JP2001244835A - 信号受信装置 - Google Patents

信号受信装置

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JP2001244835A JP2000389530A JP2000389530A JP2001244835A JP 2001244835 A JP2001244835 A JP 2001244835A JP 2000389530 A JP2000389530 A JP 2000389530A JP 2000389530 A JP2000389530 A JP 2000389530A JP 2001244835 A JP2001244835 A JP 2001244835A
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英邦 四方
Akihiro Furuta
暁広 古田
Masanori Kunieda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望チャネルの近傍に隣接チャネルが存
在する場合においても高速に初期引き込みが完了し、か
つ初期引き込み後の受信性能を劣化させることがなく、
回路規模も小さくすること。 【解決手段】 同期を確立するまでの初期引き込み中
は、初期引き込み用タップ係数群記憶部30から隣接チ
ャネル電力を抑圧する十分狭帯域なフィルタとなるタッ
プ係数を用いてNull信号のタイミングを検出し、受信信
号をシリアル/パラレル変換部25,25’でシリアル
/パラレル変換して高速フーリエ変換部26でFFTを
行い、FFTの結果から周波数オフセット量を推定し周
波数制御を行い、初期引き込みが完了したものと判定さ
れた場合には、タップ係数群切り換え部29で初期引き
込み完了後用タップ係数群記憶部31からの通常の復調
用の信号帯域を通過させるタップ係数に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル音声放
送用のDAB(Digital Audio Broadcasting)信号のよう
な一定周期毎に無信号又は通常の送信信号に比べて十分
小さいレベルの信号区間(以下Null信号と記す)が設け
られている送信信号を受信する場合に、無信号区間を利
用して同期を確立する信号受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Null信号を含む信号を受信する場
合において、無信号区間を利用して同期を確立する際、
所望の無線周波数チャネル(以下、所望チャネルと記
す)の近傍に、所望チャネルに比べて非常に大きい電力
の隣接する無線周波数チャネル(以下、隣接チャネルと
記す)が存在すると、中間周波数帯で急峻な遮断特性を
有するフィルタ、例えば表面弾性波フィルタなどを用い
るだけでは隣接チャネルの妨害電力が十分減衰できな
い。このため、隣接チャネルの妨害信号が支配的とな
り、所望チャネルのNull信号を検出することが不可能で
ある。
【0003】特に、ディジタル音声放送DABなどのよ
うに、それぞれのチャネルが別々の場所から送信されて
いる場合、移動しながら受信する時のフェージングによ
る無線伝搬路の変動によって、所望チャネルよりも隣接
チャネルの電力の方が数十dBも大きくなる状況が発生
する。
【0004】また、固定した状態で受信する時において
も、受信装置から距離的に遠方にある放送局からの信号
を受信する場合、受信装置の近くに隣接チャネルの放送
局が存在するために、本来は遠方にある放送局のチャネ
ルの受信可能エリアであるはずにも関わらず、隣接チャ
ネル妨害電力によって受信不能となってしまう状況が発
生する。
【0005】大きな隣接チャネル妨害がある場合にも同
期が確保されていれば、受信がある程度可能であるた
め、あらかじめ同期が確保されている状況で隣接チャネ
ル電力が徐々に大きくなる場合には問題ないが、同期が
確保されていない受信開始時や様々なチャネルをシーク
する際には同期の確保が特に重要となる。
【0006】この問題を解決する方法の一つとして、特
開平9−360140号公報のように所望チャネルの帯
域内に狭帯域の帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass
Filter)を別に設け、隣接チャネルの影響を小さくした
AGCを行う方法が知られている。しかし、上述の方法
を用いて所望波の電力変動に追従したとしても、極めて
大きな隣接チャネル妨害波が存在する場合には、Null信
号の検出は不可能である。
【0007】図23は、従来の受信装置の構成を示すブ
ロック図である。この受信装置において、受信アンテナ
1で受信した信号は、通常の帯域電力検出部12と所望
チャネル内の狭帯域電力検出部13とから決定される利
得制御部14の値に基づいて自動利得制御回路3におい
て電力が制御される。
【0008】利得制御部14では、隣接チャネルが所望
チャネルに比べて十分小さい場合には、通常の帯域電力
12に追従した利得制御を行って、利得制御された送信
信号をディジタル/アナログ変換器15に出力する。
【0009】一方、隣接チャネルが所望チャネルに比べ
て大きい場合には、チャネルフィルタ4やディジタルL
PF10、10’によって減衰しきれなかった隣接チャ
ネル電力成分が通常の帯域電力検出部12において検出
されるため、隣接チャネルが存在しないときに比べて通
常の帯域電力12が狭帯域電力13よりも十分大きくな
る。この時、隣接チャネル電力に追従した制御が行われ
ると、所望チャネル信号成分が減衰しノイズフロアーに
近づくためS/N比が劣化する。これを防ぐために利得
制御部14では、狭帯域電力13に追従した利得制御を
行い、信号電力を増幅させる方向に利得を制御し、利得
制御された送信信号をディジタル/アナログ変換器15
に出力する。これにより、所望チャネルがノイズフロア
ーに近づくのを防ぐ。
【0010】続いて、受信信号は、周波数変換器3によ
って中間周波数帯にダウンコンバートされ、チャネルフ
ィルタである帯域通過フィルタ(BPF)4によって、
所望チャネル帯域外の成分が抑圧される。さらに、帯域
通過フィルタ4の出力は、周波数変換器5によって低域
周波数帯にダウンコンバートされた後に、周波数変換に
よって生ずるイメージを除去するための低域通過フィル
タ(LPF)6によってイメージが除去される。
【0011】次に、アナログ/ディジタル変換器7によ
ってディジタル化された後に、ディジタル乗算器8及び
8’において数値制御発振器(NCO:Numerically Co
ntrolled Oscillator)9から出力される正弦波及び余
弦波と乗ぜられ、直交復調される。その後、ディジタル
低域通過フィルタ10と10’において、A/D変換に
よって生じていた折り返し成分が除去され、復調され
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】DAB信号のように、
Null信号が設けられている信号を受信する場合、無信号
区間を利用して同期を確立する必要がある。この同期の
確立はNull信号を検出したタイミングで高速フーリエ変
換(以下FFT:Fast Fourier Transformと記す)用に
受信信号をパラレル/シリアル変換してFFTを行い、
FFTの結果から周波数オフセット量を推定し周波数制
御を行う。
【0013】所望チャネルの近傍に大きい電力の隣接チ
ャネルが存在する場合には、通常のフィルタでは隣接チ
ャネル妨害信号を十分除去できないため、Null信号の検
出が困難となるばかりでなく、隣接チャネル妨害信号の
側のNull信号が検出されてしまう。また、十分狭帯域な
フィルタを用いると、所望チャネルのS/N比が劣化し
受信性能の低下を招く。
【0014】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、所望チャネルの近傍に隣接チャネルが存在する場
合においても高速に初期引き込みが完了し、かつ初期引
き込み後の受信性能を劣化させることがなく、回路規模
も小さくできる信号受信装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、同期を
