JP2001251360A - パケットネットワークにおけるリアルタイムメディアコンテンツを伝送し同期化するシステム及び方法 - Google Patents

パケットネットワークにおけるリアルタイムメディアコンテンツを伝送し同期化するシステム及び方法

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JP2001251360A JP2001015572A JP2001015572A JP2001251360A JP 2001251360 A JP2001251360 A JP 2001251360A JP 2001015572 A JP2001015572 A JP 2001015572A JP 2001015572 A JP2001015572 A JP 2001015572A JP 2001251360 A JP2001251360 A JP 2001251360A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチメディア搬送ネットワークの複数のレ
シーバにおいて同期化したＡ／Ｖ出力を提供する。 【解決手段】 マルチメディアのＡ／Ｖ情報を再生順に
含むマルチメディアパケット６４を生成・伝送するマル
チメディアサーバ６２と、パケット６４を受信するため
にサーバ６２と接続した、パケット６４を複数の宛先に
配信する複数のルータ６８，７０を有するパケットネッ
トワーク６６と、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）
と累積ネットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情報
（ＴＤＩ）をパケット６４に挿入する手段と、ＴＤＩを
有するメディアパケット６４を受信する複数のレシーバ
８０，８２，８４を含み、各レシーバは受信したパケッ
ト６４を蓄積するバッファと、蓄積したパケット６４を
バッファから検索しパケット６４を再生順に配列する順
序付け手段と、そのパケットをサーバ６２による伝送後
ＴＥＤの時点で再生する再生機構を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、リアルタイムマル
チメディアコンテンツを伝送し同期化するシステム及び
方法に関し、より詳細には、マルチメディア装置例えば
モニタ及びオーディオシステムにより再生される際のマ
ルチキャストにより配信されたメディアコンテンツを同
期化するための、リアルタイムマルチメディアコンテン
ツを伝送し同期化するシステム及び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】集会及び展示場のような状況において
は、マルチビデオモニタで同期化した同一の動画コンテ
ンツを再生することが要求される。一般には、個別に配
置したモニタとスピーカ間の音声と動画を同期化させる
ことが要求される。現在のリアルタイムメディア伝送技
術は、サービス品質（ＱｏＳ）が保証されないパケット
ネットワークを介してオーディオ／ビデオストリームを
妥当な品質で、より高品質のネットワークに比べて安い
価格で伝送することを可能にしている。かように、複数
のレシーバにパケットネットワークにより配信したマル
チメディアコンテンツを同期化して再生することが要求
される。
【０００３】図３は、パケットネットワークを使用す
る、従来技術によるマルチメディアコンテンツの配信シ
ステムを示す図で、図中１０は配信システムを示してい
る。マルチメディアサーバ１２は、マルチメディアオー
ディオ／動画コンテンツを含むマルチメディアパケット
１４のストリームを生成する。通常、サーバ又はソース
（情報発生源）１２は、例えば２０ｍｓ毎に１パケット
の一定速度（パケットレート）でマルチメディアパケッ
トを生成する。パケットのサイズは、マルチメディアの
コーディックに依存し、固定又は可変サイズのパケット
を生成することになる。生成されたマルチメディアパケ
ットは、複数のルータすなわちノード１８，２０，２
２，２４，２８，３０を有するパケットネットワーク１
６を介して伝送され、マルチメディアレシーバ３２，３
４，３６，３８に配信される。複数の装置に配信する伝
送機構は、“マルチキャスト”として知られている。サ
ーバからのマルチメディアコンテンツの受信を望む全て
のレシーバは、１つのマルチキャストグループに入る。
パケットネットワーク１６内のルータはこのマルチキャ
ストグループを知っており、受信したマルチメディアパ
ケットを複数ルートに伝送する。各レシーバはスピーカ
及び／又は動画ディスプレイを装備しており、受信した
マルチメディアパケット中のコンテンツをリアルタイム
で再生する。マルチメディアレシーバは、受信したマル
チメディアパケットを或る期間一時保管して、ネットワ
ークにより生じた遅延差を吸収しマルチメディアパケッ
トを正しい順序で再生する。
【０００４】ＩＰネットワークのような従来のパケット
ネットワークの場合、複数パケットは各ルータで待ち行
列を形成する。パケットの待ち時間は、特定ルータが処
理する通信量により異なる。従って、各マルチメディア
レシーバに配信された各マルチメディアパケットは予測
不能の遅延を持ち得る。その結果、オーディオ／動画コ
ンテンツは、複数の場所で同期化せずに再生される。
【０００５】前述のように、リアルタイムマルチメディ
ア伝送技術は、現在、サービス品質（ＱｏＳ）を保証し
ないパケットネットワークを介して妥当な品質で伝送す
ることを可能にしている。無線データネットワークのよ
うな帯域を制限された通信チャネルによりデータを伝送
するモバイルインターネットのアクセスが増大するに従
い、最小の帯域を要するリアルタイムでメディアパケッ
トを伝送する技術が必要となり、その重要性が益々増大
している。
【０００６】図４は、パケットベースのリアルタイムメ
ディア伝送システムを示す図で、図中４０はリアルタイ
ムメディア伝送システムを示している。マルチメディア
ソース又はサーバ４２は、オーディオ／動画のマルチメ
ディアコンテンツを有するマルチメディアパケット４４
をパケットネットワーク４６に周期的に伝送する。パケ
ットネットワーク４６において、各マルチメディアパケ
ットは複数のネットワークノードすなわちルータ４８，
５０，５２，５４によりレシーバ５６に向け配信され
る。各マルチメディアパケットは、レシーバ５６で再生
されるためのタイミングをセットするために用いられる
タイミング情報を含んでいる。図３中の複数のルータと
レシーバは、簡明にするために図４には示していない。
【０００７】パケットネットワーク４６は各マルチメデ
ィアパケットの配信における遅延時間に差を生じる。さ
らに、ネットワーク４６は伝送時と同じ順序でマルチメ
ディアパケットを配信することを保証しない。かよう
に、レシーバはバッファを装備して、マルチメディアパ
ケット受信における遅延差及び／又は順序の不同に対処
する。しかしながら、コンテンツのリアルタイムプロパ
ティにより、レシーバは受信したマルチメディアパケッ
トを、着信時の遅延時間が或る特定の値を超えるか、或
は、再生予定時間までに着信しなければ破棄することに
なる。
【０００８】図５は、レシーバで受信して再生するパケ
ットの一例を示す図である。各パケットはタイミング情
報を含んでいる。ラインＩは、サーバ４２により順次に
