JP2001247889A - 摺動部材間のスティックスリップ防止グリース - Google Patents
摺動部材間のスティックスリップ防止グリースInfo
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- JP2001247889A JP2001247889A JP2000057514A JP2000057514A JP2001247889A JP 2001247889 A JP2001247889 A JP 2001247889A JP 2000057514 A JP2000057514 A JP 2000057514A JP 2000057514 A JP2000057514 A JP 2000057514A JP 2001247889 A JP2001247889 A JP 2001247889A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】特に微速下での摺動部材の摺動動作時に発生す
るスティックスリップ現象の発生を極力抑えると同時
に、塗布性と付着性に優れたグリースを開発する。 【解決手段】40℃における前記基油の動粘度が100
0〜8000mm2 /sであり、前記基油は、40℃に
おける動粘度が8000mm2 /s以上の高粘度基油と
動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油とからな
り、前記基油が前記高粘度基油をグリースの全重量に対
して10質量%以上含んでいるグリースである。なお、
前記グリースの40℃における基油の動粘度が3000
〜8000mm2 /sのグリースを、例えばスプレーに
より塗布使用とするときは、グリースを溶剤により希釈
して、40℃における動粘度を3000mm2 /s以下
とする。
るスティックスリップ現象の発生を極力抑えると同時
に、塗布性と付着性に優れたグリースを開発する。 【解決手段】40℃における前記基油の動粘度が100
0〜8000mm2 /sであり、前記基油は、40℃に
おける動粘度が8000mm2 /s以上の高粘度基油と
動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油とからな
り、前記基油が前記高粘度基油をグリースの全重量に対
して10質量%以上含んでいるグリースである。なお、
前記グリースの40℃における基油の動粘度が3000
〜8000mm2 /sのグリースを、例えばスプレーに
より塗布使用とするときは、グリースを溶剤により希釈
して、40℃における動粘度を3000mm2 /s以下
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の摺動部材、
例えば建設・土木機械や搬送・扛重機械、工作機械など
の摺動部材の摺動時におけるスティックスリップを低減
させるに有効なグリースに関し、特に塗布性能に優れ低
速摺動時における摺動部材のスティックスリップを低減
させるに有効なグリースに関する。
例えば建設・土木機械や搬送・扛重機械、工作機械など
の摺動部材の摺動時におけるスティックスリップを低減
させるに有効なグリースに関し、特に塗布性能に優れ低
速摺動時における摺動部材のスティックスリップを低減
させるに有効なグリースに関する。
【0002】
【従来の技術】クレーンには様々な機種があるが、例え
ばラフテレーンクレーンは、アウトリガー付きの車体の
上面に旋回台を設置し、その旋回台に操縦キャブと伸縮
可能で且つ起伏シリンダにより起伏可能なブームとを並
設している。このブームは複数の角筒体からなり、その
ベースブームから先端側のブームまで順次摺動可能に嵌
挿し得る構造を有している。ベース側に配される複数段
のブームを油圧シリンダにより同期して伸縮させると共
に、先端側に配される複数段のブームはワイヤロープに
より同期させて伸縮するようにしている。
ばラフテレーンクレーンは、アウトリガー付きの車体の
上面に旋回台を設置し、その旋回台に操縦キャブと伸縮
可能で且つ起伏シリンダにより起伏可能なブームとを並
設している。このブームは複数の角筒体からなり、その
ベースブームから先端側のブームまで順次摺動可能に嵌
挿し得る構造を有している。ベース側に配される複数段
のブームを油圧シリンダにより同期して伸縮させると共
に、先端側に配される複数段のブームはワイヤロープに
より同期させて伸縮するようにしている。
【0003】通常、ベースブームを除く全ての各ブーム
基端部の外周面には複数個の小片からなるパッド材が固
着されており、また前記各ブーム先端部の内周面であっ
て前記各パッド材の裏面延長線上にも、それぞれ同等材
質及び形態をもつ小片のパッド材が固着されている。こ
のパッド材には含油性ナイロン樹脂が使われることが多
い。更に、前記ベースブームを除く全てのブームの外面
には、前記パッド材の当たり面の全長にわたり連続して
直線上にグリースが塗着される。
基端部の外周面には複数個の小片からなるパッド材が固
着されており、また前記各ブーム先端部の内周面であっ
て前記各パッド材の裏面延長線上にも、それぞれ同等材
質及び形態をもつ小片のパッド材が固着されている。こ
のパッド材には含油性ナイロン樹脂が使われることが多
い。更に、前記ベースブームを除く全てのブームの外面
には、前記パッド材の当たり面の全長にわたり連続して
直線上にグリースが塗着される。
【0004】ブーム速度が4〜22m/minである一
般のラフテレーンクレーンのブームに適用されるグリー
スの一例として、全重量に対して鉱油が79.5質量
%、増ちょう剤としてポリウレア10質量%、酸化防止
剤0.5質量%、増粘剤5質量%、極圧剤2質量%、二
硫化モリブデン3%からなるグリースを具体的に挙げる
ことができる。
般のラフテレーンクレーンのブームに適用されるグリー
スの一例として、全重量に対して鉱油が79.5質量
%、増ちょう剤としてポリウレア10質量%、酸化防止
剤0.5質量%、増粘剤5質量%、極圧剤2質量%、二
硫化モリブデン3%からなるグリースを具体的に挙げる
ことができる。
【0005】このグリースは黒色を呈しており、その塗
布性能と潤滑性能に優れていることに加えて、通常の前
記摺動速度の範囲ではブームの伸縮時にスティックスリ
ップが殆ど発生せず、この種の高圧摺動部材間のグリー
スとしては性能面で格別の不具合が発生することがなく
極めて優れていると言える。
布性能と潤滑性能に優れていることに加えて、通常の前
記摺動速度の範囲ではブームの伸縮時にスティックスリ
ップが殆ど発生せず、この種の高圧摺動部材間のグリー
スとしては性能面で格別の不具合が発生することがなく
極めて優れていると言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、一般のグリ
ースは増ちょう剤の添加量を調整し基油の動粘度を上げ
てはいるものの、その粘度が余り高くなるとブームに対
する塗布が不可能になり、また塗着性を上げるため余り
に動粘度を下げ過ぎると塗着面から滴下しやすくなり、
作業員の衣服や身体に直接付着する。
ースは増ちょう剤の添加量を調整し基油の動粘度を上げ
てはいるものの、その粘度が余り高くなるとブームに対
する塗布が不可能になり、また塗着性を上げるため余り