確立するまでの初期引き込み中は隣接チャネル電力を抑
圧する十分狭帯域なフィルタとなるタップ係数を用いて
Null信号のタイミングを検出し、高速フーリエ変換用に
受信信号をパラレル/シリアル変換してFFTを行い、
FFTの結果から周波数オフセット量を推定し周波数制
御を行い、初期引き込みが完了したものと判定された場
合には通常の復調用の信号帯域を通過させるタップ係数
に切り換えることにより、高速な初期引き込みと高い受
信性能を確保することである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の信号受信装置は、Null信
号が設けられているDAB信号を受信する装置にあっ
て、アナログ/ディジタル変換部と、数値制御発振部と
乗算部とで構成されるディジタルミキシング部と、折り
返し成分除去用低域通過フィルタと、前記低域通過フィ
ルタのタップ係数として初期引き込み用のタップ係数群
を記憶する記憶部と、初期引き込み完了後のDAB信号
復調用フィルタのタップ係数群を記憶する記憶部と、初
期引き込み完了検出部と、前記二つのタップ係数群を初
期引き込み完了検出部の検出結果に基づいて切り換える
切り換え部と、を有する。
【0017】この構成によれば、Null信号検出に適した
フィルタを用いるため高速な初期引き込みが完了するう
え、初期引き込み完了後には通常のフィルタに切り換え
るため受信性能の低下を招くことがない。また、この構
成によれば、Null信号検出に適したフィルタを別に設け
る必要がないため回路規模を縮小できる。
【0018】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、所望チャネルの近傍に隣接する妨害信号が大きく、
DAB信号復調用フィルタでは所望チャネルのNull信号
検出が困難な場合においても、Null信号の検出が容易と
なる十分狭帯域な低域通過フィルタの特性となるタップ
係数群を初期引き込み用のタップ係数群記憶部に記憶し
ておく構成を採る。
【0019】この構成によれば、所望チャネルの近傍に
大きな隣接チャネル妨害信号が存在し、通常のDAB信
号復調用フィルタでは所望チャネルのNull信号の検出が
困難な状況においても高速に初期引き込みが完了し、隣
接チャネル電力が大きいような受信エリアでも受信が可
能となる。
【0020】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、初期引き込み用のタップ係数群に切り換えるフィル
タが、直交成分又は同相成分のうちの一方にのみ用いら
れる構成を採る。
【0021】この構成によれば、回路規模を縮小できる
うえ、直交成分及び同相成分の両方を狭帯域フィルタに
する場合よりもNull信号のタイミングを検出しFFT用
に受信信号をパラレル/シリアル変換してFFTを行
い、FFTの結果から周波数オフセット量を推定し周波
数制御を行う際の周波数オフセット量の推定誤差が小さ
くなるため、周波数同期も含めた初期引き込みが高速に
完了することができる。
【0022】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、初期引き込み完了検出部で、Null信号の次に送信さ
れている位相参照信号をFFTした信号とあらかじめ受
信装置に記憶してある位相参照信号の周波数成分信号と
の相関を求め、相関が大きい場合には初期引き込みが完
了したものと判断する構成を採る。
【0023】この構成によれば、同期が完了した場合に
は位相参照信号の相関値が非常に大きくなるため、初期
引き込み完了の誤検出確率を小さくすることができ、周
波数同期を含めた初期引き込みが高速に完了することが
できる。
【0024】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、折り返し成分除去用低域通過フィルタの後段に設け
られている高速離散フーリエ変換部によって高速離散フ
ーリエ変換した位相参照信号の周波数成分から周波数オ
フセット量を検出する周波数オフセット検出部を有し、
数値制御発振部により出力される複素正弦波信号の周波
数を用いて前記周波数オフセット検出部によって得られ
た周波数オフセットを補償するように制御する自動周波
数制御部を有し、前記自動周波数制御部によって数値制
御発振部を制御するタイミングがNull信号区間である構
成を採る。
【0025】この構成によれば、急激な周波数変動があ
った場合にも数値制御発振部の発振周波数を大きく変更
するタイミングが受信性能に影響しないNull信号区間中
であるため、受信性能が劣化しない。
【0026】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、自動周波数制御部が周波数オフセット検出部で検出
された値を累積しておく累積部を有し、前記累積部は前
回までの累積値と今回検出された周波数オフセット量に
1以下の正の係数を乗じたものとの和を求める処理部で
あり、前記係数として初期引き込み用の係数と初期引き
込み完了後の係数とを記憶しておく記憶部と、前記2つ
の係数を切り換える切り換え部を有し、初期引き込みが
完了するまでは前記初期引き込み用係数として大きい値
を用いて、初期引き込みが完了した後は前記初期引き込
み完了後の係数として小さい値を用いる構成を採る。
【0027】この構成によれば、初期引き込み完了まで
は周波数オフセット検出部で検出した値を大きく反映
し、数値制御発振部の発振周波数を大きく変更するた
め、高速な周波数同期が可能となるうえ、初期引き込み
完了後は急激な周波数変動を抑制することができる。こ
れにより、ダウンコンバータに入力するローカル信号の
短期的位相変動に追従しない安定した周波数制御を行う
ことが可能となり、安定した受信性能を実現できる。
【0028】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、折り返し成分除去用低域通過フィルタの後段に自動
利得制御部を有し、前記自動利得制御部の利得を制御す
るタイミングがNull信号区間である構成を採る。
【0029】この構成により、利得制御のタイミングが
受信信号に影響しないNull信号区間であるため受信性能
を劣化させないうえ、フェージング時のように所望チャ
ネルの信号レベルが変動する場合にも追従でき受信性能
を向上できる。
【0030】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、自動利得制御部が、同相成分又は直交成分のどちら
かの信号の絶対値を求める算出部、前記絶対値を積分す
る積分部、前記積分部の積分結果をあらかじめ記憶して
あるテーブルに入力しdB値に近似する近似部、前記d
B値として理想的な値を記憶しておく記憶部、前記理想
的な値と前記積分結果の近似値との差分値を求める算出
部、並びに前記差分値に応じて前記理想的なレベルに近
づくように同相成分及び直交成分の両成分に同じ定数を
乗じる乗算部を有する構成を採る。
【0031】この構成によれば、同相成分又は直交成分
のどちらかの積分値をもとに両成分の制御を行っている
うえ、電力を求める演算や対数演算用の回路を省くこと
が可能となり、受信装置の小型化が実現できるうえ、同
相成分及び直交成分の利得不平衡を防ぐことができる。
【0032】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、初期引き込み完了後のDAB信号復調用フィルタの
特性が、隣接チャネル妨害信号が折り返されて所望チャ
ネル信号帯域に重なってしまう周波数帯域を十分減衰さ
せるような特性とする構成を採る
【0033】この構成によれば、折り返しによって信号
帯域に重なってしまう周波数帯域以外の隣接チャネル電
力成分を許容しているため、必要以上に急峻なフィルタ
特性を得るために回路規模を増大させる必要がない。ま
た、受信性能に影響する信号帯域に重なってしまう周波
数帯域は十分減衰させておくため、十分な受信性能を満
足することができる。
【0034】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、アナログ/ディジタル変換部の後段にDCオフセッ
ト補償部を有し、前記DCオフセット補償部が十分狭帯
