JP2001232748A - インクジェット記録方法を用いた平版印刷装置及び方法 - Google Patents

インクジェット記録方法を用いた平版印刷装置及び方法

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JP2001232748A
JP2001232748A JP2000043136A JP2000043136A JP2001232748A JP 2001232748 A JP2001232748 A JP 2001232748A JP 2000043136 A JP2000043136 A JP 2000043136A JP 2000043136 A JP2000043136 A JP 2000043136A JP 2001232748 A JP2001232748 A JP 2001232748A
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JP
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plate
plate cylinder
ink
lithographic printing
printing
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JP2000043136A
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Sadao Osawa
定男 大澤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録方法により、版胴に装着さ
れた版材上に直接描画して刷版を作製するCTCシステ
ムを、コンパクトな装置で効率的に品質的に問題なく可
能にする平版印刷装置及び印刷方法を提供する。 【解決手段】画像データの信号に基づき静電界を利用し
て油性インクを吐出させるインクジェット記録方法を用
いて、印刷機の版胴に装着された版材上に直接描画して
画像を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う印刷装
置において、製版機能に係る装置が、(A)版胴とブラ
ンケット胴との接点と湿し水供給装置の間の版胴近傍の
空間、(B)版胴とブランケット胴との接点と印刷イン
キ供給装置の間の版胴近傍の空間、(C)湿し水供給装
置と印刷インキ供給装置の間の版胴近傍の空間、のうち
の特定の空間に配置されている平版印刷装置および印刷
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製版を印刷機上で
直接行う、いわゆるCTC(Computer−to−
Cylinder)システムを平板印刷に適用したもの
で、特にインクジェット記録方法を用いて印刷機の版胴
に装着された版材上に直接描画して画像を形成し刷版を
作成した後に平版印刷を行う平版印刷装置及び平版印刷
方法に関するものである。なお、本発明の「平版印刷方
法及び装置」は、単なる印刷のみでなく、製版をも含む
概念である。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、刷版の表面に、画像原稿に
対応したインク受容性とインク反発性の領域を設け、印
刷インクをインク受容性の領域に付着させて印刷を行
う。通常は印刷版の表面に、親水性および親油性(イン
ク受容性)の領域を画像様に形成し、湿し水を用いて親
水性領域をインク反発性とする。
【0003】そして、印刷機能のみを有する通常の平板
印刷機の基本的な構成は、給紙部、版胴、ブランケット
胴、圧胴、インキ供給部、湿し水供給部、排紙部、駆動
部、制御部、操作部からなり、精密に且つコンパクトに
組み上げられている。更に、版の自動給排機構を有する
自動機と称されるものもある。
【0004】一方、製版(刷版の作製)は、一旦画像原
稿をアナログ的またはデジタル的に銀塩写真フィルムに
出力し、これを通してジアゾ樹脂や光重合性のフォトポ
リマー感光材料を露光し、非画像部を、アルカリ性溶液
を用いて溶出除去して行うのが一般的な方法である。
【0005】近年の製版方法においては、最近のデジタ
ル描画技術の向上とプロセスの効率化の要求を背景とし
て、版材(すなわち印刷原版)上に、直接デジタル画像
情報を描画するシステムが数多く提案されている。これ
は、CTP(Computer−to−plate)、
あるいはDDPP(Digital DirectPr
inting Plate)と呼ばれる技術である。例
えばレーザーを用いて、光モードまたは熱モードで画像
を記録するシステムがあり、一部は実用化され始めてい
る。しかし、この方法では、光モード、熱モードとも
に、一般には、レーザー記録後にアルカリ性現像液で処
理して非画像部を溶解除去して製版が行われ、アルカリ
性廃液が排出されるため環境保全上好ましくない。
【0006】更に印刷プロセスを効率化する手段とし
て、製版を印刷機上で行うシステムがあり、これは、C
TCシステムとして知られている。このシステムでの描
画手段として、上記のレーザーを用いる方法もあるが、
高価でかつ大きな装置となってしまう。そこで、安価で
且つコンパクトな描画手段であるインクジェット記録方
法を応用したシステムが試みられている。
【0007】平板印刷法において、インクジェット記録
方法を応用したCTCシステムにより印刷プロセスを効
率化するためには、平版印刷装置として、既述の印刷の
ための基本構成に加えて、製版のための基本構成であ
る、描画のためのインクジェット記録装置、画像定着の
ための定着装置、塵埃除去のための例えばブロアー装置
等の埃除去装置等、及びこれらの装置の駆動部、制御
部、操作部などが必要となる。
【0008】CTCシステムによる製版のための装置
は、その機能上版胴の周辺に設ける必要があるが、印刷
のための装置の多くも、版胴近傍に設けられており、こ
のため版胴周辺に製版及び印刷に係わる装置が密集する
結果、全体としてのプロセスの効率や刷版及び印刷物に
関する品質的な問題をも生ぜしめることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたもので、平板印刷方法において、
画像データの信号に基づき静電界を利用して油性インク
を吐出させるインクジェット記録方法により版胴に装着
された版材上に直接描画して刷版を作製するCTCシス
テムを、安価でコンパクトな装置で効率的に且つ品質的
に問題なく可能にする平版印刷装置及び平版印刷方法を
提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、下記の
(1)〜(16)の本発明により解決される。 (1)画像データの信号に基づき静電界を利用して油性
インクを吐出させるインクジェット記録方法を用いて、
印刷機の版胴に装着された版材上に直接描画して画像を
形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う平版印刷装置
において、製版機能に係わる装置が (A)版胴とブランケット胴との接点と湿し水供給装置
の間の版胴近傍の空間 (B)版胴とブランケット胴との接点と印刷インキ供給
装置の間の版胴近傍の空間 (C)湿し水供給装置と印刷インキ供給装置の間の版胴
近傍の空間 のうちの特定の空間に配置されていることを特徴とする
インクジェット記録方法を用いた平版印刷装置。
【0011】(2)インクジェット吐出ヘッドが、版胴
近傍の空間(A)に配置されていることを特徴とする
(1)に記載のインクジェット記録方法を用いた平版印
刷装置。 (3)インクジェット吐出ヘッドが、その副走査手段と
共に、版胴近傍の空間(A)に配置されていることを特
徴とする(1)に記載のインクジェット記録方法を用い
た平版印刷装置。 (4)インクジェット吐出ヘッド及び版材自動給版装置
を、版胴近傍の空間(A)に離接可能に配置する手段を
有すること特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載
のインクジェット記録方法を用いた平版印刷装置。
【0012】(5)インク画像定着装置が、版胴近傍の
空間(A)又は(B)のいずれかに配置されていること
を特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のインク
ジェット記録方法を用いた平版印刷装置。 (6)埃除去装置が、版胴近傍の空間(A)又は(B)
のいずれかに配置されていることを特徴とする(1)〜
(5)のいずれかに記載のインクジェット記録方法を用
いた平版印刷装置。 (7)温度測定装置が、版胴近傍の空間(C)に配置さ
れていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに
記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷装置。
【0013】(8)放射温度計が、インクジェット吐出
ヘッドに固定されていることを特徴とする(1)〜
(6)のいずれかに記載のインクジェット記録方法を用
いた平版印刷装置。 (9)製版機能に関する装置が、版胴からの及び版胴へ
の離接手段を有することを特徴とする(1)〜(8)の
いずれかに記載のインクジェット記録方法を用いた平版
印刷装置。
【0014】(10)画像データの信号に基づき静電界
を利用して油性インクを吐出させるインクジェット記録
方法を用いて、印刷機の版胴に装着された版材上に直接
描画して画像を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行
う平版印刷方法において、製版機能に係わる操作を (A)版胴とブランケット胴との接点と湿し水供給装置
の間の版胴近傍の空間 (B)版胴とブランケット胴との接点と印刷インキ供給
装置の間の版胴近傍の空間 (C)湿し水供給装置と印刷インキ供給装置の間の版胴
近傍の空間 のうちの特定の空間において行う方法であって、(2)
〜(9)に記載の装置を用いて製版することを特徴とす
るインクジェット記録方法を用いた平版印刷方法。
【0015】(11)版胴に版材を装着する給版時、印
刷時、版胴から印刷済みの刷版を排出する排版時のいず
れか又はその組み合わせ作業時に、油性インクの吐出ヘ
ッドの先端部が、版胴表面から5mm以上離れているこ
とを特徴とする(10)に記載のインクジェット記録方
法を用いた平版印刷方法。 (12)油性インクの吐出ヘッドの先端部が、版胴表面
から10mm以上離れていることを特徴とする(10)
又は(11)に記載のインクジェット記録方法を用いた
平版印刷方法。 (13)インクジェット記録方法において、少なくとも
画像描画時の版面温度を、30℃〜40℃の範囲内に設
定することを特徴とする(10)〜(12)のいずれか
に記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷方
法。
【0016】(14)油性インクが、固有電気抵抗値1
9Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、
少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散した
ものであることを特徴とする(10)〜(13)のいず
れかに記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷
方法。 (15)版材への描画時に、版材の装着された版胴の回
転により、主走査を行うことを特徴とする(10)〜
(14)のいずれかに記載のインクジェット記録方法を
用いた平版印刷方法。 (16)版材への描画時に、油性インクの吐出ヘッド
を、版胴の軸と平行方向に移動することにより副走査を
行うことを特徴とする(15)に記載のインクジェット
記録方法を用いた平版印刷方法。
【0017】本発明に使用されるインクジェット記録方
法は、絶縁性溶媒中に、少なくとも常温で固体で且つ疎
水性の樹脂粒子を分散した高抵抗を有するインクを使用
し、このインクに吐出位置で静電界を作用させることに
より、該樹脂粒子の濃縮物を該吐出位置に形成し、更に
静電手段により該濃縮物を吐出位置から吐出させるもの
である。具体的には、例えば、WO93/11866号
公報等に記載の静電式インクジェット法を適用すること
ができる。
【0018】この方法を平版印刷に適用すると、樹脂粒
子は高濃度化して吐出されることにより、版材に印字さ
れたドットの膜厚が十分に得られ、記録媒体である版材
上に、十分な耐刷性を有する濃縮樹脂粒子の画像が形成
されることになる。更に、樹脂粒子は高濃度化して吐出
され、吐出液滴中に含まれる溶媒成分が少なく、インク
の乾きが速くなるので版上でのドットの滲みが抑えら
れ、良好な画像が形成される。
【0019】また、このインクジェット記録方法では、
吐出したインキ滴の大きさは吐出位置及び電極の形状、
電界引加条件によって決まり、吐出ノズル径あるいはス
リット幅を小さくすることなく、小さなインキ滴が得ら
れ、電界印可条件を制御することにより版材上でのドッ
ト径をコントロールすることができる。従って、ヘッド
のインク詰まりの問題なしに、耐刷性のある微小な画像
のコントロールが可能であり、鮮明な画像の印刷物が多
数枚印刷可能となる。
【0020】本発明に使用される上記インクジェット記
録方法において、少なくとも画像描画時の版面温度を3
0℃〜40℃の範囲内に設定することにより、版上での
ドットの滲みが更に抑えられ、描画ドット径を更に良好
にコントロールすることができ、ドット形状の変化によ
る画質の低下を招くことなく、高精細な画像が形成でき
る。また、耐刷性のある微小な画像のコントロールが更
に容易になり、鮮明な画像の印刷物が更に多数枚印刷可
能となる。
【0021】版面温度が30℃よりも低い場合には、画
像のざらつきや文字・網画像のつぶれ、耐刷不良が生じ
るが、これは、吐出インク中に少量含まれる非水溶媒の
蒸発速度が遅くなり、版材表面で滲みが生じるため、描
画ドット形状の変化による画質低下を招くものと考えら
れる。また、40℃を越える場合には、非水溶媒の引火
点を越える可能性があり、発火の危険があり、好ましく
ない。
【0022】本発明のインクジェット記録方法は、静電
界を利用して行われ、インクに強い電界を作用させて吐
出させることが好ましい。電界強度が充分でないと良好
な吐出性が得られない場合があるので、約1×105
/cm以上が適当である。他方、あまりに高すぎると、
ドット分裂やサテライトの発生が生じ、画質が低下する
傾向があるため、約1×108V/cm以下が好まし
い。より好ましくは2×105V/cmから5×107
/cmの範囲である。
【0023】本発明は、かかるインクジェット記録方法
を用いて印刷機の版胴に装着された版材上に直接描画し
て画像を形成し刷版を作成した後に、平版印刷を行う平
版印刷装置において、製版機能に係わる装置を、印刷機
の特定の部位に配置することを特徴とするが、その配置
手段としては、スライド式のものでも良いし、ある軸に
固定されたアームでヘッドを固定し、軸まわりにアーム
を動かす振り子式ものでも良く、これらの手段を単独で
或いは組み合わせることにより、本発明の目的を達成す
ることができる。更に具体的な手段については、実施例
に例示する。本発明において、版材の自動給版装置とイ
ンクジェット記録装置、必要により定着装置や版面不感
脂化装置は、相互に独立して、版胴周辺のある一定空間
を占有するように、システマティックに各装置を配置す
ることが重要である。特に精密加工部品を含むインクジ
ェット記録装置のヘッド部分は、印刷中の不意のトラブ
ルからの破損を防止するために、使用時以外は版胴から
遠ざけておくことが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を用いて、製版
・印刷工程に係わる各構成要素について説明する。図1
に示すように、通常の印刷機能のみを有する平版印刷装
置(以下単に「印刷装置」ともいう)は、版胴11、ブ
ランケット胴12および圧胴13を一つずつ有し、平版
印刷を行う際には版胴11に対して転写用のブランケッ
ト胴12が圧接するように配置され、ブランケット胴1
2にはこれに転写された印刷インキ画像を印刷紙Pに転
移させるための圧胴13が圧接するように配置されてい
る。印刷紙は、給紙装置16によってブランケット胴1
2と圧胴13の間に給紙され、印刷後、排紙装置17に
よって排出される。版胴11は、通常金属製であり、そ
の表面は耐摩耗性を強化するために例えばクロムメッキ
が施されている。
【0025】印刷装置には、刷版9上の親水部(非画像
部)に湿し水を供給する湿し水供給装置3、印刷インキ
供給装置4が設置されており、湿し水供給装置3として
は、モルトン給水方式、シンフロ給水方式、連続給水方
式等の装置が用いられる。また、ブランケット洗浄装置
14を設置してもよい。さらに、圧胴13の近傍に、版
材上に紙粉が付着することを防止するために、紙粉発生
防止装置15を設置してもよい。紙粉発生防止装置15
としては、湿度コントロール、エアや静電力による吸引
などの方法を使用することができる。
【0026】さらに、印刷に供する版材9を、版胴11
上に自動的に供給する自動給版装置7、および印刷終了
後の版材9を、版胴11上から自動的に取り除く自動排
版装置8を設置したものもあり、印刷機の補助装置とし
て公知であるこの装置を有する印刷機として、例えばハ
マダVS34A、B452A(ハマダ印刷機械
(株))、トーコー8000PFA(東京航空計器
(株))、リョービ3200ACD、3200PFA
(リョービイマジスク(株))、AMSIS Mult
i5150FA(日本エーエム(株))、オリバー26
6EPZ(桜井グラフィックシステムズ(株))、シノ
ハラ66IV/IVP(篠原商事(株))などがある。
【0027】本発明では、上記の版胴に版材を装着して
刷版を作製するものであり、以下図2を用いて、製版機
能に係わる構成要素について説明する。版胴に装着され
た版面には、後述のように熱が加えられる場合がある
が、その熱が版胴に伝わって版面温度が上昇しにくくな
るのを防ぐため、あるいはエネルギーの無駄使いとなる
のを防ぐため、版胴の表面に断熱材を有してもよい。
【0028】一方、版胴11は静電界吐出において、吐
出ヘッド電極の対極となるためアースされることが好ま
しい。また版材の基体の絶縁性が高い場合には基体上に
導電層を設けることが好ましく、この場合にはこの導電
層から版胴にアースを取る手段を設けることが望まし
い。さらに前述のように版胴上に断熱材を設ける場合に
も、版材をアースする手段を設けることにより、描画は
容易になる。この場合には公知の導電性を有するブラ
シ、板バネ、ローラ等の手段が使用できる。
【0029】また、版材9上に描画された油性インク画
像を強固にするための定着装置5を有する。さらに、版
材9表面の親水性強化の目的で、必要に応じて、版面不
感脂化装置6を設置してもよい。
【0030】また、版材への描画前及び/又は描画中に
版材表面に存在する埃を除去する手段として埃除去装置
10を有する。これにより、製版中にヘッドと版材の間
に入った埃を介してインクが版材上に付着することが有
効に防止され、良好な刷版が得られる。埃除去手段とし
ては公知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非
接触法の他、ブラシ、ローラー等による接触法が使用で
き、本発明では、望ましくは、エアー吸引またはエアー
による吹き飛ばしのいずれか、あるいはそれらを組み合
わせて使用される。この場合には、通常給紙装置に使用
されるエアーポンプをこの用途に流用することもでき
る。
【0031】本発明では、少なくとも画像描画時の版面
温度を30℃〜40℃の範囲内に設定するために、温度
測定装置18を設置する。温度測定装置18は、非接触
式の放射温度計であり、好ましくは温度制御手段を内蔵
したものがよい。具体的には、制御型放射温度計TH−
450、制御型微小面用放射温度計TH−451(堀場
製作所(株)製)等を挙げることができる。
【0032】温度測定装置により版面温度を非接触式で
測定し、温度制御手段により30〜40℃内の設定温度
より版面温度が下がれば、加熱手段に情報を提供し、設
定温度より版面温度が上がれば、冷却手段に情報を提供
することにより、版面温度を30〜40℃の範囲内の一
定温度(例えば35℃±1℃)に設定することができ
る。
【0033】加熱手段及び冷却手段は、適宜設定するこ
とができるが、上記加熱手段として定着装置5を、上記
冷却手段として埃除去装置10を、それぞれ流用するこ
とができる。具体的には、定着装置を流用する場合に
は、非接触式加熱法(例えばハロゲンランプ照射、熱風
定着、フラッシュ定着、パネルヒーター照射など)が好
ましい。埃除去装置を流用する場合には、非接触式冷却
法(例えば、圧縮空気又は冷却空気を送り出す吹き飛ば
し法など)が好ましい。
【0034】また、水無し印刷に用いられているインク
ローラーや版胴内に一定温度を維持した水を循環させる
従来の方法も適用できる。これは、タンクに、水の加熱
手段、冷却手段、循環手段及び濾過手段を設けた装置
に、更に、インクローラーや版胴が所定温度となるよう
な調節可能な手段を設けたものである。
【0035】これと同様の機能を有する又は一部改良し
て流用可能なものに、オフセット印刷浸し水冷却装置
(いわはし製)や印刷用浸し水循環装置(コスモテック
および東京インキ、東邦精機製など)がある。加えて、
該冷却装置と前記の非接触加熱手段とを組み合わせるこ
とも可能である。更に接触型加熱手段としては、版胴内
にシーズヒーター(AMK製)を埋設してもよく、また
版胴上にフィルムヒーター(昭和鉄工製)やグラフトカ
ーボンヒーター(ササキテック製)を布設することも可
能である。この場合、画像の熱定着の手段として該加熱
源を単独で、または他の加熱手段と組み合わせて用いる
ことができる。
【0036】インクジェット記録装置2は、画像データ
演算制御部21より送られてくる画像データに対応し
て、版胴11上に装着された版材9上に油性インクを吐
出し画線部を形成する。
【0037】図3に基づいて、インクジェット記録装置
2及び画像データ演算制御部21について説明する。イ
ンクジェット記録装置2は、インクジェット吐出ヘッド
22(以下単に、「吐出ヘッド」又は「ヘッド」ともい
う)とインク供給部24からなる。インク供給部24
は、さらにインクタンク25、インク供給装置26、イ
ンクタンク25内には攪拌装置27、インク温度管理手
段28を含む。インクはヘッド内を循環させてもよく、
この場合、インク供給部は回収循環機能も有する。攪拌
装置27は、インクの固形成分の沈殿・凝集を抑制し、
インクタンク25の清掃の必要性が低減される。攪拌手
段としては回転羽、超音波振動子、循環ポンプが使用で
