JP2001235624A - 偏光変換素子及び液晶プロジェクター用投光装置 - Google Patents

偏光変換素子及び液晶プロジェクター用投光装置

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JP2001235624A
JP2001235624A JP2000043760A JP2000043760A JP2001235624A JP 2001235624 A JP2001235624 A JP 2001235624A JP 2000043760 A JP2000043760 A JP 2000043760A JP 2000043760 A JP2000043760 A JP 2000043760A JP 2001235624 A JP2001235624 A JP 2001235624A
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wavelength
polarization
light
polarized light
linearly polarized
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Application number
JP2000043760A
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English (en)
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Kohei Arakawa
公平 荒川
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 積層形成ではなく単一素材で形成することが
でき、広帯域において高性能な偏光変換素子を提供す
る。 【解決手段】 入射した自然光を互いに直交する2つの
直線偏光に分離する偏光分離部材と、分離した2の直線
偏光のうち1の直線偏光の偏光方向を1/2波長板によ
って90°変換して2の直線偏光の偏光方向を一致させ
る偏光変換部材とを備えた偏光変換素子であって、前記
1/2波長板が、ノルボルネン系樹脂と、固有複屈折値
が負であり、波長450nm、波長550nmのときの
固有複屈折値(Δn)をそれぞれΔn(450)、Δn
(550)としたとき、固有複屈折値の波長分散が、次
式、|Δn(450)/Δn(550)|≧1.02、
を満たすポリマーと、を含むノルボルネン系樹脂組成物
を用いて形成されたことを特徴とする偏光変換素子であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直線偏光の振動方
向を90°回転させる新規な1/2波長板を使用した偏
光変換素子、及び該偏光変換素子を備えた液晶プロジェ
クタ用投光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光源からの自然光を単一の直線偏
光(P偏光又はS偏光)に変換する偏光変換素子は、投
射型表示装置等に種々利用されている。偏光変換素子
は、自然光に含まれる直線偏光(P偏光とS偏光)のい
ずれかの偏光面を90°回転させて、双方の直線偏光の
偏光面を一致させ、P偏光とS偏光の両成分を利用する
ことにより、光の利用効率を上げるものである。偏光変
換素子は、通常、プリズムアレイからなる偏光ビームス
プリッタと、直線偏光の偏光面を90°変換する1/2
波長板を積層して構成される。偏光変換素子に、マイク
ロレンズアレイにより絞り込んだ入射光を入射すると、
偏光ビームスプリッタのプリズムアレイでプリズムを透
過するP偏光成分と、反射されるS偏光成分とに分離さ
れ、その後、P偏光のみが1/2波長板を通過して偏光
面が90゜回転し、全体の偏光光の振動方向は一致した
状態で出射する(液晶 第2巻 第2号 1998のP
37〜P38参照)。
【0003】ところで、偏光変換素子を液晶プロジェク
タ等の投射型表示装置に利用する場合、偏光変換素子
は、人間の目で認識できる可視光領域のいずれの波長に
おいても、直線偏光の偏光面を略90°回転可能である
ことが要求される。従来、この様な広帯域の偏光変換素
子には、複数枚(通常、3枚)の高分子延伸フイルムを
遅層軸を交差させて積層し、貼合した1/2波長板を用
いている。前記1/2波長板は、ビームスプリッタのプ
リズムアレイの構造に従って、小さなチップに切断さ
れ、プリズムに貼り付けられる。遅層軸を交差させた延
伸フイルム3枚の貼合品を得るためには、3回の粘着塗
工と3回のチップカット及び2回の貼合が必要である。
従って、工程数が多いことによるコストアップを招き、
また、チップカット時の遅層軸方向のずれ、加工屑によ
る汚染や、貼合時の光弾性による延伸フイルムの位相差
のずれ、などが性能上にも悪影響を及ぼす。また、貼合
後にはプリズムの構造に合わせた微小チップを形成し、
それをプリズム上に貼り合わせるという煩雑な工程が必
要となる。したがって、位相差膜を3枚積層形成するの
ではなく、より簡易な工程で単一素材で形成することが
でき、広帯域において高性能な偏光変換素子が望まれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、積層形成ではなく単一素材
