JP2001255135A - 可動部材の変位測定装置及び印刷媒体のサイズ測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部材の変位を高い精度でかつ低い費用で
測定するための装置を提供する。 【解決手段】 各々が可動部４２及び静止部４０を有す
る少なくとも二つのセンサ３６，３８と、可動部材４８
と、静止部材５０とをそれぞれ備え、各可動部４２の移
動が静止部材５０に対する可動部材４８の変位に比例
し、静止部４０に対する可動部４２の運動方向６０が可
動部材４８の移動の範囲内において少なくとも１回は反
転し、センサ３６，３８が静止部材５０に対する可動部
材４８の位置を表す出力信号６４，６６を発生するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、プリンタ
及び印刷システムに関し、更に詳細には、印刷のために
印刷媒体供給容器に積載される印刷媒体のサイズを自動
的に検出して測定する装置に関する。また、本発明は、
複数のセンサにより連続的に印刷媒体のサイズを検出・
測定するシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在では、印刷機構、例えば、電子写真
式複写機、レーザプリンタ、インクジェツトプリンタな
どは、一般に、単一サイズより多い印刷媒体を処理でき
る。印刷機構に入力するための供給容器に積載されてい
る印刷媒体のサイズを自動的に検知する方法が本明細書
で論ずる主題である。印刷媒体は、普通紙、特殊紙、厚
紙、織物、透明紙、箔、マイラなどのような、実質的に
平らなどのような形式の材料でもよいが、最も普通の形
式又は印刷媒体は紙である。便宜上、これら種々の形式
又は印刷媒体の代表例として紙に印刷することについて
説明することにする。媒体は、多様な色々なサイズで印
刷機構に供給される。例えば、卓上のインクジェット又
はレーザプリンタにおいては、紙は、通常、手紙サイ
ズ、法律用箋サイズ、又はＡ４サイズの紙のようなカッ
トシートのスタックとして供給され、これらは供給容器
又は供給トレイに積載又は設置され、続いて印刷機構に
入力される。同様のサイズの封筒又は葉書又は他の媒体
サイズも印刷に使用され得る。通常、媒体シート、葉書
又は封筒は、スタックの一番上から順次引き出され、印
刷され、その後、印刷済みシートが出力トレイ内に堆積
される。

【０００３】特に、ネットワーク・システムに関係して
いる数人のコンピュータユーザが一つ又は複数のプリン
タを共有しているときのように、コンピュータ・ユーザ
の近くにプリンタがないときに、どのサイズの媒体が入
力トレイに積載されているかを測定してプリンタ制御装
置又はホストコンピュータに伝えることができるプリン
タを有することが望ましい。プリンタがユーザの卓上に
設置されているときでさえ、特定の印刷ジョブに対して
不適当なサイズの媒体が積載されている場合に、ユーザ
に警報を与えるのに役立つことがある。この警報は、ユ
ーザに正しいサイズの媒体を積載するように、或いは積
載された印刷媒体のサイズに適合するように印刷ジョブ
のパラメータを調節すべきことを知らせる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】自動媒体サイズ検知が
役立つためには、非常に正確でなければならない。機構
内部でのトナー汚染を防止するために、このことは、印
刷媒体の縁又は縁の近くに印刷できる印刷機構にとって
は特に重要である。媒体の長さ及び幅を検知すること
は、事務用及び商業用の高価格帯のプリンタ及びプロッ
タにしばしば見られる特徴である。しかし、これらのサ
イズ検知装置は、通常、極めて多くの費用を要し、所要
品質の汎用検知装置は非常に高価になる可能性がある。
通常、より大きな価格感度の存在する小型事務用及び家
庭用の市場では、自動媒体タイプ検知は、廉価に実行で
きるようにはなっていない。

【０００５】これまで、媒体サイズの決定について様々
な方法が使用されてきた。例えば、プリンタの紙経路内
又は印刷キャリッジ上の或る点に取付けられて媒体シー
トの前縁及び後縁、若しくは側縁を検出する逆反射性フ
ォトダイオード又はキャパシタンスセンサが使用されて
いる。しかし、逆反射性及び容量性センサは、それ自身
が高価で、プリンタ内のどこにセンサを取付けて動作さ
せるかにより直接及び間接の費用が付加される。入力紙
トレイ内に取付けられた線形可変抵抗性及び容量性セン
サは、他の方法より廉価になる傾向があるが、それで
も、所要の精度及び感度のセンサは高価である。

