JP2001233633A - 光ファイバ母材及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材及びその製造方法

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JP2001233633A
JP2001233633A JP2000044624A JP2000044624A JP2001233633A JP 2001233633 A JP2001233633 A JP 2001233633A JP 2000044624 A JP2000044624 A JP 2000044624A JP 2000044624 A JP2000044624 A JP 2000044624A JP 2001233633 A JP2001233633 A JP 2001233633A
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dopant
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preform
optical fiber
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Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
Masashi Onishi
正志 大西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア領域への第2ドーパントの添加が抑制さ
れて、光ファイバでの伝送損失が向上される光ファイバ
母材、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質ガラスプリフォーム作成時にコア
領域10に添加される第1ドーパントGeの濃度分布に
おいて、グレーデッド型の濃度分布の外周部分に、角状
に突出した高濃度部を有する中間領域20を形成する。
そして、選択焼結によって中間領域20内の部位などを
選択的に高密度化した後、気化された第2ドーパントF
を含む雰囲気内にプリフォームを露呈して、高密度化さ
れていないクラッド領域30にFを吸収させて添加す
る。これによって、コア領域10へのFの余分な添加が
抑制され、光ファイバの伝送損失を向上することが可能
な光ファイバ母材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレーデッド型の
屈折率分布を有する光ファイバ母材、及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グレーデッド型の屈折率分布を有する光
ファイバ母材の製造工程において、Ge(ゲルマニウ
ム)などの第1ドーパントが添加されて形成された多孔
質ガラスプリフォームに対して、さらにF(フッ素)な
どの第2ドーパントを添加して、光ファイバ母材のコア
領域及びクラッド領域を形成する方法が用いられる。
【0003】従来のこのような第2ドーパントの添加方
法としては、中心軸を含む光ファイバ母材のコア領域に
第1ドーパントが所定の濃度分布で添加された多孔質ガ
ラスプリフォームを作成した後、その多孔質ガラスプリ
フォームを加熱することによって高密度化を行って、プ
リフォーム内に第1ドーパントの濃度分布に応じた嵩密
度分布を形成する方法がある。すなわち、SiO2など
を主成分とするプリフォームの高密度化温度(透明化温
度、軟化温度)は、第1ドーパントを添加することによ
って低下する。このため、適当な加熱温度によって加熱
を行うと、その濃度分布に応じて、高濃度部分で選択的
に高密度化が起こる。
【0004】このとき、コア外側のクラッド領域は、第
1ドーパントが添加されていないため、高密度化温度が
コア領域よりも高く、この加熱工程では高密度化されな
い。そして、この加熱工程の後に、多孔質ガラスプリフ
ォームを第2ドーパント雰囲気中に露呈させて、気化さ
れた第2ドーパントを吸収させると、高密度化されてい
ないクラッド領域に選択的に第2ドーパントが添加され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グレー
デッド型の屈折率分布を得るための第1ドーパントの濃
度分布においては、第1ドーパントの濃度はコア領域の
外周近傍では低濃度であり、その外周近傍の領域に対す
る高密度化温度は、第1ドーパントが添加されていない
クラッド領域とほぼ等しくなる。
【0006】このため、この外周領域は、第2ドーパン
ト添加前の加熱工程において充分に高密度化されないこ
ととなり、コア領域内にも第2ドーパントが余分に吸収