き、これらを単独に、或いは組み合わせて使用される。
【0038】インク温度管理手段28は、まわりの温度
変化によりインクの物性が変化し、ドット径が変化した
りすることなく高画質な画像が安定して形成できるため
に配置される。インクの温度制御手段としては、インク
タンク内にヒーター、ペルチェ素子などの発熱素子ある
いは冷却素子を、該タンク内の温度分布を一定にするよ
うに攪拌手段と共に配し、温度センサ、例えばサーモス
タット等により制御するなど公知の方法が使用できる。
【0039】なお、インクタンク25内のインク温度は
15℃以上60℃以下が望ましく、より好ましくは20
℃以上50℃以下である。またタンク内の温度分布を一
定に保つ攪拌手段は、前記のインクの固形成分の沈殿・
凝集の抑制を目的とする攪拌手段と共用しても良い。
【0040】また、本発明では、高画質な描画を行うた
め、インク濃度制御手段29を有することが好ましい。
これにより、インク中の固形分濃度の低下による版上で
の滲みの発生や印刷画像の飛びやカスレ、あるいは固形
分濃度の上昇による版上のドット径の変化などを有効に
抑制することができる。インク濃度は光学的検出、電導
度測定、粘度測定などの物性測定、あるいは描画枚数に
よる管理等により行う。物性測定による管理を行う場合
にはインクタンク25内、あるいはインク流路内に、光
学検出器、電導度測定器、粘度測定器を単独、あるいは
それらを組み合わせて設け、その出力信号により、また
描画枚数による管理を行う場合には、製版枚数および頻
度により、図示されない補給用濃縮インクタンクあるい
は希釈用インクキャリアタンクからインクタンク25へ
の液供給を制御する。
【0041】画像データ演算制御部21は、画像スキャ
ナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画
像データを受け、色分解を行うと共に、分解されたデー
タに対して適当な画素数、階調数に分割演算する。ま
た、インクジェット記録装置2が有する吐出ヘッド22
を用いて油性インク画像を網点化して描くために、網点
面積率の演算も行う。さらに、吐出ヘッド22の移動、
油性インクの吐出タイミングを制御すると共に、必要に
応じて版胴11、ブランケット胴12、圧胴13等の動
作タイミングの制御も行う。
【0042】画像データ演算制御部21は、前述のよう
に、入力画像データの演算に加えて、吐出ヘッド離接装
置31あるいは吐出ヘッド副走査手段32により、後述
の吐出ヘッド22の移動を行うほかに、版胴11に設置
したエンコーダー30からのタイミングパルスを取り込
み、そのタイミングパルスに従って、吐出ヘッド22の
駆動をおこなう。これにより、副走査方向の位置精度が
高められる。
【0043】また、インクジェット記録装置による描画
を行う際に、版胴11の駆動は、印刷時の駆動手段とは
異なる高精度な駆動手段を使用することによっても副走
査方向の位置精度が高められ、その際には、ブランケッ
ト胴12、圧胴13その他から機械的に切り離して、版
胴11のみを駆動させることが望ましい。具体的には、
例えば高精度モータからの出力を高精度ギア、あるいは
スチールベルト等により減速して版胴11のみを駆動さ
せる方法などがある。高画質描画行う際にはこの様な手
段を単独、あるいは複数組み合わせて使用する。
【0044】図4、図5はインクジェット記録装置2に
備えられている吐出ヘッド22の一例である。吐出ヘッ
ド22は、絶縁性基材からなる上部ユニット221と下
部ユニット222とで挟まれたスリットを有し、その先
端は吐出スリット22aとなっており、スリット内には
吐出電極22bが配置され、インク供給装置から供給さ
れた油性インク23がスリット内に満たされた状態にな
っている。絶縁性基材としては、たとえば、プラスチッ
ク、ガラス、セラミックスなどが適用できる。
【0045】また吐出電極22bは、絶縁性基材からな
る下部ユニット222上に、アルミニウム、ニッケル、
クロム、金、白金などの導電性材料を真空蒸着、スパッ
タ、あるいは無電界メッキを行い、この上にフォトレジ
ストを塗布し、所定の電極パターンのマスクを介してフ
ォトレジストを露光し、現像して吐出電極22bのフォ
トレジストパターンを形成したのち、これをエッチング
して形成する方法、あるいは機械的に除去する方法、あ
るいはそれらを組み合わせた方法など公知の方法により
形成される。
【0046】吐出ヘッド22では、画像のパターン情報
のデジタル信号に従って、吐出電極22bに電圧が印加
される。図4に示されるように、吐出電極22bに対向
する形で対向電極となる版胴11が設置されており、対
向電極となる版胴11上には版材9が設けられている。
電圧の印加により、吐出電極22bと、対向電極となる
版胴11との間には回路が形成され、吐出ヘッド22の
吐出スリット22aから油性インク23が吐出され、対
向電極となる版胴11上に設けられた版材9上に画像が
形成される。
【0047】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うために、その先端はできるだけ狭いことが好まし
い。具体的な数値は条件等によって異なるが、通常5〜
100μmの先端幅の範囲で用いられる。例えば先端が
20μm幅の吐出電極22bを用い、吐出電極22bと
対向電極となる版胴11の間隔を1.0mmとして、こ
の電極間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加することで
40μmのドットを版材9上に形成することができる。
【0048】図4、5に例示したヘッド22は、必要に
応じてクリーニング手段などのメンテナンス装置を含む
こともできる。例えば休止状態が続く様な場合や、画質
に問題が発生した場合には、インク溶媒のみを循環させ
る、インク溶媒のみを供給、あるいは循環させながら吐
出部を吸引する、吐出ヘッド先端を柔軟性を有するハ
ケ、ブラシ、布等で拭う、などの手段を単独、あるいは
組み合わせて行うことにより、吐出ヘッド内でのインク
の固形化などを有効に防止することができ、良好な描画
状態が維持できる。また吐出ヘッドを、溶媒蒸気を充満
させたカバー内に入れておく等の方法も有効であり、こ
れらの方法を単独あるいは組み合わせて使用できる。
【0049】次に、本発明に用いられる版材9について
説明する。印刷原版としては、アルミニウム、クロムメ
ッキを施した鋼板などの金属版が挙げられる。特に砂目
立て、陽極酸化処理により表面の保水性および耐摩耗性
が優れるアルミニウム版が好ましい。より安価な版材と
して、耐水性を付与した紙、プラスチックフィルム、プ
ラスチックをラミネートした紙などの耐水性支持体上に
画像受理層を設けた版材が使用できる。設けられる画像
受理層の厚さは5〜30μmの範囲が適当である。
【0050】画像受理層としては、無機顔料と結着剤か
らなる親水性層、あるいは不感脂化処理によって親水化
が可能になる層を用いることができる。ここで、不感脂
化処理とは、版材上に描画し、それを定着後、版面の非
画像部に親水性を付与したり、必要に応じて強化するた
めの処理をいう。
【0051】親水性の画像受理層に用いられる無機顔料
は、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、硫酸バリウムなどを用いることができ
る。また結着剤としてはポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルピロリドン、ポリメチルエーテル−無水マレイン酸
共重合体等の親水性結着剤が使用できる。また、必要に
応じて耐水性を付与するメラミンホルマリン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、その他架橋剤を添加してもよい。
【0052】一方、不感脂化処理をして用いる画像受理
層としては、例えば酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層
が挙げられる。酸化亜鉛は、例えば、日本顔料技術協会
編「新版顔料便覧」19頁、(株)誠文堂、(1968
年刊)に記載のように、酸化亜鉛、亜鉛華、湿式亜鉛華
あるいは活性亜鉛華として市販されているもののいずれ
でもよい。即ち、酸化亜鉛は、出発原料および製造方法
により、乾式法としてフランス法(間接法)、アメリカ
法(直接法)および湿式法と呼ばれるものがあり、例え
ば正同化学(株)、堺化学(株)、白水化学(株)、本
荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三井金属工業
(株)等の各社から市販されているものが挙げられる。
【0053】疎水性結着剤として用いる樹脂として、具
体的には、塩化ビニル一酢酸ビニル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリレート共重
合体、メタクリレート共重合体、アクリレート共重合
体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これ
らの樹脂は単独で用いてもよいし2種以上を併用しても
よい。画像受理層における樹脂/酸化亜鉛の配合比は、
重量比で9/91〜20/80とすることが好ましい。
【0054】酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層の不感
脂化処理液としては、フェロシアン塩、フェリシアン塩
を主成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコバ
ルト錯体、フィチン酸およびその誘導体、グアニジン誘
導体を主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオンと
キレートを形成する無機酸あるいは有機酸を主成分とし
た処理液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液等
が知られている。例えば、シアン化合物含有処理液とし
て、特公平44−9045号、同46−39403号、
特開昭52−76101号、同57−107889号、
同54−117201号等に記載のものが挙げられる。
【0055】つぎに、本発明に用いられる油性インクに
ついて説明する。本発明に供される油性インクは、電気
抵抗109Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒
中に、少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分
散してなるものである。
【0056】油性インクの表面張力は、好ましくは35
dyn/cm以下であり、下限値は、好ましくは15d
yn/cm以上である。より好ましくは30dyn/c
m以下且つ16dyn/cm以上である。また、粘度は
好ましくは15cP以下であり、下限値は好ましくは
0.4cP以上である。より好ましくは10cP以下且
つ0.5cP以上である。上記範囲において、良好な吐
出性が実現でき、またインクがこぼれたりせず、安定性
が良好である。
【0057】更に、粒子荷電分配率は、好ましくは10
%以上、より好ましくは30%以上、特に好ましくは4
0%以上である。この範囲内で適度な凝集物が生成され
て、良好な耐刷性が達成される。ここで、粒子荷電分配
率は、インク全体の荷電のうち、粒子の荷電の割合を言