【０００６】例えば、印刷媒体サイズ検出の一つの方法
は、入力紙トレイに設置された線形ポテンショメータを
使用している。この方法は、連続出力（すなわち、位置
に対する出力の滑らかな関数）を与えるが、大きいセン
サ構成要素を使用して高価になるか、又は、歯車、レバ
ーなどで横移動量が少なくなること及びより小さいポテ
ンショメータを使用することによる精度の低下を生じる
可能性がある。他の方法は、絶対エンコーダ（例えば光
学式、磁気式など）を使用して可動部材の真の位置を測
定する方法である。Ａ５原簿媒体のサイズを支持する印
刷機構（２２２ｍｍ走行）では、エンコーダは、１ｍｍ
の精度に対して８ビットの分解能が必要になる。これも
また、高価になる可能性がある。

【０００７】従って、プリンタの入力トレイ又は供給ト
レイにどのようなサイズの印刷媒体が積載されているか
を決定するセンサであって、使用に耐える充分な精度を
有し、しかも小規模の事務用及び家庭用のような低価格
帯の用途に利用するのに充分に廉価であるセンサの必要
性が存在する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】好適な実施形態では、本
発明は、一部材の、他の部材に対する変位を高い精度で
かつ低い費用で測定するセンサ組立体を提供している。
本発明を具体化するセンサ組立体は、低価格の、より小
さい多数のセンサ構成要素を利用して、同一の仕事を行
なう単一の、より大きいセンサより高価でなくかつ一層
正確な、センサ組立体を提供している。

【０００９】一実施形態では、本発明は、可動部材の変
位を測定するセンサ組立体を提供している。このセンサ
組立体は、二つ以上の小さい、精度のより低いセンサを
利用して単一の、より大きいセンサの機能を行なう。各
センサは、可動部及び静止部を備え、各センサは、静止
部に対する可動部の移動に応答して出力信号を発生す
る。一実施形態では、センサは可動部材に取付けられて
いるが、各センサの可動部は、静止部材の輪郭表面に接
触している。可動部材が移動すると、各センサの可動部
が静止部材の輪郭表面に沿って移動、追随し、これによ
り、各センサの可動部がセンサの静止部に対して移動す
る。センサの可動部の移動の量は静止部材に対する可動
部材の変位に比例する。各センサの可動部が接触してい
る輪郭表面の部分は、互いに異なる輪郭形状を有してい
る。その結果、可動部材の所定の変位に対して、各セン
サの可動部はセンサの静止部に対して異なる走行量を有
することになり、従って異なる出力信号を発生する。静
止部材の輪郭表面は、静止部に対する各可動部の運動方
向を可動部材の移動の範囲内において少なくとも１回は
反転させるような輪郭形状になっている。かくして、二
つ以上のセンサの出力信号は、一組の出力信号を発生し
ている際の変位を一義的に識別する一組の出力信号を形
成する。

【００１０】好適の実施形態では、本発明は、印刷媒体
供給容器に積載された印刷媒体シートのサイズを測定す
る装置を提供している。供給容器（すなわち、紙入力ト
レイ）は、供給容器内部の可変位置に取付けられて設置
された印刷媒体のフェンス又は止め部材として働く可動
部材を備えている。可動部材の位置は、種々のサイズの
印刷媒体シートを供給容器に積載できるように調節可能
である。少なくとも二つのセンサが、可動部材に取付け
られている。各センサは、可動部及び静止部を備えてお
り、各センサの可動部は、各センサにそれぞれ関連する
供給容器の輪郭表面に接触している。供給容器に対する
可動部材の変位に応じて、各センサの可動部はその関連
する輪郭表面に追随し、これに伴って静止部に対する可
動部の移動を生ずる。各センサの静止部は、静止部に対
する可動部の移動に応じて供給容器に対する可動部材の
変位を表す出力信号を発生する可変電気要素を備えてい
る。少なくとも二つのセンサにより発生される出力信号
は、供給容器に対する可動部材の一義的位置を表してい
る。一義的位置は、印刷媒体シートのサイズに関連して
いる。