に動粘度を下げ過ぎると塗着面から滴下しやすくなり、
作業員の衣服や身体に直接付着する。
【0007】上記グリースの40℃における動粘度は塗
布性を考慮して385mm2 /sとしているが、この粘
度では塗着面から滴下しやすいため、その色が黒色であ
ることも手伝って作業員にとっては扱いづらいものとな
っている。
布性を考慮して385mm2 /sとしているが、この粘
度では塗着面から滴下しやすいため、その色が黒色であ
ることも手伝って作業員にとっては扱いづらいものとな
っている。
【0008】また、特に近年になって様々に新しい建設
工法が開発され、或いは低速下における機械加工などの
技術が要求されるようになり、例えば前記建設工法によ
れば各階層ごとの積み上げ方式により高層の建造物を建
設するにあたって、各階層ごとに外壁部が組み上げられ
たのちに内部工事の作業がなされる。この内部工事の作
業のため、予めクレーンを作業階の外側までずり上げて
固定したのち、ブームを外壁部の上方から内部へと臨ま
せて、ほぼ水平姿勢に近い姿勢で伸縮操作を行い、諸々
の資材を搬送し或いは定位置にセットする。
工法が開発され、或いは低速下における機械加工などの
技術が要求されるようになり、例えば前記建設工法によ
れば各階層ごとの積み上げ方式により高層の建造物を建
設するにあたって、各階層ごとに外壁部が組み上げられ
たのちに内部工事の作業がなされる。この内部工事の作
業のため、予めクレーンを作業階の外側までずり上げて
固定したのち、ブームを外壁部の上方から内部へと臨ま
せて、ほぼ水平姿勢に近い姿勢で伸縮操作を行い、諸々
の資材を搬送し或いは定位置にセットする。
【0009】このとき、ブームの伸縮操作を急激に行う
とブーム先端のフックに吊り下げた資材が大きく振り子
運動を起こすため、周辺資材や作業員にぶつかる危険性
があり、更には同資材をスムーズに定位置にセットする
ことが出来なくなる。こうした危険性を回避し円滑な搬
送・セット動作を実現するため、必然的に微速下でのブ
ームの伸縮操作が要求されるようになる。この要求に応
えるべく、最近のラフテレーンクレーンにあっては、ブ
ームの伸縮速度が従来の下限速度よりも低い1〜2m/
minに設定された機種が実用化されている。
とブーム先端のフックに吊り下げた資材が大きく振り子
運動を起こすため、周辺資材や作業員にぶつかる危険性
があり、更には同資材をスムーズに定位置にセットする
ことが出来なくなる。こうした危険性を回避し円滑な搬
送・セット動作を実現するため、必然的に微速下でのブ
ームの伸縮操作が要求されるようになる。この要求に応
えるべく、最近のラフテレーンクレーンにあっては、ブ
ームの伸縮速度が従来の下限速度よりも低い1〜2m/
minに設定された機種が実用化されている。
【0010】このような微速でブームの伸縮操作を行お
うとすると、従来では起こりえない回数のスティックス
リップ現象が生じるようになる。因みに、このスティッ
クスリップ現象はブームの伸縮速度が、特に従来の下限
速度である4m/minより低い1〜2m/minの速
度で伸縮するとき発生しやすいことが判明している。更
に、その発生はブームの伸縮動作のいずれの場合にも起
こりやすい。
うとすると、従来では起こりえない回数のスティックス
リップ現象が生じるようになる。因みに、このスティッ
クスリップ現象はブームの伸縮速度が、特に従来の下限
速度である4m/minより低い1〜2m/minの速
度で伸縮するとき発生しやすいことが判明している。更
に、その発生はブームの伸縮動作のいずれの場合にも起
こりやすい。
【0011】スティックスリップ現象の発生には多様な
原因が考えられるが、特に大きな要因がグリースにもあ
ることは容易に推定できる。なお、このスティックスリ
ップ現象はブームの伸縮動作時だけ発生するものではな
く、例えば大型の工作機械、プレス機などのベッドやコ
ラムとサドルとの間においても、ブームと同様に低速動
作時に発生することが確認されている。
原因が考えられるが、特に大きな要因がグリースにもあ
ることは容易に推定できる。なお、このスティックスリ
ップ現象はブームの伸縮動作時だけ発生するものではな
く、例えば大型の工作機械、プレス機などのベッドやコ
ラムとサドルとの間においても、ブームと同様に低速動
作時に発生することが確認されている。
【0012】また、上述のごとくグリースの色が黒色で
あると、ブームを伸ばした状態でクレーンを炎天下に長
時間置いたとき、前記ブームが上下面側あるいは左右側
面側の熱膨張の差によって湾曲してしまうことがあると
言われている。
あると、ブームを伸ばした状態でクレーンを炎天下に長
時間置いたとき、前記ブームが上下面側あるいは左右側
面側の熱膨張の差によって湾曲してしまうことがあると
言われている。
【0013】本発明は、上述のような特に微速下での摺
動部材の摺動動作時に発生するスティックスリップ現象
の発生を極力抑えると同時に、塗布性と付着性に優れた
グリースを開発することを第1の目的としており、更に
はグリースの色を出来るだけ透明或いは白色に近づける
ことを第2の目的としている。
動部材の摺動動作時に発生するスティックスリップ現象
の発生を極力抑えると同時に、塗布性と付着性に優れた
グリースを開発することを第1の目的としており、更に
はグリースの色を出来るだけ透明或いは白色に近づける
ことを第2の目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明者等
は、前記目的を達成すべく、スティックスリップ現象の
発生機構及びグリースの各種性能について次に述べるよ
うに多面からの考察と検討を行うとともに、多くの実験
を重ねた。
は、前記目的を達成すべく、スティックスリップ現象の
発生機構及びグリースの各種性能について次に述べるよ
うに多面からの考察と検討を行うとともに、多くの実験
を重ねた。
【0015】既述したとおりスティックスリップ現象の
発生原因の一つにグリースの種類にあると考えた。そこ
で、先ず組成材料とその組成割合の異なるグリース、或
いはコンパウンドと呼ばれる潤滑剤をブームの摺動面に
塗布して実車試験を行った。その結果、高粘度の合成油
の使用量が多くなるに従ってスティックスリップ現象が
起こりにくくなることが判明した。
発生原因の一つにグリースの種類にあると考えた。そこ
で、先ず組成材料とその組成割合の異なるグリース、或
いはコンパウンドと呼ばれる潤滑剤をブームの摺動面に
塗布して実車試験を行った。その結果、高粘度の合成油
の使用量が多くなるに従ってスティックスリップ現象が
起こりにくくなることが判明した。
【0016】しかるに、高粘度であると塗布面に対する
塗布が困難となりことから、ただ単に高粘度であれば解
決されるというものではない。因みに、40℃における
動粘度が15000mm2 /sを越えると、たとえ刷毛
を使っても塗布することができない。塗布の作業性の向
上を図るには、更に低粘度であることが望ましく、その
上限値は8000mm2 /sであることが必要であり、
グリース噴射器による噴射による塗布の場合は噴射圧に
よっても異なるが、通常の携帯式グリース噴射器による
塗布さぎょう実現するには、40℃の動粘度が3000
mm2 /sであることが好ましい。グリース組成を変更