伝送された７つのマルチメディアパケットを示す。ライ
ンIIは、レシーバでマルチメディアパケットを受信した
順序を示している。ラインIIIは、レシーバでの再生順
序を示している。図５は、タイミング情報３を持つマル
チメディアパケットを過度の遅延により破棄することを
示している。基本的に、従来技術のパケットネットワー
クにおけるルータは、パケットの伝送及び受信時の遅延
に気付かず、パケット伝送の順序変更にも気付くことが
ない。かように、各ルータは、マルチメディアパケット
がレシーバで再生される機会を持たない場合でも各受信
したリアルタイムマルチメディアパケットを、次のルー
タ又はレシーバに再度送信する。２つのルータ間の物理
的なリンク又はレシーバと近隣のルータ間の物理的なリ
ンクが制限された帯域を有する場合、レシーバ側で破棄
されるマルチメディアパケットの伝送は、リンクの貴重
な帯域のかなりの部分を無駄に使用することになる。遅
延と順序変更は、マルチメディアパケットをルータ４８
からルータ５０とルータ５２を介しルータ５４へ、又は
ルータ４８から直接ルータ５４へと経路を可変にするこ
とにより説明される。
【０００９】１９８５年３月１９日付けでＭｏｎｔｇｏ
ｍｅｒｙの“パケット交換システム用タイムスタンピン
グ（Time stamping for a packet switching syste
m）”に対し付与された米国特許第４，５０６，３５８
号の明細書には、パケットネットワークにおけるネット
ワークの遅延を測定する方法が記載されており、各パケ
ットに累積ネットワークの遅延と各ネットワークノード
における各パケットの着信と再伝送のタイムスタンプと
を示す情報フィールドを含ませ、各パケットに対するネ
ットワークの各ノードにおける情報フィールドを更新し
て各ノードにおいて発生する遅延、即ち、再伝送時間と
着信時間の差を加算することが開示されている。
【００１０】１９８５年７月１６日付けでＣｒｏｋｅｔ
ｔの“パケット交換システムにおけるリアルタイムクロ
ックの同期化（Synchronization of real-time clocks
in apacket switching system）”に対し付与された米
国特許第４，５３０，０９１号の明細書には、Ｘ．２５
（ＣＣＩＴＴ）ネットワークを介しスタンダードリアル
タイムクロックに遠隔リアルタイムクロックを同期させ
る手段が記載されているが、マルチメディアストリーム
を同期させる方法を教示又は示唆しておらず、パケット
ネットワークに生じるネットワーク遅延を考慮していな
い。
【００１１】１９９０年４月１７日付けでＢｕｓｔｉｎ
ｉ他の“ディジタルパケット交換ネットワーク（Digita
l packet switching networks）”に対し付与された米
国特許第４，９１８，６８７号の明細書には、ネットワ
ーク内のノード列でボイスパケット（音声パケット）を
クリッピングする必要がある場合に、クリッピングに適
していることを示す内容を持つ音声パケットをクリッピ
ングすることにより、連続したパケットの損失を避ける
方法が記載されている。
【００１２】１９９５年７月１１日付けでＨｌｕｃｈｙ
ｊ他の“遅延に係わるサービス品質を保証するパケット
指向通信ネットワークにおけるノード間リンク帯域の割
り当て方法（Method for allocating internodal link
bandwidth in a packet oriented communication netwo
rk to guarantee delay quality-of-service）”に対し
付与された米国特許第５，４３２，７９０号の明細書に
は、予定のエンドツーエンドの遅延に係わるサービス品
質（ＱｏＳ）を維持するために統計学的な利得（ゲイ
ン）を提供し、最悪時の最大遅延と最悪時の平均遅延を
保証するようにノード間リンクに帯域を割り当てる方法
が記載されている。
【００１３】１９９５年８月２２日付けでＲｉｄｄｌｅ
の“リアルタイムデータ移送用プロトコル（Protocol f
or transporting real time data）”に対し付与された
米国特許第５，４４４，７０９号の明細書には、タイミ
ングがずれて受信されたデータを破棄することによりリ
アルタイムデータ伝送の等時性を維持する方法が記載さ
れている。
【００１４】１９９５年９月１２日付けでＧｒｕｂｅｒ
他の“電話通信ネットワークの遅延の監視（Delay moni
toring of telecommunication networks）”に対し付与
された米国特許５，４５０，３９４号の明細書には、ネ
ットワーク通過時間の往復遅延の測定手段が記載されて
いるが、マルチメディアの伝送と同期化のために知る必
要がある遅延は１方向のネットワーク遅延である。
【００１５】１９９６年９月１７日付けでＳａｍｐａｔ
他の“動画、オーディオ及び／又はテキストストリーム
を有するチャネルを選択・再生するユーザインタフェー
ス、その方法及び装置（User interface,method,and ap
paratus selecting and playing channels having vide
o,audio,and/or text streams）”に対し付与された米
国特許第５，５５７，７２４号の明細書には、マルチメ
ディアストリームを再生するためのコンピュータシステ
ム内ユーザインタフェースが記載されている。
【００１６】１９９７年１月１４日付けでＳｕｎｇ他の
“マルチメディアシステム用のプログラム可能なオーデ
ィオ／動画同期化方法及び装置（Programmable audio-v
ideosynchronization method and apparatus for multi
media systems）”に対し付与された米国特許第５，５
９４，６６０号の明細書には、オーディオ／動画ストリ
ームを単一ネットワークベースのレシーバに同期して再
生する手段が記載されている。
【００１７】１９９７年１月２８日付けでＲａｓｅｎａ
ｕ他の“ＭＰＥＧ再生システムにおけるオーディオ／動
画同期化方法及び装置（Method and apparatus for aud
io and video synchronizing in MPEG playback system
s）”に対し付与された米国特許第５，５９８，３５２
号の明細書には、オーディオ／動画ストリームを単一ネ
ットワークベースのレシーバに同期して再生する手段が
記載されている。
【００１８】１９９７年４月２２日付けでＡｇａｗａｌ
他の“ネットワーク化したマルチメディアストリーム用
の同期化システム（Synchronization system for netwo
rkedmultimedia streams）”に対し付与された米国特許
第５，６２３，４８３号の明細書には、統計的ネットワ
ーク遅延分布からエンドツーエンドの全遅延を計算し、
各サーバ及び各レシーバに配置された同期クロックを介
して異なるソースからの２つのメディアストリームの同
期を決定するレシーバ用手段が記載されている。
【００１９】１９９７年５月１３日付けでＬｅｅ他の
“パケットバッファにおける逐次パケットロス制御（Co
ntrol of consecutive packet loss in a packet buffe
r）”に対し付与された米国特許第５，６２９，９３６
