JP2001234940A - 等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイント

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JP2001234940A
JP2001234940A JP2000047159A JP2000047159A JP2001234940A JP 2001234940 A JP2001234940 A JP 2001234940A JP 2000047159 A JP2000047159 A JP 2000047159A JP 2000047159 A JP2000047159 A JP 2000047159A JP 2001234940 A JP2001234940 A JP 2001234940A
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Japan
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roller
constant velocity
velocity joint
inner roller
peripheral surface
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Application number
JP2000047159A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kudo
智 工藤
Shoichi Nakao
彰一 中尾
Tsutomu Kawakatsu
勉 川勝
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内側ローラに対してトラニオンが傾動する際に
発生する、前記内側ローラとニードルベアリングとの間
のモーメントによって付与される荷重を抑制することに
ある。 【解決手段】ニードルベアリング42の軸線方向に沿っ
た長さを、内側ローラ40の有効転動面の長さTからそ
の上部側に向かってR/2(1−cosθ)以上長く設
定するとともに、前記内側ローラ40の有効転動面の長
さTからその下部側に向かって3R/2(1−cos
θ)以上長く設定することにより、内側ローラ40が摺
動するニードルベアリング42の軸線方向に沿った転動
面の長さを延長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
駆動力伝達部において、一方の伝達軸である第1軸と他
方の伝達軸である第2軸とを連結させる等速ジョイント
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の駆動力伝達部では、
一方の伝達軸である第1軸と他方の伝達軸である第2軸
とを連結し回転力を各車軸へと伝達する等速ジョイント
が用いられている。
【0003】この種の等速ジョイントに関し、本出願人
は、一方の伝達軸が傾動してトラニオンが案内軌道に沿
って変位する際に発生するスライド抵抗を低減させるこ
とにより誘起スラスト性能を向上させ、しかも耐久性を
向上させることが可能な等速ジョイントおよびその組み
付け方法について提案している(特願平10−3491
44号、特願平10−371639号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記提案に
関連してなされたものであり、内側ローラに対してトラ
ニオンが傾動する際に発生する、前記内側ローラとニー
ドルベアリングとの間のモーメントによって付与される
荷重を抑制することにより、より一層スライド抵抗を減
少させ、しかも耐久性を向上させることが可能な等速ジ
ョイントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、所定間隔離間し軸線方向に沿って延在
する複数の案内溝が内周面に設けられ一方の伝達軸に連
結される筒状のアウタ部材と、前記アウタ部材の開口す
る内空部内に挿入されて他方の伝達軸に連結されるイン
ナ部材とを有する等速ジョイントにおいて、前記案内溝
に向かって膨出し、周方向に沿って球面が形成された複
