JP2001236916A - 電子線装置 - Google Patents

電子線装置

Info

Publication number
JP2001236916A
JP2001236916A JP2000044000A JP2000044000A JP2001236916A JP 2001236916 A JP2001236916 A JP 2001236916A JP 2000044000 A JP2000044000 A JP 2000044000A JP 2000044000 A JP2000044000 A JP 2000044000A JP 2001236916 A JP2001236916 A JP 2001236916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy
electron
sample
electron beam
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000044000A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Kudo
藤 政 都 工
Shinichi Kitamura
村 真 一 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2000044000A priority Critical patent/JP2001236916A/ja
Publication of JP2001236916A publication Critical patent/JP2001236916A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で、半導体や多結晶金属などの明瞭な
コントラストのついた像を得ることができる電子線装置
を提供すること。 【解決手段】 試料上で電子線を走査させたとき、ロッ
クインアンプ13は各画素ごとに2次電子エネルギース
ペクトルの2次微分量を求め、エラーアンプ17はその
2次微分量が零となるように電子分光器11の電極に印
加する電圧値をフィードバック制御によって設定する。
エラーアンプ17の出力は試料上の各画素における仕事
関数に対応しており、表示制御手段18は、試料の仕事
関数に関する像をディスプレイ20に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電子線を試料に
照射し、その電子線照射により試料から放出される2次
電子を検出して試料の像を表示する電子線装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 組成がほとんど同一で微量に含まれる
不純物の濃度や種類が違うもの(たとえば半導体にドー
ピングされた不純物の濃度に勾配や分布があるものや、
pn接合部のように不純物の種類が場所によって異なっ
ているもの)、あるいは金属の多結晶のように組成は全
く同じで場所によって面方位が異なるだけのものなどに
対して、通常の光学顕微鏡あるいは走査電子顕微鏡では
像上でコントラストの違いがほとんど生じない。
【0003】このような試料に対して明瞭なコントラス
トのついた像を得るために、走査型オージェ電子分光装
置を利用した技術がある。
【0004】この技術について説明すると、半導体の場
合には不純物の種類や濃度によって禁制帯中のフェルミ
準位の位置が違うため、それに応じて電子分光器の真空
準位から見たオージェ電子のエネルギーが違ってくる。
そこで、このような試料に対しては、走査型オージェ電
子分光装置を利用し、不純物の種類や濃度によって異な
るオージェ電子ピークのエネルギー位置を検出してこれ
を画像化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
ような技術は、多結晶金属の場合のように面方位が異な
るだけでオージェ電子のエネルギーに変化がないものに
対しては利用できない。
【0006】また、この技術は、画像の収集に時間がか
かるという実用上の欠点がある。画像収集に時間がかか
るのは、オージェ電子ピークは高いバックグランドの上
に乗っているため信号のSN比が悪いことと、オージェ
電子ピークが比較的ブロードなためにピーク位置がシフ
トしていても特定のエネルギーでの電子強度にはあまり
大きな違いがないことが最大の原因である。その他に、
画像の輝度情報を得るために各々の画素ごとにオージェ
電子のピーク位置近傍のスペクトルを収集しなければな
らないことと、ピークフィッティングなどのアルゴリズ
ムを用いてピーク位置を決定するための演算が必要にな