号の明細書には、所望のパケットギャップに基いてパケ
ットをドロッピングして逐次パケットの損失を制御する
方法が記載されている。
【００２０】１９９７年１０月７日付けでＫａｒｏｌ他
の“リアルタイムトラフィックに対する保証帯域配信を
持つ最小遅延システム（Delay-minimizing system with
guaranteed bandwidth delivery for real-time traff
ic）”に対し付与された米国特許第５，６７５，５７３
号の明細書には、各トラフィックの流れに関係する個別
の帯域保証条件に基く帯域の割り当て方法が記載されて
いる。
【００２１】１９９７年１０月２８日付けでＺａｒｒｏ
ｓの“リアルタイムネットワーク装置用マルチパーティ
の同期化を実現する装置と方法（Apparatus and method
s achiveing multiparty synchronization for real-ti
me network application）”に対し付与された米国特許
第５，６８２，３８４号の明細書にはネットワークの単
一レシーバに同期して複数のソースからのコンテンツを
再生する手段が記載されている。
【００２２】１９９８年６月１６日付けでＺｈｕ他の
“リアルタイムマルチメディアのストリーミングのため
の装置、システム及び方法（Device,system and method
of real-time multimedia streaming）”に対し付与さ
れた米国特許第５，７６８，５２７号の明細書には、再
伝送による損失パケットの回復方法が記載されている。
【００２３】１９９８年９月１日付けでＦｉｓｃｈａｂ
ａｃｈ他の“データネットワークにおけるデータパケッ
トリアルタイム伝送のためのプロセスとデータネットワ
ーク（Data network and a process for real time tra
nsmission of data packetsin a data network）”に対
し付与された米国特許第５，８０２，０６０号の明細書
には、ネットワークアクセスをトークンの交換によって
制御する局に対しパケット伝送を優先させる方法が記載
されている。
【００２４】１９９８年９月２９日付けでＤａｕｍ他の
“ＭＰＥＧ再生システム用ストリームの同期化方法と装
置（Stream synchronization method and apparatus fo
r MPEG playback system）”に対し付与された米国特許
第５，８１５，６３４号の明細書には、単一ネットワー
クベースのレシーバに同期してオーディオ／動画ストリ
ームを再生する手段が記載されている。
【００２５】１９９８年１２月１日付けでＫｅｒｒの
“移送ネットワークを介してマルチメディア会議データ
ストリームを移送するための方法、装置及びシステム
（Methods,apparatus,and systems for transporting m
ultimedia conference data streams through a transp
ort network）”に対し付与された米国特許第５，８４
４，６００号の明細書には、ＡＴＭネットワークを用い
るオーディオ／動画会議手段が記載されている。オーデ
ィオストリームは、ネットワークベースのミキサーで結
合させて端末機に配信する。各端末機では、受信したオ
ーディオ／動画ストリームを同期して再生するが、しか
しながら、ネットワーク中の複数端末機で同時再生する
ことは何も開示されていない。
【００２６】１９９９年２月２３日付けでＨａｉｇｈの
“結合動画／オーディオデータの同期化の測定と調整
（Measuring and regulating synchronization of merg
ed video and audio data）”に対し付与された米国特
許第５，８７４，９９７号の明細書には、単一ネットワ
ークベースのレシーバに同期してオーディオ／動画スト
リームを再生する手段が記載されている。
【００２７】インターネットエンジニアリングタスクフ
ォース（ＩＥＴＦ）は、コメント要求（ＲＦＣ）とそれ
に応答して記録されたコメントを公開している。 ＲＦＣ１８８９：リアルタイムプロパティを有するデー
タ用の現存するトランスポートレイヤを利用するリアル
タイムエンドツーエンドプロトコル。 ＲＦＣ２５０８：低速シリアルリンク用ＩＰ／ＵＣＤ／
ＲＴＰヘッダの圧縮。 ＲＦＣ１１４４：ＲＦＣ２５０８と類似であるがＴＣＰ
／ＩＰパケット用である低速シリアルリンク用ＴＣＰ／
ＩＰヘッダの圧縮。
【００２８】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のシステム
は、１つ以上の情報源からのマルチメディアのデータス
トリームをパケットベースのシステムにより複数のレシ
ーバに伝送し同期化するのに付随して発生する問題を考
慮していない。異なる場所から伝送された相互に関連す
るメディアストリームを１つのレシーバで同期化して再
生することを可能にする多数の技法が存在しているが、
公知の従来技術は、単一ソース又は複数のソースにより
生成されたメディアストリームをパケットベースのネッ
トワークによりマルチキャストして複数の場所で同期再
生させることはできない。
【００２９】本発明は、上述のごとき実状に鑑みてなさ
れたものでありマルチメディア搬送ネットワークの複数
のレシーバにおいて同期化したＡ／Ｖ出力を提供するこ
とが可能な、リアルタイムマルチメディアコンテンツを
伝送し同期化するシステム及び方法を提供することをそ
の目的とする。また、本発明は、ネットワークのレシー
バにより使用されないマルチメディアのパケットの伝送
を阻止することが可能な、リアルタイムマルチメディア
コンテンツを伝送し同期化するシステム及び方法を提供
することを他の目的とする。
【００３０】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためになされたものであって、その第１の技術手段
は、リアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送し同
期化するシステムにおいて、マルチメディアオーディオ
／ビジュアル情報を再生順に有するマルチメディアパケ
ットを生成し、該マルチメディアパケットを伝送するマ
ルチメディアサーバと、複数の目的地に前記マルチメデ
ィアパケットを配信する複数のルータを有し、前記マル
チメディアパケットを受信するために前記マルチメディ
アサーバに接続しているパケットベースの通信ネットワ
ークと、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）と累積ネ
ットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情報（ＴＤＩ）
を前記マルチメディアパケットに挿入する挿入手段と、
ＴＤＩを有する前記マルチメディアパケットを受信する
複数のマルチメディアレシーバとを有し、各マルチメデ
ィアレシーバは、受信したマルチメディアパケットを蓄
積するバッファと、該バッファから蓄積したマルチメデ
ィアパケットを検索し該マルチメディアパケットを前記
再生順に配列するためのシーケンス手段と、該シーケン
ス手段により検索し配列したマルチメディアパケットを
前記マルチメディアサーバで伝送後ＴＥＤの時間に再生
