JP2001247715A - セルロース溶液およびセルロース溶液安定剤 - Google Patents

セルロース溶液およびセルロース溶液安定剤

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JP2001247715A JP2000056965A JP2000056965A JP2001247715A JP 2001247715 A JP2001247715 A JP 2001247715A JP 2000056965 A JP2000056965 A JP 2000056965A JP 2000056965 A JP2000056965 A JP 2000056965A JP 2001247715 A JP2001247715 A JP 2001247715A
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和佳 谷
Akira Mochizuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セルロースおよび第三級アミンオキシドの分解
が長時間にわたって抑制されるセルロース溶液、およ
び、該セルロース溶液に用いられるセルロース溶液安定
剤であって、安価で、該セルロース溶液が水等の極性溶
媒を含有する場合にも用いることができるセルロース溶
液安定剤の提供。 【解決手段】セルロース、第三級アミンオキシドおよび
プロアントシアニジンを含有するセルロース溶液、なら
びに、プロアントシアニジンからなるセルロース溶液安
定剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースおよび
第三級アミンオキシドを含有するセルロース溶液、該セ
ルロース溶液から得られるセルロース成形体、ならび
に、該セルロース溶液の安定化のために用いられるセル
ロース溶液安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】第三級アミンオキシドはセルロースを溶
解する性質を有し、この溶液をもとに繊維、シート、
膜、粒子等の種々のセルロース成形体が得られることが
知られている。しかし、第三級アミンオキシドにセルロ
ースを溶解する間や、高温下でのセルロース溶液の貯蔵
の間に、セルロースおよびその溶媒である第三級アミン
オキシドは、経時的に分解していくため、セルロース重
合度低下によるセルロース溶液の粘度低下を招き、成形
性を悪化させる等の問題がある。また、特に、分解生成
物は成形体、例えば、繊維、シート、膜、粒子等を変色
させ、この変色は洗浄等によって回復させることができ
ないため問題となる。
【0003】このような問題に対し、EP−A0047
929号公報には、上記溶液の安定剤として没食子酸プ
ロピルエステル(GPE)を使用することが記載されて
いる。しかしながら、GPEは非常に高価であるため、
セルロース成形体の工業的製造に用いるのは困難であ
る。また、その効果も実用上十分なものとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セルロース
および第三級アミンオキシドの分解が長時間にわたって
抑制されるセルロース溶液を提供することを課題とす
る。また、本発明は、前記セルロース溶液から得られ
る、変色等の起こらない成形体を提供することを課題と
する。更に、本発明は、前記セルロース溶液に用いられ
るセルロース溶液安定剤であって、安価で、前記セルロ
ース溶液が水等の極性溶媒を含有する場合にも用いるこ
とができるセルロース溶液安定剤を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、セルロースおよび第三級
アミンオキシドを含有するセルロース溶液に、プロアン
トシアニジンを安定剤として用いることで、セルロース
および第三級アミンオキシドの分解が長時間にわたって
抑制されることを見出し、また、実用上十分な溶液安定
効果を発現できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、セルロース、第三級アミ
ンオキシドおよびプロアントシアニジンを含有するセル
ロース溶液を提供する。
【0007】前記セルロース溶液が、更に水を含有する
のは、好ましい態様の一つである。
【0008】前記第三級アミンオキシドが、N−メチル
モルホリン−N−オキシドであるのが好ましい。
【0009】セルロース溶液中の前記プロアントシアニ
ジンの含有量が、前記セルロースの含有量に対して0.
