JP2001242166A - 細胞変形能測定装置 - Google Patents

細胞変形能測定装置

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JP2001242166A
JP2001242166A JP2000049398A JP2000049398A JP2001242166A JP 2001242166 A JP2001242166 A JP 2001242166A JP 2000049398 A JP2000049398 A JP 2000049398A JP 2000049398 A JP2000049398 A JP 2000049398A JP 2001242166 A JP2001242166 A JP 2001242166A
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Nobuhiro Kamisaka
坂 伸 宏 上
Tetsuji Koyama
山 哲 司 小
Tsunemichi Kau
羽 常 道 賀
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Tsukasa Sokken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定で高精度の測定が可能で、簡易・迅速で
安全性の高い赤血球変形能測定装置を提供する。 【解決手段】 被測定血液試料11を入れる試料容器1
0と、この容器内の前記試料内に浸漬され、底面にニッ
ケルメッシュフィルタ13が装着された測定管12と、
この測定管の上部に直接あるいは気体流量計17を介し
て連結された負圧タンク19及び圧力センサ23と、気
体の圧力と流量から赤血球が前記ニッケルメッシュフィ
ルタを通過する際の流れ抵抗を求め、連続して減少する
前記負圧タンクの圧力により測定管内を上昇する前記試
料の液位の時間変化から試料の流量を求める、データ処
理・解析部とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は細胞変形能測定装置
に関するもので、特に赤血球、あるいは白血球等の血液
細胞の変形能を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液は、血漿及び赤血球、白血球、血小
板等の血球細胞から構成されており、生命の維持に必要
不可欠である。例えば、赤血球は、肺で取り込んだ酸素
の各臓器組織への供給はもとより、体液中の最大の塩基
である重炭酸を産生して体液の恒常性を維持しており、
その他、白血球による殺菌・細胞性免疫機能、血漿凝固
系蛋白質や血小板による止血機能、等々、その重要な生
理機能は枚挙にいとまない。
【0003】即ち、血液の正常な循環が生命維持には不
可欠であり、とりわけ、血液成分の約45%(血球成分の9
0%以上)を占め、血液の流動特性を規定する赤血球の役
割は重要である。
【0004】赤血球の直径は約8μmであるが、自己の
直径よりも狭い管径(3〜7μm)を有する細動脈の末端
や毛細血管を変形して通過することができる。この赤血
球が変形する能力を赤血球変形能と称するが、物理量と
しての定義はない。従って、変形能の評価は、測定法に
依存する。
【0005】その一例として、マイクロピペットに赤血
球全体を吸引してその通過能を、赤血球の一部を吸引し
て膜の粘弾性を測定するマイクロピペット法は、操作が
難しく、又、多様な性状を有する赤血球の集合としての
情報が得られないので、臨床医学的研究には不適であ
る。
【0006】また、回転によるずり応力によって赤血球
を楕円形に変形させ、その楕円変形(長軸と短軸の比)を
顕微鏡で観察するレオスコープ法、レザー光線の回折像
を用いてそれを調べるエクタサイトメトリがあるが、生
体内での赤血球の生理的な変形は折れ曲がり変形であ
り、従って、実験結果の生理学的解析には注意を要す
る。しかも、楕円変形に要する応力は、折れ曲がり変形
に要するそれよりはるかに大きいので、折れ曲がり変形
を測定する方法に比べて、測定感度が低い。
【0007】実験の簡易さ、実験結果の生理学的解析の
簡明さから、最も頻用されてきたのは、フィルタの微小
孔通過能を測定(主として赤血球の折れ曲がり変形を測
定)するフィルトレーション法である。しかしながら、
従来の薄膜フィルタ(ニュクレポア; 厚さ約11μm)
は、孔の数、分布が一定でなく、孔の形状は不整形で孔
の融合もあり、材質(ポリカーボネート)故に事実上再使
用不可能なことなどによって、それを用いたフィルトレ
