JP2001237441A - 太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

太陽電池の製造方法および太陽電池

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JP2001237441A
JP2001237441A JP2000048177A JP2000048177A JP2001237441A JP 2001237441 A JP2001237441 A JP 2001237441A JP 2000048177 A JP2000048177 A JP 2000048177A JP 2000048177 A JP2000048177 A JP 2000048177A JP 2001237441 A JP2001237441 A JP 2001237441A
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semiconductor layer
solar cell
cdte
layer
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Hideaki Oyama
秀明 大山
Miwa Tsuji
美輪 辻
Teruaki Yamamoto
輝明 山本
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Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程を要さず極めて簡易に、また、高
価な装置を必要とせず低コストで、高変換効率の太陽電
池を提供する。 【解決手段】 (1)透光性基板上に形成された導電膜
上にn型半導体層を形成する工程、(2)前記n型半導
体層上にp型半導体層を形成する工程、および(3)前
記p型半導体層の表面に融点降下剤および第6族元素を
含有する溶液を塗布して熱処理する工程を有する製造方
法により太陽電池を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池の製造方
法に関し、具体的には光電変換効率の優れた太陽電池の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、将来におけるエネルギー資源枯渇
の危惧から、太陽をエネルギー源とする太陽電池の高効
率化および低コスト化などに大きな関心が向けられてい
る。なかでも、大面積化が容易な化合物半導体太陽電池
は、大幅な低コスト化が可能であることから、そのエネ
ルギー変換効率の向上が強く望まれている。化合物半導
体太陽電池としては、窓層としてバンドギャップの広い
n型のCdS膜を用い、吸収層としてバンドギャップの
狭いp型のCdTe膜を用いた太陽電池(以下、CdS
/CdTe太陽電池という。)などが知られている。
【0003】ここで、図1にCdS/CdTe太陽電池
の概略断面図を示し、それを参照しながら、従来のCd
S/CdTe太陽電池の製造方法について説明する。ま
ず、ガラス基板などの透光性基板1上に、二酸化スズを
ドープした酸化インジウム(ITO)またはフッ素をド
ープした二酸化スズ(FTO)などからなる透明導電膜
2、次いでCdS層3を順次形成する。そして、CdS
層3上に近接昇華法などにより、厚さ1〜6μmのCd
Te層4を形成する。次に、CdTe層4上にカーボン
電極5を形成し、さらに、CdS層3およびカーボン電
極5上に集電体としてAgIn電極を形成して太陽電池
素子が構成される。
【0004】このようなCdS/CdTe太陽電池にお
いて、カーボン電極は、CdS層/CdTe層界面付近
で生成した光電流を集電する役割を担っている。したが
ってカーボン電極/CdTe層界面の構成は、太陽電池
性能の向上に対して非常に重要なポイントとなる。つま
り、生成した光電流のうち、p型キャリアであるホール
をカーボン電極/CdTe層界面に効率よく集めること
が重要となるため、カーボン電極を形成する側のCdT
e層表面は、より高いp型キャリア濃度を有することが
望ましい。
【0005】かかる観点から、CdS/CdTe太陽電
池の変換効率を向上させるために、主としてCdTe層
表面を改質してTe濃度を高くする技術が提案されてい
る。例えばEffect of nitric-phosphoric acid etches
on material properties andback-contact formation o
f CdTe-based solar cells( Xiaonan Li, David W.Nil
es, Falah S. Hasoon, Richard J. Matson, and Peter
Sheldon :J. Vac. Sci. Technol. A 17(3), p.805-809
)には、集電電極の形成前にCdTe膜表面の元素を
選択的にエッチングする技術が開示されている。具体的
には、窒化燐の酸性溶液をエッチング液に用いてCdT
e膜表面を改質することにより、得られる太陽電池の開
放端電圧を増加させるというものである。しかし、前述
のような半導体表面の選択的なエッチングは、化学反応
を利用した処理であり、溶液を用いるなどする特殊で複
雑な工程を含むものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡易な方法
で安価にp型半導体層表面のp型キャリア濃度を高濃度
にすることができる太陽電池の製造方法を提供すること
を目的とする。特には、CdS/CdTe太陽電池にお
いて、従来よりも簡易な方法で安価にCdTe層表面の
Te濃度をより高くし、CdTe層表面のp型キャリア
濃度を向上させ、CdS層/CdTe層界面で生成した
光電流を効率良く集電し、太陽電池の変換効率を向上さ
せることを目的とする。さらに、カーボン電極/CdT
e層界面での密着強度を増加させ、信頼性の高いCdS
/CdTe太陽電池を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)透光性
基板上に形成された導電膜上にn型半導体層を形成する
工程、(2)前記n型半導体層上にp型半導体層を形成
する工程、および(3)前記p型半導体層の表面に融点
降下剤および第6族元素を含有する溶液を塗布して熱処
理する工程を有する太陽電池の製造方法に関する。ここ
で、p型半導体層としてテルル化カドミウム、融点降下
剤としてハロゲン化カドミウムおよび第6族元素として
Te元素を用いることが好ましい。さらに、ハロゲン化
カドミウムとしては塩化カドミウムが好ましい。また、
融点降下剤および第6族元素を含有する溶液中の第6族
元素の濃度は、0.01〜3モル/リットルであること
が好ましい。本発明は、さらに、p型半導体層表面にお
けるカドミウム原子に対するテルル原子のモル比が1.
