有するかを、フローサイトメトリーを用
いた解析により調べた。
【0119】先ず、組換えCD4(rCD4)を発現さ
せたHeLa細胞(1〜5×105細胞)に、上記実施
例3において得られたgp120蛋白質を含む培養上清
(100μl)を添加し、37℃で30分間インキュベ
ートした。インキュベート後、PBSを用いて2回洗浄
した。
【0120】PE(phycoerythrin)コンジュゲートO
KT4及び抗HIVヒトIgGを添加し、4℃で1時間
インキュベートした。インキュベート後、PBSで2回
洗浄した。
【0121】さらに、FITC標識抗ヒトIgGを添加
し、4℃で30分間インキュベートした。インキュベー
ト後、PBSで2回洗浄した。
【0122】洗浄後、フロサイトメトリーにかけて、F
ITCによる蛍光を発する細胞と、蛍光を発しない細胞
との細胞分布を調べ、各シグナルペプチドで置換された
SF2型gp120蛋白質のCD4に対する結合能を解
析した。すなわち、各シグナルペプチドに置換されたS
F2−gp120蛋白質が、CD4発現細胞と結合すれ
ば、上記HIVヒト抗体が、gp120蛋白質を介し
て、細胞に結合する。そして、抗HIVヒト抗体には、
FITC標識ヒトIgG抗体が結合して、細胞は蛍光を
発する。従って、蛍光を発する細胞の分布を調べれば、
CD4との結合能を解析することができる。フローサイ
トメリーの結果を図6に示す。
【0123】なお、この解析における陰性コントロール
には、実施例3においてgp120蛋白質の発現が見ら
れなかったSF2−rgp120(SF2のシグナル配
列を有するSF2由来gp120)が導入された細胞の
培養上清(図6において、SF2−rgp120として
示す)、ベクターが導入されていない昆虫細胞の培養上
清(図6において「Mock」として示す)を用いた。
また、陽性コントロールとして、SF162のシグナル
配列を有するSF162由来のgp120を用いた。
【0124】図6に示す通り、陰性コントロールでは、
ほとんどの細胞の蛍光強度は低い(100から101)。
一方、ニワトリリゾチームのシグナル配列、ハチ毒のシ
グナル配列、SF162のシグナル配列に置換されたS
F2−gp120では、陽性のコントロールと同様に、
細胞の蛍光強度が増強された(102から103)。この
ことから、上記シグナル配列に置換することにより発現
分泌されたgp120蛋白質は、天然のgp120蛋白
質の生物活性を有することが示された。
【0125】このことから、上記ニワトリリゾチーム、
ハチ毒、SF162のシグナル配列を有する発現系は、
機能性を有する蛋白質を発現分泌し得ることが示され
た。このことは、本発現系が、蛋白製剤、ワクチン製造
などに使用し得る蛋白質の生産に有効であることを意味
する。特に、生物活性を有するSF2由来gp120蛋
白質の生成は、HIVワクチンの開発、生産などに大き
く寄与する。
【0126】[実施例6] mRNA発現への影響 上述した実施例では、上記ニワトリリゾチーム由来、ハ
チ毒由来、又はSF162型HIV由来のシグナル配列
をSF2由来gp120の遺伝子に付加することによ
り、gp120蛋白質の発現分泌促進が示されたが、本
実施例では、この発現分泌の促進が、mRNAから蛋白
質への翻訳過程促進に依存したものであるか、それとも
DNAからmRNAへの転写活性促進に依存するもので
あるかを調べた。
【0127】この解析に当たって、上記実施例3におい
て組換えウイルスが感染された昆虫細胞を用いた。な
お、この組換えウイルスは、実施例2において詳述した
通り、バキュロウイルスベクターのポリヘドリンプロモ
ータ下流にニワトリリゾチーム由来(cL)、ハチ毒由
来(HM)又はSF162型HIV由来(SF162)
のシグナル配列が付加されたSF2由来gp120の遺
伝子が挿入されている。
【0128】これら各昆虫細胞から、AGPA法により
mRNAを回収した。
【0129】具体的には、培養した昆虫細胞を回収し、
−80℃で凍結させ、その後、氷上に移した。細胞にS
olutionD(グアニジン(イソ)チオシアネート
125ml、0.75Mクエン酸ナトリウム(pH
7)8.8ml、10%サルコシル13.2mlを蒸留
水 146.5mlを加えて総容量250mlにして調
整する)800μlを加えて、直ちにホモジナイザーに
よって細胞を粉砕した。
【0130】細胞粉砕後、2M酢酸ナトリウム(pH
4.0)80μl、続いてフェノール800μl及びク
ロロホルム160μlを添加して、10秒間攪拌する。
攪拌後、氷上にて15分間静置した。氷上での静置後、
4℃にて遠心分離(4000rpm、5分間)を行っ
た。このうち、水相を新しいチューブに移し、核酸を回
収した。
【0131】回収した核酸を精製するために、回収後の
水相にイソプロパノールを添加混合して、−20℃で1
時間以上放置し、遠心分離により、沈さを回収した。回
収された沈さをSolutionDを加えて完全に溶解
する。その後、このイソプロパノール沈殿を繰り返し
た。
【0132】遠心分離後、回収した沈さを風乾させた
後、純水400μlを添加し完全に溶解する。この溶解
液をフェノール/クロロホルム溶液にて精製処理を行っ
た。最終的にエタノール沈殿を行い、沈さを純粋に溶解
してRNAサンプルとした。
【0133】ここで得られたRNAサンプル中のRNA
を確認するために、電気泳動及びノーザンハイブリダイ
ゼーションを行った。
【0134】電気泳動を行う前に、上記サンプルを55
℃、10分間熱変性させ、その後、氷上に3分間放置し
た。また電気泳動用ゲルに、アガロースをMOPS緩衝
液により溶解した5%アガロースゲルを用いた。
【0135】電気泳動後、泳動後のゲルをブロッティン