せずに、前述のような低粘度が得られない場合には、同
粘度を得るため溶剤を添加して希釈した上で使用する。
塗布が困難となりことから、ただ単に高粘度であれば解
決されるというものではない。因みに、40℃における
動粘度が15000mm2 /sを越えると、たとえ刷毛
を使っても塗布することができない。塗布の作業性の向
上を図るには、更に低粘度であることが望ましく、その
上限値は8000mm2 /sであることが必要であり、
グリース噴射器による噴射による塗布の場合は噴射圧に
よっても異なるが、通常の携帯式グリース噴射器による
塗布さぎょう実現するには、40℃の動粘度が3000
mm2 /sであることが好ましい。グリース組成を変更
せずに、前述のような低粘度が得られない場合には、同
粘度を得るため溶剤を添加して希釈した上で使用する。
【0017】上記実車試験を通して、改めてスティック
スリップ現象の発生機構について考察を行った。しか
し、これはスティックスリップ現象の発生機構に関する
一考察に過ぎず、たにも多様な原因が存在すると考えら
れる。
スリップ現象の発生機構について考察を行った。しか
し、これはスティックスリップ現象の発生機構に関する
一考察に過ぎず、たにも多様な原因が存在すると考えら
れる。
【0018】図1はその説明図であり、いま同図(a)
に示すように同摺動部材Wに対して摺動面に向かう押圧
力Rが作用すると共に、同周動部材Wを摺動させようと
する方向に油圧シリンダによって一定の押圧力Fで作用
しているものとする。このとき、前記摺動部材Wには前
記力Fに抗する静摩擦力μ・Rが働き、その静摩擦力μ
・Rが前記油圧シリンダによる押圧力Fより大きい場合
には、摺動部材Wは摺動面上に静止している状態にあ
る。
に示すように同摺動部材Wに対して摺動面に向かう押圧
力Rが作用すると共に、同周動部材Wを摺動させようと
する方向に油圧シリンダによって一定の押圧力Fで作用
しているものとする。このとき、前記摺動部材Wには前
記力Fに抗する静摩擦力μ・Rが働き、その静摩擦力μ
・Rが前記油圧シリンダによる押圧力Fより大きい場合
には、摺動部材Wは摺動面上に静止している状態にあ
る。
【0019】摺動部材Wに、更に前記一定の押圧力Fが
継続し続けると、その力が蓄積される(同図(b))。
その蓄積された力が前記静摩擦力よりも大きくなった瞬
間に、摺動部材Wは摺動を開始して押圧力が開放される
(同図(c))。しかし、蓄積された押圧力が開放され
て瞬間的に高速で摺動する摺動部材Wに押圧力が追随で
きず、その開放力は持続しないため、摺動部材Wは摺動
面上に停止する(同図(d))。これが繰り返されてス
ティックスリップ現象が発生する。
継続し続けると、その力が蓄積される(同図(b))。
その蓄積された力が前記静摩擦力よりも大きくなった瞬
間に、摺動部材Wは摺動を開始して押圧力が開放される
(同図(c))。しかし、蓄積された押圧力が開放され
て瞬間的に高速で摺動する摺動部材Wに押圧力が追随で
きず、その開放力は持続しないため、摺動部材Wは摺動
面上に停止する(同図(d))。これが繰り返されてス
ティックスリップ現象が発生する。
【0020】かかる考察を前提として好ましいグリース
の物性について更に検討を重ねた結果、前記摺動部材W
が蓄積された押圧力Fによって一時的に高速で摺動する
とき、その動摩擦係数を大きくする特性、すなわち高速
になろうとすると摺動速度の加速を低下させるような特
性をもつグリースを選定することが肝要であるという結
論に達した。
の物性について更に検討を重ねた結果、前記摺動部材W
が蓄積された押圧力Fによって一時的に高速で摺動する
とき、その動摩擦係数を大きくする特性、すなわち高速
になろうとすると摺動速度の加速を低下させるような特
性をもつグリースを選定することが肝要であるという結
論に達した。
【0021】本件請求項1に係る発明は、上述の結論を
踏まえてなされたものである。すなわち、本件請求項1
に係る発明は、基油に増ちょう剤を分散して得られるグ
リースであって、40℃における前記基油の動粘度が1
000〜8000mm2 /sであり、前記基油は、40
℃における動粘度が8000mm2 /s以上の高粘度基
油と動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油とか
らなり、前記基油が前記高粘度基油を10重量%以上含
んでなることを特徴とする摺動部材間のステックスリッ
プ防止グリースにある。
踏まえてなされたものである。すなわち、本件請求項1
に係る発明は、基油に増ちょう剤を分散して得られるグ
リースであって、40℃における前記基油の動粘度が1
000〜8000mm2 /sであり、前記基油は、40
℃における動粘度が8000mm2 /s以上の高粘度基
油と動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油とか
らなり、前記基油が前記高粘度基油を10重量%以上含
んでなることを特徴とする摺動部材間のステックスリッ
プ防止グリースにある。
【0022】本発明にあって基油の組成物は特に限定す
るものではなく、例えば各種の動物油、植物油、鉱物
油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ポリグリコ
ール系合成油、シリコーン系合成油、フッ素系合成油、
フェニルエーテル系合成油、アルキルベンゼン系合成油
などを単独に、或いは組み合わせることにより得られ
る。
るものではなく、例えば各種の動物油、植物油、鉱物
油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ポリグリコ
ール系合成油、シリコーン系合成油、フッ素系合成油、
フェニルエーテル系合成油、アルキルベンゼン系合成油
などを単独に、或いは組み合わせることにより得られ
る。
【0023】増ちょう剤としても一般的に使われるもの
であってよく、例えば金属石けん、ポリウレア樹脂、有
機ベントナイト、シリカ、フッ素系樹脂などを挙げるこ
とができる。添加剤も特に限定されないが、例えば固体
潤滑剤としての二硫化モリブデンやグラファイトが黒色
であることから、これらを避けて、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリイミド、
ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイトなどの高
分子固体潤滑剤を添加することが望ましく、他に通常の
酸化防止剤や極圧剤、油性剤、増粘剤などが添加され
る。
であってよく、例えば金属石けん、ポリウレア樹脂、有
機ベントナイト、シリカ、フッ素系樹脂などを挙げるこ
とができる。添加剤も特に限定されないが、例えば固体
潤滑剤としての二硫化モリブデンやグラファイトが黒色
であることから、これらを避けて、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリイミド、
ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイトなどの高
分子固体潤滑剤を添加することが望ましく、他に通常の
酸化防止剤や極圧剤、油性剤、増粘剤などが添加され
る。
