JP2001240438A - 不焼セメント及びそれを用いた建物の床下構造 - Google Patents
不焼セメント及びそれを用いた建物の床下構造Info
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Abstract
なく、製造コストが極めて安価な不焼セメントの製造と
それを用いた防湿性に優れ、建物の耐久性が向上し、し
かも安価な床下構造の提供。 【解決手段】 二水石膏とSiO2−Al2O3−Ca
Oを主成分とするガラス質スラグからなる組成物に、金
属アルミニウムが2%以上加えられた混合物を、苛性ソ
ーダ又は炭酸ソーダによってpH12以上に調整された
水溶液で軟泥状に調整し、金属アルミニウムの酸化によ
る自己発熱反応による熱水条件下で合成された、ゲル状
物を乾燥し粉末とした不焼セメント及び床下の地面上
に、上記不焼セメントからなる調湿層が敷設されてなる
ことを特徴とする建物の床下構造。
Description
それを用いた建物の床下構造に関し、特に電力、建材等
の産業界又は都市ゴミ処理から多量に排出されるスラグ
類及び建築廃棄物として排出される石膏ボードなどの未
利用資源をリサイクルし、環境改善に効果を持つ水硬性
セメントを、熱エネルギーを消費しない不焼成処理で製
造する不焼セメント及びそれを用いた建物の床下構造に
関する。
して、石灰や石膏との組み合わせによる水硬性セメント
材料は古くから数多くの研究開発が世界的に行われて来
た。特に、無水石膏を約15%含む高硫酸塩スラグセメ
ントは、不焼セメントとして欧州では実用化されたが、
我国では構造用コンクリートとして、硬化条件、強度等
の条件からなお、課題を残し現状では市場にないが、一
部大手建材メーカーではオートクレーブによる熱水硬化
をさせたボードとして市販されている。
ミン酸硫酸カルシウム水和物であるエトリンガイト(3
CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)であ
る。エトリンガイトは、間隙質表面を被覆して間隙質の
水和を抑制し、コンクリートの正常な凝結をもたらす役
割を果たすと共に、硬化時に膨張する特徴を持つため、
コンクリートの膨張材、超速硬セメントとして各種銘柄
の製品も市販されている。またエトリンガイトを主成分
とするセメント材料類は、土壌固化剤、或いは重金属溶
出防止抑制剤としても既に公知のものである。
るセメントは、予め高温度で焼成し合成されたCaO・
Al2O3にあとから石膏を加えてエトリンガイトを生
成させ結晶化させて硬化させる方法や、高炉スラグに対
し少量のアルカリを加えてCaOやAl2O3成分を反
応溶出させて、120〜130℃の温度下で熱硬化させ
ると高強度のセメントであるスラグ−アルカリセメント
(SAC)が得られる方法(B.Forss,Sili
cates Industriels,1983
(3),78(1983))がある。後者の方法におい
ては、高炉スラグとNaOHの反応で、Al2O3を充
分溶出させるには常温では十数日を要し、Al 2O3の
溶出した後の固相界面で、高温下のCaとSiとの反応
によるケイ酸カルシウム水和物(C−S−H)の生成が
硬化反応を複雑にして製品のクラックの発生が起こるも
のと推定され、長時間処理や高温処理が必要とされ多量
のエネルギーを必要としていた。
建物の床下の地面からの湿気を防ぐためには、地面上に
防湿シートを敷設し、この上にコンクリートを打設した
り、あるいはこの防湿シートの上に押さえのために砂を
敷設したり(特開平8−209713号公報)、また、
床下に侵入してくる水分を排除するために、床下の地面
上に不織布の透水性シートを設け、この上に砕石層を設
け、砕石層の中に排水管を設け、砕石層の上に木炭粒の
層を設けた技術(特開平6−158678号公報)等が
あり、さらに、製鋼スラグの一種である転炉スラグを軟
弱地盤層に杭状に充填して、地盤を改良する技術(特開
平6−116937号公報)がある。