い、「(インク全体の電導度−インクを遠心分離機(1
5000rpmで30分)した上澄みの電導度)÷イン
ク全体の電導度×100%」で定義される。なお、電導
度の測定は安藤電気製LCRメータ AG−4311、
川口電気製直流液抵抗セルを用い、測定周波数1kHz
/印可電圧5Vの条件下で行った。
【0058】本発明に用いる電気抵抗109Ωcm以上
かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として、好ましくは直
鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素の
ハロゲン置換体がある。例えはヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリ
ン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパー
E、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイ
ソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シ
ェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品
名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムス
コ;スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル等を単
独あるいは混合して用いる。なお、このような非水溶媒
の電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であり、誘電率
の下限値は1.9程度である。
【0059】用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とす
るのは、電気抵抗が低くなると、インクの電気抵抗が適
正にならず、電界によるインクの吐出が悪くなるからで
あり、誘電率を上記範囲とするのは、誘電率が高くなる
とインク中で電界が緩和されやすくなり、これによりイ
ンクの吐出が悪くなりやすくなるからである。
【0060】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0061】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷原版の画像受理層表面
と樹脂粒子との親和性が増し、また印刷原版上での樹脂
粒子同士の結合が強くなるので、画像部と画像受理層と
の密着性が向上し、耐刷性が向上する。これに対し、ガ
ラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなっても
画像受理層表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹脂
粒子同士の結合が弱くなってしまう。
【0062】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103〜1×106であり、好ましくは5×103〜8×
105、より好ましくは1×104〜5×105である。
【0063】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体および共重合体(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、
エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等)、塩化ビニル共重合体(例えば、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、
塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体およ
び共重合体、アルカン酸アリル重合体および共重合体、
スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン酸−スチレン共重合体、イソプレン
−スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
および共重合体、メタクリル酸エステル重合体および共
重合体、イタコン酸ジエステル重合体および共重合体、
無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メ
タクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基およびカルボ
キシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、
水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マ
レイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、
クロマン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エス
テル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合
体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン
環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、
ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、
1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げら
れる。
【0064】本発明の油性インクにおける分散された樹
脂粒子の含有量は、インク全体の0.5〜20wt%と
することが好ましい。含有量が少なくなるとインクと印
刷原版の画像受理層との親和性が得られにくくなって良
好な画像が得られなくなったり、耐刷性が低下したりす
るなどの問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くな
ると均一な分散液が得られにくくなったり、吐出ヘッド
でのインクの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出
が得られにくいなどの問題がある。
【0065】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
色材としては、従来から油性インク組成物あるいは静電
写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であ
ればどれでも使用可能である。
【0066】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ス
レン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等
の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることが
できる。
【0067】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。これらの顔料および染料は、単独で用い
てもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能であ
るが、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で
含有されることが望ましい。
【0068】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂
被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分
散樹脂粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法など
が一般的である。
【0069】本発明の非水溶媒中に、分散された樹脂粒
子、更には着色粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは
0.1μm〜1.0μmであり、更に好ましくは0.1
μm〜0.5μmの範囲である。この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0070】本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法または重合造粒方法によ
って製造することができる。機械的粉砕方法としては、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子と
し、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば
ボールミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノ
ミル等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、
分散補助ポリマー(または被覆ポリマー)を予め混練し
て混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させ
て分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料また
は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することがで
き、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の
流動と顔料分散」共立出版(1971年)、「ソロモ
ン、塗料の科学」、「Paint and Surfa
ce Coating Theory and Pra
ctice」、原崎勇次「コーティング工学」朝倉書店
(1971年)、原崎勇次「コーティングの基礎科学」
槇書店(1977年)等の成書に記載されている。
【0071】また、重合造粒法としては、従来公知の非
水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監
修「超微粒子ポリマーの最新技術」第2章、CMC出版
(1991年)、中村孝一編「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」第3章、(日本科学
情報(株)1985年刊)、K.E.J.Barret
t「Dispersion Polymerizati
on in Organic Media」John
Wiley(1975年)等の成書に記載されている。
【0072】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3〜1×106が好ましく、より好ましくは5×103
5×105の範囲である。
【0073】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(1)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0074】
