JP2001240758A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
硬化性樹脂組成物Info
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Abstract
れ、さらに、生成した硬化物の物性にも優れた、カルボ
キシル基/オキサゾリン基反応硬化系の硬化性樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 本発明に係る硬化性樹脂組成物は、カル
ボキシル基含有重合体の水分散体と多価オキサゾリン化
合物からなり、(1)組成物自体のpHが2.5以上7
未満であること、あるいは、(2)前記カルボキシル基
含有重合体の水分散体のpHが2.5以上7未満である
こと、あるいは、(3)前記カルボキシル基含有重合体
の水分散体におけるカルボキシル基の中和度が、カルボ
キシル基1当量に対して0.01以上0.3未満である
ことを特徴とする。
Description
に関する。さらに詳しくは、低温または、高温短時間処
理での硬化性に優れた硬化性樹脂組成物に関する。
体とオキサゾリン基を有する重合体とを混合して反応さ
せると、比較的短時間で架橋重合体が得られることがよ
く知られており(特公昭44−31821号公報、特開
昭52−19727号公報等)、この反応を利用した硬
化性樹脂組成物、すなわち、前記2種類の重合体の混合
により硬化性を発現させる硬化性樹脂組成物が塗装等の
分野で用いられている。そして、上記硬化性を発現させ
て硬化物を得るために、すなわち、カルボキシル基とオ
キサゾリン基との反応を十分に促進させるためには、熱
処理(一般に80℃以上)が必要であった。
使用条件によっては、あまり大きな熱処理を加えない
で、かつ、迅速に硬化反応を進行させたい場合がある。
例えば、通常常温乾燥のみで加熱処理が出来ない用途、
高温でも短時間処理が望まれる用途、あるいは、高温処
理できない基材(紙、プラスチック、木材等)に対する
塗料(コーティング剤を含む)、表面処理剤、接着剤、
シーリング剤等に使用する場合であるが、従来のカルボ
キシル基/オキサゾリン基反応硬化系の硬化性樹脂組成
物においては、このような低温または、高温短時間処理
での硬化性に優れたものはなかった。
温短時間処理においても硬化性に優れ、さらに、生成し
た硬化物の物性にも優れた、カルボキシル基/オキサゾ
リン基反応硬化系の硬化性樹脂組成物を提供することに
ある。
決するべく、鋭意検討を行った。その結果、カルボキシ
ル基/オキサゾリン基反応硬化系で水系の硬化性樹脂組
成物において、(1)組成物自体のpHを特定の範囲内
に調整することにより、あるいは、(2)カルボキシル
基含有重合体の水分散体のpHを特定の範囲内に調整す
ることにより、あるいは、(3)カルボキシル基の中和
度を特定の低い範囲に調整することにより、上記課題を
解決できることを見いだした。本発明は以上のようにし
て完成した。
は、カルボキシル基含有重合体の水分散体と多価オキサ
ゾリン化合物からなり、pHが2.5以上7未満である
ことを特徴とする。また、本発明に係る硬化性樹脂組成
物は、カルボキシル基含有重合体の水分散体と多価オキ
サゾリン化合物からなる硬化性樹脂組成物において、前
記カルボキシル基含有重合体の水分散体のpHが2.5
以上7未満であることを特徴とする。また、本発明に係
る別の硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基含有重合体
の水分散体と多価オキサゾリン化合物からなる硬化性樹
脂組成物において、前記カルボキシル基含有重合体の水
分散体におけるカルボキシル基の中和度が、カルボキシ
ル基1当量に対して0.01以上0.3未満であること
を特徴とする。
は、カルボキシル基含有重合体の水分散体と多価オキサ
ゾリン化合物からなり、(1)組成物自体のpHが2.