し、この上にコンクリートを打設したり、あるいはこの
防湿シートの上に押えのために砂を敷設するものは、地
面からの湿気は防湿シートで遮断しているが、室内側か
ら床を通してやってくる湿気について配慮されていない
ため、換気の良くない床下では結露が生じ、建物を損傷
することがあり、特に、建物の周囲の基礎を断熱し、床
下換気を行なわない基礎断熱工法においては、建物の耐
久性が低下する問題があった。
防湿効果のある木炭粒を用いているが、床下の地面の最
下層に不織布の透水性シートを設けているので、地面か
らの湿気を遮断していないため、地面からの湿気の遮断
が完全ではなく、建物の床下が結露などで損傷すること
があった。しかも、木炭粒は比較的高価であり、経済的
ではなかった。さらに、転炉スラグによる軟弱地盤改良
工法は、埋立地や塩田地帯などの地盤改良を行なうもの
であり、建物の床下の調湿を行なうものではなく、転炉
スラグの毛細管現象による水分の排出、地盤の圧密と、
転炉スラグ中の遊離石灰相の水和反応による膨張現象や
転炉スラグと化学活性の強い土との反応により、地盤の
圧密、改良が行なわれるものにすぎなかった。
融スラグ、高炉スラグ、鋳物スラグ等のガラス質スラグ
や排煙脱硫石膏等の未利用資源から、エネルギー消費が
少なく、製造コストが極めて安価な不焼セメントの製造
とそれを用いた建物の床下の防湿性に優れ、建物の耐久
性が向上し、しかも安価な床下構造を提供することを目
的とする。
を解決するため、鋭意研究を行った結果、ガラス質スラ
グ類と石膏からエトリンガイトを主成分とするセメント
を生成させる際の熱水合成条件に金属アルミニウムの酸
化による自己発熱現象と共に水素の発生による反応速進
効果を利用することにより不焼セメントが得られること
を見出し、さらに該不焼セメントは、調湿性に優れ、建
物の床下構造に用いると、建物を湿気から守り、耐久性
を向上させることを見出し本発明を完成した。
膏とSiO2−Al2O3−CaOを主成分とするガラ
ス質スラグからなる組成物に金属アルミニウムが2%以
上加えられた混合物を、苛性ソーダ又は炭酸ソーダによ
ってpH12以上に調整された水溶液で軟泥状に調整
し、金属アルミニウムの酸化による自己発熱反応による
熱水条件下で合成された、ゲル状物を乾燥し、粉末とし
た不焼セメントである。
Al2O3−CaOを主成分とするガラス質スラグ類
は、SiO2が20〜50重量%、Al2O3が10〜
20重量%、CaOが30〜50%、その他が10重量
%の組成からなる都市ゴミ溶融スラグ、高炉スラグ、鋳
物スラグの中から選ばれた一種以上である第1の発明に
記載の不焼セメントである。
上に、第1又は第2の発明に記載の不焼セメントからな
る調湿層が敷設されてなることを特徴とする建物の床下
構造である。
上に、防湿層が形成され、この防湿層の上に第1又は第
2の発明に記載の不焼セメントからなる調湿層が敷設さ
れてなることを特徴とする建物の床下構造である。
部の基礎に断熱材層が設けられ、その建物の床下の地面
上に、第1又は第2の発明に記載の不焼セメントからな
る調湿層が敷設されてなることを特徴とする建物の床下
構造である。
リート製の基礎底盤の上に鋼製基礎が設けられ、鋼製基
礎の外側に断熱材層が設けられ、断熱材層の外側に保護
化粧材が設けられ、鋼製基礎の内側の床下に第1又は第
2の発明に記載の不焼セメントからなる調湿コンクリー
ト層が設けられていることを特徴とする建物の基礎構造
である。
コンクリート製の基礎底盤を設け、この基礎底盤の上に
鋼製基礎を設置し、鋼製基礎の外側に断熱材層を介して
保護化粧材を設けるとともに鋼製基礎の内側の地盤上に
防湿層を介して第1又は第2の発明に記載の不焼セメン
トからなる調湿コンクリート層を設けることを特徴とす
る建物の基礎構造の施工方法である。
Al2O3・3CaSO4・32H2O)を主成分とす
るセメント組成物であり、SiO2−Al2O 3−Ca
Oを主成分とするガラス質スラグ類中の主成分であるA
l2O3とCaO成分を二水石膏(CaSO4)と反応
