JP2001241318A - NOx吸着材再生装置及び再生方法 - Google Patents
NOx吸着材再生装置及び再生方法Info
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Abstract
性能の低下を抑制し、長期に亘りNOxを効率良く吸収
(トラップ)することが可能となるNOx吸着材再生装
置、再生方法及び排気ガス浄化装置を提供すること。 【解決手段】 NOx吸着手段20と、ガス流制御手段
と、を備え、ガス流制御手段が、排気ガスの流通方向
を、NOx吸着手段における担体の一端側から他端側へ
の順方向、又は他端側から一端側への逆方向に切り換え
可能なNOx吸着材再生装置である。排気ガスの流通方
向の切り換えを行った際に、排気ガスをストイキ〜リッ
チにし、NOx吸着手段を600℃以上に加熱して、N
Ox吸着材を再生する。NOx吸着材再生装置をリーン
バーン内燃機関の排気ガス流路10に設置して成る排気
ガス浄化装置である。
Description
装置及び再生方法に係り、更に詳細には、ガソリンや潤
滑オイル中に含まれる硫黄(S)分によって被毒された
NOx吸着材の再生方法に関し、特に、自動車(ガソリ
ン、ディーゼル)やボイラーなどの内燃機関等から排出
される排気ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(C
O)、および窒素酸化物(NOx)を浄化するために設
置されるNOx吸着材などで好適に使用される。
問題から、低燃費自動車の要求が高まっており、ガソリ
ン自動車に対しては希薄燃焼自動車の開発が注目されて
いる。かかる希薄燃焼自動車においては、希薄燃焼走行
時、排気ガス雰囲気が理論空燃状態(ストイキ)に比べ
酸素過剰雰囲気(リーン状態)となるが、リーン状態で
通常の三元触媒を適用させた場合、過剰な酸素の影響か
らNOx浄化作用が不十分となるという問題があった。
化できる触媒が開発されており、例えば、特開平5−1
68860号公報には、Ptとランタンを多孔質担体に
担持した触媒であって、排気ガスが酸素過剰のときに
(リーン域)にNOxを吸収させ、吸収させたNOxを
ストイキ時に放出させ浄化する触媒が記載されている。
油内には硫黄が含まれており、この硫黄が酸化物として
排気ガス中に排出されるため、NOx吸収材が硫黄によ
る被毒(これを「硫黄被毒」という。)を受け、NOx
吸収性能の低下が起こる。この硫黄被毒を防止する方法
として、特開平6−58138号公報では、NOx吸収
触媒の前段に硫黄トラップ触媒を配置し、リーン域でこ
の硫黄トラップ触媒に硫黄酸化物を吸収させ、後段のN
Ox吸収触媒に硫黄酸化物を流入させない方法が開示さ
れている。また、特開平7−217474号公報では、
ある程度の硫黄被毒は仕方がないものとし、一定期間毎
にNOx吸収触媒を高温(空燃比A/Fをリッチ状態)
にして吸着した硫黄を脱離させ、NOx吸収触媒の性能
回復を図る方法が開示されている。
報に開示されている方法では、硫黄トラップ触媒が吸収
した硫黄酸化物により飽和してしまい、それ以上の硫黄
酸化物はNOx吸収触媒に流入(吸着)して、硫黄被毒
が起きてしまうという課題があった。また、特開平7−
217474号公報に開示されている方法では、硫黄の
脱離操作の際にNOx吸蔵触媒の熱劣化が起こるような
高温(700℃以上)でなければ、NOx吸蔵触媒の前
側から脱離させた硫黄が、NOx吸蔵触媒の後側に吸着
してしまい、NOx吸蔵触媒全体としての硫黄吸着量は
殆ど変わらず、被毒は緩和されないという課題があっ
た。
る課題に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、硫黄被毒を受けたNOx吸着材のNOx吸収性
能の低下を抑制し、長期に亘りNOxを効率良く吸収
(トラップ)することが可能となるNOx吸着材再生装
置、再生方法及び排気ガス浄化装置を提供することにあ
る。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、内燃機関等の排気
流路に設置したNOx吸着手段を流通する排気ガスの流
れ方向を、適切に切り換えることにより、上記課題が達
成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
窒素酸化物を吸着するNOx吸着材を担体に担持したN
Ox吸着手段と、このNOx吸着手段への排気ガスの流