ることなどが挙げられる。このために、ある程度実用的
な面分解能を持つ画像(画素数128×128)を一枚
得るのに、少なくとも1時間程度の収集時間を必要とす
る。
【0007】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
ので、その目的は、従来よりも短い時間で、半導体や多
結晶金属などの明瞭なコントラストのついた像を得るこ
とができる電子線装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成する本
発明の電子線装置は、電子銃と、その電子銃からの電子
線を試料上で走査させるための手段と、電子線の照射に
より試料から放出される2次電子のうち、ある特定のエ
ネルギーを有する2次電子を取り出して検出するエネル
ギー分析器と、そのエネルギー分析器の分析エネルギー
を設定するための分析エネルギー設定手段と、試料上の
各電子線走査点ごとに、現在設定されている前記分析エ
ネルギーにおける、2次電子エネルギースペクトルの2
次微分量に相当する信号を出力する2次微分量出力手段
と、その2次微分量出力手段の出力信号に基づいて、そ
の2次微分量が零となるように前記エネルギー分析器の
分析エネルギーをフィードバック制御によって設定する
フィードバック制御手段と、そのフィードバック制御手
段の出力信号に基づいて、試料の仕事関数に関する情報
を表示させる表示手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】 まず、本発明の思想について述
べる。
【0010】固体試料の表面に電子線を照射すると、図
1に示すようなエネルギー分布を持った電子が発生す
る。このうちの最も低エネルギー側の大きな強度を有す
る部分は「真の2次電子」又は略して単に「2次電子」
と呼ばれている。
【0011】図2は、図1の2次電子の最も低エネルギ
ー側の部分を拡大したものである。ここで、2次電子が
出現するエネルギーをEonsetとすると、Eonsetを越え
たところから2次電子強度が急激に増加する。このEon
setは、固体試料の仕事関数Φs、2次電子を検出する電
子分光器の仕事関数Φsm、およびEbによって決まり、
Eonset=Eb+Φs−Φsmで与えられる。EbはEb=e
Vbで、eは電気素量(1.6×10-19C)、Vbは試
料に印加される負のバイアス電圧の絶対値であり、ま
た、電子分光器は真空準位(分光器最表面の電位)を基
準にして調整されているものとする。なお、図2は、電
子分光器の真空準位を座標原点にとって表示されてい
る。
【0012】さて、2次電子の出現する付近の2次電子
エネルギースペクトルは、たとえばp型半導体で場所に
よって不純物濃度が異なる場合を例に取ると、図3のよ
うになる。図3において、Hは不純物濃度が相対的に高
い部分のスペクトルを表し、Lは不純物濃度が低い部分
のスペクトルを表し、Mはそれらの中間のものを表して
おり、2次電子の出現位置は試料の仕事関数の違いによ
って異なっている。いずれのスペクトルも、2次電子出
現部分から急激な立ち上がりがあり、ピークを経てから
2次電子強度は減少している。試料表面の凹凸が激しい
などの事情がない限り、通常の試料では、これらのスペ
クトルは立ち上がり部分がシフトしているだけでその形
状は同じである。
【0013】本発明では、このような、試料の仕事関数
の違いによって起こるスペクトルのシフトに着目し、通
常の2次電子像で明瞭に現れないコントラストを得よう
とするものである。
【0014】ところで、本件出願人は、電子分光器の分
析エネルギーをたとえば図3中のE Xに設定しておき、
電子線を試料面上で走査するのに同期させながら電子分
光器の検出値を輝度情報に置き換えて画像を収集してい
く出願(特願平10−289163)を既に行ってい
る。
【0015】このような出願に対して本発明は、2次電
子が出現するエネルギーが試料の仕事関数の違いによっ
て変わることを利用する点では上記出願の内容と共通で
あるが、2次電子像を取得する実際の方式が上記出願と
は異なる。
【0016】すなわち、本発明は、図3に示すように、
2次電子エネルギースペクトルH,M,Lにおいて2次
微分量が零になるようなエネルギー値EH,EM,E
Lは、スペクトルH,M,Lにおける2次電子出現エネ
ルギー値Eonset(H),Eonset(M),Eonset
(L)と比例した関係にあることを利用し、試料上で電
子線を走査しながら各画素ごとに2次微分量が零となる
ように電子分光器の電極に印加する電圧値をフィードバ
ック制御によって設定し、各画素ごとに得られるその電
圧値を試料上の各画素ごとの仕事関数の違いとして認識