グ膜に密着させて、ゲル中のRNAを膜に転写する。転
写後、gp120mRNAを鋳型として生成した標識プ
ローブを用いてノーザンハイブリダイゼーションを行っ
た。ノーザンブロッティングの結果を図7に示す。
【0136】図7に示すように、SF2由来シグナル配
列を有するSF2−gp120(レーン1)では、mR
NAの発現が全く観察されなかった。一方、SF162
由来シグナル配列(レーン2)、ハチ毒由来シグナル配
列(レーン3)、ニワトリリゾチーム由来シグナル配列
(CL)を有するSF2−gp120では、それぞれm
RNAの発現が観察された。
【0137】このように、これらSF162由来シグナ
ル配列、ハチ毒由来シグナル配列、ニワトリリゾチーム
由来シグナル配列をSF2由来gp120遺伝子に付加
することにより、SF2由来のシグナル配列を備えたS
F2由来gp120遺伝子におけるmRNAの発現を可
能又は促進させることが示された。
【0138】よって、この結果より、これらシグナル配
列によるgp120蛋白質の発現分泌促進は、mRNA
の転写レベルの促進が一つの起因になっていることが示
された。
【0139】従来、シグナル配列は、翻訳後の蛋白質の
輸送、糖鎖の付加などの修飾に関与していると考えられ
ていたが、ここで、mRNAの転写を促進させる活性が
あることが示された。このことは、これらシグナル配列
が、蛋白質の発現分泌を促進させる目的で使用し得るだ
けでなく、mRNAの転写を促進させるために使用し得
ることが示された。特に、本実施例では、上記3種のシ
グナル配列が、SF2由来gp120の転写促進活性が
あることを示したが、実施例1に示したリゾチーム発現
分泌の促進についても、mRNA転写活性の促進に起因
すると考えられる。このことから、これらシグナル配列
は、SF2型gp120遺伝子を初めとする種々の遺伝
子のmRNA発現を促進し得ることが考えられる。
【0140】
【配列表】 <110> Hara、Toshio <120> Nucleic acid enhancing the expression of genes <130> 284-1 <160>16 <170> PatentIn Ver. 2.0 - beta <210> 1 <211> 54 <212> DNA <213> Chicken <220> <221> sig#peptide <222> (1)..(54) <400> 1 atg agg tct ttg cta atc ttg gtg ctt tgc ttc ctg ccc ctg gct gct 48 Met Arg Ser Leu Leu Ile Leu Val Leu Cys Phe Leu Pro Leu Ala Ala 1 5 10 15 ctg ggg 54 Leu Gly <210> 2 <211> 18 <212> PRT <213> Chicken <400> 2 Met Arg Ser Leu Leu Ile Leu Val Leu Cys Phe Leu Pro Leu Ala Ala 1 5 10 15 Leu Gly <210> 3 <211> 29 <212> PRT <213> Bacillus brevis <400> 3 Met Lys Lys Arg Arg Val Val Asn Ser Val Leu Leu Leu Leu Leu Ala 1 5 10 15 Ser Ala Leu Ala Leu Thr Val Ala Pro Met Ala Phe Ala 20 25 <210> 4 <211> 18 <212> PRT <213> Fruit Fly <400> 4 Met Lys Ala Phe Ile Val Leu Val Ala Leu Ala Cys Ala Ala Pro Ala 1 5 10 15 Phe Gly <210> 5 <211> 23 <212> PRT <213> Yeast <400> 5 Met Leu Leu Gln Ala Phe Leu Phe Leu Leu Ala Gly Phe Ala Ala Lys 1 5 10 15 Ile Ser Ala Trp Ser Asn Met 20 <210> 6 <211> 16 <212> PRT <213> L8LP <400> 6 Met Arg Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Ala Ala Leu Gly 1 5 10 15 <210> 7 <211> 63 <212> DNA <213> Honeybee <220> <221> sig#peptide <222> (1)..(63) <400> 7 atg aaa ttc tta gtc aac gtt gcc ctt gtt ttt atg gtc gtg tac att 48 Met Lys Phe Leu Val Asn Val Ala Leu Val Phe Met Val Val Tyr Ile 1 5 10 15 tct tac atc tat gcg 63 Ser Tyr Ile Tyr Ala 20 <210> 8 <211> 21 <212> PRT <213> Honeybee <400> 8 Met Lys Phe Leu Val Asn Val Ala Leu Val Phe Met Val Val Tyr Ile 1 5 10 15 Ser Tyr Ile Tyr Ala 20 <210> 9 <211> 87 <212> DNA <213> Human immunodeficiency virus <220> <221> sig#peptide <222> (1)..