5以上7未満であること、あるいは、(2)前記カルボ
キシル基含有重合体の水分散体のpHが2.5以上7未
満であること、あるいは、(3)前記カルボキシル基含
有重合体の水分散体におけるカルボキシル基の中和度
が、カルボキシル基1当量に対して0.01以上0.3
未満であることを特徴としている。本発明において用い
るカルボキシル基含有重合体の水分散体(以下、重合体
(A)と称する)は、カルボキシル基含有重合体が水性
媒体に分散されてなるものであれば特に限定されるもの
ではないが、好ましくは、カルボキシル基含有単量体を
含む単量体組成物を重合させることにより、容易に得ら
れる。
的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケ
イ皮酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン
酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノエステル化物;こ
れら不飽和ジカルボン酸のモノアミド;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和ジカ
ルボン酸の無水物等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これらカルボキシル基含有単量体は、1種
類のみを用いてもよく、また、2種類以上を併用しても
よい。上記例示のカルボキシル基含有単量体のうち、不
飽和ジカルボン酸、該ジカルボン酸のモノエステル化
物、該ジカルボン酸のモノアミド、および、該ジカルボ
ン酸の無水物が好ましい。すなわち、エチレン結合を有
するジカルボン酸、および、その誘導体がより好まし
い。
成物(以下、単量体組成物(a)と称する)におけるカ
ルボキシル基含有単量体の割合は、1〜30重量%の範
囲内が好ましい。カルボキシル基含有単量体の割合が1
重量%未満であると、得られる重合体(A)が有するカ
ルボキシル基の量が少なくなりすぎ、オキサゾリン基と
十分に反応させることができなくなるので、好ましくな
い。また、カルボキシル基含有単量体の割合が30重量
%を超えると、得られる硬化物(架橋重合体)の耐水性
等が低下するので、好ましくない。単量体組成物(a)
に含まれるカルボキシル基含有単量体以外の単量体は、
カルボキシル基含有単量体と共重合し、かつ、カルボキ
シル基に対して不活性な化合物であればよく、特に限定
されるものではない。具体的には、例えば、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロメチルス
テレン、スチレンスルホン酸およびその塩、等のスチレ
ン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル
(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、等の(メタ)アクリルアミド誘導体;(メタ)アク
リル酸を炭素数1〜18のアルコールでエステル化して
なる、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸とポリプロピレングリコールもしくはポリエチレン
グリコールとのモノエステル化物、等のヒドロキシル基
含有(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレ
ン、n−ブテン、等のオレフィン;(メタ)アクリル酸
−2−スルホン酸エチルおよびその塩、ビニルスルホン
酸およびその塩、等の不飽和スルホン酸;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、等のビニル
エステル;(メタ)アクリロニトリル;メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテ
ル、ラウリルビニルエーテル、等のビニルエーテル;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール、ビニルピロリドン、等の塩基性不飽和
単量体;(メタ)アクリル酸を、例えば、エチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、等の多価アルコールで
エステル化してなる、分子内にエチレン結合を2個以上
有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)ア
クリルアミド、等のN−置換(メタ)アクリルアミド;
ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラ
ン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、等の有
機ケイ素含有不飽和単量体;(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸−2−メチルグリシジル、ア
リルグリシジルエーテル、等のエポキシ含有単量体;
(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸
−2−アジリジニルエチル、等のアジリジニル基含有単
量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイル
アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4
−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジン、等のピペリジン誘導体;等が
挙げられる。これら単量体は、1種類のみを用いてもよ
く、また、2種類以上を併用してもよい。
体組成物(a)の重合方法は、特に限定されず、公知の
種々の重合方法を採用することができる。この重合方法