数のトラニオンと、前記トラニオンに外嵌され、内周面
に前記球面に対応する球面状の凹部が形成された内側ロ
ーラと、前記内側ローラに外嵌され、前記案内溝に沿っ
て摺動する外周面が形成された外側ローラと、前記内側
ローラと前記外側ローラとの間に周方向に沿って介装さ
れた複数のニードルベアリングと、を備え、前記ニード
ルベアリングの軸線方向に沿った長さを、内側ローラの
有効転動面の長さから前記アウタ部材の半径外方向の一
端側に向かってR/2(1−cosθ)以上長く設定す
るとともに、前記内側ローラの有効転動面の長さから前
記アウタ部材の半径内方向の他端側に向かって3R/2
(1−cosθ)以上長く設定することを特徴とする。 但し、R:トラニオンの球心O1とスパイダボス部の中
心点O2とを直線で結んだ距離 θ:一方の伝達軸と他方の伝達軸とによって形成される
等速ジョイントの作動角度
【0006】この場合、前記内側ローラの外周面の上部
側稜線部および下部側稜線部にそれぞれ面取り部を形成
し、前記面取り部を、ニードルベアリングの軸線に対し
て約10度〜30度の傾斜角度を有する傾斜面によって
形成し、また、前記面取り部に、曲率半径Rが約0.5
mm〜1.0mmからなる曲面を形成するとよい。前記
内側ローラの外周面の上部側稜線部および下部側稜線部
に付与される荷重が抑制されるからである。
【0007】本発明によれば、ニードルベアリングの軸
線方向に沿った長さを、内側ローラの有効転動面の長さ
から前記アウタ部材の半径外方向の一端側に向かってR
/2(1−cosθ)以上長く設定するとともに、前記
内側ローラの有効転動面の長さから前記アウタ部材の半
径内方向の他端側に向かって3R/2(1−cosθ)
以上長く設定することにより、内側ローラが摺動するニ
ードルベアリングの軸線方向に沿った転動面の長さが延
長される。
【0008】従って、一方の伝達軸から他方の伝達軸に
回転力が伝達される際、内側ローラは、常時、ニードル
ベアリングの転動面の範囲内において回転するため、前
記内側ローラとニードルベアリングの端部とが接触する
ことにより発生する荷重が抑制される。
【0009】さらに、本発明は、所定間隔離間し軸線方
向に沿って延在する複数の案内溝が内周面に設けられ一
方の伝達軸に連結される筒状のアウタ部材と、前記アウ
タ部材の開口する内空部内に挿入されて他方の伝達軸に
連結されるインナ部材とを有する等速ジョイントにおい
て、前記案内溝に向かって膨出し、周方向に沿って球面
が形成された複数のトラニオンと、前記トラニオンに外
嵌され、内周面に前記球面に対応する球面状の凹部が形
成された内側ローラと、前記内側ローラに外嵌され、前
記案内溝に沿って摺動する外周面が形成された外側ロー
ラと、前記外側ローラの内周面に沿って配設された複数
のニードルベアリングと、前記内側ローラと前記複数の
ニードルベアリングとの間に介装され、前記トラニオン
の軸線方向に沿った変位を吸収する中間部材と、を備え
ることを特徴とする。
【0010】なお、ニードルベアリングの軸線に対して
約10度〜30度の傾斜角度を有する傾斜面からなる面
取り部を内側ローラに形成し、また、曲率半径Rが約
0.5mm〜1.0mmからなる曲面を前記面取り部に
形成するとよい。
【0011】本発明によれば、前記内側ローラと前記複
数のニードルベアリングとの間に中間部材を設け、前記
中間部材によってトラニオンの軸線方向に沿った変位を
吸収するように設けることにより、内側ローラに対して
トラニオンが傾動する際に該内側ローラに対して付与さ
れるモーメントを抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る等速ジョイントにつ
いて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。
【0013】図1および図2において、参照数字10
は、本発明の実施の形態に係る等速ジョイントを示す。
【0014】この等速ジョイント10は、一方の伝達軸
である第1軸12(図2において、その一部を省略して
示している)の一端部に一体的に連結されて開口部を有
する筒状のアウタカップ(アウタ部材)14と、他方の
伝達軸である第2軸16の一端部に固着されて前記アウ