【0024】本発明にあって、高粘度基油と低粘度基油
との組成割合は特に規定されるものではなく、それぞれ
の基油粘度を勘案して適量ずつ混合し、トータルの基油
粘度が上記の数値範囲にはいるようにすればよい。
との組成割合は特に規定されるものではなく、それぞれ
の基油粘度を勘案して適量ずつ混合し、トータルの基油
粘度が上記の数値範囲にはいるようにすればよい。
【0025】請求項2に係る発明は、グリースの塗布作
業を刷毛によらずグリース噴射器によって行い得て、し
かも塗着性能に優れたグリースを規定している。すなわ
ち、請求項1に規定された動粘度を有する基油と増ちょ
う剤とを分散させたグリースに溶剤を添加して、40℃
における動粘度が3000mm2 /s以下に希釈する。
勿論、前記基油そのものの動粘度が1000〜3000
mm2 /sである場合には、改めて溶剤により希釈する
必要はない。前記動粘度が3000mm2 /sを越える
と、通常の携帯式のグリース噴射器による噴射が難しく
なる。
業を刷毛によらずグリース噴射器によって行い得て、し
かも塗着性能に優れたグリースを規定している。すなわ
ち、請求項1に規定された動粘度を有する基油と増ちょ
う剤とを分散させたグリースに溶剤を添加して、40℃
における動粘度が3000mm2 /s以下に希釈する。
勿論、前記基油そのものの動粘度が1000〜3000
mm2 /sである場合には、改めて溶剤により希釈する
必要はない。前記動粘度が3000mm2 /sを越える
と、通常の携帯式のグリース噴射器による噴射が難しく
なる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
比較例と共に添付図面及び表を参照しながら具体的に説
明する。本件の実施形態にあって使用する4種類の試料
のうち、グリースAが本発明の実施例に係るグリースで
あり、他のグリースBとコンパウンドC及びDは、それ
ぞれ比較例として挙げるものである。
比較例と共に添付図面及び表を参照しながら具体的に説
明する。本件の実施形態にあって使用する4種類の試料
のうち、グリースAが本発明の実施例に係るグリースで
あり、他のグリースBとコンパウンドC及びDは、それ
ぞれ比較例として挙げるものである。
【0027】本発明の実施例であるグリースAの主成分
である基油は、40℃における動粘度が38000mm
2 /sである炭化水素系合成油の高粘度基油に、40℃
における動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油
としての鉱油(PX−90)を適量混合して、動粘度が
3000mm2 /sの基油に調製している。このとき、
高粘度基油の混合割合はグリースの全重量に対して10
質量%以上含むように調製している。ここでは前記グリ
ースAの基油に使われる低粘度基油の40°における動
粘度は100mm2 /sの鉱油である。
である基油は、40℃における動粘度が38000mm
2 /sである炭化水素系合成油の高粘度基油に、40℃
における動粘度が10〜500mm2 /sの低粘度基油
としての鉱油(PX−90)を適量混合して、動粘度が
3000mm2 /sの基油に調製している。このとき、
高粘度基油の混合割合はグリースの全重量に対して10
質量%以上含むように調製している。ここでは前記グリ
ースAの基油に使われる低粘度基油の40°における動
粘度は100mm2 /sの鉱油である。
【0028】上記グリースAは、こうして得られた基油
に、増ちょう剤として12−ヒドロキシステアリン酸リ
チウムの粉末を同じく4.8質量%混合して225℃ま
で加熱し、加熱を止めたのちに更に添加剤として酸化防
止剤を0.3質量%、フッ素形樹脂粉末を1.0質量%
添加し、これを複数のロールで分散処理して得られ。因
みに、このグリースAの40℃における基油動粘度は3
100mm2 /sである。なお、このグリースAは水酸
化リチウムと脂肪酸とを中和反応させて金属石けんを作
ったのち、分散処理を行う方法によっても製造できる。
に、増ちょう剤として12−ヒドロキシステアリン酸リ
チウムの粉末を同じく4.8質量%混合して225℃ま
で加熱し、加熱を止めたのちに更に添加剤として酸化防
止剤を0.3質量%、フッ素形樹脂粉末を1.0質量%
添加し、これを複数のロールで分散処理して得られ。因
みに、このグリースAの40℃における基油動粘度は3
100mm2 /sである。なお、このグリースAは水酸
化リチウムと脂肪酸とを中和反応させて金属石けんを作
ったのち、分散処理を行う方法によっても製造できる。
【0029】また、上記グリースBは既述したとおり市
販され現在使用されているものであって、鉱油が79.
5質量%と増ちょう剤としてアミンとイソシアネートを
反応させて作るポリウレア10質量%に、上記操作と同
じく酸化防止剤0.5質量%、増粘剤5質量%、極圧剤
2質量%、二硫化モリブデン3質量%を添加して得られ
たグリースである。このグリースBの40℃における基
油動粘度は296mm 2 /sと極めて低い。
販され現在使用されているものであって、鉱油が79.
5質量%と増ちょう剤としてアミンとイソシアネートを
反応させて作るポリウレア10質量%に、上記操作と同
じく酸化防止剤0.5質量%、増粘剤5質量%、極圧剤
2質量%、二硫化モリブデン3質量%を添加して得られ
たグリースである。このグリースBの40℃における基
油動粘度は296mm 2 /sと極めて低い。
【0030】一方、上記コンパウンドCは約80℃に加
熱した上記グリースAと同じ高粘度合成油を全重量に対
して70質量%と、固体潤滑剤及びタレ防止剤としての
ポリテトラフルオロエチレンン粉末の30質量%とを混
合したのち、複数のロールにより分散させて得たもので
ある。このコンパウンドCの40℃における動粘度は4
3300mm2 /sと極めて高い。
熱した上記グリースAと同じ高粘度合成油を全重量に対
して70質量%と、固体潤滑剤及びタレ防止剤としての
ポリテトラフルオロエチレンン粉末の30質量%とを混
合したのち、複数のロールにより分散させて得たもので
ある。このコンパウンドCの40℃における動粘度は4
3300mm2 /sと極めて高い。
【0031】また、上記コンパウンドDは、前記コンパ
ウンドCに使われた高粘度合成油47質量%とそれより
動粘度の低い高粘度合成油8質量%とを混合して約80
℃に加熱し、これに油性剤を20質量%、固体潤滑剤で
あるポリテトラフルオロエチレンン粉末5質量%、タレ
防止剤としてステアリン酸アルミニウム20質量%を混
合させたのち、上記操作と同様の操作により分散させて
得ている。このコンパウンドDの40℃における動粘度
は14050mm2 /sである。
ウンドCに使われた高粘度合成油47質量%とそれより
動粘度の低い高粘度合成油8質量%とを混合して約80
℃に加熱し、これに油性剤を20質量%、固体潤滑剤で
あるポリテトラフルオロエチレンン粉末5質量%、タレ
防止剤としてステアリン酸アルミニウム20質量%を混
合させたのち、上記操作と同様の操作により分散させて
得ている。このコンパウンドDの40℃における動粘度
は14050mm2 /sである。
【0032】本実施形態では、上述の4種類のグリース
とコンパウンドとを中心として、他に試作品であるグリ
ース(40℃における動粘度が3177mm2 /sであ