で形成することができ、広帯域において高性能な偏光変
換素子、及び該偏光変換素子を備えた高性能な液晶プロ
ジェクタ用投影装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 入射した自然光を互いに直交する2つの直線偏
光に分離する偏光分離部材と、分離した2の直線偏光の
うち1の直線偏光の偏光方向を1/2波長板によって9
0°変換して2の直線偏光の偏光方向を一致させる偏光
変換部材とを備えた偏光変換素子であって、前記1/2
波長板が、ノルボルネン系樹脂と、固有複屈折値が負で
あり、波長450nm、波長550nmのときの固有複
屈折値(Δn)をそれぞれΔn(450)、Δn(55
0)としたとき、固有複屈折値の波長分散が、次式、|
Δn(450)/Δn(550)|≧1.02、を満た
すポリマーと、を含むノルボルネン系樹脂組成物を用い
て形成されたことを特徴とする偏光変換素子である。 <2> 1/2波長板が、波長λと、該波長λにおける
レターデーション(Re(λ))との関係として、波長
450nm、波長550nm及び波長650nmにおい
て、次式、0.4≦(Re(λ)/λ)≦0.6、を満
たす前記<1>に記載の偏光変換素子である。 <3> 前記<1>又は<2>に記載の偏光変換素子
と、該偏光変換素子に光を入射する照射手段とを少なく
とも備えたことを特徴とする液晶プロジェクタ用投光装
置である。
【0006】前記<1>に記載の偏光変換素子において
は、自然光が入射すると、まず前記偏光分離部材によ
り、自然光に含まれる2の直線偏光のうち一方(例え
ば、P偏光)が例えば透過され、他方(例えば、S偏
光)が例えば反射されて、直線偏光の進路が分離され
る。進路が分離された直線偏光のうちいずれか(例え
ば、S偏光)の偏光面が、偏光変換部材に含まれる1/
2波長板によって90°変換され、他方(例えば、P偏
光)の偏光面と一致される。その結果、自然光に含まれ
る直線偏光の振動方向を一致され、双方が有効に利用さ
れる。
【0007】前記<2>に記載の偏光変換素子において
は、前記<1>に記載の偏光変換素子において、前記1
/2波長板が、波長λと、該波長λにおけるレターデー
ション(Re(λ))との関係として、波長450n
m、波長550nm及び波長650nmにおいて、次
式、0.4≦(Re(λ)/λ)≦0.6、を満たすの
で、広帯域において、2の振動方向を有する直線偏光が
一つの振動方向に変換され、自然光が有効に利用され
る。
【0008】前記<3>に記載の液晶プロジェクタ用投
光装置においては、前記<1>又は<2>に記載の偏光
変換素子と、該偏光変換素子に光を入射する照射手段と
を少なくとも備えるので、前記照射手段によって、前記
偏光変換素子に自然光が入射されると、該偏光変換素子
において自然光に含まれる互いに異なる偏光面を有する
2の直線偏光は、分離された後、一方の偏光面が変換さ
れ、偏光面が互いに一致した状態で出射される。出射さ
れた直線偏光は、その後、例えば、液晶用プロジェクタ
の画像形成素子に入射し、合成されて、投影画像が形成
される。このとき、自然光に含まれる2の直線偏光が有
効に利用されるので、該投影画像は明るいものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】(偏光変換素子)本発明の偏光変
換素子は、偏光分離部材と、1/2波長板を含む偏光変
換部材とを備えてなる。
【0010】−偏光分離部材− 前記偏光分離部材としては、入射した自然光を互いに直
交する2つの直線偏光に分離することができる機能を有
する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができ、偏光ビームスプリッタ等の公知のものを好適
に使用することができる。
【0011】−偏光変換部材− 前記偏光変換部材としては、1/2波長板を含み、前記
偏光分離部材により分離した2の直線偏光のうち1の直
線偏光の偏光方向を前記1/2波長板によって90°変
換して2の直線偏光の偏光方向を一致させることができ
ればよく、前記1/2波長板を除いては特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができ、公知のもの
を好適に使用することができる。
【0012】−−1/2波長板−− 前記1/2波長板は、ノルボルネン系樹脂組成物を用い
て形成される。前記ノルボルネン系樹脂組成物は、ノル
ボルネン系樹脂と、固有複屈折値が負であるポリマーと
を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他
の成分を含有してなる。
【0013】前記ノルボルネン系樹脂は、分子が一軸性
の秩序をもって配向したときに、光学的に正の一軸性を
示す特性を有する。前記ノルボルネン系樹脂としては、
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
るが、透明性、低吸水性、耐熱性に優れ、光学用途に好
適である点で熱可塑性ノルボルネン樹脂が好ましい。
【0014】前記熱可塑性ノルボルネン樹脂は、ノルボ
ルナン骨格を繰り返し単位として有してなり、その具体
例としては、特開昭60−168708号公報、特開昭
62−252406号公報、特開昭62−252407