されてしまう。このようにコア領域内に第2ドーパント
が添加されると、光ファイバとしての伝送損失が劣化し
てしまうという問題を生じる。
【0007】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、コア領域への第2ドーパントの添加が抑制
されて、光ファイバでの伝送損失が向上される光ファイ
バ母材、及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光ファイバ母材の製造方法は、
(1)第1ドーパントが添加されたコア領域と、コア領
域の外周に設けられた領域の内側及び外側の両端部で該
端部での第1ドーパントの濃度よりも高い濃度の所定の
ドーパントが添加された中間領域と、中間領域の外周に
設けられたクラッド領域とを有する多孔質ガラスプリフ
ォームを作成するプリフォーム作成工程と、(2)多孔
質ガラスプリフォームを加熱して、中間領域の一部を少
なくとも含む部位を選択的に高密度化する高密度化工程
と、(3)選択的に高密度化された多孔質ガラスプリフ
ォームを、第2ドーパントを含む雰囲気中に露呈させ
て、クラッド領域に第2ドーパントを吸収させて添加す
るドーパント吸収工程と、(4)第2ドーパントが添加
された多孔質ガラスプリフォームを加熱焼結して透明化
し、コア領域内にグレーデッド型の屈折率分布を有する
透明ガラスプリフォームとする透明化工程とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】また、光ファイバ母材は、(a)第1ドー
パントが添加され、領域内にグレーデッド型の屈折率分
布を有するコア領域と、(b)コア領域の外周に設けら
れた領域の内側及び外側の両端部で該端部での第1ドー
パントの濃度よりも高い濃度の所定のドーパントが添加
された中間領域と、(c)中間領域の外周に設けられ、
第2ドーパントが添加されたクラッド領域とを備えるこ
とを特徴とする。
【0010】上記した光ファイバ母材及びその製造方法
では、コア領域の外周、すなわちグレーデッド型に分布
した第1ドーパントの濃度分布の低濃度となる外周近傍
の領域に、濃度分布が高濃度部を有して角状に突出した
中間領域を形成している。
【0011】このとき、多孔質ガラスプリフォームを加
熱する高密度化工程において、中間領域の角状の高濃度
部分などが選択的に高密度化され(選択焼結)、ドーパ
ント吸収工程において第2ドーパントが通過できない高
密度領域が形成される。これによって、コア領域への第
2ドーパントの余分な添加が抑制されて、伝送損失が低
減された光ファイバを実現する光ファイバ母材が得られ
る。
【0012】また、第2ドーパント添加前の選択焼結に
おいて、コア領域内からクラッド領域側へと第1ドーパ
ントが一部流出してしまう場合があるが、上記した構成
及び製造方法によれば、外周にある中間領域が先に高密
度化するため、選択焼結中での第1ドーパントの流出も
同時に低減することができる。
【0013】また、プリフォーム作成工程において、中
間領域に添加される所定のドーパントは、第1ドーパン
トであることを特徴とする。この場合、多孔質ガラスプ
リフォームの作成時に、第1ドーパントの濃度分布を調
整するのみで、グレーデッド型の濃度分布を有するコア
領域、及び角状の濃度分布を有する中間領域を形成する
ことができる。ただし、この中間領域に用いるドーパン
トは、選択焼結での高密度化が可能なものであれば、第
1ドーパントとは異なるドーパントであっても良い。
【0014】また、プリフォーム作成工程において、V
AD法またはOVD法によって多孔質ガラスプリフォー
ムを作成することが好ましい。これらの合成方法によれ
ば、コア領域及び中間領域での上記したドーパントの濃
度分布を好適に実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光ファイバ母材、及びその製造方法の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。なお、図面の説明においては同
一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致し
ていない。
【0016】図1は、本発明による光ファイバ母材によ
って得られる光ファイバの一実施形態の断面構造、及び
ファイバ径方向(図中の線Lで示された方向)の屈折率
プロファイルを模式的に示す図である。この光ファイバ
は、光ファイバの中心軸を含むコア領域1と、コア領域
1の外周に設けられた中間領域2と、中間領域2の外周
に設けられたクラッド領域3とを有して構成されてい
る。
【0017】なお、図1に示された屈折率プロファイル
