JP2001232503A - 二面拘束型工具ホルダ - Google Patents

二面拘束型工具ホルダ

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JP2001232503A
JP2001232503A JP2000046235A JP2000046235A JP2001232503A JP 2001232503 A JP2001232503 A JP 2001232503A JP 2000046235 A JP2000046235 A JP 2000046235A JP 2000046235 A JP2000046235 A JP 2000046235A JP 2001232503 A JP2001232503 A JP 2001232503A
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diameter
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tapered
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Hajime Tejima
一 手島
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Fuji Bellows Co Ltd
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Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二面拘束型工具ホルダにおいて、テーパスリー
ブのテーパ外周面を工具主軸のテーパ内周面に安定して
押し付ける押し付け力を得る。 【解決手段】ホルダ本体16の有底穴66に多数枚の皿
ばね82を組み込み、ホルダ本体を直径方向に貫通して
テーパスリーブ18に係合するように設けられた係合ピ
ン90を、スペーサ94とピン保持部材92とを介して
付勢し、テーパスリーブをホルダ本体から離間する向き
に付勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端面に開口し、
開口端側ほど直径が大きいテーパ穴を有する工具保持軸
に、先端面とテーパ穴内周面とに密着した状態で取り付
けられる二面拘束型工具ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記二面拘束型工具ホルダの一種に、
(1)工具保持軸の先端面に密着する肩面と、その肩面か
ら直角に延び出し、外周面が円筒面をなすストレート軸
部とを備えたホルダ本体と、 (2)内周面が前記ストレー
ト軸部に嵌合され、外周面が工具保持軸のテーパ穴に対
応するテーパ面とされたテーパスリーブと、 (3)前記肩
面とテーパスリーブの端面との間に配設された皿ばねと
を含むものがある。工具保持軸の内部に配設されたドロ
ーバによりストレート軸部が工具保持軸内に引き込まれ
るとき、まずテーパスリーブのテーパ面(テーパ外周
面)が工具保持軸のテーパ穴の内周面(テーパ内周面)
と密着し、その後さらにストレート軸部が工具保持軸内
に引き込まれると、肩面が皿ばねを圧縮しつつテーパス
リーブに接近し、やがて工具保持軸の先端面に当接す
る。この状態では、工具ホルダが二面、すなわち、テー
パスリーブのテーパ外周面とホルダ本体の肩面とにおい
て工具保持軸の先端面とテーパ内周面との両方に密着す
る。この種の工具ホルダが二面拘束型と称されるゆえん
であり、工具保持軸による工具ホルダの保持剛性と保持
位置精度とが高くなる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかしながら、上記二面拘束型工具ホルダにおいて
は、テーパスリーブのテーパ外周面が、肩面とテーパス
リーブとの間に配設された皿ばねの弾性力により、工具
保持軸のテーパ内周面に押し付けられるものであるた
め、適切な押付力を得ることが困難である問題があっ
た。皿ばねは、テーパスリーブのテーパ外周面と工具保
持軸のテーパ内周面との加工誤差を吸収して、二面拘束
を実現する役割を果たすものであるため、弾性変形能力
が大きいほど二面拘束の実現が容易である反面、工具保
持軸による工具ホルダの保持剛性および保持位置精度を