域な低域通過フィルタ及び加算部を有し、前記低域通過
フィルタ出力で観測されるDCオフセット成分を補償す
る値を加算部によって加算し、加算後の信号がオーバフ
ローする場合にはクリッピングさせる構成を採る。
【0035】この構成によれば、DCオフセットが発生
してしまう安価なアナログ/ディジタル変換器を用いた
場合にも特性の劣化を抑え、オーバーフローによる影響
を最小限に抑えるためにクリッピングさせることで、受
信性能の劣化を抑制しながら安価な受信装置を実現でき
る。
【0036】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、受信アンテナを複数設け、隣接チャネル妨害信号が
存在する方向にNullを設けるように複数の受信アンテナ
からの信号を合成する構成を採る。
【0037】この構成によれば、隣接チャネル妨害を十
分抑制することができ、隣接チャネル妨害に強い受信装
置を実現できる。
【0038】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、受信装置の位置情報を得る位置情報取得部と、放送
局の位置及び放送チャネルを記憶しておく記憶部と、前
記二つの部分の情報を比べて現在受信装置が受信可能と
なるチャネルを判定する判定部とを有し、受信可能なチ
ャネルと判定されたにも関わらず受信不能な場合は所望
チャネルの近傍に隣接する妨害チャネルの影響として、
ダウンコンバータに入力される信号電力を大きくし、多
少の相互変調歪みを許容しながら所望チャネル信号を復
調するような制御を行う構成を採る。
【0039】この構成によれば、従来は隣接チャネル妨
害による受信不能エリアであった場合にも受信可能とな
り受信エリアを拡大できる。
【0040】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、受信装置の位置情報を得る位置情報取得部がGPS
からの信号を用いる構成を採る。
【0041】この構成によれば、受信装置を車載する場
合のように高速に移動する場合でも正確な位置情報を得
ることができるため、受信性能を向上できる。
【0042】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、受信装置の位置情報を得る位置情報取得部が、受信
装置にあらかじめ電話番号又は郵便番号と地域とを対応
させて記憶しておく記憶部を有し、前記位置情報取得部
が、電話番号又は郵便番号を入力する入力部から得られ
た情報から現在のおおまかな位置情報を得る構成を採
る。
【0043】この構成によれば、据え置き型の受信装置
において、受信装置の現在のおおまかな場所を簡易的な
方法で入力することで位置情報を得ることができ、使用
者にとって少ない負担で受信性能を向上させることが可
能となる。
【0044】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、位置情報取得部が、DAB信号のNull区間中に送信
されるTIIを複数チャネルについて受信し、受信信号
品質判定部とTII情報との間の関係から現在の受信装
置の位置を推定する構成を採る。
【0045】この構成によれば、受信信号のみから位置
を推定することができ、移動中に使用する場合にも付加
的な装置を必要としないため安価な受信装置を実現でき
る。
【0046】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、受信信号品質判定部が、受信した信号をビタビ復号
し、復号結果を再度送信局側と同じ符号化を行い、この
符号化後の信号とビタビ復号前の信号を硬判定したもの
とを比較し、擬似的な符号誤り率を求める誤り率算出部
を含む構成を採る。
【0047】この構成によれば、受信性能の指標そのも
のである符号誤り率を利用した受信信号品質判定部を構
成するため、正確な受信信号品質を得ることができ、受
信装置の位置を比較的正確に推定することが可能とな
る。
【0048】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、信号に放送局の位置及び放送チャネルの情報が定期
的に含まれている場合にはこれを利用し、前記二つの情
報を定期的に更新する構成を採る。
【0049】この構成によれば、放送局の場所や放送チ
ャネルが変更になった場合にも受信装置の性能が劣化し
ない。
【0050】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、信号がデータ信号を含む場合、現在受信装置が存在
する場所に関連のある地域データのみを抽出して別に表
示する構成を採る。
【0051】この構成によれば、受信装置のある地域に
密着した情報を簡易的に取得できることができる。
【0052】本発明の信号受信装置は、上記構成におい
て、データ信号が商店や施設などの宣伝広告である構成
を採る。
【0053】この構成によれば、宣伝広告者にとって効
率的な宣伝広告を行うことができるうえ、使用者にとっ
ても有益な情報を取得できる。
【0054】以下、本発明の実施の形態について、添付
図面を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1に係る信
号受信装置の構成を示すブロック図である。図1におい
て、本発明のDAB受信装置は、アナログ/ディジタル
変換部21、乗算部22、22’、数値制御発振部2
3、低域通過フィルタ部24、24’、シリアル/パラ
レル変換部25、25’、高速フーリエ変換部26、パ
ラレル/シリアル変換部27、27’、初期引き込み完
了検出部28、タップ係数群切り換え部29、初期引き
込み用タップ係数群記憶部30、初期引き込み完了後用
タップ係数群記憶部31、Nullタイミング検出部32、
切り換え部33、及びタイミング制御部34から構成さ
れる。
【0055】上記構成を有するDAB装置において、ア
ナログ/ディジタル変換部21でサンプリングされる信
号は、ダウンコンバータによってRF(Radio Frequenc
y)信号からダウンコンバートされて帯域通過フィルタに
よってフィルタリングされてIF(Immediate Frequenc
y)信号となる。アナログ/ディジタル変換された信号
は、数値制御発振部23から発生された正弦波及び余弦
波を乗算部22、22’において乗算され、周波数変換
された後に低域通過フィルタ部24、24’で折り返し
成分が除去される。
【0056】Nullタイミング検出部32において、低域
通過フィルタ部24、24’の出力信号から後段のシリ
アル/パラレル変換部25、25’のタイミング用信号
が生成され、Null信号に同期したパラレル/シリアル変
換が行われた後に高速フーリエ変換部26によって周波
数成分に変換される。
【0057】その後、変換後の信号は、パラレル/シリ
アル変換部27、27’によってシリアル信号に戻さ
れ、初期引き込み完了検出部28において初期引き込み
が完了したものと判定された場合には、シリアル/パラ
レル変換部25の変換タイミングはタイミング制御部3
4によって制御されるように切り換え部33によって切
り換えられる。
【0058】すなわち、初期引き込みが完了していれば
Nullタイミング検出部32によって得られるタイミング
は用いられないが、初期引き込みが完了しない間はNull
タイミング検出部32のタイミングでシリアル/パラレ
ル変換が行われる。
【0059】タイミング制御部34は、Null信号の後に
送信されている既知の位相参照信号を利用して制御する
ものであり、受信した位相参照信号を高速フーリエ変換
部26によって周波数領域に変換して周波数成分を得
て、あらかじめ受信装置に記憶してある位相参照信号の
周波数成分で除し、その結果を逆高速フーリエ変換して
伝搬路のインパルス応答特性を得、このインパルス応答
の中心が高速フーリエ変換部26に入力されないガード
区間の中心となるようにタイミング制御を行う。
【0060】本発明では、この初期引き込み完了検出部
28の信号を用いて低域通過フィルタ24、24’のタ
ップ係数も切り換えるものであり、初期引き込みが完了
しない間は初期引き込み用タップ係数群記憶部30のタ
ップ係数の低域通過フィルタとし、初期引き込みが完了