る試作品1、同じく動粘度が3155mm2 /sである
試作品2、同じく動粘度が642mm2 /sである試作
品3や他の市販品)を使い、以下の〜の3項目につ
いて実車試験と実験とを行った。なお、前記試作品1〜
3の組成材料は試料Aと同じ高粘度基油を使い、動粘度
の異なる低粘度基油を組成割合を変えて混合したもので
あり、増ちょう剤や添加剤は実質的に同じ材料を使って
いる。
とコンパウンドとを中心として、他に試作品であるグリ
ース(40℃における動粘度が3177mm2 /sであ
る試作品1、同じく動粘度が3155mm2 /sである
試作品2、同じく動粘度が642mm2 /sである試作
品3や他の市販品)を使い、以下の〜の3項目につ
いて実車試験と実験とを行った。なお、前記試作品1〜
3の組成材料は試料Aと同じ高粘度基油を使い、動粘度
の異なる低粘度基油を組成割合を変えて混合したもので
あり、増ちょう剤や添加剤は実質的に同じ材料を使って
いる。
【0033】 グリースAの基油である高粘度基油と
低粘度基油の配合割合と、耐スティックスリップ性との
関係について、 40℃における基油の動粘度と耐スティックスリッ
プ性との関係について、 40℃における基油の動粘度と塗布性との関係につ
いて、 これらの試験項目に従って、以下にその具体的な試験条
件及び試験データを具体的に説明する。
低粘度基油の配合割合と、耐スティックスリップ性との
関係について、 40℃における基油の動粘度と耐スティックスリッ
プ性との関係について、 40℃における基油の動粘度と塗布性との関係につ
いて、 これらの試験項目に従って、以下にその具体的な試験条
件及び試験データを具体的に説明する。
【0034】 グリースAの基油である高粘度基油と
低粘度基油の配合割合と耐スティックスリップ性 この実車試験では、図2に示すように断面が6角形から
なる6段の筒状ブーム(fst.〜6th.) からなるブーム1
1を備えたラフテレーンクレーン10を試験車として使
った。なお、本試験ではブーム5th.〜6th.は縮長状態
で、ブーム2th.〜4th.のみを伸縮速度を1〜2m/mi
nとして、全てのブーム2th.〜4th.を連続して伸縮させ
て試験した。このときの平均気温は27.5℃〜31℃
であった。
低粘度基油の配合割合と耐スティックスリップ性 この実車試験では、図2に示すように断面が6角形から
なる6段の筒状ブーム(fst.〜6th.) からなるブーム1
1を備えたラフテレーンクレーン10を試験車として使
った。なお、本試験ではブーム5th.〜6th.は縮長状態
で、ブーム2th.〜4th.のみを伸縮速度を1〜2m/mi
nとして、全てのブーム2th.〜4th.を連続して伸縮させ
て試験した。このときの平均気温は27.5℃〜31℃
であった。
【0035】試料としては上記グリースAと上記試作品
1〜3が使われ、40℃における全ての動粘度を300
0mm2 /sとなるように、40℃における基油の動粘
度が38000mm2 /sの高粘度基油H0と同じく基
油の動粘度が20〜1300mm2 /sである低粘度基
油L0との配合割合H0/L0(全重量に対する質量%
比)を、グリースAと上記試作品1〜3との順に、47
/53、18/82、58/42、35/65とした。
1〜3が使われ、40℃における全ての動粘度を300
0mm2 /sとなるように、40℃における基油の動粘
度が38000mm2 /sの高粘度基油H0と同じく基
油の動粘度が20〜1300mm2 /sである低粘度基
油L0との配合割合H0/L0(全重量に対する質量%
比)を、グリースAと上記試作品1〜3との順に、47
/53、18/82、58/42、35/65とした。
【0036】各試料A,試作品1〜3を、毎日各ブーム
2th.〜4th.の所定の箇所に定量を塗布しなおし、ブーム
2th.〜4th.を上記条件下で連続して伸縮させ、最初に発
生したときの、その日の伸縮回数を記録して、各組成割
合ごとに5日の試験結果の平均値の小数点以下を四捨五
入してグラフ上にプロットした。
2th.〜4th.の所定の箇所に定量を塗布しなおし、ブーム
2th.〜4th.を上記条件下で連続して伸縮させ、最初に発
生したときの、その日の伸縮回数を記録して、各組成割
合ごとに5日の試験結果の平均値の小数点以下を四捨五
入してグラフ上にプロットした。
【0037】なお、このときのブーム先端には補助フッ
クと25ton フックとを備えており、各フックには何も
吊り下げておらず、ブームの仰角を全て一定角度とし
た。図3は、その試験結果を示すグラフである。このグ
ラフから理解できるように、高粘度基油H0の低粘度基
油L0に対する配合割合H0/L0を増加させるに従っ
て、ほぼ直線的にスティックスリップの最初に発生する
伸縮回数が増加している。このことから、スティックス
リップの発生を回避する本発明のグリースを得ようとす
るときは、低粘度基油L0に対する高粘度基油H0の配
合割合H0/L0を可能な限り大きくしたほうがよいこ
とが分かる。
クと25ton フックとを備えており、各フックには何も
吊り下げておらず、ブームの仰角を全て一定角度とし
た。図3は、その試験結果を示すグラフである。このグ
ラフから理解できるように、高粘度基油H0の低粘度基
油L0に対する配合割合H0/L0を増加させるに従っ
て、ほぼ直線的にスティックスリップの最初に発生する
伸縮回数が増加している。このことから、スティックス
リップの発生を回避する本発明のグリースを得ようとす
るときは、低粘度基油L0に対する高粘度基油H0の配
合割合H0/L0を可能な限り大きくしたほうがよいこ
とが分かる。
【0038】 40℃における基油の動粘度と耐ステ
ィックスリップ性 図4は、40℃における基油の動粘度が異なる多種のグ
リースやコンパウンドを使い、次の試験条件で上記車種
と同一車種による実車試験を行ったときの、耐スティッ
クスリップ性能を示している。
ィックスリップ性 図4は、40℃における基油の動粘度が異なる多種のグ
リースやコンパウンドを使い、次の試験条件で上記車種
と同一車種による実車試験を行ったときの、耐スティッ
クスリップ性能を示している。
【0039】「試験条件」ブーム角度を一定角度とし、
アウトリガの伸長幅を最大とした。試験は、ブームの伸
縮が一定長さとなるように伸縮操作レバーを操作し、伸
縮速度1〜2m/minの範囲で連続して伸縮させ、最
初にスティックスリップが発生するまでの伸縮操作回数
を記録し、これを1日おいて5日間繰り返して行い、そ
の平均値をグラフ上にプロットしたものが図4に示すグ
ラフである。このとき、伸縮切換時には2秒間の間隔を
おく。
アウトリガの伸長幅を最大とした。試験は、ブームの伸
縮が一定長さとなるように伸縮操作レバーを操作し、伸
縮速度1〜2m/minの範囲で連続して伸縮させ、最
初にスティックスリップが発生するまでの伸縮操作回数
を記録し、これを1日おいて5日間繰り返して行い、そ
の平均値をグラフ上にプロットしたものが図4に示すグ
ラフである。このとき、伸縮切換時には2秒間の間隔を
おく。
【0040】これらの図から理解できるように、試験速
度のように従来以上の微速でブームを伸縮させるとき、
基油の動粘度が高いほど耐スティックスリップ性能は良
好となり、基準回数を作業性にあまり影響しない10回