通方向を制御するガス流制御手段と、を備え、上記ガス
流制御手段が、上記排気ガスの流通方向を、上記NOx
吸着手段における担体の一端側から他端側への順方向、
又は他端側から一端側への逆方向に切り換え可能である
ことを特徴とする。
適形態は、上記ガス流制御手段が、上記NOx吸着手段
を通過する本流路と、上記NOx吸着手段を迂回して上
記担体の一端側から他端側に連通するバイパス流路と、
この本流路及びバイパス流路を開閉する弁を備えること
を特徴とする。
の好適形態は、上記ガス流制御手段が、上記NOx吸着
手段を反転可能な回動手段を備えることを特徴とする。
置の更に他の好適形態は、上記排気ガスの流通方向の切
り換えを、上記NOx吸着手段のNOx吸着材が硫黄被
毒を受けて窒素酸化物吸収性能が低下したときに行うこ
とを特徴とする。
の好適形態は、上記排気ガスの流通方向の切り換えを行
った際に、排気ガスをストイキ〜リッチにし、上記NO
x吸着手段を600℃以上に加熱することを特徴とす
る。
に他の好適形態は、上記NOx吸着材が、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、希土類及び遷移金属から成る群
より選ばれた少なくとも1種の元素を含有することを特
徴とする。
は、窒素酸化物を吸着するNOx吸着材を担体に担持し
たNOx吸着手段に対し、排気ガスを、その流通方向を
上記NOx吸着手段における担体の一端側から他端側へ
の順方向、又は他端側から一端側への逆方向に切り換え
ながら供給することを特徴とする。
適形態は、上記排気ガスの流通方向の切り換えを、上記
NOx吸着手段のNOx吸着材が硫黄被毒を受けて窒素
酸化物吸収性能が低下したときに行うことを特徴とす
る。
NOx吸着材再生装置をリーンバーン内燃機関の排気ガ
ス流路に設置して成る排気ガス浄化装置であって、上記
NOx吸着手段における担体に、排気ガス浄化能を有す
る触媒成分を更に担持して成ることを特徴とする。
Ox吸着手段を流通する排気ガスを、逆方向から流通す
るように切り換え可能とした。よって、NOx吸着手段
に担持するNOx吸着材の硫黄被毒が比較的少ない部分
を随時利用することにより、長期に亘ってNOx吸着手
段を使用できるNOx吸着材再生装置となる。また、本
発明のNOx吸着材再生方法の好適形態においては、排
気ガスの流通方向を切り換えた際に、排気ガスをストイ
キ〜リッチにし、NOx吸着手段を600℃以上に加熱
することとした。よって、NOx吸着材上の硫黄被毒に
係る硫黄分を有効に脱離・除去でき、NOx吸着材をよ
り確実に再生することができる。
装置及び再生方法について詳細に説明する。上述の如
く、本発明のNOx吸着材再生装置は、窒素酸化物を吸
着するNOx吸着材を担体に担持したNOx吸着手段
と、このNOx吸着手段への排気ガスの流通方向を制御
するガス流制御手段と、を備える。
あるNOx吸着材としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、希土類、遷移金属及びこれらを任意に組み合わ
せたものを含有する材料などが例示できる。また、これ
らNOx吸着材を担持する担体としては、耐熱性材料か
らなるモノリス担体(ハニカム構造など)などの一体構
造型担体が好ましく、例えばコーディライトなどのセラ
ミックス製のものや、フェライト系ステンレスなどの金
属製のものを使用できる。更に、NOx吸着材を粒状や
ペレット状の担体に担持し、これらを容器に充填してN
Ox吸着手段を形成してもよい。なお、一体構造型担体
を使用するときは、複数個の担体とタンデム配置しても
よいが、この場合はタンデム配置した担体群を1つの担
体として取り扱うことを要する。
吸着手段への排気ガスの流通方向を制御するものであ
る。即ち、排気ガスの流通方向を、上記NOx吸着手段
における担体の一端側から他端側への順方向、又は他端
側から一端側への逆方向に切り換えることができるもの
である。
向を適切に切り換えながら排気ガスを供給することによ
り、上記NOx吸着材を再生する。このとき、流通方向
の切り換えは、後述するようにセンサーからの信号や一
定時間を基準として行うことができる。
つの代表例を挙げることができる。1つの例としては、
上記NOx吸着手段を通過する本流路と、上記NOx吸
着手段を迂回して上記担体の一端側から他端側に連通す
るバイパス流路と、この本流路及びバイパス流路を開閉
する弁を備えるガス流制御手段とすることができる。具