【００１１】一つの好適な実施形態では、センサの可変
電気要素は、可変抵抗であり、センサは線形ポテンショ
メータを形成しており、センサにより発生される出力信
号は、供給容器内の可動部材の各一義的位置に対する一
義的な一組の値を形成している。好適な実施形態では、
各々の一義的な一組の値は、ルックアップ・テーブルに
保持されている印刷媒体シートのサイズを指すポインタ
に対応するとともに、このポインタを形成しており、可
動部材の各一義的位置は、印刷媒体シートの異なるサイ
ズに対応している。

【００１２】本発明の他の実施形態及び長所は、添付図
面に関連して行なう下記の詳細な説明を参照することに
よってより良く理解されるに従って容易に認識されるで
あろう。これまで述べた要約又は下記の詳細な説明では
なく、特許請求の範囲の記載だけが本発明を規定する。

【００１３】本発明をより一層良く理解するために図面
を添付して、その添付図面を本明細書に取入れるととも
に本明細書の一部を構成することとしている。図面は、
本発明の実施形態を示し、下記の詳細な説明とともに、
例を挙げて本発明の原理を図解している。なお、図面に
表された構成要素は、必ずしも尺度に合わせて描かれて
おらず、その代わりに本発明の原理を明瞭に示すことに
重点を置いている。図面において類似参照番号は、その
幾つかの図を通じて同一の又は機能的に同様の要素を示
している。

【００１４】

【発明の実施の形態】例示目的の図面に示すように、本
発明は好適には静止部材に対する可動部材の変位又は位
置を測定するセンサ組立体として実施されている。本発
明の一実施形態では、二つ以上の比較的小さい、廉価な
センサ要素を利用して、同じ測定を行なうのに単一の、
より大きく一層正確なセンサを使用するときより一層正
確でかつ少ない費用で位置又は変位を測定している。

【００１５】次に、図１を参照すると、本発明の原理に
よる印刷媒体シート・サイズ検出器を備えた典型的な印
刷システムにおける紙移動機構を示すブロック図が示さ
れている。この印刷システム（プリンタ）１０は、一つ
以上の、紙入力トレイ１２のような印刷媒体入力容器を
備え、その中に紙のような印刷媒体のシート１４が積み
重ねられている（すなわち、積載されている）。印刷シ
ステム１０の媒体送り部は、紙入力トレイ１２に機械的
に結合された媒体供給用モータ１６を備えており、この
媒体供給用モータ１６によって媒体シート１４がピンチ
ローラ１８と入力用又は引込み用のキャプスタンローラ
２０との間に移動されるようになっている。そして、ス
テップモータ２２のような媒体移動手段がキャプスタン
ローラ２０に機械的に結合されており、このキャプスタ
ンローラ２０によって印刷媒体のシート１４がプリンタ
に引込まれ、更にこの印刷媒体１４が印刷機構又は印刷
エンジンまで移動されるように構成されている。印刷エ
ンジンは、例えば、光導電ドラム２４を備えたレーザプ
リンタ用印刷機構であって良い。これに代えて、印刷機
構を、例えば、インクジェット式又は昇華式のカラープ
リンタとしても良い。印刷システム１０の媒体出力部
は、出力用のキャプスタンローラ２８及び他方のピンチ
ローラ３０に機械的に結合した媒体出力用モータ２６を
備えている。印刷媒体のシート１４が、例えば、光導電
ドラム２４を通って印刷エンジンを介して移動すると、
媒体シート１４は、出力用のキャプスタンローラ２８及
びピンチローラ３０に受けられ、印刷機構の外に移送さ
れて出力トレイ又は他の容器（図示せず）に運搬され
る。中央処理装置（ＣＰＵ）３２が印刷媒体供給部から
印刷媒体出力部までの印刷システム１０の動作全体を制
御している。