させて、アルミン酸硫酸カルシウムの水和物の無定形の
ゲル状物を生成させ、乾燥し粉末とするプロセスを経て
製造され、その際のAl2O3成分の調整を兼ねる加熱
を、金属アルミニウムの酸化による自己発熱反応からの
熱により行うものである。
ガラス質スラグ類は、SiO2−Al2O3−CaOを
主成分とするスラグ類であればどのようなものであって
もよいが、最終製品のエトリンガイト成分を多量に含有
する組成物とするためには、ガラス質スラグの成分とし
て、SiO2が20〜50重量%、Al2O3が10〜
20重量%、CaOが30〜50重量%、その他が10
重量%の範囲のものが好ましい。この範囲外の組成のガ
ラス質スラグ類は、エトリンガイト成分を生成させる上
で不十分であり、原料スラグはこの範囲の制約の中で各
種のスラグを選ぶ必要がある。この範囲にある原料スラ
グとしては、高炉スラグ、鋳物スラグ、都市ゴミ溶融ス
ラグ等が挙げられる。特に、従来技術に於ける開発はす
べて高炉スラグによるものであるが、本発明は都市ゴミ
スラグ等現在廃棄物として多量に排出されるスラグにお
いても十分可能であることを実験により確認したもので
ある。
石膏である排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、ふ
っ酸石膏が挙げられるが、排煙脱硫石膏が好ましい。
いの容易さから、アルミニウム溶解時に発生する微粉末
の集塵ダストであるアルミドロス等を用いることができ
る。
て、SiO2−Al2O3−CaOを主成分とするガラ
ス質スラグに、pH12以上になるようにNaOH又は
炭酸ソーダを加えた高アルカリ液を反応させ、スラグの
ガラス質表面を構成する網目構造体を形成するSiO2
の鎖状結合が、強アルカリにより切断されると、この網
目状構造体に取り込まれた形のAl2O3、CaOなど
が溶出する。この際、水溶液のpHが12以下では、反
応は数時間を要し、pH12以上にすると十数分で全反
応が終わる。
相界面では、CaとSiが反応し、水和反応が起こり、
CaO−SiO2−H2O系水和物(C−S−H)が生
成される。
石膏からのCaSO4と反応し、液相中のAlを取り込
んで消費しながらカルシウムアルミネート系水和物であ
る3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O
(エトリンガイト)を主成分とするセメント組成物を生
成して行くという反応であり、これらの3段階の反応を
推進させるには加熱処理をすることが必要である。
熱下の熱水合成条件を金属アルミニウムの酸化発熱反応
を利用して達成しようとするものである。すなわち、金
属アルミニウムは次式のように酸化されて発熱する。 Al+3/4O2=1/2Al2O3+199.6Kc
al この反応により、Al1g当たり、7.4Kcalを発
熱し、この熱量を上記反応系の熱水条件を造るために用
いる。
定する。原料スラグ中のAl2O3とCaOの量からエ
トリンガイト組成を算定し、合成するに必要な石膏の添
加量を算出する。Al2O3の成分の補正は、金属アル
ミニウムで行ない、CaOの量の調整は必要により水酸
化カルシウムで行なうが、組成物中のエトリンガイト組
成物が少なくとも、70%以上となるように調整する。
また、エトリンガイト組成物を合成するためにはスラグ
原料の約50重量%の水を加えて行うのが好ましく、こ
れらの水分を200℃に加熱するに必要な熱量と水が蒸
発して潜熱として失う約550Kcal/kgの差に相
当する熱量が必要である。したがって、金属アルミニウ
ムによって熱水条件を造り出すには、原料スラグの2重
量%以上が必要である。金属アルミニウムの量が原料ス
ラグの2重量%未満では、熱量が不足し、十分なエトリ
ンガイト組成物が得られない。
炭酸ソーダとの反応によって急速に溶解し、錯イオン、
すなわち無定形のヒドロキソアミン酸イオン[Al(O
H) 4]−となり、スラグからの溶出成分と合わせて、