としては、例えば、水性媒体中で溶液重合、乳化重合、
懸濁重合、または塊状重合させる方法が挙げられ、中で
も、乳化重合、懸濁重合が好ましく、特に乳化重合が好
ましい。また、懸濁重合の場合は、マイクロサスペンシ
ョン重合が特に好ましい。反応条件は、単量体成分の組
成等に応じて設定すればよく、特に限定されるものでは
ないが、例えば、反応温度は20〜150℃程度が好適
であり、反応時間は1〜24時間程度が好適である。ま
た、単量体成分は、例えば、反応器に一括して仕込んで
もよく、滴下等の方法によって連続的あるいは逐次的に
仕込んでもよい。上記の重合方法は、窒素ガス等の不活
性ガスの雰囲気下で行うことがより好ましい。
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)・二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸
カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;等の重合開
始剤を必要に応じて用いる。重合開始剤の使用量は、単
量体成分の組成等に応じて設定すればよく、特に限定さ
れるものではない。重合開始剤は、単量体成分と共に反
応器に一括して仕込んでもよく、滴下等の方法によって
連続的あるいは逐次的に仕込んでもよい。また、上記の
重合反応においては、必要に応じて、界面活性剤等を用
いることができる。
体に分散した状態で、重合体(A)が得られる。また、
これら公知の重合反応で得られたカルボキシル基含有重
合体を水性媒体に後分散させて重合体(A)としてもよ
い。なお、重合体(A)としては、カルボキシル基を導
入した付加重合系重合体、中でも、先に例示した単量体
群から得られるような、アクリル樹脂、アクリルシリコ
ーン樹脂、アクリル系共重合体樹脂(アクリル/スチレ
ン系樹脂等)などに代表されるアクリル系樹脂の分散体
や、SBR(スチレン/ブタジエンラバー)が好ましい
が、この他に、カルボキシル基を導入した重縮合系重合
体も用いることができる。カルボキシル基を導入した重
縮合系重合体は、カルボキシル基を1個以上含有する化
合物を含む原料を使用することにより得られ、例えば、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹
脂、ポリアミド樹脂等の分散体が挙げられる。これらの
ように分散体とする方法としては、公知の方法が広く用
いられるが、乳化重合、分散重合、重合物を攪拌や中和
により後分散させる方法、原料を分散させておいた後に
高分子量化する方法等を用いることができる。また、上
記の樹脂分散体の他に、カルボキシル基を導入したフッ
素含有樹脂、ポリオレフィン、エポキシ樹脂等の水分散
体も用いることができる。重合体(A)は、1種類のみ
を用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
例えば、水;水と均一に混合する溶剤と、水との混合溶
剤が挙げられる。上記の溶剤としては、具体的には、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、t−ブチルアルコール、等の低級アルコー
ル;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコール、等のグリコール;アセトン、メ
チルエチルケトン、等のケトン;等が挙げられる。これ
ら溶剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して
もよい。上記例示した水性媒体の中でも、水が特に好ま
しい。水性媒体の使用量は特に限定されない。
は、特に限定されないが、10〜200mgKOH/g
の範囲にあるのが好ましい。より好ましくは、20〜1
50mgKOH/gの範囲であり、さらに好ましくは、
20〜100mgKOH/gの範囲である。10mgK
OH/gより少ない場合には、架橋密度が不足し、得ら
れる硬化物の物性が低下する。また、200mgKOH
/gより多い場合には、硬化物の耐水性等に悪影響を及
ぼす恐れがある。本発明において用いる重合体(A)は
カルボキシル基含有重合体の水分散体であるが、その
際、カルボキシル基含有重合体が分散する水性媒体とし
ては、例えば、水;水と均一に混合する溶剤と、水との
混合溶剤が挙げられる。上記の溶剤としては、具体的に
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、等の低級ア
ルコール;エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコール、等のグリコール;アセト
ン、メチルエチルケトン、等のケトン;等が挙げられ
る。これら溶剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を
併用してもよい。上記例示した水性媒体の中でも、水が
特に好ましい。水性媒体の使用量は特に限定されない。
形分(不揮発分)の割合は、特に限定されないが、好ま
しくは1〜70重量%の範囲内であり、より好ましくは
30〜60重量%の範囲内である。本発明に係る硬化性
樹脂組成物においては、重合体(A)が有するカルボキ
シル基が塩基性化合物により部分中和されており、この
中和の程度を、pHあるいは中和度の調整によってコン
トロールすることにより、前述した本発明の課題が解決
できる。塩基性化合物としては、具体的には、例えば、
アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、n−ブチル
アミン、シクロヘキシルアミン等の1級アミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン等の2級アミン、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン
等の3級アミン、などの脂肪族アミン;ピペリジン、モ
ルホリン、N−エチルピペリジン、N−エチルモルホリ
ン、ピリジン、等のヘテロ環状アミン;ベンジルアミ
ン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、
等の芳香族アミン;テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド、等のテトラ
アルキルアンモニウムハライド;酢酸テトラメチルアン
モニウム等の有機酸テトラアルキルアンモニウム塩;硫
酸水素テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチ
ルアンモニウム、等の無機酸テトラアルキルアンモニウ
ム塩;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド、モノヒドロキシエチ
ル・トリメチルアンモニウムヒドロキシド、等の(ヒド
ロキシ)アルキルアンモニウムヒドロキシド;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、等のアルカリ金属水酸化
物;水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化ランタン、等の遷移金属水酸化物;ヘ
キサアンミン白金(IV)水酸化物、等の錯塩の遊離
塩;等が挙げられる。これらの中でも、揮発性の塩基性
化合物が好ましく、低沸点の塩基性化合物であるアンモ
ニア、3級アミンがより好ましく、アンモニアが特に好
ましい。これら塩基性化合物は、1種類のみを用いても
よいし、また、2種類以上を併用してもよい。
には、(1)重合体(A)のpHが2.5以上7未満で
あること、あるいは、(2)重合体(A)におけるカル
ボキシル基の中和度が、カルボキシル基1当量に対して
0.01以上0.3未満であることが好ましい。重合体
(A)のpHを2.5以上7未満に調整すれば、後述の
多価オキサゾリン化合物と混合して本発明の硬化性樹脂
組成物とした時に、従来のような大きな熱処理を加える
ことなく、低温で迅速に硬化反応が進行する。好ましく
は20〜100℃、より好ましくは20〜80℃で硬化
反応が進行する。また、硬化により得られる硬化物の物
性が優れており、特に、耐溶剤性、耐水性、強度、光
沢、乾燥性に優れた硬化物が得られる。重合体(A)の
pHが2.5よりも小さいと、硬化性樹脂組成物の貯蔵
安定性が悪くなり、室温において保存している間にカル
ボキシル基とオキサゾリン基との架橋反応が起こってし
まい、ゲル化等が生じてしまう。また、重合体(A)の
pHが7以上であると、貯蔵安定性は改善されるもの
の、硬化させるために加熱処理が必要となり、本発明の
目的である低温または、高温短時間処理での硬化性が十
分に発現できない。
和度を、カルボキシル基1当量に対して0.01以上
0.3未満に調整すれば、後述の多価オキサゾリン化合
物と混合して本発明の硬化性樹脂組成物とした時に、従
来のような大きな熱処理を加えることなく、低温また
は、高温短時間処理で迅速に硬化反応が進行する。好ま
しくは20〜100℃、より好ましくは20〜80℃で
硬化反応が進行する。また、硬化により得られる硬化物
の物性が優れており、特に、耐溶剤性、耐水性、強度、
光沢、乾燥性に優れた硬化物が得られる。重合体(A)
におけるカルボキシル基の中和度が0.01よりも小さ
いと、硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなり、室温
において保存している間にカルボキシル基とオキサゾリ
ン基との架橋反応が起こってしまい、ゲル化等が生じて
しまう。また、重合体(A)におけるカルボキシル基の
中和度が0.3以上であると、貯蔵安定性は改善される
ものの、硬化させるために加熱処理が必要となり、本発
明の目的である低温または、高温短時間処理での硬化性
が十分に発現できない。
合物(以下、化合物(B)と称する)は、2個以上のオ
キサゾリン基を有する低分子化合物であっても、オキサ
ゾリン基含有重合体であってもよいが、オキサゾリン基
含有重合体が好ましい。また、化合物(B)は、1種類
のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
2個以上のオキサゾリン基を有する低分子化合物として
は、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’
−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−
エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ト
リメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−
テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,
2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、
2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチ
ル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−
ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレ
ン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェ
ニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)ス
ルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)
スルフィド等を挙げることができ、これらの群から選ば