【００１６】本発明の原理によれば、印刷媒体検出用の
センサ３４が、媒体入力トレイ１２に電気的及び機械的
に結合している。このセンサ３４は、入力トレイ１２に
積み重ねられている印刷媒体のシート１４のサイズを自
動的に検出し、印刷媒体サイズの情報をＣＰＵ３２に伝
送する。ＣＰＵ３２は、次に、印刷媒体サイズ情報を使
用して、印刷機構への印刷媒体のシート１４の供給及び
ステップモータ２２及び媒体出力用モータ２６の動作を
制御し、印刷システム１０を通して印刷媒体の移動を行
い、連続印刷動作を可能とする。

【００１７】次に、図２及び図３に示すように、好適な
実施形態では、センサ３４は、二つ以上のセンサ要素３
６，３８を備えるセンサ組立体３４である。センサ要素
３６，３８の各々は、更に、静止部（固定部）４０及び
可動部４２を備えている。各センサ要素３６，３８は、
また、例えば、可変電気抵抗（図３参照）又は可変電気
容量のような可変電気要素４４を備えている。可動部４
２が静止部４０に対して移動するにつれて、可変電気要
素４４の電気値（抵抗値）が可動部４２の移動量に比例
して変化する。例えば、図３に示すように、スライド可
能な電気接点４６が可動部４２の移動とともに可変抵抗
４４に沿って変動する。この例では、可変抵抗４４は、
当分野の技術で公知のように、線形ポテンショメータと
して接続されている。ポテンショメータの抵抗は、セン
サ要素３６，３８の可動部４２の変位に応じて直線的に
変化する。静止部４０に対する可動部４２のどのような
所定の位置に対しても、ポテンショメータは電気固有抵
抗を備えている。これに代えて、可変電気要素４４を、
非線形抵抗、線形又は非線形のキャパシタンス、又は線
形又は非線形のインダクタンスとしても良い。電気回路
として接続すると、当分野の技術で公知のように、各セ
ンサ要素３６、３８は、電気出力信号を発生し、その値
は、スライド可能な電気接点４６の位置に関する関数で
ある。

【００１８】センサ組立体３４は、静止部材（固定部
材）５０に移動可能に取付けられている可動部材４８に
固定状態で取付けられている。好適な実施形態では、静
止部材５０は、少なくとも二つの輪郭表面（外形表面）
５２及び５４を備えている。輪郭表面５２，５４の各々
は、センサ要素３６，３８の一つに関連している。セン
サ組立体３４は、各センサ要素３６，３８の可動部４２
がそれぞれ関連する輪郭表面５２，５４に接触するよう
な状態で、可動部材４８に取付けられている。例えば、
可動部４２の先端５６は、関連する輪郭表面５２，５４
に滑り接触するように配置され、或いはそれに代えて、
可動部４２の先端５６にホイール又はローラ５８が回転
可能に取付けられ、このホイール又はローラ５８が、関
連する輪郭表面５２，５４に転動可能に接触される。代
わりに、センサ組立体３４が静止部材５０に固定状態で
取付けられる一方、可動部材４８に少なくとも二つの輪
郭表面５２，５４が設けられても良い。この場合には、
同様に、各々の輪郭表面５２，５４が、センサ要素３６
及び３８の一方の可動部４２に関連して配置される。輪
郭表面５２，５４は、可動部材４８の表面に設置され、
可動部材４８が静止部材５０に対して移動するにつれ
て、各センサ要素３６，３８の可動部４２が関連する輪
郭表面５２，５４に接触して、関連する輪郭表面５２，
５４の輪郭形状に追随するようになっている。

【００１９】可動部材４８が静止部材５０に対して、例
えば、矢印６０（図２参照）で示す方向に移動又は変位
するにつれて、センサ要素３６，３８が移動部材４８と
ともに移動し、各センサ要素３６，３８の可動部４２の
先端５６が、関連する輪郭表面５２，５４の表面に追随
する（例えば、「カムとカムフォロワ」の関係に基
く）。一方、静止部材５０に対する可動部材４８の変位
の結果、各センサ要素３６，３８の可動部４２が静止部
４０に対して矢印６２（図３参照）で示す方向に可動部
材４８の変位量に比例する量だけ変位することになる。
輪郭表面５２，５４は、充分な上昇面及び下降面（すな
わち、正及び負の傾斜面）及び推移（すなわち、頂部及
び谷部）を備えていて可動部４２の完全な走行を確保す
るように設計されるとともに、静止部４０に対する可動
部４２の走行方向が、静止部材５０に対する可動部材４
８の走行範囲内において少なくとも１回は確実に逆転す
るように設計されている。