【化1】
【0075】化1において、X1は−COO−、−OC
O−または−O−を表す。 Rは、炭素数10〜32の
アルキル基またはアルケニル基を表し、好ましくは炭素
数10〜22のアルキル基またはアルケニル基を表し、
これらは直鎖状でも分岐状でもよく、無置換のものが好
ましいが、置換基を有していてもよい。具体的には、デ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ド
コサニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレル基
等が挙げられる。
【0076】a1およびa2は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基等)、−COO−Z1または−CH2COO−Z1〔Z1
は、水素原子または置換されていてもよい炭素数22以
下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、脂環式基、アリール基等)を表す〕を表
す。
【0077】Z1は、具体的には、水素原子のほか、炭
化水素基を表し、好ましい炭化水素基としては、炭素数
1〜22の置換されてもよいアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、
ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、
2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メト
キシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メ
チル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテ
ニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニ
ル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチ
ル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、ト
リデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、
リノレル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいア
ラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−
フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチル
エチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチ
ルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペンチルエチル基等)、および炭素数6〜12の置
換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブト
キシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シア
ノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキ
シカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プ
ロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル
基等)が挙げられる。
【0078】分散ポリマーにおいて、化1で示される繰
り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合成分と
して含有してもよい。他の共重合成分としては、化1の
繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能な単量体よ
りなるものであればいずれの化合物でもよい。
【0079】分散ポリマーにおける化1で示される重合
体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以上であ
り、より好ましくは60重量%以上である。これらの分
散ポリマーの具体例としては、実施例で使用されている
分散安定用樹脂(Q−1)等が挙げられ、また市販品
(ソルプレン1205、旭化成(株)製)を用いること
もできる。
【0080】分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を
乳化物(ラテックス)等として製造するときには重合に
際し予め添加しておくことが好ましい。分散ポリマーを
用いるときの添加量はインク全体に対し0.05〜4重
量%程度とする。
【0081】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子およ
び着色粒子(あるいは色材粒子)は、正荷電または負荷
電の検電性粒子である。これら粒子に検電性を付与する
には、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用すること
で達成可能である。具体的には、前記の「最近の電子写
真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜
148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応
用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原
崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(197
7年)等に記載の検電材料および他の添加剤を用いるこ
とにより行なわれる。
【0082】さらに具体的には、例えば、英国特許第8
93429号、同第934038号、米国特許第112
2397号、同第3900412号、同第460698
9号、特開昭60−179751号、同60−1859
63号、特開平2−13965号等に記載されている。
上述のような荷電調節剤の量は、担体液体である分散媒
1000重量部に対して0.001〜1.0重量部が好
ましい。更に所望により各種添加剤を加えてもよく、そ
れら添加物の総量は、油性インクの電気抵抗によってそ
の上限が規制される。即ち、分散粒子を除去した状態の
インクの電気抵抗が109Ωcmより低くなると良質の
連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の添加量
を、この限度内でコントロールすることが必要である。
【0083】本発明のCTCシステムでは、版胴に装着
した版材に描画して製版するが、製版機能に係わる装置
としては、前記したように、インクジェット記録装置、
画像データ演算制御部、定着装置(版材の加熱装置とし
ても流用できる)が必須であり、必要に応じて版面不感
脂化装置、及び印刷品質向上のために埃除去装置(版材
の冷却装置として流用できる)、温度測定装置(温度制
御手段を内蔵するものが望ましい)、紙粉発生防止装置
を備えていることが望ましく、さらに、自動給版装置、
自動排版装置を備えておればなお望ましい。
【0084】これを実現するための各装置の配置につい
て、印刷機能に係わる装置の配置については同一の図1
及び図2に基づいて説明する。図のように、印刷用紙
が、図の右側からブランケット胴と圧胴間に投入され
て、印刷後図の左側に排出される場合、版胴は図示する
ように左回転することになる。よって印刷作業の進行に
応じて、湿し水供給装置、インク供給装置、ブランケッ
ト胴と版胴の接点が、この順に版胴の周囲に左回りに存
在することになる。
【0085】そうすると、製版機能に係わる装置が版胴
周囲に存在できる部位は、図1に示したように、版胴と
ブランケット胴との接点と湿し水供給装置の間の版胴近
傍の空間(以下「空間A」と略称する)、版胴とブラン
ケット胴との接点と印刷インキ供給装置の間の版胴近傍
の空間(以下「空間B」と略称する)、湿し水供給装置
と印刷インキ供給装置の間の版胴近傍の空間(以下「空
間C」と略称する)に限定されることになる。
【0086】図1において、版胴は左回転するのでブラ
ンケット胴は右回転し、ブランケット胴と版胴との接点
と、ブランケット胴と圧胴の接点を結ぶ線の左側が、ブ
ランケット胴上における印刷紙に転写すべきインキ付着
部であり、右側が転写印刷後のブランケット胴の洗浄側
となる。そして印刷作業終了後の装置全体の清掃作業に
おけるブランケット胴を回転させながらの洗浄作業は、
図1の右側から行うのが効率的であるため、図1の右側
の空間には極力余裕を持たせることが望ましい。
【0087】また、印刷時に、刷版に湿し水を供給した
後、速やかに印刷インクを供給することが望ましいの
で、上記の空間Cは、通常狭く設計されている。よっ
て、比較的大型の装置である版材自動給版装置と、特に
精密コントロールを要するインクジェット記録装置は、
その機能時に図1の空間Aに配置することが好都合であ
る。それに応じて、版材自動排版装置は空間Bに存在す
ることになる。
【0088】版材自動給版装置とインクジェット記録装
置とが共に空間Aに共存できない場合には、それぞれに
離接手段を設けることにより互いの干渉を回避すること
ができる。離接手段は特に限定されるものではないが、
通常、フリーアームと移動架台上に設置して、これを適
宜操作することにより行われる。
【0089】埃除去装置は、埃除去直後にインクジェッ
ト吐出ヘッドにて描画することが好都合であるから、イ
ンクジェット記録装置の上流側に設置すことが望まし
い。定着装置及び必要に応じて設置される不感脂化装置
は、空間A又はBに設置される。ただし、定着装置につ
いては、これが版面温度制御の加熱手段として流用され
る場合には、空間Aにインクジェット記録装置と埃除去
装置とが存在することになるので、空間Bに設置するこ
とが望ましい。温度測定装置は、版面を観察可能な位置
であればよいので、通常狭く設計されている空間Cを活
用することができる。あるいは、インクジェット記録装
置のヘッド部に固定することも可能である。
【0090】つぎに、本発明の好ましい一実施態様とし
て図2の位置関係にあるCTCシステムの製版・印刷工
程を、描画前の各装置の機能及び駆動テスト含めて工程
順に説明する。吐出ヘッドの機能及び駆動については、
空間Aにおける版胴への離接駆動テストと、描画テスト
データを画像データ演算制御部に送り、吐出ヘッドの駆
動と油性インクの吐出テスト行う。油性インクの吐出は
プリンター用標準テストパターン第4版JEIDA−46−
1999(日本電子工業振興協会)内のいくつかのパタ
ーンを用いて描画して、予め設定された画質評価レベル
以上であれば使用可能とすることができる。
【0091】定着装置と埃除去装置の駆動は、空間A及
び空間Bにおいて離接駆動テストを行い、その機能テス
トは、版面温度制御において、定着装置を加熱手段に埃
除去装置を冷却手段として流用することが可能であるか
ら、温度測定装置の機能テストも含めて、一定の設定温
度に対して行うことが好都合である。
【0092】つぎに、製版の準備として、版材自動給版
