JP2001252522A - 放電ガス処理装置および放電ガス処理方法 - Google Patents

放電ガス処理装置および放電ガス処理方法

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JP2001252522A
JP2001252522A JP2000065236A JP2000065236A JP2001252522A JP 2001252522 A JP2001252522 A JP 2001252522A JP 2000065236 A JP2000065236 A JP 2000065236A JP 2000065236 A JP2000065236 A JP 2000065236A JP 2001252522 A JP2001252522 A JP 2001252522A
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activated carbon
gas
treated
halogen
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JP2000065236A
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English (en)
Inventor
Kenta Naito
健太 内藤
Takuya Kuwabara
拓哉 桑原
Hitoshi Shibano
均 芝野
Tamotsu Kawakita
有 川北
Shigeru Kato
茂 加藤
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非平衡プラズマ放電処理と吸着触媒との組み
合わせによる相乗効果を確実に発揮させて、被処理ガス
中の被処理物質の除去性能を高めることができ、しかも
金属酸化物系触媒を用いる場合に比べて吸着触媒が安価
かつ長寿命である放電ガス処理装置および放電ガス処理
方法を提供する。 【解決手段】 この放電ガス処理装置は、被処理物質を
含む被処理ガス4中で非平衡プラズマ放電を発生させる
放電処理部6と、その下流側に設けられていて放電処理
部6を通過した被処理ガス4中の被処理物質を吸着する
吸着触媒部20とを備えている。しかもこの吸着触媒部
20は、活性炭にハロゲンまたはハロゲン化物を添着し
たハロゲン添着活性炭と、活性炭に何も添着していない
無添着活性炭の少なくとも一方を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば硫化水素
やメチルメルカプタン等の有害物質や悪臭物質等から成
る被処理物質を含む被処理ガスを、非平衡プラズマ放電
処理と吸着触媒との併用によって処理して、被処理ガス
中から被処理物質を除去する放電ガス処理装置および放
電ガス処理方法に関し、より具体的には、非平衡プラズ
マ放電処理と吸着触媒との相乗効果を発揮させて、被処
理物質の除去性能を高める手段に関する。
【0002】
【従来の技術】非平衡プラズマ放電処理と吸着触媒との
併用によって、被処理ガス中の有害物質や悪臭物質等か
ら成る被処理物質を除去する放電ガス処理装置が幾つか
提案されている(例えば特許第2923647号公報、
特開平4−197418号公報)。
【0003】この装置は、図10に示すように、上記の
ような硫化水素やメチルメルカプタン等の有害物質や悪
臭物質等から成る被処理物質を含む被処理ガス4が導入
され当該ガス4中で非平衡プラズマ放電を発生させる放
電処理部6と、この放電処理部6の下流側に設けられて
いて放電処理部6を通過した被処理ガス4中の被処理物
質を吸着する吸着触媒部10とを備えている。
【0004】非平衡プラズマ放電とは、ガス温度と電子
温度が平衡に無い(より具体的には、電子温度は高いが
イオン温度が低くガスの温度上昇を起こさない)非平衡
プラズマを生成する放電のことであり、この放電形態に
は、パルスコロナ放電、沿面コロナ放電、無声コロナ放
電等がある。
【0005】吸着触媒部10には、従来は、上記公報に
も記載されているように、酸化マンガン触媒に代表され
る金属酸化物系のオゾン分解触媒や、活性炭が用いられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の吸着触媒部
10に用いられている酸化マンガン触媒等の金属酸化物
系のオゾン分解触媒は、高価であり、しかも分解副生成
物の保持能力の点で寿命が比較的短く、従って運転コス
トが高くつく。