れる1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
(1)で表されるオキサゾリン基を有する重合体であれ
ばよく、特に限定されるものではない。
付加重合性オキサゾリンを必須成分として含み、必要に
応じて付加重合性オキサゾリンと共重合可能な単量体を
含む単量体成分を重合させることにより、容易に得られ
る。一般式(2)中のR5 で表される置換基は、アルケ
ニル基、または、シクロアルケニル基が好ましい。
具体的には、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、
2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチ
ル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これら付加重合
性オキサゾリンは、1種類のみを用いてもよく、また、
2種類以上を併用してもよい。上記例示の付加重合性オ
キサゾリンの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリンが、工業的に入手しやすいので、より好ましい。
限定されるものではないが、単量体成分中において、5
重量%以上となる量であることが好ましく、より好まし
くは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜60重量
%、特に好ましくは30〜60重量%である。5重量%
未満であると、前述の重合体(A)と組み合わせて本発
明の硬化性樹脂組成物とした時に硬化させて得られる硬
化物の耐久性や耐水性が低下するおそれがあり、好まし
くない。また、60重量%を超えた場合には、耐水性に
悪影響を及ぼすおそれがあるので、好ましくない。付加
重合性オキサゾリンと共重合可能な単量体としては、具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)ア
クリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、
(メタ)アクリル酸−2−アミノエチルおよびその塩、
(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物、(メタ)
アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン等の(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カ
リウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)
アクリル酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキ
シエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル;エチレン、プロピレン等のα−オレフィ
ン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハ
ロゲン含有・α,β−不飽和脂肪族炭化水素;スチレ
ン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム等のα,β−不飽和芳香族炭化水素;等が挙げられ
る。これら単量体は、1種類のみを用いてもよく、ま
た、2種類以上を併用してもよい。
の配慮などから、水性であることが望ましいので、化合
物(B)として水溶性、水希釈性、または、水分散性の
オキサゾリン基含有重合体を用いることが好ましく、特
に、水溶性のオキサゾリン基含有重合体が好ましい。重
合に供する単量体成分中の親水性単量体の割合を50重
量%以上とすることで、水溶性のオキサゾリン基含有重
合体を得ることができ、水溶性と硬化性の面から60〜
90重量%とすることがより好ましい。上記親水性単量
体しては、上述の付加重合性オキサゾリン、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メ
トキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸と
ポリエチレングリコールのモノエステル化物、(メタ)
アクリル酸2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)ア
クリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウ
ム、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2
−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で
も、水への溶解性の高い、(メタ)アクリル酸メトキシ
ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸とポリエ
チレングリコールとのモノエステル化物等のポリエチレ
ングリコール鎖を有する単量体が好ましい。
特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用すること
ができる。この重合方法としては、例えば、水性媒体中
で溶液重合、乳化重合、懸濁重合、または塊状重合させ
る方法が挙げられる。反応条件は、単量体成分の組成等
に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない
が、例えば、反応温度は20〜150℃程度が好適であ
り、反応時間は1〜24時間程度が好適である。また、
単量体成分は、例えば、反応器に一括して仕込んでもよ
く、滴下等の方法によって連続的あるいは逐次的に仕込
んでもよい。上記の重合方法は、窒素ガス等の不活性ガ
スの雰囲気下で行うことがより好ましい。