十分に高めるためには、テーパスリーブのテーパ外周面
の工具保持軸のテーパ内周面に対する押付力を相当に大
きくする必要がある。つまり、大きな弾性変形能力と大
きな弾性力との両方が要求されるのであり、この要求を
満たすためには、弾性部材は大形のもの、特に、弾性変
形方向の寸法の大きいものとせざるを得ないのである
が、肩面とテーパスリーブの端面との間にそのように大
形の弾性部材を配設することは困難であるため、弾性変
形能力と弾性力とのいずれか一方を犠牲にせざるを得な
いからである。
【0004】本発明は、以上の事情を背景とし、テーパ
スリーブのテーパ外周面の工具保持軸のテーパ内周面に
対する適切な押付力を得ることを容易することを課題と
してなされたものであり、本発明によって、下記各態様
の二面拘束型工具ホルダが得られる。各態様は請求項と
同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて
他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あく
までも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書
に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各
項に記載のものに限定されると解釈されるべきではな
い。また、一つの項に複数の事項が記載されている場
合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければなら
ないわけではない。一部の事項のみを選択して採用する
ことも可能なのである。
【0005】(1)先端面に開口し、開口端側ほど直径
が大きいテーパ穴を有する工具保持軸に、先端面とテー
パ穴の内周面とに密着した状態で取り付けられる二面拘
束型工具ホルダであって、前記先端面に密着する肩面
と、その肩面から直角に延び出し、外周面が円筒面をな
すストレート軸部とを備えたホルダ本体と、内周面が前
記ストレート軸部に嵌合され、外周面が前記テーパ穴に
対応するテーパ面とされたテーパスリーブと、前記スト
レート軸部に、そのストレート軸部の軸線と平行に形成
された有底の軸方向穴内に一端が軸方向穴の底面に受け
られた状態で配設された弾性部材と、その弾性部材の軸
方向穴の底面に受けられた側とは反対側の端に当接する
当接部と、その当接部から半径方向に外向きに延び出
し、前記軸方向穴の周壁を半径方向に貫通して形成され
た半径方向穴を通過して延び出し、前記テーパスリーブ
に係合する係合部とを備えた力伝達装置とを含むことを
特徴とする二面拘束型工具ホルダ(請求項1)。上記の
ように、ストレート軸部の内部に軸方向穴を形成し、そ
の軸方向穴内に弾性部材を配設すれば、大形の弾性部材
を配設することが容易となる。ストレート軸部は、工具
保持軸による工具ホルダの保持剛性および保持位置精度
を高める必要上、できる限り太くかつ長いことが望まし
いため、その内部に比較的内径が大きくかつ長い軸方向
穴を形成することは容易であり、したがって、その軸方
向穴の内部には大形の弾性部材を配設し易いのである。
ただし、ストレート軸部の内部に配設された弾性部材の
弾性力を、ストレート軸部の外側に嵌合されるテーパス
リーブに伝達することが必要となる。本発明において
は、この問題を、弾性部材の軸方向穴の底面に受けられ
た側とは反対側の端に当接する当接部と、その当接部か
ら半径方向に延び出し、軸方向穴の周壁を半径方向に貫
通して形成された半径方向穴を通過して延び出し、前記
テーパスリーブに係合する係合部とを備えた力伝達装置
の採用によって解決した。本発明によれば、テーパスリ
ーブのテーパ外周面を工具保持軸のテーパ内周面に適切
な大きさの力で押し付けることが容易となる。軸方向穴
を太くしてもストレート軸部は中空円筒状となるのみ
で、剛性の低下が比較的小さくて済み、また、ストレー
ト軸部は元々相当な長さを要するため、軸方向穴は相当
太くかつ長いものとすることが容易であり、比較的大形
の弾性部材を軸方向穴内に配設することができる。その
ため、弾性部材を、相当量弾性変形させられた状態で所
定の弾性力を発生させるものとすることができ、工具保
持軸のテーパ穴やテーパスリーブのテーパ面の加工精度
が低い場合でも、弾性部材の弾性力の変化が僅かで済む