(87) <400> 9 atg aaa gtg aag ggg acc agg agg aat tat cag cac ttg tgg aga tgg 48 Met Lys Val Lys Gly Thr Arg Arg Asn Tyr Gln His Leu Trp Arg Trp 1 5 10 15 ggc acc ttg ctc ctt ggg atg ttg atg atc tgt agt gct 87 Gly Thr Leu Leu Leu Gly Met Leu Met Ile Cys Ser Ala 20 25 <210> 10 <211> 29 <212> PRT <213> Human immunodeficiency virus <400> 10 Met Lys Val Lys Gly Thr Arg Arg Asn Tyr Gln His Leu Trp Arg Trp 1 5 10 15 Gly Thr Leu Leu Leu Gly Met Leu Met Ile Cys Ser Ala 20 25 <210> 11 <211> 87 <212> DNA <213> Human immunodeficiency virus <220> <221> sig#peptide <222> (1)..(87) <400> 11 atg aga gtg aag ggg atc agg aag aat tat cag cac ttg tgg aga ggg 48 Met Arg Val Lys Gly Ile Arg Lys Asn Tyr Gln His Leu Trp Arg Gly 1 5 10 15 ggc acc ttg ctc ctt ggg atg ttg atg atc tgt agt gct 87 Gly Thr Leu Leu Leu Gly Met Leu Met Ile Cys Ser Ala 20 25 <210> 12 <211> 29 <212> PRT <213> Human immunodeficiency virus <400> 12 Met Arg Val Lys Gly Ile Arg Lys Asn Tyr Gln His Leu Trp Arg Gly 1 5 10 15 Gly Thr Leu Leu Leu Gly Met Leu Met Ile Cys Ser Ala 20 25 <210> 13 <211> 1530 <212> DNA <213> Human immunodeficiency virus <400> 13 atgaaagtga aggggaccag gaggaattat cagcacttgt ggagatgggg caccttgctc 60 cttgggatgt tgatgatctg tagtgctaca gaaaaattgt gggtcacagt ttattatgga 120 gtacctgtgt ggaaagaagc aactaccact ctattttgtg catcagatgc tagagcatat 180 gatacagagg tacataatgt ttgggccaca catgcctgtg tacccacaga ccccaaccca 240 caagaagtag tattgggaaa tgtgacagaa aattttaaca tgtggaaaaa taacatggta 300 gaacagatgc aggaggatat aatcagttta tgggatcaaa gcctaaagcc atgtgtaaaa 360 ttaaccccac tctgtgttac tttaaattgc actgatttgg ggaaggctac taataccaat 420 agtagtaatt ggaaagaaga aataaaagga gaaataaaaa actgctcttt caatatcacc 480 acaagcataa gagataagat tcagaaagaa aatgcacttt ttcgtaacct tgatgtagta 540 ccaatagata atgctagtac tactaccaac tataccaact ataggttgat acattgtaac 600 agatcagtca ttacacaggc ctgtccaaag gtatcatttg agccaattcc catacattat 660 tgtaccccgg ctggttttgc gattctaaag tgtaataata aaacgttcaa tggaaaagga 720 ccatgtacaa atgtcagcac agtacaatgt acacatggaa ttaggccaat agtgtcaact 780 caactgctgt taaatggcag tctagcagaa gaagaggtag taattagatc tgacaatttc 840 acgaacaatg ctaaaaccat aatagtacag ctgaatgaat ctgtagcaat taactgtaca 900 agacccaaca acaatacaag aaaaagtatc tatataggac cagggagagc atttcataca 960 acaggaagaa taataggaga tataagaaaa gcacattgta acattagtag agcacaatgg 1020 aataacactt tagaacagat agttaaaaaa ttaagagaac agtttgggaa taataaaaca 1080 atagtcttta atcaatcctc aggaggggac ccagaaattg taatgcacag ttttaattgt 1140 agaggggaat ttttctactg taatacaaca caactgttta ataatacatg