01〜1質量%であるのが好ましい。
【0010】また、本発明は、前記セルロース溶液を成
形してなるセルロース成形体を提供する。
【0011】更に、本発明は、プロアントシアニジンを
含有するセルロース溶液安定剤を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の第一の態様は、セルロース、第三級アミン
オキシドおよびプロアントシアニジンを含有するセルロ
ース溶液である。本発明に用いられるセルロースは、特
に限定されず、公知のものを用いることができる。例え
ば、パルプ、リンター、木綿繊維等を原料とするセルロ
ースが挙げられる。パルプは、ビスコースレーヨン、セ
ルロースアセテート、キュプラ、セロハン等に用いられ
る溶解パルプが好ましく用いられるが、ヘミセルロー
ス、リグニン等が含まれる製紙用パルプであってもよ
い。中でも、α−セルロース分が90%以上のパルプが
好ましい。パルプの形状は、フロック状、粉末状、繊維
状、シート状等のいかなる形状であってもよい。また、
レーヨン繊維の回収物、古紙、回収された古木綿等の回
収品から得られるセルロースを用いることもできる。本
発明に用いられるセルロースは、TAPPI標準法T2
30で5〜20cp、粘度平均重合度が500〜150
0であるものが好ましい。また、セルロースは粘度平均
重合度の異なる二種以上のものを混合して用いてもよ
い。
【0013】また、本発明に用いられるセルロースは、
誘導体化されたセルロースであってもよい。セルロース
誘導体は、特に限定されず、セルロースエーテル、セル
ロースエステル等を用いることができる。エーテル基お
よびエステル基中のRは炭素数に限定されず、場合によ
り置換されたアルキル基および/またはアルケニル基お
よび/またはシクロアルキル基および/またはシクロア
ルケニル基および/またはアリールアルキル基および/
またはアリールアルケニル基である。中でもアルキルセ
ルロースエーテルが好ましい。アルキルセルロースエー
テルは、例えば、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、プロピルセルロースが挙げられ、これらからなる群
から選択される少なくとも1つを好適に使用できる。
【0014】本発明に用いられる第三級アミンオキシド
は、一般にセルロース溶液を調製するのに使用されてい
る公知のものを使用できる。例えば、N−メチルモルフ
ォリン−N−オキシド、N,N−ジメチルエタノールア
ミン−N−オキシド、N,N−ジメチルシクロへキシル
アミン−N−オキシド、N,N,N−トリエチルアミン
−N−オキシド、N,N−ジメチルベンジルアミン−N
−オキシド、N−メチルピペルジン−N−オキシドおよ
びこれらの水和物が挙げられる。中でも、入手が容易
で、かつその溶剤回収技術が確立されているN−メチル
モルフォリン−N−オキシドおよびその水和物が好まし
い。また、これらの第三級アミンオキシドおよびその水
和物は、単独でまたは複数を適切な割合で混合して使用
することができる。
【0015】本発明のセルロース溶液は、上記の第三級
アミンオキシド以外に、他の溶媒を含有することができ
る。他の溶媒としては、水、尿素系溶媒、メタノール、
エタノール、ポリエチレングリコール、エチレングリコ
ール、グリセリン、N,N−ジメチルアセトアミドが挙
げられる。中でも、水は、安価であり、溶剤回収時の不
純物とならず、また環境に対して悪影響を及ぼさないた
め好ましい。本発明のセルロース溶液が水を含有する場
合において、セルロース溶液が含有する水は、第三級ア
ミンオキシドの水和物を用いるときには、該水和物に由
来するものであってもよいし、更に別途添加してもよ
い。本発明に用いられるプロアントシアニジンは、第三
級アミンオキシドと水等の極性溶媒との混合溶媒にも溶
解するので、本発明のセルロース溶液が水を含有する場
合にも用いることができるという利点がある。
【0016】尿素系溶媒は、特に限定されず、例えば、
N,N´−ジメチルエチレン尿素、テトラメチレン尿
素、N,N´−ジエチルエチレン尿素、テトラエチレン
尿素、N,N´−ジメチルプロピレン尿素、N,N´−
ジエチルプロピレン尿素、N,N´−ジメチル尿素、
N,N´−ジエチル尿素を用いることができる。中で
も、入手の容易なN,N´−ジメチルエチレン尿素が好
ましい。
【0017】第三級アミンオキシド以外の溶媒を用いる
場合の溶媒の組成は、特に限定されない。例えば、溶媒