タカップ14の孔部内に収納されるインナ部材18とか
ら構成される。
【0015】前記アウタカップ14の内壁面には、図1
に示されるように、軸線方向に沿って延在し、軸心の回
りにそれぞれ約120度の間隔をおいて3本の案内溝2
0a〜20cが形成される。前記案内溝20a〜20c
は、それぞれ、図3に示されるように、外周面に沿って
断面円弧状に形成された凹部を有する天井部22と、前
記天井部22の両側に相互に対向して形成された断面円
弧状の側面部24a、24bとから構成される。
【0016】第2軸16にはリング状のスパイダボス部
26が外嵌され、前記スパイダボス部26の外周面に
は、それぞれ案内溝20a〜20cに向かって膨出し軸
心の回りに約120度の間隔をおいて3本のトラニオン
28a〜28cが一体的に形成される。各トラニオン2
8a〜28cは、図3に示されるように、リング状のス
パイダボス部26から半径外方向に向かって膨出する首
部30と、前記首部30と一体的に形成され、略球面状
に形成された上面部32aおよび下面部32bからなる
頭部34とから構成される。なお、前記頭部34の上面
部32aと下面部32bとの間の略水平方向に沿った周
面は、球面36に形成されている。
【0017】トラニオン28a〜28cと側面部24
a、24bとの間には、図3に示されるように、リング
体からなり内周面の全体にわたって前記トラニオン28
a〜28cの球面36に対応する球面状の凹部38が形
成された内側ローラ40と、複数のニードルベアリング
42を介して前記内側ローラ40に外嵌される外側ロー
ラ44とを有する。前記外側ローラ44の外周面は、案
内溝20a〜20cの側面部24a、24bに対応して
断面円弧状に形成され、該外側ローラ44の外周面と案
内溝20a〜20cの側面部24a、24bとがそれぞ
れ面接触するように設けられている。
【0018】なお、前記外側ローラ44の外周面と案内
溝20a、20bの側面部24a、24bの断面形状
は、それぞれ、前記円弧状に限定されるものではなく、
断面がそれぞれ直線状となるように平面に形成してもよ
い。
【0019】前記複数のニードルベアリング42は、外
側ローラ44の内周面に形成された環状の凹部46内に
転動自在に装着されている。なお、前記複数のニードル
ベアリング42をキーストン効果によって前記凹部46
から脱落しないように組み込んでもよい。
【0020】この場合、内側ローラ40の外周面の上部
側稜線部および下部側稜線部には、その傾斜角度cが約
10度〜30度の範囲内に設定された傾斜面からなる面
取り部48が形成されている。
【0021】また、図4に示されるように、前記面取り
部48を除いて内側ローラ40の外周面がニードルベア
リング42の外周面に接触する接触面の長さ(内側ロー
ラ40の有効転動面の軸線方向に沿った長さ)をTとす
ると、前記長さTから上端部側に向かう前記ニードルベ
アリング42の一端部(上端部)の長さaは、R/2
(1−cosθ)以上に設定され、前記長さTから下端
側に向かう前記ニードルベアリング42の他端部(下端
部)の長さbは、3R/2(1−cosθ)以上に設定
されている。
【0022】なお、Rは、図3に示されるように、トラ
ニオン28a〜28cの球心O1とスパイダボス部26
の中心点O2とを直線で結んだ距離を示し、θは第1軸
12と第2軸16とによって形成される等速ジョイント
10の作動角度を示している。
【0023】この場合、前記ニードルベアリング42の
一端部(上端部)の長さaは、アウタカップ14の半径
外方向に沿ったニードルベアリング42の一端側の長さ
に対応するものであり、前記ニードルベアリング42の
他端部(下端部)の長さbは、アウタカップ14の半径
内方向に沿ったニードルベアリング42の他端側の長さ
に対応するものである。
【0024】前記内側ローラ40には、該内側ローラ4
0の内部に形成された孔部に対してトラニオン28a〜
28cを容易に組み込むための図示しない切欠部が形成
され、例えば、相互に対向する一組の円弧状の切欠部、
あるいは略楕円形状の切欠部等を形成するとよい。な
お、前記切欠部の詳細については、本出願人の提案に係
る特願平10−349144号および特願平10−37
1639号を参照するとよい。