し、仕事関数の違いを各画素ごとの輝度の違いとして表
示したり、あるいはラインプロファイルのような形で表
示したり、さらには数値として表示する。
【0017】なお、Φs≧Φsmが成り立っている場合に
は原理的にはVb=0でもよく、その場合にはバイアス
電圧印加装置は不要となるが、通常、分光器の仕事関数
は試料の仕事関数に比べてさほど小さい値ではなく、む
しろ逆になる場合も考えられるから、実用的にはバイア
ス電圧印加装置は必須となる。また、試料にバイアス電
圧を印加する代わりに、分光器全体に逆極性のバイアス
を印加しても同じ結果となるが、実用的には前者の方が
実現が容易な場合が多い。
【0018】以上、本発明の思想について述べたが、以
下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0019】図4は、本発明の電子線装置の一例を示し
た図である。
【0020】図4において1は鏡筒で、鏡筒1の内部に
は、電子銃2と集束レンズ3と偏向器4が配置されてい
る。電子銃2から放出された電子線は、集束レンズ3で
集束された後に偏向器4で偏向され、その結果、細く絞
られた電子線は、試料室5内に配置された試料6上で走
査される。この試料6は、組成がほとんど同一で微量に
含まれる不純物の濃度が場所によって異なるものであ
る。また、試料6は、試料ステージ7の上に載置されて
おり、試料6には、バイアス電圧印加装置8により負の
バイアス電圧が印加されるように構成されている。
【0021】前記試料室5の内部には2次電子検出器9
と、試料面を清浄化するためのイオンエッチング装置1
0と、たとえば平行平板型エネルギーアナライザのよう
な電子分光器(エネルギー分析器)11が配置されてい
る。電子分光器11は、接地電極11aと、それに対向
して配置された電極11bと、それらの電極間に電圧が
印加されて分光された2次電子を検出する検出器11c
から構成されている。この検出器11cの出力信号は、
プリアンプ12で増幅された後、2次微分量出力手段で
あるロックインアンプ13に入力する。
【0022】14は、分析エネルギー設定手段であるオ
シレータであり、オシレータ14は、正弦交流信号(ま
たは矩形波信号)を発生し、この交流信号にある一定の
ゲインを掛けた信号をロックインアンプ13のリファレ
ンス信号としてロックインアンプ13に入力する。
【0023】また、オシレータ14は、前記正弦交流信
号に別のゲインを掛けた信号を加算回路15に入力す
る。この加算回路15は、高圧アンプ16を介して前記
電極11bに接続されており、また加算回路15は、エ
ラーアンプ17を介して前記ロックインアンプ13に接
続されている。このエラーアンプ17と加算回路15で
フィードバック制御回路が構成されている。
【0024】そして、前記エラーアンプ17は表示制御
手段18に接続されており、表示制御手段18は、偏向
信号発生手段19とディスプレイ20に接続されてい
る。前記偏向信号発生手段19は偏向器4に偏向信号を
供給するものである。
【0025】また、前記試料室5は、排気装置21によ
り超高真空に排気可能に構成されている。
【0026】以上、図4の電子線装置の構成について説
明したが、以下に、この装置の動作説明を行う。
【0027】このような構成において、電子分光器11
を用いた2次電子像取得の際には、表示制御手段18は
偏向信号発生手段19を制御し、偏向信号発生手段19
は、電子線をたとえば図5に示す試料上の領域Aで2次
元的に走査させるための偏向信号を偏向器4に送る。図
5において、a11,a12,a13,…,a1m,a21,…,
2m,…an1,…,anmは、領域A中の微小領域であ
り、電子線は、その微小領域をa11,a12,a13,…,
1m,a21,…,a2m,…an1,…,anmの順に照射す
る。
【0028】また、オシレータ14は、正弦波交流信号
にある一定のゲインを掛けた信号を加算回路15に送
る。オシレータ14は、この信号を上述した電子線走査
の間加算回路15に送り、また、オシレータ14は、こ
の信号に同期した正弦波信号をロックインアンプ13の
リファレンス信号としてロックインアンプ13に送る。
【0029】さて、電子線はまず前記微小領域a11を照
射するが、この照射開始時点においては前記エラーアン
プ17の出力は零である。このため、電子線照射開始時
点においては、加算回路15は、オシレータ14から送
られてくる正弦波交流信号を高圧アンプ16に送る。高
圧アンプ16は、入力された正弦波交流信号を増幅し
て、増幅後の信号を電圧信号として電極11bに加え
る。
【0030】この結果、電子分光器11の電極間に印加