した後にタップ係数群切り換え部29によって初期引き
込み完了後用タップ係数群記憶部31のタップ係数の低
域通過フィルタとなるように構成している。
【0061】DAB信号の帯域は1.536MHzであるため、
通常の復調に用いる初期引き込み完了後用タップ係数群
記憶部31のタップ係数は遮断周波数が1536/2=768kHz
程度である。隣接チャネルは768kHz+176kHz=944kHz付近
に存在しており、所望チャネルに比べて大きい電力の場
合、この隣接チャネル電力を十分減衰させるには大規模
なフィルタを用いる必要があり、回路規模の増大を招
く。
【0062】Nullタイミング検出部32は、Nullタイミ
ング検出部32に入力される信号を2乗したもの又は絶
対値をとったもののいずれかを低域通過フィルタに入力
し、低域通過フィルタ出力とあらかじめ定めているスレ
ッショルドとを比較してスレッショルドより小さい区間
をNull信号区間として検出する。よって、隣接チャネル
電力を十分に減衰させておかなければ、Nullタイミング
検出部32のパラメータ(低域通過フィルタの遮断周波
数又はスレッショルド値)を変更したとしても隣接チャ
ネル側のNullタイミングが検出されてしまい、所望チャ
ネルのNullタイミング検出が不可能となる。
【0063】そこで、初期引き込み時だけは隣接チャネ
ル電力を十分減衰させることのできる遮断周波数が10kH
z程度の狭帯域な低域通過フィルタ特性となるタップ係
数を用いることとしている。ただし、回路規模の増大を
防ぐために別にフィルタを設けるのではなく通常の復調
に用いる初期引き込み完了後用のフィルタを流用し、タ
ップ係数のみを変更する構成としている。このように同
じフィルタを用いることでタップ係数を記憶しておく回
路の増加分だけで確実に所望チャネルのNullタイミング
を検出することが可能となり、高速な引き込みが可能と
なる。
【0064】また、フレーム同期引き込み前の狭帯域フ
ィルタとして、図2に示すように、通過域は同期引き込
み後のフィルタと同程度とし、通過帯域内におけるリッ
プルは大きいことを許容しつつ、遮断帯域における最初
の落込み(ヌル点)が隣接チャネルの存在する周波数付
近となるような周波数特性を有するタップ係数のフィル
タとすることが望ましい。これにより、周波数オフセッ
トが大きい場合においても、高速な同期引き込み及び周
波数オフセット補償を同時に行うことができる。
【0065】図2のフィルタ特性について説明する。図
2において、実線はフレーム同期引き込み前のフィルタ
の周波数特性を示し、破線はフレーム同期引き込み後の
フィルタの周波数特性を示す。実線で示す周波数特性も
破線で示す周波数特性も通過域(D)はほぼ同じであ
る。実線に対応するフィルタでは、ヌル点を隣接チャネ
ル領域の低周波数側の端部に近づけている。このため、
リップル量(ゲインH)が大きくなっている。一方、破
線に対応するフィルタでは、リップル量は小さいがヌル
点が隣接チャネル領域の低周波数側の端部から比較的離
れている。
【0066】本発明においては、このようなフィルタを
フレーム同期引き込み完了前後で切り換える。なお、実
線に対応するフィルタの特性は、周波数オフセット補正
が良好に行われることを考慮して適宜設定することが望
ましい。
【0067】ここで、フィルタのタップ係数を切り換え
る動作(実線のフィルタから破線のフィルタへの切り換
え動作)について具体的に説明する。
【0068】図1に示すDAB装置において、まず、初
期引き込み用タップ係数群記憶部30の引き込み用タッ
プ係数を用いてフィルタを構成する。これにより、図2
での実線の周波数特性を有するフィルタが構成される。
【0069】この状態で、Nullタイミング検出部32で
Nullタイミングを検出する。具体的には、DABにおけ
る信号フォーマットでは、フレームの先頭にヌル信号が
設けられており、周期的に信号電力が小さくなるタイミ
ングがある。このタイミングを検出するために、Nullタ
イミング検出部32において、受信信号の瞬時電力を求
め、求めた瞬時電力を低域通過フィルタによって積分
し、この積分値があらかじめ定めておくスレッショルド
値より小さい場合にはヌル信号であると判断してタイミ
ングを検出する。ここで、フェーディング等による受信
信号電力の変動により、ヌル信号の検出が一回のフレー
ムで検出することが困難な場合もあるため、フレーム長
を一周期として瞬時電力の積分値を位相同期加算するな
どの統計処理を施すことも好適である。また、スレッシ
ョルド値はあらかじめ定めておかなくても、平均受信信
号電力が大きい場合には大きくし、小さい場合には小さ
くするなどして適応的に変化させてもよい。
【0070】この決定されたタイミングを用いて、初期
引き込み完了検出部28でフレーム同期引き込みを検出
する。具体的には、初期引き込み完了検出部28におい
て、周波数オフセット量を測定し、その周波数オフセッ
ト量が所定のしきい値以下になった時点をフレーム同期
引き込みが完了点と判断する。周波数オフセット量が所
定のしきい値よりも大きければ、NCO23に対してフ
ィードバック制御を行う。周波数オフセット量の測定に
はNullの直後に挿入されている位相参照シンボルを用い
る。この位相参照シンボルは既知信号であり、あらかじ
め受信装置に用意しておく位相参照シンボルとの相関演
算処理を行うことで周波数オフセット量を測定できる。
ここで、測定される周波数オフセット量は受信信号に含
まれる熱雑音などの影響によって変動するため、測定し
た周波数オフセット量を低域通過フィルタによって積分
して熱雑音などの影響を小さくすることも好適である。
【0071】フレーム同期引き込みが完了すると、初期
引き込み完了検出部28からタップ係数群切り換え部2
9に制御信号が出力され、タップ係数群切り換え部29
では、初期引き込み用タップ係数群記憶部30の引き込
み用タップ係数が初期引き込み完了後用タップ係数群記
憶部31の引き込み後用タップ係数に切り換えられる。
そして、引き込み後用タップ係数を用いてフィルタが構
成される。これにより、図2での破線の周波数特性を有
するフィルタが構成される。
【0072】この後は、シリアル/パラレル変換のタイ
ミング精度を向上させるために、切り換え部33により
制御系統を切り換えて、タイミング制御部34でタイミ
ングの制御を行う。これにより、図2の破線に示すよう
なリップル量が小さい周波数特性を有するフィルタを用
いて、受信性能を向上させた状態で信号受信を行うこと
ができる。
【0073】このように、本実施の形態においては、Nu
llタイミングが検出できるまでは、Nullタイミング検出
に適した狭帯域フィルタを用い、フレーム同期引き込み
後に、受信性能を考慮した狭帯域フィルタを用いるの
で、高速なフレーム同期引き込みと高い受信性能を確保
することができる。
【0074】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック図
である。図3に示す信号受信装置は、図1における低域
通過フィルタ部24、24’のうち一方だけのタップ係
数を切り換え、もう一方のタップ係数は通常の復調に用
いられる初期引き込み完了後用のタップ係数に固定する
構成を有する。また、Nullタイミング検出部32に入力
される信号もタップ係数を切り換える低域通過フィルタ
側のみとする。
【0075】このように構成することで、回路規模を縮
小できるうえ、初期引き込み完了検出部28で初期引き
込みが完了したか完了していないかを判定する際に有利
となる。その理由は実施の形態3で述べるように、既知
信号を用いる場合に同相成分又は直交成分のいずれかの
所望信号電力は減衰せずに高速フーリエ変換され、既知
信号との相関が大きくなるため判定誤りが少なくなるか
らである。このようにして初期引き込み完了検出部28
での検出精度が高まることによって結果的に高速な初期
引き込みが可能となる。
【0076】(実施の形態3)図4は、本発明の実施の
形態3に係るDAB信号受信装置の構成の一部を示すブ
ロック図である。図4における信号受信装置は、図1に
おける初期引き込み完了検出部28を具体的に示したも
のであり、既知の位相参照信号の周波数成分を記憶して
おく既知位相参照信号記憶部36、前記既知位相参照信
号記憶部36の出力信号と高速フーリエ変換後の信号を