こととなり、結局、テーパスリーブのテーパ外周面を工
具保持軸のテーパ内周面に適切な大きさの力で押し付け
ることが容易となるのである。 (2)前記力伝達装置が、前記軸方向穴に軸方向に移動
可能に嵌合され、一端面において前記弾性部材の前記一
端に当接する当接部材と、その当接部材を前記軸方向穴
の軸線と直交する方向に貫通し、当接部材から両側へ突
出した両突出部がそれぞれ前記半径方向穴を通過して延
びるとともに各先端部において前記テーパスリーブと係
合する係合ピンとを含む (1)項に記載の二面拘束型工具
ホルダ(請求項2)。このように、力伝達装置を当接部
材と係合ピンとを含むものとすれば、力伝達装置をスト
レート軸部に組み付けることが容易となる。軸方向穴内
に弾性部材を配設し、その後から当接部材を軸方向穴内
に嵌合し、当接部材を介して弾性部材を圧縮した状態
で、ストレート軸部に形成した半径方向穴から係合ピン
を挿入して当接部材を貫通させればよいからである。な
お、当接部材は直接弾性部材に当接するものとしても、
スペーサ等の他部材を介して間接的に当接するものとし
てもよい。後者によれば、スペーサの厚さを変更するこ
とにより、弾性部材の弾性力を変更することが可能とな
る。 (3)前記ストレート軸部が、前記肩面から延び出す大
径軸部とその大径軸部の先端から延び出す小径軸部とを
有する段付軸部であり、前記テーパスリーブがそれら大
径軸部と小径軸部とに嵌合する大径穴部と小径穴部とを
有し、前記係合部が大径穴部と小径穴部との間の肩面か
ら軸方向に形成された係合凹部に係合する(1)項または
(2)項に記載の二面拘束型工具ホルダ(請求項3)。こ
のように、テーパスリーブのテーパ面の直径の大きい部
分には大径穴部を形成し、テーパ面の直径の小さい部分
には小径穴部を形成し、それぞれにストレート軸部の大
径軸部と小径軸部とを嵌合すれば、テーパスリーブの内
部空間を有効に利用してストレート軸部を太くすること
ができる。しかも、工具ホルダに保持された工具による
切削加工,研削加工等の機械加工時に、ストレート軸に
作用する曲げモーメントは肩面に近い部分ほど大きくな
るのに対し、ストレート軸部の肩面に近い側が大径軸部
となるため、効果的にストレート軸部の曲がりを防止す
ることができる。その上、大径穴部と小径穴部との間の
肩面から軸方向に延びる係合凹部を形成し、その係合凹
部に係合部を係合させることにより、弾性部材の弾性力
をテーパスリーブに、そのテーパスリーブを肩面から離
間させる向きに伝達し、かつ、テーパスリーブとホルダ
本体との相対回転を防止することが可能となる。 (4)前記ストレート軸部と前記テーパスリーブとが、
軸方向に相対移動を許容する強さで締まり嵌合された
(1)項ないし (3)項のいずれか1つに記載の二面拘束型
工具ホルダ。ストレート軸部とテーパスリーブとを止ま
り嵌合あるいは緩み嵌合とすることも可能である。しか
し、軸方向に相対移動を許容する強さの締まり嵌合とす
れば、工具保持軸による工具ホルダの保持剛性および保
持位置精度を特に高くすることができる。 (5)前記弾性部材が、複数個の皿ばねが直列に配列さ
れたものである (1)項ないし (4)項のいずれか1つに記
載の二面拘束型工具ホルダ。複数個の皿ばねを直列に配
列したものを弾性部材として採用すれば、大きな弾性力
を容易に発生させることができる。 (6)前記軸方向穴の開口側端部が雌ねじ穴とされ、そ
の雌ねじ穴にプルスタッドの雄ねじ部が螺合された (1)
項ないし (5)項のいずれか1つに記載の二面拘束型工具
ホルダ。例えば、工具保持軸内部に、前端部に雄ねじ部
を有するドローバを配設し、軸方向穴の開口側端部の雌
ねじ穴に螺合により係合させることによっても、工具ホ
ルダに引込力を付与することができるが、ストレート軸
部の後端にプルスタッドを設ければ、そのプルスタッド
を、ドローバの先端に設けられた公知の把持部に把持さ
せて、容易に工具ホルダに引込力を付与することができ
る。 (7)前記ホルダ本体が、外周面に外周を一周するV溝
と前記肩面として機能する一端面から軸方向に延びる切
欠とが形成されたフランジ部を有する (6)項に記載の二
面拘束型工具ホルダ。上記V溝および切欠が形成された
フランジ部と、プルスタッドとを備えた工具ホルダは、
自動工具交換装置により交換される自動交換用工具ホル
ダとして広く使用されており、本態様はそれら自動交換