【0007】これに対して活性炭は、一般的に言えば、
金属酸化物系触媒に比べて、安価であり、かつ分解副生
成物の保持能力の点でも寿命が長く有利である。
【0008】ところが、一口に活性炭と言っても、非常
に種類が多い。例えば、ガス処理用に限っても、酸性ガ
スについて特に吸着能力に優れたアルカリ添着活性炭、
塩基性ガスについて特に吸着能力に優れた酸添着活性
炭、オゾン分解性能に優れたオゾン分解用活性炭等があ
る。
【0009】しかし、上記公報には、活性炭については
単に活性炭と記載されているだけであり、活性炭の内で
もどのような活性炭を用いれば非平衡プラズマ放電処理
との相乗効果を十分に発揮させることができるかについ
ては、何ら記載されていない。
【0010】即ちこれまでは、非平衡プラズマ放電処理
と併用する場合に効果的な活性炭の種類については、十
分な検討が成されていなかった。単に、被処理ガスが酸
性ガスの場合はアルカリ添着活性炭、塩基性ガスの場合
は酸添着活性炭、あるいは非平衡プラズマ放電処理と併
用する場合はオゾン分解が重要だという観点からオゾン
分解用活性炭、という程度の理由で選定して来た。しか
しこれでは、非平衡プラズマ放電処理と吸着触媒との組
み合わせによる相乗効果を確実に発揮させていると言う
ことはできない。
【0011】そこでこの発明は、非平衡プラズマ放電処
理と吸着触媒との組み合わせによる相乗効果を確実に発
揮させて、被処理ガス中の被処理物質の除去性能を高め
ることができ、しかも金属酸化物系触媒を用いる場合に
比べて吸着触媒が安価かつ長寿命である放電ガス処理装
置および放電ガス処理方法を提供することを主たる目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放電ガス
処理装置は、前記吸着触媒部が、活性炭にハロゲンまた
はハロゲン化物を添着したハロゲン添着活性炭と、活性
炭に何も添着していない無添着活性炭の少なくとも一方
を備えていることを特徴としている。
【0013】発明者達は、上記課題を解決するために、
非平衡プラズマ放電処理と多様な種類の活性炭との組み
合わせについて鋭意検討した結果、吸着触媒部にある特
定の活性炭を用いることによって、即ち上記ハロゲン添
着活性炭および無添着活性炭の少なくとも一方を用いる
ことによって、非平衡プラズマ放電処理と吸着触媒との
組み合わせによる相乗効果を確実に発揮させて、被処理
ガス中の被処理物質の除去性能を顕著に高めることがで
きることを見い出した。しかもこれらの活性炭は、酸化
マンガン触媒に代表される金属酸化物系触媒に比べて安
価かつ長寿命である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る放電ガス
処理装置の一例を示すブロック図である。図10に示し
た従来例と同一または相当する部分には同一符号を付
し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明す
る。
【0015】この放電ガス処理装置は、従来の吸着触媒
部10に相当する吸着触媒部20が、吸着触媒として、
活性炭にハロゲンまたはハロゲン化物を添着したハロゲ
ン添着活性炭と、活性炭に何も添着していない無添着活
性炭の少なくとも一方を備えていることを特徴としてい
る。
【0016】放電処理部6の一例を図2に示す。この放
電処理部6は、非平衡プラズマ放電としてパルスコロナ
放電を用いるものであり、円筒状(円管状とも言える)
の外部電極(非コロナ電極)12内に、当該外部電極1
2よりも細い線状(棒状とも言える)の内部電極(コロ
ナ電極)14を同軸状に配置した、同軸円筒状構造をし
ている。但し、放電処理部6の構造はこの例のものに限
られるものではない。
【0017】この放電処理部6の両電極12、14間の
放電空間16に上記被処理ガス4を導入し、かつ両電極
12、14間にパルス電源8から高電圧(例えば放電空
間6での平均電界強度が8〜30kV/cm程度になる
ような高電圧)かつ短パルス(例えばパルス幅が10n
s〜1μs程度)のパルス電圧VP を繰り返し印加し
て、放電空間16内の被処理ガス4中でパルスコロナ放
電18を発生させることによって、被処理ガス4中の被
処理物質を改質することができる。パルス電圧V P は、
通常は正パルスであるが負パルスでも良い。
【0018】吸着触媒部20の一例を図3に示す。この
吸着触媒部20は、円筒状(円管状とも言える)の容器
22内に、上記のような活性炭24を充填した構造をし
ている。活性炭24が例えば破砕状またはペレット状の
場合は、それを図示例のように、被処理ガス4を通すこ