に混合する溶剤と、水との混合溶剤が挙げられる。上記
の溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコール、等の低級アルコール;エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ル、等のグリコール;アセトン、メチルエチルケトン、
等のケトン;等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用
いてもよく、2種類以上を併用してもよい。上記例示し
た水性媒体の中でも、水が特に好ましい。水性媒体の使
用量は特に限定されない。
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)・二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸
カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;等の重合開
始剤を必要に応じて用いる。重合開始剤の使用量は、単
量体成分の組成等に応じて設定すればよく、特に限定さ
れるものではない。重合開始剤は、単量体成分と共に反
応器に一括して仕込んでもよく、滴下等の方法によって
連続的あるいは逐次的に仕込んでもよい。また、上記の
重合反応においては、必要に応じて、界面活性剤等を用
いることができる。
して、ポリマーの後変性でオキサゾリン基を導入したも
のも使用可能であり、具体的には、ニトリル基を有する
ポリマーとモノアミノアルコールとを反応させる方法
(特開平9−235320号公報)や、ポリメタクリル
酸エステルのエステル部分にモノエタノールアミンを反
応させ、更に脱水環化させてオキサゾリン基を導入する
方法(米国特許第5705573号)等が挙げられる。
本発明において用いる化合物(B)中の固形分(不揮発
分)の割合は、特に限定されないが、好ましくは1〜7
0重量%の範囲内であり、より好ましくは10〜50重
量%の範囲内である。
上記重合体(A)の割合は、特に限定されるものではな
いが、重量比で、全組成物に対して重合体(A)が10
〜99.9重量%の範囲にあることが好ましく、20〜
99.5重量%の範囲にあることがより好ましく、50
〜98重量%の範囲にあることが特に好ましい。本発明
に係る硬化性樹脂組成物中における上記化合物(B)の
割合は、特に限定されるものではないが、重量比で、全
組成物に対して化合物(B)が0.1〜90重量%の範
囲にあることが好ましく、0.5〜80重量%の範囲に
あることがより好ましく、2〜50重量%の範囲にある
ことが特に好ましい。
の範囲外の場合は、カルボキシル基およびオキサゾリン
基のいずれか一方の官能基が極端に不足し、架橋反応が
十分に進行しなくなるおそれがあるので好ましくない。
すなわち、得られる硬化物の物性が低下するおそれがあ
るので好ましくない。本発明に係る硬化性樹脂組成物中
における重合体(A)と化合物(B)の割合は、好まし
くは上記の通りであるが、本発明のより好ましい形態と
して、重量比で、重合体(A)に対して化合物(B)が
0.1〜100重量%の範囲にあることがより好まし
く、0.5〜50重量%の範囲にあることがさらにより
好ましく、2〜20重量%の範囲にあることが特に好ま
しい。0.1重量%以下では硬化の程度が不充分であ
り、100重量%より多い場合には反応に寄与しない化
合物(B)が多く残存し、耐水性に悪影響を及ぼすおそ
れがある。
記重合体(A)、化合物(B)、および、重合体(A)
の中和に用いる塩基性化合物の濃度は、硬化物の形成に
支障を来さない程度の濃度であればよく、特に限定され
るものではない。また、重合体(A)、化合物(B)、
および、重合体(A)の中和に用いる塩基性化合物の混
合方法や混合順序は、特に限定されるものではないが、
重合体(A)と塩基性化合物とを混合した後、この混合
物に化合物(B)を混合する方法が、貯蔵安定性がより
一層向上するので好ましい。また、必要に応じて、水性
媒体を用いて所望の濃度に希釈してもよい。
応じて、公知の硬化剤や、硬化を促進する触媒を含んで
いてもよく、さらに、顔料、顔料分散剤、充填剤(フィ
ラー)、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、
可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、粘度調整剤等の添加
剤を含んでいてもよい。硬化剤としては、例えば、水性
アミノ樹脂や水性ポリイソシアネート化合物、ブロック
ドポリイソシアネート化合物、アジリジン化合物、カル
ボジイミド化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。触
媒としては、例えば、四級アンモニウム塩や四級ホスホ
ニウム塩等の四級塩等が挙げられる。顔料としては、公
知の塗料等に用いられている有機顔料や無機顔料を採用
することができる。充填剤としては、公知の成形材料等
に用いられている充填剤を採用することができる。
には、前述のように、(1)重合体(A)のpHが2.
5以上7未満であること、あるいは、(2)重合体
(A)におけるカルボキシル基の中和度が、カルボキシ
ル基1当量に対して0.01以上0.3未満であること
が好ましいが、さらに、(1)、(2)の要件の有無に
かかわらず、組成物自体のpHが2.5以上7未満であ
れば、本発明の硬化性樹脂組成物となる。硬化性樹脂組
成物のpHを2.5以上7未満に調整すれば、従来のよ
うな大きな熱処理を加えることなく、低温または、高温
短時間処理で迅速に硬化反応が進行する。好ましくは2
0〜100℃、より好ましくは20〜80℃で硬化反応
が進行する。また、硬化により得られる硬化物の物性が
優れており、特に、耐溶剤性、耐水性、強度、光沢に優
れた硬化物が得られる。硬化性樹脂組成物のpHが2.