される電圧は、正弦波的に変化し、電子分光器の分析エ
ネルギーは、図6(a)に示すように、分析エネルギー
0を基準にしてエネルギー幅ΔEで変化する。なお、
図6(b)は、前記ロックインアンプ13のリファレン
ス信号を示しており、このリファレンス信号は分析エネ
ルギーの変化に同期して変化している。
【0031】このような電子分光器11の動作により、
電子線照射によって微小領域a11から放出された2次電
子のうち、エネルギー(E0−ΔE/2)から(E0+Δ
E/2)を有する2次電子が、電子分光器の分析エネル
ギーに応じて検出器11cで検出される。
【0032】検出器11で検出された2次電子の強度信
号は、プリアンプ12で増幅された後、ロックインアン
プ13に入力する。一方、ロックインアンプ13にはオ
シレータ14から、図6(b)に示したような、分析エ
ネルギーの変化に同期したリファレンス信号が送られて
いる。そこでロックインアンプ13は、前記検出器11
の出力信号と、前記電子分光器11の分析エネルギーを
変化させる信号に対応する前記リファレンス信号に基づ
いて、現在設定されている基準分析エネルギーE0にお
ける、2次電子エネルギースペクトルの2次微分量に相
当する信号d11(E0)を出力する。
【0033】この2次電子エネルギースペクトルの2次
微分量に相当する信号d11(E0)について、図7を用
いて詳しく説明する。
【0034】図7(a)は、前記微小領域のうちa11
12,a13についての2次電子エネルギースペクトルを
示している。図7(a)中、E11は、微小領域a11の2
次電子エネルギースペクトルにおいて2次微分量が零に
なるエネルギー値を示しており、E12は、微小領域a12
の2次電子エネルギースペクトルにおいて2次微分量が
零になるエネルギー値を示しており、E13は、微小領域
13の2次電子エネルギースペクトルにおいて2次微分
量が零になるエネルギー値を示している。また、図7
(a)中、E0は前記基準分析エネルギーを示してお
り、ΔEは前記分析エネルギーのエネルギー幅を示して
いる。
【0035】一方、図7(b)は、図7(a)に示した
各微小領域a11,a12,a13の2次電子エネルギースペ
クトルについての2次微分波形を示しており、この2次
微分波形は、図7(a)の各エネルギースペクトルに対
応して示されている。図7(b)中、a11”は、微小領
域a11の2次電子エネルギースペクトルについての2次
微分波形を示しており、a12”は、微小領域a12の2次
電子エネルギースペクトルについての2次微分波形を示
しており、a13”は、微小領域a13の2次電子エネルギ
ースペクトルについての2次微分波形を示している。
【0036】そして、図7(b)においてd11(E0
は、現在設定されている基準分析エネルギーE0におけ
る、2次電子エネルギースペクトルa11の2次微分量を
表している。
【0037】以上、図7を用いて、ロックインアンプ1
3の2次微分出力信号d11(E0)について説明した
が、この正の2次微分出力信号d11(E0)はエラーア
ンプ17に入力する。
【0038】エラーアンプ17のもう一方の入力には、
基準電圧として0Vが入力されており、エラーアンプ1
7は、ロックインアンプ13の2次微分出力信号d
11(E0)と0Vとの差の絶対値をとって、その絶対値
が大きいほど大きな絶対値を出力する。この出力の際、
エラーアンプ17は、ロックインアンプ13の2次微分
出力信号の極性に応じて電子分光器11の印加電圧を制
御する。すなわち、エラーアンプ17は、ロックインア
ンプ13の2次微分出力信号がプラスの値の時には電子
分光器印加電圧の絶対値が大きくなるように(より高エ
ネルギーの電子を分光するように)出力を行い、ロック
インアンプ13の2次微分出力信号がマイナスの値の時
には、それとは逆に、より低エネルギーの電子を分光す
るように出力を行う。
【0039】このエラーアンプ17の出力信号は加算回
路15に送られ、加算回路15は、エラーアンプ17か
らの信号と、上述したオシレータ14からの交流信号を
加算する。そして、加算回路15の出力信号は高圧アン
プ16で増幅され、増幅後の信号は電圧信号として電極
11bに加えられる。
【0040】このようなフィードバック制御によって、
ロックインアンプ13の2次微分出力信号が零となるよ
うに電子分光器11の分析エネルギーが設定される。す
なわち、電子分光器11の基準分析エネルギーは、図7
におけるE0からE11に変更され、電子分光器の分析エ
ネルギーは、分析エネルギーE11を基準にしてエネルギ
ー幅ΔEで変化する。
【0041】前記エラーアンプ17の出力信号は微小領
域a11の仕事関数に対応した電圧となっており、表示制