極めて効果的に石膏との反応が起こるものと考えられ
る。
無定形のゲル状物は、多水状態で長時間経過すると水和
反応化合物の結晶化が始まり硬化するため、合成された
ゲル状物は速やかに乾燥脱水させて、結晶化を防止する
必要があり、ゲル状乾燥物を得るためには少なくとも2
%以上の熱量が必要であり、水分が多くなると更にアル
ミニウムを補正するのが好ましい。
加による水素の発生は、極めて効果的に反応全体に作用
していると考えられ、アルミニウムを使用せず生石灰
(CaO)の添加による発熱反応を比較検討してみた
が、生石灰の場合は合成生成物は一部結晶化して硬化
し、無定形の状態では生成されず乾燥粉末製品に加水し
ても強度の発現は弱いものであった。
床下の構造の調湿層として用いることにより、地面から
の湿気及び室内からの湿気がこの調湿層により、調製さ
れ、快適な空間が形成できるとともに、上記のように安
価に製造できるため省資源となる。
石膏、製鋼スラグ、マグネシアセメント、木炭などと混
合して用いても良く、また、これらに発泡剤を加えて発
泡させて吸放湿量を上げるようにしてもよい。さらに抗
菌効果もあるものを用いると、防かび等、更に床下の耐
久性が向上し、好ましい。調湿層の厚みとしては、10
mm〜200mmの範囲が好ましい。薄すぎると調湿効
果が小さくなり、厚すぎると調湿効果は向上するがスペ
ースをとったり、高価になり経済的でない。
に、防湿層が成形され、この防湿層の上に上記不焼セメ
ントからなる調湿層が敷設されてなるから、地面からの
湿気は防湿層により遮断され、室内からの湿気や乾燥し
すぎの状態は調湿層により調整され、湿度が略一定で耐
久性のあるものにできる。
気が床下や室内に侵入するのを防止する層のことであ
り、例えば、ポリエチレンシート等のプラスチック性の
防湿シートやリサイクル材の石膏やプラスチック廃材を
用いて防湿効果のある層を形成したもの等があげられ
る。防湿層の厚みとしては、0.1mm〜150mmの
範囲が好ましい。薄すぎると破れる危険があり、厚すぎ
るとスペースをとったり、高価になり経済的でない。ま
た、防湿シートとしては、ポリエチレンシートなどの住
宅用プラスチック系防湿シート(JIS A 693
0)などであり、その厚みとしては、0.1mm〜5m
mのものが好ましい。薄すぎると破れる危険があり、厚
すぎると高価になり経済的でない。
部の基礎に断熱材層が設けられ、その建物の床下の地面
上に、上記不焼セメントからなる調湿層が敷設されてな
るから、床を断熱する必要がなく、しかも、床下や室内
からの湿気は調湿層により調整され、快適な空間が形成
できるとともに耐久性あるものにできる。
発泡体、ポリウレタン発泡体、フェノール樹脂発泡体、
発泡コンクリートなどからなるものであり、基礎の内外
のどちらに設けてもよい。断熱材層の厚みとしては、1
0mm〜150mmの範囲が好ましい。薄すぎると断熱
効果が低下し、厚すぎるとスペースをとったり高価にな
り経済的でない。
鋼製基礎の外側に断熱材層及び保護化粧材が設けらてい
るような建物の基礎構造において、鋼製基礎の内側の床
下に上記不焼セメントからのコンクリートを調湿コンク
リート層として用いることにより、床下及び建物内の湿
度を調製することができる。
いる場合は、適当な骨材等を加えてコンクリート化して
用いる。
ート製の基礎底盤の上に鋼製基礎が設けられ、鋼製基礎
の外側に断熱材層及び保護化粧材が設けられ、鋼製基礎
の内側の床下に上記不焼セメントからなる調湿コンクリ
ート層が設けられているから、床下及び建物内を調湿コ
ンクリートによってその湿度を調整することができる。
すなわち、床下及び建物内の湿度が高いときは、調湿コ
ンクリートが湿気を吸収し、床下及び建物内が乾燥して
いるときは、調湿コンクリートが湿気を放出して調整す
るのである。
地盤に鉄筋コンクリート製の基礎底盤を設け、この基礎
底盤の上に鋼製基礎を設置し、鋼製基礎の外側に断熱材
層を介して保護化粧材を設けるとともに鋼製基礎の内側
の地盤上に防湿層を介して上記不焼セメントからなる調