【0025】前記トラニオン28a〜28cの球面36
と内側ローラ40の凹部38とは、それぞれ面接触する
ように設けられている。従って、トラニオン28a〜2
8cは、内側ローラ40に対して球心O1を中心として
矢印A方向に回動自在に設けられるとともに、該トラニ
オン28a〜28cの軸線を回動中心として球面に沿っ
た周方向(矢印B方向)に回動自在に設けられる。ま
た、トラニオン28a〜28cおよび内側ローラ40
は、外側ローラ44に保持されたニードルベアリング4
2に対して、一体的に上下方向(矢印C方向)に沿って
変位自在に設けられている。
【0026】本発明の実施の形態に係る等速ジョイント
10は基本的には以上のように構成されるものであり、
次に、その動作並びにその作用効果について説明する。
【0027】一方の伝達軸として機能する第1軸12が
回転すると、その回転力は、アウタカップ14を介して
インナ部材18に伝達され、トラニオン28a〜28c
を通じて第2軸16が所定方向に回転する。
【0028】すなわち、アウタカップ14の回転力は、
案内溝20a〜20cに接触する外側ローラ44および
ニードルベアリング42を介して内側ローラ40に伝達
され、さらに、前記内側ローラ40の凹部38に面接触
する球面36を介してトラニオン28a〜28cに伝達
されることにより前記トラニオン28a〜28cに係合
する第2軸16が回転する。
【0029】この場合、第1軸12を有するアウタカッ
プ14に対して第2軸16が所定角度傾斜すると、内側
ローラ40に形成された球面状の凹部38に対してトラ
ニオン28a〜28cの球面36が面接触した状態を保
持しながら、前記トラニオン28a〜28cは、図3に
示されるように、球心O1を回動中心として矢印A方向
に摺動変位し、あるいはトラニオン28a〜28cの軸
線を回転中心として球面状の凹部38に沿って周方向
(矢印B方向)に摺動変位する。
【0030】また、前記トラニオン28a〜28cは、
外側ローラ44に保持されたニードルベアリング42に
対して摺動する内側ローラ40と一体的に、該トラニオ
ン28a〜28cの軸線方向(矢印C方向)に沿って変
位する。
【0031】さらに、前記トラニオン28a〜28c
は、案内溝20a〜20cに沿って摺動する外側ローラ
44を介して該トラニオン28a〜28cの軸線と略直
交する方向、すなわち、案内溝20a〜20cの長手方
向(矢印D方向)に沿って変位する(図2参照)。
【0032】このようにして、第1軸12の回転運動
は、アウタカップ14に対する第2軸16の傾斜角度に
影響されることなく該第2軸16に円滑に伝達される。
【0033】次に、内側ローラ40の有効転動面の軸線
方向に沿った長さTとニードルベアリング42の軸線方
向に沿った長さ(T+a+b)との関係について説明す
る。
【0034】一方の伝達軸から他方の伝達軸に対する回
転力の伝達中において、内側ローラ40に対してトラニ
オン28a〜28cが相対的に傾動する際、前記内側ロ
ーラ40とニードルベアリング42との間にモーメント
が発生する場合がある。すなわち、トラニオン28a〜
28cが傾動するときに前記内側ローラ40も連動して
僅かながら傾動しようとするために、前記内側ローラ4
0とニードルベアリング42との間にモーメントが発生
するからである。
【0035】この場合、仮に、前記内側ローラ40の有
効転動面の軸線方向に沿った長さTがニードルベアリン
グ42の軸線方向に沿った長さ以上に形成されている
と、前記内側ローラ40の外周面がニードルベアリング
42の軸線方向に沿った一端部または他端部にそれぞれ
接触することにより荷重が付与される。
【0036】そこで、前記荷重を抑制するためには、ニ
ードルベアリング42の軸線方向に沿った長さを十分に
長く設定する必要がある。換言すると、内側ローラ40
の外周面が摺動するニードルベアリング42の軸線方向
に沿った転動面の長さを延長する必要がある。この場
合、等速ジョイント10が回転しているときにおいて、
内側ローラ40がニードルベアリング42の軸線方向に
沿って変位する上下動は、次のように表される。
【0037】すなわち、図4に示されるように、ニード
ルベアリング42の転動面に接触する内側ローラ40の
有効転動面の長さをTとすると、前記内側ローラ40が