とのできる網状部材26および28で挟み込めば良い。
【0019】上記図1〜図3に示した構造の装置を用い
て、吸着触媒部20の活性炭24の種類等を変えて行っ
た実験結果を以下に説明する。
【0020】以下の実験例では、被処理ガス4として、
硫化水素またはメチルメルカプタンを混入した空気(室
温、1気圧)を用いた。放電処理部6の電極12、14
間には、パルス幅1μs以下のパルス電圧VP を繰り返
し印加することによって、一定流量で電極12、14間
を流れて行く被処理ガス4を放電処理した。放電処理部
6における放電電力等の放電条件は、放電処理後の(出
口の)被処理ガス4中のオゾン濃度が、放電処理前の
(入口の)被処理ガス4中の硫化水素(またはメチルメ
ルカプタン)の濃度に対して1.5倍になるように設定
した。吸着触媒部20の活性炭層中の被処理ガス4の線
速度(活性炭層を通過する被処理ガス4の平均速度)は
約0.3m/sとした。
【0021】放電処理部6の入口の硫化水素濃度を10
ppmとし、吸着触媒部20の活性炭24として市販の
オゾン分解用活性炭または市販のアルカリ添着活性炭
(いずれも活性炭層厚5cm)を用いて、硫化水素の除
去率(放電処理部6の入口での濃度に対する吸着触媒部
20の出口での濃度。以下同じ)の経時変化を測定した
結果を図4および図5にそれぞれ示す。図中の実線は、
放電処理部6にパルス電圧VP を印加して放電処理と活
性炭24とを併用した場合であり、図中の破線は、放電
処理部6に電圧を印加しなくて放電処理を併用せずに活
性炭24のみを用いた場合である(図5〜図9も同
様)。
【0022】図4から明らかなように、オゾン分解用活
性炭では、放電処理ありの方が除去率が低く、放電処理
との併用効果は認められない。
【0023】図5から明らかなように、アルカリ添着活
性炭では、放電処理との併用効果は得られているもの
の、元々放電処理のみで硫化水素除去率は40〜50%
程度得られることを考えると、アルカリ添着活性炭では
実験開始からわずか数時間で放電処理との併用効果が無
くなることが分かる。
【0024】一方、吸着触媒部20の活性炭24とし
て、市販のハロゲン添着活性炭(活性炭層厚4cm)を
用いた場合の結果を図6および図7に示す。ここでは一
例としてハロゲンをヨウ素とし、ヨウ素添着活性炭を用
いた。
【0025】図6から明らかなように、ハロゲン添着活
性炭では、80%以上の高除去率領域において、放電処
理との有意な併用効果が得られていることが分かる。ち
なみに、ガス処理の分野では、通常80%程度以上の高
除去率が望まれており、それよりも低い除去率領域にお
いて放電処理と吸着触媒との併用効果が得られても実用
上の価値は少ない。
【0026】図7は、放電処理部6の入口の硫化水素濃
度を120ppmに高めた場合の結果である。放電処理
を併用した場合は長時間に亘り高除去率を維持している
のに対して、放電処理を併用しない場合は除去率は比較
的大きく低下しており、放電処理を併用した場合としな
かった場合の除去率の差が時間を追って拡大しているこ
とが分かる。
【0027】次に、吸着触媒部20の活性炭24として
市販の無添着活性炭(活性炭層厚5cm)を用いた場合
の結果を図8に示す。放電処理部6の入口の硫化水素濃
度は120ppmとした。この場合も、ハロゲン添着活
性炭と同様に、高除去率領域において、放電処理との有
意な併用効果が得られている。
【0028】以上の結果は、被処理ガス4中の被処理物
質が硫化水素の場合の例であるが、メチルメルカプタン
等の他の有害物質や悪臭物質でも同様の効果が認められ
た。
【0029】図9に、メチルメルカプタンの場合の実験
結果を示す。ここでは、吸着触媒部20の活性炭24と
して上記実験と同様のハロゲン添着活性炭(具体的には
ヨウ素添着活性炭。活性炭層厚5cm)を用い、放電処
理部6の入口のメチルメルカプタン濃度を60ppmと
した。この場合も、80%以上の高除去率領域におい
て、放電処理との有意な併用効果が得られている。
【0030】また、以上は非平衡プラズマ放電の放電形
態としてパルスコロナ放電を用いた場合の結果である
が、沿面コロナ放電等の他の非平衡プラズマ放電形態で
も上記と同様の結果が得られる。
【0031】以上から分かるように、吸着触媒部20の
活性炭24として、ハロゲンもしくはハロゲン化物を添
着したハロゲン添着活性炭、または無添着活性炭を用い
ることによって、非平衡プラズマ放電処理との組み合わ
せによる相乗効果を確実に発揮させて、被処理ガス4中
の被処理物質の除去性能(除去率)を顕著に高めること