湿コンクリート層を設けるから、簡単に床下及び建物の
調湿もできるものとなる。
ことができる鋼材製の基礎のことであり、H形鋼、溝形
鋼、リップ溝形鋼等が用いられる。この鋼製基礎の鋼材
としては、炭素鋼の他、クロム、ニッケル、マンガン、
珪素、燐、硫黄、アルミニウム、銅などとの合金鋼であ
ってもよく、クロム、ニッケルなどとの合金であるステ
ンレス鋼が防錆、防蝕製に優れ好ましく、特にクロムが
10.5〜15%のクロム鋼が防錆、防蝕性に加え、安
価であり好ましい。更に、上記鋼材に鍍金をしたり、塗
装をして防錆、耐蝕性を向上させたものも好ましい。
するものであり、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発
泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、グ
ラスウール、発泡セラミック、発泡コンクリート、AL
Cなどの断熱材が用いられる。保護化粧材とは、上記断
熱材層を保護し化粧するためのものであり、PC板、A
LC板、繊維強化セメント板、硬質木片セメント板、セ
ラミック板、これらの積層材、上記板にタイルなどの化
粧材を貼ったものなどが用いられる。
はこれら実施例に何等限定されるものではない。
Oが43重量%、MgOが7重量%からなる高炉スラグ
80重量部、金属アルミニウム30重量%を含むアルミ
溶解時に発生する微粉末の集塵ダストからなるアルミド
ロス20重量部を粉末混合した混合物に、3%のNaO
H水溶液を50重量部加えて攪拌混合し、水素の発生と
発熱を確認した後、排煙脱硫のCaSO4・2H2Oで
ある石膏を80重量部加えて混合し、約30分後に発泡
した半乾状態のゲル状体を得た。得られたゲル状体を1
00〜150℃のドライヤーで乾燥してセメント状にし
て、不焼セメントを得た。得られた不焼セメントの圧縮
強度(W/C50%における)を表1に示す。
結性であり、加水後約15分間で硬化を開始し、1時間
後には歩行可能な状態になることが特徴であった。
いて、建物1の床下の地面2上に、農業用ポリエチレン
フィルムからリサイクルした厚み0.5mmのポリエチ
レンシートからなる防湿シート(防湿層)3が敷設され
ている。防湿シート3の上には、防湿シートの押えを兼
ねる実施例1で合成した不焼セメントからなる厚み10
0mmの調湿層4が設けられている。床下の地面2は、
地盤2A上に厚み50mmの盛土をして形成してある。
からなる布基礎になっており、その外側に厚み50mm
のポリスチレン発泡体からなる断熱材層6が設けられ、
断熱されている。断熱材層6の外面には、繊維強化コン
クリート板からなる化粧保護材61が設けられている。
ラスウールからなる断熱材層11が設けられている。断
熱材層11は上記基礎5の断熱材層6と連続しており、
建物1を断熱している。断熱材層11の外側には硬質木
片セメント板からなる外壁材12が設けられている。建
物1の床3と調湿層4との間には高さ350mmの床下
空間が形成されている。
上に、リサイクル材の農業用ポリエチレンシートからな
る防湿シート3が敷設され、この防湿シート3の上に不
焼セメントからなる調湿層4が敷設されてなるから、地
面2からの湿気は防湿シート3により遮断される。ま
た、防湿シート3は、不焼セメントからなる調湿層4で
押えられ、めくれることがない。しかも、不焼セメント
の調湿能力により室内14からの湿気や乾燥しすぎの状
態が調整され、湿度が略一定で、床下及び室内14を快
適な空間にできるとともに耐久性のあるものにできる。
また、不焼セメントを用いるから安価で省資源になる。
において、鉄筋コンクリート製の基礎底盤10の上に高
さ調整コンクリート2を介して鋼製基礎30が設けられ
ている。鋼製基礎30の外側にポリスチレン発泡体から
なる断熱材層40が設けられ、断熱材層40の外側に硬
質木片セメント板からなる保護化粧材50が設けられて
いる。鋼製基礎30の内側の床下には実施例1で合成し
た不焼セメントからなる調湿コンクリート層60が設け