御手段18はその電圧信号をディスプレイ20上の輝度
信号に変換する。
【0042】このようにして微小領域a11についての画
像信号が得られると、電子線は次に前記微小領域a12
照射する。
【0043】この電子線照射により微小領域a12から2
次電子が放出されるが、現在の電子分光器の分析エネル
ギーは、上述したフィードバック制御によって、図7に
おける分析エネルギーE11を基準にしてエネルギー幅Δ
Eで変化しているので、微小領域a12から放出された2
次電子のうち、エネルギー(E11−ΔE/2)から(E
11+ΔE/2)を有する2次電子が、電子分光器の分析
エネルギーに応じて検出器11cで検出される。
【0044】検出器11で検出された2次電子の強度信
号は、プリアンプ12で増幅された後、ロックインアン
プ13に入力する。そして、ロックインアンプ13は、
検出器11の出力信号と、前記オシレータ14からのリ
ファレンス信号に基づき、現在設定されている基準分析
エネルギーE11における、2次電子エネルギースペクト
ルa12の2次微分量に相当する信号d12(E11)(図7
参照)を出力する。
【0045】この正の2次微分出力信号d12(E11)は
エラーアンプ17に入力する。エラーアンプ17は、ロ
ックインアンプ13の正の2次微分出力信号d
12(E11)に基づき、より高エネルギーの電子を分光す
るように出力を行う。
【0046】このエラーアンプ17の出力信号は加算回
路15に送られ、加算回路15は、エラーアンプ17か
らの信号と、オシレータ14からの交流信号を加算す
る。そして、加算回路15の出力信号は高圧アンプ16
で増幅され、増幅後の信号は電圧信号として電極11b
に加えられる。
【0047】このようなフィードバック制御によって、
ロックインアンプ13の2次微分出力信号が零となるよ
うに電子分光器11の分析エネルギーが設定される。す
なわち、電子分光器11の基準分析エネルギーは、図7
におけるE11からE12に変更され、電子分光器の分析エ
ネルギーは、分析エネルギーE12を基準にしてエネルギ
ー幅ΔEで変化する。
【0048】前記エラーアンプ17の出力信号は微小領
域a12の仕事関数に対応した電圧となっており、表示制
御手段18はその電圧信号をディスプレイ20上の輝度
信号に変換する。
【0049】このようにして微小領域a12についての画
像信号が得られると、電子線は次に前記微小領域をa13
を照射する。そして、微小領域a12の時と同様な動作が
行われ、表示制御手段18は、エラーアンプ17の出力
信号に基づき、微小領域a13の仕事関数に対応した電圧
信号をディスプレイ20上の輝度信号に変換する。
【0050】なお、微小領域a13への電子線照射時に
は、ロックインアンプ13の2次微分出力信号は、図7
に示すように負の信号d13(E12)となるので、この場
合にエラーアンプ17は、より低エネルギーの電子を分
光するように出力を行う。
【0051】以後、同様にして微小領域a14,…,
1m,a21,…,a2m,…an1,…,a nmの画像信号が
得られ、表示制御手段18はそれらの画像信号に基づ
き、試料の領域Aの2次電子像をディスプレイ20に表
示させる。
【0052】以上のようにして、組成が殆ど同一で微量
に含まれる不純物の濃度に違いがある試料の場合でも、
濃度の違いを反映した明瞭なコントラストの2次電子像
を短時間で得ることができる。
【0053】また、不純物の種類が違うものや、組成は
全く同じで場所によって面方位が異なる試料などに対し
て本発明を適用しても、不純物の種類の違いや面方位の
違いを反映した明瞭なコントラストの像を得ることがで
きる。
【0054】また、電子線を試料上で特定のラインに沿
って1ライン走査し、上述したフィードバック制御の結
果から、試料の仕事関数に関するラインプロファイルを
表示したり、試料の仕事関数に関する情報を数値として
表示しても良い。
【0055】また、試料がICの場合、イオンエッチン
グ装置10によりICの断面をその場で作成すれば、p
n接合部分の観察も可能となり、欠陥の有無の確認が容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料に電子線を照射したときに試料から発生
する電子のエネルギー分布を示した図である。
【図2】 図1の2次電子の最も低エネルギー側の部分
を拡大したものである。
【図3】 p型半導体で場所によって不純物濃度が異な
る場合の、2次電子の出現する付近のスペクトルを示し
た図である。
【図4】 本発明の電子線装置の一例を示した図であ
る。
【図5】 試料上における電子線の走査領域を示した図
である。
【図6】 電子分光器の分析エネルギーの変化を説明す
