JP2001239159A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2001239159A
JP2001239159A JP2000055715A JP2000055715A JP2001239159A JP 2001239159 A JP2001239159 A JP 2001239159A JP 2000055715 A JP2000055715 A JP 2000055715A JP 2000055715 A JP2000055715 A JP 2000055715A JP 2001239159 A JP2001239159 A JP 2001239159A
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absorbent
absorbent article
resin
meth
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JP2000055715A
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English (en)
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Koji Nomura
幸司 野村
Hidenori Sakakibara
秀紀 榊原
Susumu Miho
享 美保
Shinzo Narimatsu
信三 成松
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収性物品、特に生理用品、紙おむつ(使い
捨ておむつ)等の体液吸収材としての衛生材料において
体液の吸収、体液漏出の防止に優れた吸収性物品の提
供。 【解決手段】 吸収性物品の原料として20g/cm2の加圧
下における通液速度が1ml/分以上である吸水性樹脂を
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂を主た
る素材とする水や水性液体を吸収するために用いられる
吸収性物品、特に生理用品、紙おむつ(使い捨ておむ
つ)等の体液吸収材としての衛生材料において体液の吸
収、体液漏出の防止に優れた吸収性物品に関するもので
ある
【0002】
【従来の技術】自重の数十倍から数百倍の水を吸収する
吸収性樹脂が開発され、生理用品、紙おむつ(使い捨て
おむつ)等の衛生材料をはじめとして農園芸用分野、鮮
度保持等の食品分野、結露防止剤等の産業分野において
幅広く利用されている。そのなかでも生理用品、紙おむ
つ(使い捨ておむつ)等の吸収性物品においては、尿や
経血等の体液の吸収性の良さから主材として用いられる
様になってきている。しかしながら、生理用品、紙おむ
つ(使い捨ておむつ)等の吸収性物品における最近の傾
向は薄型化であり、その様な薄型化に対応するには現状
の吸収性樹脂では問題があり、体液等の漏れや表面のド
ライ感に満足することが出来ないという状態にある。さ
らに、最近は上記した様に、生理用品、紙おむつ(使い
捨ておむつ)等の吸収性物品において吸収性樹脂が主材
として、具体的には吸収性物品は繊維状物質と吸水性樹
脂とを主材として構成されているが、その構成における
吸水性樹脂の割合(質量比)が最近では0.4以上、場
合によっては0.5以上というものが主流になりつつあ
り、吸水性樹脂の特性向上が強く求められてきている。
これらの問題を解決するために、粒度分布を特定した
り、加圧吸水量を大きくすることが提案されているが
(特開平11−28355、同11−43508)、未
だ完全に満足できるものが提供されてはいないのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸収性物品
に用いられる吸水性樹脂に要求される特性を向上させ、
さらには優れた吸収性物品の製造を可能とする吸水性樹
脂を見出し、特性の優れた吸収性物品を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行ない、吸水性樹脂の比率
を高め、薄型化、軽量化を図る吸収性物品に適した吸水
性樹脂は、被吸収液の吸収速度と横方向への拡散性に優
れたものでなければならず、そのための指標としては、
加圧通液速度が最適であることを見出して本発明を完成
したのである。すなわち、本発明は20g/cm2の加圧下
における通液速度(以下加圧通液速度という)が1ml/
分以上である吸水性樹脂が用いられていることを特徴と
する吸収性物品に関するものであり、また該吸収性物品