号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−
145324号公報、特開昭63−264626号公
報、特開平1−240517号公報、特公昭57−88
15号公報、などに記載されたものが挙げられる。これ
らは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0015】本発明においては、前記熱可塑性ノルボル
ネン樹脂の中でも、下記構造式(I)〜(IV)のいずれ
かで表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】前記構造式において、A、B、C及びD
は、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0018】また、前記熱可塑性ノルボルネン樹脂の中
でも、下記構造式(V)で表されるテトラシクロドデセ
ンの少なくとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状
化合物と、をメタセシス重合して得られる重合体を水素
添加して得られる水添重合体も好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】前記構造式において、A、B、C及びD
は、水素原子又は1価の有機基を表す。
【0021】前記ノルボルネン系樹脂の重量平均分子量
としては、5,000〜1,000,000程度であ
り、8,000〜200,000が好ましい。
【0022】前記固有複屈折値が負であるポリマーは、
分子が一軸性の秩序をもって配向したときに、全体の光
学特性が負の一軸性を示す特性を有する高分子である。
前記固有複屈折値が負であるポリマーとしては、1種単
独で前記特性を有するものであってもよいし、2種以上
をブレンドした時に前記特性を有するものであってもよ
い。
【0023】前記固有複屈折値が負であるポリマーは、
その固有複屈折値の波長分散が大きいものが選択され、
具体的にはその固有複屈折値の波長分散が、波長450
nm、波長550nmのときの固有複屈折値(Δn)を
それぞれΔn(450)、Δn(550)としたとき、
次式、|Δn(450)/Δn(550)|≧1.0
2、を満たすものから選択され、次式、|Δn(45
0)/Δn(550)|≧1.05、を満たすものが好
ましい。なお、前記|Δn(450)/Δn(550)
|の値は、大きい方が好ましいが、ポリマーの場合は通
常2.0以下である。
【0024】前記ポリマーとしては、ポリスチレン系ポ
リマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリメチル
メタクリレート系ポリマー、セルロースエステル系ポリ
マー(前記固有複屈折値が正であるものを除く)、ある
いはこれらの多元(二元、三元等)共重合ポリマーなど
が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリ
スチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチ
レン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メチルメタ
クリレート共重合体、などのポリスチレン系ポリマーが
特に好ましい。
【0025】前記固有複屈折値が負であるポリマーの前
記ノルボルネン系樹脂に対する配合割合としては、両者
の固有複屈折値の絶対値の大きさや、成形温度における
複屈折の発現性等により異なり、一概に規定することは
できないが、重量比(ノルボルネン系樹脂:固有複屈折
値が負であるポリマー)で5:5〜9:1が好ましく、
7:3〜8:2がより好ましい。
【0026】前記その他の成分としては、本発明の効果
を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択
することができ、例えば相溶化剤などが好適に挙げられ
る。前記相溶化剤は、前記ノルボルネン系樹脂と、前記
固有複屈折値が負であるポリマーとを混合した際に相分
離が生じてしなう場合等に好適に使用することができ、
該相溶化剤を使用することによって、前記ノルボルネン
系樹脂と、前記固有複屈折値が負であるポリマーとの混
合状態を良好にすることができる。
【0027】前記1/2波長板は、波長λと、該波長λ
におけるレターデーション(Re(λ))との関係とし
て、波長450nm、波長550nm及び波長650n
mにおいて、次式、0.4≦(Re(λ)/λ)≦0.
6、を満たすのが好ましい。
【0028】前記1/2波長板の製造方法としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
る。例えば、以下のようにして製造することができる。
即ち、前記ノルボルネン系樹脂組成物を、溶液化して塗
布し乾燥することにより成膜化する溶液製膜法、あるい
はペレット化して溶融押出して成膜化する押出成形法、
等に従って製造することができる。
【0029】以上により得られた前記1/2波長板は、
例えば、波長450nm、550nm、650nmにお
けるレターデーション(Re)の値を、それぞれRe
(450)、Re(550)、Re(650)としたと
き、これらが次式、いずれの波長においても、式、0.