するための再生機構を含んでいることを特徴としたもの
である。
【００３１】第２の技術手段は、第１の技術手段におい
て、前記挿入手段は前記マルチメディアサーバ内に設け
られていることを特徴としたものである。
【００３２】第３の技術手段は、第１の技術手段におい
て、前記挿入手段はルータ内に設けられていることを特
徴としたものである。
【００３３】第４の技術手段は、第１の技術手段におい
て、前記パケットベースの通信ネットワークと少なくと
も幾つかの前記マルチメディアレシーバとの間に設けら
れ、ゲートウェイを含むローカルエリアネットワーク
（ＬＡＮ）をさらに含んでいることを特徴としたもので
ある。
【００３４】第５の技術手段は、第４の技術手段におい
て、前記挿入手段は前記ゲートウェイ内に設けられてい
ることを特徴としたものである。
【００３５】第６の技術手段は、第１の技術手段におい
て、前記ルータの少なくとも１つは、マルチメディアパ
ケットを複写する複写手段を含み、前記挿入手段は前記
ルータ内に設けられ、前記ルータはＴＤＩを前記複写手
段により複写した各複写マルチメディアパケットに挿入
することを特徴としたものである。
【００３６】第７の技術手段は、第１の技術手段におい
て、マルチメディアパケットが生存可能なパケットであ
るか、又は、マルチメディアパケットが生存不可能なパ
ケットであるかを決定する手段をさらに含み、該生存不
可能なパケットを破棄することを特徴としたものであ
る。
【００３７】第８の技術手段は、第１の技術手段におい
て、前記マルチメディアレシーバは、前記挿入手段から
より大きいＴＤＩを要求する手段を含むことを特徴とし
たものである。
【００３８】第９の技術手段は、リアルタイムマルチメ
ディアコンテンツを伝送し同期化する方法において、マ
ルチメディアオーディオ／ビジュアル情報を複数のマル
チメディアパケットにローディングするステップと、エ
ンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）と累積ネットワーク
遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情報（ＴＤＩ）を少なくと
も１つの前記マルチメディアパケットに挿入するステッ
プと、複数のマルチメディアレシーバに前記マルチメデ
ィアパケットを再生順にパケットベースの通信ネットワ
ークで伝送するステップと、各マルチメディアレシーバ
に前記マルチメディアパケットを一時保管するステップ
と、前記マルチメディアパケットを再生順に呼び出すス
テップと、前記マルチメディアパケットをＴＥＤの時点
で各レシーバで再生するステップとを含んでなるリアル
タイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方
法である。
【００３９】第１０の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、前記挿入ステップは、１つのマルチメディアサー
バにおけるＴＤＩの挿入を含むことを特徴としたもので
ある。
【００４０】第１１の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、前記挿入ステップは、前記パケットベースのネッ
トワークに設けられた１つのルータにおけるＴＤＩの挿
入を含むことを特徴としたものである。
【００４１】第１２の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、前記挿入ステップは、前記パケットベースのネッ
トワークと１つのマルチメディアレシーバとの間に設け
られたローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）に設けら
れているゲートウェイにおけるＴＤＩの挿入を含むこと
を特徴としたものである。
【００４２】第１３の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、複数のマルチメディアレシーバにマルチキャスト
するためにマルチメディアパケットを複写するステップ
を含み、該ステップは、ＴＤＩを幾つかの前記複写され
たマルチメディアパケットに挿入することを含むことを
特徴としたものである。
【００４３】第１４の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、伝送期間においてＣＮＤ＞ＴＥＤであれば何時で
もそのマルチメディアパケットを破棄するステップを含
むことを特徴としたものである。
【００４４】第１５の技術手段は、第１４の技術手段に
おいて、ＣＮＤ＞ＴＥＤであればＴＥＤの値を増大させ
るステップを含むことを特徴としたものである。
【００４５】第１６の技術手段は、第９の技術手段にお
いて、マルチメディアパケットが生存可能なパケットで
あるか、又は、生存不可能なパケットであるかを決定す
るステップと、生存不可能なパケットを破棄するステッ
プとをさらに含むことを特徴としたものである。
【００４６】第１７の技術手段は、マルチメディアパケ
ットが生存可能なパケットか、又は、生存不可能なパケ
ットかを決定するステップと、生存不可能なパケットを
破棄するステップとを含んでなるリアルタイムマルチメ
ディアコンテンツを伝送し同期化する方法である。
【００４７】第１８の技術手段は、第１７の技術手段に
おいて、マルチメディアのオーディオ／ビジュアル情報
を複数のマルチメディアのパケットにローディングする
ステップと、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）と累
積ネットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情報（ＴＤ
Ｉ）をマルチメディアパケットの少なくとも１つに挿入
するステップと、複数のマルチメディアレシーバにパケ
ットベースのネットワークを介し前記マルチメディアパ
ケットを再生順に伝送するステップと、伝送期間におい
てＣＮＤ＞ＴＥＤであれば何時でも前記マルチメディア
パケットを破棄するステップと、各マルチメディアレシ
ーバにおいて前記マルチメディアパケットを一時保管す
るステップと、前記マルチメディアパケットを再生順に
呼び出すステップと、前記マルチメディアパケットを各
レシーバにおいてＴＥＤの時点で再生するステップとを
さらに含んでいることを特徴としたものである。
【００４８】第１９の技術手段は、第１８の技術手段に
おいて、前記挿入ステップは、１つのマルチメディアサ
ーバにおけるＴＤＩの挿入を含むことを特徴としたもの
である。
【００４９】第２０の技術手段は、第１８の技術手段に
おいて、前記挿入ステップは、前記パケットベースのネ
ットワークに設けられた１つのルータにおけるＴＤＩの
挿入を含むことを特徴としたものである。
【００５０】第２１の技術手段は、第１８の技術手段に
おいて、前記挿入ステップは、前記パケットベースのネ
ットワークと１つのマルチメディアレシーバとの間に設
けられたローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）に設け
られているゲートウェイにおけるＴＤＩの挿入を含むこ
とを特徴としたものである。
【００５１】第２２の技術手段は、第１８の技術手段に
おいて、複数のマルチメディアレシーバにマルチキャス