gaggttaaat 1200 cacactgaag gaactaaagg aaatgacaca atcatactcc catgtagaat aaaacaaatt 1260 ataaacatgt ggcaggaagt aggaaaagca atgtatgccc ctcccattgg aggacaaatt 1320 agttgttcat caaatattac agggctgcta ttaacaagag atggtggtac aaatgtaact 1380 aatgacaccg aggtcttcag acctggagga ggagatatga gggacaattg gagaagtgaa 1440 ttatataaat ataaagtaat aaaaattgaa ccattaggaa tagcacccac caaggcaaag 1500 agaagagtgg tgcagagaga aaaaagataa 1530 <210> 14 <211> 1443 <212> DNA <213> Human immunodeficiency virus <220> <221> CDS <222> (88)..(1443) <400> 14 acagaaaaat tgtgggtcac agtttattat ggagtacctg tgtggaaaga agcaactacc 60 actctatttt gtgcatcaga tgctaga gca tat gat aca gag gta cat aat gtt 114 Ala Tyr Asp Thr Glu Val His Asn Val 1 5 tgg gcc aca cat gcc tgt gta ccc aca gac ccc aac cca caa gaa gta 162 Trp Ala Thr His Ala Cys Val Pro Thr Asp Pro Asn Pro Gln Glu Val 10 15 20 25 gta ttg gga aat gtg aca gaa aat ttt aac atg tgg aaa aat aac atg 210 Val Leu Gly Asn Val Thr Glu Asn Phe Asn Met Trp Lys Asn Asn Met 30 35 40 gta gaa cag atg cag gag gat ata atc agt tta tgg gat caa agc cta 258 Val Glu Gln Met Gln Glu Asp Ile Ile Ser Leu Trp Asp Gln Ser Leu 45 50 55 aag cca tgt gta aaa tta acc cca ctc tgt gtt act tta aat tgc act 306 Lys Pro Cys Val Lys Leu Thr Pro Leu Cys Val Thr Leu Asn Cys Thr 60 65 70 gat ttg ggg aag gct act aat acc aat agt agt aat tgg aaa gaa gaa 354 Asp Leu Gly Lys Ala Thr Asn Thr Asn Ser Ser Asn Trp Lys Glu Glu 75 80 85 ata aaa gga gaa ata aaa aac tgc tct ttc aat atc acc aca agc ata 402 Ile Lys Gly Glu Ile Lys Asn Cys Ser Phe Asn Ile Thr Thr Ser Ile 90 95 100 105 aga gat aag att cag aaa gaa aat gca ctt ttt cgt aac ctt gat gta 450 Arg Asp Lys Ile Gln Lys Glu Asn Ala Leu Phe Arg Asn Leu Asp Val 110 115 120 gta cca ata gat aat gct agt act act acc aac tat acc aac tat agg 498 Val Pro Ile Asp Asn Ala Ser Thr Thr Thr Asn Tyr Thr Asn Tyr Arg 125 130 135 ttg ata cat tgt aac aga tca gtc att aca cag gcc tgt cca aag gta 546 Leu Ile His Cys Asn Arg Ser Val Ile Thr Gln Ala Cys Pro Lys Val 140 145 150 tca ttt gag cca att ccc ata cat tat tgt acc ccg gct ggt ttt gcg 594 Ser Phe Glu Pro Ile Pro Ile His Tyr Cys Thr Pro Ala Gly Phe Ala 155 160 165 att cta aag tgt aat aat aaa acg ttc aat gga aaa gga cca tgt aca 642 Ile Leu Lys Cys Asn Asn Lys Thr Phe Asn Gly Lys Gly Pro Cys Thr 170 175 180 185 aat gtc agc aca gta caa tgt aca cat gga att agg cca ata gtg tca 690 Asn Val Ser Thr Val Gln Cys Thr His Gly Ile Arg Pro Ile Val Ser 190 195 200 act caa ctg ctg tta aat ggc agt cta gca gaa gaa gag gta gta att 738 Thr