【００２０】次に、図４を参照すると、センサ要素３
６，３８の出力信号を示す一組のグラフが図示されてい
る。センサｂと記載されるセンサ要素３６、及び、セン
サａと記載されるセンサ要素３８の出力信号６４，６６
は、それぞれ三角状波形（明瞭にするため理想化してあ
る）６４及び６６として図示してある。図４において、
水平軸は、静止部材５０に対する可動部材４８の変位又
は位置を表しており、垂直軸は、静止部４０に対するセ
ンサ要素３６，３８の可動部４２の全ストローク量に対
する分数値を表している。可動部材４８が静止部材５０
に対して変位又は移動するにつれて、センサａ若しくは
３８及びセンサｂ若しくは３６の可動部４２の運動がそ
れぞれ関連する輪郭表面５２，５４の輪郭に追随する。
線形装置では、センサ要素３６及び３８の出力信号は、
関連する輪郭表面５２，５４の全体的輪郭に従ったもの
となる。可動部材４８に対するセンサａ若しくは３８の
走行範囲にわたる出力信号をグラフ６６としてプロット
してあり、一方、グラフ６４は、可動部材４８に対する
センサｂ若しくは３６の同じ走行範囲にわたる出力信号
を示している。単一のセンサ要素、例えば、センサａ若
しくは３８の出力信号を考察すると、所定の出力ａ_１
は、可動部材４８の一義的位置に対応していない。しか
し、両センサ要素、すなわちセンサａ若しくは３８、及
び、センサｂ若しくは３６の出力は、可動部材４８の一
義的位置Ｓ_１ に対応する一組の値ａ_１ 、ｂ_１ を形成
している。二つ以上のセンサ要素３６，３８を組み合わ
せて使用すると、センサ出力と静止部材５０に対する可
動部材４８の位置との間に可動部材４８の移動の範囲全
体に沿って１対１の相関が得られる。特定のセンサ要素
に関連する輪郭表面の輪郭は、その他の各センサ要素に
それぞれ関連する輪郭表面の輪郭とは相違しなければな
らない。また、輪郭表面５２，５４の輪郭は、各センサ
要素の可動部４２の運動の反転点が、他のセンサ要素の
反転点の近くになく、反転点の近くで装置の精度が増大
するように、かつ１対１の一義的関係（出力対位置）が
確実に維持されるように設定されている。

【００２１】センサ組立体３４の出力信号は、多数の目
的に利用することができる。例えば、好適な実施形態で
は、出力信号を静止部材５０に対する可動部材４８の変
位を計算するのに直接使用することができる。或いは、
センサ組立体３４の出力信号を直接又は間接に使用して
可動部材４８に関連付けられた物品又は物体の測定値又
は寸法を得ることができる。