られている。
の上に設けられている。基礎底盤10は鉄筋コンクリー
トからなり、その幅が80cmで高さが20cmあり、
鋼製基礎30を支持し建物の荷重を十分に地盤に伝えら
れるようになっている。
3%のSUS410、クロム鋼)からなり、肉厚が6m
mで、高さが350mm、幅が80mmであり、上方の
折り返しが50mmのリップ溝形鋼になっている。鋼製
基礎30は、その下部がレベル出し機構付き締結用ボル
ト31により高さ調整コンクリート20上に固定されて
いる。鋼製基礎30の上部にはアンカーボルト32が溶
接により固定されている。
化されている。断熱材層40は厚みが30mmであり、
保護化粧材50は厚みが15mmであり、工場にて両者
が再生ゴム系接着剤で接着されて一体になっている。パ
ネル化された断熱材層40と保護化粧材50とは、酢酸
ビニル樹脂系接着剤とタッピングねじ51、51により
鋼製基礎30に取り付けられている。タッピングねじ5
1、51のねじあたまはシリコーンコーキング52、5
2により断熱、防錆、化粧処理されている。
からのコンクリートであり、厚みが100mmになって
いる。調湿コンクリート層60の下面には、ポリエチレ
ンフィルムからなる防湿フィルム(防湿層)61が設け
られている。調湿コンクリート層60の周辺には、ポリ
スチレン樹脂からなる捨て型枠62が設けられている。
土台81がアンカーボルト32により固定されている。
建物本体も鋼製柱82がアンカーボルト32に固定され
る場合もある。鋼製土台81及び鋼製柱82の外側には
建物本体の外壁83が設けられている。外壁83は、厚
み80mmのALC板(軽量気泡コンクリート板)から
なっている。外壁83の下部には、ステンレス鋼製の水
切り84が取り付けられ、保護化粧材50の上部を覆っ
ている。
粧模様は同一になっており、両者のデザイン及び質感が
同じになるようになっている。
を追って説明する。 1.建物の軸力を地盤に伝えるため、あらかじめ、地面
を床掘りし、砕石110によって地業をする。
トを打設して鉄筋コンクリート製の基礎底盤10を設け
る。
礎30を適切な高さに設置するための、高さ調整コンク
リート20を所定の部分、部分に打設する。
20を打設後、建物本体を組み立てても支障が出ないよ
うに、コンクリートの養生を行ない、必要強度を確保す
る。
底盤10で囲まれた内側周囲に捨て型枠62を設置す
る。地面からの湿気を遮断するための防湿フィルム(防
湿層)61を敷き込む。そして、防湿フィルム61上に
調湿コンクリート60を打設する。調湿コンクリート層
60は、作業員が歩行可能な程度に硬化していれば、建
物本体の組み立て作業に支障がない。
ンクリート20にドリルでボルト孔を空け、レベル出し
機構付き締結用ボルト31を取り付ける。
31をガイドとして、鋼製基礎30を高さ調整コンクリ
ート20上に設置する。更に、レベル出し機構付き締結
用ボルト31のレベル出し機構を利用し、鋼製基礎30
の天端の水平精度を調整した後、締結用を兼ねるナット
で締結する。鋼製基礎30と高さ調整コンクリート20
の間に隙間が出る場合は、この隙間をコンクリートで埋
める。
ーボルト32など使って組み立て後、鋼製基礎30の外
側に、断熱材層30と保護化粧材50とがパネル化され
たものを、酢酸ビニル樹脂系接着剤とタッピングねじ5
1とで固定するのである。そうすると、建物本体の外壁
83と保護化粧材50の化粧模様が同様に見え、高級感
のある建物となる。
側の床下に調湿コンクリート層60が設けられているか
ら、床下及び建物内を調湿コンクリート層60によって
その湿度を調整することができる。すなわち、床下及び
建物内の湿度が高いときは、調湿コンクリート層60が
湿気を吸収し、床下及び建物内が乾燥しているときは、
調湿コンクリート層60が湿気を放出して調整するので
ある。
0の内側の地盤上に防湿フィルム61を介して調湿コン
クリート層60を設けるから、地盤からの湿気を防止
し、簡単に床下及び建物内の調湿もできるものとなる。