5〜2.5であり、p型キャリア濃度が1018cm-3
上である太陽電池に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の太陽電池の製造
方法について図1を参照しながら説明する。まず、透光
性基板1上に設けられた透明導電膜2上にn型半導体層
を形成する。前記透光性基板としては、pn接合部で光
電変換に用いられる光を透過させる性質を有する基板を
特に限定なく用いることができ、例えばガラス基板が好
ましい。基板の厚さは、1〜5mmであるのが好まし
い。
【0009】前記透光性基板の表面には、同じく透光性
を有する導電膜が形成されている。導電膜としては、高
い光透過性を有する他、低抵抗であることが好ましく、
20Ω/□以下の抵抗を有するものが特に好ましい。導
電膜の厚さは、200〜600nmであるのが好まし
い。
【0010】導電膜としては、例えばIn23、In2
3・SnO2(ITO)、フッ素をドープしたSnO2
(FTO)、アンチモンをドープしたSnO2、In、
Al、B、F、GaもしくはSiをドープしたZnO、
Cd2In24、Cd2SnO4、CdO、Cd2Sn
4、Zn2SnO4、In23−ZnOなどが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。なかでも、より高い光透過性および
低抵抗を有するという理由から、In23、ITO、F
TO、アンチモンをドープしたSnO2、In、Alも
しくはSiをドープしたZnO、Cd2In24、Cd2
SnO4が好ましい。これらの導電膜は、太陽電池本来
の効果を損なわないように、スプレー法、常圧CVD
(化学蒸着)法、減圧CVD法、真空蒸着法、スパッタ
法などの従来公知の方法で形成すればよい。
【0011】前記n型半導体としては、硫化カドミウム
(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化カドミウム(C
dO)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。なかで
も広いバンドギャップを有するという理由から、CdS
を用いることが好ましい。n型半導体層は、例えば塗布
焼結法、電解法、スパッタ法、溶液成長法、化学気相成
長法、有機金属熱分解法、蒸着法、近接昇華法、スプレ
ー法などを用いて形成すればよい。n型半導体層の厚さ
は、太陽電池本来の効果を損なわない範囲であれば特に
制限はないが、50〜130nmであるのが好ましい。
【0012】次いで、前記n型半導体層上にp型半導体
層が形成される。前記p型半導体としては、n型半導体
とpn接合を形成するものであれば特に制限はないが、
例えばテルル化カドミウム(CdTe)、CuInSe
2、CuInGaSeSなどが挙げられる。なかでもC
dSと組み合わせるのに適しているという理由から、C
dTeを用いることが好ましい。ここで、CdTeは、
何も混入しない場合には格子欠陥が、また、カドミウム
の格子位置に銅、銀、燐、リチウム、ナトリウムなどの
元素が混入した場合にはそれらの元素が、p型キャリア
生成の原因となる。p型半導体層は、例えば塗布焼結
法、電解法、スパッタ法、溶液成長法、化学気相成長
法、有機金属熱分解法、蒸着法、近接昇華法、スプレー
法などの従来公知の方法で形成すればよい。p型半導体
層の厚さは、太陽電池本来の効果を損なわない範囲であ
れば特に制限はないが、1〜8μmであるのが好まし
い。
【0013】n型半導体層とp型半導体層との組み合わ
せとしては、CdSとCdTeとの組み合わせが最も好
ましいが、他にCdSとCu(InGa)Se、ZnO
XY(OH)Z(X+Y+Z=1)とCu(InGa)
Seなどの組み合わせであってもよい。
【0014】ここで、先述したように、p型半導体層上
には、pn接合面付近で生成した光電流を集電する役割
を担う電極が形成される。この電極としては、カーボン
電極が好ましく用いられる。p型半導体の導電性の担い
手はp型キャリアであるので、p型半導体層と電極との
界面付近におけるp型キャリア濃度が高い方が、pn接
合面付近で発生したp型キャリアが電極側に効率よく集