Gln Leu Leu Leu Asn Gly Ser Leu Ala Glu Glu Glu Val Val Ile 205 210 215 aga tct gac aat ttc acg aac aat gct aaa acc ata ata gta cag ctg 786 Arg Ser Asp Asn Phe Thr Asn Asn Ala Lys Thr Ile Ile Val Gln Leu 220 225 230 aat gaa tct gta gca att aac tgt aca aga ccc aac aac aat aca aga 834 Asn Glu Ser Val Ala Ile Asn Cys Thr Arg Pro Asn Asn Asn Thr Arg 235 240 245 aaa agt atc tat ata gga cca ggg aga gca ttt cat aca aca gga aga 882 Lys Ser Ile Tyr Ile Gly Pro Gly Arg Ala Phe His Thr Thr Gly Arg 250 255 260 265 ata ata gga gat ata aga aaa gca cat tgt aac att agt aga gca caa 930 Ile Ile Gly Asp Ile Arg Lys Ala His Cys Asn Ile Ser Arg Ala Gln 270 275 280 tgg aat aac act tta gaa cag ata gtt aaa aaa tta aga gaa cag ttt 978 Trp Asn Asn Thr Leu Glu Gln Ile Val Lys Lys Leu Arg Glu Gln Phe 285 290 295 ggg aat aat aaa aca ata gtc ttt aat caa tcc tca gga ggg gac cca 1026 Gly Asn Asn Lys Thr Ile Val Phe Asn Gln Ser Ser Gly Gly Asp Pro 300 305 310 gaa att gta atg cac agt ttt aat tgt aga ggg gaa ttt ttc tac tgt 1074 Glu Ile Val Met His Ser Phe Asn Cys Arg Gly Glu Phe Phe Tyr Cys 315 320 325 aat aca aca caa ctg ttt aat aat aca tgg agg tta aat cac act gaa 1122 Asn Thr Thr Gln Leu Phe Asn Asn Thr Trp Arg Leu Asn His Thr Glu 330 335 340 345 gga act aaa gga aat gac aca atc ata ctc cca tgt aga ata aaa caa 1170 Gly Thr Lys Gly Asn Asp Thr Ile Ile Leu Pro Cys Arg Ile Lys Gln 350 355 360 att ata aac atg tgg cag gaa gta gga aaa gca atg tat gcc cct ccc 1218 Ile Ile Asn Met Trp Gln Glu Val Gly Lys Ala Met Tyr Ala Pro Pro 365 370 375 att gga gga caa att agt tgt tca tca aat att aca ggg ctg cta tta 1266 Ile Gly Gly Gln Ile Ser Cys Ser Ser Asn Ile Thr Gly Leu Leu Leu 380 385 390 aca aga gat ggt ggt aca aat gta act aat gac acc gag gtc ttc aga 1314 Thr Arg Asp Gly Gly Thr Asn Val Thr Asn Asp Thr Glu Val Phe Arg 395 400 405 cct gga gga gga gat atg agg gac aat tgg aga agt gaa tta tat aaa 1362 Pro Gly Gly Gly Asp Met Arg Asp Asn Trp Arg Ser Glu Leu Tyr Lys 410 415 420 425 tat aaa gta ata aaa att gaa cca tta gga ata gca ccc acc aag gca 1410 Tyr Lys Val Ile Lys Ile Glu Pro Leu Gly Ile Ala Pro Thr Lys Ala 430 435 440 aag aga aga gtg gtg cag aga gaa aaa aga taa 1443 Lys Arg Arg Val Val Gln Arg Glu Lys Arg 445 450 <210> 15 <211> 451 <212> PRT <213> Human immunodeficiency virus <400> 15 Ala Tyr Asp Thr Glu Val His Asn Val Trp Ala Thr His Ala Cys Val 1 5 10 15 Pro Thr Asp Pro Asn Pro Gln Glu Val Val Leu Gly Asn Val Thr Glu 20 25 30 Asn Phe Asn Met Trp Lys Asn Asn Met Val Glu Gln Met Gln Glu Asp 35 40 