の横軸は、スケールは異なるが、図中の断面構造に示さ
れた線Lに沿った、コア部1aの中心軸に対して垂直な
断面上の各位置に相当している。したがって、図中の屈
折率プロファイルにおいて、コア領域1はコア部1aの
線L上の領域、中間領域2は中間部2aの線L上の領
域、クラッド領域3はクラッド部3aの線L上の領域、
にそれぞれ対応している。また、屈折率プロファイルの
縦軸について、比較のため、純粋SiO2での屈折率を
点線によって示している。
【0018】この光ファイバは、SiO2(石英ガラ
ス)を主成分とする光導波路である。コア領域1は、グ
レーデッドインデックス型の屈折率プロファイルとなる
ように形成されている。また、コア領域1の外周にある
中間領域2は、グレーデッド型の屈折率プロファイルか
ら角状に突出するプロファイルを有している。
【0019】上記した構成を有する光ファイバが得られ
る光ファイバ母材の製造方法について、その実施例とと
もに説明する。
【0020】本発明による光ファイバ母材の製造方法に
おいては、まず、SiO2を主成分とするガラス微粒子
堆積体(スス体)である多孔質ガラスプリフォームを、
気相合成法によって作成する(プリフォーム作成工
程)。この多孔質ガラスプリフォームには、光ファイバ
のコア領域1を形成するため、純粋SiO2に比べて屈
折率を高くさせる第1ドーパントとして、Ge(ゲルマ
ニウム)がGeO2などとして添加される。なお、気相
合成法としては、Geの好適な濃度分布を得るためにV
AD法またはOVD法を用いることが好ましい。
【0021】図2は、多孔質ガラスプリフォームに添加
される第1ドーパントGeの濃度プロファイルの一例を
示すグラフである。このグラフでは、横軸はガラスプリ
フォーム内における径方向の位置を示し、縦軸はそれぞ
れの部位で添加されているGeの添加濃度を重量%によ
って示している。また、径方向の位置については、グラ
フの右端軸がガラスプリフォームの中心軸(図1に示し
た光ファイバのコア部1aの中心軸に相当)の位置とな
っている。
【0022】この多孔質ガラスプリフォーム内は、図2
に示すように、Geの添加濃度に関して、プリフォーム
の中心軸を含むコア領域10と、コア領域10の外周に
設けられた中間領域20と、中間領域20の外周に設け
られたクラッド領域30との3つの領域に分けられる。
プリフォームの内側部分であるコア領域10は、光ファ
イバのコア領域1(図1)となる領域であり、グレーデ
ッド型の濃度分布となるようにGeが添加されている。
また、プリフォームの外側部分であるクラッド領域30
は、光ファイバのクラッド領域3となる領域であり、G
eがほとんど添加されない領域となっている。
【0023】コア領域10及びクラッド領域30に挟ま
れている中間領域20は、コア領域10におけるグレー
デッド型の濃度分布の外周部分に形成されている。この
中間領域20内への第1ドーパントGeの添加について
は、中間領域20のコア領域10側(内側)の端部20
aでのGeの濃度、及びクラッド領域30側(外側)の
端部20bでのGeの濃度のいずれよりも高い濃度にG
eが添加された高濃度部20cを有して角(つの)状に
突出した濃度分布となるように、Geが添加されてい
る。なお、この多孔質ガラスプリフォームの段階では、
本実施形態ではいずれの領域10〜30に対しても第1
ドーパントGe以外のドーパントは添加されていない。
【0024】次に、得られた多孔質ガラスプリフォーム
を加熱して、上記したGeの濃度分布に対応した嵩密度
となるように、選択的に高密度化する(高密度化工
程)。まず、作成された多孔質ガラスプリフォームを焼
結炉に入れ、温度1000℃〜1300℃、好ましくは
1300℃に加熱して、Cl2(塩素)及びHe(ヘリ
ウム)の混合ガス雰囲気中で脱水処理する。脱水が終了
したら、続いて、He雰囲気中において温度1300〜
1450℃、好ましくは1400℃で多孔質ガラスプリ
フォームを長時間保持して、プリフォームの所定部位を
選択的に高密度化(透明化)させる選択焼結を行う。
【0025】ここで、本工程における高密度化は、純粋
なSiO2が透明化される温度よりも低い温度での加熱
焼結によって行われる。このとき、第1ドーパントGe
が添加されている部位は、高密度化温度がドーパントに
より添加濃度に応じて低くなっており、Geが高濃度で
添加されている部位において選択的に高密度化が起こ
る。
【0026】すなわち、多孔質ガラスプリフォームの領
域10〜30のうち、Geがほとんど添加されていない
クラッド領域30では高密度化が起こらず、この領域は
多孔質のスス体のままとなる。一方、コア領域10及び
中間領域20では、それぞれの領域内の各部位でのGe