未利用資源から成り、また常温合成により造られるため
にエネルギー消費はほとんどなく、製造コストは極めて
安価である。また、本発明の不焼セメント硬化体はアル
カリ度が9以下であるために、植生土壌用改良材として
も適するものである。更に、本材料の急結性特徴は建材
の製造時或いは建設分野における施工時時間の短縮をも
たらし、生産性を高める。特に、本発明は多量の石膏を
主成分として含むものであり、従来セメントのように構
造用の高強度コンクリート材料の分野でなく、土壌改良
材料、植生土壌材料、及び石膏の持つ特徴ある機能であ
る湿度の吸放出性を利用した建築材料として環境改善効
果は、大きい需要の拡大が期待できるものである。
に、不焼セメントからなる調湿層が敷設されてなるか
ら、湿気が調整され、略一定の快適な空間が形成できる
とともに、安価で省資源にでき、耐久性のあるものにで
きる層が形成され、さらに、建物の周囲部の基礎が断熱
され、その建物の床下の地面上に、調湿層が敷設されて
なるから、床を断熱する必要がなく、しかも、湿度が略
一定の快適な空間が形成できるとともに耐久性あるもの
にできる。
ート製の基礎底盤の上に鋼製基礎が設けられ、鋼製基礎
の外側に断熱材層及び保護化粧材が設けられ、鋼製基礎
の内側の床下に不焼セメントからなる調湿コンクリート
層が設けられているから、床下及び建物内を調湿コンク
リートによってその湿度を調整することができる。ま
た、本発明の建物の基礎の施工方法は、基礎底盤の上に
鋼製基礎を設置し、鋼製基礎の外側に断熱材層を介して
保護化粧材を設けるとともに鋼製基礎の内側の地盤上に
防湿層を介して不焼セメントからなる調湿コンクリート
層を設けるから、簡単に床下及び建物内の調湿もできる
ものとなる。
である。
断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 二水石膏とSiO2−Al2O3−Ca
Oを主成分とするガラス質スラグからなる組成物に金属
アルミニウムが2重量%以上加えられた混合物を、苛性
ソーダ又は炭酸ソーダによってpH12以上に調整され
た水溶液で軟泥状に調整し、金属アルミニウムの酸化に
よる自己発熱反応による熱水条件下で合成された、ゲル
状物を乾燥し、粉末化した不焼セメント。 - 【請求項2】 SiO2−Al2O3−CaOを主成分
とするガラス質スラグは、SiO2が20〜50重量
%、Al2O3が10〜20重量%、CaOが30〜5
0%、その他が10重量%の組成からなる都市ゴミ溶融
スラグ、高炉スラグ、鋳物スラグの中から選ばれた一種
以上である請求項1に記載の不焼セメント。 - 【請求項3】 床下の地面上に、請求項1又は2に記載
の不焼セメントからなる調湿層が敷設されてなることを
特徴とする建物の床下構造。 - 【請求項4】 床下の地面上に、防湿層が形成され、こ
の防湿層の上に請求項1又は2に記載の不焼セメントか
らなる調湿層が敷設されてなることを特徴とする建物の
床下構造。 - 【請求項5】 建物の周囲部の基礎に断熱材層が設けら
れ、その建物の床下の地面上に、請求項1又は2に記載
の不焼セメントからなる調湿層が敷設されてなることを
特徴とする建物の床下構造。 - 【請求項6】 鉄筋コンクリート製の基礎底盤の上に鋼
製基礎が設けられ、鋼製基礎の外側に断熱材層が設けら
れ、断熱材層の外側に保護化粧材が設けられ、鋼製基礎
の内側の床下に請求項1又は2に記載の不焼セメントか
らなる調湿コンクリート層が設けられていることを特徴
とする建物の基礎構造。 - 【請求項7】 地盤に鉄筋コンクリート製の基礎底盤を
設け、この基礎底盤の上に鋼製基礎を設置し、鋼製基礎
の外側に断熱材層を介して保護化粧材を設けるとともに
鋼製基礎の内側の地盤上に防湿層を介して請求項1又は
2に記載の不焼セメントからなる調湿コンクリート層を
設けることを特徴とする建物の基礎構造の施工方法。
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