パラレル/シリアル変換した信号との相関演算を行う相
関演算部35、スレッショルド記憶部37、並びに比較
部38を有する。
【0077】DAB信号はNull信号の後に位相参照信号
が続いており、この位相参照信号は既知の信号であるた
め、受信装置側であらかじめ記憶しておく信号との相関
演算することで、相関演算した結果が大きければ適正な
タイミングでNull信号が検出されていると推定される。
そこで、相関演算結果があらかじめ定めておくスレッシ
ョルド記憶部37と比較して大きければ初期引き込みが
完了したとし、小さければ初期引き込みが完了していな
いと判定する。
【0078】(実施の形態4)図5は本発明の実施の形
態4に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック図
である。図5における信号受信装置は、図1におけるD
AB信号受信装置に加え、周波数誤差検出部40、発振
周波数決定部41、及びシリアル/パラレル変換タイミ
ングに加えてフレーム同期信号も出力するようにしたタ
イミング制御部39を有する。
【0079】図示しないダウンコンバータなどでは環境
温度などによって周波数が変化するため、送信局との周
波数オフセットが生じ受信性能が劣化する。この周波数
オフセット補償は数値制御発振部23の発振周波数を変
化させることで可能となる。受信信号を高速離散フーリ
エ変換部26において周波数成分に変換し、パラレル/
シリアル変換部27、27’によってシリアル信号に変
換した後に周波数誤差検出部40で周波数オフセット量
を検出する。
【0080】この周波数誤差検出部40は、既知信号で
ある位相参照信号と受信信号との相関を演算することで
周波数オフセット量を検出するものである。発振周波数
決定部41は、検出した周波数オフセットを累積し発振
周波数を決定するものであり、発振周波数の変更のタイ
ミングをNull信号区間に限定する。これは、タイミング
制御部39から発生されるNull信号に同期したフレーム
同期信号が発振周波数決定部41に入力された場合のみ
発振周波数を変更するようにしたものである。
【0081】タイミング制御部39は、シリアル/パラ
レル変換タイミングを生成するためにフレーム同期信号
を用いており、このフレーム同期信号を出力するように
したものである。このように周波数の変化タイミングを
Null信号区間に限定することで、発振周波数を大きく変
更しなくてはならない場合にも受信性能に影響を与えな
いNull信号区間でのみ周波数が変化し、受信性能に影響
を与えるその他の信号区間では周波数が一定であるた
め、受信性能の劣化を防ぐことが可能となる。
【0082】(実施の形態5)図6は、本発明の実施の
形態5に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック
図である。図6における信号受信装置は、図5の発振周
波数決定部41における累積時の係数を初期引き込みが
完了している場合と完了していない場合とで切り換える
ようにしたものであり、係数乗算部42、加算部43、
遅延部44、出力タイミング制御機能付きの遅延部4
5、係数切り換え部46、初期引き込み時用係数記憶部
47、初期引き込み完了後用係数記憶部48を有する。
【0083】発振周波数決定部41において、周波数誤
差検出部40によって検出された周波数オフセット量を
累積する際、今回検出した周波数オフセット量に係数を
乗じた後に前回までの累積値と加算を行う。この係数
は、初期引き込み時と初期引き込み完了後で変更される
ようになっており、初期引き込み完了検出部28におい
て初期引き込みが完了していないと判定されている場合
は初期引き込み時用係数記憶部47の係数を乗じ、初期
引き込みが完了したものと判定された場合には切り換え
部46によって初期引き込み完了後用係数に切り換え
る。
【0084】前記二つの係数は0より大きく1以下の正
の数であり、1に近いほど発振周波数の変動が大きく、
0に近いほど発振周波数の変動が小さくなる。初期引き
込み時には、多少の誤差を許容しても高速に周波数同期
を行う必要があるため1に近い値を設定し、初期引き込
み完了後には図示しないダウンコンバータのローカル信
号などの短期周波数変動に追従して変動しないように0
に近い値を設定しておく。上述のように係数を定めるこ
とで、高速な初期引き込みと安定した周波数同期が保た
れ受信装置の性能が高まる。
【0085】係数を乗じた後には、加算部43において
前回までの累積値が記憶されている遅延部44出力と加
算され、出力タイミング制御機能付きの遅延部45に記
憶される。出力タイミング制御機能付きの遅延部45は
実施の形態4で述べたように、発振周波数の変化タイミ
ングをフレーム同期信号に同期させNull信号区間に限定
するためのものである。このように構成することで、数
値制御発振部23へ入力される発振周波数はNull信号区
間においてのみ変化する。
【0086】(実施の形態6)図7は、本発明の実施の
形態6に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック
図である。図7における信号受信装置は、図1における
DAB信号受信装置を構成する各部に加え、自動利得制
御部50、50’及び、シリアル/パラレル変換タイミ
ングに加えてフレーム同期信号も出力するようにしたタ
イミング制御部39を有する。
【0087】自動利得制御部50は、タイミング制御部
39からのフレーム同期信号に同期したNull信号区間に
限定して利得を更新するものであり、Null信号区間以外
で利得が変化することがないため受信性能を劣化させな
いうえ、フェージング時のように所望チャネルの信号レ
ベルが変動する場合にも追従でき受信性能を向上でき
る。特に、隣接チャネル妨害電力が大きい場合の利得制
御方法として好適である。
【0088】(実施の形態7)図8は、本発明の実施の
形態7に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック
図である。このDAB信号受信装置は、図7における自
動利得制御部50、50’を具体的に示すものであり、
同相成分又は直交成分のどちらか一方においてのみ信号
レベルを検出する構成を有し、絶対値演算部51、積分
部52、真値からdB値への近似換算部53、理想レベ
ル記憶部54、減算部55、dB値から真値への近似換
算部56、並びに乗算部57、57’から構成される。
【0089】折り返し成分除去用低域通過フィルタ部2
4の出力を用いて、絶対値演算部51において絶対値を
求め、積分部52において得られた絶対値を積分して信
号レベルを検出する。積分部52で得られた値は真値で
あり、これを真値からdB値への近似換算部53におい
てdB値に近似的に換算する。前記dB値への近似換算
部53はあらかじめ真値に対応するdB値の標本値(ル
ックアップテーブル)を記憶しておくものとする。この
真値からdB値への近似換算部53はルックアップテー
ブル方式でなくとも近似的な計算による方法も好適であ
る。
【0090】減算部55では、理想レベル記憶部54か
らの理想値とdB値への近似換算部53からの出力値と
の差分を求める。減算部55で求まった差分値をdB値
から真値への近似換算部56で真値に換算する。前記真
値への近似換算部はあらかじめdB値に対応する真値の
標本値(ルックアップテーブル)を記憶しておくものと
する。また、このdB値から真値への近似換算部54は
ルックアップテーブル方式でなくとも近似的な計算によ
る方法も好適である。以上のようにして求まった理想レ
ベルとの差分利得値の真値を乗算部57、57’で同相
成分、直交成分の両成分に乗じることで自動利得制御を
行う。
【0091】なお、積分部52に入力する信号は絶対値
をとったものでなく、2乗したものでも良い。
【0092】(実施の形態8)図9は、本発明の実施の
形態8に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロック
図である。図9に示すDAB信号受信装置は、図1の構
成に加えてデシメート部60,60’を有する。
【0093】ここで、DAB信号を受信する場合の一例
として2.048MHz中心のIF信号をアナログ/ディジタル
変換して復調する方式を考えてみる。2.048MHzのIF信