体的には、図1に示すように、エンジン1に接続された
本流路の一例である排気流路10に、担体に担持された
NOx吸着手段20(NOx吸着材)を迂回するように
2つのバイパス流路11、12を接続し、排気流路10
とバイパス流路11、12との接続部位に弁30〜32
を設けて成るガス流制御手段を例示することができる。
このガス流制御手段は、NOx吸着手段20へ順方向に
排気ガスを流通させたいときは、図1(a)に示すよう
に弁30〜32でバイパス流路11、12を遮断し、排
気流路10のみに排気ガスを流通させることができ、ま
た逆方向に排気ガスを流通させたいときは、図1(b)
に示すように弁30〜32で排気流路10の一部を遮断
して、排気ガスの流れ方向をバイパス流路11、12を
通じて変化させることができる。また、本例では設置し
ていないが、バイパス流路11の下流側の排気ガス流路
10との接続部に更に弁を設けることもできる。更に、
これら弁の開閉はコントローラー34により行うことが
できる。
は、上記NOx吸着手段を反転可能な回動手段を備える
ガス流制御手段を例示できる。具体的には、図3に示す
ように、回動手段として回動軸21を設置して、NOx
吸着手段20の前後を反転させることができる。このと
き、反転は自動又は手動で行うことができる。なお、上
述した2つのガス流制御手段を組み合わせて成るガス流
制御手段とすることもできる。また、上記排気流路10
は直線状である場合に限られず、NOx吸着手段20
(担体)は排気流路の形状に対応させて設置できること
は言うまでもない。更に、上記「担体の一端側から他端
側に連通するバイパス流路」の「一端側」及び「他端
側」とは、厳密には、一端構造型担体より前方及び後方
の排気流路部分を意味する。
気ガスの流通方向の切り換えは、上記NOx吸着手段の
NOx吸着材が硫黄被毒を受けて窒素酸化物吸収性能が
低下したときに行うことが好ましい。
NOx排出許容量より高くなったとき(センサー出力N
>NOx排出許容濃度Nlim)に、排気ガスの流通方
向を切換えることが有効である。ここで、「N」はNO
xセンサー(図1では33)の示すNOx濃度である。
他の方法としては、エンジン運転条件から算出した単位
時間当たりのNOx排出量を積算して、NOx吸着材に
吸着されているNOx量を推定し、この推定NOx量が
所定量を超えたら排気ガスの流通方向を切り換えるよう
にしてもよい。
れる硫黄成分により硫黄被毒(以下「S被毒」と略す)
を受ける場合には、NOx吸着材の一端(前側)から他
端(後側)に向かって順に硫黄(S)が吸着し易い。ま
た、これはNOxの吸収についても同様であり、NOx
吸着材の前側ほどNOxやSが多く吸収され、後側ほど
これらの吸収量が少ないことが多い。
以下のように考えることができる。燃料の中などに含ま
れるS(排気ガス中ではSO2)が、酸素過剰条件(リ
ーン条件)で、通常設置される触媒(三元触媒など)に
含まれる貴金属(Pt、Pd、Rhなど)の触媒作用を
受けて酸化され、NOx吸着材(アルカリ、アルカリ土
類金属又は希土類等)に硫酸塩となって吸収されること
がある。この反応は非常に安定であるため、NOx吸着
材中でSが接触したところから順に硫酸塩が生成し、N
Ox吸着材に強く吸着し易い。
の前後において、吸着するS量に濃度勾配が発生し、吸
着材の前側(上流側)ほどSの吸着量が多くなることが
ある。 即ち、Sが吸着してしまった部分では、NOx
吸着材の活性点に不純物であるSが強く吸着してNOx
吸着材活性が低下又は消失してしまうため、Sの吸着量
が多いNOx吸着材の前側ほどNOxを吸収できなくな
っている。一方、NOx吸着材の前側がかなりのS被毒
を受けていても、上記NOx吸着材の後側は、殆どSが
吸着しておらず、NOx吸着材の前側よりも活性が高い
状態にある。但し、NOx吸着材全体としてはS被毒を
受けているので、排気ガス中のNOxを充分に吸収する
のが困難な状態にある。
方向の切り換えを、上記NOx吸着手段のNOx吸着材
が硫黄被毒を受けて窒素酸化物吸収性能が低下したとき
に行い得るようにした。この結果、上記NOx吸着材の
使用期間を大幅に延長し得るため、長期に亘りNOx吸
収性能が維持されることとなる。即ち、Sが吸着してN
Ox吸収性能を発揮できなくなったNOx吸着手段の一
端が、NOx吸収性能につき比較的影響の小さい後側と
なり、Sが殆ど吸着しておらずNOx吸収性能を十分に
発揮し得る他端が、NOx吸収性能につき影響の大きい