るために示した図である。
【図7】 2次電子エネルギースペクトルの各エネルギ
ーにおける2次微分値を示した図である。
【符号の説明】
1…鏡筒、2…電子銃、3…集束レンズ、4…偏向器、
5…試料室、6…試料、7…試料ステージ、8…バイア
ス電圧印加装置、9…2次電子検出器、10…イオンエ
ッチング装置、11…電子分光器、11a…接地電極、
11b…電極、11c…検出器、12…プリアンプ、1
3…ロックインアンプ、14…オシレータ、15…加算
回路、16…高圧アンプ、17…エラーアンプ、18…
表示制御手段、19…偏向信号発生手段、20…ディス
プレイ、21…排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/28 H01J 37/28 B Fターム(参考) 2F067 AA54 AA67 CC17 EE10 HH06 JJ05 KK04 LL16 QQ02 RR20 RR35 SS02 SS15 2G001 AA03 BA07 BA09 CA03 DA02 EA04 GA01 GA06 GA09 GA13 HA01 HA13 JA02 JA03 JA11 JA13 KA01 5C033 FF04 RR04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃と、その電子銃からの電子線を試
    料上で走査させるための手段と、電子線の照射により試
    料から放出される2次電子のうち、ある特定のエネルギ
    ーを有する2次電子を取り出して検出するエネルギー分
    析器と、そのエネルギー分析器の分析エネルギーを設定
    するための分析エネルギー設定手段と、試料上の各電子
    線走査点ごとに、現在設定されている前記分析エネルギ
    ーにおける、2次電子エネルギースペクトルの2次微分
    量に相当する信号を出力する2次微分量出力手段と、そ
    の2次微分量出力手段の出力信号に基づいて、その2次
    微分量が零となるように前記エネルギー分析器の分析エ
    ネルギーをフィードバック制御によって設定するフィー
    ドバック制御手段と、そのフィードバック制御手段の出
    力信号に基づいて、試料の仕事関数に関する情報を表示
    させる表示手段を備えたことを特徴とする電子線装置。
  2. 【請求項2】 前記分析エネルギー設定手段は、前記エ
    ネルギー分析器の分析エネルギーを、ある分析エネルギ
    ーE0を基準にして所定のエネルギー幅ΔEで変化さ
    せ、前記2次微分量出力手段は、前記エネルギー分析器
    の出力信号と、前記エネルギー分析器の分析エネルギー
    を変化させる信号に基づいて、2次電子エネルギースペ
    クトルの2次微分量に相当する信号を出力することを特
    徴とする請求項1記載の電子線装置。
  3. 【請求項3】 電子線を試料上で2次元的に走査し、前
    記フィードバック制御手段の出力信号に基づいて、試料
    の仕事関数に関する2次元像を表示させることを特徴と
    する請求項1または2記載の電子線装置。
  4. 【請求項4】 電子線を試料上でライン走査し、前記フ
    ィードバック制御手段の出力信号に基づいて、試料の仕
    事関数に関するラインプロファイルを表示させることを
    特徴とする請求項1または2記載の電子線装置。
JP2000044000A 2000-02-22 2000-02-22 電子線装置 Withdrawn JP2001236916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000044000A JP2001236916A (ja) 2000-02-22 2000-02-22 電子線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000044000A JP2001236916A (ja) 2000-02-22 2000-02-22 電子線装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001236916A true JP2001236916A (ja) 2001-08-31

Family