45 Ile Ile Ser Leu Trp Asp Gln Ser Leu Lys Pro Cys Val Lys Leu Thr 50 55 60 Pro Leu Cys Val Thr Leu Asn Cys Thr Asp Leu Gly Lys Ala Thr Asn 65 70 75 80 Thr Asn Ser Ser Asn Trp Lys Glu Glu Ile Lys Gly Glu Ile Lys Asn 85 90 95 Cys Ser Phe Asn Ile Thr Thr Ser Ile Arg Asp Lys Ile Gln Lys Glu 100 105 110 Asn Ala Leu Phe Arg Asn Leu Asp Val Val Pro Ile Asp Asn Ala Ser 115 120 125 Thr Thr Thr Asn Tyr Thr Asn Tyr Arg Leu Ile His Cys Asn Arg Ser 130 135 140 Val Ile Thr Gln Ala Cys Pro Lys Val Ser Phe Glu Pro Ile Pro Ile 145 150 155 160 His Tyr Cys Thr Pro Ala Gly Phe Ala Ile Leu Lys Cys Asn Asn Lys 165 170 175 Thr Phe Asn Gly Lys Gly Pro Cys Thr Asn Val Ser Thr Val Gln Cys 180 185 190 Thr His Gly Ile Arg Pro Ile Val Ser Thr Gln Leu Leu Leu Asn Gly 195 200 205 Ser Leu Ala Glu Glu Glu Val Val Ile Arg Ser Asp Asn Phe Thr Asn 210 215 220 Asn Ala Lys Thr Ile Ile Val Gln Leu Asn Glu Ser Val Ala Ile Asn 225 230 235 240 Cys Thr Arg Pro Asn Asn Asn Thr Arg Lys Ser Ile Tyr Ile Gly Pro 245 250 255 Gly Arg Ala Phe His Thr Thr Gly Arg Ile Ile Gly Asp Ile Arg Lys 260 265 270 Ala His Cys Asn Ile Ser Arg Ala Gln Trp Asn Asn Thr Leu Glu Gln 275 280 285 Ile Val Lys Lys Leu Arg Glu Gln Phe Gly Asn Asn Lys Thr Ile Val 290 295 300 Phe Asn Gln Ser Ser Gly Gly Asp Pro Glu Ile Val Met His Ser Phe 305 310 315 320 Asn Cys Arg Gly Glu Phe Phe Tyr Cys Asn Thr Thr Gln Leu Phe Asn 325 330 335 Asn Thr Trp Arg Leu Asn His Thr Glu Gly Thr Lys Gly Asn Asp Thr 340 345 350 Ile Ile Leu Pro Cys Arg Ile Lys Gln Ile Ile Asn Met Trp Gln Glu 355 360 365 Val Gly Lys Ala Met Tyr Ala Pro Pro Ile Gly Gly Gln Ile Ser Cys 370 375 380 Ser Ser Asn Ile Thr Gly Leu Leu Leu Thr Arg Asp Gly Gly Thr Asn 385 390 395 400 Val Thr Asn Asp Thr Glu Val Phe Arg Pro Gly Gly Gly Asp Met Arg 405 410 415 Asp Asn Trp Arg Ser Glu Leu Tyr Lys Tyr Lys Val Ile Lys Ile Glu 420 425 430 Pro Leu Gly Ile Ala Pro Thr Lys Ala Lys Arg Arg Val Val Gln Arg 435 440 445 Glu Lys Arg 450 <210> 16 <211> 738 <212> DNA <213> Baculovirus <400> 16 atgccggatt attcataccg tcccaccatc gggcgtacct acgtgtacga caacaagtac 60 tacaaaaatt taggtgccgt tatcaagaac gctaagcgca agaagcactt cgccgaacat 120 gagatcgaag aggctaccct cgacccccta gacaactacc tagtggctga ggatcctttc 180 ctgggacccg gcaagaacca aaaactcact ctcttcaagg aaatccgtaa tgttaaaccc 240 gacacgatga agcttgtcgt tggatggaaa ggaaaagagt tctacaggga aacttggacc 300 cgcttcatgg aagacagctt ccccattgtt aacgaccaag aagtgatgga tgttttcctt 360 gttgtcaaca tgcgtcccac tagacccaac cgttgttaca aattcctggc ccaacacgct 420 ctgcgttgcg accccgacta tgtacctcat gacgtgatta ggatcgtcga gccttcatgg 480 gtgggcagca acaacgagta ccgcatcagc ctggctaaga agggcggcgg ctgcccaata 540 atgaaccttc actctgagta caccaactcg ttcgaacagt tcatcgatcg tgtcatctgg 600 gagaacttct acaagcccat cgtttacatc ggtaccgact ctgctgaaga ggaggaaatt 660 ctccttgaag tttccctggt gttcaaagta aaggagtttg caccagacgc acctctgttc 720 actggtccgg cgcgttag 738