として第三級アミンオキシドおよび水を用いる場合に
は、第三級アミンオキシド75〜95%、水25〜5%
とするのが好ましい。第三級アミンオキシド無水物の中
には、加熱により爆発するおそれがあるものがある。ま
た、水が増加すればセルロースの溶解性が低下する。し
たがって、上記組成が好ましい。
【0018】プロアントシアニジンは、各種植物体中に
存在するフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4
−ジオールを構成単位として縮合または重合により結合
した化合物群である。これらは、酸処理によりシアニジ
ン、デルフィニジン、ペラルゴニジン等のアントシアニ
ジンを生成するところから、プロアントシアニジンとい
う名称が与えられている。
【0019】本発明に用いられるプロアントシアニジン
は、上記構成単位の2量体、3量体、4量体等、更に
は、10量体以上の高分子のプロシアニジン、プロデル
フィニジン、プロペラルゴニジン等のプロアントシアニ
ジンおよびそれらの立体異性体等を含む。プロアントシ
アニジンのオリゴマーは、著しく強い抗酸化力を示し、
重合度が大きいほど抗酸化力は強く、(+)−カテキ
ン、アスコルビン酸、D−α−トコフェロールを上回
る。本発明においては、プロアントシアニジンは、各種
植物体、例えば、ぶどう種子、クランベリー果実、りん
ご果実、小豆、杉、檜の樹皮等から抽出して得られるも
のを用いることができる。また、本発明においては、プ
ロアントシアニジンを上述したような各種植物体から抽
出し、精製して用いることもできるが、プロアントシア
ニジンを含有する抽出物をそのまま用いることもでき
る。中でも、プロアントシアニジンを含有するぶどう種
子抽出物を用いるのは好ましい態様の一つである。その
ようなぶどう種子抽出物としては、例えば、キッコーマ
ン社製のグラヴィノール(プロアントシアニジンを38
質量%以上含有するぶどう種子抽出物)が挙げられる。
【0020】本発明のセルロース溶液においては、プロ
アントシアニジンがセルロースおよび第三級アミンオキ
シドの分解を長時間にわたって抑制するという機能を発
揮し、これによりセルロース溶液の安定化が実現すると
考えられる。
【0021】本発明のセルロース溶液の組成は、特に限
定されないが、セルロース溶液中のセルロースの含有量
が、第三級アミンオキシドの含有量に対して3〜40質
量%であるのが好ましく、5〜25質量%であるのがよ
り好ましい。上記範囲であると、セルロース溶液を用い
た成形においてセルロース溶液が取扱いやすい粘度とな
る。また、セルロース溶液中のプロアントシアニジンの
含有量が、セルロースの含有量に対して0.01〜1質
量%であるのが好ましく、0.05〜0.25質量%で
あるのがより好ましい。上記範囲であると、セルロース
溶液を長時間にわたって安定化することが可能であり、
かつプロアントシアニジンの使用量を抑えることができ
るため、セルロース成形体の工業的製造に好適に用いる
ことができる。
【0022】本発明のセルロース溶液は、上述のセルロ
ース、第三級アミンオキシド等の溶媒、プロアントシア
ニジンを含有する他、本発明を損なわない範囲で、他の
添加剤等を含有することができる。添加剤としては、例
えば、プロアントシアニジン以外の安定剤、可塑剤、着
色剤が挙げられる。プロアントシアニジン以外の安定剤
は、例えば、没食子酸エステル等;没食子酸およびm−
ジ没食子酸のグルコシドの混合物等が挙げられる。中で
も、没食子酸n−プロピルとn−ドデシル硫酸ナトリウ
ムを組み合わせたものが好ましい。また、プロアントシ
アニジンを含有する植物体抽出物を用いる場合には、該
抽出物が含有するプロアントシアニジン以外の成分を除
去することなく用いることができる。
【0023】本発明のセルロース溶液の製造方法は、特
に限定されない。例えば、第三級アミンオキシドにセル
ロースを加えた後、プロアントシアニジンを加える方
法、第三級アミンオキシドにプロアントシアニジンを加
えた後、セルロースを加える方法、第三級アミンオキシ
ドにセルロースおよびプロアントシアニジンを同時に加
える方法を用いることができる。第三級アミンオキシド
にセルロースを加えた後、プロアントシアニジンを加え
る方法を用いる場合には、セルロースおよび第三級アミ
ンオキシドの分解の進行を抑制するため、プロアントシ
アニジンの添加をセルロースの添加の直後に行うのが好
ましい。添加剤は、適時添加することができる。