が吸水性樹脂と繊維状物質とからなり吸水性樹脂の質量
比が0.4以上である吸収層を有することを特徴とする
吸収性物品に関するものであり、さらにはそれらの吸収
性物品を構成する吸水性樹脂として加圧下における吸水
量(以下加圧吸水量という)が32±5ml/gの範囲内に
ある吸水性樹脂を用いたことを特徴とする吸収性物品に
関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は20g/cm2
の加圧下における加圧通液速度が1ml/分以上である吸
水性樹脂を構成成分とするものである。該性能を有する
吸水性樹脂を用いることにより、生理用品、紙おむつ
(使い捨ておむつ)等の吸収性物品の特性を著しく向上
させることが出来るのであり、特に最近の傾向である吸
収性物品の薄型化にも対応することができ、薄型の吸収
性物品における体液等の漏れを防止出来るとともに表面
にドライ感を付与することが出来るのである。吸水性樹
脂としては各種のものが市販されており、具体的には架
橋ポリアクリル酸塩、澱粉―アクリル酸グラフト重合体
の加水分解物、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合
体ケン化物、アクリロニトリル共重合体またはアクリル
アミド共重合体の加水分解物ならびにこれらの架橋体お
よびカチオン性モノマーの架橋重合体などが挙げられる
が、後述する様に、吸収性物品に適した特性を有しその
調整も容易な架橋ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂が本発
明にとり好ましい。本発明に用いられる20g/cm2の加
圧下における加圧通液速度が1ml/分以上である吸水性
樹脂としては、上記した吸水性樹脂の市販品の中から、
下記に述べる加圧通液速度測定方法で加圧通液速度を測
定し、上記特性を満足するものを選択して用いればよい
が、吸収性物品に用いるに適し、先に延べた吸収性物品
の特性を向上する吸水性樹脂としては、上記特性に加え
て、さらに加圧吸水量が32±5ml/g、好ましくは30
±3ml/g、の範囲内にあるものが好ましいので、市販品
からその様な特性を有するものを見出すのは困難である
ため、以下の様な方法で独自に吸水性樹脂を調製するの
が好ましい。なお、吸水性樹脂の加圧吸水量は広く知ら
れている特性であるが、確立された測定方法が存在しな
いため、本発明においては後述する方法において測定し
たものである。吸水性樹脂の調製方法は広く知られてお
り、本発明にとり好ましい架橋ポリアクリル酸塩系吸水
性樹脂についても、その調製方法および特性について広
く知られており、その調製方法として、最も一般的な水
溶液重合による調製方法について説明すれば以下のとう
りである。架橋ポリアクリル酸塩系吸水性樹脂は、アク
リル酸またはアクリル酸のナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など(以下
アクリル酸系単量体ともいう)の水溶性重合性単量体を
主構成単量体とし、所望により、その他の水溶性又は水
混和性エチレン性不飽和単量体、例えば、メタクリル
酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホ
ン酸、2-(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2-(メ
タ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのアニオン性
不飽和単量体およびその塩;(メタ)アクリルアミド、N-
エチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)ア
クリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン、N-アクリロ
イルピペリジン、N-アクロイルピロリジン、N-ビニルア
セトアミドなどのノニオン性の親水基含有単量体;N,N-
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四級塩など
のカチオン性不飽和単量体などの1種または2種以上と
ともに、N,N'-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェ
ート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカ
ン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミ
ン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレー
トなどの架橋性単量体とともに重合して得られるもので
ある。重合の手段として一般的な方法である水溶液重合
は、水溶性重合性単量体と架橋性単量体を水溶液中で重
合させて吸水性樹脂を得るというものである。該水溶液
重合における単量体水溶液の濃度は、水溶液である限り
特に制限はないが、好ましくは5〜70重量%、さらに
好ましくは10〜60重量%であり、重合時の重合温度
や重合時間等の反応条件は、用いる単量体成分の組成等
に応じて適宜設定され、特に限定されるものではない
が、通常、0℃〜110℃、好ましくは5℃〜100℃
の温度範囲で重合が行われる。
【0006】アクリル酸系単量体は他の単量体との合計
量の50〜100質量%であるのが好ましく、架橋剤の
使用量は、一般的には前記単量体合計量に対して0〜5
質量%であり、好ましくは0〜2質量%である。また、
アクリル酸系単量体における酸と塩の割合は、得られた
吸水性重合体中の酸基のモル数に基づいて酸基の0.0
1〜100%が中和されているものが好ましく、より好
ましくは1〜99%が中和されているものであり、さら
に好ましくは40〜95%が中和されているものであ
る。中和は単量体の段階でも重合体になってから行うの
いずれの方法でもよい。さらに、重合時に、デンプン、
デンプンの誘導体、セルロース、セルロースの誘導体、
ポリビニルアルコールの誘導体、ポリアクリル酸(塩)、
ポリアクリル酸塩架橋体などの親水性高分子、次亜リン
酸(塩)等の連鎖移動剤、不活性気体や炭酸塩などの発泡
剤などを添加することもできる。重合開始には、熱ラジ
カル重合開始剤や、紫外線や電子線等の活性エネルギー
線等を用いることができ、熱ラジカル重合開始剤の例と
しては、熱によりラジカル種を発生する、過酸化物、過
硫酸塩化合物、アゾ化合物およびレドックス開始剤など
が挙げられる。過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキシド、t-
ブチルヒドロペルオキシドおよびジクミルペルオキシド
などが挙げられる。過硫酸塩化合物の例としては、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸ナトリウ
ムなどが挙げられる。アゾ化合物の例としては、アゾビ
スイソブチロニトリルおよびアゾビス-2,4-ジメチルバ
レロニトリルなどが挙げられる。レドックス開始剤の例
としては、過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩
−亜硫酸水素ナトリウムおよびクメンヒドロペルオキシ
ド−鉄(II)塩などが挙げられる。これらの使用量として
は、単量体に対して通常0.0005〜1質量%であ
り、0.001〜0.5質量%が好ましい。また、活性エ
ネルギー線を用いて重合開始させる場合には、光重合開
始剤や光増感剤を併用することもできる。光重合開始剤
としては、ベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセ
トフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、
ケタール類、ベンゾフェノン類及びキサントン類などが
挙げられる。光増感剤としては、安息香酸系およびアミ
ン系光増感剤などが挙げられる。これらは、2種以上を
組み合わせて用いることもできる。これらの使用量も、
単量体に対して通常0.0005〜1質量%であり、0.
001〜0.5質量%が好ましい。
【0007】上記のように重合をおこなって得た吸水性
重合体は、水を吸収したゲル状体(水吸収膨潤体)であ
り、乾燥し粉砕し粉末とした後、微粉末を除去するため
に分級され、得られた吸水性樹脂粉末粒子はその内部が
架橋剤により架橋構造を有するものであるが、さらにそ
の表面近傍に架橋処理(以下表面架橋処理ともいう)に
よる架橋構造を施し、吸水特性の調整が行なわれる。表
面架橋処理には、通常吸水性重合体が有するカルボキシ
ル基、水酸基、アミノ基などの官能基と反応し得る架橋
剤を用いて行われ、官能基と反応し得る架橋剤として
は、例えば、ポリグリシジルエーテル系化合物、ポリオ
ール系化合物、ポリアミン化合物、ポリイミン系樹脂、
カーボネート系化合物、ハロエポキシ系化合物、ポリア
ルデヒド系化合物などが挙げられ、それらを吸水性重合
体粉末に混合し加熱処理することにより表面架橋構造が
得られる。これらの表面架橋剤は、単独で用いてもよい
し、2種以上併用することもできる。表面架橋処理する
際に用いられる装置としては、機械力による混合装置、