められ、開放端電圧などの太陽電池特性が向上する。
【0015】そこで、本発明においては、前記p型半導
体層の表面に、融点降下剤と第6族元素とを含有する溶
液を塗布してから熱処理が行われる。本発明の最大の特
徴は、この溶液に第6族元素を含有させる点にある。融
点降下剤は、p型半導体の融点を降下させるためのもの
であり、続く熱処理により、p型半導体層の結晶性を向
上させるとともに、その表面を清浄化および活性化させ
る効果を有する。また、その結果、p型半導体層とカー
ボン電極との密着性も向上する。また、第6族元素は、
p型半導体層の表面におけるp型キャリア濃度を高くす
る効果を有する。
【0016】融点降下剤としては、前記効果を発揮でき
るものであればよく、例えば塩化カドミウム(CdCl
2)、塩化亜鉛(ZnCl2)などの無機塩化物が挙げら
れる。なかでもCdS/CdTe太陽電池においては、
構成要素と同種のCdを含むという点から、塩化カドミ
ウムを用いるのが好ましい。
【0017】前記溶液に含有させる第6族元素とは、テ
ルル、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)などを
いう。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。これらの元素のうちでは、結晶化
するとそれ自身でp型半導体の挙動を示すなどの特徴を
有するテルルが最も好ましい。また、p型半導体層とし
てCdTe層を形成する場合、それ自身がp型半導体層
の構成元素であるという点から、特にテルルが好まし
い。すなわち、CdTe層の表面にテルルを散布してか
ら電極を形成することにより、CdTe層/電極界面付
近のp型キャリア濃度を増加させることができ、優れた
CdS/CdTe太陽電池を得ることができる。
【0018】第6族元素を前記溶液に含有させる際に
は、例えば塩化テルル(TeCl4)、酸化テルル(T
eO2)を用いればよい。
【0019】半導体特性は、構成元素の周期率表で規定
される族性に依存する。したがって、n型半導体と、p
型半導体と、第6族元素との組み合わせに特に制限はな
く、上記以外の組み合わせでも、同様の効果が期待でき
る。
【0020】CdTeなどのp型半導体の表面に、テル
ルなどの第6族元素を散布する手法としては、真空蒸着
法等も挙げられる。しかし、これらの方法は、真空装置
を必要とし、工程が複雑になり、コストが増加するとい
う欠点がある。一方、融点降下剤の溶液を用いてp型半
導体層の結晶性を改善し、かつ、その表面を清浄化およ
び活性化させる工程において、前記溶液中に第6族元素
を混入させる場合には、簡易にp型半導体の表面に第6
族元素を散布でき、コストも低減でき、製品間のバラツ
キも少なくなる。
【0021】前記溶液に用いられる溶媒としては、メタ
ノール、エタノールなどの揮発性の高い有機溶媒、ある
いは水などが挙げられる。
【0022】前記溶液としては、不溶分が熱処理時に完
全に揮発するため残査となって悪影響を与えないという
理由から、塩化カドミウムと第6族元素を含有する水溶
液、特には塩化カドミウムと塩化テルル、酸化テルルな
どのテルル化合物の水溶液を用いるのが好ましい。
【0023】前記溶液中の融点降下剤の濃度は、0.0
1〜3モル/リットルが好ましい。前記濃度が、0.0
1モル/リットル未満になると、前記効果が充分に得ら
れず、3モル/リットルを超えると、p型半導体層が侵
食される可能性が生じる。
【0024】前記溶液中の第6族元素の濃度は、0.0
1〜3モル/リットルが好ましい。前記濃度が、0.0
1モル/リットル未満になると、前記効果が充分に得ら
れず、3モル/リットルを超えると、p型半導体層上で
第6族元素が偏析する可能性が生じる。
【0025】前記溶液中において、融点降下剤1モルに
対する第6族元素の量は、0.01〜1モルであること
が好ましい。第6族元素の比率が大きくなりすぎると、
例えばTe原子が凝集してしまい、小さすぎると、第6
族元素の充分な効果が得られなくなる。
【0026】p型半導体層への前記溶液の塗布方法とし
ては、従来公知の方法であれば特に制限はない。例え