装置7を空間Aに配置し、これを用いて版胴11に版材
9を装着する。この時、空間Aにおいて吐出ヘッドと干
渉する場合は、予め吐出ヘッドを退避させる。版胴11
上に導かれた版材9は、公知の版尻くわえ装置、エア吸
引装置などによる機械的方法、あるいは静電的な方法等
により版胴11上に密着固定され、これにより版尻がば
たついて、描画時にインクジェット記録装置2に接触
し、これを破損することが防止できる。
【0093】また、インクジェット記録装置2の描画位
置周辺のみで版材9を版胴11に密着させる手段を配
し、少なくとも描画を行う時にはこれを作用させること
によって版材9がインクジェット記録装置2に接触する
ことを防止することもできる。具体的には、例えば版胴
11上の描画位置の上流及び下流に、押さえローラを配
する等の方法がある。また、印刷の段階で、版を固定す
る際に、版尻が印刷インキ供給装置2のインク供給ロー
ラに接触しないようにする手段を設けることによって、
版面の汚れが防止でき、損紙を減らすことができる。具
体的には押さえローラ、ガイド、静電吸着などが有効で
ある。
【0094】次に、描画を含む製版工程を説明する。版
胴11上に版材9が設置された後、図6(a)に示すよ
うに、版材自動給版装置7は、空間Aにて版胴から離れ
た位置に移動し、それに代わってインクジェット記録装
置2、埃除去装置10が空間Aの版胴に近接した位置
に、そして、版面温度制御が行われる場合には、温度測
定装置が空間Cの版胴に近接した位置に配置され、さら
に、定着装置5が加熱手段として流用される場合には、
空間Bの版胴に近接した位置に移動する。
【0095】磁気ディスク装置等からの画像データは、
画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算
制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐
出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。こ
れらの演算データは一旦バッファに格納される。画像デ
ータ演算制御部21は、版胴11を回転させ、吐出ヘッ
ド22をヘッド離接装置31により版胴11と近接され
た位置に近づける。吐出ヘッド22と版胴11上の版材
9表面との距離のこの微小制御は、付き当てローラのよ
うな機械的距離制御、あるいは光学的距離検出器からの
信号によるヘッド離接装置の制御により、描画中、所定
距離に保たれる。かかる距離制御により、版材の浮きな
どによりドット径が不均一になったり、特に印刷機に振
動が加わった際などにもドット径が変化したりせず、良
好な製版を得ることができる。
【0096】吐出ヘッド22としては、シングルヘッ
ド、マルチヘッド(描画機1台に複数組のヘッドを有す
るもの)あるいはフルラインヘッド(マルチチャンネル
ヘッドで、描画解像度と同じ密度の吐出電極で且つ用紙
幅と同じ長さを有するもの)も使用することができ、版
胴11の回転により主走査を行う。複数組のヘッドを有
するマルチヘッドあるいはフルラインヘッドの場合に
も、画像データ演算制御部21の演算により得られた吐
出位置および網点面積率で油性インクを版胴11に装着
した版材9に吐出する。これにより、版材9には、印刷
原稿の濃淡に応じた網点画像が油性インクで描画され
る。マルチヘッドは、ヘッド副操作手段32によって、
版胴の回転に同期して副走査される。この動作は、版材
9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が形成され刷版
ができるあがるまで続く。一方、吐出ヘッド22が版胴
11の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッドである
場合には、ヘッドは動かずに版胴11が一回転すること
によって版材9上に間引かれたインク画像が形成される
ことを繰り返して刷版ができあがる。この様に版胴回転
により主走査を行うことにより、主走査方向の位置精度
を高め、高速描画を行うことができる。
【0097】吐出ヘッド22は、その先端部を保護する
ために、描画後速やかに、版胴11に近接した位置から
離れるように退避させることが望ましい。この時、吐出
ヘッド22のみが退避してもよいが、吐出ヘッド22と
ヘッド副走査手段32を一緒に、あるいは吐出ヘッド2
2とインク供給部24とヘッド副走査手段32、及び必
要に応じて設けるインク濃度制御手段29を含めて、全
てを一緒に退避することもできる。この退避手段によ
り、描画時以外は、吐出ヘッド22が版胴11に対し少
なくとも5mm、望ましくは10mm以上離れるように
する。こうすることにより、吐出ヘッド22を物理的破
損あるいは汚染から保護し、長寿命化を達成することが
できる。
【0098】版材9上に形成された油性インク画像は、
定着装置5により強化される。定着装置5の位置は、上
記のように、図6(a)に記載の位置でもよいし、空間
Aにおいて描画終了後インクジェット記録装置2が版胴
11から離れた後の位置でもよい。インクの定着手段と
しては、加熱定着、溶媒定着、フラッシュ露光定着など
の公知の手段が使用できる。
【0099】加熱定着では、ハロゲンランプ照射あるい
はヒーターを利用した熱風定着、ヒートロール定着が一
般的である。この場合には定着性を高めるために、版胴
11を加熱しておく、版材9を予め加熱しておく、熱風
を当てながら描画を行う、版胴11を断熱材でコートす
る、定着時のみ版胴11から版材9を離して、版材9の
みを加熱する、等の手段を単独、あるいは組み合わせる
ことが有効である。溶媒定着ではメタノール、酢酸エチ
ル等のインク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧し、
余分な溶媒蒸気は回収する。
【0100】また、キセノンランプ等を使用してのフラ
ッシュ露光定着は、電子写真トナーの定着法として公知
であり、定着を短時間に行えるという利点がある。な
お、少なくとも吐出ヘッド22による油性インク画像形
成から定着装置5による定着までの工程では、湿し水供
給装置3、印刷インキ供給装置4及びブランケット胴1
2は、版胴11上の版材9には接触しないように保たれ
ることが望ましい。
【0101】定着後、不感脂化処理が必要な場合には、
図6(b)に示すように、インクジェット記録装置2及
び埃除去装置10を空間Aから退避させ、定着装置5を
空間Bから、温度測定装置18を空間Cからそれぞれ退
避させた後に、版面不感脂化装置6を版材に近接せしめ
て行うことができる。なお、ここまでの方法及び装置を
CTPシステムに適用して、製版作業をコンパクトな装
置で効率的に行うことができる。
【0102】刷版形成後の印刷工程においては、図6
(c)に示すように、湿し水供給装置3と印刷インキ供
給装置4が版胴11に近接している。この時インクジェ
ット記録装置は版胴11から離れた状態にあることが望
ましい。というのは、印刷中に印刷用紙Pがブランケッ
ト胴12と圧胴13の間を通過するときに、印刷用紙P
がブランケット胴に巻きついて版胴11にまで達するこ
とが時として起こり、この印刷用紙Pが版胴11周辺の
装置と接触することがある。また、湿し水や印刷機のギ
ヤに供給された潤滑油(機械油)が飛散し、インクジェ
ット記録装置の破損や汚れを生じさせる危惧がある。さ
らに、このようなトラブルの早期発見とその対応のた
め、印刷機周辺にはできるだけ空間的余裕があることが
望ましい。
【0103】印刷作業は、公知の平版印刷方法と同様に
行われる。すなわち、この油性インク画像が描画された
版材9に湿し水および印刷インキを与え、印刷画像を形
成し、この印刷インキ画像を版胴11と共に回転してい
るブランケット胴12上に転写し、ついでブランケット
胴12と圧胴13との間を通過する印刷用紙P上に、ブ
ランケット胴12上の印刷インキ画像を転移させること
で一色分の印刷が行われる。印刷終了後の版材9は、自
動排版装置8により版胴11から取り除かれ、ブランケ
ット胴12上のブランケットはブランケット洗浄装置1
4により洗浄され、次の印刷が可能な状態となる。
【0104】つぎに、本発明の具体的応用例の一つとし
て、機上描画複色片面平版印刷機について説明する。図
7は、機上描画4色片面平版印刷機の全体構成例であ
る。図7に示すように、該4色片面印刷装置は、基本的
に図2に示した単色片面印刷装置の版胴11、ブランケ
ット胴12、圧胴13を印刷用紙Pの同じ面に印刷が行
われるように4個づつ有するような構造である。尚、図
示はしていないが、図中Kで示す印刷用紙の隣接圧胴間
での受け渡しには、公知の渡し胴方式などを使用する。
【0105】詳細な説明は省くが、図7の例から容易に
わかるように、その他の複色片面印刷装置も、基本的
に、単色片面印刷装置の版胴11、ブランケット胴1
2、圧胴13を印刷用紙Pの同じ面に印刷が行われるよ
うに複数個有するような構造であり、版胴に1色分の刷
版のみを作成する場合には、印刷する色数分だけ版胴、
ブランケット胴を有する。一方、版胴に複数色の刷版を
形成する場合には、印刷する色数を一版胴上の刷版数で
割った値だけ版胴、ブランケット胴が必要となる。例え
ば版胴上に2色分の刷版を作成した場合には、版胴、ブ
ランケット胴を2つづつ有する2台の印刷機により片面
3色あるいは4色印刷が可能となる。また圧胴は版胴と
同数でもよいが、幾つかの版胴、ブランケット胴で一つ
の圧胴を共有してもよい。版胴には、必要に応じて必要
色分の印刷が終わるまで印刷用紙を保持しておく手段を
設置する。
【0106】機上描画複色両面平版印刷機として本発明
を実施する場合には、上述した印刷機に公知の印刷用紙
反転手段を設けるか、図2に示した単色片面印刷装置の
版胴11、ブランケット胴12を、印刷用紙Pの両面に
印刷が行われるように複数個設ける。後者の場合、版胴
に1色分の版のみを作成する場合には、印刷用紙の両面
に印刷するのに必要な色数分だけ版胴、ブランケット胴
が必要であるが、版胴に複数色の版を作成する場合に
は、版胴、ブランケット胴の数を減らすことができる。
また幾つかの版胴、ブランケット胴で一つの圧胴を共有
した場合には、圧胴の数も減らすことができる。版胴に
は、必要に応じて必要色分の印刷が終わるまで印刷用紙
を保持しておく手段を設置する。詳細については上述の
機上描画複色片面平版印刷機の例により容易に理解でき
るため省略する。
【0107】また、機上描画平版印刷機の別の例として
は、ブランケット胴1つあたり版胴を二つ有し、一方で
印刷を行っている際、もう一方の版胴で描画を行うこと
もできる。この場合には、描画を行っている版胴の駆動
は機械的にブランケットから独立されることが望まし
い。これにより、印刷機を休止させることなく、描画を
行うことが可能になる。なお容易に理解されるように、
これは機上描画複色片面平版印刷機、機上描画複色両面
平版印刷機にも適用することができる。
【0108】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明がこれらに限定されるものではない。ま
ず、インク用樹脂粒子(PL)の製造例について説明す
る。
【0109】樹脂粒子(PL−1)の製造 下記の化2で示す構造の分散安定用樹脂(Q−1)10
g、酢酸ビニル100gおよびアイソパーH(エクソン
社の製品)384gの混合溶液を窒素気流下攪拌しなが
ら温度70℃に加温した。重合開始剤として2,2′−
アゾビス(イソバレロニトリル)(略称A.I.V.