5よりも小さいと、硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪
くなり、室温において保存している間にカルボキシル基
とオキサゾリン基との架橋反応が起こってしまい、ゲル
化等が生じてしまう。また、硬化性樹脂組成物のpHが
7以上であると、貯蔵安定性は改善されるものの、硬化
させるために加熱処理が必要となり、本発明の目的であ
る低温または、高温短時間処理での硬化性が十分に発現
できない。
ように、低温または、高温短時間処理での硬化性に優
れ、また、硬化により得られる硬化物の物性が優れてお
り、特に、耐溶剤性、耐水性、強度、光沢、乾燥性に優
れた硬化物が得られる。したがって、従来からの用途の
なかでも特に、通常常温乾燥のみで加熱処理が出来ない
用途、高温でも短時間処理が望まれる用途、あるいは、
高温処理できない基材(紙、プラスチック、木材等)に
対する塗料(コーティング剤を含む)、表面処理剤、接
着剤、シーリング剤、オーバープリントワニス等の紙用
コーティング、インキ、フィルムコーティング、フィル
ム・紙等のラミネート、塗料、プラスチック・紙等のク
リヤートップ、繊維処理剤などに使用する場合などの、
低温または、高温短時間処理での硬化性が要求される用
途に好適である。
ては、例えば、刷毛塗り塗装やロール塗装、スプレー塗
装、浸漬塗装、流れ塗装等の公知の方法を採用すること
ができる。塗装を施す基材(被塗布物)としては、具体
的には、例えば、鉄やステンレス、アルミニウム等の金
属、紙、プラスチック、合成皮革、木材、ガラス、織
布、不織布、各種合成樹脂等が挙げられ、特に限定され
ないが、本発明の硬化性樹脂組成物の特徴である低温ま
たは、高温短時間処理での硬化性が十分に発揮できる点
で、特に、熱処理しないほうが好ましい場合がある基
材、例えば、紙、プラスチック、合成皮革、木材などに
は好適である。これら基材に本発明の硬化性樹脂組成物
を塗布した後、乾燥させることにより、重合体(A)が
有するカルボキシル基と化合物(B)が有するオキサゾ
リン基とが架橋反応して、硬化する。乾燥方法は特に限
定されない。
の使用現場において調製して使用してもよい。すなわ
ち、未中和の重合体(A)、重合体(A)を中和するた
めの塩基性化合物、および、化合物(B)を現場で混合
する形態や、あらかじめpHを2.5以上7未満の範囲
に中和した重合体(A)と化合物(B)を現場で混合す
る形態等が挙げられる。しかしながら、未中和の重合体
(A)と化合物(B)を混合するとゲル化が生じやすい
ため、後者、すなわち、あらかじめpHを2.5以上7
未満の範囲に中和した重合体(A)に化合物(B)を添
加して本発明の硬化性樹脂組成物を得る方法を採用する
ことが好ましい。
際の現場での使用環境(温度、湿度、対象物の種類等)
に応じて、重合体(A)の前記pHの範囲内で自由に調
整できるので、実際の現場での使用環境に最適な硬化速
度や硬化程度を得ることができる。
はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以
下において「部」とあるのは「重量部」を意味する。ま
た、pHは、F−8型pHメーター((株)堀場製作所
製)を用いて測定した。 (製造例1:カルボキシル基含有重合体水分散液(A1
〜A6)の製造)攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び
温度計を備えたフラスコに、脱イオン水640部及びハ
イテノールN−08(第一工業製薬株式会社製のポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム
塩)の15%水溶液128部を仕込み、ゆるやかに窒素
ガスを流しながら70℃に加熱した。そこへ過硫酸カリ
ウムの5%水溶液を64部注入し、予め調整しておいた
アクリル酸ブチル320部、メタクリル酸メチル29
4.4部及びアクリル酸25.6部からなる単量体混合
物を3時間にわたって滴下した。反応中は窒素ガスを流
し続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保った。滴下
終了後も2時間同じ温度に保った後、内温を80℃に昇
温させて1時間攪拌を続けて反応を完結させた。その後
冷却し、固形分(不揮発分)45.1重量%、pH2.
3のカルボキシル基含有重合体水分散液(A0)を得
た。
水分散液(A0)に、7%アンモニア水、イオン交換水
を表1に示した割合で配合し、中和度およびpHを調整
したカルボキシル基含有重合体水分散液(A1〜A6)
を製造した。得られたカルボキシル基含有重合体水分散
液(A1〜A6)の中和度およびpHは表1に示した通
りであった。
(B1)の製造)攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び
温度計を備えたフラスコに、イソプロピルアルコール4
60.6部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら
80℃に加熱した。そこへ予め調整しておいた、メタク
リル酸メチル126部、2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン210部、メトキシポリエチレングリコールア
クリレート(共栄社化学株式会社製ライトアクリレート
130A)84部からなる単量体混合物と、ABN−E
(日本ヒドラジン工業株式会社製の重合開始剤:2,