の添加濃度分布に応じて選択的に高密度化が起こり、濃
度分布に対応した嵩密度分布が形成される。
【0027】本実施形態においては、図2に示すよう
に、プリフォームの中心軸を含むコア領域10内の部
位、及び中間領域20の高濃度部20c等のGe高濃度
部分が、選択的に高密度化される。なお、コア領域10
及び中間領域20のどの領域範囲までが高密度化される
かは、選択焼結時の温度設定などによって調整すること
が可能である。
【0028】次に、高密度化後の多孔質ガラスプリフォ
ームに対して、光ファイバのクラッド領域3を形成する
ため、純粋SiO2に比べて屈折率を低くさせる第2ド
ーパントとして、F(フッ素)を吸収させて添加する
(ドーパント吸収工程)。本工程においては、温度は高
密度化工程と同じ温度1300〜1450℃、好ましく
は1400℃に保持されるとともに、雰囲気がHe及び
Fの混合ガスとされる。そして、選択焼結された多孔質
ガラスプリフォームが、この混合ガス雰囲気中に露呈さ
れて、気化されたFの吸収によるプリフォーム内への添
加が行われる。
【0029】図3は、F添加後のプリフォームにおける
第2ドーパントFの濃度プロファイル(重量%)を示す
グラフである。また、図2に示した第1ドーパントGe
の濃度プロファイルについても、点線で示してある。た
だし、F及びGeのそれぞれの濃度プロファイルの縦軸
スケール(重量%)は、グラフの右端軸及び左端軸に示
すように、それぞれ異なっている。
【0030】ここで、クラッド領域30は高密度化工程
においてほとんど高密度化されていないので、図3に示
すように、雰囲気中の気化されたFがその内部に吸収さ
れて所定濃度に添加される。一方、中間領域20内の高
濃度部20cは、上記したようにGeの添加濃度が高
く、高密度化工程において選択的に高密度化されてい
る。したがって、クラッド領域30内に吸収されたFは
中間領域20を通過することができず、中間領域20よ
りも内側にあるコア領域10内には、第2ドーパントF
は添加されない。
【0031】第2ドーパントFの添加を終了したら、多
孔質ガラスプリフォームを加熱焼結して透明化する(透
明化工程)。Fが添加された多孔質ガラスプリフォーム
の温度を1450〜1600℃、好ましくは1550℃
まで上げ、He雰囲気中において焼結させてスス体を透
明化し、焼結体である透明ガラスプリフォームとする。
そして、この透明ガラスプリフォームを光ファイバ母材
として線引きすることによって、図1に示したような屈
折率分布を有する光ファイバが得られる。なお、図3に
示したGe及びFの濃度プロファイルは、光ファイバ母
材である透明ガラスプリフォームでの濃度プロファイル
を示している。
【0032】上記した実施形態においては、グレーデッ
ド型の濃度分布に第1ドーパントGeが添加されている
コア領域10の外周部分に、高濃度部20cを有して角
状の濃度分布となる中間領域20を形成する。そして、
プリフォーム全体を透明化して透明ガラスプリフォーム
とする透明化工程での加熱焼結よりもやや低い温度で選
択焼結を行って、高密度部20cを含むGe高濃度部分
を選択的に高密度化している。この状態において、第2
ドーパントFを含む雰囲気中で、多孔質ガラスプリフォ
ームへの気化されたFの吸収による添加を行うと、Fは
既に高密度化されている中間領域20を通過できずに、
図3に示すように、クラッド領域30に対して選択的に
添加される。
【0033】図4は、上記した光ファイバ母材の製造方
法におけるドーパントの添加過程について、その濃度分
布に対応する屈折率プロファイルによって示す模式図で
ある。図4(a)は、第1ドーパントGeが添加された
多孔質ガラスプリフォーム(スス体)の段階(プリフォ
ーム作成工程後の段階)でのGeの濃度分布に相当する
屈折率プロファイルを示している。一方、図4(b)
は、第2ドーパントFがさらに添加された後に加熱焼結
された透明ガラスプリフォーム(焼結体)の段階(透明
化工程後の段階)でのGe及びFの濃度分布に相当する
屈折率プロファイルを示している。
【0034】この図4(a)及び(b)に示すように、
中間領域20の選択焼結を行うことによって、コア領域
10(コア領域1)内には余分なFは添加されず、その
屈折率プロファイルも変化しない。したがって、クラッ
ド領域3となるクラッド領域30のみにFが効率的に添
加されて屈折率が低くされ、グレーデッド型のコアを有
する好適な屈折率プロファイルが得られる。また、コア
領域1内に余分なFが添加されることによる光ファイバ
の伝送損失の劣化が抑制される。
【0035】また、選択焼結を行う高密度化工程におい
て、コア領域10内に添加されている第1ドーパントG