ができる。
【0032】しかもこれらの活性炭は、前述した酸化マ
ンガン触媒に代表される金属酸化物系触媒に比べて安価
かつ長寿命である。
【0033】従ってこの放電ガス処理装置によれば、活
性炭24が金属酸化物系触媒に比べて安価かつ長寿命で
あり、しかも他の活性炭に比べて除去性能が高くてその
ぶん放電電力の低減が可能であるので、装置コストの低
減および運転(ランニング)コストの低減が可能にな
る。
【0034】吸着触媒としてハロゲン添着活性炭または
無添着活性炭を用いることによって、非平衡プラズマ放
電処理との併用(相乗)効果が向上する機構について
は、測定の困難性もあって十分な解明には至っていない
が、現時点では次のようなものであると考えられる。
【0035】(1)非平衡プラズマ放電による放電化学
反応によって生成された反応生成物(オゾンやラジカル
類を含む)が上記活性炭において特に吸着されやすい。
そして、吸着された反応生成物が被処理物質を効率良く
捕捉して吸着容量を増加させ、被処理物質の除去性能が
向上する。
【0036】(2)上記活性炭における上記反応生成物
および被処理物質の吸着能が高く、しかも、両物質に対
する吸着帯幅が同程度になっていて両物質の空間密度分
布の重なりが大きいので、上記活性炭上で上記反応生成
物と被処理物質との相互作用(化学反応)が良く起き
る。例えば、反応生成物が酸化作用を有しておれば被処
理物質は酸化される。このような化学反応によって、活
性炭上で被処理物質が異なる物質に転換されるため、活
性炭における被処理物質の平衡吸着量が見かけ上増大
し、被処理物質の除去性能が向上する。
【0037】この(1)および(2)の機構の内、無添
着活性炭の場合は(1)の機構が支配的になっており、
ハロゲン添着活性炭の場合は(1)と(2)の両機構が
重なって働いているものと考えられる。
【0038】なお、上記ハロゲン添着活性炭のハロゲン
は、上記ヨウ素以外のもの、例えば臭素等でも良い。但
し、実験した限りでは、ヨウ素が最も高い除去性能が得
られた。
【0039】上記無添着活性炭およびハロゲン添着活性
炭は、市販品のもので上記のような作用効果が十分に得
られる。例えば、武田薬品工業株式会社の無添着活性炭
(商品名G2X)、ハロゲン添着活性炭(商品名GS1X
GS2X、GS3X)、ダイヤテック株式会社のヨウ素炭が
利用できる。
【0040】吸着触媒部20の活性炭24として、上記
無添着活性炭とハロゲン添着活性炭の両方を用いても良
い。また、この内の少なくとも一方の活性炭と他の吸着
触媒とを併せて用いても良い。その場合、複数種類の吸
着触媒層を互いに直列配置するよりも、同一出願人が先
に提案しているように(特願平11−239800
号)、複数種類の吸着触媒を、少なくとも1cm〜5c
mの幅内で実質的に均質であると見なせる程度に混合し
ておく方が好ましい。そのようにすれば、どの吸着触媒
においても放電処理との併用効果を確実に発揮させるこ
とができるからである。
【0041】上記活性炭24の形状は、破砕状、ペレッ
ト状等でも良い。ハニカム状に整形したものでも良い。
破砕状またはペレット状のものを使用する場合は、図3
に示した例のように、被処理ガス4を通すことのできる
網状部材26、28で挟み込めば良い。吸着触媒部20
の容器22に網状部材26、28が固定されていて、破
砕状またはペレット状の活性炭24を充填する形態でも
良いし、網状部材を設けたカートリッジとして、それを
容器22に充填する形態でも良い。
【0042】吸着触媒部20の容器22の材質は、耐食
性を考慮して、耐食塗装鋼板でも良いし、ステンレス鋼
でも良い。被処理ガス4の温度が60℃程度以下であれ
ば、塩化ビニール、フッ素樹脂、ガラス繊維強化プラス
チック等の樹脂でも良い。また、これらの樹脂で被膜処
理した鋼板やステンレス鋼でも良い。
【0043】放電処理部6における非平衡プラズマ放電
の放電形態としては、前述したように、パルスコロナ放
電、沿面放電、無声放電のいずれを用いても良い。パル
スコロナ放電を用いれば、放電消費電力がより低減でき
る。パルスコロナ放電の場合は、図2に示した例のよう
に、ガス流路を挟んで相対向する細いコロナ電極と、面
状の非コロナ電極とを用いる。沿面放電の場合は、誘電
体の一方面に配置された細いコロナ電極と他方面に配置
された面状の非コロナ電極とを用いる。無声放電の場合
は、誘電体を介在させた互いに並行な二つの電極を用い
る。電極構造のより具体例は、例えば上記公報(特許第
2923647号公報、特開平4−197418号公
報)に記載されている。
【0044】放電処理部6における被処理ガス4の滞留