【発明の効果】以上の通り、本発明のシグナル配列は、
これを遺伝子に付加することにより、転写、翻訳、さら
には、翻訳後の蛋白質の分泌、糖鎖付加などの修飾など
を含む遺伝子発現を実行又は促進することが可能となっ
た。
【0141】また、このシグナル配列を有する発現ベク
ターを用いることにより、mRNAの生成、蛋白質の発
現分泌を促進させることから、mRNAの生成、蛋白質
の生成を容易にさせた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるリゾチーム遺伝子の上流に
分泌シグナル配列を挿入したベクターの構築工程を示す
図である。
【図2】 実施例1における各分泌シグナル配列による
リゾチーム蛋白質の細胞内(A)又は細胞外(B)の生
成量を経時的に測定した結果を示すグラフである。
【図3】 実施例2におけるSF2型HIVgp120
遺伝子を用いて、分泌シグナル配列における遺伝子発現
促進活性を測定するための発現ベクターの構築工程を示
す図である。
【図4】 実施例3において、各分泌シグナル配列によ
るSF2型HIVgp120の発現分泌活性の有無を判
定した際の電気泳動写真を示す図である。
【図5】 分泌シグナル配列の付加により発現分泌され
た各SF2型HIVgp120蛋白質をグリコシダーゼ
で処理して、糖鎖修飾されているかを判定した際の電気
泳動写真を示す図である。
【図6】 分泌シグナル配列の付加により発現分泌され
た各SF2型HIVgp120蛋白質が天然のSF2型
HIVgp120蛋白質と同様に、CD4+T細胞に対
する結合能をフローサイトメトリにより測定した際の結
果を示す図である。
【図7】 分泌シグナル配列の付加により各SF2型H
IVgp120mRNA発現が誘導されたことを示す電
気泳動図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:92) C12R 1:91) (C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:91) 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:92) C12R 1:91) 1:91)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロモータに発現可能に連結される任意
    の構造遺伝子の上流に挿入され、前記プロモータからの
    前記構造遺伝子の発現を実行又は促進させ得る核酸であ
    って、 前記核酸が、ニワトリリゾチームの分泌シグナル配列又
    はSF162型ヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV)
    gp120の分泌シグナル配列であることを特徴とする
    核酸。
  2. 【請求項2】 前記ニワトリリゾチームの分泌シグナル
    配列が、配列番号1に示す配列であることを特徴とする
    請求項1に記載の核酸。
  3. 【請求項3】 前記SF162型ヒト免疫不全症候群ウ
    イルス(HIV)gp120の分泌シグナル配列が、配
    列番号11に示す配列であることを特徴とする請求項1
    に記載の核酸。
  4. 【請求項4】 構造遺伝子の発現を実行又は促進させる
    ための発現カセットであって、前記構造遺伝子に発現可
    能に接続されるプロモータと、前記構造遺伝子の上流に
    配置され、前記プロモータから前記構造遺伝子と一体的
    に発現される分泌シグナル配列と、前記構造遺伝子の下
    流に配置される3'UTRと、を備え、前記分泌シグナ
    ル配列が、ニワトリリゾチームの分泌シグナル配列又は
    SF162型ヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV)g
    p120の分泌シグナル配列であることを特徴とする発
    現カセット。
  5. 【請求項5】 前記ニワトリリゾチームの分泌シグナル
    配列が、配列番号1に示す配列であることを特徴とする
    請求項4に記載の発現カセット。
  6. 【請求項6】 前記SF162型ヒト免疫不全症候群ウ
    イルス(HIV)gp120の分泌シグナル配列が、配
    列番号11に示す配列であることを特徴とする請求項4
    に記載の発現カセット。
  7. 【請求項7】 前記プロモータ及び前記3'UTRが、
    バキュロウイルスのポリヘドリン由来であることを特徴
    とする請求項4〜6のいずれかに記載の発現カセット。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の発現カ
    セットを担持したベクター。
  9. 【請求項9】 前記発現カセットがバキュロウイルスベ