【００２２】ここで、図５及び図６を参照すると、好適
な実施形態においては、本発明のセンサ組立体３４が、
印刷媒体入力トレイ１２に積載された又は積み重ねられ
た印刷媒体のシート１４のサイズを測定するために（図
１に示すような）印刷システム１０内に適用されてい
る。印刷媒体供給容器又は紙入力トレイ１２は、印刷媒
体のシート１４をその上に積み重ねることができる堅固
な底部材又は底板６８を備えている。通常、印刷媒体の
シート１４は、底板６８の縁から突出している垂直壁
（図示せず）によっても囲まれている。底板６８にはス
ライド可能に取付けられた支持体７２を受ける溝７０が
形成されており、支持体７２の位置を入力トレイ１２の
底板６８に対して調節可能となっている。支持体７２の
一方の端で、垂直に突出する壁又はフェンス（柵）７３
が支持体７２に固定状態で取付けられており、フェンス
７３は支持体７２とともに移動される。フェンス７３
は、印刷媒体のシート１４をプリンタに送るための正し
い位置に維持して閉じこめる「媒体止め」として役立
つ。フェンス７３は、色々な大きさの印刷媒体又は紙を
紙入力トレイ１２の中に積み重ねることができるよう
に、調節可能であり、溝７０の中をスライドする。フェ
ンス７３の移動の範囲は、大型汎用印刷システムで通常
使用される印刷媒体の様々なサイズに適合させるため
に、１０乃至１２インチに設定され得る。別の実施形態
では、支持体７６に固定して取付けられた別のフェンス
７４が、底板６８に形成された第２の溝７８にスライド
可能に取付けられる。調節可能なフェンス７３に関連し
て上述したように、フェンス７４の位置も底板６８に対
して調節可能であり、従って入力トレイ１２が受けるこ
とができる印刷媒体のサイズを長さ（Ｌ）及び幅（Ｗ）
の両方で変えることができる。

【００２３】図２，図３及び図４を参照して上述したよ
うな本発明のセンサ組立体３４は、媒体止めであるフェ
ンス７３に、都合の良い場所において固定状態で取付け
られる。好適な実施形態では、関連する輪郭表面５２，
５４を底板６８の下面（図示せず）に設置してセンサ要
素３６，３８の可動部４２（図２に示してある）と協働
するようにした状態で、センサ組立体３４を底板６８の
下面を越えて突出するフェンス７３の部分に取付けるこ
とができる。例えば、紙のような、印刷媒体を紙入力ト
レイ１２に積み重ねると、フェンス７３の位置が紙をそ
の正しい位置に閉じこめて制約するよう調節される。フ
ェンス７３が所要位置まで移動されるのに伴い、センサ
組立体３４の各センサ要素３６，３８の可動部４２は、
紙入力トレイ１２の底板６８に対するフェンス７３の位
置に対応して配置される静止部４０についての所定位置
まで移動する。フェンス７３の位置に応じて配置される
センサ要素、例えば、センサａ及びセンサｂの出力信号
ａ_１ 、ｂ_１ は、プリンタのＣＰＵ３２（図１に示し
てある）に伝送され、プリンタ動作（印刷システム１０
の動作）を制御する。ＣＰＵ３２において、センサ組立
体３４の出力信号は、好適に、ルックアップ・テーブル
８０（図６に示してある）を参照してフェンス７３の位
置に対応する印刷媒体サイズを得るのに使用される。セ
ンサ要素３６，３８の出力信号の各組、すなわち
ａ_１ ，ｂ_１ と、ａ_２ ，ｂ_２ と、ａ_３ ，ｂ
_３ と、……ａ_ｎ ，ｂ_ｎ ８２について、ルックアッ
プ・テーブル８０は、対応する印刷媒体サイズ、
Ｓ_１ 、Ｓ_２ 、Ｓ_３ 、……Ｓ_ｎ ８４を有してい
る。或いは、プリンタのＣＰＵ３２は、ルックアップ・
テーブルを参照しないでセンサ組立体３４の出力信号を
直接使用できる。

【００２４】前述の事項に加えて、図６に示すルックア
ップ・テーブル８０を含む本発明の論理は、ハードウェ
ア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組合
せで実施することができる。好適な実施形態では、本発
明の論理は、記憶装置に格納され、かつ、適切な指令実
行装置により実行されるソフトウエア又はファームウェ
アにおいて実行される。代替の実施形態でのようにハー
ドウェアで実施するようにすれば、本発明の論理を下記
技術のどれでも又はそれらの組合せにて実施することが
できる。その技術は、全て当分野の技術で周知である
が、データ信号に関して論理機能を実施する論理ゲート
を有する個別論理回路、適切な論理ゲートを有するアプ
リケーション特有集積回路（ＡＳＩＣ）、プログラム可
能なゲート配列（ＰＧＡ）、現場でプログラム可能なゲ
ート配列（ＦＰＧＡ）などである。