具体的には、ニーダー、ナウター型混合機、ボールミ
ル、V型混合機、レーディゲミキサー、タービュライザ
ー、リボン型混合機、コニカルブレンダー、ヘンシェル
ミキサー、ライカイ、パドル型混合機、スクリュー型混
合機、回転円盤型混合機、高速回転パドル型混合機など
の混合機や、攪拌型乾燥機などが、ガスによる流動混合
装置として、流動層乾燥機、噴霧乾燥機などが挙げられ
る。表面架橋処理には通常水を含む溶剤が使用されるた
め、表面架橋処理後の吸水性樹脂を、処理後再度乾燥す
る場合の乾燥装置としては、通常の乾燥機を用いること
ができ、例えば、薄型混合乾燥機、ディスク乾燥機、流
動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機などが用いら
れる。これら表面架橋処理および乾燥は、通常、40℃
〜250℃で行われ、好ましくは40℃〜200℃、よ
り好ましくは80℃〜200℃の温度雰囲気下で行われ
る。さらに吸水性樹脂には、必要により任意の工程で、
増量剤あるいは添加剤として有機質粉体(例えば、パル
プ粉末、セルロース誘導体、天然多糖類など)、無機粉
末(ゼオライト、シリカ、アルミナ、ベントナイト、活
性炭など)、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、香
料、着色剤などが添加されることもある。
【0008】上記の様にして、架橋ポリアクリル酸塩系
吸水性樹脂が得られるが、本発明において用いられる吸
水性樹脂は、20g/cm2の加圧下における加圧通液速度
が1ml/分以上のものであり、好ましくは併せて加圧吸
水量が32±5ml/g、より好ましくは30±3ml/gの範
囲内にあるものであり、その様な吸水性樹脂は、上記し
たアクリル酸系単量体の中和量、熱ラジカル重合開始剤
などの使用量、重合温度、内部架橋に用いられる架橋剤
の種類、使用量および表面架橋処理に用いられる架橋剤
の種類、使用量、アルコール系有機溶剤の種類、使用
量、無機微粉末の種類、使用量、反応温度などを適宜選
択することにより得られる。
【0009】本発明の吸収性物品の代表的なものとして
綿、パルプなどの繊維基材と吸水性樹脂が複合化された
紙おむつや生理用ナプキン、失禁パットなどの衛生材料
が挙げられ、一般的に、それらは繊維基材と吸水性樹脂
からなる吸収層、通液性を有する表面シート、不通液性
の背面シートからなるものであり、吸収層を構成する吸
水性樹脂として上記特性を有するものを使用すれば、得
られる吸収性物品は、従来のものに比し格別に特性の優
れたものとなり、例えば紙おむつである場合には、尿の
漏れを防止し、またドライ感を与えることができるもの
である。綿、パルプなどの繊維基材としては、メカニカ
ルパルプ、ケミカルパルプ、溶解パルプなどのセルロー
ス繊維、レーヨン、アセテートなどの人工セルロース繊
維などが、通液性を有する表面シートとしては、不織
布、織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド
などから多孔質フィルムなどが、不通液性の背面シート
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビ
ニルアセテート、ポリ塩化ビニルなどからなる合成樹脂
フィルム、これら合成樹脂フィルムと不織布との複合フ
ィルムなどが挙げられる。吸収性物品の吸収層は通常繊
維状物質と吸水性樹脂とを主材として構成されており、
その構成における吸水性樹脂の割合(質量比)が、従来
は0.3以下と云うような低いものであったが、最近で
は0.4以上、場合によっては0.5以上というものが主
流になりつつあるが、本発明の用いられる吸水性樹脂は
その特性故にそれらに充分対応できるものである。ま
た、吸収性物品には、消臭剤、香料、発泡剤、顔料、染
料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類な
どが目的に応じて併用されているが、本発明においても
それらの併用は可能である。
【0010】
【作用】本発明に用いられる吸水性樹脂は20g/cm2
加圧下における通液速度が1ml/分以上であるものであ
り、さらには加圧下における吸水量が32±5ml/gの範
囲内にあるという特性をも有すればさらに、被吸収液の
吸収速度と横方向への拡散性に優れるため、吸収性物品
の吸液後のドライ感の向上や漏れの防止が図れるという
作用が発揮されるものである。
【0011】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限