ーション法は定量性と再現性に難点があった。
【0008】本発明の発明者である上坂伸宏は、孔の
数、分布、形状が極めて正確で、数秒間の超音波洗浄で
100回以上再使用可能な、厚さ約11μmのニッケル薄膜
を用いるニッケルメッシュフィルタ(特開平7−51521
号参照)を提案し、他の発明者と気体流量測定による孔
径(3-20μm)の計測法を確立する事によって、ニュクリ
ポア・フィルタの難点を解決し、重力を駆動力とする定
量的なフィルトレーション法を確立した。
【0009】この方法では、垂直ガラス管の下端部に水
平に接続した管の先端にあるフィルタ・ホルダにニッケ
ルメッシュ・フィルタを装着し、赤血球浮遊液を垂直ガ
ラス管・水平接続管・フィルタ・ホルダ内に充填させ、
垂直ガラス管に作用する重力によりニッケルメッシュに
赤血球浮遊液を流す。この時、垂直ガラス管のゼロレベ
ルに設置した圧力センサで圧力降下を連続的に検出し、
増幅器、アナログ・デジタル変換器を介してコンピュー
タにデータを取り込み、流量(流速)を計算する。流量
は、圧力を高さに変換し、高さ-時間曲線を求め、その
曲線のある高さでの微分(差分)を取り、それにガラス管
の断面積を乗じて求められる。得られた圧力−流量曲線
又は高さ−時間曲線を変形能の指標とする。圧力や流量
のポイント測定ではなく、連続的な測定である事は、こ
の方法の定量性を保証する一つの特徴で、高精度の測定
が可能である。又、重力という連続して減衰する力を駆
動力とする事によって、過度の負荷による赤血球の過度
の吸引やそれに伴う赤血球の損傷・破壊等を招かずに、
正確で生理的な測定が可能である。
【0010】実際、この方法は、基礎的研究はもとよ
り、複雑な臨床医学的研究に於いても極めて有効で、疾
患の病態生理の解析、診断、治療の選択、治療効果の判
定などに関する画期的な成果を挙げている。例えば、赤
血球の変形能低下によって典型的な微小循環障害(血流
閉塞)を来す、鎌状赤血球症の臨床医学に関する研究が
ある。1980年代後半、重症の鎌状赤血球症に対する新し
い治療法が開始され、患者の臨床症状は著しく改善し、
社会復帰が可能となった。従って、誰もが変形能の改善
を期待したが、マイクロピペット法、エクタサイトメト
リ、その他いかなる方法によってもそれを示す事が出来
なかった。そのような状況下で、重力式ニッケルメッシ
ュ・フィルトレーション法によって、治療による臨床症
状の著しい改善は、変形能の顕著な改善によることが初
めて証明された(N. Engl. J. Med.1993)。
【0011】赤血球変形能は、この様な血液疾患のみな
らず、食生活の欧米化に伴い急増している動脈硬化、糖
尿病、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性梗塞性疾患に於い
ても低下することが報告されており、疾患の病態生理の
解明や診断上、極めて重要である。しかしながら、それ
らの報告はニッケルメッシュ・フィルトレーション法に
よったものではないので、定量性に問題を残している。
ニッケルメッシュ・フィルトレーション法による研究が
早急に望まれるが、大量の臨床検体を迅速に処理するた
めには、以下に記す課題を解決する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】重力式ニッケルメッシ
ュ・フィルトレーション法においては、垂直ガラス管内
の液体試料(細胞試料)の重力による降下を圧力検出器で
計測するので、気泡が混入しないように、圧力検出器に
液体を充填後、垂直ガラス管・水平接続管・フィルタ・
ホルダに試料を充填し、フィルタ・ホルダにフィルタを
装着しなければ、高精度で安定した測定を行えない。こ
れは単純な作業であるが、細心の注意を払わねばならな
い作業であり、熟練を要する。試料の交換に際しては、
この作業を繰り返さねばならず、垂直ガラス管・水平接
続管・フィルタ・ホルダの洗浄も容易ではない。また、
これらの作業では、血液試料を用いた時には、測定者の
手に血液試料が付着するというバイオハザード上の問題
もある。
【0013】従って、本発明は、重力式ニッケルメッシ
ュ・フィルトレーション法の長所を保ちつつ、このよう
な欠点を解消し、操作性の向上を図るとともに、安定で
高精度な測定が可能で、安全性の高い細胞変形能測定装
置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる細胞変形
能測定装置によれば、被測定細胞が含まれた試料を入れ
る試料容器と、この容器内の前記試料内に浸漬され、底
面にニッケルメッシュフィルタが装着された測定管と、