前側となるように、NOx吸着材上の排気ガスの流通方
向を反転することにより、NOx吸収性能を再生でき
る。代表的には、NOx吸着材のSに対する耐久性が
1.8〜2倍に増大し得る。なお、上記流通方向の切り
換えは、好適なNOx吸収能を維持することができる限
り繰り返し可能であり、硫黄被毒の度合いや硫黄の脱離
操作の有無により差があるが、NOx吸着材1個当た
り、600℃未満の加熱処理では1回程度の切り換えと
なるのに対し、600℃以上の高温処理であれば更に5
回程度切り換えを行うことができる。また、NOx吸着
材に吸着するSの濃度勾配は、例えば、自動車のエンジ
ンに設置される排気ガス浄化装置などでは、5000k
m程度の走行で顕著に発現する。
切り換えを行った際に、排気ガスをストイキ〜リッチに
し、上記NOx吸着手段を600℃以上に加熱すること
が好ましく、この結果、NOx吸着材に吸着しているS
を脱離させ、NOx吸着材を再生させることができる。
このときの加熱手段としては、電熱器などを例示でき
る。
向を切り換えた後は、NOx吸着材上では排気ガスの流
通方向に対して下流側(後側)にSが多く吸着している
ため、この位置からSが脱離するとNOx吸着材に再度
吸着されることなく、NOx吸着手段から除外されるの
で、NOx吸着手段全体としてもS吸着量が減少され易
い。なお、このとき排気流路に硫黄トラップ触媒などを
配置すれば、S成分の外部への放出を防止することがで
きる。
着材に吸着しているSの脱離操作としては、排気ガスを
受けるNOx吸着材の前後を反転せず、空燃比をリッチ
〜ストイキにし、600℃程度の高温にする方法がある
が、この方法ではNOx吸着材(触媒)の前側から脱離
したSが上記S吸着量の濃度勾配により吸着材の後側に
再吸着してしまうので、吸着したSを望み通りに除去す
ることができない。また、空燃比A/Fを更にリッチ化
する方法や流通する排気ガスを700℃以上まで高温に
する方法などもあるが、A/Fを更にリッチ化する方法
では燃費向上効果が得られなくなることがあり、また、
排気ガスを700℃以上の高温とする方法ではNOx吸
着材がシンタリングにより活性劣化し易くなるなど熱耐
久性の面から好ましくない。これに対して、本発明で
は、上述のようにNOx吸着材のS被毒を解除し、NO
x吸収性能をより確実に再生・持続することができる。
また、Sの脱離操作の際には上述したSの再吸着も起こ
りにくいことから、排気ガスの温度が少なくとも600
℃であればSの脱離を達成できる。
体)へ流通させる排気ガスの切り換え制御の代表例、即
ち、排気ガスの迂回手段(図1)又はNOx吸着材の回
動手段(図3)の作動は、包括的に行うことが好まし
く、代表的には図2に示すフローチャートに従って実行
することができる。なお、以下のフローチャート中で行
うS脱離操作は、排気ガス温度600℃〜650℃、空
燃比13.5〜14.6、時間5分の条件で行うことを
想定している。
ステップ順に説明する。このフローチャートはNOx吸
着材の回動手段(図3)に係るものである。まず、ステ
ップ1(以下、[S1]と略す)では、N>Nlimで
あるかどうかが判定される。この判定により、Noであ
るときは、まだNOx吸着材のNOx吸収量が吸収許容
限界量に達していないので、そのまま排気ガスの流通が
継続される[S2]。一方、Yesであるときは、大気
中に放出されるNOx濃度が高くなってしまうので、N
>Nlimになったと同時にNOx吸着手段の回動手段
が作動される[S3]。
再度判定される。この判定により、Noであるときは、
まだNOx吸収量が吸収許容限界量に達していないの
で、そのまま排気ガスの流通が継続される[S4]。一
方、Yesであるとき[S5]は、大気中に放出される
NOx濃度が高くなってしまうので、N>Nlimにな
ったと同時に、NOx吸着材中のSを脱離させるためS
脱離操作が行われる[S6]。
の迂回手段を作動する際に、弁30〜32を開放(本流
路のみを流通)するとき(図(a))、又は遮断(バイ
パス流路を使用)するとき(図(b))、を判断するフ
ローチャートである。なお、フローチャート中の「F」
は、迂回手段の作動回数を示す。
ステップ順に説明する。まず、[S10]では、作動回
数パラメーターであるFに1が加えられる。次いで、F
の値が偶数か奇数かが判定される[S11]。この判定
の結果、F=偶数であるときは、図1(a)の状態、即
ち、排気流路10にある弁が開放され、排気ガスがNO