トするためにマルチメディアパケットを複写するステッ
プを含み、該ステップは、ＴＤＩを幾つかの前記複写さ
れたマルチメディアパケットに挿入することを含むこと
を特徴としたものである。
【００５２】第２３の技術手段は、第１８の技術手段に
おいて、ＣＮＤ＞ＴＥＤであればＴＥＤの値を増大させ
るステップを含むことを特徴としたものである。
【００５３】
【発明の実施の形態】本発明によるリアルタイムマルチ
メディアコンテンツを伝送し同期化するシステムは、マ
ルチメディアのオーディオ／動画情報を再生順に含むマ
ルチメディアパケットを生成してそのマルチメディアパ
ケットを伝送するマルチメディアサーバと、マルチメデ
ィアパケットを複数の宛先に配送する複数のルータを有
し、マルチメディアパケットを受信するためにマルチメ
ディアサーバと接続したパケットベースの通信ネットワ
ークと、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）と累積ネ
ットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情報（ＴＤＩ）
をマルチメディアパケットに挿入する手段と、ＴＤＩを
有するマルチメディアパケットを受信する複数のレシー
バを含み、各レシーバは受信したマルチメディアパケッ
トを蓄積するバッファと、蓄積したマルチメディアパケ
ットをバッファから検索してマルチメディアパケットを
再生順に配列する順序付け（シーケンス）手段と、検索
して配列したマルチメディアパケットをマルチメディア
サーバによる伝送後ＴＥＤの時点で再生する再生装置を
含んでいる。
【００５４】本発明によるリアルタイムマルチメディア
のコンテンツを伝送して同期化する方法は、マルチメデ
ィアのオーディオ／ビジュアルを複数のマルチメディア
のパケットにローディングすることと、エンドツーエン
ドの全遅延（ＴＥＤ）とネットワークの累積遅延（ＣＮ
Ｄ）を含む総遅延情報（ＴＤＩ）をマルチメディアパケ
ットの少なくとも１つに挿入することと、複数のマルチ
メディアレシーバにパケットベースのネットワークを介
しマルチメディアパケットを再生順に伝送することと、
各マルチメディアレシーバにおいてマルチメディアパケ
ットを一時保管し、マルチメディアパケットを再生順に
呼び出し、各レシーバでマルチメディアパケットをＴＥ
Ｄの時点で再生することを含んでいる。
【００５５】特にパケットベースのシステムによるマル
チキャストマルチメディアの同期化と伝送は、情報配信
の効率のよい安価な技法である。従来技術のシステム
は、１つ以上の情報源からのマルチメディアのデータス
トリームをパケットベースのシステムにより複数のレシ
ーバに伝送し同期化するのに付随して発生する問題を考
慮していない。異なる場所から伝送された相互に関連す
るメディアストリームを１つのレシーバで同期化して再
生することを可能にする多数の技法が存在しているが、
公知の従来技術は、単一ソース又は複数のソースにより
生成されたメディアストリームをパケットベースのネッ
トワークによりマルチキャストして複数の場所で同期再
生させることはできない。本発明は、同一のオーディオ
／動画ストリームを異なる場所に伝送し同時に再生させ
ると共に、マルチメディアパケットが伝送先で再生しな
いことが明らかな場合にそのパケットの伝送を止めるシ
ステムと方法を提供する。
【００５６】図１は、本発明により構築されたコンテン
ツの同期マルチメディア伝送システムを示す図で、図中
６０はこのシステムを示す。システム６０は、マルチメ
ディアサーバ６２を含んでおり、このサーバは、通過す
る各マルチメディアパケット６４に、後述するＴＥＤ及
びＣＮＤ情報を挿入する。このパケットネットワーク６
６には２つのルータ６８と７０が含まれているが、かよ
うな汎用ネットワークには、より多数のルータが存在す
ることが多い。ルータ６８は、ゲートウェイ７４とルー
タ７６，７８を含むローカルエリアネットワーク（ＬＡ
Ｎ）７２に接続している。マルチメディアレシーバ８
０，８２，８４はＬＡＮ７２に接続している。
【００５７】本発明の方法は、マルチメディア情報を、
以後マルチメディアパケットと記述する一連のパケット
６４にローディングする。マルチメディアサーバ６２
は、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥＤ）と累積ネット
ワーク遅延（ＣＮＤ）のフィールドを各マルチメディア
パケットに挿入する。これを、総遅延情報（ＴＤＩ）と
記述する。ＴＥＤは、マルチメディアパケットをサーバ
から伝送した時からそのマルチメディアパケットがレシ
ーバで再生される時までの時間を示し、ＣＮＤは、マル
チメディアパケットがレシーバに配信される前に通信ネ
ットワーク内のルータにより生じた実際の潜伏時間（la
tency）を示す。マルチメディアサーバ６２は、ネット
ワークの統計値からＴＥＤの値を計算する。マルチメデ
ィアパケットを伝送する際に、サーバ６２はＣＮＤにジ
ッタ値を設定する。このジッタは次式により得られる。 （ジッタ）＝（２つの順次パケット伝送の時間間隔）−（パケットレート） （１） 例えば、パケットレートが２０ｍｓでありパケットが実
際に先行パケットから３０ｍｓの間隔で送信される場
合、ジッタは１０ｍｓであり、パケットのＣＮＤを１０
ｍｓに設定する。
【００５８】ネットワーク中の各ルータは、そのルータ
の配置場所がパケットネットワーク６６又はＬＡＮ７２
であるかに係わりなく、そのルータにより生じる各マル
チメディアパケットの待ちによる遅延を測定する。待ち
遅延（queuing delay）は、マルチメディアパケットの
受信と伝送のタイムスタンプから得る。マルチメディア
パケットを伝送する時、各ルータは待ち遅延を現在のＣ
ＮＤ値に加算してＣＮＤ値を更新する。ルータが受信し
たマルチメディアパケットを複数のルートに、即ち、ル
ータ７０とゲートウェイ７４にマルチキャストするルー
タ６８のようにマルチキャストする必要があれば、マル
チメディアパケットを複写し、複写したマルチメディア
パケットに対する待ち遅延をオリジナルなものとは別個
に処理する。複写パケットは１つ以上あってよく、待ち
遅延を各複写パケットに挿入する。
【００５９】各マルチメディアレシーバは、入ってくる
マルチメディアパケットを蓄積するバッファ“Ｂ"を含
み、バッファからマルチメディアパケットを呼び出し、
受信後（ＴＥＤ−ＣＮＤ）の時間にマルチメディパケッ
トのコンテンツを再生する。かようにして、マルチメデ
ィアレシーバに配信されたマルチメディアパケットは、
各レシーバへのルートに生じた実際のネットワーク遅延
と係わり無く、サーバで伝送してからＴＥＤの時点で再
生される。
【００６０】先の例において説明したように、ＣＮＤは
待ち遅延のみを含み、２つのルータ間の物理的な伝送に
より発生した物理的な潜伏時間は含まない。物理的な潜
伏時間は僅かであるので無視できる。別案として、ルー
タに既知の物理的な潜伏時間を与え、待ち遅延に加算し
て精度を上げることができる。
【００６１】全てのレシーバがパケットレートを知って
いる場合は、メディアストリームの第一のマルチメディ
アパケットに対して前述の手順を実行すれば十分であ
る。理由は、ＴＥＤとＣＮＤを持つマルチメディアパケ
ットを受信するレシーバは、マルチメディアパケットの
再生時間を知っており、ＴＥＤとＣＮＤを含む最初のマ
ルチメディアパケットが“失われ”、即ち、１つ以上の