号をDC中心のベースバンド信号に周波数変換する回路
において、数値制御発振部を用いたディジタルミキシン
グ方式を行う場合には8.192MHzのサンプリング速度でア
ナログ/ディジタル変換し、0,1,0,-1,…という数値制
御発振部からの2.048MHzの正弦波及び余弦波を乗ずれば
よい。その後段の低域通過フィルタでは4.096MHzの折り
返し成分を除去するような特性を持たせる。
【0094】DAB信号の周波数帯域は1.536MHzであ
り、回路規模や消費電力の観点からOFDM信号復調に
必要な高速フーリエ変換部は信号帯域幅の1.536MHzを変
換できればよく、2.048MHzの変換帯域幅で十分であるた
め、低域通過フィルタの後段では8.192MHzの離散信号を
2.048MHzの離散信号にデシメート(ダウンサンプル)す
る必要がある。すなわち1/4の速度にデシメートする。
このとき、受信信号が所望チャネルだけであれば図10
のように問題無くデシメートできるが、図11のように
隣接チャネルが存在する場合には折り返しによって所望
チャネルの信号帯域に妨害を与えることになる。
【0095】DABの規格によれば、隣接チャネルと所
望チャネルとのガード周波数は176kHzしかない。図11
において、隣接チャネルは所望チャネルよりも帯域が狭
く急峻な形状となっているが、これはアナログ/ディジ
タル変換部の前段に通常設けられているチャネルフィル
タによって隣接チャネルが減衰させられている様子を示
すためである。このチャネルフィルタを十分急峻にして
おけば問題は生じないが回路規模の増大を招く。そこ
で、ある程度の減衰特性を持つチャネルフィルタを用い
るものと仮定している。
【0096】この隣接チャネル妨害の影響を少なくする
には、アナログ/ディジタル変換後の低域通過フィルタ
を急峻な特性とすればよいが、ここでも急峻な特性を得
るためには回路規模の増大を招く。そこで、本実施の形
態では、所望信号チャネル帯域に影響を与えない周波数
(767kHz〜1280kHz)にある隣接チャネル成分を許容
し、所望信号チャネル帯域に影響を与える周波数1280kH
z以降の成分を十分に減衰させるような特性の低域通過
フィルタとする。この様子を図12に概念的に示す。
【0097】(実施の形態9)図13は、本発明の実施
の形態9に係るDAB信号受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。図13における信号受信装置は、図1の構
成に加えてDCオフセット補償部61を有する。図14
にこのDCオフセット補償部の構成を示す。図14は、
加算部62、乗算部63、加算部64、遅延部65、加
算部66、及びオーバーフロー補償部67から構成され
る。図14に示す構成のうちオーバーフロー補償部まで
は通常の高域通過フィルタである。
【0098】オーバーフロー補償部67は、オーバーフ
ローしたと判定された場合にはクリッピングさせるもの
であり、例えば2の補数形式の場合には加算部66出力
の最上位ビットと最上位から2番目のビットを観測し、
01の場合には正数がオーバーフローしており、10の
場合には負数がオーバーフローしているものと判定さ
れ、判定結果に基づいて正数の最大値又は負数の最小値
にクリップさせる。
【0099】(実施の形態10)図15は、本発明の実
施の形態10に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図である。図15における信号受信装置は、図1
の構成のうち、アナログ/ディジタル変換部21、乗算
部22、22’、数値制御発振部23、及び低域通過フ
ィルタ部24、24’を複数用いて、複数のアンテナか
らの入力に対応できるようにしており、図14ではアン
テナが2本の場合の例を示している。
【0100】また、上述の部に加え、乗算部70、7
0’、位相回転制御部71、加算部72、72’、所望
チャネルと隣接チャネルの電力比検出部73及び、図1
に示す部から構成されている。
【0101】複数のアンテナから入力された信号は、そ
れぞれ複数のアナログ/ディジタル変換部で変換し、周
波数変換されて低域通過フィルタを通過する。低域通過
フィルタの後段には、位相回転制御部71によって定め
られた位相回転を実施するために乗算部70、70’で
位相に応じた正弦値及び余弦値がそれぞれ乗ぜられる。
【0102】ここで、位相回転制御部71は、所望チャ
ネルと隣接チャネルの電力比検出部73によって検出さ
れる比を小さくして隣接チャネル妨害の影響を少なくす
るように制御する。位相回転させられた信号と位相回転
していない信号が加算部72、72’によって同相成分
及び直交成分のそれぞれで加算されて、隣接チャネル成
分を小さくする。
【0103】所望チャネルと隣接チャネルの電力比検出
部73は、本実施の形態では高速フーリエ変換後の信号
から隣接チャネル電力を検出することとしているが、そ
の他の方法として、例えば低域通過フィルタ入力と加算
部72、72’の電力比から隣接チャネル電力の大きさ
を推定する方法を用いても好適である。
【0104】本実施の形態における制御は、所望チャネ
ルの受信電波の方向と隣接チャネルの受信電波の方向が
大きく異なっているときに特に有効である。
【0105】(実施の形態11)図16は、本発明の実
施の形態11に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図である。図16における信号受信装置は、受信
アンテナ75、利得制御部76、ミキサ77、ローカル
信号発振部78、帯域通過フィルタ部79、アナログ/
ディジタル変換部21、電力測定部80、利得決定部8
1、及び受信可否判定部82から構成される。
【0106】本実施の形態では、受信アンテナ75から
の出力信号の電力を電力検出部80で検出し、利得決定
部81によって利得制御部76を制御し、ミキサ77に
適正なレベルの信号を入力する。選択チャネル情報に基
づいてローカル信号発振部78の発振周波数を設定し、
ミキサ77において受信信号と掛け合わした後に帯域通
過フィルタ部79によって所望チャネル信号のみを出力
する。受信信号に隣接チャネル妨害信号が含まれていな
い場合には、ミキサ77には相互歪み変調が発生しない
ようなレベルの信号とすると好適である。
【0107】しかし、大きな隣接チャネル妨害信号が含
まれている場合には、電力検出部80で検出される電力
は隣接チャネル信号電力に追従してしまい、利得制御部
76で利得を下げるように制御してしまうため、結果的
に所望チャネルがノイズフロアに近づいてしまう。この
ような場合、隣接チャネルが存在しなければ受信可能で
あるはずの所望チャネルも受信不能となってしまう。
【0108】この現象を防ぐために、図16に示すよう
に、位置情報と放送局情報、受信状態及び選択チャネル
情報から受信可否を判定する受信可否判定部82を設
け、本来受信可能であるはずの所望チャネルに対して受
信不能の場合には隣接チャネル妨害によるものとして、
ミキサ77における多少の相互変調歪みを許容しても利
得制御部76で制御する利得を大きめに設定するように
する。
【0109】放送局情報は、あらかじめ放送局の位置と
周波数チャネルを記憶しておく記憶部を用いることで得
られる。また、選択チャネル情報は、使用者が選択して
いるチャネルの周波数である。このような制御を施すこ
とによって所望チャネルとノイズフロアとの電力比を大
きくすることが可能となり好適である。
【0110】(実施の形態12)図17は、本発明の実
施の形態12に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図であり、図16に示す構成の位置情報を得る方
法の一例を表している。図17のように位置情報を得る
位置情報取得部として、GPSシステム83を用いるこ
とによって正確な位置情報を得ることができ受信可否の
判定を高精度に行うことができる。
【0111】(実施の形態13)図18は、本発明の実
施の形態13に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図であり、図16に示す構成の位置情報を得る方
法の一例を表している。図18のように位置情報を得る
位置情報取得部において、使用者に電話番号又は郵便番