2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))21
部、イソプロピルアルコール189部からなる開始剤溶
液をそれぞれ滴下ロートよより2時間かけて滴下した。
反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を80
℃±1℃に保った。滴下終了後も5時間同じ温度に保っ
た後冷却し、固形分(不揮発分)40.4重量%、pH
8.7、粘度570センチポイズの、溶液状の2−オキ
サゾリン基含有共重合体(B1)を得た。
水分散体(B2)の製造)攪拌機、還流冷却器、窒素導
入管及び温度計を備えたフラスコに、脱イオン水78
2.4部及びハイテノールN−08(第一工業製薬株式
会社製のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫
酸アンモニウム塩)の15%水溶液128部を仕込み、
ゆるやかに窒素ガスを流しながら70℃に加熱した。そ
こへ過硫酸カリウムの5%水溶液を64部注入し、予め
調整しておいたアクリル酸ブチル288部、スチレン2
88部及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリン64
部からなる単量体混合物を3時間にわたって滴下した。
反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を70
±1℃に保った。滴下終了後も2時間同じ温度に保った
後、内温を80℃に昇温させて1時間攪拌を続けて反応
を完結させた。その後冷却し、固形分(不揮発分)3
9.8重量%、pH8.0のオキサゾリン基含有共重合
体水分散体(B2)を得た。
で得られたカルボキシル基含有重合体水分散液(A1〜
A6)と、製造例2または3で得られたオキサゾリン基
含有共重合体(B1)またはオキサゾリン基含有共重合
体水分散体(B2)とを、表2、3に示した割合で配合
し、水性樹脂組成物(C1〜C4)と比較水性樹脂組成
物(D1〜D4)を得た。得られた組成物の混和性、お
よび、組成物のpHについても表2、3に示した。次
に、上記水性樹脂組成物(C1〜C4)と比較水性樹脂
組成物(D1〜D4)を、23±2℃、65±3%RH
の条件下で、四弗化エチレン樹脂の板上にキャストした
後、24時間放置して厚さ約0.3mmのフィルムを作
成した。その後、得られたフィルムを80℃で10分、
30分で処理を加えた。試験片については熱処理を加え
ないもの、80℃×10分熱処理したもの、80℃×3
0分熱処理したものの3種類を用い、以下の試験を行っ
た。結果を表2、3に示した。
その重量膨潤率を下式に従って算出した。膨潤率が小さ
いほど、耐溶剤性は良好である。 重量膨潤率(%)=[ (浸漬後の重量−浸漬前の重量)
/(浸漬して乾燥した後の重量] ×100 (2)吸水率 (1)の試験条件に於いて、浸漬する溶剤をキシレンか
らイオン交換水に変更した以外は全く同様にして、下記
式に従って吸水率を算出した。膨潤率が小さいほど、吸
水率は良好である。
漬前の重量)/(浸漬して乾燥した後の重量] ×100 (3)フィルム強度 インストロン万能試験機を用い、引っ張り速度5cm/
分で測定した。 (4)耐水フィルム強度 室温でイオン交換水に24時間浸漬した後のフィルム強
度を、(3)と同様の方法で測定した。 (5)光沢 前記組成物を、23±2℃、65±3%RHの条件下
で、ガラス板上に塗布した後、室温で24時間放置し
て、膜厚約0.01mmの塗膜を作成した。得られた塗
膜を試験片とし、目視による光沢を評価(○:光沢あり
×:光沢無し)した。
性樹脂組成物(D1とD2)について、23±2℃、6
5±3%RHの条件下で、ガラス板上に塗布時の膜厚が
約0.2mmとなるように塗布した後、RC型ドライン
グレコーダー(太佑機材株式会社製)を用いて、乾燥時
間を測定した。
間処理での硬化性に優れ、さらに、硬化により得られる
硬化物の物性が優れており、特に、耐溶剤性、耐水性、
強度、光沢、乾燥性に優れた硬化物が得られる、硬化性
樹脂組成物が提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】カルボキシル基含有重合体の水分散体と多
価オキサゾリン化合物からなり、pHが2.5以上7未
満である、硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】カルボキシル基含有重合体の水分散体と多
価オキサゾリン化合物からなる硬化性樹脂組成物におい
て、前記カルボキシル基含有重合体の水分散体のpHが
2.5以上7未満であることを特徴とする、硬化性樹脂
組成物。 - 【請求項3】カルボキシル基含有重合体の水分散体と多
価オキサゾリン化合物からなる硬化性樹脂組成物におい
て、前記カルボキシル基含有重合体の水分散体における
カルボキシル基の中和度が、カルボキシル基1当量に対
して0.01以上0.3未満であることを特徴とする、
硬化性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000052607A JP2001240758A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 硬化性樹脂組成物 |
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