ば、溶液を霧吹器に入れ、微粒子状態に霧化して塗布す
るスプレー法などで塗布すればよい。単位面積のp型半
導体層に対する溶液の塗布量としては、融点降下剤が1
×10-5〜3×10-3モル/cm2となるような量、あ
るいは第6族元素が1×10- 5〜1×10-3モル/cm
2となるような量であることが好ましい。塗布量が、少
なすぎると、融点降下剤および第6族元素の効果が充分
に得られず、多すぎると、溶液濃度が濃すぎる場合と同
様の不都合が生じる。
【0027】前記熱処理工程における、熱処理温度は3
00〜500℃が好ましい。また、処理時間は5〜60
分間であるのが好ましい。熱処理温度が低すぎたり、処
理時間が短すぎたりすると、p型半導体層が充分に改質
されず、熱処理温度が高すぎたり、処理時間が長すぎた
りすると、太陽電池の変換効率などの特性が低下する原
因となるからである。熱処理工程は、酸素を含む雰囲気
下で行うことが好ましい。また、その他の諸条件につい
ては、従来のものに従えばよい。
【0028】熱処理工程を経た後のp型半導体層表面近
傍のp型キャリア濃度は、性能のよい太陽電池が得られ
るという点から、1×1018cm-3以上であることが好
ましい。p型キャリア濃度は、高いほど好ましいが、現
在可能な上限は1×1020cm-3程度である。なかで
も、p型半導体層がCdTe層であり、融点降下剤とし
てハロゲン化カドミウムを、第6族元素としてテルルを
用いた場合、p型半導体層表面におけるカドミウム原子
に対するテルル原子のモル比が1.5〜2.5となるも
のが、最も好ましい。
【0029】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0030】《実施例1》第6族元素濃度依存性 図1に示す構造を有する太陽電池素子を作製した。厚さ
3mmで大きさ10cm×10cmのガラス基板1上に
予め厚さ400nmの透明導電膜(フッ素をドープした
SnO2)2を形成した製膜基板と、ジエチルジチオカ
ルバミン酸カドミウムおよび有機溶媒(プロピレングリ
コール)を混練して得たペーストをスクリーン印刷した
ソース基板とを、空隙を挟んで対向させ、前記ソース基
板を450℃に加熱して前記ペーストを分解させ、厚さ
100nmのCdS層3を形成した。
【0031】次に、CdTe層4を以下のようにして形
成した。まず、CdTe粉および有機溶媒(プロピレン
グリコール)を混練して得たペーストをスクリーン印刷
したソース基板が収納された容器中に、ソース基板と空
隙を挟んで対向させて前記基板を設置し、容器内を1T
orrに減圧した。そして、CdTeソースの温度を6
40℃に、前記基板の温度を600℃に設定し、2分間
保持し、CdS層3上に厚さ5μmのCdTe層4を形
成した。
【0032】次に、CdTe層4上に、CdCl2およ
びテルル元素を含有する水溶液をスプレー法により塗布
した。具体的には、前記水溶液を霧吹器に入れ、微粒子
状態に霧化してCdTe層4上に塗布した。ただし、C
dCl2濃度は0.3モル/リットルであり、テルル元
素濃度を0.01〜3モル/リットルの範囲で変化させ
た。また、単位面積のCdTe層に対する溶液の塗布量
としては、融点降下剤が1×10-3モル/cm2となる
量とした。ここで、テルル元素の原料としては、塩化テ
ルルを用いた。その後、炉内雰囲気の酸素体積濃度が1
%であるベルト式電熱炉で、430℃で30分間の熱処
理を行った。最後に前記基板を水洗した。
【0033】その後、CdTe層表面に対して、X線光
電子分光法を用い、原子濃度比を調べた。X線光電子分
光法によれば、X線を試料表面に照射し、放出される光
電子を検出してそのエネルギーを解析することにより、
表面原子組成を調べることができる。
【0034】図2に水溶液に混入させたテルル元素濃度
と熱処理工程後のCdTe層表面のカドミウム原子に対
するテルル原子のモル比(以下、Te/Cd比とい
う。)との関係を示す。図2より、テルル元素濃度が
0.01モル/リットル未満になると、Te/Cd比が
1.5以下となり、3モル/リットルを超えると、2.
5を超えることがわかる。一方、テルル元素濃度が2.