定されるものではない。また、吸水性樹脂およびおむつ
の評価は以下の方法で行なった。 A、吸水性樹脂評価方法 1.吸水量 吸水性樹脂0.5gを正確に秤量し、ナイロン製ティー
バック袋に入れ、0.9%生理食塩水中に浸し、吸水性
樹脂を充分に吸水膨潤させた後、ティーバックを取り出
し、静かに5分間水を切る。水切り後の重量からティー
バックの風袋を引き、サンプル重量で割った値を吸水量
とする。 2.加圧通液速度 図1に示される液量20ml、40ml、60mlの場合の液
面がハッキリと分かるように線を記入したフィルター閉
じ込み型のクロマトグラフ管(φ20mm)に、0.2gの
吸水性樹脂粉末(2)を入れ、0.9%生理食塩水
(3)を50ml加える。30分以上放置し吸水性樹脂を
充分に吸水膨潤させる。クロマトグラフ管内に加圧軸
(5)を入れ、圧(20g/cm2)がかかるように錘
(4)を乗せ1分間放置後、クロマトグラフ管下部のコ
ック(6)を開き、管内の液面が40mlラインから20
mlラインまで下がるのに要する時間(T1;秒)をストップ
ウォッチで計測し次の式から加圧通液速度を求める。
【0012】
【式1】加圧通液速度(ml/min) = 20(ml)×60/
( T1−B) B:吸水性樹脂のない状態での通液時間(秒)
【0013】3.加圧吸水量 図2に示される装置を用い、吸水性樹脂(12)0.2
gを正確に秤量し、φ55mm濾紙(12)のφ35mmに
均一に散布し、その上に20g/cm2の圧力が加わる様に
調整した重り(10)を載せ、セロテープ(登録商標)
で固定する。ビュレット(8)枝管の空気を除去し、ロ
ート(9)上の余分な溶液を除去しビュレットの目盛り
(A)を記録する。吸水性樹脂の固定された重りをロー
トの上に載せ、30分後のビュレットの目盛り(C)を
記録する。サンプルを含まないろ紙を固定した重りで行
なったブランクでの目盛り(B)を求め、下記の式より
加圧吸水量を求める。なお、吸収液は下記組成の人工尿
とし、液温は25℃に調整する。 人工尿の組成 尿素:200g, NaCl:80g, MgSO4・7H
2O:8.0g,CaCl2・2H2O:3.0g, 脱イオン
水:9709g
【0014】
【式2】加圧吸水量(ml/g)=(A−C−B)/0.2
【0015】B.紙おむつ評価方法 1.評価用紙おむつ作成方法 10gの吸水性樹脂と10gの木材粉砕パルプ、バッチ型
空気抄造装置にて混合しながら、40cm×12cmの吸水
性樹脂/パルプ混合吸収体を作成し、そのの上下をティ
ッシュペーパーで挟み、15kgローラー10往復加圧し
吸収層とした。該吸収層を不織布とポリエチレンシート
で挟み、周囲をホッチキスで固定し紙おむつ評価サンプ
ルとした。 2.紙おむつ評価方法 紙おむつを水平面上に置き、中心部分に測定用の筒(φ
30mm)付きステンレスプレート(80mm×80mm、7
g/cm2)を乗せ、その中に0.9%生理食塩水(青色に着
色したもの)50mlを一気に流し込む。筒内の生理食塩
水が紙おむつ中に吸収されるのに要する時間を測定し第
一吸水時間とする。15分間放置後、再び紙おむつ中心
部分に筒付きステンレスプレートの中に0.9%生理食
塩水50mlを一気に流し込み、同様にして第二吸水時間
を測定する。15分後、更にもう一度同様にして第三吸
水時間を測定する。それらの吸水時間の合計を吸水速度
とする。第三吸水時間を測定した後30分間放置した紙
おむつ中心部分に既に計量済みの濾紙10枚(W1g)
を乗せ、更に5kgの錘を乗せて15秒間加圧する。濾紙
を取り除き、その重量を測定する(W2g)。以下の式
で逆戻り量を求める。
【0016】
【式3】逆戻り量(g)=W2−W1
【0017】逆戻り量を測定した後、紙おむつを切り開
き、生理食塩水の拡散性を定規で測定し拡散距離を求め
る。
【0018】○ 吸水性樹脂の製造例1 アクリル酸25mol%、アクリル酸ナトリウム75mol%
からなる濃度40wt%水溶液にトリメチロールプロパン
トリアクリレート(TMPTA)を500ppm添加す
る。この単量体水溶液に、光開始剤として2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノンを120ppmと過
硫酸アンモニウムを1500ppm加えた。さらに、この
単量体水溶液に、ベルト上で紫外線を照射し、重合させ
重合体水性ゲルを作成した。重合体水性ゲルをミートチ
ョッパーで裁断し、バンド乾燥機上で150℃の熱風で
乾燥させた。乾燥した重合体水性ゲルをロール粉砕機で
粉砕し、粉末とした。さらに得られた粉末に(水/エチレン
ク゛リコールシ゛ク゛リシシ゛ルエーテル/ホ゜リエチレンク゛リコール=6%/0.15%