4≦(Re(450)/450)≦0.6、0.4≦
(Re(550)/550)≦0.6、0.4≦(Re
(650)/650)≦0.6、を満たしていれば、そ
のまま使用することができ、前記式を満たしていない場
合には、組成比や延伸温度などの条件を変更することに
より、前記式を満たすように前記レターデーション(R
e)の値を制御した後で使用することができる。前記延
伸としては、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機
械的流れ方向に直交する方向に延伸する横一軸延伸(例
えば、テンター延伸など)などが好適に挙げられるが、
延伸に異方性が存在すれば二軸延伸であってもよい。
【0030】本発明の偏光変換素子は、前記偏光変換部
材によって偏光方向が一致した2の直線偏光が各々出射
する領域を、同一平面内で互いに隣合って配置してなる
出射面を備えていてもよい。前記出射面を備えている
と、偏光の振動方向が一致した直線偏光を同一方向に出
射させることができ、自然光をより有効利用できる。前
記出射面は、例えば、短冊状の旋光層を一定間隔で、同
一平面内に互いに隣合って配置して形成してもよい。
【0031】(液晶プロジェクタ用投光装置)本発明の
液晶プロジェクタ用投光装置は、前記本発明の偏光変換
素子と、該偏光変換素子に光を入射する照射手段とを少
なくとも備える。
【0032】以下、本発明の液晶プロジェクタ用投光装
置の一例を、図面を参照しながら説明する。本発明の液
晶プロジェクタ用投光装置は、前記本発明の偏光変換素
子を液晶プロジェクタにおけるPS変換素子に適用した
ものである。なお、前記偏光変換素子においては、前記
偏光分離部材として偏光ビームスプリッタを用い、前記
偏光変換部材として前記1/2波長板を用いている。
【0033】図1に示すように、本発明の液晶プロジェ
クタ用投光装置が適用される液晶プロジェクタの光学部
10は、光源12を備えており、光源12の出射側に
は、1/2波長板15と偏光ビームスプリッタ14(詳
細は後述)とを有するPS変換素子13、及びハーフミ
ラー16が順に設置されている。ハーフミラー16の透
過側にはハーフミラー18が設置され、ハーフミラー1
8の反射側にはR色を担当する画像形成素子20が設置
されている。ハーフミラー16の反射側にはハーフミラ
ー24が設置され、ハーフミラー24の反射側にはG色
を担当する画像形成素子26が設置されている。ハーフ
ミラー24の透過側にはミラー28、30が順に設置さ
れ、ミラー30の反射側にはB色を担当する画像形成素
子32が設置されている。画像形成素子20、26、3
2の出射側にはRGBの各色の光を合成して投影光学系
34へ出射するためのプリズムが設けられている。画像
形成素子20は、光の入射側からガラス20G、1/2
波長板20λ、偏光板20P、液晶セル20Lが順に積
層されている。画像形成素子26は、光の入射側からガ
ラス26G、1/2波長板26λ、偏光板26P、PS
変換用の1/2波長板26λ、液晶セル26Lが順に積
層されている。画像形成素子32は、光の入射側からガ
ラス32G、1/2波長板32λ、偏光板32P、液晶
セル32Lが順に積層されている。
【0034】図2に示すように、偏光ビームスプリッタ
14には、1/2波長板15が取り付けられている。す
なわち、光源12側から、偏光ビームスプリッタ14、
1/2波長板15の順に構成されている。図3に示すよ
うに、偏光ビームスプリッタ14は、厚さWのガラス板
14Aを複数枚積層し、所定角度θ方向にカットして、
厚さHの偏光ビームスプリッタ14を得る構造に形成さ
れている。偏光ビームスプリッタ14には、光源12か
らの自然光iが入射される。図2の例では、ガラス14
bに入射される。自然光iの内のP偏光ipは偏光ビー
ムスプリッタ14のガラス14bをそのまま通過し、積
層されたガラス14aを通過する。一方、S偏光is
は、ガラス14bと積層されたガラス14aの界面で反
射し、更に次のガラスとの界面でも反射を繰り返し、ガ
ラス14bからS偏光isとして出射される。すなわ
ち、偏光ビームスプリッタ14からは、長尺状のP偏光
ip及びS偏光isが出射される。
【0035】なお、ここでは、偏光ビームスプリッタ1
4は、ガラス板14Aにより構成されているがこれに限
定されず、例えば、偏光ビームスプリッタ14は、金属
板や金属膜、あるいは表面にSiO2をコートした金属
板や金属膜を用いて構成してもよい。
【0036】偏光ビームスプリッタ14においては、図
2に示すように、光の出射側に、1/2波長板15が設
けられているが、1/2波長板15は、1/2波長板1
5として機能する有効領域15Aと、そのまま光を通過