    クターに担持されていることを特徴とする請求項8に記
    載のベクター。
  10. 【請求項10】 構造遺伝子の発現を実行するための発
    現システムであって、請求項9に記載のベクターと、前
    記ベクターが導入される昆虫細胞と、を含む発現システ
    ム。
  11. 【請求項11】 SF2型HIVgp120発現カセッ
    トであって、前記SF2型HIVgp120と、前記S
    F2型HIVgp120の上流に連結された分泌シグナ
    ル配列と、前記分泌シグナル配列が連結されたSF2型
    HIVgp120を発現させ得るように、前記分泌シグ
    ナル配列を挟んで前記SF2型HIVgp120の上流
    に接続されたプロモータと、前記SF2型HIVgp1
    20の下流に接続された3'UTRと、を有し、前記分
    泌シグナル配列が、ニワトリリゾチームの分泌シグナル
    配列又はSF162型ヒト免疫不全症候群ウイルス(H
    IV)gp120の分泌シグナル配列であることを特徴
    とするSF2型HIVgp120発現カセット。
  12. 【請求項12】 前記プロモータがバキュロウイルスの
    ポリヘドリンプロモータであることを特徴とする請求項
    11に記載のSF2型HIVgp120発現カセット。
  13. 【請求項13】 前記ニワトリリゾチームの分泌シグナ
    ル配列が、配列番号1に示す配列であることを特徴とす
    る請求項11又は12に記載のSF2型HIVgp12
    0発現カセット。
  14. 【請求項14】 前記SF162型ヒト免疫不全症候群
    ウイルス(HIV)gp120の分泌シグナル配列が、
    配列番号11に示す配列であることを特徴とする請求項
    11又は12に記載のSF2型HIVgp120発現カ
    セット。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の
    発現カセットを担持したSF2型HIVgp120発現
    ベクター。
  16. 【請求項16】 前記発現カセットが、バキュロウイル
    スベクターに担持されていることを特徴とする請求項1
    5に記載のSF2型HIVgp120発現ベクター。
  17. 【請求項17】 SF2型HIVgp120発現細胞で
    あって、請求項11〜14のいずれかに記載のSF2型
    HIVgp120発現カセット又は請求項15若しくは
    16に記載のSF2型HIVgp120発現ベクターを
    保持したSF2型HIVgp120発現細胞。
  18. 【請求項18】 請求項16のSF2型HIVgp12
    0発現ベクターを保持した昆虫細胞であることを特徴と
    する請求項14に記載のSF2型HIVgp120発現
    細胞。
  19. 【請求項19】 請求項17又は請求項18に記載の細
    胞から産生された単離SF2型HIVgp120蛋白
    質。
  20. 【請求項20】 被験体である分泌シグナル配列が構造
    遺伝子の発現を実行又は上昇させ得るかを判定する方法
    であって、 ベクター上のプロモータと3'UTRとの間に、前記分
    泌シグナル配列が上流に連結されたモニタ遺伝子を前記
    プロモータから発現され得るように接続して発現ベクタ
    ーを調製する発現ベクター調製工程と、 前記発現ベクターを細胞に導入する細胞導入工程と、 前記細胞における前記モニタ遺伝子の発現量を測定する
    測定工程と、を含み、 前記測定工程において、前記モニタ遺伝子の転写産物を
    測定することにより、前記発現量が測定されることを特
    徴とする判定方法。
  21. 【請求項21】 前記プロモータと3'UTRとが、バ
    キュロウイルスのポリヘドリン由来であることを特徴と
    する請求項20に記載の判定方法。
  22. 【請求項22】 被験体である分泌シグナル配列が遺伝
    子の発現を上昇させ得るかを判定するための判定システ
    ムであって、プロモータと3'UTRとを備え、前記プ
    ロモータから発現可能に、前記分泌シグナル配列が上流
    に連結されたモニタ遺伝子を接続させる発現ベクター
    と、 前記構造遺伝子が接続された前記発現ベクターを導入し
    て前記モニタ遺伝子を発現させる細胞と、を含み、前記
    細胞における前記モニタ遺伝子の発現量に基づき、前記
    被験体である核酸がモニタ遺伝子の発現を上昇させ得る
    かが判定される判定システム。
  23. 【請求項23】 前記プロモータと3'UTRとが、バ
    キュロウイルスのポリヘドリン由来であり、 前記細胞が昆虫細胞であることを特徴とする請求項22
    に記載の判定システム。
JP2000078897A 2000-03-21 2000-03-21 遺伝子の発現を促進させ得る核酸 Pending JP2001258565A (ja)

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JP2007520200A (ja) * 2003-06-25 2007-07-26 ユニターゲッティング リサーチ エイエス タンパク質発現システム
JP2015065936A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 ニワトリリゾチーム由来の分泌シグナルペプチドを用いたブタリゾチームの製造方法

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