前記長さTからニードルベアリング42の一端側(上部
側)に向かって摺動する上昇量δuはR/2(1−co
sθ)となり、一方、前記内側ローラ40が前記長さT
からニードルベアリング42の他端側(下部側)に向か
って摺動する下降量δ dは3R/2(1−cosθ)と
なる。
【0038】なお、Rは、トラニオン28a〜28cの
球心O1とスパイダボス部26の中心点O2とを直線で結
んだ距離、θは第1軸12と第2軸16とによって形成
される等速ジョイント10の作動角度をそれぞれ示して
いる。
【0039】従って、ニードルベアリング42の軸線方
向に沿った一端側の長さaを前記長さTの一方の終点か
らR/2(1−cosθ)以上の長さだけ長くなるよう
に設定し、且つ、前記ニードルベアリング42の軸線方
向に沿った他端側の長さbを前記長さTの他方の終点か
ら3R/2(1−cosθ)以上の長さだけ長く設定す
るとよい。
【0040】このように、本実施の形態では、内側ロー
ラ40が摺動するニードルベアリング42の軸線方向に
沿った転動面の長さを、ニードルベアリング42の一端
側(上部側)に向かって摺動する上昇量δuおよびニー
ドルベアリング42の他端側(下部側)に向かって摺動
する下降量δdに対応させて延長することにより、内側
ローラ40を、常時、ニードルベアリング42の転動面
の範囲内において回転させることができる。
【0041】従って、本実施の形態では、内側ローラ4
0に対し球面36を介して面接触するトラニオン28a
〜28cが相対的に傾動する際、前記内側ローラ40と
ニードルベアリング42の端部との接触によって発生す
る荷重を抑制することにより、スライド抵抗を減少さ
せ、しかも耐久性を向上させることができる。
【0042】また、本実施の形態では、図4に示される
ように、内側ローラ40の外周面の上部側稜線部および
下部側稜線部に、その傾斜角度が約10度〜30度の範
囲内に設定された傾斜面からなる面取り部48を形成
し、第1軸12の回転運動が第2軸16に伝達される際
に第1軸12と第2軸16とが相対的に傾斜し、内側ロ
ーラ40とニードルベアリング42との間に発生するモ
ーメントによって付与される荷重を前記面取り部48に
よって抑制することにより、より一層スライド抵抗を減
少させ、耐久性を向上させることができる。
【0043】なお、図5に示されるように、内側ローラ
40に形成された上部側稜線部および下部側稜線部の傾
斜面と内側ローラ40の断面直線状の外周面との境界部
分に曲率半径Rが約0.5mm〜1.0mmからなる曲
面を形成し、あるいは、図6に示されるように、上部側
稜線部および下部側稜線部の傾斜面を曲率半径Rが約
0.5mm〜1.0mmからなる曲面に形成すると、よ
り一層スライド抵抗を減少させることができ、好適であ
る。
【0044】さらに、図7に示されるように、内側ロー
ラ40と外側ローラ44の凹部46内に保持されたニー
ドルベアリング42との間に、トラニオン28a〜28
cの軸線方向の変位を吸収するための中間部材50を介
装するようにしてもよい。
【0045】この中間部材50は、円筒部52と、前記
円筒部52の下部側に屈曲して一体的に形成され半径外
方向に向かって所定長だけ突出するフランジ部54とを
有し、内側ローラ40が前記円筒部52の内周面に接触
し、複数のニードルベアリング42の転動面が円筒部5
2の外周面に接触するとともに、ニードルベアリング4
2の一端部がフランジ部54によって支持されるように
設けられている。
【0046】また、複数のニードルベアリング42の他
端部がリング状のワッシャ56によって保持され、前記
ワッシャ56に係合し且つ環状溝に係止されるクリップ
58によって中間部材50が支持されている。
【0047】ところで、図3に示されるように、トラニ
オン28a〜28cの球面36とともに上下方向(矢印
C方向)に沿って変位する内側ローラ40と、内周面に
沿って複数のニードルベアリング42が配設された外側
ローラ44とを備える等速ジョイント10では、前記ニ
ードルベアリング42が、回転力の伝達、内側ロー
ラ40および外側ローラ44の円滑な回転、内側ロー
ラ40の上下方向(矢印C方向)の変位の吸収、という
〜の3つの機能を同時に果たしている。