x吸着手段を順方向から流通される[S12]。一方、
F=奇数であるときは、図1(b)の状態、即ち、上記
弁により排気ガス流路10の一部は遮断され、排気ガス
がバイパス流路を流通するように切り換えられ、NOx
吸着材に逆方向から流通される[S13]。なお、図2
(B)のフローチャート中に、図2(A)に示すS1及
びS2を取り入れて、硫黄の被毒量を迂回操作の基準と
することもできる。
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
にNOx吸着材を担持したNOx吸着手段に、更に排気
ガス浄化成分を担持して成る排気ガス浄化装置を使用し
た。即ち、Baを20wt%、Pdを5wt%及びRh
を1wt%Al2O3に担持し、これをハニカム担体に
コートしたものを使用した。また、使用前に以下に示す
熱耐久を行なった。
ンの排気系に上記排気ガス浄化装置を装着し、NOx吸
着材入口温度を650℃とし、50時間運転した。この
時、ガソリン中のS濃度を3ppm以下にした。
ppmとし、排気量2000ccのエンジンの排気系に
上記排気ガス浄化装置を装着して、10−15モードを
N>Nlimになるまで繰返し走行した。N>Nlim
になった時点で、上記NOx吸着手段を取外し、前後を
反転して取り付け、再び10−15モードをN>Nli
mになるまで繰返し走行した。なお、このときNOx吸
着手段の取外し、前後を反転しての取り付けは人の手に
よって行なった。
ず、図1に示すように排気ガスの流れ方向をバイパス流
路を用いて切り換えた以外は、実施例1と同様の操作を
繰返し走行した。
に示すNOx吸着手段反転装置(回動軸)21を用いて
行なった以外は、実施例1と同様の操作を繰返し走行し
た。
ppmとし、排気量2000ccのエンジンの排気系に
上記排気ガス浄化装置を装着して、10−15モードを
図2のフローチャートに従い、N>Nlimになるまで
繰返し走行した。また、N>Nlimになった時点でN
Ox吸着手段を取外し、前後を反転して取り付け、温度
600℃、空燃比14.6、時間5分、ガソリン中のS
濃度を3ppm以下にしてのS脱離操作を行なった
(1)。この後、ガソリン中のS濃度を300ppmと
し、再び10−15モードをN>Nlimになるまで繰
返し走行した(2)。この(1)の操作及び(2)の走
行をS脱離操作を行なってもN<Nlimにならなくな
るまで繰返した。なお、この時のNOx吸着手段の取外
し、前後を反転しての取り付けは人の手によって行なっ
た。
ず、図1に示すように排気ガスの流れをバイパスを用い
て切り換えた以外は、実施例4と同様の操作を繰返し走
行した。
に示すNOx吸着手段反転装置21を用いて行なった以
外は、実施例4と同様の操作を繰返し走行した。
ppmとし、排気量2000ccのエンジンの排気系に
上記排気ガス浄化装置を設置して、10−15モードを
N>Nlimになるまで繰返し走行した。また、NOx
吸着手段を反転しなかった。なお、これ以外は、実施例
1と同様の操作を繰返し走行した。
った以外は、実施例4と同様の操作を繰返し走行した。
℃にした以外は、実施例4と同様の操作を繰返し走行し
た。
Ox転化率が65%以下になってしまうまで10−15
モードを繰り返して走行できた回数を比較した。この結
果を表1に示す。なお、N<NlimであるときのNO
x転化率は、68〜70%であった。
段を反転するときは、10−15モードを走行できる回
数が約2倍に増えている。即ち、実施例1ではNOx吸
着材のSに対する耐久性が2倍になったことを意味す
る。なお、実施例2及び3から、排気ガスの流通方向の
切り換えを、迂回手段(図1)又は回動手段(図3)の
どちらで行っても、同様に耐久性が向上することがわか
る。また、実施例4及び比較例2から、NOx吸着手段
を反転することにより、10−15モードを走行できる
回数が約2倍に増えていることがわかる。これは、NO
x吸着手段を反転することによって、NOx吸着材から
脱離したSの再吸着が防止されたためであると考えられ
る。更に、実施例4及び比較例3から、NOx吸着手段
を反転しても、Sの脱離温度が本発明の好適範囲でない
ときは、10−15モードを走行できる回数が約1/3
になることがわかる。これは、600℃未満の温度では
脱離されるSが少ないためと考えられる。
ば、内燃機関等の排気流路に設置したNOx吸着手段を
流通する排気ガスの流れ方向を、適切に切り換えること
としたため、硫黄被毒を受けたNOx吸着材のNOx吸