【００２５】以上について要約すると、次の通りであ
る。本発明は、可動部材４８の変位又は位置を測定する
ためのセンサ組立体３４を提供する。このセンサ組立体
３４は、二つ以上の小さい、精度のより低いセンサ３
６，３８を利用して単一の、精度のより高い大きなセン
サの機能を行なう。各々のより小さなセンサ３６，３８
の分解能は、一方向における各センサ３６，３８の最大
移動量が、測定されるべき可動部材４８の移動量の半分
又は半分以下であるようにセンサ組立体（センサシステ
ム）３４を構成することによって、高められる。各セン
サ３６，３８は、可動部材４８の移動の残余量のために
反対方向に移動して原位置に戻る。カムフォロワ・シス
テム５２，５４を利用することにより、２つのセンサ３
６，３８は、可動部材４８の各位置で、可動部材４８の
移動範囲にわたり１対１の相互関係にある一組の出力信
号６４，６６を発生する。

【００２６】本発明の原理を様々な好適な実施形態及び
代替案を参照して説明しかつ図示したが、当業者には本
発明をそれらの原理から逸脱することなく構成及び細目
に関して更に変更できることが明らかであろう。従っ
て、本発明は、特許請求の範囲の用語及びそれに同等の
事項内に入るこのような全ての変更を包含することに留
意されるべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理による印刷媒体シートのサイズ検
出装置を備えた典型的な印刷システムにおける紙搬送機
構を示すブロック図である。

【図２】本発明の好適な実施形態を示す概略図である。

【図３】図２に示すセンサ要素の詳細を示す概略図であ
る。

【図４】可動部材の変位に対するセンサの運動を示すグ
ラフである。

【図５】本発明を具体化するプリンタ紙供給容器の上平
面図である。

【図６】本発明に従って物品の物理的特性をセンサの出
力に関係づけるルックアップ・テーブルを示す図であ
る。

【符号の説明】

１２ 供給容器 １４ 印刷媒体シート ３６，３８ センサ要素 ４０ 静止部 ４２ 可動部 ４８ 可動部材 ５０ 静止部材 ５２，５４ 輪郭表面 ６４，６６ 出力信号 ６８ 底板 ７０，７８ 溝 ７２，７６ 支持体 ７３，７４ フェンス（柵） ８０ ルックアップ・テーブル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ） 各々が可動部及び静止部を有する
   少なくとも二つのセンサと、（ｂ） 可動部材と、
   （ｃ） 静止部材と、をそれぞれ備え、 各センサの前記可動部の移動量が前記静止部材に対する
   前記可動部材の変位に比例するとともに、前記静止部に
   対する前記可動部の運動方向が前記可動部材の移動の範
   囲内において少なくとも１回は反転し、 前記センサが前記静止部材に対する前記可動部材の位置
   を表す出力信号を発生するように構成したことを特徴と
   する可動部材の変位測定装置。
2. 【請求項２】 少なくとも一つの印刷媒体供給容器を有
   するプリンタにおいて、前記印刷媒体供給容器に積載さ
   れる印刷媒体のサイズを測定する装置であって、 前記印刷媒体供給容器に移動可能に取付けられ、前記印
   刷媒体供給容器の内部の可変位置に設置されている部材
   を備え、前記部材の位置が色々なサイズの印刷媒体を前
   記印刷媒体供給容器に積載できるように調節可能であ
   り、 前記部材に取付けられ、各々が可動部及び静止部を有す
   る少なくとも二つのセンサを備え、各センサの前記可動
   部が前記印刷媒体供給容器の輪郭表面に接触して前記印
   刷媒体供給容器に対する前記部材の変位に応じて前記輪
   郭表面に追随し、それにより各センサの前記静止部に対
   する前記可動部の移動を生じ、前記静止部に対する前記
   可動部の運動方向が前記部材の移動の範囲内において少
   なくとも１回は反転し、前記センサが前記印刷媒体供給
   容器に対する前記部材の位置を表す出力信号を発生し、 前記少なくとも二つのセンサの前記出力信号が前記印刷
   媒体供給容器に対する前記部材の位置を表し、各位置が
   印刷媒体のサイズに関連するようにしたことを特徴とす
   る印刷媒体のサイズ測定装置。