レシーバによって受信されない場合は、サーバに最初の
若干数のマルチメディアパケットにＴＥＤとＣＮＤを含
ませることを要求するからである。別案として、ＴＥＤ
とＣＮＤを有するマルチメディアパケットがマルチキャ
ストグループに属する全レシーバに受信されたことを確
認するまでＴＥＤとＣＮＤを含むようにサーバに要求し
てもよい。
【００６２】前述のように、マルチメディアサーバ６２
は、ネットワークの統計値に基いてＴＥＤ値を計算す
る。ＴＥＤはネットワーク管理者によってサーバに提供
されるか或は自動的に測定される。ＴＥＤの実際の計算
は、本発明の範囲外であり、米国特許第５，６２３，４
８３号明細書にＴＥＤをネットワーク遅延の統計分布か
ら計算する技法が提示されている。但し、米国特許第
５，６２３，４８３号明細書の全体的な解決法は、サー
バとレシーバが同期したクロックを有することである。
サーバは各パケットにレシーバがパケットの内容を再生
すべき時刻を指定する。しかしながら、パケットネット
ワークのサーバとレシーバが同期化クロックに正確に同
一の計時を維持することを期待するのは現実的ではな
い。
【００６３】待ち遅延と物理的な潜伏時間が、マルチメ
ディアパケットがレシーバに到着する時点にまで達し、
“遅れた”状況が発生することが予測される。従来技術
のシステムの場合、音声と映像の不連続がユーザに感知
され、この状況を正す手段がない。本発明によるシステ
ムと方法は、レシーバの１つが、マルチメディアパケッ
トにおいて、そのマルチメディアパケットに対するＴＥ
Ｄを越えるＣＮＤを検出した場合に対処する機能を準備
している。この場合、マルチメディアパケットは、マル
チメディアパケットの内容を再生する時間が既に経過し
ているので、同期して再生することはできない。レシー
バは、より大きいＴＤＩを要求する手段を有し、ＣＮＤ
−ＴＥＤの値を持つサーバにメッセージを送る。サーバ
は、ＴＥＤ値を増大させて、次のマルチメディアパケッ
トに対するＴＤＩを増大させる。
【００６４】図１に示した実施例において、パケットネ
ットワーク６６に含まれる全ルータとサーバ６２並びに
マルチキャストグループ用ＬＡＮ７２がＴＥＤとＣＮＤ
を支持する。図１に示すように、マルチキャストグルー
プ中の全マルチメディアレシーバが１つのＬＡＮに存在
しているが、１台のマルチメディアレシーバをパケット
ネットワーク６６中の１台のルータに接続することがで
きる。マルチメディアサーバは、前述のようにマルチメ
ディアパケットにＴＤＩを挿入するための特別なハード
ウェア又はソフトウェアを含まなくてよい。その代わり
に、ＬＡＮを（公共の）パケットネットワークに接続す
るゲートウェイがサーバから受信したマルチメディアパ
ケット用のＴＥＤとＣＮＤからＴＤＩを生成する。この
ゲートウェイはＴＥＤ値を生成する能力を有しており、
このゲートウェイにパケットレートを供給しなければな
らない。ＬＡＮ内のルータとレシーバは同じ機能を実行
できる。従って、本発明は、パケットネットワーク全体
がここに提示の方法を支持していない場合であっても実
装することができる。別の方法では、ＴＤＩの挿入手段
をマルチメディアサーバ、ルータ又はゲートウェイによ
って供給してもよい。
【００６５】図２に示す他の実施例９０は、動画ストリ
ーム（ビデオストリーム）９４とオーディオストリーム
９６を生成するマルチメディアサーバ９２と、ルータ１
００，１０２，１０４，１０６，１０８、動画モニタ
（ビデオモニタ）１１０及びスピーカ１１２を有するパ
ケットネットワーク９８より成る。ビデオストリーム９
４とオーディオストリーム９６は、パケットネットワー
ク９８に接続したビデオモニタ１１０とスピーカ１１２
により各々個別に、同期して再生される。動画パケット
（ビデオパケット）とオーディオパケットの宛先アドレ
スは、各々、ビデオモニタとスピーカのアドレスであ
る。サーバ９２は、ＴＥＤとＣＮＤを含むＴＤＩを動画
パケットとオーディオパケットの両方に挿入する手段を
有している。ルータは他の実施形態において示したと同
様の手順を実行する。
【００６６】本発明は、米国特許第４，５０６，３５８
号明細書に記載の方法と異なり、従来技術が教示も示唆
もしていないタイプの各パケット内情報フィールドを採
用しパケットのオーディオ／動画コンテンツを再生すべ
き時間を指示している。これにより、同期したサーバと
レシーバのクロックを必要とせずに、複数のレシーバで
同一コンテンツを同時に再生することができる。
【００６７】本発明は、ルータとレシーバ間の物理的な
リンクにおいて、ＣＮＤがＴＥＤより大きい場合に最終
目的地（即ち、メディアプレーヤ又はレシーバ）で再生
されないマルチメディアパケットをルータが伝送するの
防止することにより帯域の使用効率を最大にする。
【００６８】再生できないマルチメディアパケットは、
必要でないか、又は、使用しないことが決定されれば破
棄することができる。以下の方法を、独立した技法とし
て又は前述の同期化技法と組み合わせて使用することが
できる。
【００６９】ルータがメディアソースとレシーバ間を送
受信されるマルチメディアパケットの各々にタイムスタ
ンプシーケンス（一連）番号を付ける。 Ｔis［ｎ］：シーケンス番号ｎのマルチメディアパケッ
トのタイムスタンプ（時刻印）。 Ｔp［ｎ］：シーケンス番号ｎのマルチメディアパケッ
ト内に含まれるタイミング情報で、このマルチメディア
パケットのコンテンツをレシーバで再生する時間を示
す。この情報は、一連のマルチメディアパケット間の相
対的なタイミング情報であり、絶対的な時間を示すもの
ではない。
【００７０】シーケンス番号ｎ0を有する最初のマルチ
メディアパケットを受信すると、ルータは、ｔ
is［ｎ0］とｔp［ｎ0］をメモリに蓄積し、マルチメデ
ィアパケットを次のルータ又はレシーバに再送付する。
下式を想定する。 Ｔis＝Ｔis［ｎ0］ （２） Ｔp＝ｔp［ｎ0］ （３）
【００７１】一連番号ｎの後続受信マルチメディアパケ
ットを受信する度に、ルータはｔis［ｎ］値とｔ
p［ｎ］値を調べる。 ｔis［ｎ］−Ｔis＜ｔp［ｎ］−Ｔp＋Ｄ （４） ここで、Ｄはレシーバにおけるバッファ遅延を含む最大
ＴＥＤ許容値を示す。式（４）の状態であれば、ルータ
はマルチメディアパケットを再送信し、下式（５），
（６）を設定する。ルータは、マルチメディアパケット
が生存可能なパケットであることを決定し、そうでなけ
れば、そのマルチメディアパケットを破棄する。 Ｔis＝ｔis［ｎ］ （５） Ｔp＝ｔp［ｎ］ （６）
【００７２】ｔis［ｎ］−Ｔisの値は、ルータが最後に
再送信できたマルチメディアパケットの到着時間と現在
の対象マルチメディアパケットの到着時間との差であ
る。同様に、ｔp［ｎ］−Ｔpの値は、これら２つのマル
チパケット間の再生時における時間間隔を示す。 ｔis［ｎ］−Ｔis＞ｔp［ｎ］−Ｔp＋Ｄ （７）
【００７３】上式（７）で示す条件を満たせば、シーケ
ンス番号ｎのマルチメディアパケットはすでにＴＥＤ許
容値を使い切っている。この場合、このマルチメディア
パケットはレシーバに再生時間までに到着しないので再
生される機会は無い。ここで生存不可能なパケット（no
n-viable packet）と記述する、かようなマルチメディ
アパケットを不必要に伝送することを無くし、このルー
タと次のエントリ間の物理的リンクにおける帯域を、次