時間(通過時間もしくは接触時間)は、装置サイズや圧
力損失等の観点から実用上、1ms〜10秒の範囲が好
ましい。
【0045】放電処理部6における放電条件(印加パル
ス電圧VP の大きさ、パルス繰り返し率、放電電力等。
以下同じ)については、放電処理後の(即ち放電処理部
6の出口の。以下同様)オゾン濃度が、放電処理部6の
入口の被処理物質濃度の1〜3倍、好ましくは1.5〜
2倍になるように放電条件を調整すれば良いという経験
的知見を得ている。
【0046】これを詳述すると、放電処理部6における
放電条件を、印加パルス電圧VP の大きさ等で規定する
ことは、必ずしも適当ではない。印加パルス電圧VP
大きさや放電電力を一定にしても、被処理ガス4中の水
分量や酸素濃度の影響で、放電処理併用効果が変わると
いう実験結果を得ている。発明者達の経験的知見によれ
ば、放電処理部6での放電条件の指標として最適なもの
は、放電処理後(即ち放電処理部6の出口)のオゾン濃
度である。オゾン濃度は、放電によって生成されると考
えられる酸素ラジカル類の中で検出が容易であり、実際
的な放電条件の指標として適していると考えられる。
【0047】放電処理部6における消費電力、吸着触媒
部20内の活性炭24の寿命および当該放電ガス処理装
置出口からのオゾンの漏れ防止の観点からは、放電処理
後のオゾン濃度と放電処理部6の入口の被処理物質濃度
との比をできるだけ小さくする方が望ましい。しかし、
この比が0.5〜0.8倍では、放電処理を併用する効
果が認められないという実験事実を得ている。放電処理
併用効果が認められるのは、経験的に、前記比が1倍以
上の場合である。この比を1.5倍にしたのが先に図6
〜図9に示した例であり、前述のように顕著な放電処理
併用効果が認められている。
【0048】この発明に係る技術に類似したものに乾式
オゾン脱臭法がある。これは、オゾナイザ等で生成した
オゾン化ガスを被処理ガスに注入した後、活性炭等の吸
着触媒に通すものである。この技術では、被処理物質濃
度に対して3〜5倍のオゾン濃度を必要とする。これに
対してこの発明では、乾式オゾン脱臭法よりも少ないオ
ゾン消費量で大きな処理効果を得ることができる。
【0049】放電処理部6での放電電力を増加して、前
記比を1.5倍よりも大きくすれば、被処理物質の除去
性能は更に向上するけれども、放電処理併用効果は飽和
傾向を示す。従って、放電処理部6における消費電力の
低減、吸着触媒部20内の活性炭24の長寿命化および
装置出口からのオゾンの漏れ防止を図りつつ、放電処理
と吸着触媒との有効な併用効果を得るためには、前記比
が1〜3倍になるように、放電処理部6における放電条
件を設定して処理するのが好ましく、その内でも1.5
〜2倍にするのがより好ましい。そのようにすれば、よ
り顕著な併用効果を得ることができる。
【0050】なお、臭気処理のように対象成分が未知で
ある場合は、放電条件の調整は、除去効果をもって判断
すれば良い。
【0051】放電処理部6と吸着触媒部20とをつなぐ
ガス流路のガス通過時間は、放電処理によって生成され
た反応生成物の寿命が比較的短いので、短い方が望まし
いが、実用上は10秒程度以内であれば特に支障はな
い。
【0052】放電処理部6の前段には、必要に応じて、
除塵、調湿、調温等を行う前処理部を設けても良い。
【0053】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0054】請求項1または2記載の発明によれば、吸
着触媒部が吸着触媒として、ハロゲン添着活性炭および
無添着活性炭の少なくとも一方を備えているので、非平
衡プラズマ放電処理と吸着触媒との組み合わせによる相
乗効果を確実に発揮させて、被処理ガス中の被処理物質
の除去性能を顕著に高めることができる。しかもこれら
の活性炭は、酸化マンガン触媒に代表される金属酸化物
系触媒に比べて安価かつ長寿命である。
【0055】従ってこの発明によれば、上記活性炭が金
属酸化物系触媒に比べて安価かつ長寿命であり、しかも
他の活性炭に比べて除去性能が高くてそのぶん放電電力
の低減が可能であるので、装置コストの低減および運転
コストの低減が可能になる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、放電処理部
における消費電力の低減、吸着触媒部内の活性炭の長寿
命化および放電ガス処理装置出口からのオゾンの漏れ防
止を図りつつ、放電処理と吸着触媒との有効な併用効果