【0048】そこで、図7に示されるように、内側ロー
ラ40とニードルベアリング42との間に別部材からな
る中間部材50を設け、前記の上下方向の変位の吸収
という機能を前記中間部材50によって担わせることに
より、ニードルベアリング42はの機能が削減されて
との2つの機能のみを果たせばよいため、より一層
内側ローラ40の円滑な回転が確保されるという利点が
得られる。
【0049】換言すると、内側ローラ40とニードルベ
アリング42との間に、前記内側ローラ40の上下方向
の変位を吸収する中間部材50を設けることにより、内
側ローラ40の有効転動面の軸線方向に沿った長さTと
は無関係にニードルベアリング42の軸線方向の長さを
設定することができ、前記中間部材50によってトラニ
オン28a〜28cが傾動する際に内側ローラ40に付
与されるモーメントを抑制することができる。
【0050】なお、図8に示されるように、円筒部60
の一端部および他端部を所定角度折曲させた屈曲部62
a、62bが形成された他の中間部材64を用いてもよ
い。前記他の中間部材64では、屈曲部62a、62b
をそれぞれ外側ローラ44に係合させることにより、前
記ワッシャ56およびクリップ58を除去して部品点数
を削減することができる。なお、その他の作用効果は、
前記中間部材50と同様であるため、その詳細な説明を
省略する。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。
【0052】すなわち、内側ローラが摺動するニードル
ベアリングの軸線方向に沿った転動面の長さを延長する
ことにより、内側ローラを、常時、ニードルベアリング
の転動面の範囲内において回転させることができる。
【0053】従って、内側ローラに対してトラニオンが
相対的に傾動する際、前記内側ローラとニードルベアリ
ングの端部との接触によって発生する荷重を抑制するこ
とにより、スライド抵抗を減少させ、しかも耐久性を向
上させることができる。
【0054】また、内側ローラの外周面の上部稜線部お
よび下部稜線部にそれぞれ面取り部を形成することによ
り、より一層スライド抵抗を減少させることができる。
【0055】さらに、内側ローラとニードルベアリング
との間に、トラニオンの軸線方向に沿った変位を吸収す
る中間部材を介装することにより、内側ローラに対して
トラニオンが傾動する際に発生するモーメントによって
付与される荷重を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る等速ジョイントの軸
線と略直交する方向の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】図1の一部省略拡大縦断面図である。
【図4】内側ローラとニードルベアリングとの長さを示
す一部省略拡大縦断面図である。
【図5】内側ローラの面取り部を構成する傾斜面と断面
直線状の境界部分を曲率半径Rからなる曲面によって形
成した状態を示す一部省略拡大縦断面図である。
【図6】内側ローラの面取り部を構成する傾斜面を曲率
半径Rからなる曲面によって形成した状態を示す一部省
略拡大縦断面図である。
【図7】内側ローラとニードルベアリングとの間に中間
部材を介装した状態を示す一部省略拡大縦断面図であ
る。
【図8】内側ローラとニードルベアリングとの間に他の
中間部材を介装した状態を示す一部省略拡大縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10…等速ジョイント 12、16…軸 14…アウタカップ 18…インナ部材 20a〜20c…案内溝 26…スパイダボ
ス部 28a〜28c…トラニオン 34…頭部 36…球面 38、46…凹部 40…内側ローラ 42…ニードルベ
アリング 44…外側ローラ 48…面取り部 50、64…中間部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川勝 勉 栃木県真岡市松山町19 本田技研工業株式 会社栃木製作所内 Fターム(参考) 3J101 AA14 AA24 AA42 AA52 AA62 BA02 BA53 BA56 BA77 FA31 FA60 GA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定間隔離間し軸線方向に沿って延在する