用工具ホルダに本発明を適用したものとなる。 (8)前記工具本体,前記力伝達装置および前記プルス
タッドにそれらを軸方向に貫通し、クーラントを導くク
ーラント穴が形成された (6)項または (7)項に記載の二
面拘束型工具ホルダ。この態様によれば、工具ホルダを
貫通させてクーラントを供給することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態として
の工具ホルダを図面に基づいて詳細に説明する。図1に
本実施形態の工具ホルダ10が工作機械の工具保持軸と
しての主軸12に取り付けられた状態を示す。主軸12
にはドライブキー14が取り付けられて、主軸12のト
ルク伝達部を構成している。これら主軸12とドライブ
キー14とは、図1に二点鎖線で示されている。工具ホ
ルダ10は、ホルダ本体16,テーパスリーブ18およ
びプルスタッド20等を備えている。ホルダ本体16
は、図2に示すように、フランジ部22と、フランジ部
22の一端面から同心に延び出して工具保持部を構成す
る円筒状突部24とを備えている。フランジ部22の円
筒状突部24側とは反対側の後端面26は、軸線に対し
て直角な平面とされている。さらに、ホルダ本体は、フ
ランジ部22の後端面26から同心に延び出し、テーパ
スリーブ18と嵌合されるストレート軸部28を備えて
いる。フランジ部22には、後端面26と外周面とに開
口し、軸方向に延びる係合凹部30が直径方向に隔たっ
た2箇所に形成されている。また、フランジ部22の軸
方向中間部には、断面形状がV字形の円環状溝32が形
成されている。工具ホルダ10を円環状溝32において
自動工具交換装置の工具保持アームに保持させることに
より、工具ホルダ10を自動で主軸12に着脱すること
ができる。
【0007】図2に示すように、円筒状突部24の外周
側には、直径方向に隔たった2箇所にドライブキー34
が設けられている。ドライブキー34は、フランジ部2
2において係合凹部30と同位相で設けられたキー溝3
6にボルト38により固定されて、ホルダ本体16のト
ルク伝達部を構成している。円筒状突部24には、中心
を通る雌ねじ穴40が形成されている。本実施形態にお
ける円筒状突部24は、加工工具としての正面フライス
42(二点鎖線で図示)を保持するのに適したものとさ
れ、正面フライス42に形成された貫通穴44と円筒状
突部24とが嵌合されるとともに、ドライブキー34と
正面フライス42に形成されたキー溝46とが嵌合され
た状態で、セットボルト48の雄ねじ部50が雌ねじ穴
40に螺合される。セットボルト48のフランジ部52
が正面フライス42の座ぐり穴底面に当接し、正面フラ
イス42が工具ホルダ10に固定される。なお、セット
ボルト48は、フランジ部52の雄ねじ部50とは反対
側の端面に設けられた六角穴(図示省略)に図示しない
六角レンチを係合させて回転させられる。
【0008】ストレート軸部28は、後端面26側か
ら、比較的直径の大きい大径部60と、大径部60の先
端から延び出して大径部60より直径の小さい小径部6
2とからなる。大径部60と小径部62との境界部は、
軸線に直角な肩面とされている。ホルダ本体16には、
中心軸線に沿ってホルダ本体16を貫通し、雌ねじ穴4
0に連通するクーラント穴64が形成されている。クー
ラント穴64の雌ねじ穴40側とは反対側にクーラント
穴64より大径の有底穴66が形成されている。有底穴
66は大径部60と小径部62とにまたがって形成さ
れ、有底穴66の底面67は、フランジ部22の後端面
26よりややストレート軸部28側に形成されている。
【0009】有底穴66の開口部に雌ねじ穴68が形成
され、プルスタッド20が螺合により固定されている。
プルスタッド20の中心にも、軸方向に貫通するクーラ
ント穴70が形成されている。
【0010】有底穴66にばね部材80が設けられ、ホ
ルダ本体16とテーパスリーブ18とが、テーパスリー
ブ18が後端面26から遠ざかる向きに付勢されてい
る。本実施形態におけるばね部材80は、複数の皿ばね
82が交互に逆向きとなるように直列に重ね合わされて
構成されている。ばね部材80は、その一端が有底穴6
6の底面67においてホルダ本体16に受けられるとと
もに、他端が力伝達装置84を介してテーパスリーブ1
8に受けられている。力伝達装置84は、ホルダ本体1