を基準とすると、40℃における動粘度が少なくとも1
000mm2 /s以上であることが必要である。
度のように従来以上の微速でブームを伸縮させるとき、
基油の動粘度が高いほど耐スティックスリップ性能は良
好となり、基準回数を作業性にあまり影響しない10回
を基準とすると、40℃における動粘度が少なくとも1
000mm2 /s以上であることが必要である。
【0041】 40℃における基油の動粘度とその塗
布性 既述したとおり、グリース類にあっては、その基油の動
粘度によっては塗布面に対する塗着がそもそも不可能と
なる場合もある。すなわち、一般的に40℃における基
油の動粘度が高くなればなるほど塗布性が低下し、刷毛
によっても塗布が不可能となり、いわんやグリース噴射
器によってはグリースを噴射ができず、塗布が全く不可
能となる。また、前記動粘度が低すぎする場合には、折
角塗布したグリースが塗布面から滴下するようになる。
布性 既述したとおり、グリース類にあっては、その基油の動
粘度によっては塗布面に対する塗着がそもそも不可能と
なる場合もある。すなわち、一般的に40℃における基
油の動粘度が高くなればなるほど塗布性が低下し、刷毛
によっても塗布が不可能となり、いわんやグリース噴射
器によってはグリースを噴射ができず、塗布が全く不可
能となる。また、前記動粘度が低すぎする場合には、折
角塗布したグリースが塗布面から滴下するようになる。
【0042】そこで、次の条件下で40℃における基油
の動粘度とその塗布性に関する実験をおこなった。 「グリース塗布用の使用機材」グリース塗布機材とし
て、最大吐出量を1.0kg/min、最高吐出圧を2
4.5MPとするグリースポンプとスプレーノズルとを
組み合わせて使用した。
の動粘度とその塗布性に関する実験をおこなった。 「グリース塗布用の使用機材」グリース塗布機材とし
て、最大吐出量を1.0kg/min、最高吐出圧を2
4.5MPとするグリースポンプとスプレーノズルとを
組み合わせて使用した。
【0043】「試料」グリースB、コンパウンドC、コ
ンパウンドD及び本件発明に係るグリースAの4種類を
使用した。なお、本件発明に係るグリースAは、更にそ
の組成割合を変えて3種類の40℃における動粘度45
00mm2 /s、5000mm2 /s及び7500mm
2 /sをもつ基油を調製した。
ンパウンドD及び本件発明に係るグリースAの4種類を
使用した。なお、本件発明に係るグリースAは、更にそ
の組成割合を変えて3種類の40℃における動粘度45
00mm2 /s、5000mm2 /s及び7500mm
2 /sをもつ基油を調製した。
【0044】「実験内容」上記機材を使用して、上記各
試料を黒色紙の上に吹き付け、その付着重量を測定する
と共に、塗布後のむらによる塗布状態を観察した。実験
は25℃及び28℃の室温中で行った。表1は、その実
験結果を表したものである。図5は、25℃における各
試料の付着量をプロットして得られたグラフである。な
お、表1にあって本件発明に係るグリースAの付着量
は、上記各試料の平均値を示している。
試料を黒色紙の上に吹き付け、その付着重量を測定する
と共に、塗布後のむらによる塗布状態を観察した。実験
は25℃及び28℃の室温中で行った。表1は、その実
験結果を表したものである。図5は、25℃における各
試料の付着量をプロットして得られたグラフである。な
お、表1にあって本件発明に係るグリースAの付着量
は、上記各試料の平均値を示している。
【0045】
【表1】
【0046】ただし、塗布手法として刷毛による場合も
あるが、刷毛による塗布では塗布量が3倍となるため、
判断基準は上記スプレー噴射機材を使い、少なくとも現
状の吐出量を維持できること、噴霧状態にむらがないこ
ととした。
あるが、刷毛による塗布では塗布量が3倍となるため、
判断基準は上記スプレー噴射機材を使い、少なくとも現
状の吐出量を維持できること、噴霧状態にむらがないこ
ととした。
【0047】また、動粘度が高くスプレー噴射による噴
射が不可能である場合には、ノズルの使用を変更する
か、或いはグリース類が揮発性溶剤に溶けるものであれ
ば、同溶剤を添加して希釈することによって噴射を可能
にする。このときのグリース類の塗着量は、溶剤が揮発
したのちの実質的なグリース重量が必要十分な量であ
り、且つむらの無いことが上記判断基準となる。
射が不可能である場合には、ノズルの使用を変更する
か、或いはグリース類が揮発性溶剤に溶けるものであれ
ば、同溶剤を添加して希釈することによって噴射を可能
にする。このときのグリース類の塗着量は、溶剤が揮発
したのちの実質的なグリース重量が必要十分な量であ
り、且つむらの無いことが上記判断基準となる。
【0048】図5及び表1から理解できるように、試料
Bはスプレーノズルによる吐出性に優れ、その塗着量及
びむらの点で十分に満足できるものであるが、余りにも
動粘度が低いため、既述したとおり塗布面からの滴下が
多く、殊に温度が上がるとその滴下量も増加し、グリー
スの色も黒色であるがため、作業性に大きな影響がで
る。また、この試料は動粘度が低すぎて、殊に微速摺動
のときスティックスリップが発生しやすいため、採用す
ることができない。
Bはスプレーノズルによる吐出性に優れ、その塗着量及
びむらの点で十分に満足できるものであるが、余りにも
動粘度が低いため、既述したとおり塗布面からの滴下が
多く、殊に温度が上がるとその滴下量も増加し、グリー
スの色も黒色であるがため、作業性に大きな影響がで
る。また、この試料は動粘度が低すぎて、殊に微速摺動
のときスティックスリップが発生しやすいため、採用す
ることができない。
【0049】一方、コンパウンドからなる試料Cは、基
油の動粘度が高すぎてスプレーノズルから吐出されず、
また仮に溶剤をもって希釈したとしても、実質的な塗着
量が低すぎて、到底実用に耐えない。また、他のコンパ
ウンド試料Dも、粘性が高いためか、スプレーノズルか
ら噴霧状態で噴射されず、固まりとなって飛ぶことが多
いため、同じく実用化は難しい。
油の動粘度が高すぎてスプレーノズルから吐出されず、
また仮に溶剤をもって希釈したとしても、実質的な塗着
量が低すぎて、到底実用に耐えない。また、他のコンパ
ウンド試料Dも、粘性が高いためか、スプレーノズルか
ら噴霧状態で噴射されず、固まりとなって飛ぶことが多
いため、同じく実用化は難しい。
【0050】これに対して、本発明の試料Aはスプレー
ノズルからの吐出量が試料Bと比較すると半分以下であ
るが、噴霧状態は良好であり、その塗着量も実用に十分
耐え得るものであって、且つグリースの色は殆ど透明で
ある。なお、更に吐出量を増加させたい場合に、溶剤を
使って希釈すれば十分な塗着量が得られ、しかも溶剤が
揮発したのちも塗布面から滴下する心配がない。このと
きの溶剤による希釈後の、40℃における動粘度を30
00mm2 /s以下とすることが望ましい。
ノズルからの吐出量が試料Bと比較すると半分以下であ
るが、噴霧状態は良好であり、その塗着量も実用に十分
耐え得るものであって、且つグリースの色は殆ど透明で
ある。なお、更に吐出量を増加させたい場合に、溶剤を
使って希釈すれば十分な塗着量が得られ、しかも溶剤が
揮発したのちも塗布面から滴下する心配がない。このと