収性能の低下を抑制し、長期に亘りNOxを効率良く吸
収(トラップ)することが可能となるNOx吸着材再生
装置、再生方法及び排気ガス浄化装置を提供することが
できる。
通方向を順方向(a)及び逆方向(b)に制御する際の
概略を示す図である。
である。
転装置の概略図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 窒素酸化物を吸着するNOx吸着材を担
体に担持したNOx吸着手段と、このNOx吸着手段へ
の排気ガスの流通方向を制御するガス流制御手段と、を
備え、 上記ガス流制御手段が、上記排気ガスの流通方向を、上
記NOx吸着手段における担体の一端側から他端側への
順方向、又は他端側から一端側への逆方向に切り換え可
能であることを特徴とするNOx吸着材再生装置。 - 【請求項2】 上記ガス流制御手段が、上記NOx吸着
手段を通過する本流路と、上記NOx吸着手段を迂回し
て上記担体の一端側から他端側に連通するバイパス流路
と、この本流路及びバイパス流路を開閉する弁を備える
ことを特徴とする請求項1記載のNOx吸着材再生装
置。 - 【請求項3】 上記ガス流制御手段が、上記NOx吸着
手段を反転可能な回動手段を備えることを特徴とする請
求項1又は2記載のNOx吸着再生装置。 - 【請求項4】 上記排気ガスの流通方向の切り換えを、
上記NOx吸着手段のNOx吸着材が硫黄被毒を受けて
窒素酸化物吸収性能が低下したときに行うことを特徴と
する請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のNOx吸
着材再生装置。 - 【請求項5】 上記排気ガスの流通方向の切り換えを行
った際に、排気ガスをストイキ〜リッチにし、上記NO
x吸着手段を600℃以上に加熱することを特徴とする
請求項4記載のNOx吸着材再生装置。 - 【請求項6】 上記NOx吸着材が、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類及び遷移金属から成る群より選
ばれた少なくとも1種の元素を含有することを特徴とす
る請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のNOx吸着
材再生装置。 - 【請求項7】 窒素酸化物を吸着するNOx吸着材を担
体に担持したNOx吸着手段に対し、排気ガスを、その
流通方向を上記NOx吸着手段における担体の一端側か
ら他端側への順方向、又は他端側から一端側への逆方向
に切り換えながら供給することを特徴とするNOx吸着
材再生方法。 - 【請求項8】 上記排気ガスの流通方向の切り換えを、
この排気ガスの流れ方向を変化させることにより行うこ
とを特徴とする請求項7記載のNOx吸着材再生方法。 - 【請求項9】 上記排気ガスの流通方向の切り換えを、
上記NOx吸着手段を反転させることにより行うことを
特徴とする請求項7又は8記載のNOx吸着材再生方
法。 - 【請求項10】 上記排気ガスの流通方向の切り換え
を、上記NOx吸着手段のNOx吸着材が硫黄被毒を受
けて窒素酸化物吸収性能が低下したときに行うことを特
徴とする請求項7〜9のいずれか1つの項に記載のNO
x吸着材再生方法。 - 【請求項11】 上記排気ガスの流通方向の切り換えを
行った際に、排気ガスをストイキ〜リッチにし、上記N
Ox吸着手段を600℃に加熱することを特徴とする請
求項10記載のNOx吸着材再生方法。 - 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか1つの項に記
載のNOx吸着蔵材再生装置をリーンバーン内燃機関の
排気ガス流路に設置して成る排気ガス浄化装置であっ
て、 上記NOx吸着手段における担体に、排気ガス浄化能を
有する触媒成分を更に担持して成ることを特徴とする排
気ガス浄化装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2000
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JP2002013413A (ja) * | 2000-04-28 | 2002-01-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の排気浄化装置 |
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