    複数の案内溝が内周面に設けられ一方の伝達軸に連結さ
    れる筒状のアウタ部材と、前記アウタ部材の開口する内
    空部内に挿入されて他方の伝達軸に連結されるインナ部
    材とを有する等速ジョイントにおいて、 前記案内溝に向かって膨出し、周方向に沿って球面が形
    成された複数のトラニオンと、 前記トラニオンに外嵌され、内周面に前記球面に対応す
    る球面状の凹部が形成された内側ローラと、 前記内側ローラに外嵌され、前記案内溝に沿って摺動す
    る外周面が形成された外側ローラと、 前記内側ローラと前記外側ローラとの間に周方向に沿っ
    て介装された複数のニードルベアリングと、 を備え、 前記ニードルベアリングの軸線方向に沿った長さを、内
    側ローラの有効転動面の長さから前記アウタ部材の半径
    外方向の一端側に向かってR/2(1−cosθ)以上
    長く設定するとともに、前記内側ローラの有効転動面の
    長さから前記アウタ部材の半径内方向の他端側に向かっ
    て3R/2(1−cosθ)以上長く設定することを特
    徴とする等速ジョイント。 但し、R:トラニオンの球心O1とスパイダボス部の中
    心点O2とを直線で結んだ距離 θ:一方の伝達軸と他方の伝達軸とによって形成される
    等速ジョイントの作動角度
  2. 【請求項2】請求項1記載の等速ジョイントにおいて、 前記内側ローラの外周面の上部側稜線部および下部側稜
    線部にそれぞれ面取り部を形成し、前記面取り部は、ニ
    ードルベアリングの軸線に対して約10度〜30度の傾
    斜角度を有する傾斜面からなることを特徴とする等速ジ
    ョイント。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の等速ジョイントに
    おいて、 前記面取り部は、曲率半径Rが約0.5mm〜1.0m
    mからなる曲面を有することを特徴とする等速ジョイン
    ト。
  4. 【請求項4】所定間隔離間し軸線方向に沿って延在する
    複数の案内溝が内周面に設けられ一方の伝達軸に連結さ
    れる筒状のアウタ部材と、前記アウタ部材の開口する内
    空部内に挿入されて他方の伝達軸に連結されるインナ部
    材とを有する等速ジョイントにおいて、 前記案内溝に向かって膨出し、周方向に沿って球面が形
    成された複数のトラニオンと、 前記トラニオンに外嵌され、内周面に前記球面に対応す
    る球面状の凹部が形成された内側ローラと、 前記内側ローラに外嵌され、前記案内溝に沿って摺動す
    る外周面が形成された外側ローラと、 前記外側ローラの内周面に沿って配設された複数のニー
    ドルベアリングと、 前記内側ローラと前記複数のニードルベアリングとの間
    に介装され、前記トラニオンの軸線方向に沿った変位を
    吸収する中間部材と、 を備えることを特徴とする等速ジョイント。
  5. 【請求項5】請求項4記載の等速ジョイントにおいて、 前記内側ローラの外周面の上部側稜線部および下部側稜
    線部にそれぞれ面取り部を形成し、前記面取り部は、ニ
    ードルベアリングの軸線に対して約10度〜30度の傾
    斜角度を有する傾斜面からなることを特徴とする等速ジ
    ョイント。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の等速ジョイントに
    おいて、 前記面取り部は、曲率半径Rが約0.5mm〜1.0m
    mからなる曲面を有することを特徴とする等速ジョイン
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8029372B2 (en) 2003-12-22 2011-10-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Constant velocity universal joint

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