きの溶剤による希釈後の、40℃における動粘度を30
00mm2 /s以下とすることが望ましい。
【0051】以上の試験及び実験に加えて、更に上記試
験項目に使用した車種と同一車種のラフテレーンクレ
ーンを使用し、上記試験項目の試験条件にて、以下の
様な実車試験を行った。その試験内容は、上記試料B、
試料C、試料D及び本発明の試料であるAを、それぞれ
ブームの通常の塗布箇所に塗布し、上記摺動速度をもっ
て各ブームの上記伸縮操作を一定回数行い、そのままの
長さで一定時間待機後、再度、同様の連続操作を行い、
その間にスティックスリップが発生しないときは、3回
の繰り返しを目標として、スティックスリップが発生す
るまで繰り返す。
験項目に使用した車種と同一車種のラフテレーンクレ
ーンを使用し、上記試験項目の試験条件にて、以下の
様な実車試験を行った。その試験内容は、上記試料B、
試料C、試料D及び本発明の試料であるAを、それぞれ
ブームの通常の塗布箇所に塗布し、上記摺動速度をもっ
て各ブームの上記伸縮操作を一定回数行い、そのままの
長さで一定時間待機後、再度、同様の連続操作を行い、
その間にスティックスリップが発生しないときは、3回
の繰り返しを目標として、スティックスリップが発生す
るまで繰り返す。
【0052】ここで、連続して伸縮させる一定回数及び
その回数を終了したのちに待機する一定時間について
は、試験場所や試験車種により任意に設定することがで
きるが、本実車試験では、例えば連続伸縮回数を20
回、待機時間を10分に設定している。
その回数を終了したのちに待機する一定時間について
は、試験場所や試験車種により任意に設定することがで
きるが、本実車試験では、例えば連続伸縮回数を20
回、待機時間を10分に設定している。
【0053】前記回数の連続操作の前にスティックスリ
ップが発生したときは、その後に2回の伸縮操作を行
い、スティックスリップの発生が治まらないことを確認
した上で、試験を中断して一定時間待機したのち、再
度、同じ回数の伸縮操作を行う。この再度の伸縮操作で
スティックスリップの発生が治まったときは所定の回数
まで伸縮操作を続ける。連続してスティックスリップが
発生しないときは、5回の所定回数の伸縮操作を行うこ
とにより試験を終了する。
ップが発生したときは、その後に2回の伸縮操作を行
い、スティックスリップの発生が治まらないことを確認
した上で、試験を中断して一定時間待機したのち、再
度、同じ回数の伸縮操作を行う。この再度の伸縮操作で
スティックスリップの発生が治まったときは所定の回数
まで伸縮操作を続ける。連続してスティックスリップが
発生しないときは、5回の所定回数の伸縮操作を行うこ
とにより試験を終了する。
【0054】表2は前記試験により発生するスティック
スリップの回数を示している。なお、同表にあって、テ
ストN0.は一定回数の連続伸縮操作を単位とするテス
ト回数を示し、図中の「○」はテスト時の伸縮操作にお
いて全くスティックスリップが発生しないときを、
「△」は1回の伸縮時に3回以下のスティックスリップ
が発生したとき、「▲」は1回の伸縮時に4〜7回のス
ティックスリップが発生したとき、「■」は1回の伸縮
時にスティックスリップが8回以上発生したときを示し
ている。また、これらの符号の右に記載されている数字
は、その1回の伸縮時において発生するスティックスリ
ップの回数を示している。
スリップの回数を示している。なお、同表にあって、テ
ストN0.は一定回数の連続伸縮操作を単位とするテス
ト回数を示し、図中の「○」はテスト時の伸縮操作にお
いて全くスティックスリップが発生しないときを、
「△」は1回の伸縮時に3回以下のスティックスリップ
が発生したとき、「▲」は1回の伸縮時に4〜7回のス
ティックスリップが発生したとき、「■」は1回の伸縮
時にスティックスリップが8回以上発生したときを示し
ている。また、これらの符号の右に記載されている数字
は、その1回の伸縮時において発生するスティックスリ
ップの回数を示している。
【0055】例えば、試料Bの欄にあって、「■41」
の41とは1回目のブーム伸縮操作時に既に41回のス
ティックスリップが発生していることを示しており、試
料Aの始めに出てくる「■28」の28とは1回目から
4回目のテスト(一定伸縮操作回/1テスト)では全く
スティックスリップが発生せず、5回目のテストにおい
て始めから28回のスティックスリップが発生したこと
を示している。なお、この場合には続く2回のテストに
おいても最初から28回のスティックスリップが発生す
るため、そこで一定時間の待機時間をおいて再び伸縮操
作を開始している。
の41とは1回目のブーム伸縮操作時に既に41回のス
ティックスリップが発生していることを示しており、試
料Aの始めに出てくる「■28」の28とは1回目から
4回目のテスト(一定伸縮操作回/1テスト)では全く
スティックスリップが発生せず、5回目のテストにおい
て始めから28回のスティックスリップが発生したこと
を示している。なお、この場合には続く2回のテストに
おいても最初から28回のスティックスリップが発生す
るため、そこで一定時間の待機時間をおいて再び伸縮操
作を開始している。
【0056】
【表2】
【0057】表2から理解できるように、微速摺動下で
は従来から使われている試料Bはブームの伸縮操作の最
初の伸縮操作時から41回のスティックスリップが発生
し、その後の伸縮操作時にも29回、27回とスティッ
クスリップの発生が治まらないため、所定の待機時間を
経て、改めて伸縮操作を行ったにも関わらず30回のス
ティックスリップが発生し、続く伸縮動作時にも相変わ
らずスティックスリップの発生が治まらなかった。従っ
て、この試料Bは微速摺動時には有効でないことが分か
る。
は従来から使われている試料Bはブームの伸縮操作の最
初の伸縮操作時から41回のスティックスリップが発生
し、その後の伸縮操作時にも29回、27回とスティッ
クスリップの発生が治まらないため、所定の待機時間を
経て、改めて伸縮操作を行ったにも関わらず30回のス
ティックスリップが発生し、続く伸縮動作時にも相変わ
らずスティックスリップの発生が治まらなかった。従っ
て、この試料Bは微速摺動時には有効でないことが分か
る。
【0058】一方、コンパウンドのうち、試料Cはそも
そもブームへの塗布が満遍なくできず、従って試験によ
る性能評価ができなかった。それに引き換えて、試料D
は塗布性の上で難はあるものの、塗布さえ良好になされ
るとスティックスリップの発生も良好となることが理解
できる。
そもブームへの塗布が満遍なくできず、従って試験によ
る性能評価ができなかった。それに引き換えて、試料D
は塗布性の上で難はあるものの、塗布さえ良好になされ
るとスティックスリップの発生も良好となることが理解
できる。
【0059】これに対して、本発明の実施例である試料
Aについては、耐スティックスリップ性に関して前記試
料Dと同等の結果が出ており、しかも塗布性の面で上述
のごとく良好であることから、最も実用的であることが
理解できる。
Aについては、耐スティックスリップ性に関して前記試
料Dと同等の結果が出ており、しかも塗布性の面で上述
のごとく良好であることから、最も実用的であることが
理解できる。
【0060】以上の結果、グリースの主成分である基油