のエントリがルータかレシーバであるかに係わり無く、
効率よく利用できる。ルータは、マルチメディアパケッ
トが生存可能な（viable）マルチメディアパケットであ
る（この場合は、そのマルチメディアパケットを伝送す
る）、或いは、生存不可能なマルチメディアパケットで
ある（この場合は、そのマルチメディアパケットを破棄
する）ことを決定する手段を含んでいる。
【００７４】ルータにおけるＤの値は、（１）ノードの
ソフトウェア又はハードウェアでハード符号化するか、
（２）システム管理者によって手動で構成するか、或い
は、（３）マルチメディアサーバによって各々のリアル
タイムマルチメディアパケットに供給される。この値
は、要求されるＱｏＳ（サービスの品質）によって決定
され、レシーバにおけるバッファの遅れよりも大きくす
べきである。Ｄは双方向の音声会話のような遅延感度の
高い用途の場合は小さい値になる。レシーバは、共通の
通信プロトコルを用いてメディアソースとＤ値を交渉で
きる。
【００７５】本発明による伝送方法は、ヘッダ情報を差
分符号化スキームによって圧縮するＲＦＣ２５０８に規
定されているＩＰ／ＵＤＰ／ＲＴＰヘッダ圧縮器で機能
する。この圧縮器はルータの伝送部に実装でき、メディ
アソースとレシーバ間の特定のリアルタイムメディアス
トリームを他のトラフィック間において区別し特定する
手段を提供する。差分符号化のために、圧縮器はパケッ
トベースのネットワーク内のリアルタイムマルチメディ
アパケットのヘッダ内タイミング情報を調べることが要
求されるが、本発明の方法を実装するために必要な追加
の処理力は最小である。
【００７６】パケットベースのネットワークを介してリ
アルタイムにマルチメディアのパケットベースのコンテ
ンツを伝送して同期化するシステムと方法を開示してき
た。本発明の方法とシステムの若干の変更例も開示して
あるが、さらなる変更と修正をこの特許請求範囲に規定
した本発明の範囲から逸脱することなく実施できること
は明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明により構築されたＬＡＮマルチメディア
コンテンツの配信システム示す図である。
【図２】動画ストリームとオーディオストリームを個別
経路で伝送するマルチメディアコンテンツの配信システ
ム示す図である。
【図３】従来技術によるマルチメディアコンテンツの配
信システムを示す図である。
【図４】パケットベースのリアルタイムマルチメディア
コンテンツの伝送システムを示す図である。
【図５】パケットの受信及び再生を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
１２…マルチメディアサーバ、１６…パケットネットワ
ーク、１８〜３０…ルータ、３２〜３８…マルチメディ
アレシーバ、４２…メディアソース、４６…パケットネ
ットワーク、４８〜５２…ルータ、５６…レシーバ、ラ
インＩ…メディアソースで伝送されるパケット、ライン
II…メディアプレーヤに着信したパケット、ラインIII
…再生されたパケット、６２…マルチメディアサーバ、
６６…パケットネットワーク、６８〜７８…ルータ、８
０〜８４…マルチメディアレシーバ、７２…ローカルネ
ットワーク、７４…ゲートウェイ、９２…マルチメディ
アサーバ、９４…ビデオストリーム、９６…オーディオ
ストリーム、９８…パケットネットワーク、１００〜１
０８…ルータ、１１０…ビデオモニタ、１１２…スピー
カ。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 リアルタイムマルチメディアコンテンツ
    を伝送し同期化するシステムにおいて、マルチメディア
    オーディオ／ビジュアル情報を再生順に有するマルチメ
    ディアパケットを生成し、該マルチメディアパケットを
    伝送するマルチメディアサーバと、複数の目的地に前記
    マルチメディアパケットを配信する複数のルータを有
    し、前記マルチメディアパケットを受信するために前記
    マルチメディアサーバに接続しているパケットベースの
    通信ネットワークと、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥ
    Ｄ）と累積ネットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情
    報（ＴＤＩ）を前記マルチメディアパケットに挿入する
    挿入手段と、ＴＤＩを有する前記マルチメディアパケッ
    トを受信する複数のマルチメディアレシーバとを有し、
    各マルチメディアレシーバは、受信したマルチメディア
    パケットを蓄積するバッファと、該バッファから蓄積し
    たマルチメディアパケットを検索し該マルチメディアパ
    ケットを前記再生順に配列するためのシーケンス手段
    と、該シーケンス手段により検索し配列したマルチメデ
    ィアパケットを前記マルチメディアサーバで伝送後ＴＥ
    Ｄの時間に再生するための再生機構とを含んでいること
    を特徴とするリアルタイムマルチメディアコンテンツを
    伝送し同期化するシステム。
  2. 【請求項２】 前記挿入手段は前記マルチメディアサー
    バ内に設けられていることを特徴とする請求項１に記載
    のリアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期
    化するシステム。
  3. 【請求項３】 前記挿入手段はルータ内に設けられてい
    ることを特徴とする請求項１に記載のリアルタイムマル
    チメディアコンテンツを伝送し同期化するシステム。
  4. 【請求項４】 前記パケットベースの通信ネットワーク
    と少なくとも幾つかの前記マルチメディアレシーバとの
    間に設けられ、ゲートウェイを含むローカルエリアネッ
    トワーク（ＬＡＮ）をさらに含んでいることを特徴とす
    る請求項１に記載のリアルタイムマルチメディアコンテ
    ンツを伝送し同期化するシステム。
  5. 【請求項５】 前記挿入手段は前記ゲートウェイ内に設
    けられていることを特徴とする請求項４に記載のリアル
    タイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化するシ
    ステム。
  6. 【請求項６】 前記ルータの少なくとも１つは、マルチ
    メディアパケットを複写する複写手段を含み、前記挿入
    手段は前記ルータ内に設けられ、前記ルータはＴＤＩを
    前記複写手段により複写した各複写マルチメディアパケ
    ットに挿入することを特徴とする請求項１に記載のリア
    ルタイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する
    システム。
  7. 【請求項７】 マルチメディアパケットが生存可能なパ
    ケットであるか、又は、マルチメディアパケットが生存
    不可能なパケットであるかを決定する手段をさらに含
    み、該生存不可能なパケットを破棄することを特徴とす
    る請求項１に記載のリアルタイムマルチメディアコンテ
    ンツを伝送し同期化するシステム。
  8. 【請求項８】 前記マルチメディアレシーバは、前記挿
    入手段からより大きいＴＤＩを要求する手段を含むこと