N.)0.8gを加え、3時間反応した。開始剤を添加
して20分後に白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇
した。更に、この開始剤0.5gを加え、2時間反応し
た後、温度を100℃に上げ2時間攪拌し未反応の酢酸
ビニルを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布
を通し、得られた白色分散物は重合率90%で平均粒径
0.23μmの単分散性良好なラテックスであった。粒
径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定し
た。
【0110】
【化2】
【0111】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104r.p.m.、回転時間60分)にかけ
て、沈降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子
分の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC
値)は2×105、ガラス転移点(Tg)は38℃であ
った。
【0112】次に、油性インク(IK)の製造例につい
て説明する。 油性インク(IK−1)の製造 ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合
比;95/5重量比)を10g、ニグロシン10gおよ
びシェルゾール71の30gをガラスビーズとともにペ
イントシェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、4時間
分散し、ニグロシンの微小な分散物を得た。上記の方法
で製造した樹脂粒子(PL−1)6g(固体分量とし
て)、上記ニグロシン分散物を2.5g、FOC−14
00(日産化学(株)製、テトラデシルアルコール)1
5g、およびオクタデセン−半マレイン酸オクタデシル
アミド共重合体0.08gをアイソパーG(エクソン社
の商品名)の1リットルに希釈することにより黒色油性
インク(IK−1)を作成した。
【0113】次に、図3に示したインクジェット記録装
置のインクタンクに、油性インク(IK−1)2リット
ルを充填した。ここでは吐出ヘッドとして図4、5に示
す100dpi(電極間隔254μm)、64チャンネ
ルヘッドを使用した。
【0114】インク温度管理手段として投げ込みヒータ
と攪拌羽をインクタンク内に設け、インク温度は30℃
に設定し、攪拌羽を30rpmで回転しながらサーモス
タットで温度コントロールした。ここで攪拌羽は沈降・
凝集防止用の攪拌手段としても使用した。またインク流
路を一部透明とし、それを挟んでLED発光素子と光検
知素子を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈
液(アイソパーG)あるいは濃縮インク{上記インク
(IK−1)の固形分濃度を2倍に調整したもの}投入
による濃度管理を行った。
【0115】実施例1 インクジェット記録装置2、埃除去装置10及び定着装
置5は、予めフリーアームと移動架台上に設置されてお
り、この二つの離接手段を操作して、版胴11から離れ
た位置に移動せしめ、版材9として、砂目立ておよび陽
極酸化処理を施した0.12mm厚みのアルミ板を、版
材自動給版装置7と版胴11に設けた自動版尻くわえ装
置により版尻もくわえて装着した。
【0116】次に、版胴の斜め上の位置に配置するよう
に設置した、跳ね上げ機構により版胴より遠ざけ、先に
述べたフリーアームと移動架台の操作により、インクジ
ェット記録装置2、埃除去装置10、定着装置5を、図
6(a)に示すように版材に近づけ、まずエアーポンプ
吸引により版材表面の埃除去を行った。
【0117】ついで、印刷すべき600dpiの画像デ
ータを画像データ演算制御部21に伝送し、版胴11を
12rpmで回転させながら、64チャンネル吐出ヘッ
ドを移動させることにより、アルミ版上に油性インクを
吐出して画像を形成した。この際、制御型温度測定装置
16(TH−451)により、版面温度を35℃±1℃
に設定した。なお、温度制御のための加熱手段としてハ
ロゲンランプヒーター(ウシオ電機製、1200W)定
着装置5を、冷却手段として埃除去装置10を流用し
た。この時温度制御や風量調節は予め設定されたプログ
ラムに従って好適の条件となるようシステムコントロー
ラーからの指示により行った。
【0118】また、吐出ヘッド22の吐出電極の先端幅
は10μmとし、光学的ギャップ検出装置による出力に
より、吐出ヘッド22と版材9の距離は1mmに保っ
た。また吐出の際にはバイアス電圧として2.5KVの
電圧を常時印加しておき、吐出を行う際には2.5KH
zで500Vのパルス電圧をさらに重畳し、そのパルス
電圧は、0.2ミリ秒から0.05ミリ秒の範囲で25
6段階に変化させることで、ドットの面積を変化させな
がら描画を行った。埃による描画不良等は全く見られ
ず、また外気温の変化、製版数の増加によってもドット
径変化等による画像劣化は全く見られず、良好な製版が
可能であった。描画後、ハロゲンヒーター定着装置5に
よる加熱により画像を強固にし、刷版を完成した。画像
解析によるドット径再現性は±3%であった。設定40
μmのドット(ほぼ真円)は39〜41μmであり、良
好な画像が得られた。
【0119】ついで、図6(c)に示すように、吐出ヘ
ッド22を保護するために、インクジェット記録装置2
を、先と同様にフリーアームと移動架台の操作により、
版胴と近接した位置から5mm退避させ、更に同じくフ
リーアームと移動架台の操作により、埃除去装置10、
定着装置5を版胴から離れた位置に移動した。
【0120】その後、通常の平版印刷方法により印刷用
コート紙Pへの印刷を行った。すなわち、刷版9に印刷
インキおよび湿し水を与え印刷画像を形成し、この印刷
インキ画像を版胴11と共に回転しているブランケット
胴12上に転写し、ついでブランケット胴12と圧胴1
3との間を通過する印刷用コート紙P上にブランケット
胴12上の印刷インキ画像を転移させた。得られた印刷
物は、通し枚数1万枚後でも、工程上のトラブルなく、
また品質上も印刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明
な画像であった。
【0121】一方、製版終了後、吐出ヘッド22に、1
0分間アイソパーGを供給し、吐出ヘッド開口部からア
イソパーGを滴らせてクリーニングした後、アイソパー
Gの蒸気を充満させたカバーに吐出ヘッドを格納してお
くことにより、3ヶ月の間、保守作業の必要なしに、工
程トラブルもなく良好な印刷物を作製できた。
【0122】実施例2 実施例1のアルミ版の替わりに、表面に不感脂化処理を
施すことにより親水化が可能になる画像受理層を設けた
版材を用いた。そして、描画の際に導電性板バネ(燐青
銅製)接触により版材導電層の接地をとり、版材に熱風
を当てることにより定着を行い、刷版作成後に版面不感
脂化処理装置を用いて非画像部を親水化した以外は実施
例1と同じ操作を行った。
【0123】すなわち、基体として坪量100g/m2
の上質紙を用い、基体の両面にポリエチレンフィルムを
20μmの厚みにラミネートし耐水性とした紙支持体上
に、下記のようにして調製した導電層用塗料を、バーコ
ーターにより塗布して、乾燥後塗布量として10g/m
2となるように片面に塗布し、さらにその上に分散液B
を、バーコーターにより塗布して、乾燥後塗布量として
15g/m2となるように画像受理層を設けて版材を得
た。
【0124】・導電層用塗料;カーボンブラック(30
%水溶液)5.4部、クレー(50%水溶液)54.6
部、SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃)3
6部、メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジン
SR−13)4部を混合し、全体の固形分が25%とな
るように水を加えて塗料とした。
【0125】・分散液B;乾式酸化亜鉛100g、下記
の化3に示した構造の結着樹脂(B−1)3g、結着樹
脂(B−2)17g、安息香酸0.15gおよびトルエ
ン155gの混合物を湿式分散機ホモジナイザー(日本
精機(株)製)を用いて回転数6,000rpmで8分
間分散した。
【0126】
【化3】
【0127】得られた版材を、実施例1と同様にして版
胴11に装着し、これに描画し定着後、前述と同様にフ
リーアームと移動架台の操作により、インクジェット記
録装置2及び定着装置5を、版胴11から離れた位置に
退避させ、描画及び定着が終わった版面の非画像部を親
水化するために、版面不感脂化装置6を、図6(b)に
示すように、同じくフリーアームと移動架台の操作によ
り、版胴に近接した位置に移動させた。
【0128】エルプE2エッチング液(富士写真フイル