号の情報を入力してもらい、この番号と位置との対応表
を記憶しておく位置情報変換部84によって位置情報が
出力される。このような構成を用いることで簡単な方法
で受信装置の現在位置を得ることが可能となる。
【0112】(実施の形態14)図19は、本発明の実
施の形態14に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図であり、図16に示す構成の位置情報を得る方
法の一例を表している。この装置は、TII(Transmitt
er Identification Information)判定部85、切り換え
部86、記憶部87、選択部88、位置決定部89、受
信品質判定部90、切り換え部91、記憶部92、及び
品質順序判定部93から構成される。
【0113】図1に示す信号受信装置のパラレル/シリ
アル変換部後の信号からTII判定部において、送信識
別用TII情報を判定し、切り換え部86において選択
したチャネルのTII情報をそれぞれの記憶部に振り分
け、記憶部87において各チャネルに対応するTII情
報を記憶しておく。また一方で、受信品質判定部90に
おいて、パラレル/シリアル変換部後の信号から受信品
質を判定し、切り換え部91において選択したチャネル
の受信品質をそれぞれの記憶部に振り分け、記憶部92
において各チャネルに対応する受信品質を記憶してお
く。
【0114】品質順序判定部93では、記憶している受
信品質の順序づけを行い、選択部88にその順序を入力
する。選択部88では、決定された受信品質順序に基づ
いて受信品質が良好な複数チャネルのTII情報を位置
決定部89に入力する。また同時に、品質順序判定部9
3も受信品質が良好な複数チャネルの受信品質を位置決
定部89に入力する。
【0115】位置決定部89では、複数チャネルのTI
I情報から放送局の位置を得て、それぞれの放送局から
送信されている信号の受信品質に基づいて、受信装置の
おおよその位置を決定する。すなわち、受信品質の良い
放送局に近い位置に受信装置があるものとする。この決
定を複数の放送チャネルについて行えば、放送局間にあ
る受信装置のおおよその位置も決定することが可能とな
る。
【0116】(実施の形態15)図20は、本発明の実
施の形態15に係るDAB信号受信装置の構成の一部を
示すブロック図であり、図19に示す構成の受信品質判
定部90の一例である。この受信品質判定部は、ビタビ
復号部95、符号化部96、硬判定部97、比較部9
8、及び符号誤り率測定部99から構成される。
【0117】この構成においては、図1のパラレル/シ
リアル変換部後の信号をビタビ復号部95によって復号
し、後段の音発生部で音を出力する。一方で、符号化部
96において送信側で行っている符号化と全く同じ方法
で符号化し、比較部98においてビタビ復号前の硬判定
部97の硬判定結果と比較する。符号誤り率測定部99
では、比較結果をカウントして符号誤り率を得て、この
符号誤り率を受信品質判定部の判定結果として切り換え
部に入力する。
【0118】(実施の形態16)図21は、本発明の実
施の形態16に係るDAB信号受信装置の構成を示すブ
ロック図であり、図16に示す放送局情報の入力部を示
す。この構成においては、復号された受信判定信号に放
送局の位置や放送周波数の情報が含まれている場合に
は、図21のように放送局情報記憶部100の記憶内容
を更新する。
【0119】(実施の形態17)図22は、本発明の実
施の形態17に係るDAB信号受信装置の構成の一部を
示すブロック図である。図22における信号受信装置
は、復号部101、切り換え部102、情報選択部10
3、及び表示部104を有する。
【0120】この構成においては、パラレル/シリアル
変換部後の信号を復号部101で復号し、切り換え部1
02において音信号とデータ信号とに分岐させ、データ
信号に関しては情報選択部103に入力する。
【0121】情報選択部103は、実施の形態12〜実
施の形態14に述べたような方法で得られる受信装置の
位置情報も得て、データ信号が現在の受信装置の位置に
関係するものかどうかを判断し、関係するものについて
のみ表示部104において表示する。ここで、現在の受
信装置の位置に関係しないものも表示して、位置に関係
するものについては強調する形式で表示したり、常時表
示しておくことも好適である。
【0122】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、所望チャ
ネルの近傍に隣接チャネルが存在する場合においても、
高速に初期引き込みが完了するうえ、初期引き込み後の
受信性能を劣化させることがなく、回路規模も小さく実
現できるため小型のDAB信号受信装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図2】フレーム同期引き込み前後におけるフィルタ特
性を示す図
【図3】本発明の実施の形態2における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8における信号受信装置の
構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態8における隣接チャネル
信号が無い場合におけるデシメートを説明するための図
【図11】本発明の実施の形態8における隣接チャネル
信号が有る場合におけるデシメートを説明するための図
【図12】本発明の実施の形態8における低域通過フィ
ルタの周波数特性を説明するための図
【図13】本発明の実施の形態9における信号受信装置
の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態9における信号受信装置
のうちDCオフセット補償部の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態10における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態11における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態12における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図18】本発明の実施の形態13における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図19】本発明の実施の形態14における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態15における信号受信装
置の構成の一部を示すブロック図
【図21】本発明の実施の形態16における信号受信装
置の構成を示すブロック図
【図22】本発明の実施の形態17における信号受信装
置の構成の一部を示すブロック図
【図23】従来の受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
21 アナログ/ディジタル変換部 23 数値制御発振部 24、24’ 低域通過フィルタ部 25、25’ シリアル/パラレル変換部 26 高速フーリエ変換部 27、27’ パラレル/シリアル変換部 28 初期引き込み完了検出部 29 タップ係数群切り換え部 30 初期引き込み用タップ係数群記憶部 31 初期引き込み完了後用タップ係数群記憶部 32 Nullタイミング検出部 34,39 タイミング制御部 35 相関演算部 36 既知位相参照信号記憶部 37 スレッショルド記憶部 40 周波数誤差検出部 41 発振周波数決定部 42 係数乗算部 46 係数切り換え部 47 初期引き込み時用係数記憶部 48 初期引き込み完了後用係数記憶部 50、50’ 自動利得制御部 51 絶対値演算部 53 近似換算部 54 理想レベル記憶部 56 近似換算部 60,60’ デシメート部 61 DCオフセット補償部 67 オーバーフロー補償部 71 位相回転制御部 73 電力比検出部 75 受信アンテナ 76 利得制御部 77 ミキサ 78 ローカル信号発振部 79 帯域通過フィルタ部 80 電力測定部 81 利得決定部 82 受信可否判定部 83 GPSシステム 84 位置情報変換部 85 TII判定部 88 選択部 89 位置決定部 90 受信品質判定部 93 品質順序判定部 95 ビタビ復号部 96 符号化部 97 硬判定部 99 符号誤り率測定部 100 放送局情報記憶部 101 復号部 103 情報選択部 104 表示部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Null信号が設けられている信号を受信す