ID=18566832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000044000A Withdrawn JP2001236916A (ja) 2000-02-22 2000-02-22 電子線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001236916A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10014160B2 (en) 2014-04-21 2018-07-03 Hitachi High-Technologies Corporation Scanning electron microscope and method for controlling same
US10262830B2 (en) 2014-11-26 2019-04-16 Hitachi, Ltd. Scanning electron microscope and electron trajectory adjustment method therefor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10014160B2 (en) 2014-04-21 2018-07-03 Hitachi High-Technologies Corporation Scanning electron microscope and method for controlling same
US10262830B2 (en) 2014-11-26 2019-04-16 Hitachi, Ltd. Scanning electron microscope and electron trajectory adjustment method therefor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2530699B1 (en) Charged particle beam microscope and method of measurement employing same
EP0113746B1 (en) An elektrode system of a retarding-field spectrometer for a voltage measuring electron beam apparatus
CN109411320B (zh) 透射带电粒子显微镜中的衍射图案检测
US20180247790A1 (en) Charged particle beam device and image forming method using same
JP5639042B2 (ja) その場差分光法
US4034220A (en) Process and apparatus for the elementary and chemical analysis of a sample by spectrum analysis of the energy of the secondary electrons
JP3780620B2 (ja) 電子分光器及びそれを備えた透過型電子顕微鏡
JP2001236916A (ja) 電子線装置
JP4095510B2 (ja) 表面電位測定方法及び試料観察方法
US6995369B1 (en) Scanning electron beam apparatus and methods of processing data from same
JPH024441Y2 (ja)
JP2003014671A (ja) 固体表面観察装置と固体表面観察方法
JP2005005056A (ja) 走査電子顕微鏡
JP3802242B2 (ja) 電子線装置における試料像表示方法および電子線装置
JP2001167726A (ja) 仕事関数像生成装置
JP2001050916A (ja) 仕事関数測定法および仕事関数測定装置
JPH1167138A (ja) 微小領域観察装置
US20240027377A1 (en) Method of examining a sample using a charged particle microscope
JPH02145950A (ja) X線光電子分析装置
Seki et al. Development of an instrument for simultaneous detection of positive and negative scanning ion images
JP3231639B2 (ja) イオンビーム加工解析方法
JPH043951A (ja) 半導体検査装置
JPH024442Y2 (ja)
JPH01264153A (ja) 電子線装置
JPH0676781A (ja) イオンビーム走査画像の取得方法、および集束イオンビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070501