ム(株)製)をモルトンタイプのエッチングローラーに
より版面に供給して不感脂化処理をした。
【0129】かくして得られた刷版を使用して、実施例
1と同様に印刷した結果、通し枚数五千枚でも工程トラ
ブルなく、品質的にも印刷画像に飛びやカスレがなく極
めて鮮明な画像であった。また、印刷物画像を解析した
ところ、ドット間隔誤差は±4%、ドット径のバラツキ
は±5%と低く良好であった。
【0130】
【発明の効果】本発明に従い、製版機能及び/又は印刷
機能に係わる装置の配置を、製版及び/又は印刷の作業
の進行に応じて特定の空間に配置することにより、CT
Cシステムを適用した平板印刷において、安価でコンパ
クトな装置により印刷プロセスの効率化と良好な印刷仕
上がりが共に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の印刷機能のみを有する平版印刷装置の全
体構成図である。
【図2】本発明の機上描画平版印刷装置の一実施態様の
全体構成図である。
【図3】機上描画平版印刷装置の描画部の一例を模式的
に示す構成図である。
【図4】インクジェット記録装置に備えられるヘッドの
一例を示す概略構成図である。
【図5】図4のインク吐出部近傍の断面概略図である。
【図6】(a)本発明による、描画時及び定着時の各装
置の配置の一例を示す図である。 (b)本発明による、不感脂化処理時の各装置の配置の
一例を示す図である。 (c)本発明による、印刷時の各装置の配置の一例を示
す図である。
【図7】機上描画4色片面平板印刷機を模式的に示す全
体構成図である。
【符号の説明】
1 機上描画平版印刷装置 2 インクジェット記録装置 3 湿し水供給装置 4 印刷インキ供給装置 5 定着装置 6 版面不感脂化装置 7 版材自動給版装置 8 版材自動排版装置 9 版材(印刷原版)又は刷版(印刷用版) 10 埃除去装置 11 版胴 12 ブランケット胴 13 圧胴 14 ブランケット洗浄装置 15 紙粉発生防止装置 16 給紙装置 17 排紙装置 18 温度測定装置 21 画像データ演算制御部 22 吐出ヘッド 221 上部ユニット 222 下部ユニット 22a 吐出スリット 22b 吐出電極 23 油性インク 24 インク供給部 25 インクタンク 26 インク供給装置 27 攪拌装置 28 インク温度管理手段 29 インク濃度制御手段 30 エンコーダー 31 ヘッド離接装置 32 ヘッド副走査手段 P 印刷紙

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データの信号に基づき静電界を利用
    して油性インクを吐出させるインクジェット記録方法を
    用いて、印刷機の版胴に装着された版材上に直接描画し
    て画像を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う平版
    印刷装置において、製版機能に係わる装置が (A)版胴とブランケット胴との接点と湿し水供給装置
    の間の版胴近傍の空間 (B)版胴とブランケット胴との接点と印刷インキ供給
    装置の間の版胴近傍の空間 (C)湿し水供給装置と印刷インキ供給装置の間の版胴
    近傍の空間 のうちの特定の空間に配置されていることを特徴とする
    インクジェット記録方法を用いた平版印刷装置。
  2. 【請求項2】 インクジェット吐出ヘッドが、版胴近傍
    の空間(A)に配置されていることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷装
    置。
  3. 【請求項3】 インクジェット吐出ヘッドが、その副走
    査手段と共に、版胴近傍の空間(A)に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    方法を用いた平版印刷装置。
  4. 【請求項4】 インクジェット吐出ヘッド及び版材自動
    給版装置を、版胴近傍の空間(A)に離接可能に配置す
    る手段を有すること特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 インク画像定着装置が、版胴近傍の空間
    (A)又は(B)のいずれかに配置されていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録方法を用いた平版印刷装置。
  6. 【請求項6】 埃除去装置が、版胴近傍の空間(A)又
    は(B)のいずれかに配置されていることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録方
    法を用いた平版印刷装置。
  7. 【請求項7】 温度測定装置が、版胴近傍の空間(C)
    に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷
    装置。
  8. 【請求項8】 放射温度計が、インクジェット吐出ヘッ
    ドに固定されていることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のインクジェット記録方法を用いた平版印
    刷装置。
  9. 【請求項9】 製版機能に関する装置が、版胴からの及
    び版胴への離接手段を有することを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載のインクジェット記録方法を用い
    た平版印刷装置。
  10. 【請求項10】 画像データの信号に基づき静電界を利
    用して油性インクを吐出させるインクジェット記録方法
    を用いて、印刷機の版胴に装着された版材上に直接描画
    して画像を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う平
    版印刷方法において、製版機能に係わる操作を (A)版胴とブランケット胴との接点と湿し水供給装置
    の間の版胴近傍の空間 (B)版胴とブランケット胴との接点と印刷インキ供給
    装置の間の版胴近傍の空間 (C)湿し水供給装置と印刷インキ供給装置の間の版胴
    近傍の空間 のうちの特定の空間において行う方法であって、請求項
    2〜9のいずれかに記載の装置を用いて製版することを
    特徴とするインクジェット記録方法を用いた平版印刷方
    法。
  11. 【請求項11】 版胴に版材を装着する給版時、印刷
    時、版胴から印刷済みの刷版を排出する排版時のいずれ
    か又はその組み合わせ作業時に、油性インクの吐出ヘッ
    ドの先端部が、版胴表面から5mm以上離れていること
    を特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方
    法を用いた平版印刷方法。
  12. 【請求項12】 油性インクの吐出ヘッドの先端部が、
    版胴表面から10mm以上離れていることを特徴とする
    請求項10又は11に記載のインクジェット記録方法を
    用いた平版印刷方法。
  13. 【請求項13】 インクジェット記録方法において、少
    なくとも画像描画時の版面温度を、30℃〜40℃の範
    囲内に設定することを特徴とする請求項10〜12のい
    ずれかに記載のインクジェット記録方法を用いた平版印
    刷方法。
  14. 【請求項14】 油性インクが、固有電気抵抗値109
    Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少な
    くとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもの
    であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに
    記載のインクジェット記録方法を用いた平版印刷方法。
  15. 【請求項15】 版材への描画時に、版材の装着された
    版胴の回転により、主走査を行うことを特徴とする請求
    項10〜14のいずれかに記載のインクジェット記録方
    法を用いた平版印刷方法。
  16. 【請求項16】 版材への描画時に、油性インクの吐出
    ヘッドを、版胴の軸と平行方向に移動することにより副
    走査を行うことを特徴とする請求項15に記載のインク
    ジェット記録方法を用いた平版印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009149009A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Konica Minolta Holdings Inc 印刷版作製方法

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