この測定管の上部に連結された負圧タンク及び圧力セン
サと、この測定管と負圧タンクの間に配備された気体流
量計及び前圧力センサと、気体の圧力と流量から細胞が
前記ニッケルメッシュフィルタを通過する際の流れ抵抗
を求め、指数関数的に連続して減少する前記負圧タンク
の圧力により測定管内を上昇する前記試料の液位の時間
変化から試料の流量を求める、データ処理・解析部とを
備えたことを特徴とする。
【0015】この装置では、試料の流量はもとより、試
料の流れ抵抗を直接求めることができ、しかも試料系と
計測系とが分離されているので、特に血液試料による汚
染の問題を避けることができる。
【0016】また、試料を吸い上げる力(負圧タンクの
圧力)は連続的に減少するため、変形能が低下してフィ
ルタに補足された細胞に、過度の負荷をかけてフィルタ
を通過させたり、損傷を与える事がないので、正確で生
理的な測定が可能となる。
【0017】前記測定管は垂直に立てられた剛体円筒管
で、前記測定管内は摩擦係数の低い材料でコーティング
されると良く、これにより液体試料の表面張力の影響を
顕著に軽減し、また、測定管への試料の付着も著しく軽
減する。
【0018】前記気体流量計と前記負圧タンクとの間に
第1の弁、前記負圧タンクと真空ポンプとの間に第2の
弁が設けられ、前記第1の弁を閉じ、前記第2の弁を開
放して前記負圧タンクを負圧にする第1の過程と、前記
第2の弁を閉じ、前記第1の弁を開放する第2の過程に
より、前記試料が前記測定管内を上昇して平衡状態が得
られるようにする。即ち、重力式では試料が垂直ガラス
管内を下降して平衡状態が得られるが、本発明では重力
式の鏡像のような平衡過程が得られるようにするので、
重力式の物理的な利点を保持しつつ、著しく操作性が向
上する。
【0019】測定前の圧力および温度を記憶しておき、
これらを用いて前記の流れ抵抗や試料の流量の補正を行
う補正演算部を備えると良い。
【0020】前記気体流量計と前記第1の弁との間には
前記測定管内に大気圧を導入して負圧を解放するリリー
ス弁がさらに連結されることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0022】図1は本発明にかかる細胞変形能測定装置
の好ましい実施の形態としての赤血球変形能測定装置の
構成の概要を示すブロック図である。
【0023】容器10には後述する試料11が満たさ
れ、この試料11には底部となる一端にニッケルメッシ
ュフィルタ13を装着した測定管12が浸漬される。こ
の測定管12は垂直な剛体円筒管で、その内面には液体
試料の表面張力や付着による流動抵抗を減少させるた
め、フッ素樹脂(商品名テフロン)加工がなされてい
る。
【0024】測定管12の上部から引き出される管14
は分岐して、一方には測定管内圧力を検出する前圧力セ
ンサ15および温度計16が接続され、他方は気体流量
計17、弁18、タンク19、弁20を経て真空ポンプ
21に接続される。また、気体流量計17と弁18との
間にはリリース弁22が設けられ、タンク19にはタン
ク内圧力を計測するための圧力センサ23が接続されて
おり、増幅器24を経てタンク内圧力信号を取り出され
る。気体流量計17には変換器25,増幅器26が接続
されており、気体流量信号を取り出せ、図示していない
データ処理・解析部で後述するデータ処理・解析が行わ
れる。
【0025】次にこの赤血球変形能測定装置を用いた測
定の実際について詳細に述べる。
【0026】ここでは、例えば、測定管12としては内
径が8mm、タンク19の容量は200ccのものを用
い、試料11としてヘマトクリット値5%の赤血球浮遊
液、即ち、遠心分離器によって血漿や白血球を除去した
赤血球試料を体積分率5%で生理食塩水などに浮遊した
試料、を用いる。
【0027】赤血球浮遊液を測定管11内に吸引する手
段として前述したタンク19を使用する。まず、電磁弁
18を閉じ、電磁弁20を開放して真空ポンプ21を作
動させ、タンク内の負圧が例えば、200mmHOに
なった時点で電磁弁20を閉じる。この状態において、
ニッケルメッシュフィルタを測定管の先端に装着し、こ
の測定管を試料中に含浸させ、電磁弁18を開放すると
試料11はタンク内の負圧で吸引されると共に大気圧力
に押されて測定管12中に流入する。この時、赤血球
は、自己の直径より小さい、ニッケルメッシュフィルタ
の微小孔(孔径:3-5μm)を変形しながら通過する。試
料の流入に伴ってタンクの内圧は連続的に低下し、測定
管のある液位で平衡点に達し、流入は停止する。
【0028】また、従来の吸引方式(定圧ないしは定速