の40℃における動粘度を1000〜8000mm2 /
sとなるように、高粘度基油と低粘度基油とを前記高粘
度基油が10重量%以上含むようにして混合することに
より、特に塗布面に対する塗布性能が良好で且つ微速摺
動時のスティックスリップの発生を効果的に抑制するグ
リースが得られる。また、これらの基油に対して一般に
使われている二硫化モリブデンやグラファイト等の黒色
潤滑剤を使用せずに、その他の固体潤滑剤、特に樹脂潤
滑剤粉末を添加してもその機能が十分に発揮されること
から、出来上がったグリースも黒色でなくほぼ透明とす
ることができるようになり、各種作業時の作業員に対す
る悪影響も排除することができる。
の40℃における動粘度を1000〜8000mm2 /
sとなるように、高粘度基油と低粘度基油とを前記高粘
度基油が10重量%以上含むようにして混合することに
より、特に塗布面に対する塗布性能が良好で且つ微速摺
動時のスティックスリップの発生を効果的に抑制するグ
リースが得られる。また、これらの基油に対して一般に
使われている二硫化モリブデンやグラファイト等の黒色
潤滑剤を使用せずに、その他の固体潤滑剤、特に樹脂潤
滑剤粉末を添加してもその機能が十分に発揮されること
から、出来上がったグリースも黒色でなくほぼ透明とす
ることができるようになり、各種作業時の作業員に対す
る悪影響も排除することができる。
【0061】なお、本発明の上記実施形態は典型的なグ
リースを例示したに過ぎず、その組成成分や組成割合に
関しては本発明の精神を逸脱しない範囲において多様な
変更が可能である。
リースを例示したに過ぎず、その組成成分や組成割合に
関しては本発明の精神を逸脱しない範囲において多様な
変更が可能である。
【図1】摺動部材の摺動時に発生するスティックスリッ
プ現象の発生機構に関する一考察に基づく説明図であ
る。
プ現象の発生機構に関する一考察に基づく説明図であ
る。
【図2】本発明のグリースと他のグリース類を適用した
試験車であるラフテレーンクレーンの概略外観図であ
る。
試験車であるラフテレーンクレーンの概略外観図であ
る。
【図3】本発明に係るグリースの基油成分に対する組成
割合と耐スティックスリップ回数との相関図である。
割合と耐スティックスリップ回数との相関図である。
【図4】40℃における動粘度が異なる多様な種類の基
油を使ったときの耐スティックスリップ性を示す相関図
である。
油を使ったときの耐スティックスリップ性を示す相関図
である。
【図5】基油の動粘度が異なる本発明のグリースと他の
グリース類とのグリース塗布性の違いを示す相関図であ
る。
グリース類とのグリース塗布性の違いを示す相関図であ
る。
10 ラフテレーンクレーン 11 ブーム A 本発明のグリース例(試料) B 従来のグリース例(試料) C コンパウンド例(試料) D 他のコンパウンド例(試料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 50:10 C10N 50:10 (72)発明者 澤藤 佐敏 栃木県小山市横倉新田400 小松製作所建 機第二開発センタ内 (72)発明者 迎野 雅行 石川県小松市符津町ツ23 小松製作所建機 第一開発センタ内 (72)発明者 亀田 昭 茨城県猿島郡五霞町川妻2168 大阪造船所 ニチモリ事業部内 (72)発明者 落合 守 茨城県猿島郡五霞町川妻2168 大阪造船所 ニチモリ事業部内 Fターム(参考) 4H104 AA22B AA24B BB16B CD02B CE14B DA02A EA02A EB02 EB06 FA01 LA20 PA01 QA18
Claims (2)
- 【請求項1】 基油に増ちょう剤を分散して得られるグ
リースであって、 40℃における前記基油の動粘度が1000〜8000
mm2 /sであり、 前記基油は、40℃における動粘度が8000mm2 /
s以上の高粘度基油と動粘度が10〜500mm2 /s
の低粘度基油とからなり、 前記基油が前記高粘度基油をグリースの全重量に対して
10質量%以上含んでなる、ことを特徴とする摺動部材
間のスティックスリップ防止グリース。 - 【請求項2】 前記基油が溶剤により希釈され、40℃
における動粘度が3000mm2 /s以下とされてなる
請求項1記載のグリース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057514A JP2001247889A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | 摺動部材間のスティックスリップ防止グリース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057514A JP2001247889A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | 摺動部材間のスティックスリップ防止グリース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001247889A true JP2001247889A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=18578285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000057514A Pending JP2001247889A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | 摺動部材間のスティックスリップ防止グリース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001247889A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238767A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Jtekt Corp | 潤滑剤組成物と伸縮自在シャフトおよびそれを用いたステアリング装置 |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000057514A patent/JP2001247889A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238767A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Jtekt Corp | 潤滑剤組成物と伸縮自在シャフトおよびそれを用いたステアリング装置 |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060322 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081014 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081021 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090303 |