させる通過領域15Bとから構成されており、ガラス1
4aの光の出射側に、1/2波長板として機能する有効
領域15Aが設けられ、1/2波長板15の有効領域1
5AでP偏光ipがS偏光isに変換される。
【0037】従って、ガラス14aからのP偏光ip
は、1/2波長板15の有効領域15AでS偏光isに
変換されて出射され、ガラス14bからのS偏光is
は、1/2波長板15の通過領域15Bをそのまま通過
して出射される。
【0038】このとき、有効領域15Aと通過領域15
Bとは、偏光ビームスプリッタ14から出射される光束
形状に対応して一定幅にかつ交互に配置されており、出
射面を1/2波長板の有効領域15Aと通過領域15B
とを交互に配置して構成しているので、偏光方向が一致
した(ここではS偏光に一致した)同一方向に進行する
直線偏光が出射面から得られる。即ち、ガラス14a、
14bからの光は、1/2波長板15を介在させること
で、共にS偏光isとして取り出される。このガラス1
4a、14bは繰り返されるので、自然光は、総てS偏
光に変換され、光の50%ロスがなく有効に利用可能と
なる。
【0039】1/2波長板15は、波長450nm、5
50nm及び650nmにおいて、直線偏光の旋光度が
90°±7°である。従って、青、緑及び赤に各々対応
する波長の直線偏光のいずれについても、その偏光面を
約90°変換することができるので、画像変換素子2
0、26、32の各々に入射する自然光は、総てS偏光
に変換され、光の50%ロスがなく有効に利用される。
その結果、液晶用プロジェクタにおいて、明るい多色投
影画像が形成される。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】(実施例1) −偏光ビームスプリッタ− 偏光ビームスプリッタは、以下のようにして得た。即
ち、偏光ビームスプリッタ14は、厚さ2.1mmのガ
ラス板14Aを16枚積層し、角度45度方向にカット
して、厚さ3.5mmの偏光ビームスプリッタ14を得
た(図3参照)。
【0042】−1/2波長板− 前記ノルボルネン系樹脂として、ノルボルネン樹脂(ジ
ェイエスアール社製、アートンF)19重量部と、前記
固有複屈折値が負である材料として、ポリスチレン(東
洋スチレン(株)製、HRM−2−211L)6重量部
と、相溶化剤(ノルボルネンとスチレンとの共重合体)
若干量と、を塩化メチレン溶液に溶解して塗布溶液(2
5重量%)を調製した。なお、前記ポリスチレンは、波
長450nm、波長550nmのときの固有複屈折値
(Δn)をそれぞれΔn(450)、Δn(550)と
したとき、その固有複屈折値の波長分散が、|Δn(4
50)/Δn(550)|=1.05であった。
【0043】前記塗布溶液をガラス板上にドクターブレ
ードを用いて流延し、乾燥して、厚みが104μmであ
る透明フィルムを形成した。この透明フィルムを150
℃で23%一軸延伸して1/2波長板を得た。
【0044】この1/2波長板について、レターデーシ
ョン測定器(王子計測社製、KOBRA21DH)を用
いて、そのRe値の波長分散を計測した。その結果、該
1/2波長板板は、波長450nm、550nm、65
0nmにおけるレターデーション(Re)の値を、それ
ぞれRe(450)、Re(550)、Re(650)
としたとき、いずれの波長においても、式、0.4≦
(Re(450)/450)≦0.6、0.4≦(Re
(550)/550)≦0.6、0.4≦(Re(65
0)/650)≦0.6、を満たしていた。また、波長
450nm、550nm、650nmの直線偏光を入射
して、王子計測機器(株)製KOBRA21DHにより
偏光方位角の変化を測定したところ、いずれの波長にお
いても偏光面は90°±3°の範囲内に変換されること
が確認できた。
【0045】次に、プリズムアレイ、偏光ビームスプリ
ッタ14、1/2波長板15を図1の順序で積層した。
さらに、その上に透過軸がストライプに平行になるよう
に偏光子を配置し、光の透過率を測定した。その結果、
図4に示すように、良好な特性が得られた。
【0046】(比較例1)波長550nmにおけるレタ
ーデーションが275nmのポリカーボネートフィルム
に、粘着材を含有する塗布液を塗布して粘着層を形成
し、該粘着層に離型紙を貼合したものを3枚用意した。
この3枚のフィルムを、遅相軸が図5に示す角度をなす
様に3枚貼合した。この貼合品は、広帯域1/2波長板
としての特性を有していた。さらに、この貼合品を、3
mm×50mmにカットし、実施例の1/2波長板の代
わりに、偏光ビームスプリッタに配置した。実施例と同
様にして光透過率を測定した結果を図6に示した。
【0047】図5及び図6に示す結果から明らかなよう