での吸引)とは異なり、負圧タンクの圧力は連続的に減
少し、試料は測定管内を上昇して平衡状態が得られる。
即ち、重力式では試料が垂直ガラス管内を下降して平衡
状態が得られるが、本発明では重力式の鏡像のような平
衡過程が得られるので、重力式の物理的な利点を保持し
ている。従って、過度の力による赤血球の吸引や赤血球
の損傷・破壊(溶血)等を招かず、正確で生理的な測定
が可能となる。
【0029】この赤血球通過のときのニッケルメッシュ
フィルタにおける流れ抵抗は、生理食塩水などの液体を
流した時と比べて増加するので、この抵抗値により変形
能が計測される。
【0030】次に流れ抵抗の求め方について詳述する。
【0031】ニッケルメッシュフィルタを通過する血液
量とタンクに流れる空気量は同一導管内を流れるため、
流量は理想的には同一であり、実際にもごく微少の装置
定数が乗じられるだけである。従って、空気流量Qを流
量計により計測して流量計前圧Pを計測すれば、流れ抵
抗Rは次式により算出される。
【0032】R=dP/dQ=dh(ρ・g)/dQ ここで、ρは密度(kg/m)、gは重力加速度(m
/sec)、hは試料流入時の測定管内の液位
(m)、Qは気体流量(m3/sec)である。この演算
は装置内の計測器からのデータを取り込んだマイクロコ
ンピュータあるいはパーソナルコンピュータ(データ処
理・解析部)により行われる。
【0033】このRは、試料がニッケルメッシュフィル
タを通過する時の抵抗とみなし得るから赤血球変形能の
指標となる。以上の実施の形態においては、 流れ抵抗R
は測定管とタンク間に設けられた気体流量計で求めるよ
うにしているが、必ずしもその必要はなく、以下に記す
ように他の手段で求めても良いが、この方法の方が直接
的でデータの分散が小さい。
【0034】具体的に試料の流れを調べると、図2から
明らかなように、液位hは負圧印加前の液位に対し、測
定管内で液面が上昇した高さhと試料容器内の液面が
低下した高さhとの合計である。測定管の断面積を
A、試料容器の断面積をBとし、測定管内の体積、圧
力、温度をV、P、T、負圧により測定管内に試料が上
昇した状態でのそれらをV’、P’、T’とすると、温
度は一定と仮定すれば PV=P’V’、従って、V’=(P/P’)V の関係が成立する。
【0035】一方、液位hとhは h=(V−V’)/A=V/A・(1−P/P’) h=Ah/(B−A) であり、h=h+hであるから、 h=V/A・(1−P/P’){1+A/(B−A)} となり、hは開始圧力と変化中の圧力P’の関数とな
る。
【0036】また、試料の単位時間当たりの流量Qは Q=Δh/Δt・A であるから、一定周期(例えば50Hz)でサンプリン
グを行い、そのときの高さの微小変化から求めることが
できる。即ち、重力式と同様に、圧力−流量曲線又は高
さ−時間曲線を変形能の指標とすることができる。又、
圧力−流量曲線の微分の逆数として流れ抵抗を求めるこ
とができるが、上述の方法に比べてデータの分散は大き
い。
【0037】このような続減衰負圧方式による細胞変形
能測定装置では、重力式に比べて、著しく操作性が向上
する。即ち、重力式では、垂直ガラス管内の液体試料の
重力による降下を圧力検出器で計測するので、“気泡が
混入しないように”、圧力検出器に液体を充填後、垂直
ガラス管・水平接続管・フィルタ・ホルダに試料を充填
し、フィルタ・ホルダにフィルタを装着しなければなら
ないが、連続減衰負圧式では、単に、負圧タンク内の空
気圧を調整し、広口の試料容器に試料を入れ、電磁弁と
ポンプの駆動制御を行うだけで済む。これは、各実験に
おける試料の交換などを考慮すると、著しい操作性の向
上、作業の軽減となる。
【0038】以上実施の形態を説明したが、本発明にお
いては、種々の変形が可能である。例えば、気体流量計
と負圧タンクとの間に弁を設けているが、測定管と気体
流量計の間に配設しても良い。また、この弁とリリース
弁の位置は逆であっても良い。
【0039】さらに、上述した実施の形態では赤血球の
変形能を測定する装置であったが、測定対象は白血球や
培養細胞等変形能研究の対象となる種々の細胞とするこ
とができる。
【0040】
【発明の効果】本発明にかかる細胞変形能測定装置によ
れば、指数関数的に減少する負圧タンクの圧力により細
胞がニッケルメッシュフィルタを通過して測定管に入る
際の試料の流量を求めるとともに、気体の圧力と流量の
直接測定から試料の流れ抵抗を直接求めるようにしてい
るので、精度の高い細胞変形能を求めることができる。
更に、試料系と計測系とが分離されているので、血液試