【0024】本発明のセルロース溶液の製造には、必要
に応じて、加熱ヒーター、減圧脱泡装置等を具備したス
クリュー式押出機、ニーダー等を用いることができる。
セルロースの溶解温度は、80〜120℃であるのが好
ましい。上記温度範囲であると、短時間でもセルロース
を十分に溶解することができ、また、セルロースの重合
度が低下することもない。
【0025】本発明の第一の態様のセルロース溶液は、
セルロースおよび第三級アミンオキシドの分解が長時間
にわたって抑制されているので、変色等の問題がなく、
広範な用途に好適に用いられる。
【0026】本発明の第二の態様は、上記セルロース溶
液を成形してなるセルロース成形体である。本発明のセ
ルロース成形体の形状は、特に限定されないが、例え
ば、繊維、シート、膜、粒子とすることができる。本発
明のセルロース成形体の成形方法は、特に限定されず、
従来公知のセルロース成形体の成形方法を用いることが
できる。
【0027】例えば、所定形状のダイから上記セルロー
ス溶液を凝固浴中に押し出してセルロースを再生し成形
する方法がある。より具体的には、本発明のセルロース
成形体が繊維である場合には、湿式紡糸法を用いること
ができる。湿式紡糸法は、紡糸口金が凝固再生浴中に設
置されていてもよいし、紡糸口金が凝固再生浴の溶液面
の上方に空間を隔てて設置されていてもよい。この場
合、繊維を中空糸とすることもできる。中空を形成する
ための方法としては、一般的な中空糸の製法を用いるこ
とができ、例えば、切欠き部をもった紡糸口金孔からセ
ルロース溶液を押し出す方法、紡糸口金孔の中央部に毛
管を挿入し、空気、不活性ガス、水、塩溶液等の不活性
流体をセルロース溶液の流れと同時に連続的に注入する
方法等が挙げられる。凝固再生浴は、水;第三級アミン
オキシドおよび水の混合溶液;水、第三級アミンオキシ
ドおよび尿素系溶媒の混合溶液等を好適に用いることが
できる。
【0028】本発明のセルロース成形体の用途は、特に
限定されないが、例えば、繊維としては衣類用、膜とし
ては中空糸状にして人工透析やウイルス除去用途の医療
用、粒子としては医薬品の錠剤等の賦形剤用に用いられ
る。本発明のセルロース成形体は、変色等の問題がない
ので、上記用途に好適に用いられる。
【0029】本発明の第三の態様は、プロアントシアニ
ジンを含有するセルロース溶液安定剤である。本発明の
第三の態様に用いられるプロアントシアニジンについて
は、本発明の第一の態様の説明に記載した通りであり、
本発明者によってセルロースおよび第三級アミンオキシ
ドを含有するセルロース溶液の分解を抑制することが見
出されたものである。
【0030】本発明のセルロース溶液安定剤は、上記プ
ロアントシアニジンを30〜100質量%含有するのが
好ましい。本発明のセルロース溶液安定剤の具体例とし
ては、プロアントシアニジンを含有するぶどう種子抽出
物等が挙げられる。本発明のセルロース溶液安定剤は、
セルロース含有量に対して約0.25質量%以下という
少量の添加でセルロースを安定化することができるの
で、GPE等を用いる場合に比べて安価である。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.セルロース溶液の調製 (実施例1)N−メチルモルホリン−N−オキシド1水
和物(NMMO)を約90℃に加温し溶解させた。次
に、NMMOに対して7質量%のセルロース(コットン
リンター:α−セルロース97.5%以上)およびセル
ロースに対して0.25質量%のプロアントシアニジン
(グラヴィノール、キッコーマン社製、以下PAともい
う。)を加え、かくはんし溶解させ、本発明のセルロー
ス溶液を得た。
【0032】(比較例1)PAの代わりに同量のGPE
(関東化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方
法により、セルロース溶液を得た。
【0033】(比較例2)PAを加えなかった以外は、
実施例1と同様の方法により、セルロース溶液を得た。
【0034】2.セルロース溶液の安定性試験 上記実施例および比較例で得られた各セルロース溶液に
ついて、製造後かくはんしつつ90℃に保温しておき、
セルロースの投入後5時間後および24時間後の粘度を
E型回転粘度計(測定温度:90℃)により測定し、セ
ルロース溶液の安定性を評価した。
【0035】結果を第1表に示す。本発明のセルロース