5以上になると、CdTe層上でTeが偏析してしまう
ことがわかった。
【0035】《実施例2》熱処理温度依存性 実施例1において、水溶液のCdCl2濃度を0.3モ
ル/リットル、テルル元素濃度を0.3モルとし、ベル
ト式電熱炉での熱処理温度を200〜600℃の範囲で
変化させたこと以外は、同様の操作を行った。処理時間
は30分間で一定にした。その後、CdTe層表面に対
して、X線光電子分光法を用い、原子濃度比を調べた。
図3に熱処理温度とTe/Cd比との関係を示す。図3
より、熱処理温度が300℃未満になると、Te/Cd
比が1.5未満となり、500℃を超えると、2.5を
超えることがわかる。
【0036】《実施例3》太陽電池特性の評価 実施例1で得た各種Te/Cd比のCdTe層4を有す
る基板を用い、CdS/CdTe太陽電池を作製した。
具体的には、CdTe層上にカーボン電極5を形成し、
その上およびCdS層上にAgIn電極6を形成して太
陽電池を完成した。得られた太陽電池について、ソーラ
ーシミュレーターを用いて変換効率および開放端電圧を
測定した。図4にTe/Cd比と変換効率との関係を、
また、図5にTe/Cd比と開放端電圧との関係を示
す。これらの図より、開放端電圧および変換効率の向上
は、Te/Cd比が1.5〜2.5の範囲で顕著である
ことがわかる。
【0037】《実施例4》CdTe層表面のp型キャリ
ア濃度 実施例1で得た各種Te/Cd比のCdTe層のp型キ
ャリア濃度の測定を行った。ここでは、Bio−Rad
社製のPN4300(装置名)を用い、Electro
chemical C−V法で測定した。図6にTe/
Cd比とp型キャリア濃度との関係を示す。図6より、
Te/Cd比の変化に伴ってp型キャリア濃度が変化し
ていることがわかる。また、Te/Cd比が1.5以上
になると、p型キャリア濃度は1×1018cm-3以上と
なっている。一方、Te/Cd比が2.5以上になる
と、p型キャリア濃度は1×1020cm-3で飽和してい
る。
【0038】このようなCdTe層表面におけるp型キ
ャリア濃度の向上が、CdS層/CdTe層界面で形成
させた光電流の集電を容易にし、太陽電池の開放端電
圧、変換効率を向上させるものと考えられる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な工程を要さず極
めて簡易に、また、高価な装置を必要とせず低コスト
で、高変換効率の太陽電池を得ることができる。また、
本発明の方法によれば、p型半導体層のp型キャリア濃
度が向上するだけでなく、p型半導体層とカーボン電極
との密着性も改善される。その結果、長期信頼性の高い
太陽電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CdS/CdTe太陽電池の概略断面図であ
る。
【図2】融点降下剤水溶液に混入させたテルル元素濃度
と得られたCdTe層表面のTe/Cd比との関係を示
す図である。
【図3】熱処理工程における熱処理温度とCdTe層表
面のTe/Cd比との関係を示す図である。
【図4】CdTe層表面のTe/Cd比と太陽電池の変
換効率との関係を示す図である。
【図5】CdTe層表面のTe/Cd比と太陽電池の開
放端電圧との関係を示す図である。
【図6】CdTe層表面のTe/Cd比とp型キャリア
濃度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明導電膜 3 CdS層 4 CdTe層 5 カーボン電極 6 AgIn電極
フロントページの続き (72)発明者 山本 輝明 大阪府守口市松下町1番1号 松下電池工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA09 CB13 CB29 DA03 GA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)透光性基板上に形成された導電膜
    上にn型半導体層を形成する工程、(2)前記n型半導
    体層上にp型半導体層を形成する工程、および(3)前
    記p型半導体層の表面に融点降下剤および第6族元素を
    含有する溶液を塗布して熱処理する工程を有する太陽電
    池の製造方法。
  2. 【請求項2】 p型半導体層としてテルル化カドミウ
    ム、融点降下剤としてハロゲン化カドミウムおよび第6
    族元素としてTe元素を用いる請求項1記載の太陽電池
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化カドミウムが塩化カドミウム
    であることを特徴とする請求項2記載の太陽電池の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 融点降下剤および第6族元素を含有する
    溶液中の第6族元素の濃度が、0.01〜3モル/リッ
    トルである請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 p型半導体層表面におけるカドミウム原
    子に対するテルル原子のモル比が1.5〜2.5であ
    り、p型キャリア濃度が1018cm-3以上である請求項
    2記載の方法により製造した太陽電池。
JP2000048177A 2000-02-24 2000-02-24 太陽電池の製造方法および太陽電池 Pending JP2001237441A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7218202B2 (en) 2000-11-16 2007-05-15 Mu Hua Investment Limited Biometric key
JP2012516573A (ja) * 2009-01-29 2012-07-19 ファースト ソーラー インコーポレイテッド 改良された結晶配向性を有する太陽光発電装置

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