料に関するバイオハザードの問題を解決し得る事と共
に、装置の多チャンネル化が可能であり、臨床検査機器
への発展が期待される。
【0041】また、測定時にタンク内圧が連続的に減少
するので、細胞試料に働く吸引力は徐々に低下し、赤血
球に過度の力を負荷することはなく、過度の力による赤
細胞の吸引や細胞の損傷・破壊等を招かずに正確で生理
的な測定が可能となる。
【0042】さらに、測定準備は単に負圧タンク内の空
気圧を調整し、広口の試料容器に試料をいれるだけで済
み、試料を試料容器にセット後は、電磁弁およびポンプ
の駆動のみで計測を行うことができるので、従来の重力
式に比べて、著しく操作性が向上し、作業量が軽減され
る。
【0043】また、測定管内を摩擦係数の低い材料でコ
ーティングした場合、液体試料の表面張力や付着による
影響が顕著に減少するので、測定の精度が高まり、ま
た、測定管の洗浄作業も軽減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる赤血球変形能測定装置の実施の
一形態を示すブロック図である。
【図2】負圧による液位について説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
10 試料容器 11 試料 12 測定管 13 ニッケルメッシュフィルタ 15 前圧力センサ 17 気体流量計 18、20 電磁弁 19 タンク 21 真空ポンプ 22 リリース弁 23 圧力センサ 24、26 増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 賀 羽 常 道 東京都世田谷区玉堤1丁目19番4号 株式 会社司測研内 Fターム(参考) 2G045 AA05 CA01 FA07 GC30 JA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定細胞が含まれた試料を入れる試料容
    器と、 この容器内の前記試料内に浸漬され、底面にニッケルメ
    ッシュフィルタが装着された測定管と、 この測定管の上部に連結された負圧タンク及び圧力セン
    サと、 この測定管と負圧タンクの間に配備された気体流量計及
    び前圧力センサと、 気体の圧力と流量から前記非測定細胞が前記ニッケルメ
    ッシュフィルタを通過する際の流れ抵抗を求め、指数関
    数的に連続して減少する前記負圧タンクの圧力により測
    定管内を上昇する前記試料の液位の時間変化から試料の
    流量を求める、データ処理・解析部とを備えた細胞変形
    能測定装置。
  2. 【請求項2】前記測定管は垂直に立てられた剛体円筒管
    で、前記測定管内は摩擦係数の低い材料でコーティング
    されたことを特徴とする請求項1に記載の細胞変形能測
    定装置。
  3. 【請求項3】前記気体流量計と前記負圧タンクとの間に
    第1の弁、前記負圧タンクと真空ポンプとの間に第2の
    弁が設けられ、前記第1の弁を閉じ、前記第2の弁を開
    放して前記負圧タンクを負圧にする第1の過程と、前記
    第2の弁を閉じ、前記第1の弁を開放する第2の過程に
    より、前記試料が前記測定管内を上昇して平衡状態が得
    られることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞
    変形能測定装置。
  4. 【請求項4】前記測定管と前記第1の弁との間に気体流
    量を直接測定する気体流量計を配設し、前記流れ抵抗を
    直接求め得ることを特徴とする請求項3に記載の細胞変
    形能測定装置。
  5. 【請求項5】測定前の圧力および温度を記憶しておき、
    これらを用いて前記の流れ抵抗や試料の流量の補正を行
    う補正演算部を備えたことを特徴とする請求項1ないし
    4に記載の細胞変形能測定装置。
  6. 【請求項6】前記気体流量計と前記第1の弁との間には
    前記測定管内に大気圧を導入して負圧を解放するリリー
    ス弁がさらに連結されたことを特徴とする請求項3ない
    し5のいずれかに記載の細胞変形能測定装置。
  7. 【請求項7】前記細胞は、赤血球、白血球等の血液細
    胞、および培養細胞のいずれかであることを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の細胞変形能測定装
    置。
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