eの一部が、加熱時にクラッド領域30に流出してしま
う場合がある。これに対しても、上記した濃度分布によ
るGe添加を用いれば、選択焼結したときに、グレーデ
ッド型の濃度分布を有するコア領域10の外周にある中
間領域20が先に高密度化するため、選択焼結時のGe
の流出についても同時に低減される。
【0036】上記の製造方法及びGe、Fの濃度分布に
よって作成された透明ガラスプリフォーム(光ファイバ
母材)を線引きして光ファイバとしたところ、その伝送
損失は0.2dB/kmとなり、コア領域1にFが添加
されないことによって、伝送損失の小さい光ファイバが
得られた。
【0037】上記の実施例に対する比較例として、図5
に示すようなGeの濃度プロファイルの多孔質ガラスプ
リフォームを作成し、実施例と同様の工程を経て透明ガ
ラスプリフォームを形成した。得られた透明ガラスプリ
フォームを調べたところ、図6に示すように、コア領域
内にもFが吸収され、コア中心までFが添加されてい
た。この透明ガラスプリフォーム(光ファイバ母材)を
線引きして光ファイバとしたところ、その伝送損失は
0.23dB/kmとなり、コアへのFの余分な添加に
よって、実施例よりも伝送損失の大きい光ファイバとな
った。
【0038】以上より、多孔質ガラスプリフォームでの
第1ドーパントGeの濃度分布において、コア領域10
及びクラッド領域30の境界領域に、角状に高濃度とな
る中間領域20を形成して選択焼結を行うことによっ
て、コア領域10内へのFの余分な添加が抑制されて、
伝送損失が向上された光ファイバが実現可能な光ファイ
バ母材が得られる。
【0039】本発明による光ファイバ母材、及びその製
造方法は、上記した実施形態及び実施例に限られるもの
ではなく、様々な変形や構成の変更が可能である。
【0040】図7は、本発明による光ファイバ母材及び
その製造方法の他の実施形態を示す模式図である。本実
施形態においては、コア領域10には、図7(a)に示
すように、Geがほとんど添加されていない低濃度部1
0aを中心部に有するリングコア型の屈折率プロファイ
ルとなるように、第1ドーパントGeが添加されてい
る。そして、グレーデッド型となっているリングコア部
10bの外周部分に、角状のGe濃度分布を有する高濃
度の中間領域20が形成されている。
【0041】この多孔質ガラスプリフォームに対して、
選択焼結による高密度化を行った後に、気化された第2
ドーパントFを吸収によって添加する。このとき、低濃
度部10a及びリングコア部10bを含むコア領域10
内にはFは添加されず、図7(b)に示すように、クラ
ッド領域30にFが添加される。このように、コア領域
10内に複数の領域を有する構成においても、そのクラ
ッド領域30との境界部分に中間領域20を形成するこ
とによって、コアへの余分なFの添加を抑制して、伝送
損失を向上させることができる。
【0042】上記した2つの実施形態においては、第1
ドーパント及び第2ドーパントとしてGe及びFをそれ
ぞれ用いているが、これらのドーパントとしては、Ge
及びF以外のものを用いても良い。
【0043】図8に、第1ドーパント及び第2ドーパン
トをともにFとした実施形態を示す。コア領域10に添
加される第1ドーパントとしては、通常はGeなどの屈
折率を高くするドーパントが用いられる。これに対し
て、本実施形態においては、図8(a)に示すように、
コア領域10に添加される第1ドーパント、及び中間領
域20において角状の濃度分布を形成するドーパントと
して、屈折率を低くするFが用いられている。そして、
選択焼結を行って中間領域20を高密度化した後、クラ
ッド領域30に第2ドーパントとしてあらたにFを添加
して、図8(b)に示す屈折率プロファイルを形成して
いる。
【0044】これらの各実施形態以外にも、様々な変形
が可能である。例えば、中間領域に角状の濃度分布を形
成するドーパントについては、必ずしもコア領域10に
添加される第1ドーパントと同一である必要はなく、第
1ドーパントとは別のドーパントを用いても良い。
【0045】
【発明の効果】本発明による光ファイバ母材及びその製
造方法は、以上詳細に説明したように、次のような効果
を得る。すなわち、グレーデッド型の濃度分布に第1ド
ーパントが添加されたコア領域の外周部分であって、コ
ア及びクラッドの境界となる領域に、角状に高濃度とな
った濃度分布を有する中間領域を形成する。そして、選
択焼結によって中間領域の高濃度部分などを選択的に高
密度化した後、高密度化された中間領域の外側のクラッ
ド領域に、気化された第2ドーパントの吸収による添加
を行う。
【0046】これによって、第2ドーパントのコア領域
への余分な添加が抑制されて、光ファイバにおける伝送