を得ることができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、放電処理部
における消費電力の低減、吸着触媒部内の活性炭の長寿
命化および放電ガス処理装置出口からのオゾンの漏れ防
止をより確実に図りつつ、放電処理と吸着触媒とのより
顕著な併用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る放電ガス処理装置の一例を示す
ブロック図である。
【図2】放電処理部の一例を示す概略斜視図である。
【図3】吸着触媒部の一例を示す概略断面図である。
【図4】オゾン分解用活性炭を用いた場合の硫化水素除
去率の経時変化を測定した結果の一例を示す図である。
【図5】アルカリ添着活性炭を用いた場合の硫化水素除
去率の経時変化を測定した結果の一例を示す図である。
【図6】ハロゲン添着活性炭を用いた場合の硫化水素除
去率の経時変化を測定した結果の一例を示す図である。
【図7】ハロゲン添着活性炭を用いた場合の硫化水素除
去率の経時変化を測定した結果の他の例を示す図であ
る。
【図8】無添着活性炭を用いた場合の硫化水素除去率の
経時変化を測定した結果の一例を示す図である。
【図9】ハロゲン添着活性炭を用いた場合のメチルメル
カプタン除去率の経時変化を測定した結果の一例を示す
図である。
【図10】従来の放電ガス処理装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
4 被処理ガス 6 放電処理部 8 パルス電源 20 吸着触媒部 24 活性炭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 19/08 B01D 53/36 H H05H 1/24 (72)発明者 芝野 均 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 川北 有 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 加藤 茂 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA03 AA06 AB02 BA04 BA07 CA07 DA41 DA51 DA53 GB08 HA01 4D048 AA12 AA22 AB03 BA05X BA43X BB01 BB02 CA01 CC32 CC46 CD08 CD10 EA03 EA04 4G075 AA37 BA01 BA04 BA05 BB04 BD12 CA47 CA54 DA01 EA02 EB31 EB41 EC06 EC21 FC09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物質を含む被処理ガス中で非平衡
    プラズマ放電を発生させる放電処理部と、この放電処理
    部の下流側に設けられていて当該放電処理部を通過した
    被処理ガス中の被処理物質を吸着する吸着触媒部とを備
    える放電ガス処理装置において、前記吸着触媒部が、活
    性炭にハロゲンまたはハロゲン化物を添着したハロゲン
    添着活性炭と、活性炭に何も添着していない無添着活性
    炭の少なくとも一方を備えていることを特徴とする放電
    ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン添着活性炭のハロゲンがヨ
    ウ素である請求項1記載の放電ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の放電ガス処理装
    置において、前記放電処理部の出口の被処理ガス中のオ
    ゾン濃度が、当該放電処理部の入口の被処理ガス中の被
    処理物質の濃度に対して1〜3倍になる放電条件で、前
    記放電処理部において放電処理を行うことを特徴とする
    放電ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の放電ガス処理装
    置において、前記放電処理部の出口の被処理ガス中のオ
    ゾン濃度が、当該放電処理部の入口の被処理ガス中の被
    処理物質の濃度に対して1.5〜2倍になる放電条件
    で、前記放電処理部において放電処理を行うことを特徴
    とする放電ガス処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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