に、実施例1における1/2波長板を備えた偏光変換素
子は、従来の1/2波長板を備えた偏光変換素子と同等
以上の光学特性を示すことがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができ、積層形成ではなく単一素材で
形成することができ、広帯域において高性能な偏光変換
素子、及び該偏光変換素子を備えた高性能な液晶プロジ
ェクタ用投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる液晶プロ
ジェクタの光学部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態にかかるPS変換
素子における偏光状態を示す線図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかるPS変換
素子の構成を示す線図である。
【図4】図4は、実施例1の偏光変換素子について光の
透過率を測定した結果を示す特性図である。
【図5】図5は、比較例1で用いたポリマーフィルムか
らなる1/2波長板の遅相軸のずれを模式的に示す図で
ある。
【図6】図6は、比較例1の偏光変換素子について光の
透過率を測定した結果を示す特性図である。
【符号の説明】
10 液晶プロジェクタ 14 偏光ビームスピリッタ 15 1/2波長板 15A 有効領域 15B 通過領域
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA05 BA06 BA42 BA43 BB03 BB42 BB46 BB47 BC01 BC09 BC22 2H088 EA15 HA13 HA15 HA18 HA20 HA22 HA23 HA28 KA30 MA20 2H091 FA08Z FA10Z FA11Z FA15Z FA21Z FA41Z FB02 FB08 FC08 FC09 FD13 KA10 LA11 MA07 5C058 AA06 AB03 BA23 EA01 EA26 EA51 5C060 AA01 BA04 BA09 BB13 BC05 BD02 BE05 BE10 GA02 GB06 HC00 HC21 JA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した自然光を互いに直交する2つの
    直線偏光に分離する偏光分離部材と、分離した2の直線
    偏光のうち1の直線偏光の偏光方向を1/2波長板によ
    って90°変換して2の直線偏光の偏光方向を一致させ
    る偏光変換部材とを備えた偏光変換素子であって、 前記1/2波長板が、ノルボルネン系樹脂と、固有複屈
    折値が負であり、波長450nm、波長550nmのと
    きの固有複屈折値(Δn)をそれぞれΔn(450)、
    Δn(550)としたとき、固有複屈折値の波長分散
    が、次式、|Δn(450)/Δn(550)|≧1.
    02、を満たすポリマーと、を含むノルボルネン系樹脂
    組成物を用いて形成されたことを特徴とする偏光変換素
    子。
  2. 【請求項2】 1/2波長板が、波長λと、該波長λに
    おけるレターデーション(Re(λ))との関係とし
    て、波長450nm、波長550nm及び波長650n
    mにおいて、次式、0.4≦(Re(λ)/λ)≦0.
    6、を満たす請求項1に記載の偏光変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の偏光変換素子
    と、該偏光変換素子に光を入射する照射手段とを少なく
    とも備えたことを特徴とする液晶プロジェクタ用投光装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7494223B2 (en) 2005-03-28 2009-02-24 Fujinon Corporation Polarization conversion element, method of manufacturing the same and illumination source unit using the same
US8031288B2 (en) 2008-06-03 2011-10-04 Fujinon Corporation Polarization conversion element, polarized light illumination optical element, and liquid crystal projector

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