溶液は、プロアントシアニジンを含有するため、セルロ
ースおよび第三級アミンオキシドの分解が抑制され、製
造後に溶液の粘度がほとんど低下しないことが分かる
(実施例1)。これに対し、安定剤としてGPEを用い
る場合(比較例1)は、製造後における溶液の粘度の低
下は抑制されているが、GPEは水等の極性溶媒に対す
る溶解性が低いので、セルロース溶液が水等の極性溶媒
を含有する場合には用いることができない。また、安定
剤を用いない場合(比較例2)は、セルロースおよび第
三級アミンオキシドの分解が経時的に進行する。
【0036】
【表1】
【0037】3.セルロース成形体の製造およびその性
状 上記実施例および比較例で得られた各セルロース溶液に
ついて、製造後かくはんしつつ90℃に保温しておき、
セルロースの投入後24時間後の溶液を用いて、直径1
mmの紡糸ノズルから30℃の水からなる凝固浴にノズ
ルと液面との距離100mmで吐出し、200m/mi
nの紡糸速度で繊維を紡糸した。得られた繊維の強度を
繊維1本の引張り試験により測定した。また、繊維の着
色の度合いを肉眼で観察した。
【0038】結果を第2表に示す。本発明のプロアント
シアニジンを含有するセルロース溶液から防止した繊維
は、セルロースの分解が抑制され、繊維強度が強く、ま
た着色もほとんどないことが分かる(実施例1)。これ
に対し、安定剤としてGPEを用いる場合(比較例1)
は、繊維強度がやや弱く、軽度の着色も見られた。ま
た、安定剤を用いない場合(比較例2)は、繊維強度が
弱く、更に着色もはげしい。以上のように、本発明のセ
ルロース溶液を成形してなる本発明のセルロース成形体
は、変色等の問題がなく、また物性に優れる。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の第一の態様のセルロース溶液
は、セルロースおよび第三級アミンオキシドの分解が長
時間にわたって抑制され、変色等の問題もない。本発明
の第二の態様のセルロース成形体は、変色等の問題がな
いので、広範な用途に用いることができる。本発明の第
三の態様のセルロース溶液安定剤は、セルロース溶液安
定効果に優れ、安価であり、かつ、セルロース溶液が水
等の極性溶媒を含有する場合にも用いることができるの
で、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA09 AC12 AC19 AE05 AF34 BA02 BB13 BC01 BC07 4J002 AB011 AB021 AB031 EL087 EN096 EU236 FD037 FD206 GK00 HA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース、第三級アミンオキシドおよび
    プロアントシアニジンを含有するセルロース溶液。
  2. 【請求項2】更に水を含有する請求項1に記載のセルロ
    ース溶液。
  3. 【請求項3】前記第三級アミンオキシドが、N−メチル
    モルホリン−N−オキシドである請求項1または2に記
    載のセルロース溶液。
  4. 【請求項4】セルロース溶液中の前記プロアントシアニ
    ジンの含有量が、前記セルロースの含有量に対して0.
    01〜1質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の
    セルロース溶液。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のセルロー
    ス溶液を成形してなるセルロース成形体。
  6. 【請求項6】プロアントシアニジンを含有するセルロー
    ス溶液安定剤。
JP2000056965A 2000-03-02 2000-03-02 セルロース溶液およびセルロース溶液安定剤 Withdrawn JP2001247715A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005132822A (ja) * 2003-08-21 2005-05-26 Neutrogena Corp 酸素不安定活性剤を含む安定組成物
CN102323378A (zh) * 2011-08-29 2012-01-18 湖南科技大学 一种快速检测植物中含原花色素的方法

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