6の小径部62を直径方向に貫通する貫通穴88に嵌合
されて、両端部が小径部62の外周面から突出する係合
ピン90を備え、その係合ピン90は有底穴66に摺動
可能に嵌合されたピン保持部材92により保持されてい
る。係合ピン90の、ストレート軸部28の軸方向の移
動は貫通穴88の直径によって規定されている。貫通穴
88は係合ピン90より大径に形成され、係合ピン90
およびピン保持部材92のホルダ本体16に対する軸方
向の相対移動が許容されている。なお、貫通穴88は、
ストレート軸部28の軸方向に長い長穴とされてもよ
い。ばね部材80とピン保持部材92との間にスペーサ
94が配設されている。スペーサ94およびピン保持部
材92がばね部材80により付勢され、係合ピン90が
テーパスリーブ18に係合し、テーパスリーブ18をフ
ランジ部22の後端面26から遠ざかる向きに付勢す
る。スペーサ94は有底穴66にほぼ隙間なく嵌合し、
軸方向に摺動可能とされている。スペーサ94およびピ
ン保持部材92には、軸方向の貫通穴が形成され、クー
ラント穴64と連通させられている。本実施形態におい
ては、厚さ(軸方向の寸法)が異なるスペーサ94が複
数種類用意されており、スペーサ94が厚さの異なるも
のに交換されることによって、ばね部材80の付勢力が
調節される。
【0011】テーパスリーブ18はテーパ外周面96を
有し、フランジ部22に対向する前端面98がテーパス
リーブ18の最大直径とされており、フランジ部22よ
り遠ざかるにつれて直径が漸減している。テーパスリー
ブ18のテーパ外周面96は主軸12に形成されたテー
パ穴100に沿った形状とされている。テーパスリーブ
18の前端面98と、ホルダ本体16の後端面26とに
より、テーパスリーブ18のホルダ本体16への嵌入限
度が規定される。
【0012】テーパスリーブ18には、中心を通り軸方
向に延びる中心穴102が形成されている。中心穴10
2は、テーパスリーブ18の前端面98側が直径の大き
い大径穴部104、反対側が小径穴部105とされてい
る。これら大径穴部104と小径穴部105との内周面
は研削されており、そのために小径穴部105の大径穴
部104側の端には研削逃げ溝106が形成されてい
る。小径穴部105の肩面107(研削逃げ溝106の
溝側面)の直径方向に隔たった2個所には、係合凹部が
形成されている。これら2つの係合凹部は、本実施形態
においては、それぞれ肩面107から小径穴部105側
へ軸方向に延びるU字形切欠108として形成されてい
る。換言すれば、小径穴部105の内周面の直径方向に
隔たった2個所に、U字形切欠108が互いに対向して
形成されているのである。大径穴部104にホルダ本体
16の大径部60が、小径穴部105にホルダ本体16
の小径部62がそれぞれ軸方向移動可能にしまり嵌合さ
れている。
【0013】前述の係合ピン90は両端部が2つのU字
形切欠108に嵌合している。この状態で係合ピン90
の両端面がU字形切欠108の側面にわずかな隙間を残
して対向しており、ピン保持部材92から離脱すること
が防止されている。テーパスリーブ18のストレート軸
部28からの離脱が、ストレート軸部28の先端部に取
り付けられたC形止め輪112により防止されている。
ただし、ばね部材80の付勢力に基づくテーパスリーブ
18の移動限度が、係合ピン90の外周面と貫通穴88
の側面との係合により規定されているため、テーパスリ
ーブ18がC形止め輪112に強く押しつけられること
はない。
【0014】本実施形態の工具ホルダ10が取り付けら
れる工作機械の主軸12の内部には、図示しない引込装
置としてのドローバーが設けられており、被係合部とし
てのプルスタッド20に係合して、ストレート軸部28
およびテーパスリーブ18により構成されたテーパシャ
ンクを主軸12内に引き込む。それにより、また、テー
パスリーブ18のテーパ外周面96が主軸12のテーパ
穴100の内周面に密着させられ、その後、ばね部材8
0の圧縮弾性変形を伴ってホルダ本体16がテーパスリ
ーブ18に対して相対移動し、フランジ部22の後端面
26が主軸12の先端面116に当接させられる。ばね
部材80のセット荷重がドローバーによりプルスタッド
20に加えられる引込力より小さく設定されているので
ある。
【0015】工具ホルダ10の主軸12への取付けをさ
らに詳細に説明する。工具保持アームに保持された工具