損失の劣化を防止することが可能な光ファイバ母材が実
現される。また、選択焼結時における第1ドーパントの
クラッド領域への流出についても、同時に低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバの一実施形態の断面構造及び屈折率
プロファイルを示す模式図である。
【図2】光ファイバ母材の製造方法の一実施例における
第1ドーパントGeの濃度プロファイルを示すグラフで
ある。
【図3】光ファイバ母材の製造方法の一実施例における
第2ドーパントFの濃度プロファイルをGeの濃度プロ
ファイルとともに示すグラフである。
【図4】スス体及び焼結体に対応する屈折率プロファイ
ルを示すグラフである。
【図5】光ファイバ母材の製造方法の比較例における第
1ドーパントGeの濃度プロファイルを示すグラフであ
る。
【図6】光ファイバ母材の製造方法の比較例における第
2ドーパントFの濃度プロファイルをGeの濃度プロフ
ァイルとともに示すグラフである。
【図7】スス体及び焼結体に対応する屈折率プロファイ
ルの他の例を示すグラフである。
【図8】スス体及び焼結体に対応する屈折率プロファイ
ルの他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…コア領域、10…コア領域、2…中間領域、20…
中間領域、20a、20b…端部、20c…高濃度部、
3…クラッド領域、30…クラッド領域。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ドーパントが添加されたコア領域
    と、前記コア領域の外周に設けられた領域の内側及び外
    側の両端部で該端部での前記第1ドーパントの濃度より
    も高い濃度の所定のドーパントが添加された中間領域
    と、前記中間領域の外周に設けられたクラッド領域とを
    有する多孔質ガラスプリフォームを作成するプリフォー
    ム作成工程と、 前記多孔質ガラスプリフォームを加熱して、前記中間領
    域の一部を少なくとも含む部位を選択的に高密度化する
    高密度化工程と、 選択的に高密度化された前記多孔質ガラスプリフォーム
    を、第2ドーパントを含む雰囲気中に露呈させて、前記
    クラッド領域に前記第2ドーパントを吸収させて添加す
    るドーパント吸収工程と、 前記第2ドーパントが添加された前記多孔質ガラスプリ
    フォームを加熱焼結して透明化し、前記コア領域内にグ
    レーデッド型の屈折率分布を有する透明ガラスプリフォ
    ームとする透明化工程とを備えることを特徴とする光フ
    ァイバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記プリフォーム作成工程において、前
    記中間領域に添加する前記所定のドーパントは、前記第
    1ドーパントであることを特徴とする請求項1記載の光
    ファイバ母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プリフォーム作成工程において、V
    AD法またはOVD法によって前記多孔質ガラスプリフ
    ォームを作成することを特徴とする請求項1記載の光フ
    ァイバ母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1ドーパントが添加され、領域内にグ
    レーデッド型の屈折率分布を有するコア領域と、 前記コア領域の外周に設けられた領域の内側及び外側の
    両端部で該端部での前記第1ドーパントの濃度よりも高
    い濃度の所定のドーパントが添加された中間領域と、 前記中間領域の外周に設けられ、第2ドーパントが添加
    されたクラッド領域とを備えることを特徴とする光ファ
    イバ母材。
  5. 【請求項5】 前記中間領域に添加される前記所定のド
    ーパントは、前記第1ドーパントであることを特徴とす
    る請求項4記載の光ファイバ母材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1251107A1 (en) * 2001-04-19 2002-10-23 Lucent Technologies Inc. Controlled collapse of depressed index optical fiber preforms
WO2021037248A1 (zh) * 2019-08-30 2021-03-04 中天科技精密材料有限公司 光纤预制棒及其制备方法、等离子沉积设备

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