    る装置にあって、アナログ/ディジタル変換手段と、数
    値制御発振手段と乗算手段とで構成されるディジタルミ
    キシング手段と、折り返し成分除去用低域通過フィルタ
    手段と、前記低域通過フィルタのタップ係数として初期
    引き込み用のタップ係数群を記憶しておく手段と、初期
    引き込み完了後の信号復調用フィルタのタップ係数群を
    記憶しておく手段と、初期引き込み完了検出手段と、前
    記二つのタップ係数群を初期引き込み完了検出手段の検
    出結果に基づいて切り換える手段と、を具備することを
    特徴とする信号受信装置。
  2. 【請求項2】 初期引き込み用のタップ係数群記憶手段
    には、所望チャネルの近傍に隣接する妨害信号が大き
    く、信号復調用フィルタでは所望チャネルのNull信号検
    出が困難な場合においてもNull信号の検出が容易となる
    十分狭帯域な低域通過フィルタの特性となるタップ係数
    群を記憶しておくことを特徴とする請求項1記載の信号
    受信装置。
  3. 【請求項3】 初期引き込み用のタップ係数群に切り換
    えるフィルタは、直交成分又は同相成分のうちの一方に
    のみ用いることを特徴とする請求項2記載の信号受信装
    置。
  4. 【請求項4】 初期引き込み完了検出手段において、Nu
    ll信号の次に送信されている位相参照信号を高速離散フ
    ーリエ変換した信号とあらかじめ受信装置に記憶してあ
    る位相参照信号の周波数成分信号との相関を求め、相関
    が大きい場合には初期引き込みが完了したものと判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の信号受信装置。
  5. 【請求項5】 折り返し成分除去用低域通過フィルタの
    後段に設けられている高速離散フーリエ変換手段によっ
    て高速離散フーリエ変換した位相参照信号の周波数成分
    から周波数オフセット量を検出する周波数オフセット検
    出手段と、数値制御発振手段により出力される複素正弦
    波信号の周波数は前記周波数オフセット検出手段によっ
    て得られた周波数オフセットを補償するように制御する
    自動周波数制御手段と、を有し、前記自動周波数制御手
    段によって数値制御発振手段を制御するタイミングがNu
    ll信号区間であることを特徴とする請求項1記載の信号
    受信装置。
  6. 【請求項6】 自動周波数制御手段は、周波数オフセッ
    ト検出手段で検出された値を累積しておく累積手段と、
    前記係数として初期引き込み用の係数と初期引き込み完
    了後の係数とを記憶しておく記憶手段と、前記2つの係
    数を切り換える切り換え手段とを有し、前記累積手段は
    前回までの累積値と今回検出された周波数オフセット量
    に1以下の正の係数を乗じたものとの和を求める手段で
    あり、初期引き込みが完了するまでは前記初期引き込み
    用係数として大きい値を用いて、初期引き込みが完了し
    た後は前記初期引き込み完了後の係数として小さい値を
    用いることを特徴とする請求項5記載の信号受信装置。
  7. 【請求項7】 折り返し成分除去用低域通過フィルタの
    後段に自動利得制御手段を有し、前記自動利得制御手段
    の利得を制御するタイミングがNull信号区間であること
    を特徴とする請求項1記載の信号受信装置。
  8. 【請求項8】 自動利得制御手段は同相成分又は直交成
    分のどちらかの信号の絶対値を求める算出手段と、前記
    絶対値を積分する積分手段と、前記積分手段の結果をあ
    らかじめ記憶してあるテーブルに入力しdB値に近似す
    る近似手段と、前記dB値として理想的な値を記憶して
    おく記憶手段と、前記理想的な値と前記積分結果の近似
    値との差分値を求める差分算出手段と、前記差分値に応
    じて前記理想的なレベルに近づくように同相成分及び直
    交成分の両成分に同じ定数を乗じる乗算手段と、を有す
    ることを特徴とする請求項7記載の信号受信装置。
  9. 【請求項9】 初期引き込み完了後のDAB信号復調用
    フィルタの特性は、隣接チャネル妨害信号が折り返され
    て所望チャネル信号帯域に重なってしまう周波数帯域を
    十分減衰させるような特性であることを特徴とする請求
    項1記載の信号受信装置。
  10. 【請求項10】 アナログ/ディジタル変換手段の後段
    のDCオフセット補償手段と、前記DCオフセット補償
    手段として十分狭帯域な低域通過フィルタと加算手段
    と、を有し、前記低域通過フィルタ出力で観測されるD
    Cオフセット成分を補償する値を加算手段によって加算
    し、加算後の信号がオーバフローする場合にはクリッピ
    ングさせることを特徴とする請求項1記載の信号受信装
    置。
  11. 【請求項11】 受信アンテナを複数有し、隣接チャネ
    ル妨害信号が存在する方向にNullを設けるように複数の
    受信アンテナからの信号を合成することを特徴とする請
    求項1記載の信号受信装置。
  12. 【請求項12】 受信装置の位置情報を得る位置情報取
    得手段と、放送局の位置及び放送チャネルを記憶してお
    く記憶手段と、前記二つの手段を比べて現在受信装置が
    受信可能となるチャネルを判定する判定手段と、を有
    し、受信可能なチャネルと判定されたにも関わらず受信
    不能な場合は所望チャネルの近傍に隣接する妨害チャネ
    ルの影響として、ダウンコンバータに入力される信号電
    力を大きくし、多少の相互変調歪みを許容しながら所望
    チャネル信号を復調するような制御を行うことを特徴と
    する請求項1記載の信号受信装置。
  13. 【請求項13】 位置情報取得手段は、GPSからの信
    号を用いることを特徴とする請求項12記載の信号受信
    装置。
  14. 【請求項14】 位置情報取得手段は、受信装置にあら
    かじめ電話番号又は郵便番号と地域を対応させて記憶し
    ておく記憶手段を有し、電話番号又は郵便番号を入力す
    る手段から得られた情報から現在のおおまかな位置情報
    を得る手段であることを特徴とする請求項12記載の信
    号受信装置。
  15. 【請求項15】 位置情報取得手段は、信号のNull区間
    中に送信されるTIIを複数チャネルについて受信し、
    受信信号品質判定手段とTII情報の関係から現在の受
    信装置の位置を推定することを特徴とする請求項12記
    載の信号受信装置。
  16. 【請求項16】 受信信号品質判定手段は、受信した信
    号をビタビ復号し、復号結果を再度送信局側と同じ符号
    化を行いビタビ復号前の信号を硬判定したものと比較
    し、擬似的な符号誤り率を求める手段であることを特徴
    とする請求項15記載の信号受信装置。
  17. 【請求項17】 送信信号に放送局の位置及び放送チャ
    ネルの情報が定期的に含まれている場合にはこれを利用
    し、前記二つの情報を定期的に更新することを特徴とす
    る請求項12記載の信号受信装置。
  18. 【請求項18】 送信信号がデータ信号を含む場合、現
    在受信装置が存在する場所に関連のある地域データのみ
    を抽出して別に表示することを特徴とする請求項12記
    載の信号受信装置。
  19. 【請求項19】 データ信号が商店や施設などの宣伝広
    告であることを特徴とする請求項18記載の信号受信装
    置。
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