ホルダ10が、工具ホルダ10の係合凹部30と主軸1
2のドライブキー14との位相が一致した状態でテーパ
穴100に挿入される。そして、主軸12内に設けられ
たドローバーがホルダ本体16のプルスタッド20に係
合させられ、工具ホルダ10が引き込まれる。それによ
り、テーパスリーブ18のテーパ外周面96がテーパ穴
100の内周面に当接する。この状態では、ホルダ本体
16が、テーパスリーブ18,係合ピン90,ピン保持
部材92,スペーサ94およびばね部材80を介して、
主軸12に受けられた状態となり、フランジ部22の後
端面26と主軸12の先端面116との間には隙間が残
っている。ホルダ本体16がさらに引き込まれれば、ホ
ルダ本体16がばね部材80を圧縮しつつ移動し、スト
レート軸部28がテーパスリーブ18の中心穴102内
を摺動して、フランジ部22の後端面26が主軸12の
先端面116に当接する。この時点においては、テーパ
スリーブ18が、ばね部材80の弾性力と、ストレート
軸部28とテーパスリーブ18との間の摩擦力との和に
相当する力でテーパ穴100の内周面に押しつけられる
とともに、フランジ部22の後端面26が、ドローバの
引込力から上記和を差し引いた大きさの力で主軸12の
先端面116に押しつけられ、いわゆる二面拘束が実現
されて、工具ホルダ10が主軸12に強固に保持され
る。
【0016】工具ホルダ10を介して主軸12に取り付
けられた正面フライス42による切削加工時には、主軸
12のドライブキー14とフランジ部22の係合凹部3
0との係合によって、主軸12の回転トルクが確実に工
具ホルダ10に伝達される。また、加工抵抗に基づいて
正面フライス42に作用する力は、ホルダ本体16の後
端面26と主軸12の先端面116との当接部と、テー
パスリーブ18のテーパ外周面96と主軸12のテーパ
穴100の内周面とのしまり嵌合部との両方によって受
けられる。また、ホルダ本体16とテーパスリーブ18
とはストレート軸部28の外周面と中心穴102の内周
面とにおいて摺動可能に嵌合されているが、すきま嵌合
ではなく、しまり嵌合されている。そのため、ホルダ本
体16の主軸12に対する相対移動が良好に防止され、
正面フライス42が主軸12により高い保持剛性で保持
されることとなる。
【0017】工具ホルダ10が主軸12から取り外され
る際には、ドローバーが前進させられ、プルスタッド2
0との係合が解かれるとともに、プルスタッド20に当
接させられて、工具ホルダ10にそれを主軸12から押
し出す向きの力が加えられる。ドローバーとプルスタッ
ド20との係合が解かれれば、ばね部材80の弾性力に
よりテーパスリーブ18に対して相対的に前進させら
れ、フランジ部22の後端面26が主軸12の先端面か
ら離れる。その後、ドローバーによりプルスタッド20
に加えられる押出力が、C形止め輪112を介してテー
パスリーブ18に伝えられ、テーパスリーブ18とテー
パ穴100とのしまり嵌合が解かれ、自動工具交換装置
による工具ホルダ10の主軸12からの取外しが可能と
なる。
【0018】なお、ホルダ本体16の工具保持部の構成
は種々に変更することが可能であり、ドリル,エンドミ
ル,中ぐり工具等、他の加工工具を保持するコレットチ
ャック,ハイドロリックチャック等を有する工具ホルダ
16とすることが可能である。
【0019】また、中心穴102に係合凹部としてのU
字形切欠108を形成すれば、係合ピン90とテーパス
リーブ18との接触面積が増大するとともに、テーパス
リーブ18とストレート軸部28との相対回転が防止さ
れて、係合ピン90とテーパスリーブ18との接触面お
よびテーパスリーブ18とストレート軸部28とのしま
り嵌合面の摩耗を軽減することができるが、係合凹部を
形成することは不可欠ではない。図4に示すように、大
径穴部104と小径穴部105との間の肩面に係合ピン
90を係合させるようにしてもよい。この場合、大径穴
部104の肩面から一定距離離れた位置に、研削逃げ溝
を形成し、その研削逃げ溝と肩面との間に残る研削され
ていない大径穴部104内に係合ピン90を配置すれ
ば、研削逃げ溝内に係合ピンを配置する場合に比較し
て、係合ピン90の軸方向の移動を良好に抑制すること
ができる。本態様によれば、係合凹部を加工する手間が
省けるため、テーパスリーブを安価に製造することが可
能となる。