/0.5%)を不活性微粉末シリカ(0.1%)の存在下に混
合し130℃で30分間加熱し表面架橋を施して吸水性
樹脂1を得た。この吸水性樹脂1の特性を測定して表1
に記載した。
【0019】○ 吸水性樹脂の製造例2 アクリル酸25mol%、アクリル酸ナトリウム75mol%
からなる濃度40wt%水溶液にトリメチロールプロパン
トリアクリレート(TMPTA)を300ppm添加す
る。この単量体水溶液に、光開始剤として2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノンを120ppmと過
硫酸アンモニウムを1500ppmおよび炭酸ナトリウム
を2000ppm加えた。さらに、この単量体水溶液に、
ベルト上で紫外線を照射し、重合させ重合体水性ゲルを
作成した。重合体水性ゲルをミートチョッパーで裁断
し、バンド乾燥機上で150℃の熱風で乾燥させた。乾
燥した重合体水性ゲルをロール粉砕機で粉砕し、粉末と
した。さらに得られた粉末に(水/エチレンク゛リコールシ゛ク゛リシシ゛
ルエーテル/シ゛エチレンク゛リコール=4%/0.15%/0.4%)を
不活性微粉末シリカ(0.1%)の存在下に混合し130℃
で30分間加熱し表面架橋を施して吸水性樹脂2を得
た。この吸水性樹脂2の特性を測定して表1に記載し
た。
【0020】実施例1〜2、比較例1〜2 上記で作成した吸水性樹脂1および2市販品AおよびB
を用いて評価用の紙おむつを作成し、その評価を表1に
示した。本発明の吸収性物品はいずれも優れた性能を有
していた。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の吸収性物品、特に薄型紙おむつ
などは、原料としての吸水性樹脂に特定の性能を有する
ものが選択使用されているため、吸液後のドライ感に優
れ、漏れを生じることが少ないという効果を生じるもの
で、言換えれば、本発明で用いられている吸水性樹脂に
よれば、吸収性能を損なうことなく、吸収性物品で併用
されている繊維状物質の使用比率を減少させることがで
き、吸収性物品を薄くてコンパクトなものにできるとい
う優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加圧通液速度測定装置の概略図である。
【図2】 加圧吸水量測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1:クロマトグラフ管、2:吸水性樹脂(膨潤ゲル)、
3:0.9%生理食塩水、4:錘、5:加圧軸、6:コ
ック、7:フイルター、8:ビュレット、9:ロート、
10:重り、11:多孔板、12:吸水性樹脂、13:
ろ紙、14:シリコンチューブ、15:ピンチコック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/14 A61F 13/18 307F // A61F 5/44 307G (72)発明者 成松 信三 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23 東 亞合成株式会社名古屋工場内 Fターム(参考) 3B029 BA18 4C003 AA09 AA12 AA22 AA26 4C098 AA09 DD05 DD06 DD27 4G066 AA22C AA47D AB05D AB07A AB23A AC02B AC17B AC35B AE06B BA16 BA36 BA38 DA11 EA05 FA07 FA21 FA31 FA37 4J002 AB01X BF02W BG01W BG10W BG13W BN23W GC00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20g/cm2の加圧下における通液速度が
    1ml/分以上である吸水性樹脂が用いられていることを
    特徴とする吸収性物品。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂と繊維状物質とからなり吸水
    性樹脂の質量比が0.4以上である吸収層を有すること
    を特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 吸水性樹脂の加圧下における吸水量が3
    2±5ml/gの範囲内にあることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の吸収性物品。
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