    を特徴とする請求項１に記載のリアルタイムマルチメデ
    ィアコンテンツを伝送し同期化するシステム。
  9. 【請求項９】 リアルタイムマルチメディアコンテンツ
    を伝送し同期化する方法において、マルチメディアオー
    ディオ／ビジュアル情報を複数のマルチメディアパケッ
    トにローディングするステップと、エンドツーエンドの
    全遅延（ＴＥＤ）と累積ネットワーク遅延（ＣＮＤ）を
    含む総遅延情報（ＴＤＩ）を少なくとも１つの前記マル
    チメディアパケットに挿入するステップと、複数のマル
    チメディアレシーバに前記マルチメディアパケットを再
    生順にパケットベースの通信ネットワークで伝送するス
    テップと、各マルチメディアレシーバに前記マルチメデ
    ィアパケットを一時保管するステップと、前記マルチメ
    ディアパケットを再生順に呼び出すステップと、前記マ
    ルチメディアパケットをＴＥＤの時点で各レシーバで再
    生するステップとを含んでなるリアルタイムマルチメデ
    ィアコンテンツを伝送し同期化する方法。
  10. 【請求項１０】 前記挿入ステップは、１つのマルチメ
    ディアサーバにおけるＴＤＩの挿入を含むことを特徴と
    する請求項９に記載のリアルタイムマルチメディアコン
    テンツを伝送し同期化する方法。
  11. 【請求項１１】 前記挿入ステップは、前記パケットベ
    ースのネットワークに設けられた１つのルータにおける
    ＴＤＩの挿入を含むことを特徴とする請求項９に記載の
    リアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化
    する方法。
  12. 【請求項１２】 前記挿入ステップは、前記パケットベ
    ースのネットワークと１つのマルチメディアレシーバと
    の間に設けられたローカルエリアネットワーク（ＬＡ
    Ｎ）に設けられているゲートウェイにおけるＴＤＩの挿
    入を含むことを特徴とする請求項９に記載のリアルタイ
    ムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方法。
  13. 【請求項１３】 複数のマルチメディアレシーバにマル
    チキャストするためにマルチメディアパケットを複写す
    るステップを含み、該ステップは、ＴＤＩを幾つかの前
    記複写されたマルチメディアパケットに挿入することを
    含むことを特徴とする請求項９に記載のリアルタイムマ
    ルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方法。
  14. 【請求項１４】 伝送期間においてＣＮＤ＞ＴＥＤであ
    れば何時でもそのマルチメディアパケットを破棄するス
    テップを含むことを特徴とする請求項９に記載のリアル
    タイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方
    法。
  15. 【請求項１５】 ＣＮＤ＞ＴＥＤであればＴＥＤの値を
    増大させるステップを含むことを特徴とする請求項１４
    に記載のリアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送
    し同期化する方法。
  16. 【請求項１６】 マルチメディアパケットが生存可能な
    パケットであるか、又は、生存不可能なパケットである
    かを決定するステップと、生存不可能なパケットを破棄
    するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項９
    に記載のリアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送
    し同期化する方法。
  17. 【請求項１７】 マルチメディアパケットが生存可能な
    パケットか、又は、生存不可能なパケットかを決定する
    ステップと、生存不可能なパケットを破棄するステップ
    とを含んでなるリアルタイムマルチメディアコンテンツ
    を伝送し同期化する方法。
  18. 【請求項１８】 マルチメディアのオーディオ／ビジュ
    アル情報を複数のマルチメディアのパケットにローディ
    ングするステップと、エンドツーエンドの全遅延（ＴＥ
    Ｄ）と累積ネットワーク遅延（ＣＮＤ）を含む総遅延情
    報（ＴＤＩ）をマルチメディアパケットの少なくとも１
    つに挿入するステップと、複数のマルチメディアレシー
    バにパケットベースのネットワークを介し前記マルチメ
    ディアパケットを再生順に伝送するステップと、伝送期
    間においてＣＮＤ＞ＴＥＤであれば何時でも前記マルチ
    メディアパケットを破棄するステップと、各マルチメデ
    ィアレシーバにおいて前記マルチメディアパケットを一
    時保管するステップと、前記マルチメディアパケットを
    再生順に呼び出すステップと、前記マルチメディアパケ
    ットを各レシーバにおいてＴＥＤの時点で再生するステ
    ップとをさらに含んでいる請求項１７に記載のリアルタ
    イムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方
    法。
  19. 【請求項１９】 前記挿入ステップは、１つのマルチメ
    ディアサーバにおけるＴＤＩの挿入を含むことを特徴と
    する請求項１８に記載のリアルタイムマルチメディアコ
    ンテンツを伝送し同期化する方法。
  20. 【請求項２０】 前記挿入ステップは、前記パケットベ
    ースのネットワークに設けられた１つのルータにおける
    ＴＤＩの挿入を含むことを特徴とする請求項１８に記載
    のリアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送し同期
    化する方法。
  21. 【請求項２１】 前記挿入ステップは、前記パケットベ
    ースのネットワークと１つのマルチメディアレシーバと
    の間に設けられたローカルエリアネットワーク（ＬＡ
    Ｎ）に設けられているゲートウェイにおけるＴＤＩの挿
    入を含むことを特徴とする請求項１８に記載のリアルタ
    イムマルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方
    法。
  22. 【請求項２２】 複数のマルチメディアレシーバにマル
    チキャストするためにマルチメディアパケットを複写す
    るステップを含み、該ステップは、ＴＤＩを幾つかの前
    記複写されたマルチメディアパケットに挿入することを
    含むことを特徴とする請求項１８に記載のリアルタイム
    マルチメディアコンテンツを伝送し同期化する方法。
  23. 【請求項２３】 ＣＮＤ＞ＴＥＤであればＴＥＤの値を
    増大させるステップを含むことを特徴とする請求項１８
    に記載のリアルタイムマルチメディアコンテンツを伝送
    し同期化する方法。
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