【0020】以上、本発明の実施形態を詳細に説明した
が、これは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決
しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記
載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種
々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である工具ホルダを示す正
面断面図である。
【図2】上記工具ホルダのホルダ本体の一部を示す平面
図である。
【図3】図1の III− III断面図である。
【図4】本発明の別の態様である工具ホルダを示す断面
図である。
【符号の説明】
10:工具ホルダ 12:主軸 18:テーパ
スリーブ 22:フランジ部 26:後端面
28:ストレート軸部 60:大径部
62:小径部 64:クーラント穴 66:有
底穴 80:ばね部材 82:皿ばね 8
6:力伝達装置 90:係合ピン 92:ピン保持部材 94:スペーサ 10
4:大径穴部 105:小径穴部 U字形切
欠:107

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端面に開口し、開口端側ほど直径が大
    きいテーパ穴を有する工具保持軸に、先端面とテーパ穴
    の内周面とに密着した状態で取り付けられる二面拘束型
    工具ホルダであって、 前記先端面に密着する肩面と、その肩面から直角に延び
    出し、外周面が円筒面をなすストレート軸部とを備えた
    ホルダ本体と、 内周面が前記ストレート軸部に嵌合され、外周面が前記
    テーパ穴に対応するテーパ面とされたテーパスリーブ
    と、 前記ストレート軸部に、そのストレート軸部の軸線と平
    行に形成された有底の軸方向穴内に一端が軸方向穴の底
    面に受けられた状態で配設された弾性部材と、 その弾性部材の軸方向穴の底面に受けられた側とは反対
    側の端に当接する当接部と、その当接部から半径方向に
    外向きに延び出し、前記軸方向穴の周壁を半径方向に貫
    通して形成された半径方向穴を通過して延び出し、前記
    テーパスリーブに係合する係合部とを備えた力伝達装置
    とを含むことを特徴とする二面拘束型工具ホルダ。
  2. 【請求項2】前記力伝達装置が、 前記軸方向穴に軸方向に移動可能に嵌合され、一端面に
    おいて前記弾性部材の前記一端に当接する当接部材と、 その当接部材を前記軸方向穴の軸線と直交する方向に貫
    通し、当接部材から両側へ突出した両突出部がそれぞれ
    前記半径方向穴を通過して延びるとともに各先端部にお
    いて前記テーパスリーブと係合する係合ピンとを含む請
    求項1に記載の二面拘束型工具ホルダ。
  3. 【請求項3】前記ストレート軸部が、前記肩面から延び
    出す大径軸部とその大径軸部の先端から延び出す小径軸
    部とを有する段付軸部であり、前記テーパスリーブがそ
    れら大径軸部と小径軸部とに嵌合する大径穴部と小径穴
    部とを有し、前記係合部が大径穴部と小径穴部との間の
    肩面から軸方向に形成された係合凹部に係合する請求項
    1または2に記載の二面拘束型工具ホルダ。
JP2000046235A 2000-02-23 2000-02-23 二面拘束型工具ホルダ Pending JP2001232503A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7186064B1 (en) * 2005-12-14 2007-03-06 Kennametal Inc. Rotary tapered tool holder with adapter sleeve

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7186064B1 (en) * 2005-12-14 2007-03-06 Kennametal Inc. Rotary tapered tool holder with adapter sleeve

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